説明

搬送装置及び搬送装置の制御方法

【課題】搬送部上のワークへの塵埃の付着を低減可能な搬送装置、及びこの搬送装置の制御方法の提供。
【解決手段】搬送ユニット1は、ベース部10と、ベース部10上に設けられた搬送ガイド部20と、搬送ガイド部20に沿って移動可能な搬送部30と、搬送部30から、ベース部10及び搬送ガイド部20との間に空隙を有して引き出された引き出し部材31a,31bと、引き出し部材31a,31bに対して、上記空隙を保持可能な張力を加える張力付加部40a,40bと、を備え、張力付加部40a,40bは、搬送部30の搬送範囲の外側に設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及びこの搬送装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送装置としては、クリーンルーム内で作業を行うクリーンロボットにおいて、制御装置上に作業用ロボットを一体的に構成し、この作業用ロボット及び制御装置内部の空気の流れを作業用ロボットの隙間から吸入し、クリーンロボット全体の下部より排気するように設けたことを特徴とするクリーンロボットが知られている(例えば特許文献1参照)。
このクリーンロボットは、作業用ロボットの移動に伴い発生する塵埃を、作業用ロボットの上部の隙間から吸入し、クリーンロボット全体の下部より排気することで、塵埃がクリーンルーム内に飛散するのを防止することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−41889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図5の特許文献1のクリーンロボットの概略構成を示す模式斜視図に示すように、上記クリーンロボット101は、作業用ロボット102と制御装置103とを繋ぐケーブルキャリア(ケーブルと、ケーブルを覆い保護するチェーン状の部材とがユニット化されたもの)104が、作業用ロボット102の下方の筐体105上に載置されている。
クリーンロボット101は、作業用ロボット102の移動に連動してケーブルキャリア104が、筐体105上を黒矢印方向に無限軌道状に摺動することによって、ケーブルキャリア104自体及び筐体105のケーブルキャリア104との摺動部分から塵埃が発生することがある。
なお、白抜き矢印は、特許文献1で述べられている排気用ファン108によって生じるクリーンルーム内の空気の流れを示す。
【0005】
ここで、図5に示すように、クリーンロボット101は、ケーブルキャリア104が作業用ロボット102の下部に設けられた移動機構106の側方に配置されている。
この位置関係により、クリーンロボット101は、上記塵埃を移動機構106の上面側に設けられている隙間107から、排気用ファン108を用いても十分に吸入できない虞がある。
この結果、クリーンロボット101は、作業用ロボット102の扱うワーク(被作業物)に上記塵埃が付着することにより、ワークに対して塵埃に起因した、例えば、作動不良や性能劣化などの不具合を発生させる虞がある。
また、クリーンロボット101は、ケーブルキャリア104が作業用ロボット102の下部に設けられた移動機構106の側方に配置されていることから、ケーブルキャリア104のこの配置によって小型化が阻害されている虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例にかかる搬送装置は、ベース部と、前記ベース部上に設けられた搬送ガイド部と、前記搬送ガイド部に沿って移動可能な搬送部と、前記搬送部から、前記ベース部及び前記搬送ガイド部との間に空隙を有して引き出された引き出し部材と、前記引き出し部材に対して、前記空隙を保持可能な張力を加える張力付加部と、を備え、前記張力付加部は、前記搬送部の搬送範囲の外側に設けられていることを特徴とする。
【0008】
これによれば、搬送装置は、ベース部(筐体に相当)上に設けられた搬送ガイド部(移動機構に相当)と、搬送ガイド部に沿って移動可能な搬送部(作業用ロボットに相当)と、搬送部から周囲の構成部材との間に空隙を有して引き出された引き出し部材(ケーブルキャリアのケーブルに相当)と、引き出し部材に上記空隙を保持可能な張力を加える張力付加部と、を備え、張力付加部が搬送範囲の外側に設けられている。
【0009】
このことから、搬送装置は、引き出し部材と、周囲のベース部及び搬送ガイド部との接触による塵埃の発生を回避することができる。
また、搬送装置は、張力付加部が搬送範囲の外側に設けられていることから、張力付加部に発生する塵埃の搬送部への飛散を、張力付加部が搬送範囲内に設けられている場合と比較して、低減することができる。
これらの結果、搬送装置は、搬送部上のワーク(被搬送物)への塵埃の付着を低減できることから、塵埃の付着に起因したワークの不具合の発生を抑制することができる。
【0010】
[適用例2]上記適用例にかかる搬送装置において、前記引き出し部材は、前記搬送部の移動方向の一方側と、前記一方側とは反対側の他方側とにそれぞれ引き出され、前記張力付加部は、前記一方側と前記他方側とのそれぞれに設けられていることが好ましい。
