携帯端末、情報表示システム、情報表示方法、及び情報表示プログラム
【課題】ユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能な携帯端末、情報表示システム、情報表示方法、及び情報表示プログラムを提供する。
【解決手段】端末1は、アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する部分11〜13と、取得された特定情報、時刻情報、及びスポット情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する部分14,15と、取得された統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順にアプリケーションの起動アイコンを表示する部分16と、を備える。
【解決手段】端末1は、アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する部分11〜13と、取得された特定情報、時刻情報、及びスポット情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する部分14,15と、取得された統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順にアプリケーションの起動アイコンを表示する部分16と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末及び情報表示プログラムと、当該携帯端末及び当該携帯端末と通信可能なサーバを含む情報表示システムと、当該携帯端末が行なう情報表示方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンといったような、アプリケーションが有する機能を外部からダウンロードしてインストールすることが可能な携帯端末が提案されている。このような携帯端末に対して、多くのアプリケーションが機能としてダウンロード又はインストールされると、ユーザは、利用しようとする目的の機能としてのアプリケーションを探すのに苦労してしまう。
【0003】
このような不都合を解消するため、例えば特許文献1には、使用地における機能の使用頻度の変化を考慮したユーザインタフェースを持つ携帯端末が開示されている。この携帯端末では、所定のエリアで使用頻度が高くなる機能を当該エリアで起動しやすくなるように、画面上の機能起動手段の配置を定義した設定情報が記憶されている。そして、この携帯端末では、自機が位置するエリアを特定し、この設定情報に基づいて、自機が位置するエリアに応じた態様で機能起動手段を表示する処理を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−146286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載の携帯端末では、所定の広がりを有する「エリア」で携帯端末の位置を特定している。ここで、通常は駅と駅との間はある程度の距離以上離れているため、例えば「A駅」のエリアと「B駅」のエリアとは別の場所として扱われるのに対し、通常は駅と駅周辺施設との間はある程度の距離未満となるため、「A駅」のエリアと「A駅周辺のデパート」のエリアとは同じ場所として扱われる。
【0006】
この結果、「A駅」のエリアで表示すべき機能起動手段の配置と、「A駅周辺のデパート」のエリアで表示すべき機能起動手段の配置とが異なるのが適切である場合であっても、同じ表示内容となってしまう。このため、この携帯端末のユーザに対して、より適切に使用場所に基づいた、機能としてのアプリケーションの起動アイコンを表示して利便性を高める余地が残されている。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点を解消する為になされたものであり、ユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能な携帯端末、情報表示システム、情報表示方法、及び情報表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯端末は、複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末であって、アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された特定情報、時刻情報、及びスポット情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、演算手段により取得された統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報表示プログラムは、複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する情報表示プログラムであって、コンピュータシステムを、アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された特定情報、時刻情報、及びスポット情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、演算手段により取得された統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを表示する表示手段と、として機能させることを特徴とする。
【0010】
この携帯端末及び情報表示プログラムによれば、まず、アプリケーションの起動時点での、特定情報、時刻情報、及びスポット情報を取得し、これらの情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する。そして、この携帯端末は、統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを表示する。このように、携帯端末が存在する場所は、スポットで特定される。更に、スポットごとのみの起動頻度の統計情報に基づくのではなく、スポット及び起動時刻ごとのアプリケーションの起動頻度の統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンが表示される。このため、携帯端末のユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能になる。
【0011】
また、携帯端末は、取得手段により取得されるスポット情報が特定するスポットの大きさを変更する入力を受け付ける変更手段を更に備えるのも好ましい。これにより、スポット情報が特定するスポットの大きさを変更することが可能になる。
【0012】
本発明に係る情報表示システムは、複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末、及び当該携帯端末と通信可能なサーバを含む情報表示システムであって、携帯端末は、アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された特定情報、時刻情報、及びスポット情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、演算手段により取得された統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを表示する表示手段と、を備え、取得手段は、サーバからスポット情報を取得することを特徴とする。
【0013】
この情報表示システムは、まず、アプリケーションの起動時点での、特定情報、時刻情報、及びスポット情報を取得し、これらの情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する。そして、この携帯端末は、統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを表示する。ここで、この携帯端末は、スポット情報をサーバから取得する。このように、携帯端末が存在する場所は、スポットで特定される。更に、スポットごとのみの起動頻度の統計情報に基づくのではなく、スポット及び起動時刻ごとのアプリケーションの起動頻度の統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンが表示される。このため、携帯端末のユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能になる。
【0014】
本発明に係る情報表示方法は、複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末が行なう情報表示方法であって、アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を携帯端末が取得する取得ステップと、取得ステップにより取得された特定情報、時刻情報、及びスポット情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を携帯端末が取得する演算ステップと、演算ステップにより取得された統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び携帯端末の現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを携帯端末が表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
