説明

携帯用超音波ミスト発生装置

【課題】携帯用超音波ミスト発生装置に特別の外観をもたせ、付加価値を与える。さらに、携帯用超音波ミスト発生装置を美顔術に使用するとき、ミストを他のアイテムと併用し、効率的にエステティック効果が得られるようにする。
【解決手段】液柱11の水平方向一方側において、窓12がタンク2の側壁に形成される。さらに、LED13が液柱11の水平方向他方側に設けられ、窓12に対向し、LED13によって液柱11が照明され、その光が窓12を透過する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯用超音波ミスト発生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本願出願前、出願人は新しい形式の携帯用超音波ミスト発生装置を開発し、提案した。特開2005−111328号公報(特許文献1)および特開2006−142119号公報(特許文献2)に記載されているものがそれである。
【0003】
各公報の装置は液体収容タンクおよび超音波振動子を有し、超音波振動子はタンクの底面に設けられる。したがって、超音波振動子によってタンクの液体を超音波振動させ、その液面から液柱を噴出させ、液柱によってミストを発生させることができる。そのミストはきわめて小さい。さらに、ノズルがタンクに接続され、エアがタンクに送られ、エアによってミストが送られ、これがノズルから噴出する。したがって、たとえば、この装置を美顔術に使用し、ミストを顔に吹き付け、皮膚に吸収させることができる。
【0004】
ところで、美顔術という市場の必要上、この装置に特別の外観をもたせ、付加価値を与えることが要望されている。ミストを他のアイテムと併用し、効率的にエステティック効果が得られるようにすることも要望されている。
【0005】
したがって、この発明の目的は、携帯用超音波ミスト発生装置に特別の外観をもたせ、付加価値を与えることにある。他の目的は、携帯用超音波ミスト発生装置を美顔術に使用するとき、ミストを他のアイテムと併用し、効率的にエステティック効果が得られるようにすることにある。
【特許文献1】特開2005−111328号公報
【特許文献2】特開2006−142119号公報
【発明の開示】
【0006】
この発明によれば、液体収容タンクが超音波振動子と組み合わされ、超音波振動子はタンクの底面に設けられる。したがって、超音波振動子によってタンクの液体を超音波振動させ、その液面から液柱を噴出させ、液柱によってミストを発生させることができる。さらに、液柱の水平方向一方側において、窓がタンクの側壁に形成される。さらに、LEDが液柱の水平方向他方側に配置され、窓に対向し、LEDによって液柱が照明され、その光が窓を透過する。さらに、ノズルがタンクに接続され、エアがタンクに送られる。したがって、エアによってミストが送られ、これがノズルから噴出する。
【0007】
好ましい実施例では、LEDがタンクの側壁に設けられる。
【0008】
LEDは赤色LEDである。
【0009】
複数の種類のLEDを液柱の水平方向一方側に配置し、窓に対向させ、切り換えスイッチを各LEDに接続してもよい。この場合、切り換えスイッチによっていずれかのLEDを選択し、選択したLEDによって液柱を照明し、その光が窓を透過するようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施例を説明する。
【0011】
図1はこの発明にかかる携帯用超音波ミスト発生装置を示す。この装置はケース1、液体収容タンク2および超音波振動子3を有する。ケース1は片手で握り、持つことができる大きさのものである。タンク2はケース1の上部に内臓されており、超音波振動子3はタンク2の底面に設けられている。この実施例では、タンク2に透過膜4が設けられ、タンク2が上部と下部に分割され、超音波振動子3は下部の底面に設けられている。さらに、タンク2の下部に液体5が充填され、透過膜4によってそれが封入されており、タンク2の上部に液体6が導入される。透過膜4は樹脂製の薄膜シートからなる。
【0012】
さらに、電子装置7およびパワートランジスタ8がケース1の下部に内蔵され、超音波振動子3に接続されており、電子装置7およびパワートランジスタ8によって超音波振動子3を駆動し、超音波9を発振させることができる。超音波9は透過膜4を透過する。その方向は超音波振動子3に垂直の方向である。したがって、超音波振動子3によってタンク2の液体5,6を超音波振動させ、その液面10から液柱11を噴出させ、液柱11によってミストを発生させることができる。そのミストはきわめて小さい。
【0013】
なお、透過膜4は水平に配置されているが、超音波振動子3は一定角度傾斜し、超音波9は透過膜4に垂直ではなく、斜めに導かれる。したがって、透過膜4に達したとき、超音波9が超音波振動子3に反射することはなく、反射した超音波9によって超音波振動子3が損傷することはない。
【0014】
さらに、この装置では、液柱11の一方側において、窓12がタンク2の側壁に形成されている。さらに、LED13が液柱11の他方側に配置され、窓12に対向し、LED13によって液柱11が照明され、その光が窓12を透過する。この実施例では、LED13がタンク2の側壁に設けられている。LED13は赤色LEDである。
【0015】
さらに、この装置はタンク2に接続されたノズル14を有し、ノズル14はケース1の上端に設けられており、その外部に突出する。さらに、ノズル14とタンク2間に流路15が形成されている。さらに、ファン16がケース1の下部に内蔵されている。ファン16はエアを送るためのもので、シロッコファンからなる。さらに、ファン16とタンク2間に流路17が形成されている。
【0016】
さらに、スリット18がケース1の側壁に形成されており、ファン16に対向する。したがって、エアがスリット18から吸い込まれ、流路17を通り、タンク2に送られる。さらに、エアによってミストが送られ、これが流路15を通り、ノズル14から噴出する。したがって、たとえば、この装置を美顔術に使用し、ミストを顔に吹き付け、皮膚に吸収させることができる。液体5,6は水からなる。