【0011】
これによれば、搬送装置は、引き出し部材が、搬送部の移動方向の一方側と他方側とにそれぞれ引き出され、張力付加部が、一方側と他方側とのそれぞれに設けられている。
このことから、搬送装置は、搬送部と共に移動中の引き出し部材に、一方側と他方側とでバランスよく張力が加えられ、搬送部の位置ずれの低減や引き出し部材の弛みの発生を抑制することができる。
したがって、搬送装置は、引き出し部材とベース部及び搬送ガイド部との接触による塵埃の発生を確実に回避することができる。
【0012】
[適用例3]上記適用例にかかる搬送装置において、前記張力付加部は、前記引き出し部材に取り付けられた伸縮性を有する弾性部材により、前記引き出し部材に対して前記張力を加える構成であることが好ましい。
【0013】
これによれば、搬送装置は、張力付加部が、引き出し部材に取り付けられた伸縮性を有する弾性部材により、引き出し部材に対して張力を加える構成である。
このことから、搬送装置は、伸縮性を有する弾性部材として、例えば、汎用的なぜんまいバネ(渦巻きバネ)を用いることにより、簡易な構成によって、引き出し部材に対して張力を加えることができる。
【0014】
[適用例4]上記適用例にかかる搬送装置において、前記張力付加部は、前記引き出し部材に取り付けられた錘部と、前記錘部を前記引き出し部材と共に吊り下げる吊り下げ部と、を備え、吊り下げられた前記錘部の質量により、前記引き出し部材に対して前記張力を加える構成であることが好ましい。
【0015】
これによれば、搬送装置は、張力付加部が、引き出し部材に取り付けられた錘部と、錘部を引き出し部材と共に吊り下げる吊り下げ部と、を備え、吊り下げられた錘部の質量により、引き出し部材に対して張力を加える構成である。
このことから、搬送装置は、錘部と吊り下げ部との簡易な構成によって、引き出し部材に対して張力を加えることができる。
【0016】
[適用例5]上記適用例にかかる搬送装置において、前記吊り下げ部は、滑車を備え、前記錘部と前記引き出し部材とが、前記滑車を介して吊り下げられていることが好ましい。
【0017】
これによれば、搬送装置は、吊り下げ部が、滑車を備え、錘部と引き出し部材とが、滑車を介して吊り下げられている。
このことから、搬送装置は、滑車によって引き出し部材の移動がスムーズとなり、引き出し部材の弛みや過負荷(引っ掛かりなどによる過張力)を低減できると共に、吊り下げ部における塵埃の発生を抑制できる。
【0018】
[適用例6]上記適用例にかかる搬送装置において、前記張力付加部における前記滑車と前記搬送部との間、及び前記滑車と前記錘部との間の少なくとも一方には、前記引き出し部材に対して移動方向と交差する方向に押し当てることにより前記張力を増加させる張力増加部が、設けられていることが好ましい。
【0019】
これによれば、搬送装置は、張力付加部における滑車と搬送部との間、及び滑車と錘部との間の少なくとも一方に、引き出し部材に対して、引き出し部材の移動方向と交差する方向に押し当てることにより張力を増加させる張力増加部が設けられている。
このことから、搬送装置は、例えば、搬送部が滑車に近づく方向に移動するときには、滑車と搬送部との間の引き出し部材に対して張力増加部を押し当て、搬送部が滑車から離れる方向に移動するときには、滑車と錘部との間の引き出し部材に対して張力増加部を押し当てることにより、各移動方向における引き出し部材の弛みや滑車からの脱落を回避することができる。
【0020】
[適用例7]上記適用例にかかる搬送装置において、前記搬送部の移動時の加速度が、重力加速度以下であることが好ましい。
【0021】
これによれば、搬送装置は、搬送部の移動時の加速度が、重力加速度(約9.8m/sec2)以下であることから、加速度に伴って発生する慣性力による引き出し部材の弛みを抑制することができる。
【0022】
[適用例8]上記適用例にかかる搬送装置において、前記引き出し部材は、平面視において、前記搬送ガイド部と重なるように引き出されていることが好ましい。
【0023】
これによれば、搬送装置は、引き出し部材が、平面視において、搬送ガイド部と重なるように引き出されていることから、省スペース化を図ることができる。
【0024】
[適用例9]本適用例にかかる搬送装置の制御方法は、ベース部と、前記ベース部上に設けられた搬送ガイド部と、前記搬送ガイド部に沿って移動可能な搬送部と、前記搬送部から、前記ベース部及び前記搬送ガイド部との間に空隙を有して引き出された引き出し部材と、前記引き出し部材に対して、前記空隙を保持可能な張力を加える張力付加部と、を備え、前記張力付加部は、前記引き出し部材に取り付けられた錘部と、前記錘部を前記引き出し部材と共に滑車を介して吊り下げる吊り下げ部と、を備え、吊り下げられた前記錘部の質量により、前記引き出し部材に対して前記張力を加え、前記滑車と前記搬送部との間、及び前記滑車と前記錘部との間には、前記引き出し部材に対して移動方向と交差する方向に押し当てることにより前記張力を増加させる張力増加部が、それぞれ設けられている搬送装置の制御方法であって、前記搬送部の移動方向を検出するステップと、前記搬送部が前記滑車に近づく方向に移動するときには、前記張力増加部の内、前記滑車と前記搬送部との間の第1張力増加部を、前記引き出し部材に対して押し当てるステップと、前記搬送部が前記滑車から離れる方向に移動するときには、前記張力増加部の内、前記滑車と前記錘部との間の第2張力増加部を、前記引き出し部材に対して押し当てるステップと、を有することを特徴とする。
