搬送装置
【課題】高コスト化や大型化をすることなく記録媒体をスムースに搬送することができる搬送装置を提供する。
【解決手段】本発明の搬送装置は、記録媒体が搬送される湾曲した搬送経路10と、搬送経路10に位置し、駆動源からの駆動力により駆動する駆動ローラ301および駆動ローラ301と圧接する従動ローラ401からなるローラ対と、を有する。駆動ローラ301は、記録媒体の搬送方向で上流側または下流側に移動が可能なように軸支されており、従動ローラ401は駆動ローラ301の移動に追従して移動が可能である。
【解決手段】本発明の搬送装置は、記録媒体が搬送される湾曲した搬送経路10と、搬送経路10に位置し、駆動源からの駆動力により駆動する駆動ローラ301および駆動ローラ301と圧接する従動ローラ401からなるローラ対と、を有する。駆動ローラ301は、記録媒体の搬送方向で上流側または下流側に移動が可能なように軸支されており、従動ローラ401は駆動ローラ301の移動に追従して移動が可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置において記録媒体の搬送を行う搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録装置に用いられる搬送装置として、記録装置の前部の給紙トレイに積載されたシート状の複数の記録媒体を1枚ずつピックアップして、湾曲した搬送経路(以降、「Uターンパス」とする)により搬送方向を反転させ、記録装置の記録部に搬送するものがある。そして、このような搬送装置を用いた画像読取り記録装置が特許文献1に開示されている。なお、このUターンパスを通過させる搬送を、以降「Uターン搬送」とする。
【0003】
給紙トレイから記録媒体をピックアップして記録部に搬送する際に、記録媒体はUターンパスを通過する。このとき、記録媒体の剛性が高いと、記録媒体がUターンパスの形状に沿って搬送されずに詰まったり、記録媒体とUターンパスとの間に生じる摩擦が大きくなったりすることで、記録媒体の搬送に対する搬送抵抗が発生する。
【0004】
この搬送抵抗が大きいと、例えば、給紙トレイから記録部に記録媒体を搬送する給紙ローラの搬送力が不足する場合、給紙ローラと記録媒体との間でスリップが発生する。給紙ローラの駆動源の出力が不足する場合、搬送抵抗に打ち勝つ駆動力を給紙ローラに供給することができず、Uターンパス内で記録媒体が搬送不能になる。さらに、Uターンパスから受ける搬送抵抗と給紙ローラの搬送力による圧縮力とに記録媒体が耐え切れず、記録媒体が座屈してしまう、などのトラブルが生じてしまう。
【0005】
そのため、Uターン搬送をする搬送装置の場合、記録媒体の搬送方向でUターンパスの上流に給紙ローラを配置する以外に、Uターンパス内に必要に応じて中間ローラが配置される。Uターンパスの湾曲部付近に中間ローラを配置することで、Uターンパスの形状に沿った方向に記録媒体を搬送できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−150030号公報
【特許文献2】特許第4646435号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図16に、搬送されてくる記録媒体と中間ローラ対の配置を模式的に示した図を示す。図16(a)は、ガイドの表面に対する第1のローラの突出量が大きい状態、図16(b)は、ガイド表面に対する第1のローラの突出量が小さい状態である。なお、図16では、説明に必要な部材のみ図示している。また、図16では、Uターンパスを形成し、Uターンパスの湾曲する方向(内周側)に位置する内側のガイドは図示せず、内側のガイドに対向する外側の(外周側の)ガイドのみを図示している。
【0008】
Uターンパス内に第1のローラ1001と、第1のローラ1001と対になる第2のローラ1002とで中間ローラ対が形成されている。そして、中間ローラ対の記録媒体の搬送方向で上流側に上流ガイド1005が、下流側に下流ガイド1004が設けられている。なお図中の黒い矢印1007が中間ローラ対に搬送されてくる記録媒体の搬送方向で、破線の矢印1003が中間ローラ対のニップ方向である。なお、ニップ方向とは、2つのローラ1001、1002の回転軸に垂直な断面において、2つのローラ1001、1002の回転軸同士を結ぶ直線に垂直な方向であり、かつ中間ローラ対の上流から下流を見たときの方向である。また、上流ガイド1005の表面の延長面1011と、第1のローラ1001の表面の、延長面1011との交点上の接線1010とのなす各を突入角1008とする。上流ガイド1005の表面の延長面1011から第1のローラ1001が突出した量を、第1のローラ1001の突出量1006とする。
【0009】
不図示の給紙ローラによってUターンパスに送られた記録媒体の先端は、記録媒体自身の剛性によって外側のガイドに沿って進もうとする。そのため、記録媒体は上流ガイド1005に沿って矢印1007の方向に進もうとする。図16(a)のように、記録媒体が進む方向1007とニップの方向1003のなす角度1009が大きいと、第1のローラ1001への突入角度1008が大きくなる。この場合、記録媒体が中間ローラ対のニップに噛み込まれる前に、記録媒体の先端が第1のローラ1001へ衝突し、記録媒体の先端が傷ついたり、あるいはニップに噛み込まれなかったりする等の搬送不良が発生する可能性が高まる。
【0010】
記録媒体の進む方向1007とニップ方向1003のなす角度1009を変更せずに第1のローラ1001への衝突を和らげるためには、図16(b)のように、第1のローラ1001の突出量1006を、図16(a)の状態に比べて小さくする。この場合、第1のローラ1001への記録媒体の突入角1008は小さくなるが、記録媒体は、中間ローラ対のニップ位置に到達する前に第2のローラ1002に衝突しやすくなってしまい、やはり搬送不良の可能性が高まる。
【0011】
以上から、記録媒体の先端が中間ローラ対のニップにスムースに噛み込まれるためには、Uターンパス内に中間ローラを配置する際、中間ローラ対の上流では、中間ローラ対のニップ方向1003と記録媒体の搬送方向1007を同じにすることが望ましい。
【0012】
記録媒体が中間ローラ対で搬送される際には、中間ローラ対のニップ方向1003が下流ガイド1004の表面に対して垂直に近い場合(図17(a)参照)、記録媒体の搬送方向1007を大きく屈曲させる必要がある。そのため、記録媒体は屈曲しなければならない。したがって、中間ローラ対のニップ方向1003が、Uターンパスの湾曲した方向(内周側)に向かう構成(図17(b)参照)の方が記録媒体の屈曲が小さい。記録媒体の屈曲が大きければ大きいほど記録媒体の剛性によりUターンパスと記録媒体との間の摩擦が大きくなり、搬送抵抗の増加を招く。よって、搬送抵抗を受けにくくするため、中間ローラ対のニップ方向1003が、Uターンパスの湾曲した方向に向かうように配置することが望ましい。
【0013】
しかしながら、湾曲したUターンパスに配置する中間ローラ対のニップ方向を、上記の2つの条件を満たすようにすることは非常に困難である。
【0014】
この課題を解決するためには、例えば、Uターンパス内に複数の中間ローラ対を配置して、各中間ローラ対のニップ方向を少しずつ変化させることが考えられる。しかしながら、この解決策はローラの数が増えるため、製造コストの増加や搬送装置の大型化を引き起こしてしまう。
【0015】
また、Uターンパスから搬送抵抗を受けても搬送を可能とするために中間ローラ対のニップ圧を高くするなどの対策を行うことも考えられる。しかしながら、中間ローラを駆動する際の駆動手段にかかる負荷が大きくなったり、各ローラを保持する部品が変形したりするなどのトラブルが発生しやすくなるため、駆動手段の動力源の強化や各ローラ保持部品の強度のアップ等が必要になる。そのため、上記の対策と同様に製造コストの増加につながる。
【0016】
そこで本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、高コスト化や大型化をすることなく記録媒体をスムースに搬送することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の搬送装置は、記録媒体が搬送される湾曲した搬送経路と、搬送経路に位置し、駆動源からの駆動力により駆動する駆動ローラおよび駆動ローラと圧接する従動ローラからなるローラ対と、を有する。また、駆動ローラは、記録媒体の搬送方向で上流側または下流側に移動が可能なように軸支されている。従動ローラは駆動ローラの移動に追従して移動が可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、搬送装置を大型化やコスト増加を抑えつつ、湾曲した搬送経路に位置するローラ対において、記録媒体の噛み込み不良や、搬送抵抗などに起因する負荷による搬送不良が発生しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る搬送装置の第1の実施形態および、その搬送装置を有する記録装置の斜視図である。
【図2】図1の記録装置の断面図である。
【図3】給紙ローラアームユニットの斜視図である。
【図4】図3の断面の概略図である。
【図5】駆動ローラアームユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図6】図5のBB’断面の概略図である。
【図7】従動ローラアームユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図8】図7のCC’断面の概略図である。