この情報表示方法では、まず、アプリケーションの起動時点での、特定情報、時刻情報、及びスポット情報を携帯端末が取得し、これらの情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を携帯端末が取得する。そして、統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを携帯端末が表示する。このように、携帯端末が存在する場所は、スポットで特定される。更に、スポットごとのみの起動頻度の統計情報に基づくのではなく、スポット及び起動時刻ごとのアプリケーションの起動頻度の統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンが表示される。このため、携帯端末のユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能な携帯端末、情報表示システム、及び情報表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る情報表示システム10の全体的な機能構成を説明するためのシステム構成図である。
【図2】端末1の主な物理構成の概略を説明するための物理構成図である。
【図3】スポット情報と特定情報と時刻情報とが関連付けて格納される場合の格納例を説明するためのテーブル構成図である。
【図4】「推奨アプリ」を表示させるためのアイコンIがユーザによって選択された後の、端末1の表示内容を説明するための画面説明図である。
【図5】サーバ2の主な物理構成の概略を説明するための物理構成図である。
【図6】地図上のスポットとスポット情報とが関連付けて格納される場合の格納例を説明するためのテーブル構成図である。
【図7】スポットの大きさを変更する際の端末1における画面遷移を示す遷移図である。
【図8】情報収集フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図9】スポット情報編集フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図10】表示フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図11】情報表示プログラムPの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
(1)情報表示システムの構成
まず、本実施形態に係る情報表示システムの機能構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る情報表示システム10の全体的な機能構成を説明するためのシステム構成図である。情報表示システム10は、複数のアプリケーションの起動アイコン(例えば、ショートカットアイコン等)を表示することが可能な端末1と、端末1と通信可能なサーバ2とを備えるシステムである。
【0020】
ここで、端末1は、スマートフォンや携帯電話機といったような、アプリケーションが有する機能を外部(例えば、サーバ2等)からダウンロードしてインストールすることが可能な携帯端末である。サーバ2は、例えば、移動通信事業者等によって管理される装置である。端末1とサーバ2との間には通信ネットワーク(図示せず)が存在しており、この通信ネットワークは、移動電話通信網、無線LAN通信網、インターネット(公衆IP網)、簡易携帯電話(PHS)網等から構成される通信網である。
【0021】
(2)端末1の構成
引き続き、本実施形態に係る端末1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図2は、端末1の主な物理構成の概略を説明するための物理構成図である。
【0022】
端末1は、図2に示されるように、主な物理的な構成要素としてCPU101(Central Processing Unit)、RAM102(Random Access Memory)、ROM103(Read Only Memory)、操作部104、無線通信部105、ディスプレイ106、及びアンテナ107等のハードウェアにより構成されている携帯可能なコンピュータ端末である。これらの構成要素が動作することにより、端末1が有する各機能が発揮される。
【0023】
端末1は、図1に示されるように、主な機能的な構成要素として、アプリ起動判別部11(取得手段)、位置情報取得部12(取得手段)、スポット情報取得部13(取得手段)、端末データベース14(演算手段)、優先順位演算部15(演算手段)、表示部16(表示手段)、及びスポット情報編集指示送信部17(変更手段)を備えて構成されている。
【0024】
アプリ起動判別部11は、端末1内においてアプリケーションが起動されると、このアプリケーション(又はアプリケーションを管理するモジュール等)から起動通知信号を受信するセンサ部分である。アプリ起動判別部11は、起動通知信号を受信すると、このアプリケーションが起動されたことを検知する。
【0025】
位置情報取得部12は、アプリ起動判別部11によってアプリケーションの起動が検知されると、端末1の測位を行って端末1の現在位置に関する現在地情報を取得する測位処理部分である。この現在地情報は、例えば、緯度及び経度と、現在時刻を示す現在時刻情報とを含む情報である。端末1の測位は、例えば、GPS(Global Positioning System、即ち、全地球測位システム)衛星からの信号を用いて行われる。位置情報取得部12は、端末1の測位を完了すると、端末1の現在地情報をスポット情報取得部13に出力する。
【0026】
スポット情報取得部13は、位置情報取得部12から入力された端末1の現在地情報をサーバ2に送信することによって、端末1が存在するスポットを特定するスポット情報をサーバ2に問い合わせて取得する通信処理部分である。スポット情報取得部13は、サーバ2に対して現在地情報と地図情報との照合を行わせることによって、サーバ2からスポット情報を取得する。ここで、端末1が存在するスポットとは、端末1が存在する場所の種類の詳細のことである。
【0027】
このスポット情報は、特開2010−146286号公報に記載の「エリア」よりも狭い場所の種類を特定しており、例として、駅の構内か、ショッピングセンター内か、居酒屋内か、自宅内か、あるいは電車内か、といった程度まで詳細に特定する情報である。スポット情報取得部13は、スポット情報を取得すると、後述のアプリ特定兼時刻情報と関連付けて(括り付けて)、端末データベース14にアプリ起動情報として書き込む。
【0028】
端末データベース14は、スポット情報とアプリ特定兼時刻情報とを関連付けて(括り付けて)、アプリ起動情報として格納するデータベースである。アプリ特定兼時刻情報は、アプリ起動判別部11によって起動が検知されたアプリケーションを特定する特定情報と、起動時刻を特定する時刻情報とを含む。
【0029】
ここで、スポット情報と、起動が検知されたアプリケーションを特定する特定情報と、起動時刻を特定する時刻情報とが、関連付けて格納される場合の格納例を、図3に示す。図3に示されるように、起動が検知されたアプリケーションを特定する特定情報であるアプリケーション名「Appli_1」が、起動時刻を特定する時刻情報である「2011/01/05 11:30」と、起動時のスポット情報である「駅」と、関連付けて格納されている。なお、端末1のユーザによるアプリケーションの起動傾向の変化を考慮して、アプリ起動情報は、端末データベース14に書き込まれてから所定の日数経過後、削除される。この所定の日数は、端末1に対するユーザによる入力設定によって変更可能であり、例えば、30日間である。
【0030】
優先順位演算部15は、端末データベース14に格納されたアプリ起動情報(即ち、特定情報、時刻情報、及びスポット情報)に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算処理部分である。例えば、アプリケーション名が「Appli_8」であるアプリケーションが、スポット情報が「駅」であるスポットにおいて、時刻情報が「2011/01/09 11:30」で特定される日時に起動され、且つ、スポット情報が「駅」であるスポットにおいて、時刻情報が「2011/01/10 11:30」で特定される日時に起動された場合、時刻「11:30」の時点でスポット「駅」においては、アプリケーション名が「Appli_8」であるアプリケーションが2回という起動頻度で起動されたという統計情報が取得される。起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の高さは、表示部16において、各アプリケーションの起動アイコンの表示の際の優先順位の高さとなる。
【0031】
表示部16は、優先順位演算部15により取得された統計情報に基づいて、現在時刻情報が示す現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に、該当するアプリケーションの起動アイコンを優先的に表示するディスプレイとその制御部分である。例えば、時刻「11:30」の時点でスポット「駅」においては、アプリケーション名が「Appli_8」であるアプリケーションが2回という起動頻度で起動され、且つ、その他のアプリケーションが1回という起動頻度で起動された場合、起動頻度が最も高い、アプリケーション名が「Appli_8」であるアプリケーションの起動アイコンが最優先で表示される。なお、アプリケーション同士で起動頻度が同じ場合は、起動時刻が新しい順に(即ち、最終起動順で)優先的に表示される。
