説明

携帯端末、及び非接触通信方法

【課題】携帯電話機1と自動改札機70と間の第1通信に関する通信情報を、改札処理記憶部53に適切に記憶させることにある。
【解決手段】自動改札機70と非接触通信を行う携帯電話機1は、自動改札機70と非接触状態で通信する改札処理通信部52と、改札処理通信部52による自動改札機70との第1通信に伴い、当該第1通信に関する通信情報を記憶する改札処理記憶部53と、を有する。そして、端末制御部10は、前記第1通信後に、改札処理記憶部53に前記第1通信の通信情報が記憶されているか否かを判定し、前記通信情報が記憶されていないと判定した場合には、前記第1通信に関連してより行われる自動改札機70との第2通信の実行前に、入力部14に入力された入力情報に基づいて第1通信の通信情報を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、及び非接触通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の中には、外部通信機器(例えば、交通機関の自動改札機)と非接触通信を行うものがある。この携帯端末は、前記外部通信機器と非接触状態で通信する通信部と、前記通信部による前記外部通信機器との第1通信に伴い、当該第1通信に関する通信情報を記憶する記憶部と、を備える。
【0003】
そして、携帯端末が、外部通信機器と第1通信を行った後に、第2通信を行うことにより、所定処理(例えば自動改札機による改札処理)が実行される。すなわち、前記第1通信後に携帯端末が外部通信機器と第2通信を行う際に、記憶部に記憶された前記第1通信に関する通信情報を用いて、改札処理(交通機関の運賃の自動精算等)が実行される(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−181217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通信部が非接触状態で外部通信機器と通信する構成においては、非接触通信時の外部通信機器に対する通信部の位置によっては、通信が適切に処理されない(例えば、通信が途中で終了してしまう)ために、記憶部に第1通信に関する通信情報が記憶されない恐れがある。
【0005】
そして、記憶部に前記第1通信の通信情報が記憶されない状態で、第2通信を行うと、前記所定処理中にエラーが発生してしまう。この結果、このエラーを解消するための煩雑な処置を施す必要がある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、携帯端末と外部通信機器と間の第1通信に関する通信情報を、記憶部に適切に記憶させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、主たる本発明は、
外部通信機器と非接触通信を行う携帯端末であって、
前記外部通信機器と非接触状態で通信する通信部と、
前記通信部による前記外部通信機器との第1通信に伴い、当該第1通信に関する通信情報を記憶する記憶部と、
前記第1通信後に、前記記憶部に前記第1通信の通信情報が記憶されているか否かを判定する判定部と、
前記記憶部に前記通信情報が記憶されていないと前記判定部が判定した場合には、前記第1通信に関連して前記通信部により行われる前記外部通信機器との第2通信の実行前に、入力部に入力された入力情報に基づいて前記第1通信の通信情報を更新する更新部と、
を備えることを特徴とする携帯端末である。
【0008】
また、かかる携帯端末であって、前記外部通信機器は、交通機関の自動改札機であり、
前記第1通信は、交通機関の乗車駅の自動改札機と前記通信部との間の通信であり、
前記第2通信は、下車駅の自動改札機と前記通信部との間の通信であり、
前記入力情報は、乗車駅情報であることが望ましい。
【0009】
また、かかる携帯端末であって、入力された前記乗車駅情報と所定情報とに基づいて、加点処理を行う加点処理部と、
前記加点処理部の加点結果に基づいて、入力された前記乗車駅情報の正否を判定する第2判定部と、を備え、
前記更新部は、入力された前記乗車駅情報が正しいと前記第2判定部が判定した場合には、入力された前記乗車駅情報に対応する乗車駅の自動改札機との通信情報として更新することが望ましい。
【0010】
また、かかる携帯端末であって、前記加点処理部は、入力された前記乗車駅情報と、過去の自動改札機の通過履歴情報とに基づいて、加点処理を行うことが望ましい。
【0011】
また、かかる携帯端末であって、前記加点処理部は、入力された前記乗車駅情報と、前記携帯端末の使用者の住所情報とに基づいて、加点処理を行うことが望ましい。