【図9】中間ローラ対のニップ方向と搬送されてくる記録媒体の搬送方向とが同じ状態を示す概略図である。
【図10】中間ローラ対のニップ方向がUターンパスの湾曲した方向に変化した状態を示す概略図である。
【図11】記録装置の制御ブロック図である。
【図12】記録装置の記録動作の概略フローチャートである。
【図13】駆動ローラと従動ローラの位置関係を示す模式図である。
【図14】本発明に係る搬送装置の第2の実施形態における駆動ローラと従動ローラの位置関係を示す模式図である。
【図15】本発明に係る搬送装置の第3の実施形態における駆動ローラと従動ローラの位置関係を示す模式図である。
【図16】搬送されてくる記録媒体と中間ローラ対の配置を模式的に示した図である。
【図17】中間ローラ対のニップ方向と中間ローラ対で搬送する記録媒体の搬送方向を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の機能を有する構成には添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。
【0021】
[実施形態1]
図1は、本発明に係る搬送装置の第1の実施形態および、その搬送装置を有する記録装置の斜視図である。図2は、図1の記録装置の断面図である。なお、図2では、図1の排紙トレイ13は折り畳まれた状態になっている。
【0022】
なお、本発明の搬送装置が用いられる機器の一例としてインクジェット方式の記録装置を用いて説明するが、搬送装置が用いられるのは、インクジェット方式の記録装置である必要はなく、記録装置でなくてもよい。また、搬送経路は湾曲していればよいので、記録媒体の供給は、例えば、特許文献2に示されるようなオートシートフィーダ(ASF)などでもかまわない。さらに、記録媒体は、紙やOHP(Overhead projector)シートなど、特に限定されない。
【0023】
本発明の記録装置1に設けられた搬送装置には、シート状の記録媒体が積載される給紙トレイ11が設けられ、記録媒体の搬送方向に関して給紙トレイ11の下流側に、反転搬送部14と、水平搬送部16と、排紙トレイ13とが順に設けられている。
【0024】
記録媒体が積載される給紙トレイ11と反転搬送部14の間には、給紙トレイ11に積載された最も上方の記録媒体に当接してこれをピックアップして反転搬送部14に搬送する給紙ローラアームユニット2が設けられている。
【0025】
反転搬送部14には、略U字状の湾曲した搬送経路(以降、「Uターンパス」とする)10が設けられている。反転搬送部14に搬送されてきた記録媒体は、Uターンパス10内を搬送されることによって搬送方向が反転し表裏が逆転した状態で、水平搬送部16に搬送される。つまり、記録媒体はUターン搬送される。
【0026】
Uターンパス10の形状は、湾曲する方向、つまり内周側を内側ガイド502、それに対向する外周側を外側ガイド501とで主に形作られている。なお、反転搬送部14には、駆動ローラアームユニット3に設けられた、中間ローラである駆動ローラ301と、従動ローラアームユニット4に設けられた従動ローラ401とで構成される中間ローラ対が設けられている。
【0027】
記録装置1の、水平搬送部16の位置には、記録媒体に記録を行う記録部が設けられている。記録部には、記録媒体を支持するプラテン7と、プラテン7と対向して間隔を置いた位置を走査可能な記録ヘッドユニット9が設けられている。記録媒体は、水平搬送部16に設けられた、搬送ローラ6とピンチローラ61の搬送ローラ対によって搬送されつつ、記録ヘッドユニット9によって画像が形成され、排紙ローラ8によって排紙トレイ13に排出される。
【0028】
図11は、記録装置の制御ブロック図である。制御部B1は、制御部B1のインターフェイス部を通して接続されたコンピュータB2や操作パネルB3から記録命令を受ける。あるいは、制御部B1内部のタイマーなどによって記録動作を開始する。そして、制御部B1は搬送駆動伝達系B6に接続された搬送モータB5に対して、搬送モータドライバB4を通して電力を供給するように指令を出す。また、搬送駆動伝達系B6を通して搬送モータB5から駆動力を伝達された搬送ローラ6および排紙ローラ8は、記録の際には記録媒体を搬送するとともに、搬送駆動切替・伝達系B8に駆動力を伝える。
【0029】
並行して、記録部B13に接続された記録部モータB12に対して記録部モータドライバB11を通して電力を供給するように指令を出す。また、記録部B13は、搬送駆動切替・伝達系B8の駆動切替を行えるように接続されている。
【0030】
搬送駆動切替・伝達系B8は、搬送ローラ6および排紙ローラ8から伝達された駆動力を、記録部B13の動作により、伝達または遮断、および回転方向の切替を行い、給紙ローラ201、および駆動ローラ301へ伝達する。
【0031】
各モータの回転状態や負荷状態、および記録媒体の搬送状態は、搬送装置の各所に設けられた、各種センサB14によって検知され、信号の形で制御部B1に情報が送られ、制御部B1は命令とセンサ情報に基づいて各モータを制御し、記録を行う。
【0032】
次に図3および図4を用いて、給紙ローラアームユニット2について説明する。図3は給紙ローラアームユニット2の斜視図、図4は図3のAA’断面の概略図である。
【0033】
給紙ローラ201は給紙ローラアーム202に軸支されている。給紙ローラアーム202は搬送装置本体に対して不図示の回動軸により回動可能に支持されている。給紙ローラ201および給紙ローラアーム202の自重により、給紙ローラ201が給紙トレイ11に積載された記録媒体に接触している。搬送モータB5は、ワンウェイクラッチ機構207、給紙ギア203、給紙伝達ギア列204、205、および給紙ローラギア206を介して、給紙ローラ201に動力を伝達するよう接続されている。
【0034】
搬送モータB5よりワンウェイクラッチ機構207を介して給紙ギア203に矢印223の方向に駆動力を与えられると、駆動力が給紙伝達ギア列204を矢印224方向、給紙伝達ギア列205を矢印225方向に回転させるように伝達される。そして、給紙伝達ギア列205から給紙ローラギア206には矢印226方向に駆動力が伝達され、給紙ローラギア206から給紙ローラ201には矢印221の方向に駆動力が伝達される。給紙ローラ201はその駆動力と給紙ローラ201と記録媒体との間の摩擦力を利用して記録媒体をUターンパス10に搬送する。
【0035】
また、記録媒体の搬送抵抗などに起因して給紙ローラ201、給紙ギア203、給紙伝達ギア列204、205、給紙ローラギア206の回転にブレーキがかかる場合がある。この状態で、給紙ギア203に矢印223の方向に駆動力が加わると、給紙ローラアーム202の回動軸を中心に給紙ローラアームユニット2が矢印222の方向、つまり記録媒体の方向に回動する力が発生する。この回動する力によって、給紙ローラアーム202の先端に軸支されている給紙ローラ201は記録媒体に押し付けられる。そのため、給紙ローラ201と記録媒体の圧接力が増加して給紙ローラ201が記録媒体を給紙する力が増加する。
【0036】
次に、図5から図8を用いて、中間ローラ対の構成について説明する。図5は駆動ローラアームユニットの構成を示す概略斜視図、図6は図5のBB’断面の概略図である。図7は従動ローラアームユニットの構成を示す概略斜視図、図8は図7のCC’断面の概略図である。
【0037】
上述したように、中間ローラ対は駆動ローラ301と従動ローラ401によって構成されている(図2参照)。まず、駆動ローラ301を有する駆動ローラアームユニット3について説明する。
【0038】
不図示の駆動源(搬送モータB5)からの駆動力が矢印323の方向に伝達軸305に伝達され、ワンウェイクラッチを有する駆動アームクラッチ機構307を経て駆動アーム回転軸304に伝わる。さらに駆動力は、駆動アーム回転軸304に設けられた駆動ギア303と、駆動アーム302上に、回転軸309に軸支されて設けられたローラギア306と駆動ローラ301とに伝わる。駆動アーム回転軸304はUターンパス10の内側ガイド502の一部を形成するインナーガイド300(図9、図10参照)に回動自在に支持されている。また、インナーガイド300と駆動アーム302の間には弱い力の不図示のばねが配置され、駆動ローラ301が従動ローラ401に接するように駆動ローラアーム302を矢印322の方向に押圧している。
【0039】
記録媒体の搬送抵抗などに起因して駆動ギア303、ローラギア306、および駆動ローラ301の回転にブレーキがかかる場合がある。この状態で駆動ギア303に矢印323の方向(記録媒体を搬送する方向)に駆動力が加わると、駆動アーム回転軸304を中心に、駆動アームユニット3に矢印322の方向に回転する力(モーメント)が発生する。そのため、駆動ローラアーム302に軸支されている駆動ローラ301を従動ローラ401に押し付けることになり、中間ローラ対の圧接力が増加する。そして中間ローラ対による記録媒体の搬送力が増加する。なお、駆動アーム302上の駆動アームストッパ308が、駆動ローラアームユニット3の回動を規制する規制部材である、インナーガイド300内の突き当て部310(図9、図10参照)に突き当たることで、駆動アームユニット3の回動が止まる。
【0040】
次に、従動ローラ401を有する従動ローラアームユニット4について説明する。従動アーム回転軸403がUターンパス10の外側ガイド501の一部を形成するリアガイド400(図9、図10参照)に回動自在に支持されている。従動ローラアームユニット4は従動ローラアーム402に設けられた従動アーム回転軸403を中心に回動可能である。また、従動アームストッパ408がリアガイド400に配されたリアガイドストッパ410(図9、図10参照)に突き当たることで、矢印422の方向の回動範囲を制限している。
