携帯機器
【課題】携帯機器を持ちながらであっても容易に地図画像の表示範囲を切り替えることが可能な携帯機器を提供すること。
【解決手段】スルー画表示中にカメラ1が横向きで構えられていることが加速度検出部25の出力から判定された場合に、カメラ1の現在の方位と平行な方向の加速度が発生したか否かが加速度検出部25の出力から判定される。カメラ1の現在の方位と平行な方向の加速度が発生したと判定された場合、カメラ1の現在の方位に対して遠方の所定の範囲の地図画像が表示される。
【解決手段】スルー画表示中にカメラ1が横向きで構えられていることが加速度検出部25の出力から判定された場合に、カメラ1の現在の方位と平行な方向の加速度が発生したか否かが加速度検出部25の出力から判定される。カメラ1の現在の方位と平行な方向の加速度が発生したと判定された場合、カメラ1の現在の方位に対して遠方の所定の範囲の地図画像が表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像画像と地図画像とを表示可能な携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等の携帯機器において、地図画像を表示できるようにしたものが提案されている。例えば、特許文献1において提案されている携帯機器は、GPS(Global Positioning System)モジュール等の位置検出部が搭載されており、位置検出部で検出された現在位置の周辺の地図画像を表示させるように構成されている。また、特許文献1において提案されている携帯機器は、電子ファインダ表示(スルー画表示等ともいう)も可能であり、電子ファインダ画像と地図画像との表示切り替えをスムーズに行うことができるように、携帯機器の姿勢変化に応じて電子ファインダ画像と地図画像との表示切り替えを行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4264099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1では、携帯機器の現在位置の周辺の地図画像を表示させるようにしている。しかしながら、特許文献1では、地図画像の表示範囲を切り替える際の操作性の向上については特に言及がない。例えば、地図画像の表示範囲を切り替えるための操作として、従来では、タッチパネル上での指のスライド操作に応じて地図画像の表示範囲を切り替える手法等が知られている。このような手法を特許文献1に適用した場合には、ユーザが、携帯機器を持ちながら地図画像の表示範囲の切り替えの操作を行うことになる。この場合、特に、携帯機器を両手で持った状態での操作は困難である。
【0005】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、携帯機器を持ちながらであっても容易に地図画像の表示範囲を切り替えることが可能な携帯機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明の一態様の携帯機器は、当該携帯機器の位置を検出する位置検出部と、前記携帯機器の方位を検出する方位検出部と、前記位置と前記方位とに基づく範囲の地図画像を取得する地図画像取得部と、前記取得された地図画像を表示部に表示させる表示制御部と、前記携帯機器に発生した加速度を検出する加速度検出部と、を具備し、前記地図画像取得部は、前記方位検出部によって検出された方位と平行な方向の加速度が前記加速度検出部によって検出されたときに、前記位置と前記方位とに基づいて取得した前記地図画像よりも遠方の範囲を含む地図画像を取得し、前記表示制御部は、前記地図画像取得部によって新たに取得された地図画像を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、携帯機器を持ちながらであっても容易に地図画像の表示範囲を切り替えることが可能な携帯機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯機器の一例としてのデジタルカメラの構成を示す図である。
【図2】撮像画像と地図画像の向きの関係を示した図である。
【図3】ユーザがデジタルカメラを構えているときの様子を示した図である。
【図4】地図画像の例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるスルー画表示中の地図画像の表示例を示す図である。
【図6】地図画像を表示させるための操作について示した図である。
【図7】地図画像の拡大表示について示した図である。
【図8】地図画像の重ね表示から拡大表示への切り替え操作について示した図である。
【図9】拡大表示から地図画像の重ね表示への切り替え操作について示した図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの撮影モードの制御について示すフローチャートである。
【図11】地図画像データの取得処理について説明するための図である。
【図12】地図表示モードの制御について示すフローチャートである。
【図13】地図表示モード中の地図画像の表示範囲の切り替え操作について示した図である。
【図14】再生モードの制御について示すフローチャートである。
【図15】再生モード中の地図画像の表示操作について示した図である。
【図16】高度情報を有する地図画像データの例を示す図である。
【図17】高度情報を考慮した地図画像データの取得処理の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯機器の一例としてのデジタルカメラの構成を示す図である。本実施形態に係るデジタルカメラ(以下、カメラという)1は、制御部11と、データ記録部12と、ボタン操作部13と、タッチパネル14と、撮像部15と、記憶部16と、表示駆動部17と、表示部18と、画像処理部19と、圧縮伸長部20と、記録・再生部21と、画像記録部22と、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25と、を有している。
【0010】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成されており、カメラ1の動作を統括的に制御する。この制御部11は、GUI(Graphical User Interface)制御部11a、機能実行部11b、表示制御部11c、地図画像取得部11d、及び操作検出部11eとしての機能を有している。GUI制御部11aとしての機能は、データ記録部12のGUIデータ記録部12aに記録されているGUI表示データを受け取り、GUI表示データを表示駆動部17に出力して表示部18にGUI画面を表示させる機能である。機能実行部11bとしての機能は、操作検出部11eの機能によって検出されたボタン操作部13又はタッチパネル14の操作に応じてカメラ1の動作を実行する機能である。表示制御部11cとしての機能は、画像記録部22に記録されている撮像画像データや地図データ記録部12cに記録されている地図画像データ等に基づく各種の画像を表示部18に表示させるための制御を行う機能である。地図画像取得部11dとしての機能は、方位検出部23、位置検出部24等の出力に基づき、所定範囲の地図画像データを地図データ記録部12cから取得する機能である。操作検出部11eとしての機能は、ボタン操作部13又はタッチパネル14からの操作信号を検出することにより、ボタン操作部13又はタッチパネル14の操作を検出する機能である。
【0011】
また、制御部11は、バスライン30を介して、撮像部15と、記憶部16と、表示駆動部17と、画像処理部19と、圧縮伸長部20と、記録・再生部21と、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25とに接続されている。
【0012】
データ記録部12は、例えばフラッシュメモリ等の電気的に書き換えが可能な不揮発性メモリで構成されている。このデータ記録部12は、GUIデータ記録部12a、プログラム記録部12b、及び地図データ記録部12cとしての記録領域を有している。GUIデータ記録部12aは、GUI表示データを記録しておくための記録領域である。GUI表示データは、表示部18の表示画面上での操作を行うためのGUI画面を表示部18に表示させるために必要となる情報である。このGUI表示データは、アイコンデータ等から構成されている。プログラム記録部12bは、機能実行部11bによって実行されるカメラ1の制御プログラムや制御プログラムの実行に必要な制御パラメータを記録しておくための記録領域である。地図データ記録部12cは、地図画像データを記録しておくための記録領域である。ここで、地図画像データは、位置(緯度・経度)情報と対応付けがなされている。
【0013】
ボタン操作部13は、レリーズボタン、電源ボタン、ズームボタン、モードボタン、十字ボタン、決定ボタン等の、押圧操作によって操作される操作部材である。各ボタンは、押圧操作によって信号を出力する。ここで、レリーズボタンは、ユーザが撮影タイミングを指示するためのボタンである。電源ボタンは、カメラ1の電源のオン又はオフを指示するためのボタンである。ズームボタンは、ズーミングの指示をするために用いられるボタンである。モードボタンは、カメラ1の動作モードを変更するために用いられるボタンである。十字ボタンは、例えばGUI画面内での項目の選択に用いられるボタンである。決定ボタンは、例えばGUI画面内での項目の決定に用いられるボタンである。上述の各種のボタンは、必ずしもボタン式の操作部として構成する必要はない。
【0014】
接触検出部の一例として機能するタッチパネル14は、例えば表示部18の表示画面の上に重ねて配置されている。このタッチパネル14は、指等の接触があると、その接触位置から信号を出力する。このタッチパネル14により、GUI画面上に表示されているアイコンへの接触操作を検出する。
【0015】
撮像部15は、カメラ部と撮像処理部とを有している。
カメラ部は、被写体像を撮像するためのものであり、撮像光学系、撮像素子、絞り、シャッタ、AF機構、AF駆動回路、ズーム機構、ズーム駆動回路等を有している。撮像光学系は、フォーカスレンズやズームレンズ等の複数のレンズを有し、被写体像を集光して撮像素子に結像させる。撮像素子は、例えばCCDセンサやCMOSセンサ等の2次元固体撮像素子であり、撮像光学系を通して入射する被写体像を光電変換し、アナログ電気信号として出力する。絞りは、例えば撮像光学系内に配置されており、絞り込まれることによって、撮像光学系を通して撮像素子に入射する光束を制限する。シャッタは、例えば撮像素子の受光面に対して進退自在に構成されており、撮像素子の受光面を遮光状態又は露出状態とする。AF機構は、フォーカスレンズを駆動させるための機能である。フォーカスレンズを駆動することにより、撮像光学系の焦点位置が調整される。AF駆動回路は、AF機構を駆動するための駆動回路である。ズーム機構は、ズームレンズを駆動させるための機能である。ズームレンズを駆動することにより、撮像光学系の画角が調整される。ズーム駆動回路は、ズーム機構を駆動するための駆動回路である。
【0016】
撮像処理部は、撮像素子駆動回路、アナログ処理回路、A/D変換回路等を有している。撮像素子駆動回路は、撮像素子の駆動をするとともに、撮像素子からのアナログ電気信号を読み出す。アナログ処理回路は、撮像素子から出力されるアナログ電気信号に対してAGC(Auto Gain Control)処理やCDS(Correlated Double Sampling)処理等のアナログ信号処理を施す。AGC処理は、撮像素子からのアナログ電気信号を所定のゲインで増幅する処理である。CDS処理は、アナログ電気信号に含まれている暗電流ノイズ等を除去する処理である。また、A/D変換回路は、アナログ処理回路でアナログ処理されたアナログ電気信号を、デジタル電気信号に変換して出力する。
【0017】
記憶部16は、例えばSDRAMで構成されている。この記憶部16は、制御部11等において各種処理を実行する際のワーキングエリアとして利用される。また、記憶部16は、撮像部15で得られたデジタル電気信号(RAWデータ等と呼ばれる)や、画像処理部19における処理によって得られた撮像画像データ等の各種のデータを一時的に記憶しておくためにも利用される。
【0018】
表示駆動部17は、D/A変換回路等を有している。D/A変換回路は、制御部11から受け取った撮像画像データや地図画像データ等を、表示部18の表示画面のサイズに合わせてリサイズし、リサイズした撮像画像データや地図画像データ等を表示部18に出力して表示部18に画像を表示させる。
【0019】
表示部18は、表示駆動部17に接続されており、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electroluminescence Display)等の表示部である。この表示部18は、例えばカメラ1の本体背面に露出配置されており、表示駆動部17から入力された画像データに基づいて撮像画像、地図画像、スルー画像等の各種の画像を表示する。また、表示部18は、表示駆動部17から入力されたGUI表示データに基づいてGUI画面を表示することも行う。
【0020】
画像処理部19は、撮像部15から出力されたデジタル電気信号に対して画像処理を施して撮像画像データを得る。この画像処理としては、画素補間処理、色補正処理、ガンマ処理等がある。画素補間処理は、複数の隣接する画素のデータを加算したり、複数の隣接する画素のデータから新たな画素のデータを作成したりする処理である。色補正処理は、画像の色を表示や記録に適したものに補正する処理である。ガンマ処理は、画像の階調を表示や記録に適したものに補正する処理である。この画像処理部19は、記録時(撮影時)には記録用の画像処理を施し、スルー画表示時には表示用の簡易な画像処理を施す。
【0021】
