説明

搬送装置

本発明は、少なくとも一つの走行部分4,5を有する移送ユニット3を移動させるための搬送装置1に関する。走行部分4,5は、具体的にはスキッドランナとして構成することができる。搬送装置1は、走行部分4,5上の移送ユニット3の重量を支承する支持部6,8を有する。搬送装置1は、少なくとも一つの駆動ローラ20を含み、この駆動ローラは、移送ユニット3の走行部分4,5と相互に作用して回転運動を行い、移送ユニット3に支持部6,8に沿った移動力FKを付与する。駆動ローラ20は、駆動ローラ20を移送ユニット3の走行部分4,5に押し付ける押し付け力FPを提供する力発生手段44に作動可能に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの走行部分を有する移送装置、特に、例えばスキッド等の、ランナを有する移送ユニットのための搬送装置に関し、この搬送装置は、走行部分上の移送ユニットの重量を支承する少なくとも一つの支持部と、少なくとも一つの駆動ローラとを備え、駆動ローラは、移送ユニットの走行部分と相互に作用して回転運動を行い、移送ユニットに支持部に沿った移動力を付与する。
【背景技術】
【0002】
この種の搬送装置は、特許文献1によって知られている。この種の搬送装置は、工業生産システム、特に塗装又は洗浄システムにおいて使用されている。この搬送装置を用いて、生産物を有する移送ユニット、すなわち生産物が収容された例えばバスケットその他のフレーム又はハウジング、具体的にはスキッドをシステム内で移動させることができる。同文献では、移送ユニットは多数のローラ上で移動される。ローラの少なくとも一部は、駆動ローラとして構成される。駆動ローラはモータによって動かされる。この過程において、ローラは摩擦によって移送ユニットに力を伝達する。この力は搬送力として機能する。かくして、移送ユニットは搬送装置において移動される。移送ユニットを移動させるために、公知の搬送装置は、駆動部を備えたシャフトに収容される多数の駆動ローラを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ドイツ国公開特許公報DE19950202
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、特に少ない数の駆動ローラを用いて、移送ユニットの確実な搬送を可能にする搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的は、冒頭で言及したタイプの搬送装置であって、駆動ローラを移送ユニットの走行部分に押し付ける押し付け力FPを提供する及び/又は発生させるための力発生手段に駆動ローラが作動可能に接続される、搬送装置によって達成される。
【0006】
本発明による搬送装置を用いて、特に、工業生産システム内の従来の搬送装置で広く使用されている公知の移送ユニットを移動させることができる。これらの移送ユニットは、本発明による搬送装置で使用するにあたり、修正を必要としないか、又は多少の修正を必要とするのみである。
【0007】
ローラを備えた搬送装置において、重量があり且つ空間的に大きな移送ユニットを確実に移送するためには、駆動ローラができるだけスリップせずに移送ユニットに搬送力を伝達するようにしなければならない。しかしながら、冒頭で説明したタイプの上記搬送装置において、駆動ローラによって伝達することができる搬送力FKは、走行部分において駆動ローラにかかる移送ユニットの重量に左右される。
【0008】
本発明は、駆動ローラによって移送ユニットに伝達され得る搬送力FKが移送ユニットの重量によって決定されなければ、あるいは少なくとも同重量によってのみ決定されるものでなければ、移送ユニットのための搬送装置において駆動ローラの数を減らすことができるという考えに基づく。そのため、本発明は、特に支持部に対して変位可能な回転軸線を有する駆動ローラであって、押し付け力FPによって移送ユニットの走行部分に当接する駆動ローラを提案する。移送ユニットの重量に左右されない押し付け力FPを生じさせるために、駆動ローラは押し付け力を提供する力発生手段に配属される。力発生手段は、好適には、移送ユニットの走行部分に駆動ローラを当接させる押し付け力FPの所定の調節を可能にする調節装置を有する。特に、力発生手段は、位置エネルギーのための水圧、空気圧又は機械的アキュムレータを含んでもよい。別の例では、調節可能な押し付け力を電磁作動装置によって発生させることができ、この押し付け力を多少なりとも直接駆動ローラに導入することができる。