【0017】
したがって、この装置の場合、液面から液柱11が噴出しているとき、LED13によって液柱11が照明され、その光が窓12を透過する。したがって、ケース1の外部において、窓12から液柱11が見えるが、液柱11が噴出しているとき、その状態は種々に変化し、幻想的である。この結果、この装置に特別の外観をもたせ、付加価値を与えることができる。
【0018】
さらに、ミストを顔に吹き付けるだけではなく、LED13の光が窓12を透過するとき、その光を顔に照射することができる。LED13の光にエステティック効果があることは周知のとおりである。したがって、この装置を美顔術に使用するとき、ミストをLED13の光と併用し、効率的にエステティック効果が得られるようにすることができる。
【0019】
さらに、赤色LEDの場合、その光に皮膚湿潤効果があることも周知のとおりである。したがって、この実施例のように、LED13に赤色LEDを使用すると、ミストとLED13の光を併用し、皮膚を効果的に湿潤させることができる。
【0020】
なお、この装置では、カバー19がタンク2と組み合わされ、液面10の上方に配置されている。カバー19はドーム状のもので、平面から見て多角形状のものであり、多数のコーナーを有する。したがって、液面10から液柱11が噴出するとき、カバー19に液柱11が衝突し、カバー19によって液柱11の高さが制限される。この結果、装置全体をコンパクト化することができる。さらに、液柱11が衝突したとき、そのしずくがカバー19の下面に案内され、カバー19の下面に沿って移動し、各コーナーから落下する。この結果、コンパクト化によってミストの量が減少しないようにすることができ、好ましい。
【0021】
さらに、ノズル14とタンク2間の流路15がタンク2の水平断面中央部の上方を経由し、タンク2に開口し、ファン16とタンク2間の流路17も同様である。したがって、装置全体を傾けても、タンク2の液体が流路17を通り、ファン16に流れることはない。タンク2の液体が流路15を通り、ノズル14からこぼれることもない。
【0022】
さらに、図2に示すように、ファン16の下流位置において、ヒートシンク筒20によって流路17が形成され、パワートランジスタ8がヒートシンク筒20に取り付けられている。ヒートシンク筒20はアルミニウムなどの伝熱性材料からなる。したがって、ファン16によってエアが送られるとき、そのエアおよびヒートシンク筒20によってパワートランジスタ8を空冷することができる。
【0023】
図3に示すように、複数の種類のLED13を液柱11の水平方向他方側に配置し、窓12に対向させ、切り換えスイッチを各LED13に接続してもよい。たとえば、赤色、青色、橙色、緑色および赤外線LEDをそれぞれ配置し、切り換えスイッチを各LEDに接続してもよい。この場合、切り換えスイッチによっていずれかのLED13を選択し、選択したLED13によって液柱11を照明し、その光が窓12を透過するようにすることができる。したがって、窓12から見える液柱11に異なる色をもたせ、外観に異質の興趣を与えることができる。窓12を透過するとき、その光を顔に照射し、エステティック効果として異なる効果が得られるようにすることもできる。
【0024】
この装置を美顔術ではなく、他の目的に使用することも考えられる。たとえば、液体6に薬剤を使用し、ミストに金属イオンや薬効成分を含ませ、これを皮膚に吸収させ、医用目的に使用することも考えられる。屋内または屋外において、ミストとして芳香剤、消臭剤または殺虫剤を散布することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】この発明の実施例を示す断面図である。
【図2】図1のファンおよびヒートシンク筒の断面図である。
【図3】他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0026】
2 液体収容タンク
3 超音波振動子
5,6 液体
10 液面
11 液柱
14 ノズル
12 窓
13 LED
14 ノズル
16 ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体収容タンクと、
前記タンクの底面に設けられ、前記タンクの液体を超音波振動させ、その液面から液柱を噴出させ、前記液柱によってミストを発生させる超音波振動子と、
前記液柱の水平方向一方側において、前記タンクの側壁に形成された窓と、
前記液柱の水平方向他方側に配置され、前記窓に対向し、前記液柱を照明し、その光が前記窓を透過するようにするLEDと、
前記タンクに接続されたノズルと、
エアを前記タンクに送るファンとからなり、
前記エアによって前記ミストを送り、これを前記ノズルから噴出させるようにしたことを特徴とする携帯用超音波ミスト発生装置。
【請求項2】
前記LEDが前記タンクの側壁に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記LEDは赤色LEDであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
複数の種類のLEDが前記液柱の水平方向他方側に配置され、前記窓に対向し、切り換えスイッチが前記各LEDに接続されており、前記切り換えスイッチによっていずれかのLEDを選択し、選択したLEDによって前記液柱を照明し、その光が前記窓を透過するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−28072(P2009−28072A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192087(P2007−192087)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(303048662)コニシセイコー株式会社 (6)
【Fターム(参考)】