説明

搬送装置

【課題】構造の複雑化を回避するとともに、搬送中における成形品の損傷を防止することができる搬送装置を提供する。
【解決手段】成形品Tを収容可能な搬送用カップ51と、搬送用カップ51を、成形品Tを内部に収容可能な収容位置(P)から成形品Tを外部に放出し得る放出位置(Q)まで案内する案内管路52とを備え、搬送用カップ51が、放出位置(Q)において底壁512を上方へ移動させることによって成形品Tを外部に排出するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体原料を所定の形状に圧縮成形した成形品を低位置から高位置へ搬送する搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
筐体内において粉体原料を所定の形状に圧縮成形する粉体圧縮成形機において、成形品は成形された時点から筐体外へ排出されるまでの過程で順次高い位置(上流)から低い位置(下流)へと送られる。そして、圧縮成形された成形品のうち所定量の成形品を測定装置で測定するため、或いは圧縮成形された成形品を保管用缶体又は搬送用缶体へ搬入するために、筐体外へ排出された成形品を低位置から高位置へ搬送する搬送装置が使用されている。
【0003】
搬送装置の一例として、上下方向に延伸する管路と、この管路内を昇降移動可能なバケットとを備えたものが挙げられる(例えば特許文献1参照)。この搬送装置は、管路の下端部から上端部に亘って延伸するチェーン等の駆動部を備え、この駆動部を駆動させることによってバケットを昇降移動させるものである。
【0004】
また、搬送装置の他の態様として、上下方向に延伸する管路と、管路内を昇降移動可能なリフト板と、リフト板を昇降移動させる駆動部とを備え、リフト板上に成形品を溜めた状態でこのリフト板を管路内で上昇させる態様も考えられている。
【特許文献1】特開平8−277023号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前者の場合、管路内の下端部から上端部に亘って延伸する駆動部が必須であるため、管路内の構造が複雑になるという問題があった。一方、後者の場合、管路内の構造複雑化を回避することができるものの、リフト板上に成形品を溜めた状態でリフト板を上昇させた際、成形品が管路内の内側面に擦り続けるため、搬送中に成形品が欠ける、又は割れるという問題が生じていた。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、構造の複雑化を回避するとともに、搬送中における成形品の損傷を防止することができる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明の搬送装置は、粉体原料を所定の形状に圧縮成形した成形品を低位置から高位置へ搬送するものであって、上方に開口する開口部を有し且つ前記成形品を収容可能なカップと、当該カップを、前記成形品を内部に収容可能な収容位置から前記成形品を外部に放出し得る放出位置まで案内する案内管路とを備えたものであり、前記カップが、前記放出位置において底壁を上方へ移動させることによって前記成形品を外部に排出するものであることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、従来のバケット式と比較して案内管路内にベルトやチェーンを設ける必要がなく、構造の簡略化を図ることができるとともに、搬送中に成形品が案内管路の内側壁に擦れることがないため、搬送中における成形品の損傷を防止することができる。
【0009】
特に、前記カップが、カップ本体と、当該カップ本体内を上下方向に移動可能な前記底壁とを備えたものであり、前記案内管路が、前記カップを前記収容位置から前記放出位置まで移動させた際に、前記カップ本体にのみ当接して当該カップ本体の上方への移動を規制し且つ前記底壁の上方への移動を許容するストッパを備えたものであれば、このストッパによって底壁のみを確実に上方へ移動させることができ、成形品の排出を的確に行うことができる。
【0010】
また、前記底壁が、上面を所定角度傾斜させたものであれば、成形品をスムーズ且つ的確に排出することができる。
【0011】
前記底壁が、外側面を前記カップ本体の内側面に摺接した状態でカップ本体内を移動するものであれば、底壁の外側面とカップ本体の内側面との間に成形品が噛み込む事態を防止することができる。
【0012】
好適な実施態様としては、前記底壁が、前記放出位置において下方から押圧されることによって上方に移動可能なものである態様が挙げられる。このような態様であれば、底壁を上方から引っ張ることによって上方へ移動させる態様と比較して、底壁の上面側にワイヤ等の吊上部材が不要であるため、成形品が吊上部材に干渉し得ず、成形品の良好な収容状態を確保することができる。
