説明

搬送車

【課題】積載物の載置面を昇降させる昇降機構を不要として、構造の簡略化及び製造コストの低減を図りつつ、長尺の積載物を搬送することができる搬送車を提供すること。
【解決手段】本願発明の搬送車1によれば、車体2の上面には、台車レール21,22が敷設されおり、その台車レール21,22の一端側端部を作業場レール201の一端側端部に近接させることにより、車体2と作業場200との間で台車101が移動可能な走行経路を形成することができる。これにより、長尺の積載物100が載置された台車101を作業場200から車体2へ向けて移動させて、長尺の積載物100を車体2上に載置することができる。従って、長尺の積載物100を車体2に載置するために積載物100の載置面を昇降させる複雑な装置を不要として、構造の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送車に関し、特に、積載物の載置面を昇降させる昇降機構を不要として、構造の簡略化及び製造コストの低減を図りつつ、長尺の積載物を搬送することができる搬送車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
搬送車は、車体と、その車体を支持する複数の車輪とを主に備えて構成されるものであり、車体の上面に積載物を載置し、その載置した状態で車体を走行させて、積載物を目的位置まで搬送する。
【0003】
かかる搬送車は、例えば、航空機関連や船関連の産業分野において、鉄鋼構造物等の積載物を搬送するために利用されている。しかしながら、このような産業分野における積載物は長尺であり、積載物をクレーンで吊り上げて、積載物を車体の上面に載置することが困難である。
【0004】
そこで、特開2002−182745号公報(特許文献1)には、車輪7を支持するアーム5と、そのアーム5を伸縮させるシリンダ6とを備え、そのシリンダ6を伸縮させて荷台1を昇降させることができる無人搬送車が開示されている。かかる無人搬送車は、荷台1を低くした状態で、橋渡しされた状態にある積載物の下側に潜り込み、荷台1を上昇させて、その上昇した荷台1の上面に積載物を載置させることができる。
【特許文献1】特開2002−182745号公報(図4参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した無人搬送車のように、荷台1を昇降させて積載物を載置する構成では、荷台1を昇降させるために、昇降装置であるアーム5やシリンダ6を荷台1と車輪7との間に配設する必要があり、構造が複雑化すると共に製造コストが高くなるという問題点があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、積載物の載置面を昇降させる昇降機構を不要として、構造の簡略化及び製造コストの低減を図りつつ、長尺の積載物を搬送することができる搬送車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、請求項1記載の搬送車は、積載物を載置する車体と、その車体を支持する複数の車輪とを備え、前記車体を走行させて前記積載物を搬送するものであり、作業場の上面に敷設され積載物を載置した台車が走行可能な作業場レールと略同一の高さに設けられ、少なくとも前記車体の一端側端部から他端側へ向けて延在し前記車体の上面に敷設されると共に前記台車が走行可能な台車レールを備えている。
【0008】
請求項2記載の搬送車は、請求項1記載の搬送車において、前記車体の一端側端部から突出すると共に、その突出部位が前記作業場レールと連接可能なブリッジ部材と、前記作業場レールと連接する連接位置と、その連接位置よりも上方に位置し前記作業場レールとの連接が解除される非連接位置との間で揺動可能に、前記ブリッジ部材を前記台車レールに軸支する軸支部材とを備えている。
【0009】
請求項3記載の搬送車は、請求項2記載の搬送車において、前記ブリッジ部材に設けられ、そのブリッジ部材を前記非連接位置へ向けて付勢する弾性部材を備えている。
【0010】
請求項4記載の搬送車は、請求項1から3のいずれかに記載の搬送車において、前記車体の複数の車輪の配設部位以外に設けられ、伸縮可能に構成される支持部材と、その支持部材を伸縮させる支持部材駆動装置とを備え、前記車体が停止した状態で、前記支持部材駆動装置が前記支持部材を伸長させることにより、その支持部材を接地させて前記車体を支持するものである。
【0011】
請求項5記載の搬送車は、請求項4記載の搬送車において、前記支持部材は、前記台車レールの延長方向における前記車体の両端側にそれぞれ配設されている。
【0012】
請求項6記載の搬送車は、請求項4又は5に記載の搬送車において、前記支持部材は、前記台車レールの下方に配設されている。
【0013】
請求項7記載の搬送車は、請求項4から6のいずれかに記載の搬送車において、前記支持部材は、本体部と、その本体部に対して伸縮する軸部と、その軸部の先端に揺動可能に取着され、その軸部の伸長時に接地する先端部とを備えている。
【0014】
請求項8記載の搬送車は、請求項1から7のいずれかに記載の搬送車において、前記台車レール上に停止している台車に凹設された嵌合孔と嵌合して、その台車を前記台車レール上に固定するために、前記車体の上面から上方へ向けて伸長可能に構成された嵌合ピンと、その嵌合ピンを、前記台車レール上を走行する台車と衝突しない位置に収納する嵌合ピン収納部とを備えている。
【0015】