【0012】
また、かかる携帯端末であって、全地球測位システムに基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する位置検出部を備え、
前記加点処理部は、入力された前記乗車駅情報と、前記位置検出部によって検出された前記位置情報とに基づいて、加点処理を行うことが望ましい。
【0013】
また、携帯端末と外部通信機器との非接触通信方法であって、
前記携帯端末と前記外部通信機器との通信情報を前記携帯端末に記憶させるために、前記携帯端末と前記外部通信機器との間で第1通信を行わせることと、
前記第1通信後に、当該第1通信の通信情報が前記携帯端末に記憶されているか否かを判定することと、
前記通信情報が記憶されていないと判定した場合には、前記第1通信に関連して前記携帯端末により行われる前記外部通信機器との第2通信の実行前に、前記携帯端末に入力された入力情報に基づいて前記第1通信の通信情報を更新することと、
を有することを特徴とする非接触通信方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、携帯端末と外部通信機器と間の第1通信に関する通信情報を、記憶部に適切に記憶させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
==自動改札システムの構成==
図1は、本実施形態に係る自動改札システム100の構成を示すブロック図である。自動改札システム100は、電車等の公共交通機関において用いられるものであり、非接触通信によって改札処理を行う。この自動改札システム100は、外部通信機器の一例である自動改札機と70と携帯端末の一例である携帯電話機1を有し、自動改札機70と携帯電話機1の間において非接触無線通信を行う。
【0016】
自動改札機70は、改札機制御部71と、ゲート72と、改札機通信部73を有する。改札機制御部71は、自動改札機70全体の制御を行うためのものである。ゲート72は、開閉扉であり、使用者が自動改札機70を通過する際に開いた状態となる。改札機通信部73は、アンテナ(リーダー・ライタの機能を有する)を備え、自動改札機70を通過する携帯電話機1と通信するためのものである。
【0017】
携帯電話機1は、交通機関の乗車駅と下車駅の自動改札機70を通過する際に、自動改札機70と通信可能な構成となっている。この携帯電話機1は、端末制御部10と、端末記憶部11と、ネットワーク通信部12と、表示部13と、入力部14と、位置検出部15と、改札処理部50とを有する。
【0018】
端末制御部10は、携帯電話機1全体の制御を行うためのものである。端末記憶部11は、端末制御部10で用いられる情報(例えば、端末制御部10が実行するプログラム情報)を記憶する。なお、この端末記憶部11には、使用者の住所情報等が記憶されている。ネットワーク通信部12は、アンテナを有しており、外部のサーバ等に接続するために基地局等を介してネットワーク90と無線通信を行う。
【0019】
表示部13は、各種情報を表示するためのものである。この表示部13は、例えば、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路等から構成されている。入力部14は、各々所定の機能が割り当てられた複数の操作キーを有している。そして、この操作キーを使用者が操作することにより、入力部14に各種情報(例えば、乗車駅情報)が入力される。位置検出部15は、全地球測位システム(GPS)に基づいて携帯電話機1の位置情報を検出する。
【0020】
改札処理部50は、自動改札システム100において、非接触乗車券等として使用される部分である。この改札処理部50は、改札処理制御部51と、通信部の一例である改札処理通信部52と、記憶部の一例である改札処理記憶部53とを有する。
【0021】
改札処理制御部51は、改札処理部50の各部を制御するためのものである。改札処理通信部52は、アンテナを有しており、自動改札機70を通過する際に自動改札機70と非接触状態で通信を行うためのものである。改札処理記憶部53は、乗車券類情報を記憶する。この乗車券類情報は、例えばプリペイド残金などの金額情報や定期券情報である。また、改札処理記憶部53は、自動改札機70の通過情報、過去の通過履歴情報等を記憶している。
==認証エラーについて==
ところで、携帯電話機1の改札処理通信部52が非接触状態で自動改札機70と通信する構成においては、使用者が自動改札機70を通過する態様によって改札処理通信部52が自動改札機70と適切に通信できず、携帯電話機1の通過が認証されないことがある。例えば、乗車駅の自動改札機70のゲート72を通過する人が混み合っている場合には、改札処理通信部52が自動改札機70と適切に通信できない。このように、使用者が自動改札機70を通過したのに、自動改札機70の通過情報が改札処理記憶部53に記憶されないことがある。
