説明

携帯機器

【課題】携帯機器の方位や、軌跡データを生成する技術を提供する。
【解決手段】3軸の加速度センサ12は、その3軸が地磁気センサ14の3軸と平行となるように配置される。信号処理部20は、地磁気センサ14の出力S1と、加速度センサ12の出力S2を受ける。信号処理部20は、加速度センサ12の3軸出力のうち、最も大きな成分を有する軸を鉛直軸と判定し、それ以外の2軸と対応する地磁気センサ14の2軸の出力を利用して、本携帯機器1の方位を算出するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末、デジタルカメラ、ゲーム機器、オーディオプレイヤをはじめとする携帯型の小型端末(以下、携帯機器という)に、GPS(Global Positioning System)が搭載されている。携帯機器のユーザは、GPSの位置情報を利用して、目的地までのナビゲーションとして利用したり、移動経路のログを残したりすることが可能となっている。
【0003】
携帯機器の軌跡を示すデータ(以下、軌跡データともいう)は、高い頻度でGPSの位置情報を取得し、都度得られる位置情報を補間することにより生成することができる。しかしながらGPSの消費電力は大きいため、バッテリ駆動型の携帯機器では、その動作時間が著しく短くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−22128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は係る状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、携帯機器の方位や、軌跡データを生成する技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、携帯機器に関する。携帯機器は、3軸の地磁気センサと、その3軸が地磁気センサの3軸と平行となるように配置される3軸の加速度センサと、地磁気センサの出力と、加速度センサの出力を受ける信号処理部と、を備える。信号処理部は、加速度センサの3軸出力のうち、最も大きな成分を有する軸を鉛直軸と判定し、それ以外の2軸と対応する地磁気センサの2軸の出力を利用して、本携帯機器の方位φを算出するように構成される。
【0007】
携帯機器は、ユーザによってさまざまな方向で保持される。たとえば、あるときにはユーザは、ディスプレイを地面と水平に保持し、あるときには、ディスプレイを地面と垂直に保持する。この態様によれば、ユーザが携帯機器の持ち方を変えても、携帯機器の方位φを検出できる。
【0008】
ある態様の携帯機器は、加速度センサの出力をフィルタリングするローパスフィルタをさらに備えてもよい。重力は、加速度センサの出力ベクトル値の静止成分として現れる。したがって、ローパスフィルタにより静止成分を抽出し、3軸出力のうち、最も大きな成分を有する軸を判定することで、鉛直軸を決定することができる。
【0009】
ある態様において、信号処理部は、地磁気センサの鉛直軸と判定された軸以外の2軸のうちの一方、および、それと平行な加速度センサの軸を、基準軸と規定し、地磁気センサの鉛直軸以外の2軸の出力にもとづき、地磁気と基準軸のなす角度θを算出してもよい。
これにより、地磁気の方向を検出できる。
【0010】
ある態様の携帯機器は、本携帯機器の位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)ユニットをさらに備えてもよい。信号処理部は、第1の地点においてGPSユニットが取得した位置情報と、第2の地点においてGPSユニットが取得した位置情報から、本携帯機器の初期移動方向φINITを取得し、そのときの地磁気と基準軸のなす角度θINITを取得し、それ以降は、地磁気と基準軸のなす角度θを累積的に取得してもよい。
信号処理部は、地磁気と基準軸のなす角度θを用いて、本携帯機器の移動方向を、
φ=(θ−θINIT)+φINITにより算出できる。また基準軸に対する本携帯機器の移動方向αを
α=φINIT−θにより算出できる。
【0011】