圧縮伸長部20は、記録時(撮影時)には、画像処理部19によって得られた撮像画像データに対して例えば周知のJPEG方式に基づく圧縮処理を施す。また、圧縮伸長部20は、再生時には、画像記録部22に記録されている圧縮済みの撮像画像データに対して周知のJPEG方式に基づく伸長処理を施す。
【0022】
記録・再生部21は、画像記録部22への画像ファイルの書き込みや画像記録部22からの画像ファイルの読み出しを行うためのものであり、画像記録部22の種類に応じたものが用いられる。また、記録・再生部21は、画像記録部22に記録された一部の画像ファイルの削除や画像記録部22の記録状態の初期化(画像ファイルの全削除)も実行する。
【0023】
画像記録部22は、画像ファイルを記録するための記録媒体である。この画像記録部22は、例えばSDカード(登録商標)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等のカメラ本体に着脱自在な記録媒体や、HDD(Hard Disc Drive)等のカメラ本体に内蔵される記録媒体である。
【0024】
方位検出部23は、カメラ1の現在の方位(例えば北を基準とした方位)を検出する。この方位検出部23は、例えば電子コンパスで構成されている。方位検出部23によって検出される方位から、撮像光学系の向きを検出することも可能である。
【0025】
位置検出部24は、カメラ1の現在位置(例えば緯度及び経度)を検出する。この位置検出部24は、例えばGPSモジュールであって、図示しない複数のGPS衛星からの信号を受けてカメラ1の現在位置を検出する。
【0026】
加速度検出部25は、カメラ1に発生している加速度を検出する。この加速度検出部25は、例えば図2に示すようにしてカメラ1の本体に設定された3軸方向の加速度をそれぞれ検出する3個の加速度検出部を有している。図2の例は、ユーザがカメラ1を横位置で構えたときに、地表に対して平行であって撮像光学系の光軸に対して垂直な方向をX軸に、地表に対して垂直な方向をY軸に、地表に対して平行であって撮像光学系の光軸に対しても平行な方向をZ軸に設定している。また、X軸の正方向は、カメラ1を正面から見た場合の左手方向とし、Y軸の正方向は、カメラ1を正面から見た場合の天空方向とし、Z軸の正方向は、カメラ1の正面に向かう方向としている。
【0027】
ここで、加速度検出部25を構成する何れの加速度検出部によって重力が検出されるかによって、カメラ1の姿勢を検出することもできる。この場合、加速度検出部25は、姿勢検出部としても機能する。加速度の検出と姿勢の検出とを別個の加速度検出部によって行っても良いし、角速度検出部等を用いて姿勢の検出を行うようにしても良い。
【0028】
次に、本実施形態に係る携帯機器の動作について説明する。撮像画像の記録時に、ユーザ100は、図3に示すようにしてカメラ1を構えつつ、被写体(例えば建物)200に向ける。このとき、被写体200を含む地表に対して垂直な平面内の画像が、撮像画像として取得される。一方、地図データ記録部12cに記録されている地図画像データが、図4に示すような、上空から俯瞰して見た地図を示す画像データであるとする。この場合、撮像画像の向きと地図画像の向きとが、図2に示すように互いに直交する関係となる。
【0029】
例えば、図3のようにしてカメラ1を構えている状態でスルー画表示が行われるとする。スルー画表示では、図5(a)に示すような、撮像部15を介して得られるスルー画表示用の撮像画像(以下、スルー画像という)181が、表示部18に逐次表示される。このようなスルー画表示によって表示部18をファインダとして利用可能である。
【0030】
本実施形態では、図6に示すようにしてカメラ1を前方に動かす(Z軸方向の加速度を加える操作をする)ことにより、スルー画表示中の地図画像表示を行う。ここで、スルー画表示中においては、カメラ1が向いている方向に何があるのかを特定できたほうが良い。このため、本実施形態では、例えば、位置検出部24によって検出されたカメラ1の現在の位置から、方位検出部23によって検出されたカメラ1の現在の方位と平行な方向の所定の範囲の地図画像を表示させることとする。ここで、図4に示したような地図画像を表示部18にそのまま表示させてしまうと、表示部18の表示面が地表に対して垂直になっていることから、地図画像の方向が実際の風景と対応しなくなる。したがって、本実施形態では、図5(b)に示すようにして地図画像を台形状に整形してからスルー画像に重畳させる。この台形状は、カメラ1の現在位置から見て遠い側の辺(以下、上辺という)の幅が、カメラ1の現在位置から見て近い側の辺(以下、下辺という)の幅よりも短くなっている台形状である。また、地図画像の向きは、図5(b)に示すように、地図画像の上辺が、表示部18の上側となるようにする。さらに、地図画像とともに地図画像内の地名を表す指標、地図画像の縮尺を表す指標、現在地を示す指標等を表示させるようにしても良い。
【0031】
図5(b)にして地図画像182を重畳することにより、スルー画像と地図画像との関係が、図2で示した関係と対応する。このため、ユーザがスルー画像と地図画像との関係を把握し易くなる。また、地図画像を表示させるための操作を、図6に示すようなカメラ1を前方に動かす操作とすることにより、表示部18の表示面を地表に対して垂直な状態としたままで操作を行うことが可能である。このため、ユーザは、カメラ1を両手で構えた状態でかつスルー画像を見ながら地図画像の表示操作を行うことが可能である。
【0032】
また、本実施形態では、図5(b)に示したようにして地図画像182が表示された後、再度、カメラ1を前方に動かすことにより、地図画像の表示範囲の切り替えを行う。このとき、図5(c)に示すようにして、現在の表示範囲よりも遠方の所定範囲の地図画像182aをスルー画像181に重畳させる。この地図画像の表示範囲の切り替え操作も、ユーザがカメラ1を両手で構えた状態でかつスルー画像を見ながら行うことが可能である。
【0033】
図5(b)又は図5(c)で示した表示がなされている状態では、ユーザは、スルー画画像と地図画像の両方を同時に見ることが可能である。さらに、図5(b)又は図5(c)の表示がなされている状態でユーザが所定の操作を行った場合には、図7に示すようにして地図画像182を拡大して表示させる。この表示を行うための所定の操作としては、例えば、図8(a)に示すような地図画像182の下部にタッチする操作、図8(b)に示すようなカメラ1を下に向ける操作等が考えられる。図8(a)及び図8(b)で示した以外の操作としても良い。図7に示したような拡大表示では、図5(b)又は図5(c)の表示に比べて地図画像の表示面積を広くすることができる。
【0034】
また、図7で示す拡大表示中に図8と逆の操作がなされた場合には、図5(b)又は図5(c)で示した表示に戻す。即ち、図9(a)に示すような地図画像182の上部にタッチする操作、図9(b)に示すようなカメラ1を上に向ける操作が行われた場合には表示を戻すようにする。この他、図9(c)に示すようにして、地図画像182を画面外に移動させるように指をスライドさせるような操作を受けて図5の表示に戻すようにしても良い。なお、図9で示した操作が行われた場合には、図5(b)又は図5(c)の表示に戻すのではなく、図5(a)で示したスルー画表示に戻すようにしても良い。
【0035】
以下、上述した地図画像表示の詳細についてさらに説明する。図10は、カメラ1の制御部11において実行される撮影モードの制御について示すフローチャートである。カメラ1の電源がオンされると、制御部11は、プログラム記録部12bに記録された制御プログラムを読み出して図10の制御を開始する。この後、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25の動作をそれぞれ開始させる。
【0036】
図10において、まず、制御部11は、カメラ1の動作モードが撮影モードであるか否かを判定する(ステップS101)。本実施形態に係るカメラ1は、動作モードとして、撮影モード、再生モード、地図表示モードを少なくとも有している。撮影モードは、記録用の撮像画像を得るための動作モードである。再生モードは、画像記録部22に記録された撮像画像を再生するための動作モードである。地図表示モードは、図7で示したような拡大された地図画像を表示するための動作モードである。これらの動作モードの切り替えは、例えばユーザによるモードボタンの操作によって行われる。
【0037】
ステップS101において、動作モードが撮影モードであると判定した場合、制御部11は、撮像部15によるスルー画表示用の撮像を開始させる(ステップS102)。そして、制御部11は、スルー画表示を行う(ステップS103)。スルー画表示に際し、制御部11は、画像処理部19により、撮像部15を介して得られたスルー画表示用のデジタル電気信号に対してスルー画表示用の画像処理を施し、この画像処理によって得られたスルー画像データを表示駆動部17に出力する。これを受けて、表示駆動部17は、図5(a)に示すようなスルー画像を表示部18に表示させる。
【0038】
スルー画表示の後、制御部11は、地図画像が表示中であるか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104において、地図画像が表示中でないと判定した場合、制御部11は、Y軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が、重力加速度(約9.8m/s2)を示しているか否かを判定する(ステップS105)。
【0039】
ステップS105において、Y軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していると判定した場合、即ちカメラ1が図3のようにして構えられており、表示部18の表示面がユーザのほうを向いていると考えられる場合に、制御部11は、画像処理部19で得られたスルー画像データの中央部に顔画像が存在していないか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106においては、例えば、スルー画像データの中央部から顏の特徴量が検出されない場合には顔画像が存在していないと判定する。この他、簡易的な手法として、例えばスルー画像データの中央部に略円形の輪郭が抽出されない場合には、顔画像が存在しないと判定するようにしても良い。なお、ステップS106の判定を行うのは、地図画像の表示が主に風景撮影の際に用いられると考えられるためである。用途によらずに地図画像を表示させる場合には、ステップS106の判定を省略する。
【0040】
ステップS106において、スルー画像データの中央部に顏画像が存在していない、即ち風景撮影がなされていると判定した場合に、制御部11は、Z軸方向の加速度が発生したか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107においては、例えばZ軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が所定の値以上となった場合に、Z軸方向の加速度が発生したと判定する。この加速度の閾値は、例えば制御パラメータとしてプログラム記録部12bに予め記録されている。
【0041】
ステップS105においてY軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していないと判定した場合、ステップS106においてスルー画像データの中央部に顏画像が存在していると判定した場合、又はステップS107においてZ軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が所定の値以上となっていないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS115に移行させる。
【0042】
ステップS107において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が所定の値以上となったと判定した場合、即ち図6で示したような前方へのカメラ1の動きが検出された場合に、制御部11は、地図データ記録部12cから地図画像データを取得する(ステップS108)。
【0043】
ここで、ステップS108における地図画像データの取得処理について説明する。まず、第1の例として、カメラ1の画角を考慮して地図画像データを取得する。例えば、地図上の図11(a)の位置にカメラ1が存在しており、図11(a)で示す方位にカメラ1の撮像光学系が向いているとすると、図11(a)の画角φによって規定される範囲内の撮像画像が取得される。第1の例では、この画角φに対応した範囲の地図画像を表示させる。例えば、図11(a)に示すように、カメラ1の現在位置を含んでカメラ1の現在の方位と直交する方向の辺を下辺とし、この下辺からカメラ1の現在の方位と平行な方向に所定距離L(例えば1km)の整数倍だけ離れた辺を上辺とする矩形の範囲であって、上辺の長さが画角φと対応している範囲の地図画像データを取得する。より詳しく説明すると、第1の例では、カメラ1の現在位置を含み、カメラ1の現在の方位と平行な方向の幅が(n×L)(n=1、2、…)であり、カメラ1の現在の方位と直交する方向の幅が(2×n×Ltan(φ/2))である矩形の範囲の地図画像データを取得する。nの値は、初期値を1とし、Z軸の正方向の加速度がカメラ1に加えられる毎に1ずつ増加させる。この場合、ステップS108の処理では、図11(a)の地図範囲1で示す地図画像データが取得され、その後のステップS111においてZ軸の正方向の加速度が再び検出されたときには、図11(a)の地図範囲2で示す地図画像データが取得される。このような第1の例では、現在位置から撮影可能なランドマークを知ることができる地図画像を表示させることが可能である。
