説明

携帯端末装置およびプログラム

【課題】2つの背面タッチセンサに対する入力を、携帯端末装置の使用状態に応じて、適宜、2つの表示面に対する入力に反映させることにより、利便性を高めることが可能な携帯端末装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】
携帯電話機1は、第1表示面14を備える第1キャビネット10と、第2表示面24を備える第2キャビネット20と、携帯端末装置の使用状態を検出するCPU100と、第1キャビネット10の第1背面に対する入力を検出する第1背面タッチセンサ15と、第2キャビネット20の第2背面に対する入力を検出する第2背面タッチセンサ25と、を備える。CPU100は、携帯端末装置の使用状態に対応づけられた所定の対応関係に基づいて、第1背面または第2背面に対する入力を、第1表示面14または第2表示面24に対する入力として受け付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)、タブレットPC(TabletPC)、電子書籍端末、携帯ゲーム機等の携帯端末装置、および、そのためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表示面と背面タッチセンサとを有する携帯端末装置が知られている。このような携帯端末装置では、背面タッチセンサに対して入力を行うことにより、表示面に表示される画面が指などにより遮られることなく、アプリケーションプログラム(以下、「アプリケーション」と言う。)を利用できる(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来、2つの表示面を有する携帯端末装置が知られている。このような携帯端末装置では、アプリケーションに基づく画面が一方の表示面に表示される状態や両方の表示面に表示される状態などの複数の使用状態において、アプリケーションを利用できる(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−36424号公報
【特許文献2】特開平9−305262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2は、2つの表示面が配される筺体の背面にそれぞれ背面タッチセンサが配された携帯端末装置の構成を開示していない。
【0006】
2つの表示面を有する携帯端末装置において、各表示面が配される筺体の背面にそれぞれ背面タッチセンサが配されると便利である。この場合、各背面タッチセンサに対する入力を、携帯端末装置の使用状態に応じて、適宜、表示面に対する入力に反映できると、さらに便利である。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、2つの背面タッチセンサに対する入力を、携帯端末装置の使用状態に応じて、適宜、2つの表示面に対する入力に反映させることにより、利便性を高めることが可能な携帯端末装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る携帯端末装置は、第1表示面を備える第1キャビネットと、第2表示面を備える第2キャビネットと、携帯端末装置の使用状態を検出する使用状態検出部と、前記第1表示面に対して反対側にある前記第1キャビネットの第1背面に対する入力を検出する第1入力検出部と、前記第2表示面に対して反対側にある前記第2キャビネットの第2背面に対する入力を検出する第2入力検出部と、前記第1および第2背面に対する入力と、前記第1および第2表示面に対する入力との対応関係を、前記使用状態に対応づけて記憶する記憶部と、前記使用状態検出部により検出された前記使用状態に対応づけられた前記対応関係に基づいて、前記第1背面または前記第2背面に対する入力を、前記第1表示面または前記第2表示面に対する入力として受け付ける制御部と、を備える。
【0009】
本発明に係る携帯端末装置において、前記使用状態検出部に検出される使用状態は、前記第1キャビネットと前記第2キャビネットの相対位置とともに、前記携帯端末装置の向きを含み得る。
【0010】
本発明に係る携帯端末装置において、前記記憶部は、前記対応関係をアプリケーションに対応づけて記憶し得る。この場合、前記制御部は、前記使用状態と実行中の前記アプリケーションとに対応づけられた前記対応関係に基づいて、前記第1背面および前記第2背面に対する入力と、前記第1表示面および前記第2表示面に対する入力とを対応づける。
【0011】
本発明に係る携帯端末装置において、前記対応関係の設定の変更のための操作を受け付け、変更された前記対応関係を前記記憶部に記憶させる対応関係設定部をさらに備え得る。
【0012】
