説明

携帯型空気浄化用具

【課題】ネームカードケース等、首に掛けるなどして身に着ける物品に取り付けて用いることができる携帯型空気浄化用具を提供する。
【解決手段】携帯型空気浄化用具1はネームカードケース21等のように身に着ける物品に固定して使用するので、使用者の負担になることはない。しかも、携帯型空気浄化用具1は極薄い箱状に形成され、ネームカードケース21より一回り小さく、ネームカードケース21の裏面に固定するので、外部からは殆ど見えない。従って、見た目も良好なものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯型空気浄化用具に係り、特に首から吊り下げるネームカードケースに取り付けて使用する携帯型空気浄化用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された携帯型空気浄化用具は、二酸化塩素粉末を収容する収容体と、この収容体に取り付けられたストラップとを有し、ストラップを首に掛けて、収容体が胸の辺りにくるように吊り下げる。収容体の開口からは二酸化塩素ガスが排出され、この二酸化塩素ガスが顔の前方に供給される。これにより人が呼吸により吸引する空気を浄化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3154094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この携帯型空気浄化用具は、それ自体を単体で首から吊り下げるものであるため、例えばネームカードケースを首に掛けている場合は、二本のネックストラップを掛けることになり、使用者の負担になるばかりか、見た目も悪いという問題がある。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、ネームカードケース等、首に掛けるなどして身に着ける物品に取り付けて用いることができる携帯型空気浄化用具の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、 開口部を有するケースと、前記ケースに収容され二酸化塩素ガスを発生するガス発生体と、前記ケースを人が身に着ける被固定物品に固定するための固定手段とから成ることを特徴とする携帯型空気浄化用具。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載した携帯型空気浄化用具において、開口部はケースの上面、側面の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする携帯型空気浄化用具である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した携帯型空気浄化用具において、ケースは本体部と前記本体部に対し着脱可能な蓋体とから成り、前記が蓋体を本体部から外して使用済みのガス発生体を新しいガス発生体に入れ替えることができることを特徴とする携帯型空気浄化用具である。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した携帯型空気浄化用具において、固定手段は被固定部材に対し着脱可能な粘着剤によって構成されていることを特徴とする携帯型空気浄化用具である。
【0009】
請求項5の発明は、少なくとも表面側に透明部を有しネームカードを収容するカード収容部を備え、請求項1から4のいずれかに記載した携帯型空気浄化用具を裏面側に固定したことを特徴とするネームカード収容ケースである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯型空気浄化用具は、例えばネームカードケース等のように身に着ける物品に固定して使用することができ、使用者の負担になることはない。
しかも、ネームカードケース等の裏面に固定するので、外部からは殆ど見えず、見た目も良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1に係る携帯型空気浄化用具の分解斜視図である。
【図2】図1の携帯型空気浄化用具をネームカードケースの裏面に固定した状態を示す斜視図である。
【図3】図2の携帯型空気浄化用具を固定したネームカードケースを首から吊り下げた場合に、携帯型空気浄化用具から放出された二酸化塩素ガスが顔の前方に供給される様子を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るネームカードケースと一体型の携帯型空気浄化用具の平面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施の形態1に係る携帯型空気浄化用具1を図1から図3にしたがって説明する。
符号3はプラスチック製のケースを示し、このケース3は本体部5と蓋体7とから構成されている。本体部5は前板9、左右の側板11、底板12から成り、上面と背面は開口16、開口18がそれぞれ形成されている。また左右の側板11にも、開口14がそれぞれ形成されている。
本体部5は幅寸法90mm、高さ寸法が55mmで、厚さ寸法が5mmに形成されており、後述するネームカードケース21より一回り小さい幅寸法と高さ寸法を有し、しかも極薄型に製作されている。また左右の側板11の内側面には一対の嵌合凹部13がそれぞれ形成されている。一対の嵌合凹部13は上下方向に並んで配置されている。
【0013】
蓋体7は薄い板状で本体部5の背面の開口18にぴったり嵌るサイズに形成されている。蓋体7の左右の端面には本体部5の嵌合凹部13に嵌る一対の嵌合凸部15がそれぞれ形成されている。
【0014】
符号20はウレタン系の合成樹脂製の粘着剤としての粘着シートを示し、本体部5の表面に一対固着されている。一対の粘着シート20によって固定手段が構成されている。
【0015】
ケース3には二酸化塩素ガスを発生させるガス発生体19が収容される。このガス発生体19は通気性を有する袋と、この袋に固形状の二酸化塩素を封入して構成されており、徐々に二酸化塩素ガスを放出するようになっている。