また、本発明は、駆動機能と支持機能を分けるという考えと、とりわけ、異なるローラを配備することで夫々のローラを特定の機能に適合させ易くするという考えに基づく。特に、駆動ローラの配置とは関係なく、支持ローラを支持部又は移送ユニットのどちらかに配置することが好ましい。逆に、支持ローラの配置とは関係なく、少なくとも一つの駆動ローラを力発生ユニットと共に移送ユニットに配置することができ、こうすることで移送ユニットが支持部に沿って実質上自律的に移動可能となる。本発明によれば、更に、少なくとも一つの駆動ローラを関連する力発生ユニットと共に支持部に配置することができる。この配置もまた支持ローラの配置とは無関係に行われる。
【0009】
本発明の有利的な実施形態において、(支持部側に取り付けられた)駆動ローラは、移送ユニットの走行部分の側面に作用する。このとき駆動ローラは、押し付け力FPによって走行部分の側面に当接する。そのため駆動ローラは、好適には、支持部に対して変位可能な回転軸線を備え、力発生手段による作用を受け得る効果的なレバーアームに回転自在に取り付けられる。レバーアームは、枢動軸線の周りを枢動可能である。枢動軸線及び移送ユニットの搬送方向に対するレバーアームの垂直投影によって、鉛直方向の平面を設定することができる。この方法によって、搬送装置の支持部に配置された支持ローラの移送ユニットの走行部分に対する摩擦力を最小限にすることができる。
【0010】
搬送装置において移送ユニットの走行部分を確実に案内するために、(好適には液圧、空気又は機械的)ばね手段を介してレバーアームに支持される走行ローラによって駆動ローラの押し付け力FPを発生させることが有利的である。走行ローラは、例えば走行部分の側面に接して回転し、この側面は、駆動ローラが作用する走行部分の側面の反対側に位置する。
【0011】
本発明の更に好適な実施形態において、駆動ローラは枢動可能なレバーアームに取り付けられ、このレバーアームの枢動軸線は、搬送装置における移送ユニットの搬送方向と共に水平方向の平面、又は、水平面に対してレバーアームの枢動軸線周りで傾斜された平面を設定する。力発生手段は本形態では、支持部に対向する移送ユニットの走行部分の面に対して、又は、支持部と反対側を向く同走行部分の面に対して駆動ローラの押し付け力を発生させる。
【0012】
押し付け力FPを発生させるために、支持部に支持され且つレバーアームに作用するばね手段が、本形態において特に有利的である。駆動ローラは、好適には、駆動ローラの回転軸線と共に変位可能に配置され且つモータを含む駆動ユニットに配属される。これにより、カルダン継手を必要とする複雑な機構を用いない駆動ローラのシンプルな駆動を可能にする。
【0013】
搬送装置において、一つ又は複数の回転自在に取り付けられる支持ローラを、移送ユニットの走行部分を受承する支持部に配置することができる。搬送装置において移動される移送ユニットの極めて静かな走行を、駆動ローラと共に支持部に配置され且つフランジ付きローラとして設計される支持ローラによって実現することができる。
【0014】
搬送装置には、好適には、二つの走行部分を有し且つ具体的にはスキッドとして設計される移送ユニットを受承するための少なくとも二つの支持部があり、この支持部は、走行部分上の移送ユニットの重量を支承する。搬送装置は、特に、支持部に配置され且つ支持部の一つに対して変位可能な回転軸線を有する多数の駆動ローラを含んでもよい。この場合、各駆動ローラは力発生手段に配属され、この力発生手段は、支持部上にて移動される移送ユニットの対応する走行部分に駆動ローラを押し付ける押し付け力FPを生じさせる。
【0015】
本発明による搬送装置は、特に、塗装システムにおける自動車本体を含むスキッド又は工業洗浄システムの移送バスケットを移送するのに適している。つまり、本発明による搬送装置は、駆動ローラが同装置の支持部に沿って3〜6.5m毎に設けられているにすぎないが、3.5〜7mの長さを有するスキッドの移動が可能であるということが分かる。対称的に、従来の移送装置においては、同装置の連続する駆動ローラの間隔を3mを越えないように選択することにより上記長さのスキッドを確実に移動させる。また本発明は、関連する駆動ユニット及び力発生ユニットを備えた駆動ローラが取り付けられたスキッドを提供し、この駆動ローラは支持部の一部分に接して回転することができる。
【0016】