【0041】
また、リアガイド400と従動ローラアーム402の間には押圧バネ409が配され、従動ローラアーム402を矢印422方向に押圧している。従動ローラアーム402が、後述する搬送抵抗に起因する押圧力を駆動ローラ301から受けていない時には、従動アームストッパ408はリアガイド400に配されたリアガイドストッパ410に突き当たっている。
【0042】
従動ローラ401は従動ローラアーム402に軸支されており、搬送モータB5とはギアなどで接続されておらず、駆動ローラ301の回転する力や、駆動ローラアーム302の押圧力を受けて回転するのみである。
【0043】
次に、図9と図10を用いて、中間ローラ対のニップ方向が変化する様子を説明する。図9は、中間ローラ対のニップ方向と搬送されてくる記録媒体の搬送方向とが同じ状態であり、図10は、中間ローラ対のニップ方向がUターンパスの湾曲した方向に変化した状態である。なおニップ方向とは、駆動ローラ301と従動ローラ401の回転軸に垂直な断面において、2つのローラ301、401の回転軸同士を結ぶ直線に垂直な方向であり、かつ中間ローラ対の上流側から下流側を見たときの方向である。
【0044】
不図示のばねによる駆動ローラアームユニット3の押圧力は、ばね409による従動ローラアームユニット4の押圧力よりも小さい。そのため、中間ローラ対で記録媒体を挟持せず、駆動ローラ301が停止している状態では、従動ローラアームユニット4が矢印422方向(図8参照)に付勢され、従動アームストッパ408がリアガイドストッパ410に突き当たっている。また、駆動ローラ301は従動ローラ401に接した状態となっている。
【0045】
中間ローラ対で記録媒体を挟持していない状態で、搬送モータB5から駆動ギア303に駆動力が伝達されると、駆動ローラ301が回転する。駆動ローラ301に接している従動ローラ401は従動ローラアーム402にスムースに軸支されているので、従動ローラ401は駆動ローラ301の回転を受けて連れ回る。駆動ローラ301と従動ローラ401の回転の抵抗は微少であるため、駆動ローラ301は搬送抵抗を受けることはない。そのため、駆動ローラアームユニット3は回動せず、駆動ローラ301と従動ローラ401の位置関係は、駆動ローラ301が停止している状態と変わらない。
【0046】
したがって、記録媒体を搬送していない状態では、駆動力の伝達の有無にかかわらず、中間ローラ対のニップ方向503と中間ローラ対の上流の斜面103とのなす角度は小さい。つまり、中間ローラ対の上流から搬送されてくる記録媒体の搬送方向と中間ローラ対のニップ方向503がほぼ同じになっている。そのため、給紙の際に、上述のように給紙ローラ201と駆動ローラ301の両方に駆動力が伝えられ、給紙ローラ201によって搬送された記録媒体が中間ローラ対のニップ位置に差し掛かると、記録媒体の先端がスムースに中間ローラ対のニップに噛み込まれる。
【0047】
中間ローラ対によって挟持され搬送される記録媒体はUターンパス10の湾曲部分に差し掛かり、外側ガイド501によってガイドされながら湾曲部分を通過する。記録媒体は、中間ローラ対によって搬送されるときにニップ方向に沿って真っ直ぐに進もうとするので、中間ローラ対の下流の湾曲した外側ガイド501と摺擦し、外側ガイド501によって湾曲させられながらガイドされる。このため、記録媒体と外側ガイド501との間の摩擦などによって搬送抵抗が発生する。搬送抵抗が発生すると、上述の通り、駆動ローラアームユニット3に矢印322の方向(図6参照)に回転する力が発生し、中間ローラ対のニップの圧接力が増加する。
【0048】
ここで、中間ローラ対のニップ位置と駆動ローラ301および従動ローラ401の回転軸の位置に注目する。搬送抵抗がない状態では、記録媒体の搬送方向で下流側に駆動ローラ301の回転軸が位置し、上流側に従動ローラ401の回転軸が位置する(図13(a)参照)。
【0049】
さらに、搬送抵抗に起因する駆動ローラアームユニット3の押圧力が増大し、バネ409の押圧力よりも大きくなると、駆動ローラアームユニット3は、従動ローラアームユニット4を押し込むように、矢印322方向に回動する。従動ローラアームユニット4は、駆動ローラアームユニット3の回動に伴い、従動アーム回転軸403を中心に矢印423の方向(図8参照)に回動する。つまり、従動ローラアームユニット4は、駆動ローラアームユニット3の移動に追従して移動する。
【0050】
この駆動ローラアームユニット3と従動ローラアームユニット4の回動によって、駆動ローラ301および従動ローラ401の位置がともに記録媒体の搬送方向の上流側へ移動する。また、この回動による駆動ローラ301の、記録媒体の搬送方向で上流側への移動量に対して、従動ローラ401の、記録媒体の搬送方向で上流側への移動量は小さい。そのため、中間ローラ対のニップ位置が変化し、中間ローラ対のニップ方向503が内側ガイド502方向、つまりUターンパス10の湾曲した方向(内周側)に変化する(図13(b)参照)。その結果、記録媒体が外側ガイド501と摺擦する際に生じる摩擦力や、Uターンパス10の形状に沿って記録媒体を湾曲させるための力が軽減するため、搬送抵抗が減少して、記録媒体を搬送しやすくなる。
【0051】
次に、本発明の搬送装置による記録媒体の搬送動作について、図12の記録装置の記録動作の概略フローチャートを基に説明する。
【0052】
制御部B1にコンピュータなどから記録命令が送信されると、制御部B1がモータドライバB2に指令を送る。この指令により、搬送の駆動源である搬送モータB5が駆動され、給紙ローラアームユニット2、駆動ローラアームユニット3、搬送ローラ6、および排紙ローラ8に各々駆動力が伝達される(S1)。搬送モータB5から、駆動力を伝達された給紙ローラアームユニット2は、給紙ローラ201に駆動力を伝達する。給紙トレイ11に積載された記録媒体に当接している給紙ローラ201は伝達された駆動力により回転し、記録媒体をUターンパス10の方向に押し出すように搬送する。
【0053】
給紙ローラ201によって搬送された記録媒体は、分離用の斜面103などによって、1枚に分離され、斜面103に沿って、駆動ローラ301および従動ローラ401で構成される中間ローラ対に向かって進む。
【0054】
記録媒体の搬送されてくる方向と中間ローラ対のニップ方向503がほぼ同じ状態で、記録媒体が中間ローラ対に噛み込まれると、駆動切替・伝達系B8によって、駆動力は給紙ローラ201に伝達されなくなる。以降、給紙ローラ201はワンウェイクラッチ機構207により空転するため、中間ローラ対のみによって記録媒体は搬送される。
【0055】
記録媒体の先端が中間ローラ対を抜けると、まだ搬送抵抗がほとんどないため、記録媒体は、記録媒体の先端が噛み込まれたときと同じニップ方向503に進む。そして、記録媒体の先端がUターンパス10の形状を成す外側ガイド501にぶつかると、記録媒体の先端が外側ガイド501を擦りながら、記録媒体は下流側に搬送され、搬送ローラ6を有する搬送ローラ対に向かって進む。このとき、搬送抵抗が大きくなるため、駆動ローラアームユニット3と従動ローラアームユニット4が回動し、中間ローラ対のニップ方向503がUターンパス10の湾曲した方向に変化する。これに伴い、記録媒体の搬送方向が変化する。
【0056】
記録媒体が搬送ローラ6とピンチローラ61で構成される搬送ローラ対のニップ位置に到達するまで搬送を続ける(S2)。所定の時間、センサB14によって、搬送ローラ対のニップ位置への記録媒体の到達が検知されないと(S3)、給紙エラー表示を行い(S11)、ユーザにエラー回復動作を促す。記録装置はユーザによるエラー回復動作を受け付けると(S12)、給紙動作を再度開始する(S1)。記録媒体の先端が搬送ローラ対のニップ位置に差し掛かったことをセンサB14によって検知すると(S4)、記録装置は、記録媒体の種類によって、数種類のうちから最適な方法を選んで記録媒体の先端レジストレーション調整を行う(S5)。記録媒体の先端が搬送ローラ6の軸方向に直角になるよう修正し、記録媒体を搬送ローラ対で噛み込み、プラテン7上の記録開始位置まで搬送する(S6)。
【0057】
搬送ローラ対による記録媒体の搬送速度は、中間ローラ対による記録媒体の搬送速度よりも大きくなっている。また、駆動ローラ301の駆動伝達系には、駆動ローラ301が搬送ローラ対によって搬送される記録媒体に引きずられると、駆動力の伝達を止める駆動アームクラッチ機構307が設けられている。そのため、記録媒体が搬送ローラ対で搬送されると、駆動ローラ301に駆動力が伝達されなくなり、以降は搬送ローラ対によって記録媒体は搬送される。
【0058】
記録媒体が記録開始位置に到達すると、記録ヘッドユニット9が記録媒体の直上を移動しながら記録媒体に対してインク吐出を行い、記録媒体上に1ライン分の画像を形成する(S7)。1ライン分の記録が終わったら、記録媒体を1ライン分搬送する(S8)。画像形成が終了したか判断し(S9)、画像形成が終了するまで1ライン分の記録と搬送を繰り返す。画像形成が終了すると、排紙ローラ8によって排紙トレイ13に記録媒体を排出する(S10)。
【0059】
以上で説明したように、本発明の搬送装置は、搬送抵抗が生じる前と後で中間ローラ対のニップ方向を変化させることができる。これにより、記録媒体をよりスムースに搬送することができる。さらに、中間ローラ対の噛み込み性が向上するので、記録媒体の搬送の信頼性が向上する。また、ニップ方向を変化させるのに駆動源などは必要なく、大がかりな機構を増設する必要もないため、搬送装置の大型化やコストの増加を抑えることができる。
【0060】
[実施形態2]