【0022】
そして、改札処理記憶部53に通過情報が記憶されないと、以下のような問題が発生することとなる。例えば、乗車駅の自動改札機70の通過が認証されない場合には、下車駅の自動改札機70を通過する際にエラー(改札処理のエラー)が発生してしまう。かかる場合には、下車駅の駅員等によってエラーを解除してもらう必要があるため、使用者に不便な思いをさせることとなる。
【0023】
そこで、上記のような問題点を解決すべく、本実施形態に係る端末制御部10は、後述する更新処理を実行する。この更新処理は、改札処理記憶部53に乗車駅の自動改札機70との第1通信の通信情報(以下、通過情報と呼ぶ)が記憶されていないと判定した場合には、下車駅の自動改札機70との第2通信の実行前に、入力部14に入力された入力情報に基づいて前記第1通信の通信情報を更新する処理である。そして、この処理更新を実現するために、端末制御部10は、以下に説明する4つの機能を有する。
【0024】
まず、端末制御部10は、乗車駅の自動改札機70との前記第1通信後に、改札処理記憶部53に通過情報が記憶されているか否かを判定する判定部としての機能を有する。これにより、通過情報が記憶されていない場合にのみ更新処理を実行することによって、不要な処理の実行を防止できる。
【0025】
そして、端末制御部10は、改札処理記憶部53に乗車駅の自動改札機70との第1通信の通信情報が記憶されていないと判定した場合には、下車駅の自動改札機70との第2通信の実行前に、入力部14に入力された入力情報(具体的には、乗車駅情報)基づいて通過情報を更新する更新部としての機能を有する。このように、入力された乗車駅情報に基づいて通過情報を更新することにより、改札処理記憶部53に正しい通過情報を記憶できる(自動改札機70の通過の際に通過情報が改札処理記憶部53に記憶されていない場合には、その後に通過情報を入力することで正しい通過情報を記憶できる)ので、下車駅の自動改札機70と改札処理におけるエラーの発生を防止できる。
【0026】
更に、端末制御部10は、入力された乗車駅情報と所定情報に基づいて加点処理を行う加点処理部としての機能を有する。具体的には、端末制御部10は、入力部14によって入力された乗車駅情報と、改札処理記憶部53に記憶された通過履歴情報とに基づいて、加点処理を行う。また、端末制御部10は、入力部14によって入力された乗車駅情報と、端末記憶部11に記憶された使用者の住所情報とに基づいて、加点処理を行う。また、端末制御部10は、入力部14によって入力された乗車駅情報と、位置検出部15によって検出された位置情報とに基づいて、加点処理を行う。このように、複数の加点処理を行うことにより、通過情報の更新の精度が高まることとなる。
【0027】
更に、端末制御部10は、加点処理部62が求めた加点結果に基づいて、入力部14によって入力された乗車駅情報の正否を判定する第2判定部としての機能を有する。具体的には、端末制御部10は、加点の累計点が所定値以上である場合には入力された乗車駅情報が正しいと判定し、加点の累計点が所定値未満である場合には入力された乗車駅情報が正しくないと判定する。そして、端末制御部10は、判定結果に基づいて、乗車駅の自動改札機70の通過情報を更新する。すなわち、端末制御部10は、乗車駅情報が正しいと判定した場合に、通過情報を更新する。このように、加点結果に基づいて乗車駅情報の正否を判定することにより、入力された乗車駅情報を客観的に判断できるので、通過情報の更新の信頼性が高まることとなる。
==通過情報の更新処理について==
図2〜図4は、更新処理を説明するためのフローチャートである。図5A〜図5Fは、表示部13に示される表示内容を示す。この更新処理は、使用者が乗車駅の自動改札機70を通過するときから開始される。そして、本更新処理は、更新部と加点処理部と判定部の機能を有する端末制御部10によって、実行される。
【0028】
本更新処理の特徴は、主に、(1)携帯電話機1と自動改札機70との通信情報を携帯電話機1に記憶させるために、携帯電話機1と自動改札機70との間で第1通信を行わせることと、(2)前記第1通信後に、当該第1通信の通信情報が携帯電話機1に記憶されているか否かを判定することと、(3)前記通信情報が記憶されていないと判定した場合には、前記第1通信に関連して行われる自動改札機70との第2通信の実行前に、携帯電話機1に入力された入力情報に基づいて前記第1通信の通信情報を更新することと、を有することにある。