信号処理部は、加速度センサの出力にもとづき本携帯機器の移動距離を取得し、移動距離が所定の条件を満たすごとに、地磁気と基準軸のなす角度θを取得し、角度θと移動距離のセットを累積的に保持してもよい。
これにより、低消費電力で軌跡データを生成できる。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のある態様によれば、携帯機器の方位を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る携帯機器の構成を示すブロック図である。
【図2】加速度センサおよび地磁気センサの配置を示す、携帯機器の斜視図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、信号処理部による鉛直軸の判定を説明する図である。
【図4】図4(a)、(b)は、信号処理部が算出する角度θを説明する図である。
【図5】信号処理部による、携帯機器の移動方向φおよびαを説明する図である。
【図6】軌跡データを生成する方法を示すフローチャートである。
【図7】軌跡データが生成される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0016】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0017】
図1は、実施の形態に係る携帯機器1の構成を示すブロック図である。携帯機器1は、携帯電話端末、デジタルカメラ、ゲーム機器、オーディオプレイヤなどであり、GPSユニット10、3軸加速度センサ12、3軸地磁気センサ14、ローパスフィルタ16、信号処理部20、メモリ30を備える。その他に携帯機器1は、ディスプレイや、スピーカをはじめとする本発明と関連の小さなユニットを備えるが、それらは省略される。
【0018】
GPSユニット10は、GPS衛星からの電波を受信し、携帯機器1の位置情報(座標)を測定し、位置情報を示す位置データS4を生成する。
【0019】
加速度センサ12は、Xa、Ya、Zaの3軸を有し、各軸方向の加速度成分を示す加速度データS1x〜S1zを生成する。
【0020】
地磁気センサ14は、Xb、Yb、Zbの3軸を有し、各軸方向の地磁気の大きさを示す地磁気データS3x〜S3zを生成する。
【0021】
ローパスフィルタ16は、加速度センサ12からの加速度データS1x〜S1zを受け、静止成分(低周波成分)を抽出し、加速度データS2x〜S2zを生成する。地磁気センサ14に対して重力は、静止成分として作用するため、ローパスフィルタ16によって低周波成分を抽出することにより、重力の方向を検出できる。
【0022】
加速度データS1、S2、地磁気データS3、位置データS4は信号処理部20に入力される。信号処理部20は、これらのデータS1〜S4にもとづき、携帯機器1の向き、位置などを算出する。メモリ30は、各データS1〜S4、信号処理部20が算出した携帯機器1の向き、位置を格納する。
【0023】
図2は、加速度センサ12および地磁気センサ14の配置を示す、携帯機器1の斜視図である。
【0024】
加速度センサ12の3軸Xa、Ya、Zaはそれぞれ、地磁気センサ14の3軸Xb、Yb、Zbのうち対応するひとつと平行になるように配置される。図2では、XaとXb、YaとYb、ZaとZcが平行な場合を示すが、平行となる軸の組み合わせは任意である。また、加速度センサ12の各軸と、それと対応する地磁気センサ14の軸は、平行であればよく、向きは反対であってもよい。
【0025】
携帯機器1は、ユーザによってさまざまな方向で保持される。たとえば、あるときにはユーザは、ディスプレイを地面と水平に保持し、あるときには、ディスプレイを地面と垂直に保持する。そこで、信号処理部20は、加速度センサ12の3軸出力S2x〜S2zのうち、最も大きな成分を有する軸を、地面と垂直な鉛直軸と判定する。そして信号処理部20は、鉛直軸と判定された軸以外の2軸と対応する地磁気センサ14の2軸の出力を利用して、携帯機器1の方位を算出するように構成される。
【0026】
図3(a)〜(c)は、信号処理部20による鉛直軸の判定を説明する図である。
