説明

携帯用ドライヤ

【課題】バーナーの消火時に確実に消火を検知することができ、安全性に優れた携帯用ドライヤを提供すること。
【解決手段】本発明の携帯用ドライヤの発明は、ガスボンベから供給されたガスを燃焼させるバーナーと、バーナーの点火を行う点火機構と、バーナーの着火を検出する着火検出部と、ガスの燃焼によりバーナー周辺で熱せられた空気を温風として吹出し口から吹き出させるファンと、ファンを駆動するモータの回転速度を制御する制御部と、吹出し口から吹き出される空気の吹出し温度を検出する吹出し温度検出部と、外気温度を検出する外気温度検出部と、バーナーの消火を検知する消火検知部と、を備えた携帯用ドライヤであって、消火検知部は、外気温度に基づいてバーナーの消火検知条件を設定し、消火検知条件と吹出し温度検出部の出力に基づいてバーナーの消火を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はコードレスの携帯用ドライヤに関し、特に熱源としてガスを使用した操作性に優れたガス式の携帯用ドライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアードライヤの熱源として、電気ヒータに代えて、ボンベに充填したブタンガス等の液化石油ガスの燃焼熱を利用したヘアードライヤが開発され、既に市販されている。ガスの燃焼熱を利用したヘアードライヤは、電気ヒータを用いたものに比べて、外部電源への接続が不要となるためにコードレスとすることができるので、電源が入手できないところでも使用できる等、使用場所が制限されないことから、広く使用されるようになってきている。
【0003】
例えば、図8は下記特許文献1に開示された携帯用ヘアードライヤの構成を示す断面図である。このヘアードライヤ100は、ピストル型のドライヤ本体101、前側に吐風口103を有し後側に吸気口104を形成した縦方向断面形状が円筒形又は楕円形円筒状ケース102、前記筒形ケーシング内の吐風口103側に近い位置に配設したバーナー105、前記バーナーの近くに固定した生ガスに点火する点火器(スパークプラグ)106、バーナーでの燃焼に必要な空気を取り込むエジェクター107、前記筒形ケース内の吸気口104側に近い位置に配設され、ファン109を回転駆動するモータ108を備えている。
【0004】
そして、前記筒状ケース102の後方寄りの下部に該ケースと一体形成した膨出部110が設けられており、その内部には空所111を形成し、この空所内にはマイコンを搭載したコントロール基板が取り付けられており、前記バーナー105の燃焼状態を見てガス流路の開閉や電池電圧を検圧してモータ108の回転動作および回転速度を制御している。
【0005】
前記筒状ケース102の下部であって該ケースの外壁面形状に沿って形成した空間収納部113には、電池114を弧状に収納し、前記バーナー105の近傍には着火検出装置115が設けられる。
【0006】
さらに、前記膨出部110には軸117によって折り曲げ(回動)自在に連結した断面が円筒形または楕円形の筒長で中空のハンドルが設けられており、仕切板118によって内部を上下方向に区画して上部空間部119と下部空間部120を形成しており、それぞれの空間部はハンドル内に直線状に配置されている。
【0007】
そして、上部空間部119は、筒状ケーシング102側に近い位置にあり、バーナー105へのガス流路の開閉弁121と点火器106への高電圧印加及びモータ108への通断電を行う作動スイッチ122と、点火装置123を収納固定している。
【0008】
また、下部空間部120は、前記仕切板118と反対側を開口部124とし、前記仕切板118はハンドル116内に嵌合し確実に固定した状態で取り付けられ上部空間部119側の延設部125と下部空間部120側の係合部126とを一体形成しており、延設部125にはガスホース127を連結し係合部126はガスボンベ128のガス供給部129の連結部130を構成している。
【0009】
尚、上述したような従来のヘアードライヤ100の消火検知は次のようにして行われている。すなわち、ヘアードライヤ100の吐風口103付近にはサーミスタが設けられ、この吐風口103を通過する温風の温度を検出し、その計時変化をみることによって消火の判定を行っている。すなわち、サーミスタによって温度検知を行い、計時変化を計測し、温度変化の傾きが所定の傾きよりも大きな傾きで温度低下した場合に消火を検出する。
【特許文献1】特開2005−87445号公報(段落[0018]〜[0026]、[0056]、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述したドライヤおよび消火の検知方法で消火検知を行った場合、消火したことを正確に検知できない場合があるという問題点があった。
【0011】