なお、上述の地図画像データの取得処理によって、該当する地図画像データを取得できない場合も考えられる。このような場合には、該当する地図画像データが存在していない旨をユーザに警告することが望ましい。この際、制御部11は、例えば表示部18に警告表示を行う。この他、音声再生部を持たせれば、音声によって警告をしても良い。
【0044】
また、第2の例として、カメラ1の画角を考慮せずに地図画像データを取得するようにしても良い。第2の例では、図11(b)に示すように、カメラ1の現在位置を含んでカメラ1の方位と直交する方向の所定幅Wの辺を下辺とし、この下辺からカメラ1の現在の方位と平行な方向に所定距離L(例えば地図画像上での1km)の整数倍だけ離れた所定幅Wの辺を上辺とする矩形の範囲の地図画像データを取得する。より詳しく説明すると、第2の例では、カメラ1の現在位置を含み、カメラ1の現在の方位と平行な方向の幅が(n×L)(n=1、2、…)であり、カメラ1の方位と直交する方向の辺の幅がWである矩形の範囲の地図画像データを取得する。nの値は、初期値を1とし、Z軸の正方向の加速度がカメラ1に加えられる毎に1ずつ増加させる。この場合、ステップS108の処理では、図11(b)の地図範囲1で示す地図画像データが取得され、その後のステップS111においてZ軸の正方向の加速度が再び検出されたときには、図11(b)の地図範囲2で示す地図画像データが取得される。このような第2の例では、カメラ1の向いているほうに何があるかを知ることができる地図画像を表示させることが可能である。また、第2の例では、第1の例に比べて地図画像データの範囲の演算を簡略化することが可能である。
【0045】
ここで、第1の例及び第2の例では、カメラ1が前方に動かされる毎にLずつ遠方の地図画像データを取得するようにしている。これに対し、Lを可変としても良い。例えば、Z軸の正方向の加速度の大きさに応じてLを設定したり、撮像光学系の焦点距離、即ちズームレンズのズーム状態に応じてLを設定したりしても良い。さらには、これらを組み合わせてLを変化させるようにしても良い。
【0046】
例えば、加速度の大きさに応じてLを設定する場合、Lと加速度の大きさとの関係を定義しておく。例えば、L=(αZ/α0)×L0と定義しておく。この式のαZは、Z軸方向の加速度である。また、α0は、所定の加速度の大きさであって、例えば重力加速度や加速度検出部25で検出可能な最大加速度である。また、L0は所定値(例えば地図画像上での1km)である。このようにして加速度に応じてLを可変とすることにより、例えば遠方の地図画像を表示させるために何回もカメラ1を動かす必要がなくなる。
【0047】
また、ズーム状態に応じてLを設定する場合には、Lとズーム位置との関係を定義しておく。この関係は、例えばテーブルとして地図データ記録部12cに記憶させておく。なお、このテーブルは、ズームレンズが望遠側にある場合のLよりもズームレンズが広角側にある場合のLのほうが短くなるように設定しておく。
【0048】
以下、図10の説明に戻る。地図画像データを取得した後、制御部11は、取得した地図画像データに基づく地図画像をスルー画像に重ねて表示させる(ステップS109)。その後、制御部11は、処理をステップS115に移行させる。ここで、ステップS109において、制御部11は、地図画像データを表示駆動部17に入力する。表示駆動部17は、入力された地図画像データを表示部18の表示画面の大きさに合わせてリサイズするとともに台形状に整形し、台形状に整形した地図画像データをスルー画像データに重ねて表示部18に表示させる。ここで、台形状地図画像データの高さは、例えばもとの1/2とする。また、上辺と下辺の長さの比は、例えば1:2とする。これらの値は一例であって適宜変更可能である。
【0049】
また、ステップS104において、地図画像が表示中であると判定した場合、制御部11は、制御部11は、Z軸方向の加速度が再び発生したか否かを判定する(ステップS110)。
【0050】
ステップS110において、Z軸方向の加速度が再び発生したと判定した場合、制御部11は、現在のカメラ1の方位と平行な方向のさらに遠方の地図画像をスルー画像に重ねて表示させる(ステップS111)。その後、制御部11は、処理をステップS115に移行させる。ステップS111の処理は、ステップS108及びS109の処理に準じたものであり、nの値に1を加えた範囲の地図画像データを新たに取得して表示部18に表示させる点が異なる。
【0051】
また、ステップS110において、Z軸方向の加速度が再び発生していないと判定した場合、制御部11は、タッチパネル14の出力から、ユーザによって表示部18に表示中の地図画像の下部へのタッチ操作がなされたか否かを判定するとともに、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示しているか否かを判定する(ステップS112)。
【0052】
ステップS112において、ユーザによる地図画像の下部へのタッチ操作がなされたと判定した場合、又はZ軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していると判定した場合、即ちカメラ1の姿勢が下向き(撮像光学系が地表を向いている状態)に変化したと考えられる場合に、制御部11は、後述する地図表示モードの制御を実行する。
【0053】
ステップS112において、ユーザによる地図画像へのタッチ操作がなされていないと判定し、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していないと判定した場合、制御部11は、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が負の重力加速度を示しているか否かを判定する(ステップS113)。Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が負の重力加速度を示している状態とは、カメラ1の姿勢が上向きになってカメラ1の背面側に重力がかかっている状態を示している。
【0054】
ステップS113において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が負の重力加速度を示していないと判定した場合、制御部11は、処理をステップS115に移行させる。また、ステップS113において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が負の重力加速度を示していると判定した場合、即ちカメラ1の姿勢が上向きに変化したと考えられる場合に、制御部11は、地図画像の表示を終了させるように表示駆動部17に指示する(ステップS114)。その後、制御部11は、処理をステップS101に戻す。
【0055】
また、ステップS105、S106、107、S113においてNoであると判定した場合、又はステップS109、S111の後、制御部11は、ユーザによって撮影実行の指示がなされたか、即ちユーザによってレリーズボタンが押されたか否かを判定する(ステップS115)。
ステップS115において、撮影実行の指示がなされていないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS101に戻す。また、ステップS115において、撮影実行の指示がなされたと判定した場合に、制御部11は、撮影動作及び記録動作を実行する(ステップS116)。撮影動作において、制御部11は、AF駆動回路を制御してAF機構を駆動させることにより、フォーカスレンズを駆動して撮像光学系の焦点位置を調整する。その後、制御部11は、絞りやシャッタを駆動しつつ、撮像部15による撮像を開始させる。続いて、制御部11は、撮像部15を介して得られた記録用のデジタル電気信号に対し、画像処理部19により、記録用の画像処理を施す。そして、制御部11は、画像処理によって得られた撮像画像データを、圧縮伸長部20により圧縮する。その後、制御部11は、圧縮した撮像画像データにヘッダ情報を追加して画像ファイルを生成し、生成した画像ファイルを記録・再生部21を介して画像記録部22に記録させる。ここで、ヘッダ情報としては、絞りやシャッタの値やズーム状態等の他、ファイル名、撮影日時情報、撮影場所の経度情報K及び緯度情報I等を記録する。
【0056】
ここで、記録動作の際に、撮影動作の直前にスルー画像データに重畳されていた地図画像データを、画像ファイルと併せて画像記録部22に記録させるようにしても良い。この場合には、撮像画像データと地図画像データとを単一のファイルに記録しても良いし、別々のファイルに記録しても良い。また、地図画像データは、台形状に整形した後のものを記録しても良いし、台形状に整形する前のものを記録しても良い。
【0057】
また、ステップS101において、動作モードが撮影モードでないと判定した場合、制御部11は、動作モードが再生モードであるか否かを判定する(ステップS117)。ステップS117において、動作モードが再生モードであると判定した場合、制御部11は、後述する再生モードの処理を実行する。また、ステップS117において、動作モードが再生モードでないと判定した場合、即ち動作モードが地図表示モードである場合に、制御部11は、地図データ記録部12cから地図画像データを取得する(ステップS118)。その後、制御部11は、後述する地図表示モードの処理を実行する。ここで、ステップS118の処理は、ステップS108と同様の処理で良いため、説明を省略する。
【0058】
図12は、地図表示モードの制御について示すフローチャートである。地図表示モードにおいて、制御部11は、表示部18におけるスルー画表示を中止させる。その後、制御部11は、表示部18に表示させている地図画像を、図7に示すようにして表示部18の全面に表示させる(ステップS201)。全面表示の際には、地図画像データを台形状に補正する必要はない。
【0059】
地図画像を全面表示した後、制御部11は、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が、重力加速度を示しているか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していないと判定した場合、例えばカメラ1が横向きで構えられていると考えられる場合に、制御部11は、モードボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203において、モードボタンが操作されていないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS201に戻す。また、ステップS203において、モードボタンが操作されたと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS101に戻す。
【0060】
また、ステップS202において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していると判定した場合、即ちカメラ1が下向きで構えられており、表示部18の表示面が上面を向いていると考えられる場合に、制御部11は、Y軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重量加速度を示しているか否かを判定する(ステップS204)。
【0061】
ステップS204において、Y軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していないと判定した場合、即ちカメラ1の姿勢が下向きのままであると考えられる場合に、制御部11は、タッチパネル14の出力から、ユーザによって地図画像の上部へのタッチ操作がなされたか否かを判定する(ステップS205)。
【0062】
ステップS204においてY軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していると判定した場合、即ちカメラ1の姿勢が下向きから横向きに変化したと考えられる場合、又はユーザによって地図画像の上部へのタッチ操作がなされたと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS115に移行させる。この場合には、図7で示した表示から図5(b)又は図5(c)で示した表示に戻る。
【0063】
ステップS205において、ユーザによって地図画像の上部へのタッチ操作がなされていないと判定した場合に、制御部11は、Y軸方向の加速度が発生したか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206においては、例えばY軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が所定の値以上となった場合に、Y軸方向の加速度が発生したと判定する。この加速度の閾値は、例えば制御パラメータとしてプログラム記録部12bに予め記録されている。
【0064】
ステップS206においてY軸方向の加速度が発生していないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS201に戻す。この場合、地図画像の拡大表示が継続される。また、ステップS206において、Y軸方向の加速度が発生したと判定した場合、即ち図13で示したように、カメラ1が下向きの状態で前方への加速度が加えられたと考えられる場合に、制御部11は、方位検出部23の出力から、現在のカメラ1の方位を検出する(ステップS207)。続いて、制御部11は、現在のカメラ1の方位と平行な方向のさらに遠方の地図画像を表示させる(ステップS208)。その後、制御部11は、処理をステップS201に戻す。
【0065】
図14は、再生モードの制御について示すフローチャートである。再生モードにおいて、制御部11は、表示駆動部17を制御して、画像記録部22に記録されている画像ファイルの一覧を表示部18に表示させる(ステップS301)。その後、制御部11は、ユーザにより、一覧表示された画像ファイルの何れかが選択されたか否かを判定する(ステップS302)。