図3(a)では、加速度センサ12のZa軸が、重力g方向となるため、加速度データS2のZa軸の成分S2zが最も大きくなる。そこで信号処理部20は、加速度センサ12のZa軸およびそれと平行な地磁気センサ14のZb軸を、鉛直軸と判定する。そして信号処理部20は、地磁気センサ14からの地磁気データS3のうち、Zb軸以外のデータS3x、S3yを利用して、携帯機器1の方位φを算出する。
【0027】
図3(b)では、加速度センサ12のYa軸が、重力g方向となるため、加速度データS2のYa軸の成分S2yが最も大きくなる。この場合、加速度センサ12のYa軸および地磁気センサ14のYb軸が、鉛直軸と判定され、地磁気データS3のうち、Yb軸以外のデータS3x、S3zを利用して、携帯機器1の方位φを算出する。
【0028】
図3(c)では、加速度センサ12のXa軸が、重力g方向となるため、加速度データS2のXa軸の成分S2xが最も大きくなる。この場合、加速度センサ12のXa軸および地磁気センサ14のXb軸が、鉛直軸と判定され、地磁気データS3のうち、Xb軸以外のデータS3y、S3zを利用して、携帯機器1の方位φを算出する。
【0029】
方位φを算出する際には、傾斜補正を行うことが望ましい。地磁気センサ14は、水平では正確な方位を示すが、傾いた状態では正確な方位が示せなくなる。そこで信号処理部20は、加速度センサ12の出力データをもちいて地磁気センサ14の傾斜角を計算し、傾斜角を利用して方位の誤差を補正する。なお、歩行時には加速度センサ12の出力が振動するため、傾斜角の計算が困難となるため、傾斜補正には、ローパスフィルタ16の出力S2を利用することが望ましい。
【0030】
以上の信号処理部20の処理により、ユーザが携帯機器1の持ち方を変えても、携帯機器の方位φを検出できる。
【0031】
信号処理部20は、地磁気センサ14の鉛直軸と判定された軸以外の2軸のうちの一方、および、それと平行な加速度センサ12の軸を、基準軸(地磁気基準方向)と規定する。
たとえば信号処理部20は、あるひとつの軸(ここではYbとする)を標準の基準軸に規定しておき、Yb軸が鉛直軸でない場合には、Yb軸を基準軸に設定する。Yb軸が鉛直軸である場合には、Z軸Zbを基準軸と設定する。
あるいは信号処理部20は、Zb軸が鉛直軸のとき、Yb軸を基準軸に、Yb軸が鉛直軸のとき、Xb軸を基準軸に、Xb軸が鉛直軸のとき、Zb軸を基準軸に設定してもよい。このように基準軸の決め方は任意である。
【0032】
信号処理部20は、地磁気センサ14の鉛直軸以外の2軸の出力にもとづき、地磁気と基準軸のなす角度θを算出する。図4(a)、(b)は、信号処理部20が算出する角度θを説明する図である。図4(a)、(b)は、携帯機器1を上からみた図である。図4(a)は、Zb軸が鉛直方向、Yb軸が基準軸の場合である。破線は地磁気の方向を示す。
地磁気センサ14のYb軸方向、Xb軸方向の地磁気データS3y、S3xを用いて、θは、
θ=tan−1(S3x/S3y)
で与えられる。θは、地磁気方向(すなわち北方向)に対して、基準軸すなわち携帯機器1の向きが何度ずれているかを示す。
【0033】
図4(b)は、Yb軸が鉛直方向、Zb軸が基準軸の場合である。このときの角度θは、
θ=tan−1(S3x/S3z)
で与えられる。
【0034】
続いて、地磁気方向と基準軸がなす角度θを用いて、携帯機器1の移動方向を推定する方法を説明する。この方法では、携帯機器1の向きと、携帯機器1の進行方向は、常に一定の関係が保たれることを前提としている。
【0035】
信号処理部20は、第1の地点P1においてGPSユニット10が取得した位置データS4と、第2の地点P2において取得した位置データS4から、携帯機器1の初期移動方向φINITを取得する。ここでは移動方向φは、北方向(地磁気方向)を基準とした角度で与えられ、東方向で90度、南方向で180度、西方向で270度をとるように定められる。
【0036】
また信号処理部20は、第1地点P1、第2地点P2の少なくとも一方、たとえば第2地点P2において、地磁気と基準軸のなす角度θINITを取得する。そして、初期移動方向φINITと、角度θINITを対応付ける。
【0037】
それ以降は、信号処理部20はGPSを使用せずに、地磁気と基準軸のなす角度θにもとづいて、携帯機器1の移動方向φおよびαを計算により推定する。