駆動ローラの駆動部を制御する制御装置に接続された、移送ユニットの位置を検出するための位置検出器を、搬送装置の支持部に沿って設けることにより、多数の移送ユニットを同時且つ自動的に制御された方法にて搬送装置内を移動させることができる。移送ユニットの更なる搬送方向への移動を可能にするために、搬送装置の少なくとも一つの支持部を更なる直線移動ユニットに収容することが有利的である。
【0017】
図面に概略的に示された例示的実施形態を参照しながら、以下に本発明についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】スキッドとして設計された移送ユニットのための第1の搬送装置を示す。
【図2】駆動ローラを備えた第1の搬送装置の詳細図である。
【図3】スキッドとして設計された移送ユニットのための第2の搬送装置を示す。
【図4】スキッドとして設計された移送ユニットのための第3の搬送装置を示す。
【図5】駆動ローラを備えた第3の搬送装置の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示す搬送装置1は、ローラコンベアと呼ばれるものである。この装置は、特に、塗装システム内で車体を移送するのに適している。搬送装置1は、第1の支持部6と第2の支持部8とを含む。自動車本体を収容するように構成されたスキッド3は、支持部6,8に沿って移動可能である。このため、スキッド3は、ランナ(runners)4,5の形状の走行部分を有する。
【0020】
0.5m〜2mの間隔で回転自在に取り付けられる支持ローラ16,17が、支持部6,8に配置される。スキッドの3の重量は、好適にはスキッドのランナ4,5を介して、まず支持ローラ16,17に伝えられ、そして同ローラから支持部6,8へと伝えられる。支持部6,8は、支柱10、12に支えられている。支柱10,12は、台座によって床15上に固定される。
【0021】
スキッド3を移動させるために、搬送装置1は、多数の駆動ユニット7,9,11,14を含む。搬送装置1において、多数のスキッド3の移動を自動制御するために、位置検出器2が支持部8に沿って配置される。
【0022】
スキッド3は、好適には3.5m〜7mの範囲にある長さLを有する。スキッドは、矩形断面を有する鋼鉄の支持体から構成される。鋼鉄支持体の矩形断面は、好適には5cmの幅b及び10cmの高さhを有する。上記寸法を有するスキッドは、自動車製造においてボディ、車部品及び車体のための搬送装置の移送ユニットとして広く用いられている。自動車製造において、この種のスキッドは、様々な搬送装置によって移動可能な移送ユニットの事実上のスタンダードとなっている。
【0023】
図2は、駆動ユニット11を備えた搬送装置1の一部分を示す。ランナ5は、支持ローラ16によって支持部8上を案内される。支持ローラ16は、支持部8に設けた軸18に回転自在に取り付けられる。支持部8上においてスキッド3のランナ5を確実に案内するために、支持部8に配置された支持ローラ16は、フランジ付きローラ形状を有する。
【0024】
駆動ユニット11は、駆動ローラ20を含む。駆動ローラ20は、回転軸受22内に回転自在に取り付けられる。駆動ローラ20は、回転軸線21の周りを回転軸受22内において回転可能である。駆動ローラ20は、スキッド3のランナ5の側面60に当接するローラ面23を有する。ローラ周面23又は駆動ローラ20全体は、好適には、その全体又は一部がエラストマプラスチック、特に、ポリウレタン(PUR)又はEPDMゴムから製造される。変更された例示的実施形態において、ローラ周面23は、エラストマプラスチック製のコーティング又はタイヤ(tires)を有する。
【0025】
駆動ローラ20は、駆動部としての電気モータ24に配属される。電気モータ24は、慣性質量(inert mass)が大きい「重い羽根車(heavy fan wheel)」を有する。これにより、ぎくしゃくした動きを避けるべく、電気モータの穏やかな安定した入出力動作(inbound and outbound behavior)を実現するための複雑な電気制御ユニットを必要とせず、オン/オフ形式の電気モータによって搬送装置を操作することができる。
【0026】
電気モータ24及び駆動ローラ20は、枢動可能な保持ユニット26に収容される。枢動保持ユニット26は、回転連結部28によって支持部8に保持される。枢動保持ユニット26は、回転連結部28において枢動軸線30の周りを枢動可能である。保持ユニット26によって、駆動ローラ20を有する回転軸受22の効果的な枢動レバーアーム31が形成される。かくして駆動ローラ20は、左右矢印32が示すように支持部8に対して軸線30の周りを効果的なレバーアーム31と共に移動することができる。