上記ガス発生体19を本体部に入れてから、蓋体7の嵌合凸部15を本体部5の嵌合凹部13に嵌合させる。これにより蓋体7が本体部5の背面の開口18を覆う状態となるが、上面の開口16は閉鎖されず開放されたままの状態となる。
【0016】
被固定物品としてのネームカードケース21はベース部22の表面側に収容部24が設けられ、この収容部24の表面側は透明材料によって構成され、ネームカードケース21に収容された名刺等のネームカードを外部から視認することができるようになっている。また、収容部24の上部には開口が形成されており、ベース部22には、この開口を閉鎖する蓋部28が設けられている。
ネームカードケース21のベース部22の上端部中央には長穴23が形成され、この長穴23には連結具25が取り付けられ、連結具25にはネックストラップ27が接続されている。
【0017】
粘着シート20によってネームカードケース21の裏面に携帯型空気浄化用具1を固定する。
そして、図3(a)、(b)に示すようにネックストラップ27を首に掛けて、携帯型空気浄化用具1が胸の辺りにくるように吊り下げる。ガス発生体19から放出された二酸化塩素ガスは開口14、16から外部に出て、矢印で示すように体に沿って上昇する。そして、二酸化塩素ガスが顔の前方に供給されて、人が呼吸により吸引する空気を浄化する。従って、どのような場所でも、人が吸引する空気を浄化することができ、ウィルス感染等を有効に防止することが可能となる。
【0018】
また、携帯型空気浄化用具1はネームカードケース21等のように身に着ける物品に固定して使用するので、使用者の負担になることはない。しかも、携帯型空気浄化用具1は極薄い箱状に形成され、ネームカードケース21より一回り小さく、ネームカードケース21の裏面に固定するので、外部からは殆ど見えない。従って、見た目も良好なものとなる。
【0019】
本発明の実施の形態2に係る携帯型空気浄化用具41を図4、図5にしたがって説明する。本実施の形態において実施の形態1において説明した部材と同様のものについては、実施の形態1で用いた符号を付して、その説明を省略する。
携帯型空気浄化用具41はネームカードケース43と一体に形成されている。
【0020】
符号45はケースを示し、このケース45の背板は、ネームカードケース43のベース部22によって構成されている。ネームカードケース43は、実施の形態1に係るネームカードケース21と同じ連結具25を介してネックストラップ27が取り付けられる。
ケース45の上面には開口49が形成されて、この開口49からケース45に収容されたガス発生体19から出る二酸化塩素ガスが放出される。使用方法、作用効果は実施の形態1に係る携帯型空気浄化用具1と同様である。
【0021】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、二酸化塩素発生体に用いられる二酸化塩素は固形のものに限らず、ゲルのものであってもよい。
【0022】
また、実施の形態1に係る携帯型空気浄化用具1において、開口14と開口16はいずか一方を設ける構成としてもよい。
実施の形態2に係る携帯型空気浄化用具41においてケース45の左右の側板に開口を形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は携帯型空気浄化用具の製造業に利用可能である。
【符号の説明】
【0024】
1…携帯型空気浄化用具 3…ケース 5…本体部
7…蓋体 9…前板 11…左右の側板 12…底板
13…嵌合凹部 14…本体部側面の開口 15…嵌合凸部
16…本体部上面の開口 18…本体部背面の開口
19…ガス発生体 20…粘着シート
21…ネームカードケース 22…ベース部 23…長穴
24…収容部 25…連結具
27…ネックストラップ 28…蓋部
41…携帯型空気浄化用具 43…ネームカードケース
45…ケース 49…開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するケースと、前記ケースに収容され二酸化塩素ガスを発生するガス発生体と、前記ケースを人が身に着ける被固定物品に固定するための固定手段とから成ることを特徴とする携帯型空気浄化用具。
【請求項2】
請求項1に記載した携帯型空気浄化用具において、開口部はケースの上面、側面の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする携帯型空気浄化用具。
【請求項3】
請求項1または2に記載した携帯型空気浄化用具において、ケースは本体部と前記本体部に対し着脱可能な蓋体とから成り、前記が蓋体を本体部から外して使用済みのガス発生体を新しいガス発生体に入れ替えることができることを特徴とする携帯型空気浄化用具。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載した携帯型空気浄化用具において、固定手段は被固定部材に対し着脱可能な粘着剤によって構成されていることを特徴とする携帯型空気浄化用具。
【請求項5】
少なくとも表面側に透明部を有しネームカードを収容するカード収容部を備え、請求項1から4のいずれかに記載した携帯型空気浄化用具を裏面側に固定したことを特徴とするネームカード収容ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−90743(P2012−90743A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240233(P2010−240233)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(510285665)エンブロイプロテック株式会社 (1)
【出願人】(510285654)株式会社アゴラ (1)
【出願人】(306023602)株式会社エスエヌシ− (5)
【Fターム(参考)】