請求項9記載の搬送車は、積載物を載置する車体と、その車体を支持する複数の車輪とを備え、前記車体を走行させて前記積載物を搬送するものであり、前記車体の複数の車輪の配設部位以外に設けられ、伸縮可能に構成される支持部材と、その支持部材を伸縮させる支持部材駆動装置とを備え、前記車体が停止した状態で、前記支持部材駆動装置が前記支持部材を伸長させることにより、その支持部材を接地させて前記車体を支持するものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の搬送車によれば、車体の上面には、台車レールが敷設されている。その台車レールは、作業場の上面に敷設され積載物を載置した台車が走行可能な作業場レールと略同一の高さに設けられ、少なくとも車体の一端側端部から他端側へ向けて延在している。よって、その台車レールの一端側端部を作業場レールの一端側端部に近接させることにより、台車レールと作業場レールとを連接して、車体と作業場との間で台車が移動可能な走行経路を形成することができる。
【0017】
このように、車体の上面に台車レールを敷設することにより、長尺の積載物を台車上に載置した状態で、その台車を作業場から車体へ向けて移動させて、長尺の積載物を車体上に載置することができる。従って、長尺の積載物を車体に載置するために車体を昇降させる複雑な装置を不要として、構造の簡略化及び製造コストの低減を図ることができるという効果がある。
【0018】
請求項2記載の搬送車によれば、請求項1記載の搬送車の奏する効果に加え、車体の一端側から突出すると共に、その突出部位が作業場レールと連接可能なブリッジ部材は、軸支部材によって、作業場レールと連接する連接位置と、その連接位置よりも上方に位置し作業場レールとの連接が解除される非連接位置との間で揺動可能に、車体レールに軸支されている。そして、台車レールの一端側端部が作業場レールの一端側端部に近接した状態で、軸支部材に軸支されたブリッジ部材を連接位置へ揺動させることにより、ブリッジ部材を介して台車レールと作業場レールとを連接することができる。よって、台車レールと作業場レールとの間の隙間をなくして、その隙間から台車が脱落することを防止することができるという効果がある。
【0019】
また、ブリッジ部材を非連接位置へ揺動させることにより、台車レールの一端側端部を作業場レールの一端側端部に近接させた際に、ブリッジ部材が作業場レールと衝突すること防止することができるので、ブリッジ部材及び作業場レールの損壊を防止することができるという効果がある。
【0020】
請求項3記載の搬送車によれば、請求項2記載の搬送車の奏する効果に加え、ブリッジ部材には、ブリッジ部材を非連接位置へ向けて付勢する弾性部材が配設されているので、その弾性部材の付勢力により、ブリッジ部材を非連接位置に保持することができる。その結果、台車レールの一端側端部を作業場レールの一端側端部に近接させた際に、ブリッジ部材と作業場レールとの衝突を防止するために、ブリッジ部材を非連接位置に揺動させる作業が不要となり、その分、作業能率の向上を図ることができるという効果がある。
【0021】
また、台車レールの一端側端部が作業場レールの一端側端部に近接した状態で、弾性部材の付勢力で非連接位置に保持されたブリッジ部材上を台車が走行することにより、ブリッジ部材は連接位置へ向けて押圧される。押圧されたブリッジ部材は、作業場レールと連接して、台車レールと作業場レールとを連接する。このように、台車がブリッジ部材上を走行することにより、非連接位置に位置するブリッジ部材を連接位置へ向けて揺動し、台車レールと作業場レールとを連接させることができる。その結果、台車レールと作業場レールとを連接させるために、ブリッジ部材を連接位置に揺動させる作業が不要となり、その分、作業能率の向上を図ることができるという効果がある。
【0022】
請求項4記載の搬送車によれば、請求項1から3のいずれかに記載の搬送車の奏する効果に加え、車体の複数の車輪の配設部位以外には、支持部材が配設されており、車体が停止した状態で、支持部材は支持部材駆動装置により伸長される。その伸長された支持部材は接地し、停止した車体を支持する。このように、接地した支持部材が停車した車体を支持するので、停止時における車体の安定性を向上させ、積載物の載置時に車体が撓むことを防止することができるという効果がある。
【0023】
また、接地した支持部材が停車した車体を支持するので、積載物の載置時に車体が撓むことを防止して、車体の上面に敷設された台車レールが撓むことを防止することができる。よって、台車を台車レール上でスムーズに走行させることができるという効果がある。
【0024】
更に、支持部材により台車レールが撓むことを防止することができるので、車体の剛性を必要以上に確保することが不要となり、その分、搬送車全体の軽量化を図ることができるという効果がある。
【0025】
請求項5記載の搬送車によれば、請求項4記載の搬送車の奏する効果に加え、支持部材は台車レールの延長方向における車体の両端側にそれぞれ配設されているので、その支持部材が台車レールの延長方向における車体の両端側を支持して、その車体の両端側の撓みを防止することができる。その結果、台車レールと作業場レールとの繋ぎ目に段差が生じることを防止して、台車レールと作業場レールとの繋ぎ目においても、台車をスムーズに走行させることができるという効果がある。
【0026】