【0027】
駆動ローラ20は、走行ローラ32と組み合わせられる。走行ローラ32は、特に好適には、エラストマプラスチック(例えばPUR)によってコーティングされたローラ面56を有する。走行ローラ32は、回転軸線36を有する回転軸受34に収容される。回転軸受34は、保持部分38を介してレバーアーム40に接続される。このレバーアーム40は、軸線30に対応する枢動軸線を有する枢動軸受42内に保持される。
【0028】
ばねユニット44は、レバーアーム40に設けたばねケース46内に固定される。また、ばねユニット44にはプレストレスを与えてもよい。ばねユニット44は、調節装置としての役目を果たす調節部分47において保持ユニット26に収容される。調節部分47は、二つの調節ねじ48,50を含む。調節ねじ48,50は、保持ユニット26に設けたねじ山52,54に係合する。
【0029】
走行ローラ32は、ランナ5の側面58に当接する。同走行ローラは、ばねユニット44によって側面58に押し付けられる。この過程において、枢動可能な保持ユニット26は力Fを受ける。この力は、軸線30においてトルクDを発生させる。トルクDは、効果的なレバーアーム31を介して駆動ローラ20に作用する。トルクDは、ランナ5の側面60に駆動ローラ20を押し付ける押し付け力FPを発生させる。ばねユニット44の調節ねじ48,50の調節により、駆動ローラ20の上記押し付け力FPの大きさを調節することができる。
【0030】
駆動ローラ20の走行面23とランナ5の側面60との間の静止摩擦の結果、矢印62の方向に作用する搬送力FKは、駆動ローラ20によってランナ5に導入される。搬送力FKの方向62は、搬送装置1におけるスキッド3の移送方向に相当する。搬送力FKの大きさは、ランナ5の側面60に対する駆動ローラ20の押し付け力FP、及び、ローラ面23と側面60との間の摩擦力の摩擦係数によって決定される。このとき、レバーアーム31の搬送方向62に対する垂直投影は枢動軸線30と共に鉛直方向の平面を設定する。この方法によって、支持ローラ16に関し、押し付け力FPが、重量と平行する力成分を有し且つ支持ローラ16の軸受において好ましくない摩擦を更に生じて不要な摩耗を招き得る力をもたらさないように、又は上記力をほんの僅かに抑えるようにする。
【0031】
図3に示す搬送装置70は、回転浸漬システムにおいてスキッドを移動させるための搬送装置として構成される。搬送装置70は、スキッド80のランナ76,78のための支持部72及び支持部74を含む。スキッド80のランナ76,78は、駆動ローラを有する駆動ユニット82によって、左右矢印84が示すように、支持部72,74上を移動可能に案内される。駆動ユニット82は、支持部72に固定される。駆動ユニット82の構成は、図2に関連して説明した駆動ユニット11の構成に対応する。そして駆動ユニット82を備えた支持部72,74は、直線移動ユニット86に収容される。直線移動ユニット86は、レール81,83を備えたレールシステムを有する。直線移動ユニット86において、支持部72,74は、ドラグチェーン機構によって左右矢印85が示すようにレール81,83上を移動することができる。
【0032】
図4に示す搬送装置101は、支持部106及び支持部108を有する。支持部106,108は、支柱110,112に支えられている。スキッド103を移動させるために、搬送装置101は駆動ユニット111を有する。スキッド103のランナ104は、支持ローラ116に接して支持部108上を案内される。支持部106には、スキッド103のランナ104の重量を支承する支持ローラ117がある。
【0033】
図5は、駆動ユニット111を備えた図4に示す搬送装置101の一部分を示す。駆動ユニット111は、回転軸線121を有する回転軸受122内に回転自在に取り付けられた駆動ローラ120を含む。駆動ローラ120は、エラストマプラスチック(具体的にはPUR)から作られた走行面123を有する。駆動ローラ120は、駆動装置としての電気モータ124に配属される。電気モータ124及び駆動ローラ120は枢動可能な保持ユニット126に収容される。枢動可能な保持ユニット126は、支持部106に設けた回転連結部128において保持される。枢動可能な保持ユニット126は、回転連結部128において軸線130の周りを枢動可能である。駆動ローラ120を有する回転軸受122の効果的な枢動レバーアーム131が、保持ユニット126によって形成される。かくして駆動ローラ120は、左右矢印132が示すように、支持部106に対して軸線130の周りを移動することができる。