【0032】
ここで、起動アイコンの最優先での表示とは、例えば、図4に示されるように、端末1のユーザの状況に基づいて起動が推奨されるアプリケーション一覧を示す画面「推奨アプリ」を表示させるためのアイコンIがユーザによって選択された後の、端末1のディスプレイ部分のうち最上段、且つ、最も左に寄った位置といったような最もユーザが気付きやすい位置(即ち、「1」で示される位置)での表示のことである。なお、アイコンIがユーザによって選択されると、位置情報取得部12が呼び出され、端末1の測位が行われて端末1の現在位置に関する現在地情報が取得され、その後の上記の各種処理が実行されると、最終的にアイコン表示領域が呼び出されて、付与された優先順位に基づいた複数の起動アイコンが表示される。順次、統計情報によって示される起動頻度が低くなるに従って、最優先での表示位置の右隣の位置(即ち、「2」で示される位置)、更に、右隣の位置(即ち、「3」で示される位置)へと変わっていき、最上段の次は直下の段(即ち、「4」、「5」、「6」で示される位置)へと変わっていく。
【0033】
スポット情報編集指示送信部17は、サーバ2に格納された、起動時のスポット情報が特定するスポットの大きさを変更する入力を受け付ける入力受付部分である。スポットの大きさを変更する入力は、端末1のユーザによって、端末1に対するタッチ入力やキー押下といった操作により行われる。
【0034】
ここで、起動時のスポット情報が特定するスポットの大きさは、例えば、図3に示されるように、デフォルト(即ち、初期の設定)で「駅」、「線路」、「オフィスビル」、「高速道路」、「観光地」、「商店」といった程度までの大きさである。端末1のユーザが、スポットの大きさを更に小さく規定(即ち、細かく分類)することを望む場合があるため、スポット情報編集指示送信部17がこのニーズに応える。スポット情報編集指示送信部17は、例えば、「観光地」というスポットの大きさを、予め用意された「温泉」、「スキー場」、「ゴルフ場」、「キャンプ場」等に変更する入力(即ち、編集内容)を受け付ける。スポット情報編集指示送信部17は、この編集内容を受け付けると、サーバ2に送信して変更処理を行なわせる。
【0035】
(3)サーバ2の構成
引き続き、本実施形態に係るサーバ2の構成について、図1及び図5を用いて説明する。図5は、サーバ2の主な物理構成の概略を説明するための物理構成図である。
【0036】
サーバ2は、図5に示されるように、主な物理的な構成要素としてCPU201(Central Processing Unit)、RAM202(Random Access Memory)、ROM203(Read Only Memory)、通信を行うための通信モジュール204、及びハードディスク等の補助記憶装置205等のハードウェアを備えるコンピュータである。これらの構成要素が動作することにより、サーバ2が有する各機能が発揮される。
【0037】
サーバ2は、図1に示されるように、主な機能的な構成要素として、スポット情報取得受付部21(検索手段)、サーバデータベース22(格納手段)、及びスポット情報編集受付部23(受信手段)を備えて構成されている。
【0038】
スポット情報取得受付部21は、スポット情報取得部13から端末1の現在地情報を受信することによって、スポット情報の問い合わせを受け付ける通信処理部分である。スポット情報取得受付部21は、端末1の現在地情報を受信すると、サーバデータベース22を用いて現在地情報と地図情報との照合を行って、現在地情報に対応するスポット情報を取得する。スポット情報取得受付部21は、取得したスポット情報をスポット情報取得部13に送信することによって応答する。
【0039】
サーバデータベース22は、地図上のスポットとスポット情報とを関連付けて(括り付けて)格納するデータベースである。地図上のスポットとは、端末1の現在地情報を既存の地図情報と照合した際における、この現在地情報に対応付けられる初期設定値である。スポット情報は、ユーザによる変更設定が可能であり、この変更設定の入力はスポット情報編集指示送信部17が受け付ける。
【0040】
ここで、地図上のスポットと、スポット情報とが、関連付けて格納される場合の格納例を、図6に示す。図6に示されるように、端末1の現在地情報に対応付けられた地図上のスポット「商業施設」が、スポット情報「デパート、スーパー、商店街、…」と、関連付けて格納されている。
【0041】
スポット情報編集受付部23は、スポット情報編集指示送信部17から編集内容を受信する通信処理部分である。スポット情報編集受付部23は、編集内容を受信すると、サーバデータベース22に格納されているスポット情報によって示されるスポットの大きさを、この編集内容に従って変更して更新する処理を行なう。
【0042】
(4)スポットの大きさを変更する際の端末1における画面遷移
引き続き、スポットの大きさを変更する際の端末1における画面遷移の一例について、図7を用いて説明する。図7は、スポットの大きさを変更する際の端末1における画面遷移を示す遷移図である。例えば、上述の「推奨アプリ」画面が表示部16によって表示されている状態で、端末1の「menu」ボタンが押下されると、スポットの大きさを変更する画面を表示するためにブラウザが起動し、「スポット情報編集画面」が表示される。
【0043】
この「スポット情報編集画面」では、スポットの大きさを変更して編集する対象を選択可能にする「編集対象選択画面」が表示されている。この「編集対象選択画面」には、編集対象の候補として「駅」ボタン、「線路」ボタン、「オフィスビル」ボタン、及び「観光地」ボタンが示されており、ここで「駅」ボタンが選択されると、「駅」というスポットの大きさを変更可能にする「駅情報編集画面」が表示される。この「駅情報編集画面」には、スポットの大きさを変更しない『「駅」で扱う』ボタン、及びスポットの大きさを変更する『「駅」を区別する』ボタンが示されている。ここで、スポットの大きさを変更するためには、端末1のユーザは『「駅」を区別する』ボタンを選択すればよい。
【0044】
(5)情報表示システム10における情報表示処理の流れ
引き続き、情報表示システム10における情報表示処理(情報表示方法)の流れについて、図8〜図10を用いて説明する。情報表示処理は、端末1のユーザの起動履歴に関する情報を収集するための情報収集フェーズと、起動が推奨されるアプリケーション一覧の表示の際の基準となるスポットの大きさをユーザが編集して変更するためのスポット情報編集フェーズと、起動が推奨されるアプリケーション一覧を表示するための表示フェーズと、を有して構成されている。
【0045】
ここで、図8は、情報収集フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図9は、スポット情報編集フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図10は、表示フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0046】
一番目に、図8を用いて情報収集フェーズにおける処理の流れを説明する。
【0047】
まず、端末1内のアプリケーションが起動されると、アプリ起動判別部11が、このアプリケーションから起動通知信号を受信し、このアプリケーションが起動されたことを検知する(ステップS01)。アプリ起動判別部11によってアプリケーションの起動が検知されると、位置情報取得部12が、端末1の測位を行って端末1の現在位置に関する現在地情報を取得する(ステップS02)。位置情報取得部12は、端末1の測位を完了すると、端末1の現在地情報をスポット情報取得部13に出力する。
【0048】
次に、スポット情報取得部13が、端末1が存在するスポットを特定するスポット情報を、サーバ2のスポット情報取得受付部21に問い合せると、スポット情報取得受付部21が、サーバデータベース22に照会して、取得したスポット情報をスポット情報取得部13に送信する(ステップS03、取得ステップ)。そして、スポット情報取得部13が、スポット情報を取得すると、アプリ特定兼時刻情報と関連付けて(括り付けて)、端末データベース14にアプリ起動情報として書き込む(ステップS04)。これにより、情報収集フェーズに関する一連の処理は終了する(ステップS05)。
【0049】
二番目に、図9を用いてスポット情報編集フェーズにおける処理の流れを説明する。
【0050】
まず、起動時のスポット情報が特定するスポットの大きさは、例えば、デフォルト(即ち、初期の設定)で「駅」、「線路」、「オフィスビル」、「高速道路」、「観光地」、「商店」といった程度までの大きさである。端末1のユーザによっては、スポットの大きさを更に小さく規定(即ち、細かく分類)することを望む場合があるため、スポット情報編集指示送信部17がこのニーズに応える。スポット情報編集指示送信部17が、例えば、「観光地」というスポットの大きさを、予め用意された「温泉」、「スキー場」、「ゴルフ場」、「キャンプ場」等に変更する入力(即ち、編集内容)を受け付ける(ステップS11)。スポット情報編集指示送信部17は、この編集内容を受け付けると、サーバ2のスポット情報編集受付部23に編集内容を送信して、サーバデータベース22に対する変更処理を行なわせる。これにより、スポット情報編集フェーズに関する一連の処理は終了する(ステップS12)。
【0051】
三番目に、図10を用いて表示フェーズにおける処理の流れを説明する。
【0052】