例えば、点火後にサーミスタの検知温度が十分に上がりきっていないうちに消火したような場合には、温度低下(の傾き)は小さくなる。一般に、ヘアードライヤは点火時には低速回転で風量が少ないためサーミスタの検知温度が上昇し、これはヘアードライヤが点火後に高速回転になるまで続く。その後高速回転になると、サーミスタの検知温度が低下するが、このときの温度低下(の傾き)と、上記の消火時の温度低下(の傾き)とを区別することができず、上記の消火を検出できない場合があったり、反対に高速回転時の温度低下を誤って消火と検知してしまう場合があった。消火時の温度低下(の傾き)が小さくなる傾向は、室温が低い場合には一層顕著になり、消火を検知することができず、火が消えたまま生ガスが携帯用ドライヤの吹出し口から吹き出される場合があり、安全上問題があった。特に、運転停止後に再スタートしたときは、最初から温度が高くなっているため、温度低下(の傾き)が小さくなる傾向が顕著に現れ、消火検知ミスを起こす可能性が高くなる。
【0012】
また、ヘアードライヤのガスが切れてしまう、いわゆるガス切れを起こした場合、炎はすぐに消えずにだんだん小さくなり、サーミスタの検知温度が徐々に低下し、数分してから炎が消える。このときの温度低下(の傾き)はそれほど大きくなく、1分間に数℃程度であり、室温が低いほど温度低下(の傾き)は小さい。したがってこのときの温度低下と、ガスの燃焼時の温度低下とを判断することが難しく、ガス切れを検知することができない場合があった。
【0013】
ガスの燃焼時に温度が低下する理由を説明すると、ガスドライヤーは運転後、バーナー等の温度が燃焼温度になじむまでの間は温度が上昇する。しかし、その後はボンベからガスが蒸発するときの気化熱でボンベの温度が低下し、ガスの供給量が減る。ガスの蒸発量は室温が高いほど多くなり、気化熱によるボンベの温度低下も早くなる。また、これに伴ってガスの供給量が減るのも早くなり、温度の低下も大きくなる。このような理由から、特に室温が高いときの燃焼時の温度低下はガスがなくなったときの温度低下より大きくなる場合がある。
【0014】
更に、上述したような携帯型ドライヤが熱源として電力を使用しないため蓄電池等の携帯電源は必要最低限に抑えることができ、携帯性に優れているという特徴を有しているが、ガスボンベには可燃性のブタンガス等が充填されているため、その取り扱いには十分に注意する必要がある。
【0015】
なお、上記以外の従来技術として、フレームロッドによって炎検出して消火検知を行う技術も存在するが、高い電圧が必要となり昇圧回路が必要となるため実用的ではない。
【0016】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであり、バーナーの消火時に確実に消火を検知することができ、安全性に優れた携帯用ドライヤを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、請求項1に係る携帯用ドライヤの発明は、ガスボンベから供給されたガスを燃焼させるバーナーと、前記バーナーの点火を行う点火機構と、前記バーナーの着火を検出する着火検出部と、前記ガスの燃焼により前記バーナー周辺で熱せられた空気を温風として吹出し口から吹き出させるファンと、前記ファンを駆動するモータの回転速度を制御する制御部と、前記吹出し口から吹き出される空気の吹出し温度を検出する吹出し温度検出部と、外気温度を検出する外気温度検出部と、前記バーナーの消火を検知する消火検知部と、を備えた携帯用ドライヤであって、前記消火検知部は、前記外気温度に基づいて前記バーナーの消火検知条件を設定し、該消火検知条件と前記吹出し温度検出部の出力に基づいてバーナーの消火を検知することを特徴とする。
【0018】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯用ドライヤにおいて、前記消火検知条件は、予め設定された前記外気温度と吹出し温度との温度差であることを特徴とする。
【0019】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の携帯用ドライヤにおいて、前記温度差は、外気温度が高い場合には大きくし、外気温度が低い場合には小さくすることを特徴とする。
【0020】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の携帯用ドライヤにおいて、前記消火検知条件は、予め設定された前記吹出し温度の単位時間あたりの温度低下の閾値であって、前記吹出し温度検知部によって検知された吹出し温度の単位時間あたりの温度低下と前記閾値とを比較することによってバーナーの消火を検知することを特徴とする。
【0021】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の携帯用ドライヤにおいて、前記閾値は、外気温度が高い場合には大きくし、外気温度が低い場合には小さくすることを特徴とする。
【0022】
また、請求項6の発明は、請求項1に記載の携帯用ドライヤにおいて、前記消火検知条件は、予め設定された前記外気温度と吹出し温度との温度差及び前記吹出し温度の単位時間あたりの温度低下の閾値であって、前記吹出し温度検出部によって検出された吹出し温度と外気温度との温度差及び前記吹出し温度の単位時間あたりの温度低下と前記閾値との差の両方に基づいて消火を検知することを特徴とする。
【0023】