【0029】
まず、端末制御部10は、使用者が改札処理プログラムの起動のための操作を行ったことを検知したら(ステップS2:Yes)、改札処理プログラムの起動処理を実行する(ステップS4)。そして、改札処理プログラムの実行中に、改札処理をすべく使用者が乗車駅(ここでは、仮にB駅とする)の自動改札機70を通過する。すなわち、乗車駅の自動改札機70を通過する際に、携帯電話機1と自動改札機70との間で非接触通信(第1通信)が実行される。そして、この非接触通信が成功した場合には、改札処理記憶部53に通過情報が記憶される(換言すれば、自動改札機70による、携帯電話機1の認証がなされる)。
【0030】
自動改札機70の通過後に、端末制御部10は、使用者(例えば、電車に乗車中の使用者)による履歴情報表示の起動のための操作を検知したら(ステップS6:Yes)、表示部13に履歴情報を表示する(ステップS8)。ここで、自動改札機70の通過の際に携帯電話機1の認証がなされている場合(すなわち、改札処理記憶部53に乗車駅の通過情報が記憶されている場合)には、図5Aに示すように表示部13に乗車駅の情報(具体的には、「11/5 B駅 乗車」)が表示される。
【0031】
一方で、自動改札機70の通過の際に携帯電話機1の認証がなされていない場合(すなわち、改札処理記憶部53に乗車駅の通過情報が記憶されていない場合)には、図5Bに示すように、表示部13に乗車駅の情報が表示されない。そして、乗車駅の情報が表示されない場合には、端末制御部10は、図5Cに示すように、表示部13に訂正ボタン81を表示させる(ステップS12)。この訂正ボタン81は、ユーザが履歴情報の中の通過情報を訂正するために、押下されるボタンである。なお、表示部13に乗車駅の情報が表示されている場合に訂正ボタン81が表示されない理由は、認証エラーが発生していないのにユーザが誤って更新することを防止するためである。
【0032】
ユーザによる訂正ボタン81の押下を検知すると(ステップS14:Yes)、端末制御部10は、図5Dに示すように表示部13に訂正画面を表示する(ステップS16)。この訂正画面には、ユーザが入力部14によって乗車駅を入力できる入力領域82が、設けられている。
【0033】
ユーザによって入力領域82に乗車駅が入力された(ここでは、乗車駅としてB駅が入力された)後に、決定ボタン83が押下されたことを検知した場合には(ステップS18:Yes)、入力された乗車駅が正しいかどうかを判定すべく、端末制御部10は、以下に説明する4つの加点処理を実行する。
【0034】
1番目に、端末制御部10は、入力された乗車駅が、今日の通過履歴における最後の下車駅と一致する場合には(ステップS20:Yes)、加点をする(ステップS22)。一方で、一致しない場合には(ステップS20:No)、端末制御部10は加点をしない。ここでは、通過履歴の最後の下車駅と入力された乗車駅とがB駅であるので、加点される。
【0035】
2番目に、端末制御部10は、乗車駅が入力された日の通過履歴情報(一日全部の通過履歴)と、過去の通過履歴情報に一致するものが有る場合には(ステップS24:Yes)、加点をする(ステップS26)。すなわち、一日単位の通過履歴情報で、比較を行っている。一方で、一致するものが無い場合には(ステップS24:No)、端末制御部10は加点をしない。ここでは、乗車駅が入力された日(11/5)の通過履歴(A駅乗車、B駅下車、B駅乗車)が、11/1の通過履歴と一致する(正しくは、11/1の通過履歴に含まれる)ので、加点される。
【0036】
3番目に、端末制御部10は、入力された乗車駅が、使用者の住所情報(ここでは、使用者の住所がB駅の近辺であるとする)から想定される最寄り駅と一致する場合には(ステップS28:Yes)、加点をする(ステップS30)。一方で、一致しない場合には(ステップS28:No)、端末制御部10は加点をしない。ここでは、入力された乗車駅(B駅が、使用者の住所情報から想定される最寄り駅と一致するので、加点される。
【0037】
最後に、端末制御部10は、入力された乗車駅が誤入力である否かで、加点処理をする(ステップS32〜S42)。具体的には、まず、端末制御部10は、位置検出部15によって携帯電話機1の位置を検出する(ステップS32)。つまり、GPSシステムを介して、携帯電話機1の現在の位置情報が検出される。次に、端末制御部10は、ステップS32の処理を行った時刻の情報と、ネットワーク90を介して、入力された乗車駅に交通機関(電車)の時刻表情報を検出する(ステップS34)。そして、検出された位置情報と時刻情報と時刻表情報は、端末記憶部11に記憶される。また、端末制御部10は、入力された乗車駅情報と、ステップS32とステップS34で検出した情報(端末記憶部11に記憶された位置情報等)から、利用交通機関を推定する(ステップS36)。
