説明

携帯式分析デバイス

本発明は、消耗可能な分析用要素4、5に対する位置移動ユニット9を備えて成る機械的アセンブリと、ディスプレイ・ユニット7と、ランセット穿通により獲得された体液サンプルを分析するセンサ6と、一連の測定結果を記憶する記憶装置と、当該第1駆動操作要素13の駆動操作により、当該デバイス1は第1起動状態へと移行されると共に、上記機械的アセンブリは起動され、且つ、測定が準備され、測定は上記第1起動状態において各駆動操作要素13、15、16、17の内の1つの駆動操作要素を駆動操作することにより開始される第1駆動操作要素13と、当該第2駆動操作要素15の駆動操作により当該デバイス1は第2起動状態へと移行される第2駆動操作要素15と、を備えて成る携帯式分析デバイスに関する。本発明に係る上記デバイスにおいて、上記ディスプレイ・ユニット7は、上記第2駆動操作要素15の駆動操作により、上記機械的アセンブリを起動することなく、作動される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のおいて書きに列挙された特徴を有する携帯式分析デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
請求項1のおいて書きに列挙された特徴を有する携帯式分析デバイスは、特許文献1から知られている。この携帯式分析デバイスは、腕時計内に一体化されている。第1の状態において、上記デバイスは、ランセット穿通により体液サンプルを獲得すべく使用され得ると共に、該サンプルのグルコース測定値が決定され得る。第2の状態において、上記デバイスは、表示ユニットにより現在時刻を表すことにより、腕時計の役割を果たす。
【0003】
携帯式分析デバイスは特に、一日に数回の血糖レベルをチェックすべき糖尿病患者であって、この目的のために、小寸の穿刺創傷から獲得された概略的には血液又は間質液である体液サンプルを要する糖尿病患者により必要とされる。上記携帯式分析デバイスに含まれるセンサは、ランセット穿通により獲得された体液サンプルの、例えばグルコース濃度などの分析対象物濃度を測定すべく使用され得る。
【0004】
携帯式分析デバイスの開発においては、可及的に容易な取扱いをユーザに対して可能とすると共に、測定が迅速に行われることを許容することが不変の目的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/178600号
【特許文献2】国際公開第2008/08344号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
故に、本発明の目的は、上述の形式の携帯式分析デバイスに対し、ユーザの快適性が如何に向上され得るかという手法を示すに在る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を有する携帯式分析デバイスにより達成される。本発明の好適な改善例は、従属請求項の主題である。
【0008】
本発明に係る携帯式分析デバイスは、第1駆動操作要素により第1起動状態へと移行され得る。上記第1起動状態においては、例えば検査要素及び/又はランセットなどの消耗可能な分析用要素に対する位置移動ユニットを備えて成る機械的アセンブリが、起動され且つ測定が準備される。上記第1起動状態において、測定は、上記携帯式分析デバイスの各駆動操作要素の内の1つの駆動操作要素を駆動操作することにより開始され得る。本発明に係る携帯式分析デバイスは付加的に、上記機械的アセンブリを起動することなく上記ディスプレイ・ユニットが作動される第2起動状態を有する。特に、この第2起動状態においては先の測定の結果が表示されることで、例えば、ユーザは先の治療の推移をチェックし得る。
【0009】
上記機械的アセンブリが起動されたとき、該アセンブリの少なくとも1つの構成要素が移動され、例えば、検査要素及び/又はランセットが供給器から取出される。単純な携帯式分析デバイスの場合にユーザは、このために必要とされる力を及ぼさねばならないが、その機械的アセンブリが電気モータを含む更に複雑な携帯式分析デバイスにおいて、典型的にはバッテリである電気エネルギ蓄積手段に対して負荷が付与される。本発明に係るデバイスにおいて、この負担は好適には、ユーザが実際に測定の実施を望むときにのみ、行われねばならない。但し、ユーザが測定の実施を望まず、代わりに、先の一連の測定値を視認すること、又は、例えばデバイスに一体化された時計を設定するなどのデバイス設定を変更することを望むだけであれば、測定の準備に伴う負担は好適に省略され得ると共に、特に機械的構成要素の移動が省略され得る。
【0010】