【0025】
これによれば、搬送装置の制御方法は、搬送部が滑車に近づく方向に移動するときには、滑車と搬送部との間の第1張力増加部を引き出し部材に対して押し当て、搬送部が滑車から離れる方向に移動するときには、滑車と錘部との間の第2張力増加部を引き出し部材に対して押し当てるように制御する。
このことから、搬送装置の制御方法は、各移動方向における張力を、各移動方向に応じた場所で各張力増加部を引き出し部材に対して押し当てることで増加させることにより、引き出し部材の弛みや滑車からの脱落を効率的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】搬送ユニットを備えた組み立て装置の概略構成を示す模式斜視図。
【図2】(a)は、図1の搬送ユニットのZ軸方向から俯瞰した模式平面図であり、(b)は、図1の搬送ユニットのX軸方向から矢印A視した模式側面図。
【図3】変形例の搬送ユニットの概略構成を示す要部模式側面図であり、(a)は、搬送部が滑車に近づく方向に移動している状態を示す側面図、(b)は、搬送部が滑車から離れる方向に移動している状態を示す側面図。
【図4】搬送ユニットの制御方法を示すフローチャート。
【図5】特許文献1のクリーンロボットの概略構成を示す模式斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
【0028】
(実施形態)
最初に、搬送装置の一例としての搬送ユニットについて説明する。
図1は、搬送ユニットを備えた組み立て装置の概略構成を示す模式斜視図であり、図2(a)は、図1の搬送ユニットのZ軸方向から俯瞰した模式平面図であり、図2(b)は、図1の搬送ユニットのX軸方向から矢印A視した模式側面図である。なお、説明の便宜上、各構成部材は簡略化されており、各構成部材の寸法比率は実際と異なる。
【0029】
図1、図2に示すように、組み立て装置5は、ベース部10を含む搬送ユニット1,2と、ベース部10上に立設された実装ユニット50と、ベース部10上に配置され、実装ユニット50、搬送ユニット1,2の主要部分を覆う着脱可能な防塵カバー60と、を備えている。
【0030】
本実施形態の搬送ユニット1は、略フレーム状の脚部に平板状の天板(ステージ)が固定されたベース部10と、ベース部10の上面(+Z側の面)に設けられた搬送ガイド部20と、搬送ガイド部20に沿って移動可能な搬送部30と、搬送部30から、ベース部10及び搬送ガイド部20との間に空隙(隙間)を有して引き出された引き出し部材31a,31bと、引き出し部材31a,31bに対して、上記空隙を保持可能な張力を加える張力付加部40a,40bと、を備えている。
【0031】
搬送ガイド部20は、Y軸方向に直線状に延びるように設けられている。搬送ガイド部20は、Y軸方向に直線状に延びる細長い箱状の筐体21と、Y軸方向に直線状に延び、外周に螺旋状の外歯が形成されたねじ軸22と、内周に螺旋状の内歯が形成され、ねじ軸22と図示しないボールを介して噛み合うナット23と、ねじ軸22を回転させる駆動モーター24と、を備えている。
筐体21の上面(+Z側の面)には、細長いガイド孔25が長手方向をY軸方向に沿わせて直線状に設けられ、ガイド孔25を通して筐体21内のナット23と筐体21上の搬送部30とが連結されている。
【0032】
搬送部30は、略四角い箱状を成しており、下面(−Z側の面)がナット23と連結され、上面(+Z側の面)がワーク32の載置面となっている。
搬送部30は、外部からの入力(制御)による駆動モーター24を介した搬送ガイド部20のねじ軸22の回転によって、搬送ガイド部20に沿ってY軸方向に移動(搬送)可能な構成となっている。なお、搬送部30の搬送範囲(移動範囲)は、搬送ガイド部20の全長より短くなっており、ワーク32毎に適宜設定される。
なお、搬送部30の移動時の加速度は、加速度により生じる慣性力を抑制するために、重力加速度(約9.8m/sec2)以下であることが好ましい。
【0033】
搬送部30の移動方向の一方側(+Y側)の側面からは、ベース部10及び搬送ガイド部20との間に空隙を有した状態で、平面視において、搬送ガイド部20と重なるように引き出し部材31aが引き出され、一方側とは反対側の他方側(−Y側)の側面からは、ベース部10及び搬送ガイド部20との間に空隙を有した状態で、平面視において、搬送ガイド部20と重なるように引き出し部材31bが引き出されている。
なお、防塵カバー60には、引き出し部材31a,31bが接触することなく通り抜けできるように切り欠き部が設けられている。また、防塵カバー60には、内部の状態を視認可能なように透明材料が用いられている。