【0038】
そして、端末制御部10は、ステップS34で検出された時刻と、ステップS36にて推定された交通機関の前記時刻表とから逆算して、ステップS32を実行したときに推定される携帯電話機1の位置範囲を算出する(ステップS38)。そして、端末制御部10は、ステップS32にて検出された位置情報が、ステップS38にて算出された現在位置の範囲内である場合には(ステップS40:Yes)、加点をする(ステップS42)。
【0039】
上記のように、4つの加点処理が実行され、端末制御部10は加点後の累計点を記憶する。なお、本実施形態においては、4つの加点処理における加点値は異なる。具体的には、ステップS22における加点値が最も大きく、ステップS42における加点値が最も小さく、ステップS26とステップS28における加点値が、中間値である。すなわち、信頼性の高い情報については、加点値が大きくなっている(重み付けがされている)。
【0040】
そして、端末制御部10は、加点した累計点が所定値を超えたか否かを判定する(ステップS44)。そして、累計点が所定値未満である場合には(ステップS44:No)、端末制御部10は、入力された乗車駅が疑わしいと判定する(ステップS46)。そして、端末制御部10は、通過情報の更新を行わず、図5Eに示すように表示部13に対処方法を説明する情報(例えば、「下車駅で駅員にお尋ね下さい」)を表示する(ステップS48)。これにより、特殊なケースが発生した場合にも、使用者が対処することができる。
【0041】
一方で、累計点が所定値以上である場合には(ステップS44:Yes)、端末制御部10は、入力された乗車駅が正しいと判定する(ステップ50)。そして、端末制御部10は、課金処理を行う(ステップS52)。つまり、乗車駅の自動改札機70の通過に伴う乗車運賃に対応する課金が、行われる。また、端末制御部10は、入力された乗車駅情報を改札処理記憶部53に記憶して、履歴情報を更新する(ステップS54)。この結果、図5Fに示すように、表示部13において、入力された乗車駅が履歴情報に表示される。これにより、その後に下車駅の自動改札機70を通過する際に(すなわち、第2通信を実行する際に)、エラーが発生することを防止できるので、駅員がエラー解除をする煩雑な作業を解消できる。
<<更新処理の有効性>>
本更新処理によれば、端末制御部10が、改札処理通信部52と乗車駅の自動改札機70との間の第1通信の通信情報(通過情報)が記憶されていないと判定した場合には、前記第1通信に関連して改札処理通信部52により行われる下車駅の自動改札機70との第2通信の実行前に、携帯電話機1に入力された入力情報(乗車駅情報)に基づいて通過情報を更新する。これにより、乗車駅における自動改札機70の通過情報を改札処理記憶部53に適切に記憶できるので、下車駅の自動改札機70との改札処理時のエラー発生を防止できる。
【0042】
また、端末制御部10が、ユーザによって入力された乗車駅情報と所定情報(通過履歴情報等)に基づいて、通過情報を更新することにより、更新する基準がユーザによって入力された乗車駅情報となるので、ユーザの利便性を向上できる。
【0043】
さらに、端末制御部10が、加点処理による加点結果に基づいて入力された乗車駅情報の正否を判定することにより、客観的な判断に基づいた判定がなされるので、更新結果の信頼性がより高まる。
【0044】
なお、上記においては、外部通信機器として交通機関の自動改札機70を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、外部通信機器は、映画館や遊園地等の施設における改札機であっても良い。かかる場合にも、入力情報に基づいて改札機の通過情報を改札処理記憶部53に適切に記憶できるので、改札処理等の所定処理中のエラー発生を防止できる。
==その他の実施形態==
一実施形態としての自動改札システム等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
【0045】
また、上記実施の形態においては、携帯電子機器として携帯電話機1について説明しているが、これに限定されず、PHS(登録商標:Personal Handy Phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、電子辞書、ノートパソコン等であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施形態に係る自動改札システム100の構成を示すブロック図である。