【0066】
ステップS302において、画像ファイルの何れかが選択されたと判定した場合に、制御部11は、選択された画像ファイルを再生する(ステップS303)。この際、制御部11は、記録・再生部21を介して画像ファイルを読み出し、読み出した画像ファイルを圧縮伸長部20に入力して撮像画像データを伸張する。その後、制御部11は、伸長した撮像画像データを表示駆動部17に入力し、表示部18に拡大画像を表示させる。
【0067】
画像ファイルの再生後、制御部11は、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度から増加したか否かを判定する(ステップS304)。
【0068】
ステップS304において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度から増加していないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS302に戻す。また、ステップS304において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度から増加したと判定した場合、即ち図15に示すようにカメラ1が下向きの状態で下方への加速度が加えられたと考えられる場合に、制御部11は、選択されている画像ファイルのヘッダ情報から、撮影時において、撮像画像が得られた位置を示す経度情報K及び緯度情報Iを取得する(ステップS305)。そして、制御部11は、取得した経度情報K及び緯度情報Iを含む地図画像データを、地図データ記録部12cから検索する(ステップS306)。
【0069】
地図画像データの検索の後、制御部11は、該当する地図画像データが存在しているか否かを判定する(ステップS307)。ステップS307において、該当する地図画像データが存在していると判定した場合に、制御部11は、該当する地図画像データを地図データ記録部12cから読み出し、読み出した地図画像データに基づく地図画像を現在再生中の撮像画像に重ねて表示させる(ステップS308)。この際、例えば再生中の撮像画像と地図画像の何れか一方を縮小して表示させる。
【0070】
地図画像の表示後、制御部11は、画像ファイルの再生を終了させるか否かを判定する(ステップS309)。画像ファイルの再生を終了させるか否かの判定は、例えば画像ファイルの終了を指示するための所定のボタンが操作されたか否かを判定することで行う。ステップS309において、画像ファイルの再生を終了させないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS308に戻す。また、ステップS309において、画像ファイルの再生を終了させると判定した場合に、制御部11は、処理をステップS302に戻す。
【0071】
また、ステップS307において、該当する地図画像データが存在していないと判定した場合に、制御部11は、該当する地図画像データが存在していない旨をユーザに警告する(ステップS310)。この際、制御部11は、例えば表示部18に警告表示を行う。この他、音声再生部を持たせれば、音声によって警告をしても良い。
【0072】
また、ステップS302において、画像ファイルが選択されていないと判定した場合に、制御部11は、モードボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS311)。ステップS311において、モードボタンが操作されていないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS301に戻す。また、ステップS311において、モードボタンが操作されたと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS101に戻す。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、カメラ1の現在の方位と平行な方向の加速度(動き)に応じて地図画像の表示を開始させたり、地図画像の表示範囲を切り替えたりするようにしている。これにより、ユーザは、カメラ1を両手で構えながらでも容易に、地図画像の表示に関する操作を行うことが可能である。
【0074】
また、本実施形態では、カメラ1が構えられている、即ち表示部18の表示面がユーザのほうを向いている場合には、地図画像を台形状に補正してからスルー画像に重ねて表示させるようにしている。これにより、地図画像を見たユーザに奥行感を感じさせ、また、撮像画像(スルー画像)と地図画像との関係が把握し易くなる。また、カメラ1が下向きで構えられている、即ち表示部18の表示面が上を向いている場合には、地図画像を全面表示させるようにしている。図4に示したような地図画像の場合、表示部18の表示面が上を向いている場合には地図画像と実際の風景とが対応するので両者の関係が把握し易くなる。
【0075】
以下、本実施形態の変形例について説明する。
図10の例では、カメラ1の電源オンとともに、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25の動作をそれぞれ開始させるようにようしている。これに対し、例えば特定のボタンが操作されている間だけ、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25を動作させるようにようしても良い。例えば、レリーズボタンは、2段押し式のボタンで構成されることがあり、この場合、レリーズボタンの1段目の押圧を受けてAF等を実行してレリーズボタンの1段目の押圧がされている間はフォーカスレンズのフォーカスを維持する所謂フォーカスロック機能をカメラ1に持たせることが可能である。フォーカスロックがされている間、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25を動作させるようにすることで、撮影時において最も地図画像が必要とされるタイミングで方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25を動作させることにより、これらを常に動作させる場合に比べて消費電力の低減を図ることが可能である。
【0076】
また、ステップS108における地図画像データの取得に際しては、撮像光学系の水平画角に応じた範囲の地図画像データを抽出するようにしている。しかしながら、実際には垂直方向にも画角が存在するので、カメラ1の仰角によっては、図11(a)で示した水平画角φ内であっても撮像できないランドマークが存在する可能性がある。したがって、地図画像データが3次元情報(緯度・経度・高度)を有している場合には、カメラ1の画角だけでなく、カメラ1の仰角に応じた範囲の地図画像データを取得するようにすることが望ましい。なお、3次元情報を有する地図画像データとは、例えば図16に示すようなランドマークの高さが等高線によって示されている地図画像データである。
【0077】
例えば、ユーザ100が、図17(a)に示すように、地表に対する仰角θでカメラ1を構えたとする。このとき、カメラ1の光軸は、図17(b)に示すように、地表に対してθだけ傾いた状態となる。したがって、高度Hの方向で見た場合のカメラ1の撮影可能な範囲は、光軸を中心として垂直画角φの範囲となる。距離L1だけ離れたランドマークの高さが、垂直画角φによって規定される高さよりも低い場合には、そのランドマークを撮影することができない。実際には、ユーザ100の身長H1を考慮した範囲が、高度Hの方向で見た場合の撮影可能な範囲となる。身長H1は、固定値(例えば1.5m)としてもそれほど大きな誤差とはならない。また、仰角θは、加速度検出部125の出力から検出することが可能である。図17(b)に示す関係から撮影することができないと判定されたランドマークを、図17(c)に示すようにして除去する。例えば、高度Hが、H<H1+L1tan(θ−φ/2)となるランドマークを取得した地図画像データから除去して表示させる。これにより、より正確にカメラ1の向いている方向で撮影可能なランドマークを、地図画像上で認識することが可能である。
【0078】
また、上述の実施形態では、携帯機器としてのカメラ1が横向きで構えられている状態で前方に動かされた場合に地図画像の表示開始や表示範囲の切り替えを行うようにしている。実際には、カメラ1は縦向きで構えられる場合もあり、カメラ1が縦向きで構えられていた場合には、Y軸方向の加速度を検出する加速度検出部の出力が重力加速度とならずに、X軸方向の加速度を検出する加速度検出部の出力が重力加速度となる。しかしながら、カメラ1が縦向きで構えられた場合であっても表示部18の表示面はユーザのほうを向くので、カメラ1が横向きで構えられた場合と同様の制御を行うことが可能である。この場合には、図10のステップS105において、Y軸方向の加速度のみで判定を行うのではなく、Y軸方向とX軸方向の何れかで重力加速度が検出された場合にステップS105をステップS106に分岐するようにする。
【0079】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、上述した実施形態では、携帯機器としてデジタルカメラを例示しているが、本実施形態の技術は、撮影画像と地図画像を表示可能な種々の携帯機器、例えば携帯電話機等にも適用可能である。
また、前述の各動作フローチャートの説明において、便宜上「まず」、「次に」等を用いて動作を説明しているが、この順で動作を実施することが必須であることを意味するものではない。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0080】
1…デジタルカメラ、11…制御部、11a…GUI制御部、11b…機能実行部、11c…表示制御部、11d…地図画像取得部、11e…操作検出部、12…データ記録部、12a…GUIデータ記録部、12b…プログラム記録部、12c…地図データ記録部、13…ボタン操作部、14…タッチパネル、15…撮像部、16…記憶部、17…表示駆動部、18…表示部、19…画像処理部、20…圧縮伸長部、21…記録・再生部、22…画像記録部、23…方位検出部、24…位置検出部、25…加速度検出部、30…バスライン
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像画像と地図画像とを表示可能な携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等の携帯機器において、地図画像を表示できるようにしたものが提案されている。例えば、特許文献1において提案されている携帯機器は、GPS(Global Positioning System)モジュール等の位置検出部が搭載されており、位置検出部で検出された現在位置の周辺の地図画像を表示させるように構成されている。また、特許文献1において提案されている携帯機器は、電子ファインダ表示(スルー画表示等ともいう)も可能であり、電子ファインダ画像と地図画像との表示切り替えをスムーズに行うことができるように、携帯機器の姿勢変化に応じて電子ファインダ画像と地図画像との表示切り替えを行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4264099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1では、携帯機器の現在位置の周辺の地図画像を表示させるようにしている。しかしながら、特許文献1では、地図画像の表示範囲を切り替える際の操作性の向上については特に言及がない。例えば、地図画像の表示範囲を切り替えるための操作として、従来では、タッチパネル上での指のスライド操作に応じて地図画像の表示範囲を切り替える手法等が知られている。このような手法を特許文献1に適用した場合には、ユーザが、携帯機器を持ちながら地図画像の表示範囲の切り替えの操作を行うことになる。この場合、特に、携帯機器を両手で持った状態での操作は困難である。
【0005】
本発明は、前記の事情に鑑みてなされたもので、携帯機器を持ちながらであっても容易に地図画像の表示範囲を切り替えることが可能な携帯機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するために、本発明の一態様の携帯機器は、当該携帯機器の位置を検出する位置検出部と、前記携帯機器の方位を検出する方位検出部と、前記位置と前記方位とに基づく範囲の地図画像を取得する地図画像取得部と、前記取得された地図画像を表示部に表示させる表示制御部と、前記携帯機器に発生した加速度を検出する加速度検出部と、を具備し、前記地図画像取得部は、前記方位検出部によって検出された方位と平行な方向の加速度が前記加速度検出部によって検出されたときに、前記位置と前記方位とに基づいて取得した前記地図画像よりも遠方の範囲を含む地図画像を取得し、前記表示制御部は、前記地図画像取得部によって新たに取得された地図画像を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、携帯機器を持ちながらであっても容易に地図画像の表示範囲を切り替えることが可能な携帯機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯機器の一例としてのデジタルカメラの構成を示す図である。
【図2】撮像画像と地図画像の向きの関係を示した図である。
【図3】ユーザがデジタルカメラを構えているときの様子を示した図である。
【図4】地図画像の例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるスルー画表示中の地図画像の表示例を示す図である。
【図6】地図画像を表示させるための操作について示した図である。
【図7】地図画像の拡大表示について示した図である。
【図8】地図画像の重ね表示から拡大表示への切り替え操作について示した図である。