また、請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかに記載の携帯用ドライヤにおいて、前記外気温度を検知するセンサを、前記ファンの吸気口近辺または前記制御部を搭載した制御パネル近辺に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
また、請求項2に係る発明によれば、前記消火検知部は、外気温度と吹出し温度との温度差を消火検知条件と設定しているので、当該携帯用ドライヤの様々な使用環境に応じてバーナーの消火を検知することができ、ドライヤの燃焼状態が安定したことによる温度低下等を不用意に消火と誤検知することを防止するとともに、消火の検知が確実に行なわれるようにすることができ、安全性の高い使い勝手に優れた携帯用ドライヤを提供できる。
【0025】
また、請求項3に係る発明によれば、前記消火検知条件としての温度差は、外気温度が高い場合には大きくし、外気温度が低い場合には小さくするため、消火の検知がより確実に行なわれるようにすることができる。
【0026】
また、請求項4に係る発明によれば、前記消火検知部は、消火検知条件として吹出し温度の単位時間あたりの温度低下の閾値を設定したものであり、この閾値を吹出し温度の単位時間あたりの温度低下と比較してバーナーの消火を検知する。これにより、当該携帯用ドライヤの様々な使用環境に応じてバーナーの消火を検知することができるとともに、消火の検知が確実に行なわれるようにすることができ、安全性の高い使い勝手に優れた携帯用ドライヤを提供できる。
【0027】
また、請求項5に係る発明によれば、前記消火検知条件としての吹出し温度の単位時間あたりの温度低下の閾値は、外気温度が高い場合にはその数値を大きくし、外気温度が低い場合にはその数値を小さくするため、例えば、外気温度が低いときのガス切れ時の温度低下は小さく、外気温度が高い場合の運転中の温風の温度の低下よりも小さくなるが、このような比較的小幅な温度低下でも検知して消火とみなすことができるようになる。このように、消火の検知が確実に行なわれるようにすることができ、安全性の高い使い勝手に優れた携帯用ドライヤを提供できる。
【0028】
また、請求項6の発明によれば、消火検知条件を外気温度と吹出し温度との温度差及び吹出し温度の単位時間あたりの温度低下の閾値とし、これらの消火検知条件を適宜使用して消火検知を行うので、上述の請求項2及び請求項4に示されるような効果を奏することが可能な携帯用ドライヤを提供できる。
【0029】
また、請求項7の発明によれば、前記外気温度を検知するセンサを、前記ファンの吸気口近辺あるいは前記制御部を搭載した制御パネル近辺に設けたことにより、外気温度を正確に検知することができ、温風の温度と外気温度の温度差を測定できる他、温風の温度低下を外気温度に応じて消火判定することができるようになり、消火の検知が確実に行なわれるようにすることができ、安全性の高い使い勝手に優れた携帯用ドライヤを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、実施例及び図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための携帯用ドライヤを例示するものであって、本発明をこの携帯用ドライヤに特定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
【0031】
図1は本発明に係る携帯用ドライヤの一実施例の外観斜視図であり、図2は図1の携帯用ドライヤの正面図であり、図3は実施例の携帯用ドライヤの内部配置の概要を説明する一部切り欠き断面図であり、また、図4は実施例の携帯用ドライヤのボンベカバーを外した内部を示す斜視図である。更に、図5は実施例の携帯用ドライヤの制御用電気回路を示すブロック図であり、図6は実施例の携帯用ドライヤがとりうる各動作状態間の関係を説明する図であり、図7は実施例の携帯用ドライヤの動作を説明するタイムチャートである。
【実施例1】
【0032】
本発明の実施例に係る携帯用ドライヤ10の外ケース10aは、図1及び図2に示すように、耐熱性の成型品やステンレス・スチールなどにより構成され、図2に示すように、横断面の輪郭が略楕円形となされている。そして外ケース10aは、本体10b、ボンベカバー10c、後部カバー10dから構成される。また、外ケース10aの縦断面の基本形体は、図3に示すように、略直角三角形であるが、特にその斜辺10hが緩やかな膨らみを有して大きく変形し、また略直角三角形の頂点付近10sは丸められて滑らかな円形ドーム形状となっている。外ケース10aはその側面にスライドつまみ26の一部が僅かに出ているだけで、全体として滑らかな形態をしている。
【0033】
さらに、楕円形の輪郭を有する外ケース正面の上部には、熱風を吹き出す吹出し口14が開口している。また、斜辺10hの後端近くにはストラップ取り付け手段40が設けてあり、本体10bの側面の一部は保持を容易にするための窪み又は突起10gが形成されている。ちなみに、図1に示した携帯用ドライヤ10は、ボンベカバー10cに比べて吹出し口14が若干前面に突出しているが、このようなものでも外ケース10aの基本形体は略直角三角形であり、他にも例えばボンベカバー10cが背面方向に傾斜していてもよい。
【0034】