本発明に係る携帯式分析デバイスは純粋に測定デバイスとして設計され得、これは別体的な穿刺デバイスと協働して測定システムを形成する。但し好適には、本発明に係る携帯式分析デバイスには穿刺デバイスが一体化される。斯かる場合、上記機械的アセンブリは付加的に、ランセットに対して穿刺運動を実施させる穿刺用駆動器を備えて成る。
【0011】
上記消耗可能要素は、例えば、特に光化学的又は電気化学的な濃度決定のための、濃度を決定する検出試薬を含む検査要素とされ得るか、又は、該消耗可能要素はランセットとされ得る。上記消耗可能要素は特に、一体化された検査要素を備えて成るランセットともされ得る。例えば、検査区画を備えて成るランセットが、検査要素として使用され得る。斯かる検査区画は、例えば、試薬なし分析のためのキュベット、又は、検出試薬を含む検査領域とされ得る。測光的又は電気化学的な濃度決定のための検出試薬を含む検査領域は、数十年に亙り、グルコース濃度を決定する市販の検査帯片において使用されてきた。対応する検査領域が、ランセット上に接着剤結合され得る。斯かるランセットは、流体を毛管力により検査領域まで位置移動させる例えば溝の形態のチャネルを備えて成り得る。但し、本発明に係る携帯式分析デバイスにおいては、消耗可能要素として、ランセットと、別体的な検査要素とを使用することも可能である。斯かる検査要素は、ランセットから体液サンプルを取り込み得、この目的のために上記ランセットは、上記携帯式分析デバイスの上記機械的アセンブリにより、上記検査要素まで案内される。別体的な検査要素は、先に生成された穿刺創傷から直接的に体液サンプルを取り込むことも可能である。
【0012】
本発明に係る携帯式分析デバイスに対する上記消耗要素供給器は、該デバイス内に挿入され得るマガジンとして設計され得る。斯かるマガジンは、別体的なマガジン・チャンバ内に、検査要素及び/又はランセットを収容し得る。但し、斯かるマガジンを、検査要素及び/又はランセットを担持し、又は、一体化された検査要素を備えて成るランセットを担持する巻回担体テープを備えて成るカセットとして設計することも可能である。測定デバイスであり且つ穿刺デバイスである携帯式分析デバイスに対し、好適には、ランセット及び穿刺要素の内部供給器が使用される。但し、例えば、上記デバイス内にはランセットの供給器のみを配備すると共に、穿刺の後における測定のために上記デバイス内へと検査要素を個別的に導入することも可能である。
【0013】
測定は、例えば、穿刺用駆動器の機械的エネルギ蓄積手段を蓄力することで、又は、穿刺用駆動器をランセットに対して連結することで、検査要素及び/又はランセットを供給器から取出すことにより、準備され得る。本発明に係るデバイスにおいて、これらの段階の全て、又は、これらの段階の一部のみが実施されて、測定が準備され得る。例えば、測定が完了された後で、検査要素又はランセットを供給器から取出し、それを、次の測定まで該検査要素又は該ランセットが留まる使用位置へともたらすことも可能である。上記デバイスの上記第1起動状態において、検査要素及び/又はランセットは好適には、測定が準備されるまでマガジンから取出されない、と言うのも、それらはマガジン内において周囲の悪影響から最適に保護されるからである。
【0014】
本発明の好適な改善例に依れば、上記機械的アセンブリは、起動の後で、上記第1駆動操作要素を駆動操作することにより起動解除され得る。上記デバイスは、所定の時間間隔の間において測定が何ら実施されなければ、該所定の時間間隔に続き、自動的に起動解除されることも好適である。上記所定の時間間隔は、デバイス製造者により厳格に指定され得ると共に、例えば、30秒〜10分、より詳細には2分〜5分の範囲とされ得る。
【0015】
測定が準備され且つ上記機械的アセンブリが起動された場合、例えば、上記起動が偶発的に行われたので、又は、ユーザが自身の意志を変えたので、ユーザは測定の実施を望まない、ということが在り得る。上記機械的アセンブリが起動されたとき、例えば、検査領域又はランセットは、無菌パッケージから取出され得る。一定の時間後、上記検査領域の機能性、又は、ランセットの無菌性は、それ以上は保証されないこともある。上記機械的アセンブリを起動解除することにより、上記検査領域及び/又はランセットは、測定が準備された直後においてのみ使用される、ということが確実とされ得る。所定時間内に測定が行われなければ、上記検査領域及び/又はランセットは、遅くとも上記機械的アセンブリの新たな起動時に、上記デバイス内のスペースであって、使用済みの検査領域及び/又はランセットに対して配備されるスペース内へと進められる。
【0016】