【図9】拡大表示から地図画像の重ね表示への切り替え操作について示した図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの撮影モードの制御について示すフローチャートである。
【図11】地図画像データの取得処理について説明するための図である。
【図12】地図表示モードの制御について示すフローチャートである。
【図13】地図表示モード中の地図画像の表示範囲の切り替え操作について示した図である。
【図14】再生モードの制御について示すフローチャートである。
【図15】再生モード中の地図画像の表示操作について示した図である。
【図16】高度情報を有する地図画像データの例を示す図である。
【図17】高度情報を考慮した地図画像データの取得処理の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯機器の一例としてのデジタルカメラの構成を示す図である。本実施形態に係るデジタルカメラ(以下、カメラという)1は、制御部11と、データ記録部12と、ボタン操作部13と、タッチパネル14と、撮像部15と、記憶部16と、表示駆動部17と、表示部18と、画像処理部19と、圧縮伸長部20と、記録・再生部21と、画像記録部22と、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25と、を有している。
【0010】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成されており、カメラ1の動作を統括的に制御する。この制御部11は、GUI(Graphical User Interface)制御部11a、機能実行部11b、表示制御部11c、地図画像取得部11d、及び操作検出部11eとしての機能を有している。GUI制御部11aとしての機能は、データ記録部12のGUIデータ記録部12aに記録されているGUI表示データを受け取り、GUI表示データを表示駆動部17に出力して表示部18にGUI画面を表示させる機能である。機能実行部11bとしての機能は、操作検出部11eの機能によって検出されたボタン操作部13又はタッチパネル14の操作に応じてカメラ1の動作を実行する機能である。表示制御部11cとしての機能は、画像記録部22に記録されている撮像画像データや地図データ記録部12cに記録されている地図画像データ等に基づく各種の画像を表示部18に表示させるための制御を行う機能である。地図画像取得部11dとしての機能は、方位検出部23、位置検出部24等の出力に基づき、所定範囲の地図画像データを地図データ記録部12cから取得する機能である。操作検出部11eとしての機能は、ボタン操作部13又はタッチパネル14からの操作信号を検出することにより、ボタン操作部13又はタッチパネル14の操作を検出する機能である。
【0011】
また、制御部11は、バスライン30を介して、撮像部15と、記憶部16と、表示駆動部17と、画像処理部19と、圧縮伸長部20と、記録・再生部21と、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25とに接続されている。
【0012】
データ記録部12は、例えばフラッシュメモリ等の電気的に書き換えが可能な不揮発性メモリで構成されている。このデータ記録部12は、GUIデータ記録部12a、プログラム記録部12b、及び地図データ記録部12cとしての記録領域を有している。GUIデータ記録部12aは、GUI表示データを記録しておくための記録領域である。GUI表示データは、表示部18の表示画面上での操作を行うためのGUI画面を表示部18に表示させるために必要となる情報である。このGUI表示データは、アイコンデータ等から構成されている。プログラム記録部12bは、機能実行部11bによって実行されるカメラ1の制御プログラムや制御プログラムの実行に必要な制御パラメータを記録しておくための記録領域である。地図データ記録部12cは、地図画像データを記録しておくための記録領域である。ここで、地図画像データは、位置(緯度・経度)情報と対応付けがなされている。
【0013】
ボタン操作部13は、レリーズボタン、電源ボタン、ズームボタン、モードボタン、十字ボタン、決定ボタン等の、押圧操作によって操作される操作部材である。各ボタンは、押圧操作によって信号を出力する。ここで、レリーズボタンは、ユーザが撮影タイミングを指示するためのボタンである。電源ボタンは、カメラ1の電源のオン又はオフを指示するためのボタンである。ズームボタンは、ズーミングの指示をするために用いられるボタンである。モードボタンは、カメラ1の動作モードを変更するために用いられるボタンである。十字ボタンは、例えばGUI画面内での項目の選択に用いられるボタンである。決定ボタンは、例えばGUI画面内での項目の決定に用いられるボタンである。上述の各種のボタンは、必ずしもボタン式の操作部として構成する必要はない。
【0014】
接触検出部の一例として機能するタッチパネル14は、例えば表示部18の表示画面の上に重ねて配置されている。このタッチパネル14は、指等の接触があると、その接触位置から信号を出力する。このタッチパネル14により、GUI画面上に表示されているアイコンへの接触操作を検出する。
【0015】
撮像部15は、カメラ部と撮像処理部とを有している。
カメラ部は、被写体像を撮像するためのものであり、撮像光学系、撮像素子、絞り、シャッタ、AF機構、AF駆動回路、ズーム機構、ズーム駆動回路等を有している。撮像光学系は、フォーカスレンズやズームレンズ等の複数のレンズを有し、被写体像を集光して撮像素子に結像させる。撮像素子は、例えばCCDセンサやCMOSセンサ等の2次元固体撮像素子であり、撮像光学系を通して入射する被写体像を光電変換し、アナログ電気信号として出力する。絞りは、例えば撮像光学系内に配置されており、絞り込まれることによって、撮像光学系を通して撮像素子に入射する光束を制限する。シャッタは、例えば撮像素子の受光面に対して進退自在に構成されており、撮像素子の受光面を遮光状態又は露出状態とする。AF機構は、フォーカスレンズを駆動させるための機能である。フォーカスレンズを駆動することにより、撮像光学系の焦点位置が調整される。AF駆動回路は、AF機構を駆動するための駆動回路である。ズーム機構は、ズームレンズを駆動させるための機能である。ズームレンズを駆動することにより、撮像光学系の画角が調整される。ズーム駆動回路は、ズーム機構を駆動するための駆動回路である。
【0016】
撮像処理部は、撮像素子駆動回路、アナログ処理回路、A/D変換回路等を有している。撮像素子駆動回路は、撮像素子の駆動をするとともに、撮像素子からのアナログ電気信号を読み出す。アナログ処理回路は、撮像素子から出力されるアナログ電気信号に対してAGC(Auto Gain Control)処理やCDS(Correlated Double Sampling)処理等のアナログ信号処理を施す。AGC処理は、撮像素子からのアナログ電気信号を所定のゲインで増幅する処理である。CDS処理は、アナログ電気信号に含まれている暗電流ノイズ等を除去する処理である。また、A/D変換回路は、アナログ処理回路でアナログ処理されたアナログ電気信号を、デジタル電気信号に変換して出力する。
【0017】
記憶部16は、例えばSDRAMで構成されている。この記憶部16は、制御部11等において各種処理を実行する際のワーキングエリアとして利用される。また、記憶部16は、撮像部15で得られたデジタル電気信号(RAWデータ等と呼ばれる)や、画像処理部19における処理によって得られた撮像画像データ等の各種のデータを一時的に記憶しておくためにも利用される。
【0018】
表示駆動部17は、D/A変換回路等を有している。D/A変換回路は、制御部11から受け取った撮像画像データや地図画像データ等を、表示部18の表示画面のサイズに合わせてリサイズし、リサイズした撮像画像データや地図画像データ等を表示部18に出力して表示部18に画像を表示させる。
【0019】
表示部18は、表示駆動部17に接続されており、例えばLCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electroluminescence Display)等の表示部である。この表示部18は、例えばカメラ1の本体背面に露出配置されており、表示駆動部17から入力された画像データに基づいて撮像画像、地図画像、スルー画像等の各種の画像を表示する。また、表示部18は、表示駆動部17から入力されたGUI表示データに基づいてGUI画面を表示することも行う。
【0020】
画像処理部19は、撮像部15から出力されたデジタル電気信号に対して画像処理を施して撮像画像データを得る。この画像処理としては、画素補間処理、色補正処理、ガンマ処理等がある。画素補間処理は、複数の隣接する画素のデータを加算したり、複数の隣接する画素のデータから新たな画素のデータを作成したりする処理である。色補正処理は、画像の色を表示や記録に適したものに補正する処理である。ガンマ処理は、画像の階調を表示や記録に適したものに補正する処理である。この画像処理部19は、記録時(撮影時)には記録用の画像処理を施し、スルー画表示時には表示用の簡易な画像処理を施す。
【0021】
圧縮伸長部20は、記録時(撮影時)には、画像処理部19によって得られた撮像画像データに対して例えば周知のJPEG方式に基づく圧縮処理を施す。また、圧縮伸長部20は、再生時には、画像記録部22に記録されている圧縮済みの撮像画像データに対して周知のJPEG方式に基づく伸長処理を施す。
【0022】
記録・再生部21は、画像記録部22への画像ファイルの書き込みや画像記録部22からの画像ファイルの読み出しを行うためのものであり、画像記録部22の種類に応じたものが用いられる。また、記録・再生部21は、画像記録部22に記録された一部の画像ファイルの削除や画像記録部22の記録状態の初期化(画像ファイルの全削除)も実行する。
【0023】
画像記録部22は、画像ファイルを記録するための記録媒体である。この画像記録部22は、例えばSDカード(登録商標)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等のカメラ本体に着脱自在な記録媒体や、HDD(Hard Disc Drive)等のカメラ本体に内蔵される記録媒体である。
【0024】
方位検出部23は、カメラ1の現在の方位(例えば北を基準とした方位)を検出する。この方位検出部23は、例えば電子コンパスで構成されている。方位検出部23によって検出される方位から、撮像光学系の向きを検出することも可能である。
【0025】
位置検出部24は、カメラ1の現在位置(例えば緯度及び経度)を検出する。この位置検出部24は、例えばGPSモジュールであって、図示しない複数のGPS衛星からの信号を受けてカメラ1の現在位置を検出する。
【0026】
加速度検出部25は、カメラ1に発生している加速度を検出する。この加速度検出部25は、例えば図2に示すようにしてカメラ1の本体に設定された3軸方向の加速度をそれぞれ検出する3個の加速度検出部を有している。図2の例は、ユーザがカメラ1を横位置で構えたときに、地表に対して平行であって撮像光学系の光軸に対して垂直な方向をX軸に、地表に対して垂直な方向をY軸に、地表に対して平行であって撮像光学系の光軸に対しても平行な方向をZ軸に設定している。また、X軸の正方向は、カメラ1を正面から見た場合の左手方向とし、Y軸の正方向は、カメラ1を正面から見た場合の天空方向とし、Z軸の正方向は、カメラ1の正面に向かう方向としている。
【0027】
ここで、加速度検出部25を構成する何れの加速度検出部によって重力が検出されるかによって、カメラ1の姿勢を検出することもできる。この場合、加速度検出部25は、姿勢検出部としても機能する。加速度の検出と姿勢の検出とを別個の加速度検出部によって行っても良いし、角速度検出部等を用いて姿勢の検出を行うようにしても良い。
【0028】
次に、本実施形態に係る携帯機器の動作について説明する。撮像画像の記録時に、ユーザ100は、図3に示すようにしてカメラ1を構えつつ、被写体(例えば建物)200に向ける。このとき、被写体200を含む地表に対して垂直な平面内の画像が、撮像画像として取得される。一方、地図データ記録部12cに記録されている地図画像データが、図4に示すような、上空から俯瞰して見た地図を示す画像データであるとする。この場合、撮像画像の向きと地図画像の向きとが、図2に示すように互いに直交する関係となる。
【0029】
例えば、図3のようにしてカメラ1を構えている状態でスルー画表示が行われるとする。スルー画表示では、図5(a)に示すような、撮像部15を介して得られるスルー画表示用の撮像画像(以下、スルー画像という)181が、表示部18に逐次表示される。このようなスルー画表示によって表示部18をファインダとして利用可能である。
【0030】
本実施形態では、図6に示すようにしてカメラ1を前方に動かす(Z軸方向の加速度を加える操作をする)ことにより、スルー画表示中の地図画像表示を行う。ここで、スルー画表示中においては、カメラ1が向いている方向に何があるのかを特定できたほうが良い。このため、本実施形態では、例えば、位置検出部24によって検出されたカメラ1の現在の位置から、方位検出部23によって検出されたカメラ1の現在の方位と平行な方向の所定の範囲の地図画像を表示させることとする。ここで、図4に示したような地図画像を表示部18にそのまま表示させてしまうと、表示部18の表示面が地表に対して垂直になっていることから、地図画像の方向が実際の風景と対応しなくなる。したがって、本実施形態では、図5(b)に示すようにして地図画像を台形状に整形してからスルー画像に重畳させる。この台形状は、カメラ1の現在位置から見て遠い側の辺(以下、上辺という)の幅が、カメラ1の現在位置から見て近い側の辺(以下、下辺という)の幅よりも短くなっている台形状である。また、地図画像の向きは、図5(b)に示すように、地図画像の上辺が、表示部18の上側となるようにする。さらに、地図画像とともに地図画像内の地名を表す指標、地図画像の縮尺を表す指標、現在地を示す指標等を表示させるようにしても良い。