【0034】
引き出し部材31a,31bは、例えば、ワーク32を搬送部30の載置面に吸着するための吸引ホース、搬送部30に組み込まれた構成部材への電源供給ケーブル及び入出力信号伝達ケーブルなどを含んでいる。引き出し部材31a,31bの先端は、図示しない外部機器(例えば、吸引機、電源、制御機器など)に接続されている。
引き出し部材31a,31bは、延在方向と直交する方向に切断した断面形状が、略円形状であれば、後述する滑車41a,41bとの接触抵抗が少ないので好ましいが、入手の容易さの観点から、断面形状が扁平な、所謂フラットケーブル状であってもよい。
なお、引き出し部材31a,31bの一方は、上記吸引ホース、電源供給ケーブル及び入出力信号伝達ケーブルなどの機能を有さないダミーケーブル(模擬部材)であってもよい。また、引き出し部材31a,31bの搬送部30側は、搬送部30内の接続部分に直接張力が加わらないようにするストッパー機構などを備えて構成されていることが好ましい。
【0035】
張力付加部40a,40bは、搬送部30の搬送範囲の外側であるベース部10の側面に設けられている。詳述すると、張力付加部40aは、搬送部30の移動方向の一方側(+Y側)であるベース部10の+Y側の側面に設けられ、張力付加部40bは、搬送部30の移動方向の他方側(−Y側)であるベース部10の−Y側の側面に設けられている。
張力付加部40aは、引き出し部材31aを搬送ガイド部20に沿って、+Y側にガイドし、ベース部10の+Y方向の外側で−Z方向へ吊り下げる滑車41aと、引き出し部材31aの−Z方向へ吊り下げられた部分に取り付けられた伸縮性を有する弾性部材としてのぜんまいバネ(渦巻きバネ)42aと、を備えている。
張力付加部40aは、伸縮するぜんまいバネ42aのバネ力(巻き取り力)を利用して、引き出し部材31aに対して、上記空隙を保持可能な張力を常時加えている。
【0036】
同様に、張力付加部40bは、引き出し部材31bを搬送ガイド部20に沿って、−Y側にガイドし、ベース部10の−Y方向の外側で−Z方向へ吊り下げる滑車41bと、引き出し部材31bの−Z方向へ吊り下げられた部分に取り付けられた伸縮性を有する弾性部材としてのぜんまいバネ(渦巻きバネ)42bと、を備えている。
張力付加部40bは、伸縮するぜんまいバネ42bのバネ力(巻き取り力)を利用して、引き出し部材31bに対して、上記空隙を保持可能な張力を常時加えている。
なお、滑車41a,41bの溝形状は、引き出し部材31a,31bが溝の中心に収まり易く外れ難い、X軸方向に沿った断面形状がV字型をした溝形状が好ましい。
また、伸縮性を有する弾性部材としては、ぜんまいバネ(渦巻きバネ)に限定されるものではなく、引張りコイルバネ、チューブ状や帯状のゴム系部材などであってもよい。
なお、張力付加部40a,40bの張力は、上記空隙量、搬送部30の移動速度、引き出し部材31a,31bの形状、サイズ、質量などによって適宜設定される。
【0037】
搬送ユニット2は、搬送ユニット1と同様の構成であることから、詳細な説明を省略する。搬送ユニット2は、ベース部10の上面に搬送ユニット1とX軸方向に並んで設けられている。
搬送ユニット2の搬送部230には、例えば、搬送ユニット1のワーク32と異なる種類のワーク232が搭載されている。
【0038】
実装ユニット50は、実装部51と、実装部51をガイドする搬送ガイド部52と、を備えている。
搬送ガイド部52は、Y軸方向から見た形状が略門型形状をしており、ベース部10の上面に搬送ユニット1,2を跨いで、X軸方向に延びるように設けられている。
実装部51は、搬送ガイド部52に沿って搬送ユニット1,2の上方をX軸方向に移動可能な構成となっている。
これにより、実装部51の移動方向と搬送部30,230の移動方向とは、直交することになる。
実装部51の先端部53は、Z軸方向へ移動可能であり、例えば、ワーク32,232を着脱したり、ワーク32,232へ接着剤、導電ペーストなどの塗布物を塗布したりするなどの、物の組み立て(実装)に関わる機能を有している。なお、実装部51(搬送ガイド部52)の移動機構は、搬送ユニット1に準じた構成となっている。
【0039】
上述した構成の組み立て装置5は、例えば、水晶振動子の組み立てに用いられる。水晶振動子のような塵埃を嫌う超小型精密製品の組み立ては、クリーンルーム内で行われるのが一般的である。
ここで、組み立て装置5を用いた水晶振動子の組み立て方法について、一例を具体的に説明する。
【0040】
まず、搬送ユニット1の搬送ガイド部20上における+Y側の所定の位置で停止している搬送部30の載置面(上面)に、ワーク32としての複数個取りされたパッケージベースを搭載(吸着)する。
ついで、駆動モーター24を回転させ、搬送部30を実装部51の移動経路と交わる−Y側の位置に移動する。
このとき、搬送部30の移動に連動して、引き出し部材31a,31bも移動することになる。詳述すると、引き出し部材31aは、ベース部10の+Y側の側面側から滑車41aを介して上面側の−Y方向へ引き出され、引き出し部材31bは、ベース部10の上面側から滑車41bを介して−Y側の側面側の−Z方向へ引き戻される。