この外ケース10aの内部には、図3に示すように、熱風発生室11をガスボンベ室12と一端で連結してV字型となるように配置している。すなわち、V字の一方の辺には円筒形に形成された熱風発生室11が配置され、この熱風発生室11の先端に外部に熱風を吹き出す吹出し口14が位置し、その内部には、図示しないが、触媒燃焼部などガス燃焼室とバーナーなどの熱源、さらには熱源の後方には送風室15が設けられ、風を送るファンモータ15aと送風ファン15bが配設される。V字の他方の辺には円筒形のガスボンベ室12が設けられ、ガスボンベ室12にはプロパン、ブタンなどの燃料ガスを充填したガスボンベ13が着脱自在に装着される。
【0035】
熱風発生室11とガスボンベ室12との間にはガスの点火機構20が収納され、V字の2辺が交わる位置に設けられた後部カバー10dには外気を導入するため複数の孔からなる吸気口18が設けられている。点火機構20は、電池収納部21に装着された電池とマイクロスイッチ22を含む制御用電気回路と、ガスボンベ室12に装着したガスボンベ13からの燃料ガス供給量を制御するバルブ23と、火花放電用の電子的高電圧発生回路24及び点火プラグ25からなる点火器55とで構成されており、電子的高電圧発生回路24に高電圧を発生させるための操作スイッチ(スライドつまみ26)が外ケースの側壁面に設けてある。
【0036】
電子的高電圧発生回路24の出力は一方の放電電極を形成する点火プラグ25に接続されている。他方の放電電極は、熱風発生室11の外周部に設けられており、電子的高電圧発生回路24と電線により接続されている。なお、図3においては、ガスボンベ13、バルブ23及び熱風発生室11のノズル相互間の配管や電線の接続は図示を省略してある。
【0037】
熱風発生室11の内部には、ガスボンベ13からバルブ23を介したガス供給路の中継パイプの出口に位置するノズルが設けられている。さらに、ノズルの後方から吹出し口14に向けて空気を供給する送風ファン15bによって送風される空気と燃料ガスを混合して混合気体を作る混合部と、混合気体を所定の温度まで加熱する予熱部と、予熱部で混合気体に点火する着火部と、予熱部によって加熱された混合気体を燃焼させるバーナーや触媒燃焼部などのガス燃焼室を構成する熱源及び放熱フィンなどが設けられている。なお、触媒燃焼部は担体として多孔質のコーディエライトやアルミナなどのセラミックスや金属板が、触媒としては白金やパラジウムなどが用いられる。
【0038】
また、吹出し口14の付近には熱風発生室11から放出される温風の温度を検知するためのサーミスタからなる温風センサ61(図示せず)が設けられており、送風室15と吸気口18との間には吸気口18から導入された外気の温度を検知するための同じくサーミスタからなる室温センサ62(図示せず)が設けられている。
【0039】
バルブ23は、ガスボンベ13のガスが供給される熱風発生室11のノズルにつながる中継パイプの途中に位置している。バルブ23は、その弁の開閉を制御してガスボンベ13からの燃料ガス供給量を制御する。バルブ23の周辺部に設けられたクランクレバー27の掛止片には弁開閉機構を構成するバルブシャフト23aが係止されている。このバルブシャフト23aが移動することにより、ばねの弾性力に抗してバルブから引き出され、バルブ23の後端部に形成された制御弁(図示せず)の絞り口の開口面積が増大しガスの供給量が増加する。また、中継パイプの先端に設けたノズルは、ガスボンベ13内のガスが気化されたガスを図示しない混合部に噴射させる。
【0040】
予熱部は、触媒燃焼を促進するために、混合気体を所定の温度にまで加熱する部分であり、触媒燃焼部の外周を覆うとともに一端が混合部まで延設された余熱フィンと熱源の出口を覆う通気性のある網目状ネットで構成されている。混合され予熱されたガスは、電子的高電圧発生回路24から印加された高電圧に基づく火花放電により着火、燃焼される。
【0041】
送風室15は、送風ファン15bとファンモータ15aとからなり、ガスと空気を一定の割合に混合するよう混合部に所要の空気量を送る。ボンベカバー10cを外して携帯用ドライヤ10の内部を示した図4を参照すると明らかなように、ファンモータ15aの駆動用電源を格納する電池収納部21は、外ケース10a内の円筒形の熱風発生室11と、同じく円筒形のガスボンベ室12とに挟まれた空間に設けられている。V字を構成する一方の辺と他方の辺の中間に生じる隙間に電池収納部21を設けると、前記熱風発生室11とガスボンベ13とに挟まれた隙間は電池の収納スペースとして有効利用され、携帯用ドライヤを小型にできる。さらに、電池収納部21の前面には着脱自在な蓋17を設けたので、電池交換時の電池の出し入れが容易となる。ボンベカバー10cの脱着は、ロックボタン10eを押して引っ張り、溝16に沿ってスライドさせることによって外すことができ、溝16に嵌め込んでスライドさせながら押し込むことにより装着できるようになっている。なお、10fはボンベカバー10cを着脱するための他方のロックボタンである。
【0042】
つぎに、図5を参照して本実施例の携帯用ドライヤに用いられている制御用電気回路について説明する。
【0043】