【0034】
レバーアーム131は、保持ユニット126に支持されたばねユニット144によって力を受ける。ばねユニット144は、ばねケース146内において支持部106に固定される。ばねユニット144は、保持ユニット126に設けた調節部分147内に収容される。ばねユニット144を調節するために、調節装置としての調節部分には、ねじ付きナット152及びねじ部154を備えた調節ねじ150がある。
【0035】
駆動ローラ120は、ランナ104の下面107に当接する。このとき駆動ローラは、保持ユニット126の枢動軸線130においてトルクDを発生させるばねユニット144を介して、押し付け力FPを受ける。押し付け力FPは、調節ねじ150の調節により、ランナ104を介して支持部106に伝えられるスキッド103の重量とは無関係に調節可能である。かくして、駆動ローラ120によって搬送力FKを矢印162の方向にスキッド103のランナ104へと導入することができる。水平方向の平面164は、レバーアーム131の枢動軸線130の垂直投影及び搬送方向162によって設定される。
【0036】
総括として、本発明による装置の以下の好ましい特徴を強調すべきである。搬送装置1は、少なくとも一つの走行部分4,5を有する移送ユニット3を移動させる。走行部分4,5は、具体的にはスキッドのランナとして構成され得る。搬送装置1は、走行部分4,5上の移送ユニット3の重量を支承する支持部6,8を有する。搬送装置1は少なくとも一つの駆動ローラ20を含み、この駆動ローラは、移送ユニット3の走行部分4,5に接して回転運動するように設計され、移送ユニット3に支持部6,8に沿った移動力FKを付与する。駆動ローラ20は、移送ユニット3の走行部分4,5に対して駆動ローラ20を押し付ける押し付け力FPを提供する力発生手段44に作動可能に接続される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの走行部分(4,5,74,76,104,105)、具体的にはランナ、を有する例えばスキッド等の移送ユニット(3,80,103)のための搬送装置(1,70,101)であって、走行部分(4,5,74,76,104,105)上の移送ユニット(3,80,103)の重量を支承する支持部(6,8,72,74,106,108)と、移送ユニット(3,80,103)の走行部分(4,5,74,76,104,105)と相互に作用して回転運動を行い、移送ユニット(3,80,103)に支持部(6,8,72,74,106,108)に沿った移動力FKを付与する少なくとも一つの駆動ローラ(20,120)と、を備える搬送装置において、
駆動ローラ(20,120)は、駆動ローラ(20,120)を移送ユニット(3,80,103)の走行部分(4,5,74,76,104,105)に押し付ける押し付け力FPを提供する力発生手段(44,144)に作動可能に接続することを特徴とする、搬送装置(1,70,101)。
【請求項2】
駆動ローラ(20,120)は、支持部(6,8,72,74,106,108)に対して変位可能な回転軸線(21,121)を有することを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
駆動ローラ(20,120)は、力発生手段(44,144)からの作用を受けて枢動軸線(30,130)の周りを枢動可能なレバーアーム(26,31,126,131)に回転自在に取り付けられることを特徴とする、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
搬送方向(62)に対するレバーアーム(26)の垂直投影は枢動軸線(30)と共に鉛直方向の平面(64)を設定し、力発生手段(44)は、移送ユニット(3)の走行部分(4,5)の側面(60)に対する駆動ローラ(20)の押し付け力FPを生じさせることを特徴とする、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
押し付け力FPは、ばね手段(44)を介してレバーアーム(26,31)に支持され、且つ、移送ユニット(3)の走行部分(5)の側面(58)に当接して回転する走行ローラ(32)によって発生し、側面(58)は駆動ローラ(20)の側面(60)の反対側に在ることを特徴とする、請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