【図2】更新処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】更新処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】更新処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5A〜図5Fは、表示部13に示される表示内容を示す。
【符号の説明】
【0047】
1 携帯電話機、
10 端末制御部、
11 端末記憶部、
12 ネットワーク通信部、
13 表示部、
14 入力部、
15 位置検出部、
50 改札処理部、
51 改札処理制御部、
52 改札処理通信部、
53 改札処理記憶部、
70 自動改札機、
71 改札機制御部、
72 ゲート、
73 改札機通信部、
100 自動改札システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部通信機器と非接触通信を行う携帯端末であって、
前記外部通信機器と非接触状態で通信する通信部と、
前記通信部による前記外部通信機器との第1通信に伴い、当該第1通信に関する通信情報を記憶する記憶部と、
前記第1通信後に、前記記憶部に前記第1通信の通信情報が記憶されているか否かを判定する判定部と、
前記記憶部に前記通信情報が記憶されていないと前記判定部が判定した場合には、前記第1通信に関連して前記通信部により行われる前記外部通信機器との第2通信の実行前に、入力部に入力された入力情報に基づいて前記第1通信の通信情報を更新する更新部と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末であって、
前記外部通信機器は、交通機関の自動改札機であり、
前記第1通信は、交通機関の乗車駅の自動改札機と前記通信部との間の通信であり、
前記第2通信は、下車駅の自動改札機と前記通信部との間の通信であり、
前記入力情報は、乗車駅情報であることを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末であって、
入力された前記乗車駅情報と所定情報とに基づいて、加点処理を行う加点処理部と、
前記加点処理部の加点結果に基づいて、入力された前記乗車駅情報の正否を判定する第2判定部と、を備え、
前記更新部は、入力された前記乗車駅情報が正しいと前記第2判定部が判定した場合には、入力された前記乗車駅情報に対応する乗車駅の自動改札機との通信情報として更新することを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯端末であって、
前記加点処理部は、入力された前記乗車駅情報と、過去の自動改札機の通過履歴情報とに基づいて、加点処理を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の携帯端末であって、
前記加点処理部は、入力された前記乗車駅情報と、前記携帯端末の使用者の住所情報とに基づいて、加点処理を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載の携帯端末であって、
全地球測位システムに基づいて前記携帯端末の位置情報を検出する位置検出部を備え、
前記加点処理部は、入力された前記乗車駅情報と、前記位置検出部によって検出された前記位置情報とに基づいて、加点処理を行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
携帯端末と外部通信機器との非接触通信方法であって、
前記携帯端末と前記外部通信機器との通信情報を前記携帯端末に記憶させるために、前記携帯端末と前記外部通信機器との間で第1通信を行わせることと、
前記第1通信後に、当該第1通信の通信情報が前記携帯端末に記憶されているか否かを判定することと、
前記通信情報が記憶されていないと判定した場合には、前記第1通信に関連して前記携帯端末により行われる前記外部通信機器との第2通信の実行前に、前記携帯端末に入力された入力情報に基づいて前記第1通信の通信情報を更新することと、
を有することを特徴とする非接触通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−130130(P2010−130130A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300420(P2008−300420)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】