まず、端末1のユーザの状況に基づいて起動が推奨されるアプリケーション一覧を示す画面「推奨アプリ」を表示させるためのアイコンIがユーザによって選択される(ステップS21)と、位置情報取得部12が呼び出されて、位置情報取得部12が、端末1の測位を行って端末1の現在位置に関する現在地情報を取得する(ステップS22)。位置情報取得部12は、端末1の測位を完了すると、端末1の現在地情報をスポット情報取得部13に出力する。
【0053】
次に、スポット情報取得部13が、端末1が存在するスポットを特定するスポット情報を、サーバ2のスポット情報取得受付部21に問い合せると、スポット情報取得受付部21は、サーバデータベース22に照会して、取得したスポット情報をスポット情報取得部13に送信する(ステップS23、取得ステップ)。そして、優先順位演算部15が、端末データベース14に対して、格納されたアプリ起動情報(即ち、特定情報、時刻情報、及びスポット情報)を問い合わせて取得する(ステップS24)。
【0054】
次に、優先順位演算部15が、端末データベース14に格納されたアプリ起動情報(即ち、特定情報、時刻情報、及びスポット情報)に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する(ステップS25、演算ステップ)。そして、表示部16が、優先順位演算部15により取得された統計情報に基づいて、現在時刻情報が示す現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に、該当するアプリケーションの起動アイコンを優先的に表示する(ステップS26、表示ステップ)。これにより、表示フェーズに関する一連の処理は終了する(ステップS27)。
【0055】
(6)本実施形態による作用及び効果
引き続き、本実施形態に係る情報表示システム10に含まれる端末1による作用及び効果について説明する。端末1によれば、まず、アプリケーションの起動時点での、特定情報、時刻情報、及びスポット情報を取得し、これらの情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する。そして、この端末1は、統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを優先的に表示する。
【0056】
このように、端末1が存在する場所は、特開2010−146286号公報に記載の「エリア」よりも狭い場所の種類を特定するスポットで特定される。更に、スポットごとのみの起動頻度の統計情報に基づくのではなく、スポット及び起動時刻ごとのアプリケーションの起動頻度の統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンが推奨表示される。このため、端末1のユーザの過去のアプリケーション選択傾向の状況に基づいた、アプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行って、使用したい目的のアプリケーションの起動アイコンを容易に探しやすくして、ユーザの利便性を高めることが可能になる。
【0057】
また、端末1は、取得されるスポット情報が特定するスポットの大きさを変更する入力をユーザ操作により受け付けるスポット情報編集指示送信部17を備える。これにより、端末1のユーザは、スポット情報が特定するスポットの大きさを変更することが可能になる。
【0058】
(7)コンピュータシステムを端末1として機能させるための情報表示プログラム
引き続き、コンピュータシステムを端末1として機能させるための情報表示プログラムPについて、図11に示す構成図を併せて用いながら説明する。図11は、情報表示プログラムPの構成図である。
【0059】
情報表示プログラムPは、図11に示されるように、処理を統括するメインモジュールP0と、アプリ起動判別モジュールP1と、位置情報取得モジュールP2と、スポット情報取得モジュールP3と、端末データベースモジュールP4と、優先順位演算モジュールP5と、表示モジュールP6と、スポット情報編集指示送信モジュールP7と、を備えて構成される。
【0060】
ここで、アプリ起動判別モジュールP1、位置情報取得モジュールP2、スポット情報取得モジュールP3、端末データベースモジュールP4、優先順位演算モジュールP5、表示モジュールP6、及びスポット情報編集指示送信モジュールP7のそれぞれを動作させることによって実現する機能は、上述したアプリ起動判別部11、位置情報取得部12、スポット情報取得部13、端末データベース14、優先順位演算部15、表示部16、及びスポット情報編集指示送信部17のそれぞれの機能と同様である。
【0061】
(8)変形例
上記の実施例では、位置情報取得部12による端末1の測位はGPS衛星からの信号を用いて行われるとして説明したが、測位方法は特に限定されず、例えば、移動電話通信網が有する基地局と端末1との距離関係や位置関係に基づいて行われてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明によれば、ユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能な携帯端末、情報表示システム、情報表示方法、及び情報表示プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0063】
1…端末、2…サーバ、10…情報表示システム、11…アプリ起動判別部、12…位置情報取得部、13…スポット情報取得部、14…端末データベース、15…優先順位演算部、16…表示部、17…スポット情報編集指示送信部、21…スポット情報取得受付部、22…サーバデータベース、23…スポット情報編集受付部、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…操作部、105…無線通信部、106…ディスプレイ、107…アンテナ、201…CPU、202…RAM、203…ROM、204…通信モジュール、205…補助記憶装置、I…アイコン、P…情報表示プログラム、P0…メインモジュール、P1…アプリ起動判別モジュール、P2…位置情報取得モジュール、P3…スポット情報取得モジュール、P4…端末データベースモジュール、P5…優先順位演算モジュール、P6…表示モジュール、P7…スポット情報編集指示送信モジュール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末及び情報表示プログラムと、当該携帯端末及び当該携帯端末と通信可能なサーバを含む情報表示システムと、当該携帯端末が行なう情報表示方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンといったような、アプリケーションが有する機能を外部からダウンロードしてインストールすることが可能な携帯端末が提案されている。このような携帯端末に対して、多くのアプリケーションが機能としてダウンロード又はインストールされると、ユーザは、利用しようとする目的の機能としてのアプリケーションを探すのに苦労してしまう。
【0003】
このような不都合を解消するため、例えば特許文献1には、使用地における機能の使用頻度の変化を考慮したユーザインタフェースを持つ携帯端末が開示されている。この携帯端末では、所定のエリアで使用頻度が高くなる機能を当該エリアで起動しやすくなるように、画面上の機能起動手段の配置を定義した設定情報が記憶されている。そして、この携帯端末では、自機が位置するエリアを特定し、この設定情報に基づいて、自機が位置するエリアに応じた態様で機能起動手段を表示する処理を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−146286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に記載の携帯端末では、所定の広がりを有する「エリア」で携帯端末の位置を特定している。ここで、通常は駅と駅との間はある程度の距離以上離れているため、例えば「A駅」のエリアと「B駅」のエリアとは別の場所として扱われるのに対し、通常は駅と駅周辺施設との間はある程度の距離未満となるため、「A駅」のエリアと「A駅周辺のデパート」のエリアとは同じ場所として扱われる。
【0006】
この結果、「A駅」のエリアで表示すべき機能起動手段の配置と、「A駅周辺のデパート」のエリアで表示すべき機能起動手段の配置とが異なるのが適切である場合であっても、同じ表示内容となってしまう。このため、この携帯端末のユーザに対して、より適切に使用場所に基づいた、機能としてのアプリケーションの起動アイコンを表示して利便性を高める余地が残されている。
【0007】
そこで本発明は、上記の問題点を解消する為になされたものであり、ユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能な携帯端末、情報表示システム、情報表示方法、及び情報表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る携帯端末は、複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末であって、アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された特定情報、時刻情報、及びスポット情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、演算手段により取得された統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る情報表示プログラムは、複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する情報表示プログラムであって、コンピュータシステムを、アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された特定情報、時刻情報、及びスポット情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、演算手段により取得された統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを表示する表示手段と、として機能させることを特徴とする。