本発明に係る携帯端末装置において、前記記憶部は、前記対応関係とともに、前記第1背面および前記第2背面に対する入力が無効とされる無効領域を規定するための情報を、前記使用状態に対応づけて記憶し得る。この場合、前記制御部は、前記第1背面または前記第2背面に対する入力が前記無効領域に対してなされたとき、当該入力を前記第1表示面または前記第2表示面に対する入力として受け付けない。
【0013】
本発明に係る携帯端末装置において、前記第1表示面に対する入力を検出する第3入力検出部および前記第2表示面に対する入力を検出する第4入力検出部をさらに備え得る。この場合、前記対応関係は、前記携帯端末装置の前記使用状態に応じて、前記第1表示面および前記第2表示面に対する入力を、有効または無効に設定するための情報を含む。
【0014】
本発明に係る携帯端末装置において、前記使用状態は、前記第2表示面が前記第1キャビネットに覆われるとともに前記第1表示面が外部を臨む閉状態を含み得る。この場合、前記記憶部は、前記携帯端末装置の前記使用状態が前記閉状態であるときの前記第2背面に対する入力を、前記第1表示面に対する入力に対応させるための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶し得る。
【0015】
本発明に係る携帯端末装置は、前記第1および第2背面が前記第1表示面および第2表示面が略面一になるよう配置される開状態と、前記第1表示面および第2表示面が所定の鈍角を形成するよう配置されるチルト状態と、前記第2表示面が前記第1キャビネットに覆われるとともに前記第1表示面が外部を望む閉状態とを切り替え可能に、前記第1キャビネットおよび前記第2キャビネットを支持する支持部を含み得る。この場合、前記使用状態検出部は、前記開状態、前記チルト状態および前記閉状態を、前記使用状態として検出する。
【0016】
また、この場合、前記記憶部は、前記携帯端末装置の前記使用状態が前記チルト状態であり、且つ、前記携帯端末装置の向きが横向きであるときの前記第1背面に対する入力を、前記第1表示面に対する入力に対応させるための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶し得る。
【0017】
また、この場合、前記記憶部は、前記携帯端末装置の前記使用状態が前記チルト状態であり、且つ、前記携帯端末装置の向きが横向きであるときの前記第2背面に対する入力を、前記第1表示面に対する入力に対応させるための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶し得る。
【0018】
また、この場合、前記記憶部は、前記携帯端末装置の前記使用状態が前記開状態または
前記チルト状態であるときの前記第1および第2背面に対する入力を、前記第1および第2表示面に対する入力に、それぞれ対応させるための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶し得る。
【0019】
さらに、この場合、前記記憶部は、前記携帯端末装置の前記使用状態が前記開状態であるときの前記第1または第2背面のいずれか一方に対する入力を、前記第1および第2表示面の両方に対する入力に対応させるための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶し得る。
【0020】
本発明に係る携帯端末装置において、前記記憶部は、前記携帯端末装置の向きが縦であるときの前記第1または第2背面の下側の所定領域を無効領域とするための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶し得る。
【0021】
本発明に係る携帯端末装置において、前記制御部は、前記第1または第2背面に対して入力がなされたとき、前記対応関係により対応づけられた前記第1または第2表示面に表示されている画面上の、当該入力の位置に対応する位置に、ポインタを表示させ得る。
【0022】
本発明に係る携帯端末装置において、前記制御部は、前記第1または第2背面に対してスライドの操作がなされたとき、前記対応関係により対応づけられた前記第1または第2表示面に表示されている画面をスクロールさせ得る。
【0023】
本発明の第2の態様は、第1表示面を備える第1キャビネットと、第2表示面を備える第2キャビネットと、携帯端末装置の使用状態を検出する使用状態検出部と、前記第1表示面に対して反対側にある前記第1キャビネットの第1背面に対する入力を検出する第1入力検出部と、前記第2表示面に対して反対側にある前記第2キャビネットの第2背面に対する入力を検出する第2入力検出部と、前記第1および第2背面に対する入力と、前記第1および第2表示面に対する入力との対応関係を、前記使用状態に対応づけて記憶する記憶部と、を備える携帯端末装置のコンピュータに、前記使用状態検出部により前記使用状態に対応づけられた前記対応関係に基づいて、前記第1背面または前記第2背面に対する入力を、前記第1表示面または前記第2表示面に対する入力として受け付ける機能を付与するプログラムである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、2つの背面タッチセンサに対する入力を、携帯端末装置の使用状態に応じて、適宜、2つの表示面に対する入力に反映させることにより、利便性を高めることが可能な携帯端末装置およびプログラムを提供することができる。