【0013】
なお、本発明における粉体とは、微少個体の集合体であり、いわゆる顆粒などの粒体の集合体と、粒体より小なる形状の粉末の集合体とを含むものを指すものである。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明によれば、構造の複雑化を回避するとともに、搬送中に成形品が案内管路の内側壁に擦れることがないため、搬送中における成形品の損傷を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態に係る搬送装置5は、図1に示すように、粉体圧縮成形機1に接続され、粉体圧縮成形機1で成形された成形品Tを測定装置6へ搬送するものである。
【0017】
粉体圧縮成形機1は、内部を外部の雰囲気から遮断する筐体2と、筐体2内に設けられ粉体原料を所定の形状に圧縮成形する粉体圧縮成形機構3と、粉体圧縮成形機構3によって圧縮成形された成形品Tを前記筐体2の外部に排出する成形品排出機構4とを少なくとも備えたものである。
【0018】
筐体2は従来のもの(例えば特開2005−193297号公報参照)と略同様の構造であるため詳細な説明は省略する。
【0019】
粉体圧縮成形機構3も、従来のもの(例えば特開2005−193297号公報参照)と略同様の構造である。簡単に説明すると、粉体圧縮成形機構3は、筐体2内に回転軸を介して回転可能に配設した回転盤と、回転盤に取り付けられ臼孔を有する臼と、臼の上下に配設され且つ回転盤面に直交する方向に沿って移動可能な上杵及び下杵とを備えたものであり、筐体2内を減圧状態に維持して杵先を臼孔内に挿入した状態で上杵及び下杵を互いに相寄る方向に移動させて押圧することにより、臼孔内に充填した成形品Tの粉体原料を圧縮成形するものである。
【0020】
成形品排出機構4は、図1〜図5に示すように、粉体圧縮成形機構3から排出される成形品Tを貯留する貯留部41と、製品用の成形品Tを図示しない集荷容器に排出する通常排出経路42と、サンプリング用の成形品Tを測定装置6に排出するサンプリング排出経路43と、貯留部41から排出される成形品Tのうち少量の成形品Tを収容し得るサンプリングカップ44と、サンプリングカップ44を内部に収容可能なハウジング45と、サンプリングカップ44を回動可能に軸支する横軸46と、横軸46の回動角度を調整可能な回動角度調整部47と、通常排出経路42の入口を開放する通常排出経路開放状態(H)とサンプリング排出経路43の入口を開放するサンプリング排出経路開放状態(I)との間で切替可能な切替部48とを備えたものである。
【0021】
サンプリングカップ44は、所定方向に開口する開口部441aを有するカップ本体441と、横軸46が挿入可能な軸孔442aを有する軸取付部442とを備えたものである。なお、カップ本体441の開口形状は、円形又は多角形状、或いは楕円形等、どのような形状であってもよい。そして、軸孔442aに横軸46を略遊びの無い状態で挿入することにより、サンプリングカップ44が横軸46と同期して回動可能な状態となる。サンプリングカップ44は、横軸46の回動に伴って、開口部441aを所定角度斜め上方に向け且つ少量の成形品Tを収容し得る収容位置(A)と、開口部441aを略真上に向けた安定位置(B)と、開口部441aを下方に向け且つ収容した成形品Tを放出し得る放出位置(C)とをとり得るものである。これら各位置(A)、(B)、(C)は横軸46の回動角度によって規定される。
【0022】
このようなサンプリングカップ44を備えた成形品排出機構4の動作及び作用について説明する。
【0023】
先ず、製品用の成形品Tを排出する場合には、サンプリングカップ44を前記放出位置(C)に位置付けるとともに、切替部48を前記通常排出経路開放状態(H)にする(図5参照)。この状態で貯留部41から排出される全ての成形品Tはサンプリングカップ44に収容されることなく、通常排出経路42に排出される。
【0024】
一方、サンプリング用の成形品Tを排出する場合には、切替部48を前記通常排出経路開放状態(H)に維持したまま、サンプリングカップ44を収容位置(A)に位置付ける(図2参照)。この状態で貯留部41から排出される成形品Tのうち少量の成形品Tはサンプリングカップ44に収容される。この際、収容位置(A)に位置付けたサンプリングカップ44が所定角度傾斜した姿勢をとるため、サンプリングカップ44には、容積の8割程度の成形品Tが収容される。そして、サンプリングカップ44に収容されない成形品T(サンプリングカップ44から溢れ出る成形品Tを含む)は通常排出経路42に排出される。
