説明

搬送路清掃装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】連続用紙等の無端状のシート材が搬送される搬送路を、人手に頼ることなく省力化して清掃が可能であり、しかも清掃用の特殊な用紙等を用いることなく清掃することが可能な搬送路清掃装置及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】搬送ロールを有する搬送路に沿って搬送される無端状のシート材を撓ませた状態で搬送し、前記無端状のシート材を清掃すべき搬送路に接触させ、当該無端状のシート材に粉塵等の被清掃物を付着させることで、前記搬送路を清掃する清掃手段を備えるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、搬送路清掃装置及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記画像形成装置に用いられる清掃装置に関連する技術としては、例えば、特公昭56−40833号公報や特公平6−25894号公報等に開示されたものが既に提案されている。
【0003】
上記特公昭56−40833号公報に係る静電写真複写機のクリーニング装置は、表面が柔軟な細毛で覆われている無端のシート材を、上記細毛が被クリーニング表面を擦過した後に空気吸引除塵手段による除塵作用を受ける様に循環させ、その際上記柔毛シートが被クリーニング表面を擦過する範囲及び空気吸引除塵手段の作用を受ける範囲の少なくとも一方以上に於て固定されている磁石がこの柔毛シートの内側に配置されるように構成したものである。
【0004】
また、上記特公平6−25894号公報に係る定着装置は、加熱ヒーターによって加熱されシリコンゴム表面層を有する定着ローラと、この定着ローラと圧接しシリコンゴム表面層を有する加圧ローラとを有する定着装置において、前記加圧ローラの表面に前記定着ローラの表面よりも加硫温度の低いシリコンゴムを用い、前記定着ローラの表面のみにクリーニング部材を設けるように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭56−40833号公報
【特許文献2】特公平6−25894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この発明が解決しようとする課題は、連続用紙等の無端状のシート材が搬送される搬送路を、人手に頼ることなく省力化して清掃が可能であり、しかも清掃用の特殊な用紙等を用いることなく清掃することが可能な搬送路清掃装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、請求項1に記載された発明は、搬送ロールを有する搬送路に沿って搬送される無端状のシート材を撓ませた状態で搬送し、前記無端状のシート材を清掃すべき搬送路に接触させ、当該無端状のシート材に粉塵等の被清掃物を付着させることで、前記搬送路を清掃する清掃手段を備えたことを特徴とする搬送路清掃装置である。
【0008】
また、請求項2に記載された発明は、搬送ロールを有する搬送路に沿って搬送される無端状のシート材を帯電する帯電手段と、
前記帯電手段によって帯電された無端状のシート材を撓ませた状態で搬送し、前記無端状のシート材を清掃すべき搬送路に接触させ、当該無端状のシート材に粉塵等の被清掃物を付着させることで、前記搬送路を清掃する清掃手段と、
前記清掃手段によって清掃処理を実行した後の前記無端状のシート材から被清掃物を除去する除去手段とを備えたことを特徴とする搬送路清掃装置である。
【0009】
さらに、請求項3に記載された発明は、前記搬送ロールを前記無端状のシート材に対して相対的に回転させることで、当該搬送ロールの表面に付着した被清掃物を前記無端状のシート材によって清掃することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送路清掃装置である。
【0010】
又、請求項4に記載された発明は、搬送ロールを有する用紙搬送路に沿って搬送される無端状のシート部材と、
前記無端状のシート材に画像を形成する画像形成手段と、
前記無端状のシート材を撓ませた状態で搬送し、前記無端状のシート材を清掃すべき搬送路に接触させ、当該無端状のシート材に粉塵等の被清掃物を付着させることで、前記搬送路を清掃する清掃手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0011】