【0010】
この携帯端末及び情報表示プログラムによれば、まず、アプリケーションの起動時点での、特定情報、時刻情報、及びスポット情報を取得し、これらの情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する。そして、この携帯端末は、統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを表示する。このように、携帯端末が存在する場所は、スポットで特定される。更に、スポットごとのみの起動頻度の統計情報に基づくのではなく、スポット及び起動時刻ごとのアプリケーションの起動頻度の統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンが表示される。このため、携帯端末のユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能になる。
【0011】
また、携帯端末は、取得手段により取得されるスポット情報が特定するスポットの大きさを変更する入力を受け付ける変更手段を更に備えるのも好ましい。これにより、スポット情報が特定するスポットの大きさを変更することが可能になる。
【0012】
本発明に係る情報表示システムは、複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末、及び当該携帯端末と通信可能なサーバを含む情報表示システムであって、携帯端末は、アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された特定情報、時刻情報、及びスポット情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、演算手段により取得された統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを表示する表示手段と、を備え、取得手段は、サーバからスポット情報を取得することを特徴とする。
【0013】
この情報表示システムは、まず、アプリケーションの起動時点での、特定情報、時刻情報、及びスポット情報を取得し、これらの情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する。そして、この携帯端末は、統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを表示する。ここで、この携帯端末は、スポット情報をサーバから取得する。このように、携帯端末が存在する場所は、スポットで特定される。更に、スポットごとのみの起動頻度の統計情報に基づくのではなく、スポット及び起動時刻ごとのアプリケーションの起動頻度の統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンが表示される。このため、携帯端末のユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能になる。
【0014】
本発明に係る情報表示方法は、複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末が行なう情報表示方法であって、アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を携帯端末が取得する取得ステップと、取得ステップにより取得された特定情報、時刻情報、及びスポット情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を携帯端末が取得する演算ステップと、演算ステップにより取得された統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び携帯端末の現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを携帯端末が表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
この情報表示方法では、まず、アプリケーションの起動時点での、特定情報、時刻情報、及びスポット情報を携帯端末が取得し、これらの情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を携帯端末が取得する。そして、統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを携帯端末が表示する。このように、携帯端末が存在する場所は、スポットで特定される。更に、スポットごとのみの起動頻度の統計情報に基づくのではなく、スポット及び起動時刻ごとのアプリケーションの起動頻度の統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンが表示される。このため、携帯端末のユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能な携帯端末、情報表示システム、及び情報表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る情報表示システム10の全体的な機能構成を説明するためのシステム構成図である。
【図2】端末1の主な物理構成の概略を説明するための物理構成図である。
【図3】スポット情報と特定情報と時刻情報とが関連付けて格納される場合の格納例を説明するためのテーブル構成図である。
【図4】「推奨アプリ」を表示させるためのアイコンIがユーザによって選択された後の、端末1の表示内容を説明するための画面説明図である。
【図5】サーバ2の主な物理構成の概略を説明するための物理構成図である。
【図6】地図上のスポットとスポット情報とが関連付けて格納される場合の格納例を説明するためのテーブル構成図である。
【図7】スポットの大きさを変更する際の端末1における画面遷移を示す遷移図である。
【図8】情報収集フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図9】スポット情報編集フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図10】表示フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図11】情報表示プログラムPの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0019】
(1)情報表示システムの構成
まず、本実施形態に係る情報表示システムの機能構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る情報表示システム10の全体的な機能構成を説明するためのシステム構成図である。情報表示システム10は、複数のアプリケーションの起動アイコン(例えば、ショートカットアイコン等)を表示することが可能な端末1と、端末1と通信可能なサーバ2とを備えるシステムである。
【0020】
ここで、端末1は、スマートフォンや携帯電話機といったような、アプリケーションが有する機能を外部(例えば、サーバ2等)からダウンロードしてインストールすることが可能な携帯端末である。サーバ2は、例えば、移動通信事業者等によって管理される装置である。端末1とサーバ2との間には通信ネットワーク(図示せず)が存在しており、この通信ネットワークは、移動電話通信網、無線LAN通信網、インターネット(公衆IP網)、簡易携帯電話(PHS)網等から構成される通信網である。
【0021】
(2)端末1の構成
引き続き、本実施形態に係る端末1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。図2は、端末1の主な物理構成の概略を説明するための物理構成図である。
【0022】
端末1は、図2に示されるように、主な物理的な構成要素としてCPU101(Central Processing Unit)、RAM102(Random Access Memory)、ROM103(Read Only Memory)、操作部104、無線通信部105、ディスプレイ106、及びアンテナ107等のハードウェアにより構成されている携帯可能なコンピュータ端末である。これらの構成要素が動作することにより、端末1が有する各機能が発揮される。
【0023】
端末1は、図1に示されるように、主な機能的な構成要素として、アプリ起動判別部11(取得手段)、位置情報取得部12(取得手段)、スポット情報取得部13(取得手段)、端末データベース14(演算手段)、優先順位演算部15(演算手段)、表示部16(表示手段)、及びスポット情報編集指示送信部17(変更手段)を備えて構成されている。
【0024】
アプリ起動判別部11は、端末1内においてアプリケーションが起動されると、このアプリケーション(又はアプリケーションを管理するモジュール等)から起動通知信号を受信するセンサ部分である。アプリ起動判別部11は、起動通知信号を受信すると、このアプリケーションが起動されたことを検知する。