使用されなかった検査領域の取扱いは、上記機械的アセンブリを起動解除するときに、特定の困難性を何ら引き起こさない。再度の起動まで、上記検査領域はその位置に留まると共に、再度の起動時に単純に進行され得る。但し、上記デバイスの穿刺用駆動器の故に、ランセットの場合には、特に、上記機械的アセンブリの起動が伴うことから、例えば駆動スプリングが張設されるなどして、上記穿刺用駆動器の機械的エネルギ蓄積手段が蓄力されるときには、付加的な対策が必要とされることもある。斯かる場合、上記機械的エネルギ蓄積手段は好適には、上記機械的アセンブリが起動解除されるときに蓄力解除される。このことは好適には、穿刺を始動させることで行われる。
【0017】
上記第1駆動操作要素は、例えば、当該デバイス開口上でサンプルが取り込まれるデバイス開口のカバーであり得る。上記デバイス開口が露出されたとき、上記機械的アセンブリが起動される。先行して穿刺が始動させられずに、上記デバイス開口が再び閉じられたとき、穿刺はこの様にして始動され得る。上記駆動操作要素すなわち上記カバーは好適には、内側部上にランセット用の陥没部を備えて成る。
【0018】
但し、上記エネルギ蓄積手段は、穿刺を始動せずに、再び蓄力解除されることも可能である。このことは、上記穿刺用駆動器の僅か乍らも更に複雑な機構を必要とするが、自動的な起動に関しては好適である。但し、上記デバイスは、所定の時間間隔の間において測定が何ら実施されなければ、該所定の時間間隔に続き、自動的に起動解除され、且つ、上記デバイス開口が閉じられることで上記駆動操作要素が自動的に移動されることも可能である。上記デバイス開口が閉じられた後、ユーザに対する負傷の虞れなしで、穿刺が始動され得る。
【0019】
本発明の更なる詳細及び利点は、添付図面に関する実施形態に基づいて記述される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】携帯式の血糖測定デバイスの概略図である。
【図2】図1に示された測定デバイスの概略図であり、ハウジングは切り開かれている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1及び図2に示された携帯式分析デバイス1によれば、ユーザは、実質的に自動的な測定プロセスで体液サンプルのグルコース濃度を決定し得る。デバイス1の受容区画内には、検査要素供給器を備えて成るマガジン2が挿入され得る。この目的のために、底部上のハウジング・カバー20は取り外され得る。示された実施形態においてマガジン2は、担体テープ3上に複数のランセット4及び複数の検査要素5を担持するテープ・カセットである。斯かるカセットの代わりに、例えば、個別的な複数のマガジン・チャンバを備えて成るマガジンを使用することも可能である。
【0022】
ランセット穿通により獲得された体液サンプルはセンサ6により分析され得ると共に、例えばグルコース濃度又は乳酸塩濃度などの分析対象物濃度が決定され得る。測定結果は、デバイス1の例えば液晶ディスプレイなどのディスプレイ・ユニット7により表示され得ると共に、不図示であるデバイス1の記憶装置内に記憶され得る。
【0023】
上記記憶装置は、マイクロプロセッサの如き制御/評価ユニット8、及び、ディスプレイ・ユニット7と協働して、例えば、一連の測定結果の評価と評価結果の表示とを可能とする電子的アセンブリを形成し、それらの結果は基礎となる測定の日付及び時刻と共に該記憶装置内に記憶され得る。
【0024】
携帯式分析デバイス1は付加的に、複数の検査要素に対する少なくとも1つの位置移動ユニット9を備えて成る機械的アセンブリを含んでいる。図示実施形態において、位置移動ユニット9によれば、担体テープ3は、カセット2の巻回リール上へと巻回されると共に、供給リール10から巻出され、すなわち該位置移動ユニットによればテープは位置移動される。図示実施形態と同様に、同時に穿刺デバイスである上記携帯式分析デバイスにおいて、上記機械的アセンブリは、ランセット4に対して穿刺運動を実施させるために穿刺用駆動器11を付加的に含んでいる。穿刺用駆動器11は付加的な位置移動ユニットの様である、と言うのも、穿刺の間においてランセットが穿刺方向に運動又は位置移動されるからである。上記機械的アセンブリは好適には、電気モータ12を付加的に含む。但し、概略的に、上記電気モータにより位置移動ユニット9及び穿刺用駆動器11に対して供給される力は、ユーザによっても付与され得る。
【0025】
穿刺用駆動器11は好適には、必要に応じて迅速なランセット穿通のために必要とされる運動エネルギを放出する合成材料又は金属製の例えばスプリング要素などの、機械的なエネルギ蓄積体を含む。斯かる機械的なエネルギ蓄積手段は好適には、例えばスプリングを張設することにより、携帯式分析デバイス1の電気モータ12により蓄力され得る。穿刺用駆動器11は、例えば、特許文献2に記述された様式で穿刺運動を引き起こし得る。