図14を用いて、搬送装置の第2の実施形態について説明する。図14は、本発明に係る搬送装置の第2の実施形態における駆動ローラと従動ローラの位置関係を示す模式図である。図14(a)は搬送抵抗を受ける前の駆動ローラと従動ローラの配置を示す模式図、図14(b)は搬送抵抗を受けて駆動ローラと従動ローラの配置が変化したときの模式図である。なお、上述の実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0061】
中間ローラ対の構成として、本実施形態ではUターンパス10の外側ガイド501側に駆動ローラ301が位置し、内側ガイド502側に従動ローラ401が位置するように、駆動ローラアームユニット3や従動ローラアームユニット4などを配置する。また、中間ローラ対のニップ位置と駆動ローラ301および従動ローラ401の回転軸に注目すると、搬送抵抗がない状態では、記録媒体の搬送方向に対して上流側に駆動ローラ301の回転軸が位置し、下流側に従動ローラ401の回転軸が位置する。
【0062】
記録媒体を中間ローラ対で挟持しながら搬送する際に外側ガイド501と記録媒体との摩擦などに起因する搬送抵抗を受けると、駆動ローラアームユニット3に第1の実施形態と同様な理由で矢印322方向に回転する力が発生する。そのため、駆動ローラ301が従動ローラ401を押圧する。
【0063】
これにより、駆動ローラ301と従動ローラ401がともに記録媒体の搬送方向の下流側へ移動する。この際、この動作による駆動ローラ301の下流側への移動量に対して、従動ローラ401の下流側への移動量が小さいため、中間ローラ対のニップ位置が変化し、ニップ方向503がUターンパス10の内側ガイド502、つまり湾曲した方向に向かって変化する。その結果、記録媒体の先端がUターンパス10の外側ガイド501と摺擦する際に生じる摩擦力や、記録媒体を湾曲させる力が軽減するため、搬送抵抗を減少させることができる。
【0064】
[実施形態3]
図15を用いて、搬送装置の第3の実施形態について説明する。図15は、本発明に係る搬送装置の第3の実施形態における駆動ローラと従動ローラの位置関係を示す模式図である。図15(a)は搬送抵抗を受ける前の駆動ローラと従動ローラの配置を示す模式図、図15(b)は搬送抵抗を受けて駆動ローラと従動ローラの配置が変化したときの模式図である。なお、上述の実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0065】
第1の実施形態と同様に、中間ローラ対の構成として、駆動ローラ301はUターンパス10の内側ガイド502側に、従動ローラ401は外側ガイド501側に配置されている。また、搬送抵抗がない状態では、記録媒体の搬送方向で下流側に駆動ローラ301の回転軸が位置し、上流側に従動ローラ401の回転軸が位置する。
【0066】
第1の実施形態と同様に、駆動ローラ301を有する駆動ローラアームユニット3がインナーガイド300に回動自在に支持されている。一方、第1の実施形態と異なり、従動ローラ401は、外側ガイド501の、従動ローラ401の位置の形状に対して垂直に直線的にスライド可能に構成された従動ローラアーム402に軸支されている。従動ローラ401は、従動ローラアーム402を介してばね409により駆動ローラ方向に押圧されている。なお、第1の実施形態と同様に、ばね409による押圧力は、駆動ローラ301を従動ローラ401方向に押圧する不図示のばねの押圧力よりも大きくなっている。
【0067】
中間ローラ対で記録媒体を挟持しながら搬送する際に搬送抵抗を受けると、第1の実施形態と同様に、駆動ローラアームユニット3が回動し、駆動ローラ301が従動ローラ401を押圧する。駆動ローラ301からの押圧力が、バネ409による押圧力よりも大きくなると、駆動ローラ301は記録媒体の搬送方向で上流側に移動し、駆動ローラ301の移動に伴い従動ローラ401は直線的に外周側に移動する。
【0068】
この際、駆動ローラ301の上流側への移動量に対して、従動ローラ401の下流側への移動量がゼロであるため、中間ローラ対のニップ方向503が内側ガイド502に向かって変化する。そのため、記録媒体の先端がUターンパス10の外側ガイド501と摺擦する際に生じる摩擦力や、記録媒体を湾曲させる力が軽減して、搬送抵抗が減少する。
【0069】
以上で説明した第2および第3の実施形態においても、搬送抵抗が生じる前と後で中間ローラ対のニップ方向を変化させることができる。これにより、記録媒体をよりスムースに搬送することができる。さらに、中間ローラ対の噛み込み性が向上するので、記録媒体の搬送の信頼性が向上する。また、ニップ方向を変化させるのに駆動源などは必要なく、大がかりな機構を増設する必要もないため、搬送装置の大型化やコストの増加を抑えることができる。
【符号の説明】
【0070】
10 Uターンパス(搬送経路)
301駆動ローラ(中間ローラ)
401従動ローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置において記録媒体の搬送を行う搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録装置に用いられる搬送装置として、記録装置の前部の給紙トレイに積載されたシート状の複数の記録媒体を1枚ずつピックアップして、湾曲した搬送経路(以降、「Uターンパス」とする)により搬送方向を反転させ、記録装置の記録部に搬送するものがある。そして、このような搬送装置を用いた画像読取り記録装置が特許文献1に開示されている。なお、このUターンパスを通過させる搬送を、以降「Uターン搬送」とする。
【0003】
給紙トレイから記録媒体をピックアップして記録部に搬送する際に、記録媒体はUターンパスを通過する。このとき、記録媒体の剛性が高いと、記録媒体がUターンパスの形状に沿って搬送されずに詰まったり、記録媒体とUターンパスとの間に生じる摩擦が大きくなったりすることで、記録媒体の搬送に対する搬送抵抗が発生する。
【0004】
この搬送抵抗が大きいと、例えば、給紙トレイから記録部に記録媒体を搬送する給紙ローラの搬送力が不足する場合、給紙ローラと記録媒体との間でスリップが発生する。給紙ローラの駆動源の出力が不足する場合、搬送抵抗に打ち勝つ駆動力を給紙ローラに供給することができず、Uターンパス内で記録媒体が搬送不能になる。さらに、Uターンパスから受ける搬送抵抗と給紙ローラの搬送力による圧縮力とに記録媒体が耐え切れず、記録媒体が座屈してしまう、などのトラブルが生じてしまう。
【0005】
そのため、Uターン搬送をする搬送装置の場合、記録媒体の搬送方向でUターンパスの上流に給紙ローラを配置する以外に、Uターンパス内に必要に応じて中間ローラが配置される。Uターンパスの湾曲部付近に中間ローラを配置することで、Uターンパスの形状に沿った方向に記録媒体を搬送できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−150030号公報
【特許文献2】特許第4646435号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図16に、搬送されてくる記録媒体と中間ローラ対の配置を模式的に示した図を示す。図16(a)は、ガイドの表面に対する第1のローラの突出量が大きい状態、図16(b)は、ガイド表面に対する第1のローラの突出量が小さい状態である。なお、図16では、説明に必要な部材のみ図示している。また、図16では、Uターンパスを形成し、Uターンパスの湾曲する方向(内周側)に位置する内側のガイドは図示せず、内側のガイドに対向する外側の(外周側の)ガイドのみを図示している。
【0008】
Uターンパス内に第1のローラ1001と、第1のローラ1001と対になる第2のローラ1002とで中間ローラ対が形成されている。そして、中間ローラ対の記録媒体の搬送方向で上流側に上流ガイド1005が、下流側に下流ガイド1004が設けられている。なお図中の黒い矢印1007が中間ローラ対に搬送されてくる記録媒体の搬送方向で、破線の矢印1003が中間ローラ対のニップ方向である。なお、ニップ方向とは、2つのローラ1001、1002の回転軸に垂直な断面において、2つのローラ1001、1002の回転軸同士を結ぶ直線に垂直な方向であり、かつ中間ローラ対の上流から下流を見たときの方向である。また、上流ガイド1005の表面の延長面1011と、第1のローラ1001の表面の、延長面1011との交点上の接線1010とのなす各を突入角1008とする。上流ガイド1005の表面の延長面1011から第1のローラ1001が突出した量を、第1のローラ1001の突出量1006とする。
【0009】
不図示の給紙ローラによってUターンパスに送られた記録媒体の先端は、記録媒体自身の剛性によって外側のガイドに沿って進もうとする。そのため、記録媒体は上流ガイド1005に沿って矢印1007の方向に進もうとする。図16(a)のように、記録媒体が進む方向1007とニップの方向1003のなす角度1009が大きいと、第1のローラ1001への突入角度1008が大きくなる。この場合、記録媒体が中間ローラ対のニップに噛み込まれる前に、記録媒体の先端が第1のローラ1001へ衝突し、記録媒体の先端が傷ついたり、あるいはニップに噛み込まれなかったりする等の搬送不良が発生する可能性が高まる。
【0010】
記録媒体の進む方向1007とニップ方向1003のなす角度1009を変更せずに第1のローラ1001への衝突を和らげるためには、図16(b)のように、第1のローラ1001の突出量1006を、図16(a)の状態に比べて小さくする。この場合、第1のローラ1001への記録媒体の突入角1008は小さくなるが、記録媒体は、中間ローラ対のニップ位置に到達する前に第2のローラ1002に衝突しやすくなってしまい、やはり搬送不良の可能性が高まる。