【0025】
次いで、貯留部41の終端側の弁を閉じて、貯留部41からハウジング45への成形品Tの排出を規制した状態とし、サンプリングカップ44を安定位置(B)に位置付ける(図3参照)。本実施形態では、容積の8割程度の成形品Tを収容した状態でサンプリングカップ44を収容位置(A)から安定位置(B)に回動させる態様であるため、収容位置(A)から安定位置(B)への回動時、及び安定位置(B)に位置付けた状態においてサンプリングカップ44に収容されている成形品Tがサンプリングカップ44から不意に落下する事態を回避することができる。
【0026】
サンプリングカップ44の収容位置(A)から安定位置(B)への回動に若干遅れて切替部48を通常排出経路開放状態(H)からサンプリング排出経路開放状態(I)へ切り替え、引き続いて、サンプリングカップ44を放出位置(C)に位置付ける(図4参照)。その結果、少量の成形品Tはサンプリングカップ44から放出され、サンプリング排出経路43に排出される。
【0027】
しかして、本実施形態に係る搬送装置5は、サンプリング排出経路43に排出された成形品Tを測定装置6へ搬送するものである。
【0028】
搬送装置5は、サンプリング排出経路43から排出された成形品Tを収容する搬送用カップ51と、この搬送用カップ51を、成形品Tを受ける収容位置(P)から成形品Tを放出可能な放出位置(Q)まで案内する案内管路52とを備えたものである。
【0029】
搬送用カップ51は、図6〜図9に示すように、上方に開口した開口部511aを有するカップ本体511と、カップ本体511内を上下方向に移動可能な底壁512と、底壁512に対するカップ本体511の回動を規制するカップ本体回動規制部513とを備えたものである。
【0030】
カップ本体511は、周回する側壁511bを備え、上下方向に貫通した筒状のものである。本実施形態では、カップ本体511として円筒状のものを適用している。
【0031】
底壁512は、上面512aをカップ本体511の開口部511aよりも下方に位置付けた通常位置(R)と、上面512aをカップ本体511の開口部511aと同一又は上方に位置付けた上昇位置(S)との間で上下方向に移動可能なものである。底壁512の上面512aは所定角度傾斜したものである。また、底壁512は、外側面512bをカップ本体511の側壁511bの内側面に摺接した状態でカップ本体511内を移動するものである。
【0032】
カップ本体回動規制部513は、カップ本体511の側壁511bに形成した上下方向に延伸するキー溝511cと、底壁512の下端部側に設けられ且つキー溝511cに案内されるピン512Pとを備えたものである。
【0033】
ピン512Pは、底壁512の径よりも大きい長手寸法を有し、一端部512Paをキー溝511cに収容したものである。このピン512Pは、他端部に図示しない付勢部材によって外方に向かって付勢される突没子512Pbを備えている。この突没子512Pbは、底壁512を通常位置(R)に位置付けた場合に、カップ本体511の側壁511bに形成した凹部511dに弾性係合するものである。
【0034】
カップ本体511及び底壁512は、合成樹脂製のものである。
【0035】
一方、搬送用カップ51の移動を案内する案内管路52は、図7等に示すように、上下方向に延伸し、周回する側壁521aを有する管路本体521と、前記サンプリング排出経路43に接続した成形品受入口522とを備えたものである。管路本体521の上端部に、成形品排出口523を有するジョイント部材524を取り付けている。このジョイント部材524に、搬送用カップ51を前記収容位置(P)から前記放出位置(Q)まで移動させた際に、カップ本体511にのみ当接してカップ本体511の上方への移動を規制し且つ底壁512の上方への移動を許容するストッパ525を設けている。ストッパ525は、合成樹脂製のものである。なお、ジョイント部材524に、外部から搬送用カップ51を視認可能なサイトガラス526を取り付けている。サイトガラス526はパッキング527を介してジョイント部材524に取り付けている。
【0036】
また、搬送装置5は、底壁512を上下方向に移動させる駆動部53を備えている。
【0037】
本実施形態では、駆動部53として、底壁512を下方から押し上げるエアシリンダを適用している。
【0038】
次に、搬送装置5の動作及び作用について説明する。
【0039】