更に、請求項5に記載された発明は、前記画像形成手段によって前記無端状のシート材の表面に形成される画質調整用画像の画質を検出する画質検出手段と、
前記画質検出手段によって検出された前記画質調整用画像の画質に基づいて、前記清掃手段による清掃動作を実行するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置である。
【0012】
また、請求項6に記載された発明は、前記画像形成手段によって前記無端状のシート材の表面に形成される画質調整用画像の画質を検出する画質検出手段と、
前記画質検出手段によって検出された前記画質調整用画像の画質に基づいて、前記画像形成手段によって形成される画像の画質を調整する画質調整手段とを備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、連続用紙等の無端状のシート材が搬送される搬送路を、人手に頼ることなく省力化して清掃が可能であり、しかも清掃用の特殊な用紙等を用いることなく清掃することが可能となる。
【0014】
また、請求項2に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、無端状のシート材を用いて効率良く搬送路の清掃が可能であるとともに、無端状のシート材によって除去した被清掃物によって他の部材が汚損されるのを防止することができる。
【0015】
さらに、請求項3に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、搬送ロールを無端状のシート材によって効率良く清掃することができる。
【0016】
又、請求項4に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、連続用紙等の無端状のシート材が搬送される搬送路を、人手に頼ることなく省力化して清掃が可能であり、しかも清掃用の特殊な用紙等を用いることなく清掃することが可能となり、無端状のシート材上に形成される画像の画質を維持することができる。
【0017】
更に、請求項5に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、無端状のシート材上に形成される画像の画質を検出して清掃動作を実行することができる。
【0018】
また、請求項6に記載された発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、無端状のシート材上に形成される画像の画質を検出して画像の画質を調整することにより、無端状のシート材上に形成される画像の画質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施の形態1に係る搬送路清掃装置を適用した画像形成装置としての高速プリンタの清掃状態を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る搬送路清掃装置を適用した画像形成装置としての高速プリンタを示す構成図である。
【図3】高速プリンタの画像形成部を示す構成図である。
【図4】高速プリンタの画像形成部の筺体を示す平面構成図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る搬送路清掃装置の動作を示す構成図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る搬送路清掃装置を適用した画像形成装置としての高速プリンタの清掃状態を示す構成図である。
【図7】トナーパッチを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る搬送路清掃装置を適用した画像形成装置としての電子写真方式の高速プリンタを示すものである。
【0022】
この高速プリンタ1は、図2に示すように、一連の連続した長尺な用紙であって、必要に応じて1ページ毎に折り目(ミシン目)で区切られた無端状のシート材としての連続用紙2に、高速(例えば、約60m/分)で画像をプリントすることが可能となっている。上記高速プリンタ1は、その右側に位置して連続用紙2を給送する給送ステーション3と、その中央部右側に位置してブラック色及びシアン色の画像を形成する画像形成部4K、4Cからなる第1の画像形成ステーション(画像形成手段)5aと、その中央部左側に位置してマゼンタ色及びイエロー色の画像を形成する画像形成部4M、4Yからなる第2の画像形成ステーション(画像形成手段)5bと、その左側に位置する定着ステーション6とを備えている。
【0023】