【0011】
以上から、記録媒体の先端が中間ローラ対のニップにスムースに噛み込まれるためには、Uターンパス内に中間ローラを配置する際、中間ローラ対の上流では、中間ローラ対のニップ方向1003と記録媒体の搬送方向1007を同じにすることが望ましい。
【0012】
記録媒体が中間ローラ対で搬送される際には、中間ローラ対のニップ方向1003が下流ガイド1004の表面に対して垂直に近い場合(図17(a)参照)、記録媒体の搬送方向1007を大きく屈曲させる必要がある。そのため、記録媒体は屈曲しなければならない。したがって、中間ローラ対のニップ方向1003が、Uターンパスの湾曲した方向(内周側)に向かう構成(図17(b)参照)の方が記録媒体の屈曲が小さい。記録媒体の屈曲が大きければ大きいほど記録媒体の剛性によりUターンパスと記録媒体との間の摩擦が大きくなり、搬送抵抗の増加を招く。よって、搬送抵抗を受けにくくするため、中間ローラ対のニップ方向1003が、Uターンパスの湾曲した方向に向かうように配置することが望ましい。
【0013】
しかしながら、湾曲したUターンパスに配置する中間ローラ対のニップ方向を、上記の2つの条件を満たすようにすることは非常に困難である。
【0014】
この課題を解決するためには、例えば、Uターンパス内に複数の中間ローラ対を配置して、各中間ローラ対のニップ方向を少しずつ変化させることが考えられる。しかしながら、この解決策はローラの数が増えるため、製造コストの増加や搬送装置の大型化を引き起こしてしまう。
【0015】
また、Uターンパスから搬送抵抗を受けても搬送を可能とするために中間ローラ対のニップ圧を高くするなどの対策を行うことも考えられる。しかしながら、中間ローラを駆動する際の駆動手段にかかる負荷が大きくなったり、各ローラを保持する部品が変形したりするなどのトラブルが発生しやすくなるため、駆動手段の動力源の強化や各ローラ保持部品の強度のアップ等が必要になる。そのため、上記の対策と同様に製造コストの増加につながる。
【0016】
そこで本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、高コスト化や大型化をすることなく記録媒体をスムースに搬送することができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の搬送装置は、記録媒体が搬送される湾曲した搬送経路と、搬送経路に位置し、駆動源からの駆動力により駆動する駆動ローラおよび駆動ローラと圧接する従動ローラからなるローラ対と、を有する。また、駆動ローラは、記録媒体の搬送方向で上流側または下流側に移動が可能なように軸支されている。従動ローラは駆動ローラの移動に追従して移動が可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、搬送装置を大型化やコスト増加を抑えつつ、湾曲した搬送経路に位置するローラ対において、記録媒体の噛み込み不良や、搬送抵抗などに起因する負荷による搬送不良が発生しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る搬送装置の第1の実施形態および、その搬送装置を有する記録装置の斜視図である。
【図2】図1の記録装置の断面図である。
【図3】給紙ローラアームユニットの斜視図である。
【図4】図3の断面の概略図である。
【図5】駆動ローラアームユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図6】図5のBB’断面の概略図である。
【図7】従動ローラアームユニットの構成を示す概略斜視図である。
【図8】図7のCC’断面の概略図である。
【図9】中間ローラ対のニップ方向と搬送されてくる記録媒体の搬送方向とが同じ状態を示す概略図である。
【図10】中間ローラ対のニップ方向がUターンパスの湾曲した方向に変化した状態を示す概略図である。
【図11】記録装置の制御ブロック図である。
【図12】記録装置の記録動作の概略フローチャートである。
【図13】駆動ローラと従動ローラの位置関係を示す模式図である。
【図14】本発明に係る搬送装置の第2の実施形態における駆動ローラと従動ローラの位置関係を示す模式図である。
【図15】本発明に係る搬送装置の第3の実施形態における駆動ローラと従動ローラの位置関係を示す模式図である。
【図16】搬送されてくる記録媒体と中間ローラ対の配置を模式的に示した図である。
【図17】中間ローラ対のニップ方向と中間ローラ対で搬送する記録媒体の搬送方向を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の機能を有する構成には添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。
【0021】
[実施形態1]
図1は、本発明に係る搬送装置の第1の実施形態および、その搬送装置を有する記録装置の斜視図である。図2は、図1の記録装置の断面図である。なお、図2では、図1の排紙トレイ13は折り畳まれた状態になっている。
【0022】
なお、本発明の搬送装置が用いられる機器の一例としてインクジェット方式の記録装置を用いて説明するが、搬送装置が用いられるのは、インクジェット方式の記録装置である必要はなく、記録装置でなくてもよい。また、搬送経路は湾曲していればよいので、記録媒体の供給は、例えば、特許文献2に示されるようなオートシートフィーダ(ASF)などでもかまわない。さらに、記録媒体は、紙やOHP(Overhead projector)シートなど、特に限定されない。
【0023】
本発明の記録装置1に設けられた搬送装置には、シート状の記録媒体が積載される給紙トレイ11が設けられ、記録媒体の搬送方向に関して給紙トレイ11の下流側に、反転搬送部14と、水平搬送部16と、排紙トレイ13とが順に設けられている。
【0024】
記録媒体が積載される給紙トレイ11と反転搬送部14の間には、給紙トレイ11に積載された最も上方の記録媒体に当接してこれをピックアップして反転搬送部14に搬送する給紙ローラアームユニット2が設けられている。
【0025】
反転搬送部14には、略U字状の湾曲した搬送経路(以降、「Uターンパス」とする)10が設けられている。反転搬送部14に搬送されてきた記録媒体は、Uターンパス10内を搬送されることによって搬送方向が反転し表裏が逆転した状態で、水平搬送部16に搬送される。つまり、記録媒体はUターン搬送される。
【0026】
Uターンパス10の形状は、湾曲する方向、つまり内周側を内側ガイド502、それに対向する外周側を外側ガイド501とで主に形作られている。なお、反転搬送部14には、駆動ローラアームユニット3に設けられた、中間ローラである駆動ローラ301と、従動ローラアームユニット4に設けられた従動ローラ401とで構成される中間ローラ対が設けられている。
【0027】
記録装置1の、水平搬送部16の位置には、記録媒体に記録を行う記録部が設けられている。記録部には、記録媒体を支持するプラテン7と、プラテン7と対向して間隔を置いた位置を走査可能な記録ヘッドユニット9が設けられている。記録媒体は、水平搬送部16に設けられた、搬送ローラ6とピンチローラ61の搬送ローラ対によって搬送されつつ、記録ヘッドユニット9によって画像が形成され、排紙ローラ8によって排紙トレイ13に排出される。
【0028】
図11は、記録装置の制御ブロック図である。制御部B1は、制御部B1のインターフェイス部を通して接続されたコンピュータB2や操作パネルB3から記録命令を受ける。あるいは、制御部B1内部のタイマーなどによって記録動作を開始する。そして、制御部B1は搬送駆動伝達系B6に接続された搬送モータB5に対して、搬送モータドライバB4を通して電力を供給するように指令を出す。また、搬送駆動伝達系B6を通して搬送モータB5から駆動力を伝達された搬送ローラ6および排紙ローラ8は、記録の際には記録媒体を搬送するとともに、搬送駆動切替・伝達系B8に駆動力を伝える。
【0029】
並行して、記録部B13に接続された記録部モータB12に対して記録部モータドライバB11を通して電力を供給するように指令を出す。また、記録部B13は、搬送駆動切替・伝達系B8の駆動切替を行えるように接続されている。
【0030】
搬送駆動切替・伝達系B8は、搬送ローラ6および排紙ローラ8から伝達された駆動力を、記録部B13の動作により、伝達または遮断、および回転方向の切替を行い、給紙ローラ201、および駆動ローラ301へ伝達する。
【0031】
各モータの回転状態や負荷状態、および記録媒体の搬送状態は、搬送装置の各所に設けられた、各種センサB14によって検知され、信号の形で制御部B1に情報が送られ、制御部B1は命令とセンサ情報に基づいて各モータを制御し、記録を行う。
【0032】
次に図3および図4を用いて、給紙ローラアームユニット2について説明する。図3は給紙ローラアームユニット2の斜視図、図4は図3のAA’断面の概略図である。
【0033】
給紙ローラ201は給紙ローラアーム202に軸支されている。給紙ローラアーム202は搬送装置本体に対して不図示の回動軸により回動可能に支持されている。給紙ローラ201および給紙ローラアーム202の自重により、給紙ローラ201が給紙トレイ11に積載された記録媒体に接触している。搬送モータB5は、ワンウェイクラッチ機構207、給紙ギア203、給紙伝達ギア列204、205、および給紙ローラギア206を介して、給紙ローラ201に動力を伝達するよう接続されている。
【0034】