図5に示すように、この制御用電気回路は、メイン基板に搭載されているマイコンを用いた制御部50から構成されている。さらに、制御部50には、動作状態に応じてファンモータ15aの回転速度を制御する回転速度制御部51、制御に必要な時間を計時する内蔵タイマ部52、予め設定した基準値との比較により一定時間当たりの温度上昇を判断して着火の有無を判定する着火判定部53、温風センサ61によって測定される温風の温度と室温センサ62によって測定される外気温度との温度差を、予め設定した基準値と比較することによって、あるいは温風センサ61によって測定される温風の温度の一定時間あたりの温度低下を室温センサ62によって測定される外気温度に対応した温度ごとに予め設定された基準値と比較することによって消火の有無を判定する消火判定部54が含まれている。
【0044】
また、制御部50には、ガス燃焼室内の混合ガスに点火する点火器55、バルブ23を電気的に開閉制御するときに用いられるソレノイド(マグネットユニット)56、各部へ電源電圧を供給する電池57、モータにより駆動されるファン等の動作状態を表示するための動作表示LED58、ガス燃焼室内の混合ガスの着火を検知する着火センサ59が接続される。さらに、制御部50には、ファンを駆動するファンモータ15a、操作スイッチ26、熱風発生室11内の温度過昇を検知する過昇センサ60、熱風発生室11から放出される温風の温度を検知する温風センサ61、吸気口18から導入された外気の温度を検知する室温センサ62が接続されている。
【0045】
つぎに、本実施例の携帯用ドライヤを使用するときの各動作状態と各動作状態間の遷移について説明する。図6に示すように、本実施例の携帯用ドライヤは、その動作状態として、スタンバイモード、起動モード、低速運転モード、点火モード、モータ回転上昇モード、平常運転モード、正常停止モード、ガス抜きモード、異常停止モードの何れかの状態をとる。
【0046】
[スタンバイモード]
スタンバイモード(モード0)は、ドライヤを停止させたときのモードであり、電池からの電源供給(VOPOUT)が停止しており、ファンモータ15aが停止、動作表示LEDが消灯、バルブ23が閉状態、点火機構20が未点火状態になっている。
【0047】
[起動モード]
起動モード(モード1)は、スタンバイモードから操作スイッチ26をONにしたときの最初のモードであり、電池からの電源供給(VOPOUT)が出力され、ファンモータ15aが高速回転、動作表示LEDが点滅、バルブ23が開状態、点火機構20が未点火状態になっている。ここで、ファンモータ15aと動作表示LEDはVOPOUTが出力されてから30mS後に作動するように設定されている。
【0048】
[低速運転モード]
低速運転モード(モード2)は、起動モードになった後、所定時間(例えば、0.2秒)経過した後に遷移するモードであり、電池からの電源供給(VOPOUT)が出力され、ファンモータ15aが低速回転、動作表示LEDが点滅、バルブ23が開状態、点火機構20が未点火状態になっている。
【0049】
[点火モード]
点火モード(モード3)は、低速運転モードになった後、所定時間(例えば、0.2秒)経過した後に遷移するモードであり、電池からの電源供給(VOPOUT)が出力され、ファンモータ15aが低速回転、動作表示LEDが点滅、バルブ23が開状態、点火機構20が点火状態になっている。
【0050】
なお、点火モードでは、着火判定部53が着火センサ59により一定時間当たりの温度変化を検出し、これと基準値(着火検知条件)との比較により着火の判定を行っている。例えば、着火検知開始後の所定期間(例えば、10秒間)であり、単位時間当たりの温度変化ΔTが所定温度(例えば、2℃)以上の温度上昇であれば着火と判定する。
【0051】
この判定において、着火検知開始直後、点火なし・余熱ありの場合の誤検知を無くすために、着火検知条件を複数用意して着火を検知することも可能である。
【0052】
[モータ回転上昇モード]
モータ回転上昇モード(モード4)は、着火センサによる着火検知後、所定期間(例えば、0.5秒)経過した後に遷移するモードであり、電池からの電源供給(VOPOUT)が出力され、ファンモータ15aがPWM制御による直線的加速回転、動作表示LEDが点灯、バルブ23が開状態、点火機構20が点火状態になっている。ここで、点火機構20は、モータ回転上昇モードになった後、所定期間(例えば、0.5秒)だけ点火状態になる。
【0053】
[平常運転モード]
平常運転モード(モード5)は、モータ回転上昇モードになった後、所定期間(例えば、3秒)経過した後に遷移するモードであり、電池からの電源供給(VOPOUT)が出力され、ファンモータ15aが高速回転、動作表示LEDが点灯、バルブ23が開状態、点火機構20が未点火状態になっている。
【0054】
[正常停止モード]
正常停止モード(モード6)は、例えば平常運転モードで操作スイッチ26をOFFにしたときのモードであり、電池からの電源供給(VOPOUT)が出力され、ファンモータ15aが高速回転、動作表示LEDが消灯、バルブ23が閉状態、点火機構20が未点火状態になっている。なお、正常停止モードは、起動モード、低速運転モード、点火モード、あるいはモータ回転上昇モードで操作スイッチ26をOFFにしたときにも遷移するモードである。また、正常停止モードのときに、所定時間内(例えば、3秒間)に操作スイッチ26をONにした場合には、低速運転モードへ遷移し、操作スイッチ26をONにしないで所定時間(例えば、3秒)経過した場合には、スタンバイモードへ遷移する。