上記給送ステーション3は、連続用紙2をロール状に巻き付けた図示しない供給ロールから連続用紙2が供給され、この連続用紙2をドライブロール9を含む複数のロール7、8、9、10を介して給送するように構成されている。上記複数のロール7、8、9、10のうち、駆動ロール9には、張架ロール11が当接されており、後述する張架ロール22を備えたサブ駆動ロール26との間で、連続用紙2に予め定められた張力を付与した状態で連続用紙2を給送するものである。
【0024】
また、上記ブラック色、シアン色の画像形成部4K、4Cと、マゼンタ色及びイエロー色の画像形成部4M、4Yは、形成する画像の色以外は同様に構成されており、各画像形成部4K、4C、4M、4Yには、図3に示すように、像担持体としての感光体ドラム12が、矢印方向に沿って高速で回転可能に配設されている。この感光体ドラム12は、例えば、直径約240mmと大きく設定されており、有機光導電体(OPC)やアモルファス−Si、あるいはSe等の光導電性材料からなる感光体層を表面に被覆した導電性円筒体によって構成されている。上記感光体ドラム12の左斜め下方には、当該感光体ドラム12の表面を予め定められた電位に一様に帯電するスコロトロン等からなる大型の帯電装置13が配設されている。また、上記感光体ドラム12の下方には、帯電装置13によって予め定められた電位に一様に帯電された感光体ドラム12の表面に、画像情報に応じて画像露光を施す画像露光手段としてのLEDアレイを備えたLEDプリントヘッド14が配設されており、当該感光体ドラム12の表面には、LEDプリントヘッド14によって画像露光が施されて、画像情報に応じた静電潜像が形成されるようになっている。
【0025】
また、上記感光体ドラム12の表面に形成された静電潜像は、当該感光体ドラム12の右側面に配設された二成分現像方式を採用した現像装置16により顕像化されて、粉体トナーからなるトナー像が形成される。この現像装置16には、高速で回転する感光体ドラム12に対応して、当該感光体ドラム12上に形成された静電潜像を高速で現像可能なように、3連の現像ロール17が配設されている。なお、上記現像装置16は、トナーとキャリアからなる二成分現像方式を採用するものであっても、トナーのみからなる一成分現像方式を採用するものであっても何れでも良い。
【0026】
また、上記感光体ドラム12の上方には、当該感光体ドラム12上に形成されたトナー像を、無端状のシート材としての連続用紙2に転写するための転写手段としての転写ロール18が配設されており、感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、転写ロール18による帯電を受けて、連続用紙2上に順次多重に転写されるようになっている。なお、上記転写ロール18の上流側及び下流側には、連続用紙2を案内する案内ロール19、19が設けられている。
【0027】
上記記録シートとしての連続用紙2は、一連の連続した長尺な用紙であって、必要に応じて1ページ毎に折り目(ミシン目)で区切られたものである。この連続用紙2としては、例えば、ユーザーのニーズに応じて、任意の種類のものが用いられ、普通紙、当該普通紙よりも薄い薄紙、厚紙、あるいは、普通紙や厚紙などの表面にコーティングを施したコート紙、あるいは黄色など所定の色に着色された用紙など、7〜8種類、あるいはそれ以上の種類の用紙が必要に応じて用意されている。
【0028】
上記各画像形成部4K、4C、4M、4Yの感光体ドラム12からトナー像が多重に転写された連続用紙2は、図2に示すように、搬送ロール20を介して定着ステーション6へと搬送され、当該定着ステーション6に配設されたフラッシュ定着装置21によって、フルカラー等の未定着トナー像が連続用紙2上に定着される。なお、上記フラッシュ定着装置21の連続用紙2を介した背面側には、定着対向部材22が配設されている。上記フラッシュ定着装置21の連続用紙2の搬送方向に沿った下流側には、しわ防止装置40が配設されているとともに、当該しわ防止装置40には、その連続用紙2の搬送方向に沿って搬送ロールとしての第1のアイドラーロール23と、テンションロール24と、第2のアイドラーロール25と、サブ駆動ロール26とが順次配設されており、連続用紙2に張力を付与しつつ、排出ロール27によって図示しない排出部へと搬送するように構成されている。なお、上記サブ駆動ロール36には、張架ロール28が当接されており、連続用紙2に予め定められた張力を付与するようになっている。
【0029】
そして、上記フラッシュ定着装置21によって未定着トナー像が定着された連続用紙2は、排出ロール27によって図示しない排紙部に設けられた巻き取りロールに巻き取られるか、排紙トレイ上に折り畳まれた状態で排出される。