移動方向φは、地磁気方向(北方向)を基準とした携帯機器1の移動方向である。移動方向αは、携帯機器1の基準軸に対する携帯機器1の移動方向である。
【0038】
図5は、信号処理部20による、携帯機器1の移動方向φおよびαを説明する図である。ここでは、Zb軸が鉛直方向、Yb軸が基準軸であるとする。第1地点P1から第2地点P2に移動したとき、それぞれの地点においてGPSユニット10が取得した位置データS4から、初期の移動方向φINITが計算される。
【0039】
そして、第2地点P2において、地磁気と基準軸のなす角度θINITが取得される。移動方向φINITと、角度θINITを対応付けることで、それ以降は、角度θにもとづき、携帯機器1の移動方向φおよびαを計算する。携帯機器1のユーザが、携帯機器1の持ち方を変えない限り、進行方向と基準軸の関係は保たれる。この場合、図5から、基準軸Ybに対する携帯機器1の移動方向は、常に、式(1)を満たすことがわかる。
α=(φINIT−θINIT) …(1)
信号処理部20は、式(1)にもとづき、携帯機器1の基準軸と、移動方向のずれ角αを計算する。たとえばユーザが基準軸であるYb軸が正面(進行方向)を向くように携帯機器1を保持する場合には、α=0°となる。
【0040】
第2地点P2にて方向を変え、第3地点P3に移動したとする。第3地点P3における基準軸と地磁気方向のなす角度θを用いると、携帯機器1の地磁気方向(北方向)を基準とする移動方向φは、式(2)で与えられる。
φ=θ+α …(2)
【0041】
式(2)に式(1)を代入すると、式(3)を得る。
φ=θ+φINIT−θINIT …(3)
【0042】
信号処理部20は、式(3)にもとづき、基準軸と地磁気方向のなす角度θを用いて、携帯機器1の移動方向を計算することができる。
【0043】
続いて、信号処理部20による、軌跡データの生成について説明する。図6は、軌跡データを生成する方法を示すフローチャートである。図7は、軌跡データが生成される様子を示す図である。図7には、各地点においてなされる、図6のフローチャートのステップが示される。
【0044】
最初に、GPSユニット10により第1の地点P1において位置データS4を取得する(S100)。その後、所定の距離L1、移動したら(S102のY)、第2の地点P2において、GPSユニット10により位置データS4を取得する(S104)。携帯機器1の移動距離は、加速度センサ12のデータにもとづいて取得できる。たとえば加速度センサ12を歩数計として利用できる。加速度センサ12により取得された歩数に、ユーザの歩幅を掛け合わせることにより、移動距離が計算できる。
【0045】
続いて、位置データS4、S4から初期移動方向φINIT(S106)する。そして、地磁気データS3にもとづき基準軸を規定し、基準軸と地磁気方向のなす角度θINIT(S108)、基準軸に対する移動方向α(S110)を取得する。
【0046】
以降、所定の移動距離L2ごとに、移動距離と角度θを取得する(S112)。移動距離と移動方向を示す角度θにもとづき、位置データS4が示す位置からの軌跡を、GPSユニット10を用いずに順に計算することができる。
【0047】
ユーザが携帯機器1を持ち代える携帯機器1の姿勢が大きく変化すると(S114のY)、角度αが変化したり、鉛直方向が変化することにより、基準軸が変化する。この場合、ステップS100に戻る。
【0048】
携帯機器1の姿勢が大きく変化しない場合(S114のN)、累積した移動距離が所定のしきい値L3以上か否かが判定される(S116)。累積の移動距離がしきい値L3を超えない場合(S116のN)、ステップS112に戻る。
【0049】
累積の移動距離がしきい値L3を超えると(S116のY)、これまでに取得した移動距離と角度θから、現在の位置データS4を計算するとともに(S118)、GPSユニット10により現在の位置データS4を再取得する(S120)。計算した位置データS4とGPSユニット10により測定した位置データS4の誤差があるしきい値以下に収まっている場合(S122のN)、ステップS112に戻る。以降は、地点P4の位置データS4が示す位置を基準として、移動距離L2および角度θにもとづき、軌跡データを生成する。
【0050】