【0025】
位置情報取得部12は、アプリ起動判別部11によってアプリケーションの起動が検知されると、端末1の測位を行って端末1の現在位置に関する現在地情報を取得する測位処理部分である。この現在地情報は、例えば、緯度及び経度と、現在時刻を示す現在時刻情報とを含む情報である。端末1の測位は、例えば、GPS(Global Positioning System、即ち、全地球測位システム)衛星からの信号を用いて行われる。位置情報取得部12は、端末1の測位を完了すると、端末1の現在地情報をスポット情報取得部13に出力する。
【0026】
スポット情報取得部13は、位置情報取得部12から入力された端末1の現在地情報をサーバ2に送信することによって、端末1が存在するスポットを特定するスポット情報をサーバ2に問い合わせて取得する通信処理部分である。スポット情報取得部13は、サーバ2に対して現在地情報と地図情報との照合を行わせることによって、サーバ2からスポット情報を取得する。ここで、端末1が存在するスポットとは、端末1が存在する場所の種類の詳細のことである。
【0027】
このスポット情報は、特開2010−146286号公報に記載の「エリア」よりも狭い場所の種類を特定しており、例として、駅の構内か、ショッピングセンター内か、居酒屋内か、自宅内か、あるいは電車内か、といった程度まで詳細に特定する情報である。スポット情報取得部13は、スポット情報を取得すると、後述のアプリ特定兼時刻情報と関連付けて(括り付けて)、端末データベース14にアプリ起動情報として書き込む。
【0028】
端末データベース14は、スポット情報とアプリ特定兼時刻情報とを関連付けて(括り付けて)、アプリ起動情報として格納するデータベースである。アプリ特定兼時刻情報は、アプリ起動判別部11によって起動が検知されたアプリケーションを特定する特定情報と、起動時刻を特定する時刻情報とを含む。
【0029】
ここで、スポット情報と、起動が検知されたアプリケーションを特定する特定情報と、起動時刻を特定する時刻情報とが、関連付けて格納される場合の格納例を、図3に示す。図3に示されるように、起動が検知されたアプリケーションを特定する特定情報であるアプリケーション名「Appli_1」が、起動時刻を特定する時刻情報である「2011/01/05 11:30」と、起動時のスポット情報である「駅」と、関連付けて格納されている。なお、端末1のユーザによるアプリケーションの起動傾向の変化を考慮して、アプリ起動情報は、端末データベース14に書き込まれてから所定の日数経過後、削除される。この所定の日数は、端末1に対するユーザによる入力設定によって変更可能であり、例えば、30日間である。
【0030】
優先順位演算部15は、端末データベース14に格納されたアプリ起動情報(即ち、特定情報、時刻情報、及びスポット情報)に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算処理部分である。例えば、アプリケーション名が「Appli_8」であるアプリケーションが、スポット情報が「駅」であるスポットにおいて、時刻情報が「2011/01/09 11:30」で特定される日時に起動され、且つ、スポット情報が「駅」であるスポットにおいて、時刻情報が「2011/01/10 11:30」で特定される日時に起動された場合、時刻「11:30」の時点でスポット「駅」においては、アプリケーション名が「Appli_8」であるアプリケーションが2回という起動頻度で起動されたという統計情報が取得される。起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の高さは、表示部16において、各アプリケーションの起動アイコンの表示の際の優先順位の高さとなる。
【0031】
表示部16は、優先順位演算部15により取得された統計情報に基づいて、現在時刻情報が示す現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に、該当するアプリケーションの起動アイコンを優先的に表示するディスプレイとその制御部分である。例えば、時刻「11:30」の時点でスポット「駅」においては、アプリケーション名が「Appli_8」であるアプリケーションが2回という起動頻度で起動され、且つ、その他のアプリケーションが1回という起動頻度で起動された場合、起動頻度が最も高い、アプリケーション名が「Appli_8」であるアプリケーションの起動アイコンが最優先で表示される。なお、アプリケーション同士で起動頻度が同じ場合は、起動時刻が新しい順に(即ち、最終起動順で)優先的に表示される。
【0032】
ここで、起動アイコンの最優先での表示とは、例えば、図4に示されるように、端末1のユーザの状況に基づいて起動が推奨されるアプリケーション一覧を示す画面「推奨アプリ」を表示させるためのアイコンIがユーザによって選択された後の、端末1のディスプレイ部分のうち最上段、且つ、最も左に寄った位置といったような最もユーザが気付きやすい位置(即ち、「1」で示される位置)での表示のことである。なお、アイコンIがユーザによって選択されると、位置情報取得部12が呼び出され、端末1の測位が行われて端末1の現在位置に関する現在地情報が取得され、その後の上記の各種処理が実行されると、最終的にアイコン表示領域が呼び出されて、付与された優先順位に基づいた複数の起動アイコンが表示される。順次、統計情報によって示される起動頻度が低くなるに従って、最優先での表示位置の右隣の位置(即ち、「2」で示される位置)、更に、右隣の位置(即ち、「3」で示される位置)へと変わっていき、最上段の次は直下の段(即ち、「4」、「5」、「6」で示される位置)へと変わっていく。
【0033】
スポット情報編集指示送信部17は、サーバ2に格納された、起動時のスポット情報が特定するスポットの大きさを変更する入力を受け付ける入力受付部分である。スポットの大きさを変更する入力は、端末1のユーザによって、端末1に対するタッチ入力やキー押下といった操作により行われる。
【0034】
ここで、起動時のスポット情報が特定するスポットの大きさは、例えば、図3に示されるように、デフォルト(即ち、初期の設定)で「駅」、「線路」、「オフィスビル」、「高速道路」、「観光地」、「商店」といった程度までの大きさである。端末1のユーザが、スポットの大きさを更に小さく規定(即ち、細かく分類)することを望む場合があるため、スポット情報編集指示送信部17がこのニーズに応える。スポット情報編集指示送信部17は、例えば、「観光地」というスポットの大きさを、予め用意された「温泉」、「スキー場」、「ゴルフ場」、「キャンプ場」等に変更する入力(即ち、編集内容)を受け付ける。スポット情報編集指示送信部17は、この編集内容を受け付けると、サーバ2に送信して変更処理を行なわせる。
【0035】
(3)サーバ2の構成
引き続き、本実施形態に係るサーバ2の構成について、図1及び図5を用いて説明する。図5は、サーバ2の主な物理構成の概略を説明するための物理構成図である。
【0036】
サーバ2は、図5に示されるように、主な物理的な構成要素としてCPU201(Central Processing Unit)、RAM202(Random Access Memory)、ROM203(Read Only Memory)、通信を行うための通信モジュール204、及びハードディスク等の補助記憶装置205等のハードウェアを備えるコンピュータである。これらの構成要素が動作することにより、サーバ2が有する各機能が発揮される。
【0037】
サーバ2は、図1に示されるように、主な機能的な構成要素として、スポット情報取得受付部21(検索手段)、サーバデータベース22(格納手段)、及びスポット情報編集受付部23(受信手段)を備えて構成されている。
【0038】
スポット情報取得受付部21は、スポット情報取得部13から端末1の現在地情報を受信することによって、スポット情報の問い合わせを受け付ける通信処理部分である。スポット情報取得受付部21は、端末1の現在地情報を受信すると、サーバデータベース22を用いて現在地情報と地図情報との照合を行って、現在地情報に対応するスポット情報を取得する。スポット情報取得受付部21は、取得したスポット情報をスポット情報取得部13に送信することによって応答する。
【0039】
サーバデータベース22は、地図上のスポットとスポット情報とを関連付けて(括り付けて)格納するデータベースである。地図上のスポットとは、端末1の現在地情報を既存の地図情報と照合した際における、この現在地情報に対応付けられる初期設定値である。スポット情報は、ユーザによる変更設定が可能であり、この変更設定の入力はスポット情報編集指示送信部17が受け付ける。
【0040】
ここで、地図上のスポットと、スポット情報とが、関連付けて格納される場合の格納例を、図6に示す。図6に示されるように、端末1の現在地情報に対応付けられた地図上のスポット「商業施設」が、スポット情報「デパート、スーパー、商店街、…」と、関連付けて格納されている。
【0041】
スポット情報編集受付部23は、スポット情報編集指示送信部17から編集内容を受信する通信処理部分である。スポット情報編集受付部23は、編集内容を受信すると、サーバデータベース22に格納されているスポット情報によって示されるスポットの大きさを、この編集内容に従って変更して更新する処理を行なう。
【0042】
(4)スポットの大きさを変更する際の端末1における画面遷移