請求項6記載の搬送車によれば、請求項4又は5に記載の搬送車の奏する効果に加え、支持部材は台車レールの下方に配設されている。ここで、台車は台車レール上を走行するので、台車及び積載物の荷重は台車レールにかかる。よって、支持部材を台車レールの下方に配設することにより、支持部材が台車レールの下方以外の部位に配設される場合と比較して、車体の撓みをより抑制することができるという効果がある。
【0027】
請求項7記載の搬送車によれば、請求項4から6のいずれかに記載の搬送車の奏する効果に加え、軸部が本体部に対して伸長した際に接地する先端部は、軸部の先端に揺動可能に取着されているので、接地面が起伏する場合に、その接地面の起伏に応じて先端部を揺動させ、先端部の接地面積を確保することができる。即ち、先端部を確実に接地させて、車体を確実に支持することができるという効果がある。
【0028】
請求項8記載の搬送車によれば、請求項1から7のいずれかに記載の搬送車の奏する効果に加え、台車には嵌合ピンと嵌合可能な嵌合孔が凹設されており、台車が台車レール上に停止した状態で、嵌合ピンを車体の上面から上方へ向けて伸長させると、その伸長された嵌合ピンは嵌合孔に挿入される。このように、台車が台車レール上に停止した状態で、嵌合ピンを嵌合孔に挿入することにより、台車を車体に対して固定することができるという効果がある。
【0029】
また、台車レール上を走行する台車と衝突しない位置に嵌合ピンを収納する嵌合ピン収納部を備えているので、台車が台車レール上を走行する際に、嵌合ピンを嵌合ピン収納部に収納して、嵌合ピンと台車との衝突を防止することができる。その結果、嵌合ピン及び台車の損壊を防止することができるという効果がある。
【0030】
請求項9記載の搬送車によれば、車体の複数の車輪の配設部位以外には、支持部材が配設されており、車体が停止した状態で、支持部材は支持部材駆動装置により伸長される。その伸長された支持部材は接地し、停止した車体を支持する。このように、接地した支持部材が停車した車体を支持するので、停止時における車体の安定性を向上させ、積載物の載置時に車体が撓むことを防止することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態における搬送車1を示す図であり、図1(a)は、搬送車1の上面図であり、図1(b)は、搬送車1の側面図である。なお、図1(a)では、理解を容易にするために、駆動輪3、アウトリガー4及び制御盤6を点線で図示している。また、図1では、台車レール21,22を模式的に図示している。
【0032】
まず、図1を参照して、搬送車1の全体構成について説明する。搬送車1は、長尺の積載物100(図5参照)を搬送するための搬送車両であり、図1に示すように、車体2と、その車体2を支持する複数の駆動輪3と、車体2の下面に配設される複数のアウトリガー4と、車体2の上面に配設される複数の嵌合ピン5と、車体2の下面に配設される制御盤6とを主に備えて構成されている。
【0033】
車体2は、その上面に後述する台車101(図5参照)を載置するための荷台であり、図1(a)に示すように、鋼鉄材料によって上面視略矩形状に形成されている。また、車体2は、図1(b)に示すように、側面視において中央部の厚さが両端部の厚さよりも厚い魚腹状に形成されており、後述する駆動輪3のいずれにも支持されない車体2の中央部の剛性を確保している。
【0034】
また、車体2の上面には、図1(a)に示すように、車体2の長手方向一端(図1(a)における右側)から他端(図1(a)における左側)へ向けて延在する4本の台車レール21,22(左の第1台車レール21L、右の第1台車レール21R、左の第2台車レール22L、右の第2台車レール22R)が敷設されている。この台車レール21,22は、積載物100を載置した台車101が走行するための走行経路であり、図1(a)に示すように、一対の第1台車レール21と、それら一対の第1台車レール21の外側(図1(a)における上下両側)に配設される一対の第2台車レール22とを有して構成されている。
【0035】
後述する台車101は、その車輪112(図5参照)が台車レール21,22上を転動することで、車体2と作業場200(図5参照)との間を移動することができる。従って、台車101は、その上面に長尺の積載物100を載置した状態で、車体2と作業場200との間を移動することにより、長尺の積載物100を車体2上に載置することができる。
【0036】
また、台車レール21,22の両端側(図1(a)における左右両側)には、図1(a)に示すように、ブリッジ部材23がそれぞれ揺動可能に軸支されている。このブリッジ部材23は、台車レール21,22と後述する作業場レール201(図4参照)とを連接するために、作業場レール201と連接する連接装置である。なお、ブリッジ部材23の詳細構成については、図3及び図4を参照して後述する。
【0037】
駆動輪3は、図1(a)に示すように、一対の車輪31と、それら一対の車輪31をそれぞれ連結する車軸31aとを有し、その車軸31aは、図1(b)に示すように、支持部31bを介して車体2の下面に固定されている。また、搬送車1には、図1(a)に示すように、車体2の四隅に駆動輪3がそれぞれ2個ずつ設けられ、車体2全体として合計8個の駆動輪3が設けられている。それら8個の駆動輪3は、回転駆動力を付与するモータから構成される走行駆動装置(図示せず)によりそれぞれ独立して回転駆動される。これにより、搬送車1は、走行を行うことができる。
【0038】