【0055】
[ガス抜きモード]
ガス抜きモード(モード7)は、低速運転モード、点火モード、モータ回転上昇モード、平常運転モード、あるいは正常停止モードでセンサ異常(温度異常など)を検出した場合や、モータ回転上昇モードや平常運転モードで後述する消火判定がなされたときに遷移するモードであり、電池からの電源供給(VOPOUT)が出力され、ファンモータ15aが高速回転、動作表示LEDが消灯、バルブ23が閉状態、点火機構20が未点火状態になっている。
【0056】
なお、消火判定は、消火判定部54において温風センサ61により検知された熱風発生室11から放出される吹出し温度、つまり温風の温度と室温センサ62により検知された吸気口18から導入される外気温度との温度差、または温風センサ61によって検知された温風の温度の単位時間あたりの温度低下(つまり温度低下の傾き)を、外気温度ごとに予め定められた基準となる単位時間あたりの温度低下の閾値(消火検知条件)と比較することにより行う。
【0057】
この判定において、消火検知条件としての温度差は、外気温度が高い場合には大きく設定し、外気温度が低い場合には小さく設定する。あるいは、消火検知条件としての温度差の単位時間あたりの温度低下の閾値は、外気温度が高い場合には大きく設定し、外気温度が低い場合には小さく設定する。尚、この消火検知については後にパターン別に詳述する。
【0058】
このように消火検知の感度を外気温度に応じて設定するため、室温の低下に伴うガスの供給量低下により生じる温度低下を不用意に消火と誤検知することはなく、室温の温度状態に応じて適切な判断ができるようにしている。
【0059】
[異常停止モード]
異常停止モード(モード8)は、ガス抜きモードで操作スイッチ26をOFFにしたときのモードであり、電池からの電源供給(VOPOUT)が出力され、ファンモータ15aが高速回転、動作表示LEDが消灯、バルブ23が閉状態、点火機構20が未点火状態になっている。なお、異常停止モードのときに、所定時間内(例えば、3秒間)に操作スイッチ26をONにした場合には、センサ異常を検出するとガス抜きモードへ遷移し、センサ異常を検出しないと低速運転モードへ遷移し、操作スイッチ26をONにしないで所定時間(例えば、3秒)経過した場合には、スタンバイモードへ遷移する。また、点火モードのときに回転異常(回転異常L)を検出した場合や、平常運転モードから所定時間(例えば、0.2秒)経過した後や、正常停止モード、ガス抜きモード、あるいは異常停止モードのときに回転異常(回転異常H)を検出した場合にはスタンバイモードへ遷移する。
【0060】
さらに、図7を参照して本実施例の携帯用ドライヤの動作について説明する。図7は、本発明に係る携帯用ドライヤの動作を説明するタイムチャートであり、操作スイッチをONにしてドライヤを平常に使用し、その後、操作スイッチをOFFにして停止するまでのものである。なお、最初はスタンバイモードになっており、操作スイッチ26がOFF状態であり、ファンモータが停止、点火器55がOFF状態(未点火)になっている。
【0061】
この状態から操作スイッチ26をON状態にすると、起動モードになり、低速運転時はファンモータ電圧が低くなっているのでファンモータが起動しにくいことから起動時のみモータ電圧を高速にする。また、操作スイッチ26がON状態に切り替わると同時に、タイマが作動し、所定時間(例えば、0.2秒)経過すると、起動モードから低速運転モードに遷移し、ファンモータが低速回転し、熱風発生室11には点火に適した燃焼ガス濃度の混合ガスが送られる。
【0062】
さらに、低速運転モードに遷移してから所定時間(例えば、0.2秒)経過すると、低速運転モードから点火モードに遷移し、ファンモータは低速回転のままで点火器55がON状態(点火状態)に切り替わり、点火動作が開始される。
【0063】
また、点火モードに移行すると同時に、着火検知のためのタイマが作動し、着火センサ59が所定時間内(例えば、10秒以内)に正常に温度上昇を検知すれば正常に着火したと判定され、所定時間内に正常な温度上昇が検出されない場合はミス着火状態の判定がなされる。なお、図7のタイムチャートでは所定時間内に燃焼状態になったものとする。
【0064】
点火モード中に点火器による点火動作を行うことで混合ガスが着火され、所定時間内(例えば、10秒以内)に着火センサによる着火検知がなされると、TESTOUTの出力をON状態(Hレベル)にする。TESTOUTの出力をON状態(Hレベル)にすると同時に、モータ回転上昇モードへ遷移するタイミングを判定するためのタイマが作動し、所定期間(例えば、0.5秒)経過すると、点火モードからモータ回転上昇モードに遷移し、ファンモータの回転数を直線的に上昇させる。
【0065】
ここで、ファンモータの出力をPWM出力とし、所定期間(例えば、3秒間)でデューティー比を100%まで段階的に上げていく。このときPWM出力の1サイクルは0.4mS程度とし、デューティー比上昇は最小でも30ステップ程度で上昇させれば良く、それよりもステップ数は多くても良い。