【0031】
図5(b)にして地図画像182を重畳することにより、スルー画像と地図画像との関係が、図2で示した関係と対応する。このため、ユーザがスルー画像と地図画像との関係を把握し易くなる。また、地図画像を表示させるための操作を、図6に示すようなカメラ1を前方に動かす操作とすることにより、表示部18の表示面を地表に対して垂直な状態としたままで操作を行うことが可能である。このため、ユーザは、カメラ1を両手で構えた状態でかつスルー画像を見ながら地図画像の表示操作を行うことが可能である。
【0032】
また、本実施形態では、図5(b)に示したようにして地図画像182が表示された後、再度、カメラ1を前方に動かすことにより、地図画像の表示範囲の切り替えを行う。このとき、図5(c)に示すようにして、現在の表示範囲よりも遠方の所定範囲の地図画像182aをスルー画像181に重畳させる。この地図画像の表示範囲の切り替え操作も、ユーザがカメラ1を両手で構えた状態でかつスルー画像を見ながら行うことが可能である。
【0033】
図5(b)又は図5(c)で示した表示がなされている状態では、ユーザは、スルー画画像と地図画像の両方を同時に見ることが可能である。さらに、図5(b)又は図5(c)の表示がなされている状態でユーザが所定の操作を行った場合には、図7に示すようにして地図画像182を拡大して表示させる。この表示を行うための所定の操作としては、例えば、図8(a)に示すような地図画像182の下部にタッチする操作、図8(b)に示すようなカメラ1を下に向ける操作等が考えられる。図8(a)及び図8(b)で示した以外の操作としても良い。図7に示したような拡大表示では、図5(b)又は図5(c)の表示に比べて地図画像の表示面積を広くすることができる。
【0034】
また、図7で示す拡大表示中に図8と逆の操作がなされた場合には、図5(b)又は図5(c)で示した表示に戻す。即ち、図9(a)に示すような地図画像182の上部にタッチする操作、図9(b)に示すようなカメラ1を上に向ける操作が行われた場合には表示を戻すようにする。この他、図9(c)に示すようにして、地図画像182を画面外に移動させるように指をスライドさせるような操作を受けて図5の表示に戻すようにしても良い。なお、図9で示した操作が行われた場合には、図5(b)又は図5(c)の表示に戻すのではなく、図5(a)で示したスルー画表示に戻すようにしても良い。
【0035】
以下、上述した地図画像表示の詳細についてさらに説明する。図10は、カメラ1の制御部11において実行される撮影モードの制御について示すフローチャートである。カメラ1の電源がオンされると、制御部11は、プログラム記録部12bに記録された制御プログラムを読み出して図10の制御を開始する。この後、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25の動作をそれぞれ開始させる。
【0036】
図10において、まず、制御部11は、カメラ1の動作モードが撮影モードであるか否かを判定する(ステップS101)。本実施形態に係るカメラ1は、動作モードとして、撮影モード、再生モード、地図表示モードを少なくとも有している。撮影モードは、記録用の撮像画像を得るための動作モードである。再生モードは、画像記録部22に記録された撮像画像を再生するための動作モードである。地図表示モードは、図7で示したような拡大された地図画像を表示するための動作モードである。これらの動作モードの切り替えは、例えばユーザによるモードボタンの操作によって行われる。
【0037】
ステップS101において、動作モードが撮影モードであると判定した場合、制御部11は、撮像部15によるスルー画表示用の撮像を開始させる(ステップS102)。そして、制御部11は、スルー画表示を行う(ステップS103)。スルー画表示に際し、制御部11は、画像処理部19により、撮像部15を介して得られたスルー画表示用のデジタル電気信号に対してスルー画表示用の画像処理を施し、この画像処理によって得られたスルー画像データを表示駆動部17に出力する。これを受けて、表示駆動部17は、図5(a)に示すようなスルー画像を表示部18に表示させる。
【0038】
スルー画表示の後、制御部11は、地図画像が表示中であるか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104において、地図画像が表示中でないと判定した場合、制御部11は、Y軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が、重力加速度(約9.8m/s2)を示しているか否かを判定する(ステップS105)。
【0039】
ステップS105において、Y軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していると判定した場合、即ちカメラ1が図3のようにして構えられており、表示部18の表示面がユーザのほうを向いていると考えられる場合に、制御部11は、画像処理部19で得られたスルー画像データの中央部に顔画像が存在していないか否かを判定する(ステップS106)。ステップS106においては、例えば、スルー画像データの中央部から顏の特徴量が検出されない場合には顔画像が存在していないと判定する。この他、簡易的な手法として、例えばスルー画像データの中央部に略円形の輪郭が抽出されない場合には、顔画像が存在しないと判定するようにしても良い。なお、ステップS106の判定を行うのは、地図画像の表示が主に風景撮影の際に用いられると考えられるためである。用途によらずに地図画像を表示させる場合には、ステップS106の判定を省略する。
【0040】
ステップS106において、スルー画像データの中央部に顏画像が存在していない、即ち風景撮影がなされていると判定した場合に、制御部11は、Z軸方向の加速度が発生したか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107においては、例えばZ軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が所定の値以上となった場合に、Z軸方向の加速度が発生したと判定する。この加速度の閾値は、例えば制御パラメータとしてプログラム記録部12bに予め記録されている。
【0041】
ステップS105においてY軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していないと判定した場合、ステップS106においてスルー画像データの中央部に顏画像が存在していると判定した場合、又はステップS107においてZ軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が所定の値以上となっていないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS115に移行させる。
【0042】
ステップS107において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が所定の値以上となったと判定した場合、即ち図6で示したような前方へのカメラ1の動きが検出された場合に、制御部11は、地図データ記録部12cから地図画像データを取得する(ステップS108)。
【0043】
ここで、ステップS108における地図画像データの取得処理について説明する。まず、第1の例として、カメラ1の画角を考慮して地図画像データを取得する。例えば、地図上の図11(a)の位置にカメラ1が存在しており、図11(a)で示す方位にカメラ1の撮像光学系が向いているとすると、図11(a)の画角φによって規定される範囲内の撮像画像が取得される。第1の例では、この画角φに対応した範囲の地図画像を表示させる。例えば、図11(a)に示すように、カメラ1の現在位置を含んでカメラ1の現在の方位と直交する方向の辺を下辺とし、この下辺からカメラ1の現在の方位と平行な方向に所定距離L(例えば1km)の整数倍だけ離れた辺を上辺とする矩形の範囲であって、上辺の長さが画角φと対応している範囲の地図画像データを取得する。より詳しく説明すると、第1の例では、カメラ1の現在位置を含み、カメラ1の現在の方位と平行な方向の幅が(n×L)(n=1、2、…)であり、カメラ1の現在の方位と直交する方向の幅が(2×n×Ltan(φ/2))である矩形の範囲の地図画像データを取得する。nの値は、初期値を1とし、Z軸の正方向の加速度がカメラ1に加えられる毎に1ずつ増加させる。この場合、ステップS108の処理では、図11(a)の地図範囲1で示す地図画像データが取得され、その後のステップS111においてZ軸の正方向の加速度が再び検出されたときには、図11(a)の地図範囲2で示す地図画像データが取得される。このような第1の例では、現在位置から撮影可能なランドマークを知ることができる地図画像を表示させることが可能である。
なお、上述の地図画像データの取得処理によって、該当する地図画像データを取得できない場合も考えられる。このような場合には、該当する地図画像データが存在していない旨をユーザに警告することが望ましい。この際、制御部11は、例えば表示部18に警告表示を行う。この他、音声再生部を持たせれば、音声によって警告をしても良い。
【0044】
また、第2の例として、カメラ1の画角を考慮せずに地図画像データを取得するようにしても良い。第2の例では、図11(b)に示すように、カメラ1の現在位置を含んでカメラ1の方位と直交する方向の所定幅Wの辺を下辺とし、この下辺からカメラ1の現在の方位と平行な方向に所定距離L(例えば地図画像上での1km)の整数倍だけ離れた所定幅Wの辺を上辺とする矩形の範囲の地図画像データを取得する。より詳しく説明すると、第2の例では、カメラ1の現在位置を含み、カメラ1の現在の方位と平行な方向の幅が(n×L)(n=1、2、…)であり、カメラ1の方位と直交する方向の辺の幅がWである矩形の範囲の地図画像データを取得する。nの値は、初期値を1とし、Z軸の正方向の加速度がカメラ1に加えられる毎に1ずつ増加させる。この場合、ステップS108の処理では、図11(b)の地図範囲1で示す地図画像データが取得され、その後のステップS111においてZ軸の正方向の加速度が再び検出されたときには、図11(b)の地図範囲2で示す地図画像データが取得される。このような第2の例では、カメラ1の向いているほうに何があるかを知ることができる地図画像を表示させることが可能である。また、第2の例では、第1の例に比べて地図画像データの範囲の演算を簡略化することが可能である。
【0045】
ここで、第1の例及び第2の例では、カメラ1が前方に動かされる毎にLずつ遠方の地図画像データを取得するようにしている。これに対し、Lを可変としても良い。例えば、Z軸の正方向の加速度の大きさに応じてLを設定したり、撮像光学系の焦点距離、即ちズームレンズのズーム状態に応じてLを設定したりしても良い。さらには、これらを組み合わせてLを変化させるようにしても良い。
【0046】
例えば、加速度の大きさに応じてLを設定する場合、Lと加速度の大きさとの関係を定義しておく。例えば、L=(αZ/α0)×L0と定義しておく。この式のαZは、Z軸方向の加速度である。また、α0は、所定の加速度の大きさであって、例えば重力加速度や加速度検出部25で検出可能な最大加速度である。また、L0は所定値(例えば地図画像上での1km)である。このようにして加速度に応じてLを可変とすることにより、例えば遠方の地図画像を表示させるために何回もカメラ1を動かす必要がなくなる。
【0047】
また、ズーム状態に応じてLを設定する場合には、Lとズーム位置との関係を定義しておく。この関係は、例えばテーブルとして地図データ記録部12cに記憶させておく。なお、このテーブルは、ズームレンズが望遠側にある場合のLよりもズームレンズが広角側にある場合のLのほうが短くなるように設定しておく。
【0048】
以下、図10の説明に戻る。地図画像データを取得した後、制御部11は、取得した地図画像データに基づく地図画像をスルー画像に重ねて表示させる(ステップS109)。その後、制御部11は、処理をステップS115に移行させる。ここで、ステップS109において、制御部11は、地図画像データを表示駆動部17に入力する。表示駆動部17は、入力された地図画像データを表示部18の表示画面の大きさに合わせてリサイズするとともに台形状に整形し、台形状に整形した地図画像データをスルー画像データに重ねて表示部18に表示させる。ここで、台形状地図画像データの高さは、例えばもとの1/2とする。また、上辺と下辺の長さの比は、例えば1:2とする。これらの値は一例であって適宜変更可能である。
【0049】
また、ステップS104において、地図画像が表示中であると判定した場合、制御部11は、制御部11は、Z軸方向の加速度が再び発生したか否かを判定する(ステップS110)。
【0050】
ステップS110において、Z軸方向の加速度が再び発生したと判定した場合、制御部11は、現在のカメラ1の方位と平行な方向のさらに遠方の地図画像をスルー画像に重ねて表示させる(ステップS111)。その後、制御部11は、処理をステップS115に移行させる。ステップS111の処理は、ステップS108及びS109の処理に準じたものであり、nの値に1を加えた範囲の地図画像データを新たに取得して表示部18に表示させる点が異なる。
【0051】
また、ステップS110において、Z軸方向の加速度が再び発生していないと判定した場合、制御部11は、タッチパネル14の出力から、ユーザによって表示部18に表示中の地図画像の下部へのタッチ操作がなされたか否かを判定するとともに、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示しているか否かを判定する(ステップS112)。