【0030】
なお、上記トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム12の表面は、図3に示すように、徐電ランプ29によって残留電荷が徐電された後、クリーニング装置30のクリーニングブラシ31及びクリーニングブレード32によって残留トナー等が除去され、次の画像形成工程に備えるようになっている。
【0031】
また、図2中、33K、33C、33M、33Yはブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各画像形成部4K、4C、4M、4Yに対応する色のトナーを供給するトナーカートリッジをそれぞれ示している。
【0032】
ところで、上記の如く構成される高速プリンタ1では、連続用紙2にトナー等からなる粉塵などの被清掃物が付着して、連続用紙2の表面が汚損されるのを防止するため、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各画像形成部4K、4C、4M、4Yは、図4に示すように、側面41及び上端面42が筺体40によって覆われており、各画像形成部4K、4C、4M、4Yの上端面からは、各感光体ドラム12のみが露出するように構成されている。また、上記各画像形成部4K、4C、4M、4Yの感光体ドラム12には、連続用紙2を介して、各画像形成部4K、4C、4M、4Yの転写ロール18が接触するように配設されている。
【0033】
そのため、上記高速プリンタ1では、プリント動作を継続して実行していると、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各画像形成部4K、4C、4M、4Yで使用されるトナーや連続用紙2に添加された紙粉等が粉塵となって、筺体40に設けられた各感光体ドラム12の開口部から漏れ出したり、連続用紙2が感光体ドラム12や転写ロール18と接触する用紙搬送路43に沿って存在する。そして、上記トナーや連続用紙2に添加された紙粉等の粉塵が各画像形成部4K、4C、4M、4Yの筺体の上端面などに堆積したり、連続用紙2を搬送する搬送ロール23、25に付着して堆積すると、画像形成時に、筺体40の上端面42などに堆積した粉塵が舞って連続用紙2に付着して、背景部の汚れ等の原因となる虞れがあった。
【0034】
そこで、この実施の形態に係る搬送路清掃装置50では、図1に示すように、予め定められた画像形成時以外のクリーニング時に、連続用紙2を通常の画像形成時と比較して、例えば1/10程度の大幅に低速(例えば、100mm/sec程度)で連続用紙2を搬送するとともに、連続用紙2に加えられるテンションを解除し、当該連続用紙2を撓ませた状態で搬送する。連続用紙2のテンションを解除するには、例えば、駆動ロール22の回転速度を駆動ロール9の回転速度よりも遅く設定する。
【0035】
その結果、上記連続用紙2は、図1に示すように、自重で撓んだ状態で用紙搬送路43に沿って搬送され、連続用紙2が感光体ドラム12の表面は勿論のこと、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各画像形成部4K、4C、4M、4Yに沿って設けられた筺体40の上端面42に接触(摺擦)した状態で搬送される。
【0036】
また、この実施の形態に係る搬送路清掃装置50は、図1に示すように、最も上流側に位置するブラック色の画像形成部4Kの上流側に、連続用紙2の表面(図中の下面)を予め定められた極性に帯電する帯電装置51が設けられている。この帯電装置51は、例えば、連続用紙2の表面(図中の下面)を正極性に帯電するコロトロン等からなる第1の帯電装置52と、連続用紙2の表面(図中の下面)を負極性に帯電するコロトロン等からなる第2の帯電装置53とから構成されている。上記帯電装置51は、第1の帯電装置52と第2の帯電装置53を切り替えることによって、連続用紙2の表面(図中の下面)を正極性又は負極性に帯電することが可能となっている。
【0037】
なお、上記帯電装置51は、第1の帯電装置と第2の帯電装置を設けずに、1つのコロトロン等からなる帯電装置を設け、当該帯電装置51に印加する電圧の極性を、正極性又は負極性に切り替えるように構成しても良い。
【0038】
さらに、この実施の形態に係る搬送路清掃装置50は、図1に示すように、最も下流側に位置するイエロー色の画像形成部4Yの下流側に、連続用紙2の表面(図中の下面)を付着した粉塵等の被清掃物を除去する除去装置54を備えている。
【0039】