レバーアーム(131)の枢動軸線(130)の搬送方向(162)に対する垂直投影は、搬送方向(162)と共に水平方向の平面(164)、又は水平面に対してレバーアーム(131)の枢動軸線(130)の周りで傾斜された平面を設定し、力発生手段(144)は、移送ユニット(103)の走行部分(104)の面(107)に対する駆動ローラ(120)の押し付け力FPを生じさせ、面(107)は支持部(106)に対向しているか、又は支持部(106)と反対側を向いていることを特徴とする、請求項3に記載の搬送装置。
【請求項7】
押し付け力FPは、支持部(106)に支持され、且つ、レバーアーム(131)に固定されるばね手段(144)によって発生することを特徴とする、請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
力発生手段(44,144)は、駆動ローラ(20,120)の押し付け力FPの所定の設定を行うための調節装置(48,50,47,158,149,150)を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項9】
駆動ローラ(20,120)は、同駆動ローラ(20,120)の回転軸線(21,121)と共に変位可能であり、且つ、モータ(24,124)を有する駆動ユニットに配置されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項10】
回転自在に取り付けられる一つ又は複数の支持ローラ(16,116,117)は、移送ユニット(3,103)の走行部分(4,5,104,105)を受承する支持部(6,8,106,108)に配置されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項11】
駆動ローラ(20)を備えた支持部(8)に配置される支持ローラは、フランジ付きローラ(16)として形成されることを特徴とする、請求項10に記載の搬送装置。
【請求項12】
走行部分(4,5,104,105)上の移送ユニット(3,103)の重量を支承する二つの支持部(6,8,106,108)は、二つの走行部分(4,5,104,105)を有し、且つ、特に、スキッドとして形成される移送ユニット(3,103)を受承するために設けられ、多数の駆動ローラ(20,120)が一つの支持部(8,106)に配置され、駆動ローラは、支持部の一つ(8,106)に対して変位可能な回転軸線(21,121)を有し、且つ、力発生手段(44,144)に作動可能に取り付けられ、力発生手段は移送ユニット(5,104)の走行部分(5,104)に対する駆動ローラ(20,120)の押し付け力FPを発生させ、走行部分(5,104)は支持部(8,106)上を移動することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項13】
支持部(8)に沿って配置される位置検出器(2)は、移送ユニット(3)の位置を検出するために設けられることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項14】
支持部(72,74)が、移送ユニット(80)を更なる搬送方向(85)に移動させる直線移動ユニット(86)に収容されることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項による搬送装置(1,70,101)を備えた塗装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−516373(P2013−516373A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548366(P2012−548366)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069902
【国際公開番号】WO2011/083016
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(504389784)デュール システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (54)