【0041】
ここで、引き出し部材31a,31bには、取り付けられた張力付加部40a,40bのぜんまいバネ42a,42bによって、ベース部10及び搬送ガイド部20との間に空隙を保持可能な張力が常時加わっている。
これにより、引き出し部材31a,31bは、上記移動に際してベース部10及び搬送ガイド部20との接触が回避され、この接触に起因する塵埃の発生が回避される。これは、以降の引き出し部材31a,31bが逆方向へ移動する工程においても、搬送ユニット2においても同様である。
【0042】
ついで、実装部51を搬送部30のワーク(パッケージベース)32の直上に移動する。
ついで、先端部53を−Z側に移動し、固定用の導電性接着剤をワーク(パッケージベース)32に塗布する。なお、この工程や以降の工程における位置合わせは、図示しない画像認識装置などにより行う。
ついで、搬送ユニット2の搬送ガイド部220上における+Y側の所定の位置で停止している搬送部230の載置面(上面)に、ワーク232としてのトレイに収容された複数の水晶振動片を搭載する。
ついで、搬送部230を実装部51の移動経路と交わる−Y側の位置に移動する。
ついで、実装部51を搬送部230のワーク(水晶振動片)232の直上に移動する。
ついで、実装部51の先端部53を−Z側に移動し、ワーク(水晶振動片)232を吸着した後、先端部53を+Z側に移動し元の位置に戻す。
【0043】
ついで、実装部51を搬送部30のワーク(パッケージベース)32の直上に移動した後、実装部51の先端部53を−Z側に移動し、ワーク(水晶振動片)232をワーク(パッケージベース)32に、先に塗布した導電性接着剤を介して取り付ける(実装する)。
ついで、上記各工程を繰り返し、トレイ上のすべてのワーク(水晶振動片)232の実装が終了したところで、搬送部30を最初の位置(+Y側の所定の位置)に移動し、ワーク(水晶振動片)232が取り付けられたワーク(パッケージベース)32を搬送部30から取り外し、後工程に回す。以降この作業を繰り返す。
【0044】
上述したように、本実施形態の搬送ユニット1は、ベース部10上に設けられた搬送ガイド部20と、搬送ガイド部20に沿って移動可能な搬送部30と、搬送部30からベース部10及び搬送ガイド部20との間に空隙を有して引き出された引き出し部材31a,31bと、引き出し部材31a,31bに上記空隙を保持可能な張力を加える張力付加部40a,40bと、を備え、張力付加部40a,40bが搬送部30の搬送範囲(移動範囲)の外側に設けられている。
このことから、搬送ユニット1は、引き出し部材31a,31bと、ベース部10及び搬送ガイド部20との接触による塵埃の発生を回避することができる。
【0045】
また、搬送ユニット1は、張力付加部40a,40bが搬送部30の搬送範囲の外側に設けられていることから、張力付加部40a,40bに発生する塵埃の搬送部30への飛散を、張力付加部40a,40bが、例えば、搬送部30の搬送範囲内に設けられている場合と比較して、低減することができる。
加えて、搬送ユニット1は、防塵カバー60が、搬送ガイド部20と張力付加部40a,40bとの間に配置されていることから、張力付加部40a,40bに発生する塵埃の搬送部30への飛散を、防塵カバー60がない場合と比較して低減することができる。
これらの結果、搬送ユニット1は、搬送部30上のワーク32への塵埃の付着を低減できることから、塵埃の付着に起因したワーク32の不具合の発生を抑制することができる。
【0046】
また、搬送ユニット1は、引き出し部材31a,31bが、搬送部30の移動方向の一方側(+Y側)と他方側(−Y側)とにそれぞれ引き出され、張力付加部40a,40bが、ベース部10の側面の上記一方側と他方側とに設けられている。
このことから、搬送ユニット1は、搬送部30と共に移動中の引き出し部材31a,31bに、一方側と他方側とでバランスよく張力が加えられ(換言すれば、搬送部30の両側から引っ張ることにより、搬送部30に働く慣性力を緩和できることで)、搬送部30の位置ずれの低減や、引き出し部材31a,31bの弛みの発生を抑制することができる。
したがって、搬送ユニット1は、引き出し部材31a,31bと、ベース部10及び搬送ガイド部20との接触による塵埃の発生を確実に回避することができる。
【0047】
また、搬送ユニット1は、張力付加部40a,40bが、引き出し部材31a,31bに取り付けられた伸縮性を有する弾性部材により、引き出し部材31a,31bに対して張力を加える構成である。
このことから、搬送ユニット1は、伸縮性を有する弾性部材として汎用的な(例えば、掃除機の電源コードや自動車のシートベルトの巻き取り機構などに広く用いられている)ぜんまいバネ(渦巻きバネ)42a,42bを用いることにより、簡易な構成によって、引き出し部材31a,31bに対して確実に張力を加えることができる。
【0048】