この除去装置としての廃トナー回収装置54は、図5(c)に示すように、連続用紙2の搬送方向の上流側に、連続用紙2を除電する徐電ブラシ55を備えており、この徐電ブラシ55によって連続用紙2が除電されるようになっている。この徐電ブラシ55は、例えば、金属板等の導電体に植毛された金属製の箔や薄い板材あるいは導電性糸等からなるブラシ状部材から構成されており、アースに接続されている。そして、上記徐電ブラシ55によって徐電された連続用紙2からは、当該連続用紙2の表面に静電的に付着したトナーT等の粉塵からなる被清掃物56は、廃トナー回収装置54の上部に設けられた回収口57から当該廃トナー回収装置54の内部に回収される。なお、この廃トナー回収装置54は、クリーニング時のみに連続用紙2の表面に当触するようにリトラクト可能に構成されているか、又は、クリーニング時のみに連続用紙2の表面が当触する位置に固定した状態で配設されている。
【0040】
また、上記廃トナー回収装置54の回収口57には、連続用紙2搬送方向の下流側に、連続用紙2の表面に付着した粉塵等の被清掃物を書き落として除去するクリーニングブレード58が設けられている。このクリーニングブレード58としては、通常の画像形成装置に用いられるポリウレタン等からなるものが用いられるが、連続用紙2の表面に付着した粉塵等の被清掃物を除去することが可能なものであれば他のものを用いても良く、又、クリーニングブレード58に限らず、クリーニングブラシ等を用いても良い。
【0041】
さらに、上記連続用紙2を搬送する搬送ローラのうち、画像が形成された後の連続用紙2の画像面に接触する搬送ローラ23、25は、通常、連続用紙2の搬送速度と等しい速度で回転駆動又は従動回転するように構成されている。
【0042】
そこで、この実施の形態に係る搬送路清掃装置50では、図1に示すように、これらの搬送ローラ23、25は、連続用紙2の表面に対して速度差を持って回転するように構成されており、当該搬送ローラ23、25の表面に付着した粉塵等の被清掃物56を、連続用紙2の表面によって摺擦して除去するように構成されている。
【0043】
上記搬送ローラ25がモータによって回転駆動される搬送ローラである場合には、当該搬送ローラ25の回転速度を、連続用紙2のクリーニング時の搬送速度と異なる速度に設定することによって、連続用紙2の表面に対して速度差を持って回転させることができる。
【0044】
また、上記搬送ローラ23が従動回転される搬送ローラである場合には、当該搬送ローラ23の高さ等の位置を変化させ、当該搬送ローラ23にブレーキを掛けつつ回転させることなどにより、連続用紙2の表面に対して速度差を持って回転させることができる。
【0045】
以上の構成において、この実施の形態に係る高速プリンタでは、次のようにして、連続用紙等の無端状のシート材が搬送される搬送路を、人手に頼ることなく省力化して清掃が可能であり、しかも清掃用の特殊な用紙等を用いることなく清掃することが可能となっている。
【0046】
すなわち、この実施の形態に係る搬送路清掃装置50を用いた高速プリンタ1では、図2に示すように、連続用紙2を予め定められた搬送速度で搬送しつつ、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各画像形成部4K、4C、4M、4Yによって、連続用紙2の表面に各色のトナー像を転写し、これらの各色のトナー像が転写された連続用紙2に対して、フラッシュ定着装置21によって定着処理を施した後、定着ステーション6から排出するようになっている。
【0047】
そして、上記高速プリンタ1では、予め定められたクリーニング時になると、連続用紙2の搬送を一旦停止させ、画像が形成された連続用紙2を切断する。また、上記高速プリンタ1では、予め定められたクリーニング時になると、図1及び図5(c)に示すように、廃トナー回収装置54をリトラクトさせて上方に移動させ、連続用紙2の表面に対して廃トナー回収装置54を当接させる。
【0048】
また、上記高速プリンタ1では、図1に示すように、連続用紙2を画像形成時よりも大幅に遅い低速で搬送させるとともに、当該連続用紙2に付与するテンションを解除して、連続用紙2を撓ませた状態で搬送する。
【0049】
さらに、上記高速プリンタでは、図1に示すように、クリーニング時に連続用紙2を搬送する際に、当該連続用紙2の表面を帯電装置51の第1の帯電装置52で正極性に帯電した後、予め定められた時間が経過して連続用紙2を予め定められた長さだけ搬送した後に、連続用紙2の表面を帯電装置51の第2の帯電装置53で負極性に帯電する。
【0050】