搬送モータB5よりワンウェイクラッチ機構207を介して給紙ギア203に矢印223の方向に駆動力を与えられると、駆動力が給紙伝達ギア列204を矢印224方向、給紙伝達ギア列205を矢印225方向に回転させるように伝達される。そして、給紙伝達ギア列205から給紙ローラギア206には矢印226方向に駆動力が伝達され、給紙ローラギア206から給紙ローラ201には矢印221の方向に駆動力が伝達される。給紙ローラ201はその駆動力と給紙ローラ201と記録媒体との間の摩擦力を利用して記録媒体をUターンパス10に搬送する。
【0035】
また、記録媒体の搬送抵抗などに起因して給紙ローラ201、給紙ギア203、給紙伝達ギア列204、205、給紙ローラギア206の回転にブレーキがかかる場合がある。この状態で、給紙ギア203に矢印223の方向に駆動力が加わると、給紙ローラアーム202の回動軸を中心に給紙ローラアームユニット2が矢印222の方向、つまり記録媒体の方向に回動する力が発生する。この回動する力によって、給紙ローラアーム202の先端に軸支されている給紙ローラ201は記録媒体に押し付けられる。そのため、給紙ローラ201と記録媒体の圧接力が増加して給紙ローラ201が記録媒体を給紙する力が増加する。
【0036】
次に、図5から図8を用いて、中間ローラ対の構成について説明する。図5は駆動ローラアームユニットの構成を示す概略斜視図、図6は図5のBB’断面の概略図である。図7は従動ローラアームユニットの構成を示す概略斜視図、図8は図7のCC’断面の概略図である。
【0037】
上述したように、中間ローラ対は駆動ローラ301と従動ローラ401によって構成されている(図2参照)。まず、駆動ローラ301を有する駆動ローラアームユニット3について説明する。
【0038】
不図示の駆動源(搬送モータB5)からの駆動力が矢印323の方向に伝達軸305に伝達され、ワンウェイクラッチを有する駆動アームクラッチ機構307を経て駆動アーム回転軸304に伝わる。さらに駆動力は、駆動アーム回転軸304に設けられた駆動ギア303と、駆動アーム302上に、回転軸309に軸支されて設けられたローラギア306と駆動ローラ301とに伝わる。駆動アーム回転軸304はUターンパス10の内側ガイド502の一部を形成するインナーガイド300(図9、図10参照)に回動自在に支持されている。また、インナーガイド300と駆動アーム302の間には弱い力の不図示のばねが配置され、駆動ローラ301が従動ローラ401に接するように駆動ローラアーム302を矢印322の方向に押圧している。
【0039】
記録媒体の搬送抵抗などに起因して駆動ギア303、ローラギア306、および駆動ローラ301の回転にブレーキがかかる場合がある。この状態で駆動ギア303に矢印323の方向(記録媒体を搬送する方向)に駆動力が加わると、駆動アーム回転軸304を中心に、駆動アームユニット3に矢印322の方向に回転する力(モーメント)が発生する。そのため、駆動ローラアーム302に軸支されている駆動ローラ301を従動ローラ401に押し付けることになり、中間ローラ対の圧接力が増加する。そして中間ローラ対による記録媒体の搬送力が増加する。なお、駆動アーム302上の駆動アームストッパ308が、駆動ローラアームユニット3の回動を規制する規制部材である、インナーガイド300内の突き当て部310(図9、図10参照)に突き当たることで、駆動アームユニット3の回動が止まる。
【0040】
次に、従動ローラ401を有する従動ローラアームユニット4について説明する。従動アーム回転軸403がUターンパス10の外側ガイド501の一部を形成するリアガイド400(図9、図10参照)に回動自在に支持されている。従動ローラアームユニット4は従動ローラアーム402に設けられた従動アーム回転軸403を中心に回動可能である。また、従動アームストッパ408がリアガイド400に配されたリアガイドストッパ410(図9、図10参照)に突き当たることで、矢印422の方向の回動範囲を制限している。
【0041】
また、リアガイド400と従動ローラアーム402の間には押圧バネ409が配され、従動ローラアーム402を矢印422方向に押圧している。従動ローラアーム402が、後述する搬送抵抗に起因する押圧力を駆動ローラ301から受けていない時には、従動アームストッパ408はリアガイド400に配されたリアガイドストッパ410に突き当たっている。
【0042】
従動ローラ401は従動ローラアーム402に軸支されており、搬送モータB5とはギアなどで接続されておらず、駆動ローラ301の回転する力や、駆動ローラアーム302の押圧力を受けて回転するのみである。
【0043】
次に、図9と図10を用いて、中間ローラ対のニップ方向が変化する様子を説明する。図9は、中間ローラ対のニップ方向と搬送されてくる記録媒体の搬送方向とが同じ状態であり、図10は、中間ローラ対のニップ方向がUターンパスの湾曲した方向に変化した状態である。なおニップ方向とは、駆動ローラ301と従動ローラ401の回転軸に垂直な断面において、2つのローラ301、401の回転軸同士を結ぶ直線に垂直な方向であり、かつ中間ローラ対の上流側から下流側を見たときの方向である。
【0044】
不図示のばねによる駆動ローラアームユニット3の押圧力は、ばね409による従動ローラアームユニット4の押圧力よりも小さい。そのため、中間ローラ対で記録媒体を挟持せず、駆動ローラ301が停止している状態では、従動ローラアームユニット4が矢印422方向(図8参照)に付勢され、従動アームストッパ408がリアガイドストッパ410に突き当たっている。また、駆動ローラ301は従動ローラ401に接した状態となっている。
【0045】
中間ローラ対で記録媒体を挟持していない状態で、搬送モータB5から駆動ギア303に駆動力が伝達されると、駆動ローラ301が回転する。駆動ローラ301に接している従動ローラ401は従動ローラアーム402にスムースに軸支されているので、従動ローラ401は駆動ローラ301の回転を受けて連れ回る。駆動ローラ301と従動ローラ401の回転の抵抗は微少であるため、駆動ローラ301は搬送抵抗を受けることはない。そのため、駆動ローラアームユニット3は回動せず、駆動ローラ301と従動ローラ401の位置関係は、駆動ローラ301が停止している状態と変わらない。
【0046】
したがって、記録媒体を搬送していない状態では、駆動力の伝達の有無にかかわらず、中間ローラ対のニップ方向503と中間ローラ対の上流の斜面103とのなす角度は小さい。つまり、中間ローラ対の上流から搬送されてくる記録媒体の搬送方向と中間ローラ対のニップ方向503がほぼ同じになっている。そのため、給紙の際に、上述のように給紙ローラ201と駆動ローラ301の両方に駆動力が伝えられ、給紙ローラ201によって搬送された記録媒体が中間ローラ対のニップ位置に差し掛かると、記録媒体の先端がスムースに中間ローラ対のニップに噛み込まれる。
【0047】
中間ローラ対によって挟持され搬送される記録媒体はUターンパス10の湾曲部分に差し掛かり、外側ガイド501によってガイドされながら湾曲部分を通過する。記録媒体は、中間ローラ対によって搬送されるときにニップ方向に沿って真っ直ぐに進もうとするので、中間ローラ対の下流の湾曲した外側ガイド501と摺擦し、外側ガイド501によって湾曲させられながらガイドされる。このため、記録媒体と外側ガイド501との間の摩擦などによって搬送抵抗が発生する。搬送抵抗が発生すると、上述の通り、駆動ローラアームユニット3に矢印322の方向(図6参照)に回転する力が発生し、中間ローラ対のニップの圧接力が増加する。
【0048】
ここで、中間ローラ対のニップ位置と駆動ローラ301および従動ローラ401の回転軸の位置に注目する。搬送抵抗がない状態では、記録媒体の搬送方向で下流側に駆動ローラ301の回転軸が位置し、上流側に従動ローラ401の回転軸が位置する(図13(a)参照)。
【0049】
さらに、搬送抵抗に起因する駆動ローラアームユニット3の押圧力が増大し、バネ409の押圧力よりも大きくなると、駆動ローラアームユニット3は、従動ローラアームユニット4を押し込むように、矢印322方向に回動する。従動ローラアームユニット4は、駆動ローラアームユニット3の回動に伴い、従動アーム回転軸403を中心に矢印423の方向(図8参照)に回動する。つまり、従動ローラアームユニット4は、駆動ローラアームユニット3の移動に追従して移動する。
【0050】
この駆動ローラアームユニット3と従動ローラアームユニット4の回動によって、駆動ローラ301および従動ローラ401の位置がともに記録媒体の搬送方向の上流側へ移動する。また、この回動による駆動ローラ301の、記録媒体の搬送方向で上流側への移動量に対して、従動ローラ401の、記録媒体の搬送方向で上流側への移動量は小さい。そのため、中間ローラ対のニップ位置が変化し、中間ローラ対のニップ方向503が内側ガイド502方向、つまりUターンパス10の湾曲した方向(内周側)に変化する(図13(b)参照)。その結果、記録媒体が外側ガイド501と摺擦する際に生じる摩擦力や、Uターンパス10の形状に沿って記録媒体を湾曲させるための力が軽減するため、搬送抵抗が減少して、記録媒体を搬送しやすくなる。
【0051】
次に、本発明の搬送装置による記録媒体の搬送動作について、図12の記録装置の記録動作の概略フローチャートを基に説明する。
【0052】
制御部B1にコンピュータなどから記録命令が送信されると、制御部B1がモータドライバB2に指令を送る。この指令により、搬送の駆動源である搬送モータB5が駆動され、給紙ローラアームユニット2、駆動ローラアームユニット3、搬送ローラ6、および排紙ローラ8に各々駆動力が伝達される(S1)。搬送モータB5から、駆動力を伝達された給紙ローラアームユニット2は、給紙ローラ201に駆動力を伝達する。給紙トレイ11に積載された記録媒体に当接している給紙ローラ201は伝達された駆動力により回転し、記録媒体をUターンパス10の方向に押し出すように搬送する。