また、搬送ユニット1は、張力付加部40a,40bが滑車41a,41bを備えていることから、滑車41a,41bによって引き出し部材31a,31bの移動がスムーズとなり、引き出し部材31a,31bの弛みや過負荷(引っ掛かりなどによる過張力)を低減できると共に、引き出し部材31a,31bと滑車41a,41bとの接触部分における塵埃の発生を抑制できる。
【0049】
また、搬送ユニット1は、搬送部30の移動時の加速度が、重力加速度(約9.8m/sec2)以下であれば、加速度に伴って発生する慣性力による引き出し部材31a,31bの弛みを抑制することができる。
【0050】
また、搬送ユニット1は、引き出し部材31a,31bが、平面視において、搬送ガイド部20と重なるように引き出されていることから、この配置によりベース部10の省スペース化を図ることができる。
【0051】
なお、搬送ユニット1は、引き出し部材31a,31bと滑車41a,41bとの接触部分を覆う防塵カバーを設けることが好ましい。これによれば、搬送ユニット1は、引き出し部材31a,31bと滑車41a,41bとの接触部分に生じる塵埃の、搬送部30への飛散を更に低減することができる。
【0052】
なお、搬送ユニット1は、引き出し部材31a,31bの弛みや滑車41a,41bからの脱落の回避に支障がなければ、引き出し部材31a,31b及び張力付加部40a,40bを、いずれか一方側(例えば、引き出し部材31a及び張力付加部40a)のみとしてもよい。また、防塵カバー60は、例えば、クリーンルームのクリーン度が比較的高く、防塵に支障がなければ、除去してもよい。
なお、搬送ユニット1は、引き出し部材31a,31bと滑車41a,41bとの接触部分に生じる塵埃を、送風ファンなどによって搬送部30の搬送範囲から遠ざかる方向に吹き飛ばすようにしてもよい。
また、搬送部30は、搬送ガイド部20の上面ではなく側面に配置されてもよい。
【0053】
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
図3は、変形例の搬送装置としての搬送ユニットの概略構成を示す要部模式側面図である。図3(a)は、搬送部が滑車に近づく方向に移動している状態を示す側面図であり、図3(b)は、搬送部が滑車から離れる方向に移動している状態を示す側面図である。
なお、上記実施形態との共通部分については、同一符号を付して説明を省略し、上記実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0054】
図3に示すように、変形例の搬送ユニット3は、張力付加部340aが、引き出し部材31aに取り付けられた錘部342aと、錘部342aを引き出し部材31aと共に吊り下げる吊り下げ部343aと、を備えている。そして、吊り下げ部343aは、滑車341aを備えている。
【0055】
引き出し部材31aは、滑車341aを介して搬送ガイド部20に沿って、+Y側にガイドされ、ベース部10の+Y方向の外側で−Z方向へ吊り下げられている。
錘部342aは、滑車341aを介して吊り下げられた引き出し部材31aに、例えば、引き出し部材31aを取り巻くようにして取り付けられ、−Z方向へ吊り下げられている。なお、錘部342aには、鉄系や銅系の比較的比重の大きい金属などを用いることが好ましい。
搬送ユニット3は、滑車341aを介して−Z方向へ吊り下げられた錘部342aの質量(重量)により、引き出し部材31aに対して、ベース部10及び搬送ガイド部20との間に空隙を保持可能な張力を加える構成となっている。
【0056】
加えて、搬送ユニット3は、張力付加部340aにおける滑車341aと搬送部30との間、及び滑車341aと錘部342aとの間の少なくとも一方(ここでは両方)に、引き出し部材31aに対して、引き出し部材31aの移動方向と交差する方向に押し当てることにより上記張力を増加させる張力増加部としての張力滑車344a,345aが、設けられている。
滑車341aと搬送部30との間の第1張力増加部としての張力滑車344a、及び滑車341aと錘部342aとの間の第2張力増加部としての張力滑車345aは、例えば、滑車341aの回転軸を支点にして、シーソー状に遥動(回動)する支持枠346aに取り付けられている。
支持枠346aは、図示しないリンク機構などによって、シーソー状に遥動されることにより、張力滑車344a,345aを引き出し部材31aに押し当てることが可能な構成となっている。
【0057】
ここで、搬送ユニット3の上記張力滑車344a,345aの押し当てに関する制御方法について、図4の搬送ユニットの制御方法を示すフローチャートを参照して説明する。
【0058】
ステップS10:まず、例えば、駆動モーター24(ねじ軸22)の回転方向などから搬送部30の移動方向を検出する。
【0059】
ステップS20:ついで、搬送部30の移動方向が+Y方向(搬送部30が滑車341aに近づく方向)か否かを確認し、+Y方向であれば、ステップS30に移行し、+Y方向でなければ(−Y方向(搬送部30が滑車341aから離れる方向)であれば)、ステップS40に移行する。
【0060】