先ず、サンプリング排出経路43から排出される成形品Tを搬送用カップ51に受ける場合には、搬送用カップ51を前記収容位置(P)に位置付けるとともに、底壁512を通常位置(R)に位置付ける(図6及び図7参照)。この状態でサンプリング排出経路43から排出されるサンプリング用の成形品Tは搬送用カップ51に収容される。また、底壁512を通常位置(R)に位置付けた状態において、カップ本体511に形成したキー溝511cが底壁512の外側面512bに覆われる。これにより、キー溝511cに対する成形品Tの噛み込みを防止している。なお、本実施形態では、前記成形品排出機構4の作用により少量の成形品Tのみがサンプリング排出経路43に排出されるため、搬送用カップ51に収容される成形品Tも少量であることはいうまでもない。
【0040】
次いで、搬送用カップ51に成形品Tを収容した状態で、駆動部53を駆動させ、底壁512を通常位置(R)に維持した状態で搬送用カップ51を放出位置(Q)まで上昇させる。搬送用カップ51が放出位置(Q)まで上昇すると、カップ本体511の上端部が前記ストッパ525に当接してそれ以上の上昇移動が規制される(図8参照)。一方、放出位置(Q)において、底壁512は駆動部53により下方から押圧され、通常位置(R)から上昇位置(S)まで移動する(図9参照)。具体的には、駆動部53の押圧力によって、ピン512Pの突没子512Pbがカップ本体511の側壁511bに形成した前記凹部511dを乗り越えて、ピン512Pの一端部512Paを前記キー溝511cに係合させた状態で底壁512が上昇位置(S)まで移動する。この際、底壁512は、外側面512bをカップ本体511の側壁511bの内側面に摺接した状態でカップ本体511内を移動する。底壁512の通常位置(R)から上昇位置(S)への移動により、成形品Tがカップ本体511の外部へ放出され、成形品排出口523から測定装置6へ排出される。この際、底壁512の上面512aが所定角度傾斜しているため、成形品Tが成形品排出口523に向かってスムーズに排出される。なお、底壁512を通常位置(R)から上昇位置(S)へ移動させた際、ピン512Pの一端部512Paが前記キー溝511cの上端部511caに当接することにより、カップ本体511に対する底壁512のそれ以上の上昇移動が規制される。
【0041】
成形品Tをカップ本体511の外部へ放出した後、駆動部53を駆動させると、カップ本体511の側壁511bと案内管路52の側壁521aとの摩擦係数を、ピン512Pの突没子512Pbとカップ本体511の側壁511bとの摩擦係数よりも小さく設定しているため、底壁512を上昇位置(S)に維持した状態で搬送用カップ51が収容位置(P)まで下降する。搬送用カップ51が収容位置(P)まで下降すると、カップ本体511の下端部が、案内管路52の下端部側に設けた受け台528(図6参照)に当接してそれ以上の下降移動が規制される。そして、底壁512が駆動部53により下方に引き込まれ、上昇位置(S)から通常位置(R)まで移動する(図6参照)。
【0042】
このように、本実施形態に係る搬送装置5は、成形品Tを収容可能な搬送用カップ51と、搬送用カップ51を、成形品Tを内部に収容可能な収容位置(P)から成形品Tを外部に放出し得る放出位置(Q)まで案内する案内管路52とを備え、カップ51が、放出位置(Q)において底壁512を上方へ移動させることによって成形品Tを外部に排出するものであるため、バケット式の態様と比較して案内管路52内にベルトやチェーンを設ける必要がなく、また成形品Tが案内管路52の側壁521aの内側面に擦れることを回避し、不良品の発生を抑制することができる。
【0043】
特に、案内管路52が、搬送用カップ51を収容位置(P)から放出位置(Q)まで移動させた際に、カップ本体511にのみ当接してカップ本体511の上方への移動を規制し且つ底壁512の上方への移動を許容するストッパ525を備えたものであるため、このストッパ525によって底壁512のみを確実に上方へ移動させることができ、搬送中における成形品Tの損傷を防止することができる。
【0044】
さらに、底壁512が、上面512aを所定角度傾斜させたものであるため、成形品Tを成形品排出口523へスムーズ且つ的確に排出することができる。
【0045】
また、底壁512が、外側面512bをカップ本体511の側壁511bの内側面に摺接した状態でカップ本体511内を移動するものであるため、底壁512の外側面512bとカップ本体511の側壁511bとの間に成形品Tが噛み込む事態を防止することができる。
【0046】
底壁512が、放出位置(Q)において下方から押圧されることによって上方に移動可能なものであるため、底壁512を上方から引っ張ることによって上方へ移動させる態様と比較して、底壁512の上面512a側にワイヤ等の吊上部材が不要であるため、成形品Tが吊上部材に干渉し得ず、成形品Tの良好な収容状態を確保することができる。