【0066】
また、モータ回転上昇モードになってから所定期間(例えば、0.5秒)経過すると、点火器がOFF状態(未点火)に切り替わる。なお、点火モードに遷移してからモータ回転上昇モードに遷移するまでの間、回転異常L判定を行うためにファンモータの回転検知が開始される。
【0067】
やがて、モータ回転上昇モードでのファンモータの回転数が高速回転に達すると、モータ回転上昇モードから平常運転モードに切り替わり、TESTOUTの出力をOFF状態(Lレベル)にする。さらに、平常運転モードに遷移してから所定時間(例えば、0.2秒)経過すると、回転異常H判定を行うためにファンモータの回転検知が開始される。
【0068】
やがて、正常動作モードでの使用を終えて、操作スイッチをOFFにすると、正常動作モードから正常停止モードに切り替わり、ファンモータの回転数を3秒間高速回転に維持し、生ガスを含む混合ガスが短時間のうちに外部に発散されて安全な状態になる。
【0069】
そして最後に、正常停止モードになってから所定時間(例えば、3秒間)経過すると、ファンモータが停止し、これにより携帯用ドライヤは完全に停止し、スタンバイモードに戻る。
【0070】
次に、本実施例における消火検知の方法について消火検知条件毎に説明する。
[温風の温度と外気温度との温度差を消火検知条件とする場合]
以下に述べるものは、温風の温度と外気温度との温度差が、予め決められた所定の温度差よりも小さい場合は消火と判定し、大きい場合には燃焼状態であると判定するものである。
(1)点火した後すぐに火が消えてしまった場合
この場合は、温風の温度は十分に上がりきっておらず、外気温度との温度差は消火検知条件の温度差よりも小さい。そのため、消火判定部54は、消火したことを検出し、携帯用ドライヤ10の制御はガス抜きモードへ移行される。
(2)平常運転時にガス切れを起こした場合
この場合は、バーナーの炎はすぐには消えず、徐々に小さくなって消える。このとき、外気温度と温風の温度との温度差は徐々に小さくなり、一定値に達すると消火検知を行い、ガス抜きモードへ移行する。
(3)運転中に温度が低下する場合
携帯用ドライヤ10は、運転後、バーナー等の温度が燃焼温度になじむまでの間は温度が上昇するが、その後はボンベからガスが蒸発するときの気化熱でボンベの温度が低下するためガスの供給量が減り、温風の温度が低下する。このよう場合は、温風の温度と外気温度との温度差は小さくなるが、ガス切れを起こしたときとは違って温度差が小さくなり続けることはないので、消火検知条件の温度差を適切な値に設定しておけば、運転時の温度低下をガス切れ時の温度低下と混同することを避けることができ、正常運転を続行できる。
【0071】
このように、温風の温度と外気温度との温度差を測定し、消火検知条件と比較することで、バーナーの消火検知をより正確に行うことができるようになる。
【0072】
また、外気温度が高いときには消火検知条件としての温度差を大きく設定し、反対に外気温度が低いときには消火検知条件としての温度差を小さく設定することで、上述の制御において外気温度に左右されることなく正確な消火検知を実現できる。
[温風の温度の単位時間あたりの温度低下の閾値を消火検知条件とする場合]
温風の温度の単位時間あたりの温度低下の閾値(温度低下の傾き)を消火検知条件として設定する場合は、外気温度が高い場合には消火検知条件としての単位時間あたりの温度低下の閾値(温度低下の傾き)を大きく設定し、外気温度が低い場合には消火検知条件としての単位時間あたりの温度低下の閾値(温度低下の傾き)を小さく設定する。
(1)点火した後すぐに火が消えてしまった場合
この場合は、温風の温度は十分に上がりきらずに温度が低下するため、温度低下が小さく、これは外気温度が低いほど顕著になる。しかしながら、消火検知条件としての温風の温度の単位時間あたりの温度低下値が、外気温度が低いときは小さく設定されているため、温度の低下が小さくでも消火検知を行うことが可能となる。
(2)平常運転時にガス切れを起こした場合
この場合は、バーナーの炎はすぐには消えず、徐々に小さくなって消える。このときの温度低下は大きくなく、1分間に数度程度である。この温度低下は外気温度が低いほど小さくなる。しかしながら、本実施例では、消火検知条件としての温風の単位時間あたりの温度低下値を、外気温度が高い場合には大きく設定し、外気温度が低い場合には小さく設定するため、外気温度が低くて温風の温度低下が小さいような場合でも確実に消火検知を行うことができる。
(3)運転中に温度低下が生じる場合
この場合は、運転中にボンベからガスが蒸発するときの気化熱でボンベの温度が低下し、ガスの供給量が減少し、温風の温度低下が生じる。この温度低下は、外気温度が高いほどガスの蒸発量が多く、ボンベの温度低下が早くなるため、その単位時間あたりの温度低下大きくなる。しかしながら、本実施例では、消火検知条件としての温風の温度の単位時間あたりの温度低下の閾値を外気温度が高い場合には大きく設定しているため、より急激な温度低下があった場合にのみ消火検知を行うことができ、運転中の温風の温度低下を誤って消火と検知することがなくなる。また、消火検知条件としての温風の温度の単位時間あたりの温度低下の閾値を外気温度が低い場合には小さく設定しているため、例えば、外気温度が低いときのガス切れ時の温度低下は小さく、外気温度が高い場合の運転中の温風の温度の低下よりも小さくなるが、このような比較的小幅な温度低下でも検知して消火とみなすことができるようになる。