【0026】
図示された携帯式分析デバイス1は第1駆動操作要素13を有し、これを駆動操作すると、デバイス1は第1起動状態へと移行すると共に、上記機械的アセンブリが起動され、測定の準備が為される。第1駆動操作要素13は好適には、サンプルが取り込まれるデバイス開口上のカバーとして設計される。故に第1駆動操作要素13は、それがデバイス開口を覆う開始位置から、該デバイス開口が露出される別の位置へと外方移動されることで駆動操作される。
【0027】
一体化されたシステム、すなわち、穿刺機能及び測定機能を有する携帯式デバイスの利点は、該デバイスの作動と、測定結果の表示との間における時間が非常に短いときに、特に明確になる。他方、結果の表示は、高信頼性とされねばならない。故に、穿刺に先立ち、上記デバイスと、それに挿入された消耗可能材料との機能がチェックされねばならない。上記デバイスが上記第1起動状態へと移行されると直ちに自動的に、対応する検査が好適に実施される。
【0028】
測定の準備をして実施するために、例えば、以下の段階の内の幾つか又は全てが実施され得る:
−デバイス開口を露出してサンプルを取り込む段階;
−表示試験;
−例えば、マガジンのデータを読取ると共に、チェックサムを計算してそれをチェックすることによる、消耗品のコード化及びデータをチェックする段階;
−例えば測定ユニットをチェックし、特に測光式の測定のための光路の可能的な欠陥又は汚染を決定する段階;
−サンプルを取り込む前の非積載状態における検査領域を測定する段階;
−上記デバイスの温度及び/又は湿度を測定する段階;
−測定を意図せずに、上記デバイスの偶発的な起動を検出する安全性の照会;
−上記機械的アセンブリを起動し、特に、ランセットをその穿刺位置へと移動させ、且つ、穿刺用駆動器を張設する段階;
−穿刺を始動させる段階;
−サンプルを取り込む段階;
−測定を実施する段階;
−測定信号から濃度値を算出する段階;
−測定結果を表示する段階;
−上記機械的アセンブリ及び上記デバイスを起動解除する段階。
【0029】
第1駆動操作要素13は、例えばデバイス・ハウジング14上に枢動可能に又は変位可能に結着され得る。第1駆動操作要素13は、例えば保護キャップとして設計され得ると共に、デバイス1の内部を汚染から保護し得る。第1駆動操作要素13を、サンプルを取り込むための上記デバイス開口に対するカバーとして設計することにより、高度なユーザの快適性が達成される、と言うのも、ユーザは概略的に、実際に測定を実施することを自身が企図したときにのみ上記ハウジング開口を露出させるので、そのときにおいてのみ上記機械的アセンブリが起動されるからである。カバーとして設計された駆動操作要素13の重要な利点は特に、上記カバーの移動と、上記ハウジング開口上への指の載置との間における時間を待機期間として認識しないので、上記カバーの移動と、上記ハウジング開口上への指の載置との間において、測定のために上記デバイスを準備する概略的に十分な時間が残される、ということである。故にユーザは、測定が“即時に”開始され得る、という印象を受ける。
【0030】
ユーザが測定の実施を意図せず、代わりに、例えば、デバイス設定を変更するか又は測定結果の表示のみを望むとき、ユーザは、例えばボタンとして設計され得る第2駆動操作要素15を駆動操作することによりデバイス1を第2起動状態へと移行させ得ると共に、該ユーザは、上記機械的アセンブリを起動させずにディスプレイ・ユニット7を作動し得る。図示実施形態においては、ディスプレイ・ユニット7を担持する携帯式デバイス1の前部上に更なる複数の駆動操作要素16が配設される。これらは、例えば、ディスプレイ・ユニット7により表示される制御メニューから命令を選択すべく使用され得る。ディスプレイ・ユニット7は、センサ領域として設計されると共に、付加的な駆動操作要素を形成し得る。故に図示実施形態においては、第2駆動操作要素15の駆動操作により上記デバイスが上記第2起動状態へと移行されたときに、サンプルを取り込むために配備された上記デバイス開口は、閉じられたままである。
【0031】
図示実施形態において、携帯式分析デバイス1が上記第1起動状態に在るときには、各駆動操作要素の内の1つの駆動操作要素を駆動操作することにより測定が開始され得、すなわち、ランセット穿通が始動させられ得る。この目的のために、好適には、上記デバイス開口上に配設される第3駆動操作要素17が配備される。該第3駆動操作要素17は、穿刺創傷が生成されるべき身体部分を上記デバイス開口に対して当接して載置することにより駆動操作される。第3駆動操作要素17は好適には温度及び/又は圧力センサを含み、該センサは、身体部分が自身上に載置されたか否かを決定するだけでなく、例えば、上記身体部分が上記デバイス開口に対して着座する圧力、又は、上記身体部分の温度が、所定範囲内に在るなどの、サンプリングのための条件が良好であることを付加的に確認する。故に携帯式分析デバイス1は、該携帯式分析デバイス1を使用するための複数の駆動操作要素13、15、16、17を備えて成る。