ステップS30:ついで、図3(a)に示すように、支持枠346aを反時計回りに遥動(回動)させて、張力滑車344aを引き出し部材31aに対して移動方向(+Y方向)と交差する方向(矢印B方向:ここでは略−Z方向)に押し当て、引き出し部材31aの弛みを取ることで上記張力を増加させる。このとき、張力滑車345aは、支持枠346aの反時計回りの遥動により、引き出し部材31aから離れている。
【0061】
ステップS40:ついで、図3(b)に示すように、支持枠346aを時計回りに遥動させて、張力滑車345aを引き出し部材31aに対して移動方向(ベース部10上では−Y方向であるが、張力滑車345aの位置では、滑車341aに吊り下げられて+Z方向となっている)と交差する方向(矢印C方向:ここでは略−Y方向)に押し当て、引き出し部材31aの弛みを取ることで上記張力を増加させる。
このとき、張力滑車344aは、支持枠346aの時計回りの遥動により、引き出し部材31aから離れている。
【0062】
ステップS50:ついで、例えば、駆動モーター24(ねじ軸22)の回転の有無などから搬送部30が停止したか否かを確認し、搬送部30が停止していれば、ステップS60へ移行し、搬送部30が停止していなければ、移行直前のステップであるステップS30またはステップS40へ戻る。なお、この確認は、連続的または間欠的に行われる。
【0063】
ステップS60:ついで、支持枠346aを遥動させて、張力滑車344aまたは張力滑車345aの引き出し部材31aに対する押し当てを解除する。
以降、上記フローを繰り返す。
【0064】
上述したように、変形例の搬送ユニット3は、張力付加部340aが、引き出し部材31aに取り付けられた錘部342aと、錘部342aを引き出し部材31aと共に吊り下げる吊り下げ部343aと、を備え、吊り下げられた錘部342aの質量により、引き出し部材31aに対して張力を加える構成である。
このことから、搬送ユニット3は、錘部342aと吊り下げ部343aとの簡易な構成によって、引き出し部材31aに対して張力を加えることができる。
これにより、搬送ユニット3は、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0065】
また、搬送ユニット3は、吊り下げ部343aが、滑車341aを備え、錘部342aと引き出し部材31aとが、滑車341aを介して吊り下げられている。
このことから、搬送ユニット3は、前述した実施形態と同様に、滑車341aによって引き出し部材31aの移動がスムーズとなり、引き出し部材31aの弛みや過負荷(引っ掛かりなどによる過張力)を低減できると共に、吊り下げ部343aにおける滑車341aと引き出し部材31aとの接触による塵埃の発生を抑制できる。
【0066】
また、搬送ユニット3は、張力付加部340aにおける滑車341aと搬送部30との間、及び滑車341aと錘部342aとの間に、引き出し部材31aに対して、引き出し部材31aの移動方向と交差する方向に押し当てることにより張力を増加させる張力滑車344a,345aが設けられている。
このことから、搬送ユニット3は、搬送部30が滑車341aに近づく方向に移動するときには、滑車341aと搬送部30との間の引き出し部材31aに対して張力滑車344aを押し当て、搬送部30が滑車341aから離れる方向に移動するときには、滑車341aと錘部342aとの間の引き出し部材31aに対して張力滑車345aを押し当てることにより、各移動方向における引き出し部材31aの弛みや滑車341aからの脱落を回避することができる。
【0067】
また、搬送ユニット3の制御方法は、搬送部30の移動方向を検出し(ステップS10)、移動方向によって(ステップS20)、搬送部30が滑車341aに近づく方向に移動するときには、滑車341aと搬送部30との間の張力滑車344aを引き出し部材31aに対して押し当て(ステップS30)、搬送部30が滑車341aから離れる方向に移動するときには、滑車341aと錘部342aとの間の張力滑車345aを引き出し部材31aに対して押し当てる(ステップS40)ように制御する。
このことから、搬送ユニット3の制御方法は、各移動方向における引き出し部材31aに対する張力を、各移動方向に応じた場所で張力滑車344a,345aを押し当てることによって増加させることにより、例えば、錘部342aや引き出し部材31aに働く慣性力による引き出し部材31aの弛みや滑車341aからの脱落を効率的に回避することができる。
【0068】
なお、引き出し部材31aに対する張力滑車344a,345aの押し当ての程度は、搬送部30の停止時における引き出し部材31aに対する張力、引き出し部材31aの弛みの度合い、搬送部30の移動速度(移動加速度)などに応じて適宜設定される。
なお、図3では、張力滑車344a,345aを含む張力付加部340aは、ベース部の+Y側に設けられているが、ベース部の−Y側に設けられていてもよく、+Y側、−Y側の両側に設けられていてもよい。
また、張力滑車344a,345aは、いずれか一方のみが備えられていてもよく、両方とも備えられていなくてもよい(つまり、張力滑車344a,345aは、引き出し部材31aの弛みや滑車341aからの脱落などの回避に支障がなければ、なくてもよい)。