【0052】
ステップS112において、ユーザによる地図画像の下部へのタッチ操作がなされたと判定した場合、又はZ軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していると判定した場合、即ちカメラ1の姿勢が下向き(撮像光学系が地表を向いている状態)に変化したと考えられる場合に、制御部11は、後述する地図表示モードの制御を実行する。
【0053】
ステップS112において、ユーザによる地図画像へのタッチ操作がなされていないと判定し、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していないと判定した場合、制御部11は、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が負の重力加速度を示しているか否かを判定する(ステップS113)。Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が負の重力加速度を示している状態とは、カメラ1の姿勢が上向きになってカメラ1の背面側に重力がかかっている状態を示している。
【0054】
ステップS113において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が負の重力加速度を示していないと判定した場合、制御部11は、処理をステップS115に移行させる。また、ステップS113において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が負の重力加速度を示していると判定した場合、即ちカメラ1の姿勢が上向きに変化したと考えられる場合に、制御部11は、地図画像の表示を終了させるように表示駆動部17に指示する(ステップS114)。その後、制御部11は、処理をステップS101に戻す。
【0055】
また、ステップS105、S106、107、S113においてNoであると判定した場合、又はステップS109、S111の後、制御部11は、ユーザによって撮影実行の指示がなされたか、即ちユーザによってレリーズボタンが押されたか否かを判定する(ステップS115)。
ステップS115において、撮影実行の指示がなされていないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS101に戻す。また、ステップS115において、撮影実行の指示がなされたと判定した場合に、制御部11は、撮影動作及び記録動作を実行する(ステップS116)。撮影動作において、制御部11は、AF駆動回路を制御してAF機構を駆動させることにより、フォーカスレンズを駆動して撮像光学系の焦点位置を調整する。その後、制御部11は、絞りやシャッタを駆動しつつ、撮像部15による撮像を開始させる。続いて、制御部11は、撮像部15を介して得られた記録用のデジタル電気信号に対し、画像処理部19により、記録用の画像処理を施す。そして、制御部11は、画像処理によって得られた撮像画像データを、圧縮伸長部20により圧縮する。その後、制御部11は、圧縮した撮像画像データにヘッダ情報を追加して画像ファイルを生成し、生成した画像ファイルを記録・再生部21を介して画像記録部22に記録させる。ここで、ヘッダ情報としては、絞りやシャッタの値やズーム状態等の他、ファイル名、撮影日時情報、撮影場所の経度情報K及び緯度情報I等を記録する。
【0056】
ここで、記録動作の際に、撮影動作の直前にスルー画像データに重畳されていた地図画像データを、画像ファイルと併せて画像記録部22に記録させるようにしても良い。この場合には、撮像画像データと地図画像データとを単一のファイルに記録しても良いし、別々のファイルに記録しても良い。また、地図画像データは、台形状に整形した後のものを記録しても良いし、台形状に整形する前のものを記録しても良い。
【0057】
また、ステップS101において、動作モードが撮影モードでないと判定した場合、制御部11は、動作モードが再生モードであるか否かを判定する(ステップS117)。ステップS117において、動作モードが再生モードであると判定した場合、制御部11は、後述する再生モードの処理を実行する。また、ステップS117において、動作モードが再生モードでないと判定した場合、即ち動作モードが地図表示モードである場合に、制御部11は、地図データ記録部12cから地図画像データを取得する(ステップS118)。その後、制御部11は、後述する地図表示モードの処理を実行する。ここで、ステップS118の処理は、ステップS108と同様の処理で良いため、説明を省略する。
【0058】
図12は、地図表示モードの制御について示すフローチャートである。地図表示モードにおいて、制御部11は、表示部18におけるスルー画表示を中止させる。その後、制御部11は、表示部18に表示させている地図画像を、図7に示すようにして表示部18の全面に表示させる(ステップS201)。全面表示の際には、地図画像データを台形状に補正する必要はない。
【0059】
地図画像を全面表示した後、制御部11は、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が、重力加速度を示しているか否かを判定する(ステップS202)。ステップS202において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していないと判定した場合、例えばカメラ1が横向きで構えられていると考えられる場合に、制御部11は、モードボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203において、モードボタンが操作されていないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS201に戻す。また、ステップS203において、モードボタンが操作されたと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS101に戻す。
【0060】
また、ステップS202において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していると判定した場合、即ちカメラ1が下向きで構えられており、表示部18の表示面が上面を向いていると考えられる場合に、制御部11は、Y軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重量加速度を示しているか否かを判定する(ステップS204)。
【0061】
ステップS204において、Y軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していないと判定した場合、即ちカメラ1の姿勢が下向きのままであると考えられる場合に、制御部11は、タッチパネル14の出力から、ユーザによって地図画像の上部へのタッチ操作がなされたか否かを判定する(ステップS205)。
【0062】
ステップS204においてY軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度を示していると判定した場合、即ちカメラ1の姿勢が下向きから横向きに変化したと考えられる場合、又はユーザによって地図画像の上部へのタッチ操作がなされたと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS115に移行させる。この場合には、図7で示した表示から図5(b)又は図5(c)で示した表示に戻る。
【0063】
ステップS205において、ユーザによって地図画像の上部へのタッチ操作がなされていないと判定した場合に、制御部11は、Y軸方向の加速度が発生したか否かを判定する(ステップS206)。ステップS206においては、例えばY軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が所定の値以上となった場合に、Y軸方向の加速度が発生したと判定する。この加速度の閾値は、例えば制御パラメータとしてプログラム記録部12bに予め記録されている。
【0064】
ステップS206においてY軸方向の加速度が発生していないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS201に戻す。この場合、地図画像の拡大表示が継続される。また、ステップS206において、Y軸方向の加速度が発生したと判定した場合、即ち図13で示したように、カメラ1が下向きの状態で前方への加速度が加えられたと考えられる場合に、制御部11は、方位検出部23の出力から、現在のカメラ1の方位を検出する(ステップS207)。続いて、制御部11は、現在のカメラ1の方位と平行な方向のさらに遠方の地図画像を表示させる(ステップS208)。その後、制御部11は、処理をステップS201に戻す。
【0065】
図14は、再生モードの制御について示すフローチャートである。再生モードにおいて、制御部11は、表示駆動部17を制御して、画像記録部22に記録されている画像ファイルの一覧を表示部18に表示させる(ステップS301)。その後、制御部11は、ユーザにより、一覧表示された画像ファイルの何れかが選択されたか否かを判定する(ステップS302)。
【0066】
ステップS302において、画像ファイルの何れかが選択されたと判定した場合に、制御部11は、選択された画像ファイルを再生する(ステップS303)。この際、制御部11は、記録・再生部21を介して画像ファイルを読み出し、読み出した画像ファイルを圧縮伸長部20に入力して撮像画像データを伸張する。その後、制御部11は、伸長した撮像画像データを表示駆動部17に入力し、表示部18に拡大画像を表示させる。
【0067】
画像ファイルの再生後、制御部11は、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度から増加したか否かを判定する(ステップS304)。
【0068】
ステップS304において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度から増加していないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS302に戻す。また、ステップS304において、Z軸方向の加速度を検出する加速度検出部25の出力が重力加速度から増加したと判定した場合、即ち図15に示すようにカメラ1が下向きの状態で下方への加速度が加えられたと考えられる場合に、制御部11は、選択されている画像ファイルのヘッダ情報から、撮影時において、撮像画像が得られた位置を示す経度情報K及び緯度情報Iを取得する(ステップS305)。そして、制御部11は、取得した経度情報K及び緯度情報Iを含む地図画像データを、地図データ記録部12cから検索する(ステップS306)。
【0069】
地図画像データの検索の後、制御部11は、該当する地図画像データが存在しているか否かを判定する(ステップS307)。ステップS307において、該当する地図画像データが存在していると判定した場合に、制御部11は、該当する地図画像データを地図データ記録部12cから読み出し、読み出した地図画像データに基づく地図画像を現在再生中の撮像画像に重ねて表示させる(ステップS308)。この際、例えば再生中の撮像画像と地図画像の何れか一方を縮小して表示させる。
【0070】
地図画像の表示後、制御部11は、画像ファイルの再生を終了させるか否かを判定する(ステップS309)。画像ファイルの再生を終了させるか否かの判定は、例えば画像ファイルの終了を指示するための所定のボタンが操作されたか否かを判定することで行う。ステップS309において、画像ファイルの再生を終了させないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS308に戻す。また、ステップS309において、画像ファイルの再生を終了させると判定した場合に、制御部11は、処理をステップS302に戻す。
【0071】
また、ステップS307において、該当する地図画像データが存在していないと判定した場合に、制御部11は、該当する地図画像データが存在していない旨をユーザに警告する(ステップS310)。この際、制御部11は、例えば表示部18に警告表示を行う。この他、音声再生部を持たせれば、音声によって警告をしても良い。
【0072】
また、ステップS302において、画像ファイルが選択されていないと判定した場合に、制御部11は、モードボタンが操作されたか否かを判定する(ステップS311)。ステップS311において、モードボタンが操作されていないと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS301に戻す。また、ステップS311において、モードボタンが操作されたと判定した場合に、制御部11は、処理をステップS101に戻す。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、カメラ1の現在の方位と平行な方向の加速度(動き)に応じて地図画像の表示を開始させたり、地図画像の表示範囲を切り替えたりするようにしている。これにより、ユーザは、カメラ1を両手で構えながらでも容易に、地図画像の表示に関する操作を行うことが可能である。
【0074】
また、本実施形態では、カメラ1が構えられている、即ち表示部18の表示面がユーザのほうを向いている場合には、地図画像を台形状に補正してからスルー画像に重ねて表示させるようにしている。これにより、地図画像を見たユーザに奥行感を感じさせ、また、撮像画像(スルー画像)と地図画像との関係が把握し易くなる。また、カメラ1が下向きで構えられている、即ち表示部18の表示面が上を向いている場合には、地図画像を全面表示させるようにしている。図4に示したような地図画像の場合、表示部18の表示面が上を向いている場合には地図画像と実際の風景とが対応するので両者の関係が把握し易くなる。