【0047】
加えて、本実施形態では、搬送装置5の下流端(成形品受入口522)及び上流端(成形品排出口523)を、それぞれ内部空間を外部と遮断した密閉構造の粉体圧縮成形機1、測定装置6に接続しているため、搬送装置5自体も内部空間を外部と遮断した密閉構造となり、搬送装置5を分解することなく洗浄することができ、好適である。
【0048】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0049】
例えば、底壁の上面の傾斜角度を、収容位置において上面が成形品受入口と略直線状をなす角度、又は放出位置において上面部が成形品排出口と略直線状をなす角度に設定してもよい。このような傾斜角度であれば、成形品の受入及び排出をよりスムーズに行うことができる。なお、底壁の上面が略水平なものであっても構わない。
【0050】
また、底壁を上下方向に駆動させる駆動部として、例えばアクチュエータ等、エアシリンダ以外のものを適用してもよい。
【0051】
また、底壁をワイヤ等の吊上部材によって上方から引っ張ることによって上方へ移動させても構わない。
【0052】
また、本発明に係る搬送装置を、圧縮成形した成形品を保管用の缶体又は搬送用の缶体へ搬入するためのものとして適用してもよい。
【0053】
また、前記実施形態では、管路本体521が鉛直方向に沿って延伸する案内管路52を例示したが、管路本体が所定角度斜め上方に向かって延伸する案内管路を適用してもよい。特に、管路本体の延伸方向を、成形品受入口522の開口方向に対して略直交する方向に設定したものであれば、加工容易性に優れ、搬送装置の製造コスト削減を図ることができる。
【0054】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置を粉体圧縮成形機に接続した状態を示す全体概略図。
【図2】同実施形態においてサンプリングカップを収容位置に位置付けた成形品排出機構を一部省略して示す図。
【図3】安定位置に位置付けたサンプリングカップを図2に対応して示す図。
【図4】放出位置に位置付けたサンプリングカップを図2に対応して示す図。
【図5】放出位置に位置付けたサンプリングカップを図2に対応して示す図。
【図6】同実施形態に係る搬送装置の要部拡大断面を一部省略して示す図。
【図7】同実施形態に係る搬送装置の作動状態を示す図。
【図8】同実施形態に係る搬送装置の作動状態を示す図。
【図9】同実施形態に係る搬送装置の作動状態を示す図。
【符号の説明】
【0056】
5…搬送装置
51…カップ(搬送用カップ)
511…カップ本体
511a…開口部
512…底壁
512a…上面
512b…外側面
52…案内管路
525…ストッパ
T…成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体原料を所定の形状に圧縮成形した成形品を低位置から高位置へ搬送する搬送装置であって、
上方に開口する開口部を有し且つ前記成形品を収容可能なカップと、
当該カップを、前記成形品を内部に収容可能な収容位置から前記成形品を外部に放出し得る放出位置まで案内する案内管路とを備えたものであり、
前記カップが、前記放出位置において底壁を上方へ移動させることによって前記成形品を外部に排出するものであることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記カップが、カップ本体と、当該カップ本体内を上下方向に移動可能な前記底壁とを備えたものであり、
前記案内管路が、前記カップを前記収容位置から前記放出位置まで移動させた際に、前記カップ本体にのみ当接して当該カップ本体の上方への移動を規制し且つ前記底壁の上方への移動を許容するストッパを備えたものである請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記底壁が、上面を所定角度傾斜させたものである請求項1又は2記載の搬送装置。
【請求項4】
前記底壁が、外側面を前記カップ本体の内側面に摺接した状態でカップ本体内を移動するものである請求項1、2又は3記載の搬送装置。
【請求項5】
前記底壁が、前記放出位置において下方から押圧されることによって上方に移動可能なものである請求項1、2、3又は4記載の搬送装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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