【0032】
それが上記デバイス開口を覆う上記開始位置において、該第1駆動操作要素13は好適には第3駆動操作要素17を覆うことから、該第3駆動操作要素はデバイス1の非起動状態において保護される。
【0033】
測定が行われた後、携帯式分析デバイス1は自動的に、すなわちユーザの関与なしに、上記第2起動状態へと遷移することから、ユーザは、例えば、一連の測定値の評価を視認することで治療の推移をチェックするか、又は、例えば起床又は催促機能を他の時刻へと調節するなど、デバイス設定を変更し得る。上記第2起動状態から、上記デバイスは、上記ディスプレイ・ユニットが作動停止される非起動状態へと遷移する。上記第2起動状態から、上記デバイスは、この目的のために配備された駆動操作要素を駆動操作することにより、上記非起動状態へと移行され、すなわち作動停止され得る。上記デバイスはまた好適には、所定の時間間隔の間に何らの駆動操作要素も駆動操作されないとき、上記第2起動状態から上記非起動状態へと自動的に遷移する。この場合、ユーザが上記デバイスを作動停止させることを失念したことが想定される。不必要な電力消費を回避するために、そのときに上記デバイスは自動的に作動停止する。上記所定の時間間隔は、デバイス製造者により厳格に指定され得ると共に、例えば、30秒〜2分の範囲とされ得る。
【0034】
電気モータ12と、ディスプレイ・ユニット7及び制御/評価ユニット8を備えて成る上記電子的アセンブリとは、デバイス1の区画内に挿入され得る1つ以上のバッテリ18であって、この目的のために配備され且つ必要であれば交換されるバッテリ18により給電される。
【0035】
例えば、第1駆動操作要素13が偶発的に駆動操作されたなどの故に、上記機械的アセンブリが起動された後で、ユーザが測定の実施を望まないとき、上記機械的アセンブリは、第1駆動操作要素13を再び駆動操作することにより起動解除され得る。第1駆動操作要素13を再び駆動操作することにより、サンプルを取り込むために配備された上記デバイス開口は再び閉じられる。結果として、上記機械的アセンブリは起動解除され、且つ、上記デバイスは上記第2起動状態へと遷移する。上記機械的アセンブリのこの起動解除の間に、穿刺が始動される。第1駆動操作要素13、すなわち上記デバイス開口のカバー、の内側部上には陥没部が配備され得ることから、ランセットは通常の穿通動作を実施し得る。
【符号の説明】
【0036】
1 携帯式分析デバイス
2 マガジン
3 担体テープ
4 ランセット
5 検査要素
6 センサ
7 ディスプレイ・ユニット
8 制御/評価ユニット
9 位置移動ユニット
10 供給リール
11 穿刺用駆動器
12 電気モータ
13 第1駆動操作要素
14 デバイス・ハウジング
15 第2駆動操作要素
16 更なる駆動操作要素
17 第3駆動操作要素
18 バッテリ
20 ハウジング・カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯式分析デバイスであって、
消耗可能な分析用要素(4、5)に対する位置移動ユニット(9)を有する機械的アセンブリと、
ディスプレイ・ユニット(7)と、
ランセット穿通により獲得された体液サンプルを分析するセンサ(6)と、
一連の測定結果を記憶する記憶装置と、
第1駆動操作要素(13)であって、該第1駆動操作要素(13)の駆動操作により、当該携帯式分析デバイス(1)が第1起動状態へと移行されると共に、前記機械的アセンブリが起動され、且つ、測定が準備され、測定が前記第1起動状態において該駆動操作要素(13、15、16、17)の内の1つの駆動操作要素を駆動操作することにより開始される第1駆動操作要素(13)と、
第2駆動操作要素(15)であって、該第2駆動操作要素(15)の駆動操作により当該携帯式分析デバイス(1)は第2起動状態へと移行される第2駆動操作要素(15)と、
を具備する携帯式分析デバイスにおいて、
前記ディスプレイ・ユニット(7)は、前記第2駆動操作要素(15)の駆動操作により、前記機械的アセンブリを起動することなく作動されることを特徴とする携帯式分析デバイス。
【請求項2】
前記第1駆動操作要素(13)がデバイス開口に対するカバーであり、該デバイス開口上でサンプルが取り込まれることを特徴とする請求項1に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項3】