【0075】
以下、本実施形態の変形例について説明する。
図10の例では、カメラ1の電源オンとともに、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25の動作をそれぞれ開始させるようにようしている。これに対し、例えば特定のボタンが操作されている間だけ、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25を動作させるようにようしても良い。例えば、レリーズボタンは、2段押し式のボタンで構成されることがあり、この場合、レリーズボタンの1段目の押圧を受けてAF等を実行してレリーズボタンの1段目の押圧がされている間はフォーカスレンズのフォーカスを維持する所謂フォーカスロック機能をカメラ1に持たせることが可能である。フォーカスロックがされている間、方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25を動作させるようにすることで、撮影時において最も地図画像が必要とされるタイミングで方位検出部23と、位置検出部24と、加速度検出部25を動作させることにより、これらを常に動作させる場合に比べて消費電力の低減を図ることが可能である。
【0076】
また、ステップS108における地図画像データの取得に際しては、撮像光学系の水平画角に応じた範囲の地図画像データを抽出するようにしている。しかしながら、実際には垂直方向にも画角が存在するので、カメラ1の仰角によっては、図11(a)で示した水平画角φ内であっても撮像できないランドマークが存在する可能性がある。したがって、地図画像データが3次元情報(緯度・経度・高度)を有している場合には、カメラ1の画角だけでなく、カメラ1の仰角に応じた範囲の地図画像データを取得するようにすることが望ましい。なお、3次元情報を有する地図画像データとは、例えば図16に示すようなランドマークの高さが等高線によって示されている地図画像データである。
【0077】
例えば、ユーザ100が、図17(a)に示すように、地表に対する仰角θでカメラ1を構えたとする。このとき、カメラ1の光軸は、図17(b)に示すように、地表に対してθだけ傾いた状態となる。したがって、高度Hの方向で見た場合のカメラ1の撮影可能な範囲は、光軸を中心として垂直画角φの範囲となる。距離L1だけ離れたランドマークの高さが、垂直画角φによって規定される高さよりも低い場合には、そのランドマークを撮影することができない。実際には、ユーザ100の身長H1を考慮した範囲が、高度Hの方向で見た場合の撮影可能な範囲となる。身長H1は、固定値(例えば1.5m)としてもそれほど大きな誤差とはならない。また、仰角θは、加速度検出部125の出力から検出することが可能である。図17(b)に示す関係から撮影することができないと判定されたランドマークを、図17(c)に示すようにして除去する。例えば、高度Hが、H<H1+L1tan(θ−φ/2)となるランドマークを取得した地図画像データから除去して表示させる。これにより、より正確にカメラ1の向いている方向で撮影可能なランドマークを、地図画像上で認識することが可能である。
【0078】
また、上述の実施形態では、携帯機器としてのカメラ1が横向きで構えられている状態で前方に動かされた場合に地図画像の表示開始や表示範囲の切り替えを行うようにしている。実際には、カメラ1は縦向きで構えられる場合もあり、カメラ1が縦向きで構えられていた場合には、Y軸方向の加速度を検出する加速度検出部の出力が重力加速度とならずに、X軸方向の加速度を検出する加速度検出部の出力が重力加速度となる。しかしながら、カメラ1が縦向きで構えられた場合であっても表示部18の表示面はユーザのほうを向くので、カメラ1が横向きで構えられた場合と同様の制御を行うことが可能である。この場合には、図10のステップS105において、Y軸方向の加速度のみで判定を行うのではなく、Y軸方向とX軸方向の何れかで重力加速度が検出された場合にステップS105をステップS106に分岐するようにする。
【0079】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
例えば、上述した実施形態では、携帯機器としてデジタルカメラを例示しているが、本実施形態の技術は、撮影画像と地図画像を表示可能な種々の携帯機器、例えば携帯電話機等にも適用可能である。
また、前述の各動作フローチャートの説明において、便宜上「まず」、「次に」等を用いて動作を説明しているが、この順で動作を実施することが必須であることを意味するものではない。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0080】
1…デジタルカメラ、11…制御部、11a…GUI制御部、11b…機能実行部、11c…表示制御部、11d…地図画像取得部、11e…操作検出部、12…データ記録部、12a…GUIデータ記録部、12b…プログラム記録部、12c…地図データ記録部、13…ボタン操作部、14…タッチパネル、15…撮像部、16…記憶部、17…表示駆動部、18…表示部、19…画像処理部、20…圧縮伸長部、21…記録・再生部、22…画像記録部、23…方位検出部、24…位置検出部、25…加速度検出部、30…バスライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該携帯機器の位置を検出する位置検出部と、
前記携帯機器の方位を検出する方位検出部と、
前記位置と前記方位とに基づく範囲の地図画像を取得する地図画像取得部と、
前記取得された地図画像を表示部に表示させる表示制御部と、
前記携帯機器に発生した加速度を検出する加速度検出部と、
を具備し、
前記地図画像取得部は、前記方位検出部によって検出された方位と平行な方向の加速度が前記加速度検出部によって検出されたときに、前記位置と前記方位とに基づいて取得した前記地図画像よりも遠方の範囲を含む地図画像を取得し、
前記表示制御部は、前記地図画像取得部によって新たに取得された地図画像を前記表示部に表示させることを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
前記携帯機器の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに具備し、
前記表示制御部は、前記姿勢検出部によって検出された前記携帯機器の姿勢から前記表示部の表示面の向きを判別し、該判別した表示面の向きの変化に従って前記地図画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器。
【請求項3】
被写体を撮像して画像を得る撮像画像を得る撮像部をさらに具備し、
前記表示制御部は、前記表示面の向きが地表に対して垂直であると判別した場合に、前記地図画像を台形状に整形し、該整形した地図画像を前記撮像画像に重畳して前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の携帯機器。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示面の向きが地表に対して平行であると判別した場合に、前記地図画像を前記表示部の全画面に表示させることを特徴とする請求項2に記載の携帯機器。
【請求項5】
前記表示部の表示面への接触を検出する接触検出部をさらに具備し、
前記表示制御部は、前記接触検出部によって検出された接触位置に従って前記地図画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項6】
被写体を撮像して画像を得る撮像画像を得る撮像部をさらに具備し、
前記地図画像取得部は、さらに、前記撮像部の画角に基づいて、前記取得する地図画像の前記方位と直交する方向の幅を決定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項7】
前記地図画像取得部は、前記取得する地図画像の前記方位と直交する方向の幅を固定の幅とすることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項8】
前記地図画像取得部は、さらに、前記加速度検出部で検出された加速度の大きさに基づいて、前記取得する地図画像の前記方位と平行な方向の幅を決定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項9】
被写体を撮像して画像を得る撮像画像を得る撮像部をさらに具備し、
前記地図画像取得部は、さらに、前記撮像部の焦点距離に基づいて、前記取得する地図画像の前記方位と平行な方向の幅を決定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項10】
前記携帯機器の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに具備し、
前記地図画像は、高度情報を有する地図画像であり、
前記地図画像取得部は、前記姿勢検出部によって検出された前記携帯機器の姿勢から前記携帯機器の仰角を判別し、該判別した仰角によって規定される高度よりも低い高度のランドマークを、前記取得した地図画像から除去することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項1】
当該携帯機器の位置を検出する位置検出部と、
前記携帯機器の方位を検出する方位検出部と、
前記位置と前記方位とに基づく範囲の地図画像を取得する地図画像取得部と、
前記取得された地図画像を表示部に表示させる表示制御部と、
前記携帯機器に発生した加速度を検出する加速度検出部と、
を具備し、
前記地図画像取得部は、前記方位検出部によって検出された方位と平行な方向の加速度が前記加速度検出部によって検出されたときに、前記位置と前記方位とに基づいて取得した前記地図画像よりも遠方の範囲を含む地図画像を取得し、
前記表示制御部は、前記地図画像取得部によって新たに取得された地図画像を前記表示部に表示させることを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
前記携帯機器の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに具備し、
前記表示制御部は、前記姿勢検出部によって検出された前記携帯機器の姿勢から前記表示部の表示面の向きを判別し、該判別した表示面の向きの変化に従って前記地図画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の携帯機器。
【請求項3】
被写体を撮像して画像を得る撮像画像を得る撮像部をさらに具備し、
前記表示制御部は、前記表示面の向きが地表に対して垂直であると判別した場合に、前記地図画像を台形状に整形し、該整形した地図画像を前記撮像画像に重畳して前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の携帯機器。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示面の向きが地表に対して平行であると判別した場合に、前記地図画像を前記表示部の全画面に表示させることを特徴とする請求項2に記載の携帯機器。
【請求項5】
前記表示部の表示面への接触を検出する接触検出部をさらに具備し、
前記表示制御部は、前記接触検出部によって検出された接触位置に従って前記地図画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項6】
被写体を撮像して画像を得る撮像画像を得る撮像部をさらに具備し、
前記地図画像取得部は、さらに、前記撮像部の画角に基づいて、前記取得する地図画像の前記方位と直交する方向の幅を決定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項7】
前記地図画像取得部は、前記取得する地図画像の前記方位と直交する方向の幅を固定の幅とすることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項8】
前記地図画像取得部は、さらに、前記加速度検出部で検出された加速度の大きさに基づいて、前記取得する地図画像の前記方位と平行な方向の幅を決定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項9】
被写体を撮像して画像を得る撮像画像を得る撮像部をさらに具備し、
前記地図画像取得部は、さらに、前記撮像部の焦点距離に基づいて、前記取得する地図画像の前記方位と平行な方向の幅を決定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の携帯機器。
【請求項10】
前記携帯機器の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに具備し、
前記地図画像は、高度情報を有する地図画像であり、
前記地図画像取得部は、前記姿勢検出部によって検出された前記携帯機器の姿勢から前記携帯機器の仰角を判別し、該判別した仰角によって規定される高度よりも低い高度のランドマークを、前記取得した地図画像から除去することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の携帯機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−48361(P2013−48361A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186078(P2011−186078)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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