引き続き、スポットの大きさを変更する際の端末1における画面遷移の一例について、図7を用いて説明する。図7は、スポットの大きさを変更する際の端末1における画面遷移を示す遷移図である。例えば、上述の「推奨アプリ」画面が表示部16によって表示されている状態で、端末1の「menu」ボタンが押下されると、スポットの大きさを変更する画面を表示するためにブラウザが起動し、「スポット情報編集画面」が表示される。
【0043】
この「スポット情報編集画面」では、スポットの大きさを変更して編集する対象を選択可能にする「編集対象選択画面」が表示されている。この「編集対象選択画面」には、編集対象の候補として「駅」ボタン、「線路」ボタン、「オフィスビル」ボタン、及び「観光地」ボタンが示されており、ここで「駅」ボタンが選択されると、「駅」というスポットの大きさを変更可能にする「駅情報編集画面」が表示される。この「駅情報編集画面」には、スポットの大きさを変更しない『「駅」で扱う』ボタン、及びスポットの大きさを変更する『「駅」を区別する』ボタンが示されている。ここで、スポットの大きさを変更するためには、端末1のユーザは『「駅」を区別する』ボタンを選択すればよい。
【0044】
(5)情報表示システム10における情報表示処理の流れ
引き続き、情報表示システム10における情報表示処理(情報表示方法)の流れについて、図8〜図10を用いて説明する。情報表示処理は、端末1のユーザの起動履歴に関する情報を収集するための情報収集フェーズと、起動が推奨されるアプリケーション一覧の表示の際の基準となるスポットの大きさをユーザが編集して変更するためのスポット情報編集フェーズと、起動が推奨されるアプリケーション一覧を表示するための表示フェーズと、を有して構成されている。
【0045】
ここで、図8は、情報収集フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図9は、スポット情報編集フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図10は、表示フェーズにおける処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0046】
一番目に、図8を用いて情報収集フェーズにおける処理の流れを説明する。
【0047】
まず、端末1内のアプリケーションが起動されると、アプリ起動判別部11が、このアプリケーションから起動通知信号を受信し、このアプリケーションが起動されたことを検知する(ステップS01)。アプリ起動判別部11によってアプリケーションの起動が検知されると、位置情報取得部12が、端末1の測位を行って端末1の現在位置に関する現在地情報を取得する(ステップS02)。位置情報取得部12は、端末1の測位を完了すると、端末1の現在地情報をスポット情報取得部13に出力する。
【0048】
次に、スポット情報取得部13が、端末1が存在するスポットを特定するスポット情報を、サーバ2のスポット情報取得受付部21に問い合せると、スポット情報取得受付部21が、サーバデータベース22に照会して、取得したスポット情報をスポット情報取得部13に送信する(ステップS03、取得ステップ)。そして、スポット情報取得部13が、スポット情報を取得すると、アプリ特定兼時刻情報と関連付けて(括り付けて)、端末データベース14にアプリ起動情報として書き込む(ステップS04)。これにより、情報収集フェーズに関する一連の処理は終了する(ステップS05)。
【0049】
二番目に、図9を用いてスポット情報編集フェーズにおける処理の流れを説明する。
【0050】
まず、起動時のスポット情報が特定するスポットの大きさは、例えば、デフォルト(即ち、初期の設定)で「駅」、「線路」、「オフィスビル」、「高速道路」、「観光地」、「商店」といった程度までの大きさである。端末1のユーザによっては、スポットの大きさを更に小さく規定(即ち、細かく分類)することを望む場合があるため、スポット情報編集指示送信部17がこのニーズに応える。スポット情報編集指示送信部17が、例えば、「観光地」というスポットの大きさを、予め用意された「温泉」、「スキー場」、「ゴルフ場」、「キャンプ場」等に変更する入力(即ち、編集内容)を受け付ける(ステップS11)。スポット情報編集指示送信部17は、この編集内容を受け付けると、サーバ2のスポット情報編集受付部23に編集内容を送信して、サーバデータベース22に対する変更処理を行なわせる。これにより、スポット情報編集フェーズに関する一連の処理は終了する(ステップS12)。
【0051】
三番目に、図10を用いて表示フェーズにおける処理の流れを説明する。
【0052】
まず、端末1のユーザの状況に基づいて起動が推奨されるアプリケーション一覧を示す画面「推奨アプリ」を表示させるためのアイコンIがユーザによって選択される(ステップS21)と、位置情報取得部12が呼び出されて、位置情報取得部12が、端末1の測位を行って端末1の現在位置に関する現在地情報を取得する(ステップS22)。位置情報取得部12は、端末1の測位を完了すると、端末1の現在地情報をスポット情報取得部13に出力する。
【0053】
次に、スポット情報取得部13が、端末1が存在するスポットを特定するスポット情報を、サーバ2のスポット情報取得受付部21に問い合せると、スポット情報取得受付部21は、サーバデータベース22に照会して、取得したスポット情報をスポット情報取得部13に送信する(ステップS23、取得ステップ)。そして、優先順位演算部15が、端末データベース14に対して、格納されたアプリ起動情報(即ち、特定情報、時刻情報、及びスポット情報)を問い合わせて取得する(ステップS24)。
【0054】
次に、優先順位演算部15が、端末データベース14に格納されたアプリ起動情報(即ち、特定情報、時刻情報、及びスポット情報)に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する(ステップS25、演算ステップ)。そして、表示部16が、優先順位演算部15により取得された統計情報に基づいて、現在時刻情報が示す現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に、該当するアプリケーションの起動アイコンを優先的に表示する(ステップS26、表示ステップ)。これにより、表示フェーズに関する一連の処理は終了する(ステップS27)。
【0055】
(6)本実施形態による作用及び効果
引き続き、本実施形態に係る情報表示システム10に含まれる端末1による作用及び効果について説明する。端末1によれば、まず、アプリケーションの起動時点での、特定情報、時刻情報、及びスポット情報を取得し、これらの情報に基づいて、起動時刻及びスポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する。そして、この端末1は、統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンを優先的に表示する。
【0056】
このように、端末1が存在する場所は、特開2010−146286号公報に記載の「エリア」よりも狭い場所の種類を特定するスポットで特定される。更に、スポットごとのみの起動頻度の統計情報に基づくのではなく、スポット及び起動時刻ごとのアプリケーションの起動頻度の統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に起動アイコンが推奨表示される。このため、端末1のユーザの過去のアプリケーション選択傾向の状況に基づいた、アプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行って、使用したい目的のアプリケーションの起動アイコンを容易に探しやすくして、ユーザの利便性を高めることが可能になる。
【0057】
また、端末1は、取得されるスポット情報が特定するスポットの大きさを変更する入力をユーザ操作により受け付けるスポット情報編集指示送信部17を備える。これにより、端末1のユーザは、スポット情報が特定するスポットの大きさを変更することが可能になる。
【0058】
(7)コンピュータシステムを端末1として機能させるための情報表示プログラム
引き続き、コンピュータシステムを端末1として機能させるための情報表示プログラムPについて、図11に示す構成図を併せて用いながら説明する。図11は、情報表示プログラムPの構成図である。
【0059】
情報表示プログラムPは、図11に示されるように、処理を統括するメインモジュールP0と、アプリ起動判別モジュールP1と、位置情報取得モジュールP2と、スポット情報取得モジュールP3と、端末データベースモジュールP4と、優先順位演算モジュールP5と、表示モジュールP6と、スポット情報編集指示送信モジュールP7と、を備えて構成される。
【0060】
ここで、アプリ起動判別モジュールP1、位置情報取得モジュールP2、スポット情報取得モジュールP3、端末データベースモジュールP4、優先順位演算モジュールP5、表示モジュールP6、及びスポット情報編集指示送信モジュールP7のそれぞれを動作させることによって実現する機能は、上述したアプリ起動判別部11、位置情報取得部12、スポット情報取得部13、端末データベース14、優先順位演算部15、表示部16、及びスポット情報編集指示送信部17のそれぞれの機能と同様である。
【0061】
(8)変形例