アウトリガー4は、車体2の撓みを防止するために、後述するアウトリガー駆動用シリンダ41により伸長して接地し、車体2を支持する支持部材である。このアウトリガー4は、図1(b)に示すように、伸長駆動力又は短縮駆動力を付与するアウトリガー駆動用シリンダ41と、そのアウトリガー駆動用シリンダ41の駆動力により伸長又は短縮されるロッド42と、そのロッド42の先端に取着される先端部材43とを主に備えて構成されており、車体2の下面に配設された第1〜第3支持部材4a1〜4c1を介して、車体2の下面に支持されている。なお、アウトリガー4の詳細構成については、図2を参照して後述する。
【0039】
このアウトリガー4は、車体2が停止した状態で、アウトリガー駆動用シリンダ41の駆動力によりロッド42が伸長し、その伸長したロッド42の先端に取着される先端部材43が接地して、車体2を支持する。従って、停車時における車体2の安定性を向上させ、台車101を台車レール21,22上で走行させた際に、台車101及び積載物100の荷重で車体2が撓むことを防止することができる。
【0040】
また、このアウトリガー4は、図1(a)に示すように、車体2の全長方向略中央に配置される一対の第1アウトリガー4aと、車体2の全長方向両端側(図1(a)における左右両側)にそれぞれ配置される一対の第2アウトリガー4bと、それら一対の第2アウトリガー4bと一対の第1アウトリガー4aとの間にそれぞれ配置される一対の第3アウトリガー4cとから構成されている。
【0041】
このように、第1アウトリガー4aは、車体2の全長方向略中央に配置されているので、車体2が停止した状態で、アウトリガー駆動用シリンダ41の駆動力により伸長して接地した場合に、駆動輪3のいずれにも支持されない車体2の中央部を支持して、その車体2の中央部の撓みを防止することができる。その結果、車体2の撓みを防止するために、車体2の中央部を厚くして必要以上に剛性を確保することが不要となり、その分、搬送車1の軽量化を図ることができる。
【0042】
また、第2アウトリガー4bは、車体2の全長方向両端側にそれぞれ配置されており、アウトリガー駆動用シリンダ41の駆動力により伸長して接地した場合に、車体2の全長方向両端側を支持して、その車体2の全長方向両端側の撓みを防止することができる。その結果、車体2の全長方向一端側を作業場200の一端側に近接させた場合に、台車レール21,22と作業場レール201との繋ぎ目に段差が生じることを防止して、その繋ぎ目においても、台車101をスムーズに走行させることができる。
【0043】
更に、これら第1〜第3アウトリガー4a〜4cは、図1(a)に示すように、第1台車レール21と第2台車レール22との間に位置するようにそれぞれ配設されている。ここで、台車101は台車レール21,22上を走行するので、台車101及び積載物100の荷重は台車レール21,22にかかる。よって、アウトリガー4を第1台車レール21と第2台車レール22との間に配設することにより、アウトリガー4が台車レール21,22付近以外の部位に配設される場合と比較して、車体2の撓みをより抑制することができる。
【0044】
嵌合ピン5は、車体2の上面に載置された台車101(図5参照)を固定するために、台車101の嵌合孔111a(図5参照)と嵌合するための軸状部材として構成されている。図1(a)に示すように、車体2の上面であって、車体2の中心O1に対して点対称となる位置には、収納孔5aが4箇所凹設されており、その各収納孔5aに嵌合ピン5がそれぞれ収納されている。また、搬送車1には、図1(b)に示すように、各嵌合ピン5に対応する車体2の下面に嵌合ピン駆動用シリンダ51が配設されている。
【0045】
この嵌合ピン駆動用シリンダ51は、嵌合ピン5を鉛直方向に伸長又は短縮させる油圧シリンダとして構成され、後述する操作パネル61に配設された嵌合ピン作動スイッチ61bがオフからオンの状態に切り替えられると、嵌合ピン駆動用シリンダ51が伸長して、嵌合ピン5を伸長させる。伸長された嵌合ピン5は、後述するように、台車101の嵌合孔11aに挿入され、台車101を車体2の上面に固定することができる。
【0046】
一方、操作パネル61に配設された嵌合ピン作動スイッチ61bがオンからオフの状態に切り替えられると、嵌合ピン駆動用シリンダ51が短縮して、嵌合ピン5を短縮させる。短縮された嵌合ピン5は、図1(b)に示すように、その大部分が収納孔5aに収納され、台車レール21,22上を走行する台車101との衝突が防止される。
【0047】
制御盤6は、アウトリガー駆動用シリンダ41及び嵌合ピン駆動用シリンダ51等を制御するための制御装置であり、車体2中央部の幅方向一端側(図1(a)における下側)であって、車体2の下面に配設されている。また、この制御盤6の側面には操作パネル61が配設されており、その操作パネル61には、アウトリガー4を作動させるためのアウトリガー作動スイッチ61aや、嵌合ピン5を作動させるための嵌合ピン作動スイッチ61bが配設されている。これらのスイッチ61a,61bが、作業者によって操作されると、アウトリガー4及び嵌合ピン5が伸長又は短縮する。
【0048】
次に、図2を参照して、アウトリガー4の詳細構成について説明する。図2(a)は、短縮したアウトリガー4の側面図であり、図2(b)は、伸長したアウトリガー4の側面図であり、図2(c)は、図2(a)のIIc−IIc線におけるアウトリガー4の断面図である。
【0049】