こうすることによって、上記連続用紙2は、当初、その表面が正極性に帯電された状態で、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各画像形成部4K、4C、4M、4Yの筺体40の上端面42など、用紙搬送路43に面した部材に接触した状態で移動し、当該連続用紙2の表面には、筺体40の上端面42などに付着した負極性に帯電したブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色のトナーや、負極性に帯電した紙粉等の粉塵からなる被清掃物56が吸着されて清掃される。
【0051】
次に、上記連続用紙2は、その表面が負極性に帯電された状態で、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各画像形成部4K、4C、4M、4Yの筺体40の上端面42など、用紙搬送路43に面した部材に接触した状態で移動し、当該連続用紙2の表面には、筺体40の上端面42などに付着した極性が反転した正極性に帯電したブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色のトナーや、正極性に帯電した紙粉等の粉塵からなる被清掃物56が吸着されて清掃される。
【0052】
そして、上記連続用紙2の表面に付着したトナーや紙粉等の粉塵からなる被清掃物56は、図5(c)に示すように、廃トナー回収装置54の徐電ブラシ55により徐電されて、連続用紙2の表面に対する静電的な付着力が無くなり、連続用紙2の表面から除去されて回収口57から廃トナー回収装置54の内部に回収されるとともに、連続用紙2の表面に付着したままのトナーや紙粉等の粉塵からなる被清掃物56は、廃トナー回収装置54のクリーニングブレード58によって強制的に欠き落とされて、回収口57から廃トナー回収装置54の内部に回収される。
【0053】
さらに、上記連続用紙2は、フラッシュ定着装置21の下流側に搬送されて、搬送ロール23、25の表面に接触し、これらの搬送ロール23、25の表面を清掃した後に、定着ステーション6から排出される。
【0054】
そして、上記清掃工程に使用された連続用紙2は、カットされて廃棄された後、残りの清掃工程に使用されない新しい連続用紙2は、次の画像形成工程にそのまま使用される。
【0055】
このように、上記高速プリンタ1によれば、連続用紙2等の無端状のシート材が搬送される搬送路43を、人手に頼ることなく省力化して清掃が可能であり、しかも清掃用の特殊な用紙等を用いることなく清掃することが可能となっている。
【0056】
実施の形態2
図6はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、前記画像形成手段によって前記無端状のシート材の表面に形成される画質調整用画像の画質を検出する画質検出手段と、
前記画質検出手段によって検出された前記画質調整用画像の画質に基づいて、前記清掃手段による清掃動作を実行するように制御する制御手段とを備えるように構成されている。
【0057】
また、この実施の形態2では、前記画像形成手段によって前記無端状のシート材の表面に形成される画質調整用画像の画質を検出する画質検出手段と、
前記画質検出手段によって検出された前記画質調整用画像の画質に基づいて、前記画像形成手段によって形成される画像の画質を調整する画質調整手段とを備えるように構成されている。
【0058】
すなわち、この実施の形態2では、図6に示すように、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各画像形成部4K、4C、4M、4Yによって形成される各色のトナー像からなる画質調整用画像(以下、「トナーパッチ」という)の画質を検出する画質検出手段としての濃度センサー60が設けられている。この濃度センサー60は、排出ロール27によって張架された連続用紙2の表面と対向する位置に配置されている。
【0059】
上記トナーパッチ61としては、図7に示すように、例えば、30%程度の中間調の濃度で形成されたブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色のトナー像が用いられる。
【0060】
上記濃度センサー60は、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各色のトナーパッチ61の濃度を検出するととともに、連続用紙2表面のトナーパッチ61が形成されていない領域の反射濃度を検出する。上記濃度センサー60の検出信号は、画質調整手段としての機能を兼ねた制御回路62に入力されており、制御回路62では、トナーパッチ61の濃度が予め定められた濃度となっているか否か、及び連続用紙2表面のトナーパッチ61が形成されていない領域の反射濃度が予め定められた濃度となっているか否かが判別される。