前記カバーが枢動可能であることを特徴とする請求項2に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項4】
測定を始動させる第3駆動操作要素(17)が設けられ、該第3駆動操作要素は、前記デバイス開口上に配設され、且つ、穿刺創傷が生成されるべき身体部分を前記デバイス開口に対して当接して載置することにより駆動操作されることを特徴とする請求項2又は3に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項5】
前記第1駆動操作要素(13)が前記デバイス開口を覆う開始位置において、前記第1駆動操作要素が前記第3駆動操作要素(17)を覆うことを特徴とする請求項4に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項6】
前記機械的アセンブリが、ランセット(4)に穿刺運動を実施させる穿刺用駆動器(11)を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項7】
前記穿刺用駆動器(11)の機械的エネルギ蓄積手段を蓄力することにより、測定が準備されることを特徴とする請求項6に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項8】
前記穿刺用駆動器(11)をランセット(4)に対して連結することにより測定が準備されることを特徴とする請求項7に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項9】
前記消耗可能要素が検査要素(5)及び/又はランセット(4)であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項10】
前記機械的アセンブリが電気モータ(12)を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項11】
前記位置移動ユニット(9)により消耗要素供給器から消耗可能要素(4、5)が取出されることで、測定が準備されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項12】
前記ディスプレイ・ユニット(7)が、前記第1駆動操作要素(13)を駆動操作することにより作動されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項13】
前記第2起動状態においてはデバイス設定が変更され得ることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項14】
前記第2起動状態においては前記ディスプレイ・ユニット(7)により測定結果が表示され得ることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項15】
当該携帯式分析デバイスが、前記第2起動状態から、前記ディスプレイ・ユニット(7)が作動停止される非起動状態へと遷移することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項16】
当該携帯式分析デバイスが、所定の時間間隔の間において何らの駆動操作要素(13、15、16、17)も駆動操作されないとき、前記第2起動状態から前記非起動状態へと自動的に遷移することを特徴とする請求項15に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項17】
前記機械的アセンブリが前記第1駆動操作要素(13)を駆動操作することにより起動解除され得ることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の携帯式分析デバイス。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の携帯式分析デバイス(1)と、
前記携帯式分析デバイス内に挿入され得ると共に、消耗要素供給器を含むマガジン(2)と、
を具備するシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−518179(P2012−518179A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550470(P2011−550470)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000994
【国際公開番号】WO2010/094469
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】