誤差がしきい値を超えると(S122のY)、ステップS102に戻る。そして、所定の距離L1移動すると(S102のY)、GPSユニットにより位置データS4を取得する。続くステップS106では、ステップS120にて取得した位置データS4を位置データS4として利用し、位置データS4および位置データS4にもとづき、移動方向φINITが算出される。
【0051】
以上が、信号処理部20による、軌跡データの生成である。
このように携帯機器1によれば、GPSユニットを利用せずに、地点P3における移動方向を示すデータθと、移動距離を累積的に取得することにより、軌跡データを生成できる。すなわち自律航法が可能となる。GPSユニットの使用回数が減少することから、携帯機器1の消費電力が低減され、その結果電池の持ち時間を長くすることができる。これは、電池駆動型の携帯機器1においてきわめて重要な利点である。
【0052】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0053】
1…携帯機器、10…GPSユニット、12…加速度センサ、14…地磁気センサ、16…ローパスフィルタ、20…信号処理部、30…メモリ、S1,S2…加速度データ、S3…地磁気データ、S4…位置データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3軸の地磁気センサと、
その3軸が前記地磁気センサの3軸と平行となるように配置される3軸の加速度センサと、
前記地磁気センサの出力と、前記加速度センサの出力を受ける信号処理部と、
を備え、
前記信号処理部は、
前記加速度センサの3軸出力のうち、最も大きな成分を有する軸を鉛直軸と判定し、それ以外の2軸と対応する前記地磁気センサの2軸の出力を利用して、本携帯機器の方位を算出するように構成されることを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
前記加速度センサの出力をフィルタリングするローパスフィルタをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器。
【請求項3】
前記信号処理部は、
前記地磁気センサの鉛直軸と判定された軸以外の2軸のうちの一方、および、それと平行な前記加速度センサの軸を、基準軸と規定し、
前記地磁気センサの鉛直軸以外の2軸の出力にもとづき、地磁気と前記基準軸のなす角度θを算出することを特徴とする請求項1または2に記載の携帯機器。
【請求項4】
本携帯機器の位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)ユニットをさらに備え、
前記信号処理部は、
第1の地点において前記GPSユニットが取得した位置情報と、第2の地点において前記GPSユニットが取得した位置情報から、本携帯機器の初期移動方向φINITを取得し、
そのときの前記地磁気と前記基準軸のなす角度θINITを取得し、
それ以降は、前記地磁気と前記基準軸のなす角度θを累積的に取得することを特徴とする請求項3に記載の携帯機器。
【請求項5】
前記信号処理部は、前記加速度センサの出力にもとづき本携帯機器の移動距離を取得し、移動距離が所定の条件を満たすごとに、前記地磁気と前記基準軸のなす角度θを取得し、角度θと移動距離のセットを累積的に保持することを特徴とする請求項4に記載の携帯機器。
【請求項6】
前記信号処理部は、前記基準軸に対する本携帯機器の移動方向αを
α=φINIT−θINIT
を用いて算出することを特徴とする請求項4または5に記載の携帯機器。
【請求項7】
前記信号処理部は、前記地磁気と前記基準軸のなす角度θを用いて、本携帯機器の移動方向を、
φ=(θ−θINIT)+φINIT
により算出することを特徴とする請求項4または5に記載の携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−2886(P2013−2886A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132614(P2011−132614)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)