【0061】
そして、上記制御回路62では、トナーパッチ61の濃度が予め定められた濃度となっていないか、又は連続用紙2表面のトナーパッチ61が形成されていない領域の反射濃度が予め定められた濃度となっていない場合には、画像形成動作を中断して、搬送路清掃装置50を動作させて、高速プリンタ1の用紙搬送路43を清掃するとともに、必要に応じて、ブラック色、シアン色、マゼンタ色及びイエロー色の各画像形成部4K、4C、4M、4Yにおいて、画質の調整動作を実行する。
【0062】
その後、制御回路62は、連続用紙2の表面にトナーパッチ61を形成して、トナーパッチ61の濃度が予め定められた濃度となっているか否か、及び連続用紙2表面のトナーパッチ61が形成されていない領域の反射濃度が予め定められた濃度となっているか否かを判別する。
【0063】
そして、上記制御回路62では、トナーパッチ61の濃度が予め定められた濃度となっており、しかも連続用紙2表面のトナーパッチ61が形成されていない領域の反射濃度が予め定められた濃度となっている場合には、画像形成動作を再開するようになっている。
【0064】
その他の構成及び作用は、前記実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【符号の説明】
【0065】
2:連続用紙、4K、4C、4M、4Y:画像形成部、7、8、9、10:搬送ロール、駆動ロール9には、張架ロール11が当接されており、40:筺体、42:筺体の上端面、43:用紙搬送路、54:廃トナー回収装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ロールを有する搬送路に沿って搬送される無端状のシート材を撓ませた状態で搬送し、前記無端状のシート材を清掃すべき搬送路に接触させ、当該無端状のシート材に粉塵等の被清掃物を付着させることで、前記搬送路を清掃する清掃手段を備えたことを特徴とする搬送路清掃装置。
【請求項2】
搬送ロールを有する搬送路に沿って搬送される無端状のシート材を帯電する帯電手段と、
前記帯電手段によって帯電された無端状のシート材を撓ませた状態で搬送し、前記無端状のシート材を清掃すべき搬送路に接触させ、当該無端状のシート材に粉塵等の被清掃物を付着させることで、前記搬送路を清掃する清掃手段と、
前記清掃手段によって清掃処理を実行した後の前記無端状のシート材から被清掃物を除去する除去手段とを備えたことを特徴とする搬送路清掃装置。
【請求項3】
前記搬送ロールを前記無端状のシート材に対して相対的に回転させることで、当該搬送ロールの表面に付着した被清掃物を前記無端状のシート材によって清掃することを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送路清掃装置。
【請求項4】
搬送ロールを有する用紙搬送路に沿って搬送される無端状のシート材と、
前記無端状のシート材に画像を形成する画像形成手段と、
前記無端状のシート材を撓ませた状態で搬送し、前記無端状のシート材を清掃すべき搬送路に接触させ、当該無端状のシート材に粉塵等の被清掃物を付着させることで、前記搬送路を清掃する清掃手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成手段によって前記無端状のシート材の表面に形成される画質調整用画像の画質を検出する画質検出手段と、
前記画質検出手段によって検出された前記画質調整用画像の画質に基づいて、前記清掃手段による清掃動作を実行するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成手段によって前記無端状のシート材の表面に形成される画質調整用画像の画質を検出する画質検出手段と、
前記画質検出手段によって検出された前記画質調整用画像の画質に基づいて、前記画像形成手段によって形成される画像の画質を調整する画質調整手段とを備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−26036(P2011−26036A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171252(P2009−171252)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】