アウトリガー4は、車体2(図1参照)の撓みを防止するために、伸長して接地し、車体2を支持する支持部材として構成される。このアウトリガー4は、図2に示すように、伸長駆動力又は短縮駆動力を付与するアウトリガー駆動用シリンダ41と、そのアウトリガー駆動用シリンダ41の駆動力により伸長又は短縮されるロッド42と、そのロッド42の先端に連結される先端部材43とを主に備えて構成されている。
【0050】
アウトリガー駆動用シリンダ41は、ロッド42を鉛直方向(図2における上下方向)に伸長又は短縮させる油圧シリンダとして構成され、操作パネル61(図1(b)参照)に配設されたアウトリガー作動スイッチ61a(図1(b)参照)がオフからオンの状態に切り替えられると、図2(b)に示すように、アウトリガー駆動用シリンダ41がロッド42を矢印B方向に伸長させる。一方、アウトリガー作動スイッチ61aがオンからオフの状態に切り替えられると、図2(a)に示すように、アウトリガー駆動用シリンダ41がロッド42を矢印A方向に短縮させる。
【0051】
ロッド42は、アウトリガー駆動用シリンダ41を駆動させることで、鉛直方向に伸長又は短縮される軸状部材として構成され、図2(c)に示すように、略半球状に形成された先端外周面には、軸受部材であるベアリング435が配設されている。これにより、後述するベース部材433が図2(b)中の矢印C方向に揺動した場合に、その揺動により発生する摩擦力を軽減させている。また、ロッド42の外周面には、凹部42aが凹設され、その凹部42aに後述するプレート431が嵌合固定されている。これにより、プレート431は、ロッド42に対する動きが規制されている。
【0052】
先端部材43は、ロッド42の伸長時に接地する接地部材であり、地面の起伏に応じて接地するために、ロッド42の軸心O2に対して揺動可能、即ち、図2(b)中の矢印C方向に揺動可能に構成されている。この先端部材43は、図2(c)に示すように、ロッド42の凹部42aに嵌合固定されるプレート431と、そのプレート431の下端面に連接される蛇腹部材432と、その蛇腹部材432に連接されるベース部材433とを主に備えて構成されている。
【0053】
プレート431は、ロッド42の先端及びベアリング435を覆う蓋部材であり、図2(c)に示すように、略中央に穿設された中央孔431aの周縁部がロッド42の凹部42aに嵌合固定されている。これにより、プレート431は、ロッド42に対する動きが規制されている。
【0054】
蛇腹部材432は、弾性材料によって蛇腹状に形成される部材であり、図2(c)に示すように、プレート431の下端面とベース部材433の上端面との間に介設されている。これにより、プレート431とベース部材433とによって形成された内部空間に異物が侵入することを防止している。
【0055】
ベース部材433は、ロッド42の伸長時に、その底面が接地する底面部材として構成され、図2(c)に示すように、その上面略中央には、下方がフランジ状に張り出した凹部433aが凹設されている。この凹部433aには、ロッド42の先端に固定されたエンドプレート434が嵌入されている。このエンドプレート434は、円柱状の軸部434aと、その軸部434aの端部から径方向に張り出す張出部434bとを有して構成されており、軸部434aの外周面と凹部433aとの間に隙間が形成されると共に、張出部434bの下端面と凹部433aとの間に隙間が形成されている。これにより、ベース部材433は、ロッド42及びエンドプレート434に対する図2(b)中の矢印C方向の動きが許容される。
【0056】
その結果、ベース部材433は、接地面が起伏する場合に、その接地面の起伏に応じて図2(b)中の矢印C方向に揺動して、接地面積を確保することができる。即ち、ベース部材433を確実に接地させて、車体2を確実に支持することができる。更に、複数配設される各アウトリガー4のベース部材433の接地面積を均一化して、各アウトリガー4にかかる荷重の均一化を図ることができる。
【0057】
次に、図3及び図4を参照して、ブリッジ部材23の詳細構成について説明する。図3(a)は、ブリッジ部材23の上面図であり、図3(b)は、図3(a)の矢印X方向視におけるブリッジ部材23の正面図である。また、図4(a)は、非連接位置に位置するブリッジ部材23の側面図であり、図4(b)は、連接位置に位置するブリッジ部材23の側面図である。なお、図3及び図4では、理解を容易にするために、車体2の一部のみを図示すると共に、図3(a)及び図4では、台車レール21,22の一部のみを図示している。更に、図3(a)及び図4では、付勢ばね25を点線で図示している。また、図4(b)では、作業場200及び作業場レール201の一部のみを図示すると共に、車輪112の一部を二点鎖線で図示している。
【0058】
ブリッジ部材23は、上述したように、台車レール21,22と作業場レール201とを連接するために、作業場レール201と連接する連接装置であり、後述するように、軸支ピン24によって台車レール21,22の頭部21a,22aに軸支されると共に、付勢ばね25によって上方へ向けて付勢されている。このブリッジ部材23は、図3に示すように、断面略コの字状の本体部231と、その本体部231の両側壁の端部に連接される軸支部232とを有して構成されている。
【0059】