【0053】
給紙ローラ201によって搬送された記録媒体は、分離用の斜面103などによって、1枚に分離され、斜面103に沿って、駆動ローラ301および従動ローラ401で構成される中間ローラ対に向かって進む。
【0054】
記録媒体の搬送されてくる方向と中間ローラ対のニップ方向503がほぼ同じ状態で、記録媒体が中間ローラ対に噛み込まれると、駆動切替・伝達系B8によって、駆動力は給紙ローラ201に伝達されなくなる。以降、給紙ローラ201はワンウェイクラッチ機構207により空転するため、中間ローラ対のみによって記録媒体は搬送される。
【0055】
記録媒体の先端が中間ローラ対を抜けると、まだ搬送抵抗がほとんどないため、記録媒体は、記録媒体の先端が噛み込まれたときと同じニップ方向503に進む。そして、記録媒体の先端がUターンパス10の形状を成す外側ガイド501にぶつかると、記録媒体の先端が外側ガイド501を擦りながら、記録媒体は下流側に搬送され、搬送ローラ6を有する搬送ローラ対に向かって進む。このとき、搬送抵抗が大きくなるため、駆動ローラアームユニット3と従動ローラアームユニット4が回動し、中間ローラ対のニップ方向503がUターンパス10の湾曲した方向に変化する。これに伴い、記録媒体の搬送方向が変化する。
【0056】
記録媒体が搬送ローラ6とピンチローラ61で構成される搬送ローラ対のニップ位置に到達するまで搬送を続ける(S2)。所定の時間、センサB14によって、搬送ローラ対のニップ位置への記録媒体の到達が検知されないと(S3)、給紙エラー表示を行い(S11)、ユーザにエラー回復動作を促す。記録装置はユーザによるエラー回復動作を受け付けると(S12)、給紙動作を再度開始する(S1)。記録媒体の先端が搬送ローラ対のニップ位置に差し掛かったことをセンサB14によって検知すると(S4)、記録装置は、記録媒体の種類によって、数種類のうちから最適な方法を選んで記録媒体の先端レジストレーション調整を行う(S5)。記録媒体の先端が搬送ローラ6の軸方向に直角になるよう修正し、記録媒体を搬送ローラ対で噛み込み、プラテン7上の記録開始位置まで搬送する(S6)。
【0057】
搬送ローラ対による記録媒体の搬送速度は、中間ローラ対による記録媒体の搬送速度よりも大きくなっている。また、駆動ローラ301の駆動伝達系には、駆動ローラ301が搬送ローラ対によって搬送される記録媒体に引きずられると、駆動力の伝達を止める駆動アームクラッチ機構307が設けられている。そのため、記録媒体が搬送ローラ対で搬送されると、駆動ローラ301に駆動力が伝達されなくなり、以降は搬送ローラ対によって記録媒体は搬送される。
【0058】
記録媒体が記録開始位置に到達すると、記録ヘッドユニット9が記録媒体の直上を移動しながら記録媒体に対してインク吐出を行い、記録媒体上に1ライン分の画像を形成する(S7)。1ライン分の記録が終わったら、記録媒体を1ライン分搬送する(S8)。画像形成が終了したか判断し(S9)、画像形成が終了するまで1ライン分の記録と搬送を繰り返す。画像形成が終了すると、排紙ローラ8によって排紙トレイ13に記録媒体を排出する(S10)。
【0059】
以上で説明したように、本発明の搬送装置は、搬送抵抗が生じる前と後で中間ローラ対のニップ方向を変化させることができる。これにより、記録媒体をよりスムースに搬送することができる。さらに、中間ローラ対の噛み込み性が向上するので、記録媒体の搬送の信頼性が向上する。また、ニップ方向を変化させるのに駆動源などは必要なく、大がかりな機構を増設する必要もないため、搬送装置の大型化やコストの増加を抑えることができる。
【0060】
[実施形態2]
図14を用いて、搬送装置の第2の実施形態について説明する。図14は、本発明に係る搬送装置の第2の実施形態における駆動ローラと従動ローラの位置関係を示す模式図である。図14(a)は搬送抵抗を受ける前の駆動ローラと従動ローラの配置を示す模式図、図14(b)は搬送抵抗を受けて駆動ローラと従動ローラの配置が変化したときの模式図である。なお、上述の実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0061】
中間ローラ対の構成として、本実施形態ではUターンパス10の外側ガイド501側に駆動ローラ301が位置し、内側ガイド502側に従動ローラ401が位置するように、駆動ローラアームユニット3や従動ローラアームユニット4などを配置する。また、中間ローラ対のニップ位置と駆動ローラ301および従動ローラ401の回転軸に注目すると、搬送抵抗がない状態では、記録媒体の搬送方向に対して上流側に駆動ローラ301の回転軸が位置し、下流側に従動ローラ401の回転軸が位置する。
【0062】
記録媒体を中間ローラ対で挟持しながら搬送する際に外側ガイド501と記録媒体との摩擦などに起因する搬送抵抗を受けると、駆動ローラアームユニット3に第1の実施形態と同様な理由で矢印322方向に回転する力が発生する。そのため、駆動ローラ301が従動ローラ401を押圧する。
【0063】
これにより、駆動ローラ301と従動ローラ401がともに記録媒体の搬送方向の下流側へ移動する。この際、この動作による駆動ローラ301の下流側への移動量に対して、従動ローラ401の下流側への移動量が小さいため、中間ローラ対のニップ位置が変化し、ニップ方向503がUターンパス10の内側ガイド502、つまり湾曲した方向に向かって変化する。その結果、記録媒体の先端がUターンパス10の外側ガイド501と摺擦する際に生じる摩擦力や、記録媒体を湾曲させる力が軽減するため、搬送抵抗を減少させることができる。
【0064】
[実施形態3]
図15を用いて、搬送装置の第3の実施形態について説明する。図15は、本発明に係る搬送装置の第3の実施形態における駆動ローラと従動ローラの位置関係を示す模式図である。図15(a)は搬送抵抗を受ける前の駆動ローラと従動ローラの配置を示す模式図、図15(b)は搬送抵抗を受けて駆動ローラと従動ローラの配置が変化したときの模式図である。なお、上述の実施形態と同様な構成については説明を省略する。
【0065】
第1の実施形態と同様に、中間ローラ対の構成として、駆動ローラ301はUターンパス10の内側ガイド502側に、従動ローラ401は外側ガイド501側に配置されている。また、搬送抵抗がない状態では、記録媒体の搬送方向で下流側に駆動ローラ301の回転軸が位置し、上流側に従動ローラ401の回転軸が位置する。
【0066】
第1の実施形態と同様に、駆動ローラ301を有する駆動ローラアームユニット3がインナーガイド300に回動自在に支持されている。一方、第1の実施形態と異なり、従動ローラ401は、外側ガイド501の、従動ローラ401の位置の形状に対して垂直に直線的にスライド可能に構成された従動ローラアーム402に軸支されている。従動ローラ401は、従動ローラアーム402を介してばね409により駆動ローラ方向に押圧されている。なお、第1の実施形態と同様に、ばね409による押圧力は、駆動ローラ301を従動ローラ401方向に押圧する不図示のばねの押圧力よりも大きくなっている。
【0067】
中間ローラ対で記録媒体を挟持しながら搬送する際に搬送抵抗を受けると、第1の実施形態と同様に、駆動ローラアームユニット3が回動し、駆動ローラ301が従動ローラ401を押圧する。駆動ローラ301からの押圧力が、バネ409による押圧力よりも大きくなると、駆動ローラ301は記録媒体の搬送方向で上流側に移動し、駆動ローラ301の移動に伴い従動ローラ401は直線的に外周側に移動する。
【0068】
この際、駆動ローラ301の上流側への移動量に対して、従動ローラ401の下流側への移動量がゼロであるため、中間ローラ対のニップ方向503が内側ガイド502に向かって変化する。そのため、記録媒体の先端がUターンパス10の外側ガイド501と摺擦する際に生じる摩擦力や、記録媒体を湾曲させる力が軽減して、搬送抵抗が減少する。
【0069】
以上で説明した第2および第3の実施形態においても、搬送抵抗が生じる前と後で中間ローラ対のニップ方向を変化させることができる。これにより、記録媒体をよりスムースに搬送することができる。さらに、中間ローラ対の噛み込み性が向上するので、記録媒体の搬送の信頼性が向上する。また、ニップ方向を変化させるのに駆動源などは必要なく、大がかりな機構を増設する必要もないため、搬送装置の大型化やコストの増加を抑えることができる。
【符号の説明】
【0070】
10 Uターンパス(搬送経路)
301駆動ローラ(中間ローラ)
401従動ローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が搬送される湾曲した搬送経路と、前記搬送経路に位置し、駆動源からの駆動力により駆動する駆動ローラおよび前記駆動ローラと圧接する従動ローラからなるローラ対と、を有する搬送装置であって、
前記駆動ローラは、前記記録媒体の搬送方向で上流側または下流側に移動が可能なように軸支されており、
前記従動ローラは前記駆動ローラの移動に追従して移動が可能である、搬送装置。
【請求項2】