なお、張力滑車344a,345aは、上記実施形態にも適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1,2…搬送装置としての搬送ユニット、5…組み立て装置、10…ベース部、20…搬送ガイド部、21…筐体、22…ねじ軸、23…ナット、24…駆動モーター、25…ガイド孔、30…搬送部、31a,31b…引き出し部材、32…ワーク、40a,40b…張力付加部、41a,41b…滑車、42a,42b…伸縮性を有する弾性部材としてのぜんまいバネ、60…防塵カバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、
前記ベース部上に設けられた搬送ガイド部と、
前記搬送ガイド部に沿って移動可能な搬送部と、
前記搬送部から、前記ベース部及び前記搬送ガイド部との間に空隙を有して引き出された引き出し部材と、
前記引き出し部材に対して、前記空隙を保持可能な張力を加える張力付加部と、を備え、
前記張力付加部は、前記搬送部の搬送範囲の外側に設けられていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置において、前記引き出し部材は、前記搬送部の移動方向の一方側と、前記一方側とは反対側の他方側とにそれぞれ引き出され、
前記張力付加部は、前記一方側と前記他方側とのそれぞれに設けられていることを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の搬送装置において、前記張力付加部は、前記引き出し部材に取り付けられた伸縮性を有する弾性部材により、前記引き出し部材に対して前記張力を加える構成であることを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の搬送装置において、前記張力付加部は、前記引き出し部材に取り付けられた錘部と、前記錘部を前記引き出し部材と共に吊り下げる吊り下げ部と、を備え、
吊り下げられた前記錘部の質量により、前記引き出し部材に対して前記張力を加える構成であることを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送装置において、前記吊り下げ部は、滑車を備え、
前記錘部と前記引き出し部材とが、前記滑車を介して吊り下げられていることを特徴とする搬送装置。
【請求項6】
請求項5に記載の搬送装置において、前記張力付加部における前記滑車と前記搬送部との間、及び前記滑車と前記錘部との間の少なくとも一方には、前記引き出し部材に対して移動方向と交差する方向に押し当てることにより前記張力を増加させる張力増加部が、設けられていることを特徴とする搬送装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の搬送装置において、前記搬送部の移動時の加速度が、重力加速度以下であることを特徴とする搬送装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の搬送装置において、前記引き出し部材は、平面視において、前記搬送ガイド部と重なるように引き出されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項9】
ベース部と、前記ベース部上に設けられた搬送ガイド部と、前記搬送ガイド部に沿って移動可能な搬送部と、前記搬送部から、前記ベース部及び前記搬送ガイド部との間に空隙を有して引き出された引き出し部材と、前記引き出し部材に対して、前記空隙を保持可能な張力を加える張力付加部と、を備え、前記張力付加部は、前記引き出し部材に取り付けられた錘部と、前記錘部を前記引き出し部材と共に滑車を介して吊り下げる吊り下げ部と、を備え、吊り下げられた前記錘部の質量により、前記引き出し部材に対して前記張力を加え、前記滑車と前記搬送部との間、及び前記滑車と前記錘部との間には、前記引き出し部材に対して移動方向と交差する方向に押し当てることにより前記張力を増加させる張力増加部が、それぞれ設けられている搬送装置の制御方法であって、
前記搬送部の移動方向を検出するステップと、
前記搬送部が前記滑車に近づく方向に移動するときには、前記張力増加部の内、前記滑車と前記搬送部との間の第1張力増加部を、前記引き出し部材に対して押し当てるステップと、
前記搬送部が前記滑車から離れる方向に移動するときには、前記張力増加部の内、前記滑車と前記錘部との間の第2張力増加部を、前記引き出し部材に対して押し当てるステップと、
を有することを特徴とする搬送装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−35665(P2013−35665A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173615(P2011−173615)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】