【0073】
以上の説明では、温風の温度と外気温度の温度差を所定の温度差と比較して消火を検知する場合と、温風の温度の温度低下の傾きを外気温度ごとに設定された所定の温度低下の傾きと比較して消火を検知する場合について説明したが、これら2つの方法を組み合わせて消火検知を行うようにすれば、より正確な消火検知を行うことができる。
【0074】
以上説明したように、本実施例では、室温センサ62を送風室15と吸気口18との間に設置し、吸気口18から導入される外気の温度を検知するようにしたが、これは一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において他の位置に配置してもよく、例えば、ドライヤの温風の影響を受けない制御部50を搭載した制御パネル近辺に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に係る携帯用ドライヤの一実施例の外観斜視図である。
【図2】図1の携帯用ドライヤの正面図である。
【図3】図1の携帯用ドライヤの内部配置の概要を説明する一部切り欠き断面図である。
【図4】図1の携帯用ドライヤのボンベカバーをはずして内部を示す斜視図である。
【図5】実施例に係る携帯用ドライヤの制御用電気回路を示すブロック図である。
【図6】実施例に係る携帯用ドライヤがとりうる各動作状態間の関係を説明する図である。
【図7】実施例に係る携帯用ドライヤの動作を説明するタイムチャートである。
【図8】従来例の携帯用ドライヤの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0076】
10 携帯用ドライヤ
10a 外ケース
11 熱風発生室
12 ガスボンベ室
13 ガスボンベ
14 吹出し口
15 送風室
15a ファンモータ
15b 送風ファン
17 電池収納部の蓋
18 吸気口
20 点火機構
21 電池収納部
22 マイクロスイッチ
23 バルブ
24 電子的高電圧発生回路
25 点火プラグ
26 スライドつまみ(操作スイッチ)
50 制御部
51 回転速度制御部
52 内蔵タイマ部
53 着火判定部
54 消火判定部
55 点火器
56 ソレノイド(マグネットユニット)
57 電池
58 動作表示LED
59 着火センサ
60 過昇センサ
61 温風センサ
62 室温センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスボンベから供給されたガスを燃焼させるバーナーと、前記バーナーの点火を行う点火機構と、前記バーナーの着火を検出する着火検出部と、前記ガスの燃焼により前記バーナー周辺で熱せられた空気を温風として吹出し口から吹き出させるファンと、前記ファンを駆動するモータの回転速度を制御する制御部と、前記吹出し口から吹き出される空気の吹出し温度を検出する吹出し温度検出部と、外気温度を検出する外気温度検出部と、前記バーナーの消火を検知する消火検知部と、を備えた携帯用ドライヤであって、前記消火検知部は、前記外気温度に基づいて前記バーナーの消火検知条件を設定し、該消火検知条件と前記吹出し温度検出部の出力に基づいてバーナーの消火を検知することを特徴とする携帯用ドライヤ。
【請求項2】
前記消火検知条件は、予め設定された前記外気温度と吹出し温度との温度差であることを特徴とする請求項1に記載の携帯用ドライヤ。
【請求項3】
前記温度差は、外気温度が高い場合には大きくし、外気温度が低い場合には小さくすることを特徴とする請求項2に記載の携帯用ドライヤ。
【請求項4】
前記消火検知条件は、予め設定された前記吹出し温度の単位時間あたりの温度低下の閾値であって、前記吹出し温度検知部によって検知された吹出し温度の単位時間あたりの温度低下と前記閾値とを比較することによってバーナーの消火を検知することを特徴とする請求項1に記載の携帯用ドライヤ。
【請求項5】
前記閾値は、外気温度が高い場合には大きくし、外気温度が低い場合には小さくすることを特徴とする請求項4に記載の携帯用ドライヤ。
【請求項6】
前記消火検知条件は、予め設定された前記外気温度と吹出し温度との温度差及び前記吹出し温度の単位時間あたりの温度低下の閾値であって、前記吹出し温度検出部によって検出された吹出し温度と外気温度との温度差及び前記吹出し温度の単位時間あたりの温度低下と前記閾値との差の両方に基づいて消火を検知することを特徴とする請求項1に記載の携帯用ドライヤ。
【請求項7】
前記外気温度を検知するセンサを、前記ファンの吸気口近辺または前記制御部を搭載した制御パネル近辺に設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の携帯用ドライヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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