この本体部231は、図3(b)に示すように、内壁面同士がなす幅寸法d1が台車レール21,22の頭部21a,22aの幅寸法d2よりも大きく設定されている。ここで、台車レール21,22は、断面略矩形状の頭部21a,22aと、車体2に固定される底部21b,22bと、その底部21b,22bと頭部21a,22aとの間に介設される支持部21c,22cとを有して構成されており、作業場レール201は、その台車レール21,22と同一形状に形成されている。これにより、車体2が作業場200に近接した状態で、ブリッジ部材23が連接位置へ向けて揺動した場合には、図4(b)に示すように、本体部23は作業場レール201の頭部201aに覆い被さり、作業場レール201と連接することができる。
【0060】
また、本体部231の両側壁の端部には、図3(a)に示すように、軸支部232が台車レール21,22側へ向けて張出形成されており、その軸支部232は軸支ピン24によって台車レール21,22の頭部21a,22aに軸支されている。
【0061】
軸支ピン24は、ブリッジ部材23を連接位置と非連接位置との間で揺動させるために、軸支部232を台車レール21,22の頭部21a,22aに軸支する軸支部材であり、軸支部232に穿設された孔を介して台車レール21,22の頭部21a,22aに螺合されている。
【0062】
付勢ばね25は、ブリッジ部材23と作業場レール201との衝突を防止するために、ブリッジ部材23を非連接位置へ向けて付勢する弾性部材であり、本体部231の下面及び作業場レール21,22の一端側端部(図3(b)における手前側端部)に取着され、ブリッジ部材23を非連接位置に保持している。これにより、図4(b)に示すように、台車レール21,22の一端側端部(図4(b)における右側端部)を作業場レール201の一端側端部(図4(b)における左側端部)に近接させた際に、ブリッジ部材23と作業場レール201との衝突を防止するために、ブリッジ部材23を非連接位置に保持する作業が不要となり、その分、作業能率の向上を図ることができる。
【0063】
また、図4(b)に示すように、台車レール21,22の一端側端部が作業場レール201の一端側端部に近接した状態で、非連接位置に保持されたブリッジ部材23上を台車101(図5参照)が走行することにより、その台車101の車輪112がブリッジ部材23を連接位置へ向けて押圧する。押圧されたブリッジ部材23は、作業場レール201と連接して、ブリッジ部材23を介して台車レール21,22と作業場レール201とを連接することができる。よって、台車レール21,22と作業場レール201との間の隙間をなくして、その隙間から台車101が脱落することを防止することができる。
【0064】
更に、台車101が非連接位置に保持されたブリッジ部材23上を走行することで、ブリッジ部材23が作業場レール201と連接するので、ブリッジ部材23と作業場レール201とを連接させるために、ブリッジ部材23を連接位置に揺動させる作業が不要となり、その分、作業能率の向上を図ることができる。
【0065】
次に、図5及び図6を参照して、積載物100の搬送工程について説明する。図5(a)から図5(d)、図6(e)から図6(g)は、積載物100の搬送工程を示す正面図である。なお、図5及び図6では、理解を容易にするために、搬送車1、積載物100、台車101及び作業場200の一部のみを図示すると共に、嵌合孔111aを点線で図示している。また、図5及び図6では、台車レール21,22及び作業場レール201を模式的に図示している。また、図5及び図6では、台車レール21,22及び作業場レール201を模式的に図示している。
【0066】
搬送工程とは、作業場レール201上に位置する台車101の台車本体111上に積載物100を載置した状態で、その台車本体111上の積載物100の製造・加工を行い、その後、積載物100を載置した状態で、台車101を車体2上へ移動させ、積載物100を車体2上に載置する工程である。
【0067】
この搬送工程では、まず、図5(a)に示すように、搬送車1を作業場200へ向けて走行させる。そして、少なくともブリッジ部材23の先端が作業場レール201の一端側端部(図5(a)における左側端部)と重なるように、車体2の一端側端部(図5(a)における右側端部)を作業場レール201の一端側端部に近接させた後、搬送車1を停止させる。
【0068】
なお、ブリッジ部材23は、付勢ばね25(図3参照)の付勢力によって、非連接位置に保持されている。これにより、車体2の一端側端部を作業場レール201の一端側端部に近接させた際に、ブリッジ部材23と作業場レール201とが衝突して、ブリッジ部材23及び作業場レール201が損壊することを防止することができる。
【0069】
次に、図5(b)に示すように、作業者が操作パネル61のアウトリガー作動スイッチ61aをオンにすることで、アウトリガー駆動用シリンダ41を駆動して、各アウトリガー4を矢印E方向へ伸長させる。伸長されたアウトリガー4は、その先端部材43が接地して、車体2を支持する。
【0070】
このように、各アウトリガー4が接地して車体2を支持するので、後述するように、台車101が台車レール21,22上を走行した際に、車体2が撓むことを防止することができる。その結果、車体2の上面に敷設された台車レール21,22が撓むことを防止して、台車101を台車レール21,22上でスムーズに走行させることができる。
【0071】
次に、図5(c)に示すように、台車101を走行させる台車走行駆動装置(図示せず)によって、台車101を矢印F方向へ移動させる。台車101が非連接位置に保持されたブリッジ部材23上を走行する際に、ブリッジ部材23が台車101の車輪112によって矢印G方向へ押圧され、押圧されたブリッジ部材23が作業場レール201と連接する。
【0072】