上記の実施例では、位置情報取得部12による端末1の測位はGPS衛星からの信号を用いて行われるとして説明したが、測位方法は特に限定されず、例えば、移動電話通信網が有する基地局と端末1との距離関係や位置関係に基づいて行われてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明によれば、ユーザの状況に基づいたアプリケーションの起動アイコンの表示をより適切に行ってユーザの利便性を高めることが可能な携帯端末、情報表示システム、情報表示方法、及び情報表示プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0063】
1…端末、2…サーバ、10…情報表示システム、11…アプリ起動判別部、12…位置情報取得部、13…スポット情報取得部、14…端末データベース、15…優先順位演算部、16…表示部、17…スポット情報編集指示送信部、21…スポット情報取得受付部、22…サーバデータベース、23…スポット情報編集受付部、101…CPU、102…RAM、103…ROM、104…操作部、105…無線通信部、106…ディスプレイ、107…アンテナ、201…CPU、202…RAM、203…ROM、204…通信モジュール、205…補助記憶装置、I…アイコン、P…情報表示プログラム、P0…メインモジュール、P1…アプリ起動判別モジュール、P2…位置情報取得モジュール、P3…スポット情報取得モジュール、P4…端末データベースモジュール、P5…優先順位演算モジュール、P6…表示モジュール、P7…スポット情報編集指示送信モジュール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末であって、
前記アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記特定情報、前記時刻情報、及び前記スポット情報に基づいて、前記起動時刻及び前記スポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、
前記演算手段により取得された前記統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に前記起動アイコンを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記取得手段により取得される前記スポット情報が特定するスポットの大きさを変更する入力を受け付ける変更手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末、及び当該携帯端末と通信可能なサーバを含む情報表示システムであって、
前記携帯端末は、
前記アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記特定情報、前記時刻情報、及び前記スポット情報に基づいて、前記起動時刻及び前記スポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、
前記演算手段により取得された前記統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に前記起動アイコンを表示する表示手段と、
を備え、前記取得手段は、前記サーバから前記スポット情報を取得することを特徴とする情報表示システム。
【請求項4】
複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末が行なう情報表示方法であって、
前記アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を前記携帯端末が取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記特定情報、前記時刻情報、及び前記スポット情報に基づいて、前記起動時刻及び前記スポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を前記携帯端末が取得する演算ステップと、
前記演算ステップにより取得された前記統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び前記携帯端末の現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に前記起動アイコンを前記携帯端末が表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする情報表示方法。
【請求項5】
複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する情報表示プログラムであって、
コンピュータシステムを、
前記アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記特定情報、前記時刻情報、及び前記スポット情報に基づいて、前記起動時刻及び前記スポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、
前記演算手段により取得された前記統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に前記起動アイコンを表示する表示手段と、
として機能させることを特徴とする情報表示プログラム。
【請求項1】
複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末であって、
前記アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記特定情報、前記時刻情報、及び前記スポット情報に基づいて、前記起動時刻及び前記スポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、
前記演算手段により取得された前記統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に前記起動アイコンを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記取得手段により取得される前記スポット情報が特定するスポットの大きさを変更する入力を受け付ける変更手段を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末、及び当該携帯端末と通信可能なサーバを含む情報表示システムであって、
前記携帯端末は、
前記アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記特定情報、前記時刻情報、及び前記スポット情報に基づいて、前記起動時刻及び前記スポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、
前記演算手段により取得された前記統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に前記起動アイコンを表示する表示手段と、
を備え、前記取得手段は、前記サーバから前記スポット情報を取得することを特徴とする情報表示システム。
【請求項4】
複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する携帯端末が行なう情報表示方法であって、
前記アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を前記携帯端末が取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記特定情報、前記時刻情報、及び前記スポット情報に基づいて、前記起動時刻及び前記スポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を前記携帯端末が取得する演算ステップと、
前記演算ステップにより取得された前記統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び前記携帯端末の現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に前記起動アイコンを前記携帯端末が表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする情報表示方法。
【請求項5】
複数のアプリケーションの起動アイコンを表示する情報表示プログラムであって、
コンピュータシステムを、
前記アプリケーションの起動が行われた起動時点での、当該アプリケーションを特定する特定情報、起動時刻を特定する時刻情報、及び当該携帯端末が存在するスポットを特定するスポット情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記特定情報、前記時刻情報、及び前記スポット情報に基づいて、前記起動時刻及び前記スポットごとの各アプリケーションの起動頻度の統計情報を取得する演算手段と、
前記演算手段により取得された前記統計情報に基づいて、現在時刻に対応する起動時刻、及び現在位置を含むスポットにおいて起動頻度が高い順に前記起動アイコンを表示する表示手段と、
として機能させることを特徴とする情報表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−215940(P2012−215940A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79009(P2011−79009)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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