前記駆動ローラは、前記駆動ローラの回転軸と前記従動ローラの回転軸に垂直な断面において、前記駆動ローラの前記回転軸と前記従動ローラの前記回転軸とを結ぶ直線に垂直な方向であり、かつ前記ローラ対の上流側から下流側を見たときの方向が変化するように移動する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記従動ローラを前記駆動ローラに向かって付勢する付勢手段が設けられている、請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記駆動ローラの、前記記録媒体の搬送方向で上流側または下流側への移動量は、前記駆動ローラに追従して移動する前記従動ローラの、前記記録媒体の搬送方向で上流側または下流側への移動量よりも大きい、請求項1から3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記駆動ローラを、前記駆動ローラの回転軸とは別の軸に回動可能に支持するアームが設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記駆動ローラは、前記記録媒体から受ける前記記録媒体の搬送を妨げる搬送抵抗に応じて、前記従動ローラに向けて回動する、請求項5項に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記ローラ対において、前記駆動ローラが前記搬送経路の内周側に位置しており、前記従動ローラが前記搬送経路の外周側に位置しており、
前記駆動ローラが前記搬送抵抗を受けていないときは、前記駆動ローラの回転の中心が、前記従動ローラの回転の中心よりも前記記録媒体の搬送方向で下流側に位置し、前記搬送抵抗を受けている間に、前記搬送抵抗を受けていないときに比べて、前記駆動ローラが前記記録媒体の搬送方向で上流側に移動する、請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ローラ対において、前記従動ローラが前記搬送経路の外周側に位置しており、前記従動ローラが前記搬送経路の内周側に位置しており、
前記駆動ローラが前記搬送抵抗を受けていないときは、前記駆動ローラの回転の中心が、前記従動ローラの回転の中心よりも前記記録媒体の搬送方向で上流側に位置し、前記搬送抵抗を受けている間に、前記搬送抵抗を受けていないときに比べて、前記駆動ローラが前記記録媒体の搬送方向で下流側に移動する、請求項6に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記従動ローラを、前記従動ローラの回転軸とは別の軸に回動可能に支持するアームが設けられている、請求項5から8のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記従動ローラは、直線的に移動ができるように支持されている、請求項5から8のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の搬送装置と、前記記録媒体に記録を行う記録部とを有する、記録装置。
【請求項12】
記録媒体が搬送される湾曲した搬送経路と、前記搬送経路に位置し、駆動源からの駆動力により駆動する駆動ローラおよび前記駆動ローラと圧接する従動ローラからなるローラ対と、を有する搬送装置による記録媒体の搬送方法であって、
前記駆動ローラを、前記記録媒体の搬送方向で上流側または下流側に移動させ、前記従動ローラを前記駆動ローラの移動に追従させることで、前記記録媒体を搬送している間に、前記記録媒体の先端を挟持するときと比べて、前記駆動ローラの回転軸と前記従動ローラの回転軸に垂直な断面において前記駆動ローラの前記回転軸と前記従動ローラの前記回転軸とを結ぶ直線に垂直な方向であり、かつ前記ローラ対の上流側から下流側を見たときの方向を変化させる、記録媒体の搬送方法。
【請求項13】
前記駆動ローラの前記回転軸と前記従動ローラの前記回転軸に垂直な断面において前記駆動ローラの前記回転軸と前記従動ローラの前記回転軸とを結ぶ直線に垂直な方向であり、かつ前記ローラ対の上流側から下流側を見たときの方向を、前記記録媒体の先端を挟持するときには前記記録媒体の搬送方向と同じにし、前記記録媒体を搬送している間に、前記搬送経路の内周側に向ける、請求項12に記載の記録媒体の搬送方法。
【請求項14】
前記ローラ対で前記記録媒体を搬送するときに、前記記録媒体から受ける搬送抵抗によって前記駆動ローラを移動させる、請求項12または13に記載の記録媒体の搬送方法。
【請求項1】
記録媒体が搬送される湾曲した搬送経路と、前記搬送経路に位置し、駆動源からの駆動力により駆動する駆動ローラおよび前記駆動ローラと圧接する従動ローラからなるローラ対と、を有する搬送装置であって、
前記駆動ローラは、前記記録媒体の搬送方向で上流側または下流側に移動が可能なように軸支されており、
前記従動ローラは前記駆動ローラの移動に追従して移動が可能である、搬送装置。
【請求項2】
前記駆動ローラは、前記駆動ローラの回転軸と前記従動ローラの回転軸に垂直な断面において、前記駆動ローラの前記回転軸と前記従動ローラの前記回転軸とを結ぶ直線に垂直な方向であり、かつ前記ローラ対の上流側から下流側を見たときの方向が変化するように移動する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記従動ローラを前記駆動ローラに向かって付勢する付勢手段が設けられている、請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記駆動ローラの、前記記録媒体の搬送方向で上流側または下流側への移動量は、前記駆動ローラに追従して移動する前記従動ローラの、前記記録媒体の搬送方向で上流側または下流側への移動量よりも大きい、請求項1から3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記駆動ローラを、前記駆動ローラの回転軸とは別の軸に回動可能に支持するアームが設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記駆動ローラは、前記記録媒体から受ける前記記録媒体の搬送を妨げる搬送抵抗に応じて、前記従動ローラに向けて回動する、請求項5項に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記ローラ対において、前記駆動ローラが前記搬送経路の内周側に位置しており、前記従動ローラが前記搬送経路の外周側に位置しており、
前記駆動ローラが前記搬送抵抗を受けていないときは、前記駆動ローラの回転の中心が、前記従動ローラの回転の中心よりも前記記録媒体の搬送方向で下流側に位置し、前記搬送抵抗を受けている間に、前記搬送抵抗を受けていないときに比べて、前記駆動ローラが前記記録媒体の搬送方向で上流側に移動する、請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記ローラ対において、前記従動ローラが前記搬送経路の外周側に位置しており、前記従動ローラが前記搬送経路の内周側に位置しており、
前記駆動ローラが前記搬送抵抗を受けていないときは、前記駆動ローラの回転の中心が、前記従動ローラの回転の中心よりも前記記録媒体の搬送方向で上流側に位置し、前記搬送抵抗を受けている間に、前記搬送抵抗を受けていないときに比べて、前記駆動ローラが前記記録媒体の搬送方向で下流側に移動する、請求項6に記載の搬送装置。
【請求項9】
前記従動ローラを、前記従動ローラの回転軸とは別の軸に回動可能に支持するアームが設けられている、請求項5から8のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記従動ローラは、直線的に移動ができるように支持されている、請求項5から8のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載の搬送装置と、前記記録媒体に記録を行う記録部とを有する、記録装置。
【請求項12】
記録媒体が搬送される湾曲した搬送経路と、前記搬送経路に位置し、駆動源からの駆動力により駆動する駆動ローラおよび前記駆動ローラと圧接する従動ローラからなるローラ対と、を有する搬送装置による記録媒体の搬送方法であって、
前記駆動ローラを、前記記録媒体の搬送方向で上流側または下流側に移動させ、前記従動ローラを前記駆動ローラの移動に追従させることで、前記記録媒体を搬送している間に、前記記録媒体の先端を挟持するときと比べて、前記駆動ローラの回転軸と前記従動ローラの回転軸に垂直な断面において前記駆動ローラの前記回転軸と前記従動ローラの前記回転軸とを結ぶ直線に垂直な方向であり、かつ前記ローラ対の上流側から下流側を見たときの方向を変化させる、記録媒体の搬送方法。
【請求項13】
前記駆動ローラの前記回転軸と前記従動ローラの前記回転軸に垂直な断面において前記駆動ローラの前記回転軸と前記従動ローラの前記回転軸とを結ぶ直線に垂直な方向であり、かつ前記ローラ対の上流側から下流側を見たときの方向を、前記記録媒体の先端を挟持するときには前記記録媒体の搬送方向と同じにし、前記記録媒体を搬送している間に、前記搬送経路の内周側に向ける、請求項12に記載の記録媒体の搬送方法。
【請求項14】
前記ローラ対で前記記録媒体を搬送するときに、前記記録媒体から受ける搬送抵抗によって前記駆動ローラを移動させる、請求項12または13に記載の記録媒体の搬送方法。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図3】
【図4】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2013−40034(P2013−40034A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179471(P2011−179471)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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