このように、ブリッジ部材23が作業場レール201と連接することで、そのブリッジ部材23を介して台車レール21,22と作業場レール201とを連接し、台車レール21,22と作業場レール201との間の隙間をなくすことができる。これにより、その隙間から台車101が脱落することを防止することができる。
【0073】
また、台車101が非連接位置に保持されたブリッジ部材23上を走行することで、ブリッジ部材23が作業場レール201と連接するので、ブリッジ部材23と作業場レール201とを連接させるために、ブリッジ部材23を連接位置に揺動させる作業が不要となり、その分、作業能率の向上を図ることができる。
【0074】
次に、図5(d)に示すように、台車走行駆動装置によって台車101を矢印H方向へ更に移動させる。台車101が更に移動することで、ブリッジ部材23上に位置した台車101の車輪112が台車レール21,22上を転動する。その結果、ブリッジ部材23にかかる荷重がなくなるので、ブリッジ部材23は、付勢ばね25の付勢力によって矢印I方向に揺動され、再度、非連接位置に保持される。
【0075】
なお、車体2の一端側端部は第2アウトリガー4bによって支持されているので、車体2の一端側端部の撓みを防止して、台車レール21,22と作業場レール201との間に段差が生じることを防止することができる。その結果、台車101が台車レール21,22に乗り移る際に、台車101をスムーズに走行させることができる。
【0076】
次に、図6(e)に示すように、台車走行駆動装置によって台車101を矢印J方向へ更に移動させ、台車101の台車本体111に凹設される嵌合孔111aが嵌合ピン5と対応するように、台車101を停止させる。
【0077】
このように、車体2の上面に台車レール21,22を敷設することにより、台車レール21,22の一端側端部を作業場レール201の一端側端部に近接させた場合に、車体2と作業場200との間で台車101が走行可能な走行経路を形成することができる。その結果、長尺の積載物100を台車101の台車本体111上に載置した状態で、その台車101を作業場200から車体2へ向けて移動させて、長尺の積載物100を車体2上に載置することができる。従って、長尺の積載物100を車体2に載置するために車体2を昇降させる複雑な装置を不要として、構造の簡略化及び製造コストの低減を図ることができる。
【0078】
なお、台車101が台車レール21,22上を走行する際には、嵌合ピン5は短縮されており、その嵌合ピン5の大部分が収納孔5a(図1(a)参照)に収納されている。これにより、台車101が台車レール21,22上を走行する際に、その台車101が嵌合ピン5と衝突することを防止して、台車101及び嵌合ピン5の損壊を防止している。
【0079】
次に、図6(f)に示すように、作業者が操作パネル61の嵌合ピン作動スイッチ61bをオンにすることで、嵌合ピン駆動用シリンダ51を駆動して、嵌合ピン5を矢印K方向へ伸長させる。これにより、伸長された嵌合ピン5は、台車本体111の下面に凹設された嵌合孔111aに挿入され、台車101を車体2に対して固定することができる。
【0080】
次に、図6(g)に示すように、作業者が操作パネル61のアウトリガー作動スイッチ61aをオフにすることで、アウトリガー駆動用シリンダ41を駆動して、各アウトリガー4を矢印L方向へ短縮させる。短縮されたアウトリガー4は、その先端部材43が地面から離間し、接地状態が解除される。アウトリガー4の接地状態が解除された後、搬送車1は次の作業場へ向けて走行する。以上をもって、この搬送工程は終了する。
【0081】
以上のように、本実施形態の搬送車1は、車体2上に積載物100を載置する際、即ち、台車101が台車レール21,22を走行する際に、各アウトリガー4が停車した車体2を支持して、車体2の撓みを防止している。これにより、台車レール21,22の撓みを防止して、台車101を台車レール21,22上でスムーズに走行させることができる。
【0082】
更に、各アウトリガー4が停車した車体2を支持して、車体2の撓みを防止しているので、車体2の厚みを厚くして、車体2の剛性を必要以上に確保することが不要となり、その分、搬送車1全体の軽量化を図ることができる。
【0083】
なお、請求項2記載の「連接位置」としては、ブリッジ部材23が作業場レール201に連接して、ブリッジ部材23を介して台車レール21,22と作業場レール201とを連接する位置が該当する。また、請求項2記載の「非連接位置」としては、ブリッジ部材23が付勢ばね25に付勢されて、ブリッジ部材23が作業場レール201と衝突せず、かつ、台車101の車輪112がブリッジ部材23を押圧できる位置が該当する。
【0084】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0085】
例えば、本実施形態では、台車レール21,22は、車体2の長手方向に沿って延在するように構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、台車レール21,22を車体2の幅方向に沿って延在するように車体2の上面に敷設し、台車101を横行させて車体2の上面に載置するように構成しても良い。これにより、台車レール21,22の全長寸法を短くすることができ、部品コストの低減を図ることができる。更に、台車レール21,22が車体2の長手方向に沿って延在する場合と比較して、台車101が台車レール21,22上を走行する時間を短くすることができるので、積載物100を載置する時間を短縮して、作業能率の向上を図ることができる。
【0086】
また、本実施形態では、嵌合ピン5は、嵌合ピン駆動用シリンダ51の駆動力により伸長又は短縮されるように構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、手動で嵌合ピン5を伸長又は短縮させるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の一実施形態における搬送車を示す図であり、(a)は、搬送車の上面図であり、(b)は、搬送車の側面図である。
【図2】(a)は、アウトリガーの側面図であり、(b)は、伸長したアウトリガーの側面図であり、(c)は、図2(a)のIIc−IIc線におけるアウトリガーの断面図である。
【図3】(a)は、ブリッジ部材の上面図であり、(b)は、(a)の矢印X方向視におけるブリッジ部材の正面図である。
【図4】(a)は、非連接位置に位置するブリッジ部材の側面図であり、(b)は、連接位置に位置するブリッジ部材の側面図である。
【図5】(a)から(d)は、積載物の搬送工程を示す正面図である。
【図6】(e)から(g)は、積載物の搬送工程を示す正面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 搬送車
2 車体
4 アウトリガー(支持部材)
5 嵌合ピン
5a 嵌合孔(嵌合ピン収納部)
21,22 台車レール
23 ブリッジ部材
24 軸支ピン(軸支部材)
25 付勢ばね(弾性部材)
31 車輪
41 アウトリガー駆動用シリンダ(支持部材駆動装置、本体部)
42 ロッド(軸部)
43 先端部材(先端部)
100 積載物
101 台車
111a 嵌合孔
200 作業場
201 作業場レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載物を載置する車体と、その車体を支持する複数の車輪とを備え、前記車体を走行させて前記積載物を搬送する搬送車において、
作業場の上面に敷設され積載物を載置した台車が走行可能な作業場レールと略同一の高さに設けられ、少なくとも前記車体の一端側端部から他端側へ向けて延在し前記車体の上面に敷設されると共に前記台車が走行可能な台車レールを備えていることを特徴とする搬送車。
【請求項2】
前記車体の一端側端部から突出すると共に、その突出部位が前記作業場レールと連接可能なブリッジ部材と、
前記作業場レールと連接する連接位置と、その連接位置よりも上方に位置し前記作業場レールとの連接が解除される非連接位置との間で揺動可能に、前記ブリッジ部材を前記台車レールに軸支する軸支部材とを備えていることを特徴とする請求項1記載の搬送車。
【請求項3】
前記ブリッジ部材に設けられ、そのブリッジ部材を前記非連接位置へ向けて付勢する弾性部材を備えていることを特徴とする請求項2記載の搬送車。
【請求項4】
前記車体の複数の車輪の配設部位以外に設けられ、伸縮可能に構成される支持部材と、
その支持部材を伸縮させる支持部材駆動装置とを備え、
前記車体が停止した状態で、前記支持部材駆動装置が前記支持部材を伸長させることにより、その支持部材を接地させて前記車体を支持することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の搬送車。
【請求項5】
前記支持部材は、前記台車レールの延長方向における前記車体の両端側にそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項4記載の搬送車。
【請求項6】
前記支持部材は、前記台車レールの下方に配設されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の搬送車。
【請求項7】
前記支持部材は、本体部と、その本体部に対して伸縮する軸部と、その軸部の先端に揺動可能に取着され、その軸部の伸長時に接地する先端部とを備えていることを特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の搬送車。
【請求項8】
前記台車レール上に停止している台車に凹設された嵌合孔と嵌合して、その台車を前記台車レール上に固定するために、前記車体の上面から上方へ向けて伸長可能に構成された嵌合ピンと、
その嵌合ピンを、前記台車レール上を走行する台車と衝突しない位置に収納する嵌合ピン収納部とを備えていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の搬送車。
【請求項9】
積載物を載置する車体と、その車体を支持する複数の車輪とを備え、前記車体を走行させて前記積載物を搬送する搬送車において、
前記車体の複数の車輪の配設部位以外に設けられ、伸縮可能に構成される支持部材と、
その支持部材を伸縮させる支持部材駆動装置とを備え、
前記車体が停止した状態で、前記支持部材駆動装置が前記支持部材を伸長させることにより、その支持部材を接地させて前記車体を支持することを特徴とする搬送車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−7233(P2008−7233A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−177432(P2006−177432)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【Fターム(参考)】