【0025】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態に係る、閉状態および開状態の携帯電話機の外観構成および断面構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係る、チルト状態の携帯電話機の外観構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係る、携帯電話機の、閉状態から開状態へ変形される様子を説明する図である。
【図4】実施の形態に係る、携帯電話機の全体構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態に係る、携帯電話機の使用状態を説明する図である。
【図6】実施の形態に係る、背面タッチセンサに対する入力の表示面に対する入力への対応関係を模式的に説明する図である。
【図7】実施例1に係る、対応関係更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施例1に係る、対応関係定義テーブルを説明する表である。
【図9】実施例1に係る、閉状態における携帯電話機が操作される様子と、アプリケーションの実行画面の表示例とを説明する図である。
【図10】実施例1に係る、チルト状態(I)における携帯電話機が操作される様子を説明する図である。
【図11】実施例1に係る、チルト状態(I)におけるアプリケーションの実行画面の表示例を説明する図である。
【図12】実施例1に係る、開状態(II)およびチルト状態(II)における携帯電話機が操作される様子を説明する図である。
【図13】実施例2に係る、対応関係更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】実施例2に係る、対応関係定義テーブルの例を説明する表と、開状態(I)における携帯電話機が操作される様子を説明する図である。
【図15】実施例2に係る、開状態(I)におけるアプリケーションの実行画面の表示例を説明する図である。
【図16】実施例2に係る、対応関係定義テーブルの例を説明する表と、チルト状態(I)における携帯電話機が操作される様子を説明する図である。
【図17】実施例2に係る、チルト状態(I)におけるアプリケーションの実行画面の表示例を説明する図である。
【図18】実施例2に係る、対応関係定義テーブルの例を説明する表と、無効領域と、チルト状態(II)における携帯電話機が操作される様子とを説明する図である。
【図19】実施例2に係る、チルト状態(II)におけるアプリケーションの実行画面の表示例を説明する図である。
【図20】実施例3に係る、対応関係変更処理と対応関係更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図21】実施例4に係る、対応関係更新処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】実施例4に係る、対応関係定義テーブルの例を説明する表と、開状態(II)における携帯電話機が操作される様子を説明する図である。
【図23】実施例4に係る、開状態(II)におけるアプリケーションの実行画面の表示例を説明する図である。
【図24】実施例4に係る、対応関係定義テーブルの例を説明する表である。
【図25】その他の構成に係る、対応関係定義テーブルの例を説明する表である。
【図26】その他の構成に係る、開状態(I)におけるアプリケーションの実行画面の表示例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態に係る携帯電話機について説明する。
【0028】
本実施の形態に係る携帯電話機は、2つのキャビネットと2つの表示面(第1表示面、第2表示面)を有する。一方のキャビネットの表側の面に、第1表示面が配され、他方のキャビネットの表側の面に、第2表示面が配される。さらに、各キャビネットの表側および裏側の面に、それぞれタッチセンサが配される。すなわち、4つのタッチセンサが、携帯電話機に配される。後述のように、裏側のタッチセンサ(第1背面タッチセンサ、第2背面タッチセンサ)に対する操作によって、第1表示面または第2表示面に表示される画面に対する入力が行われる。
【0029】
<携帯電話機の構成>
図1(a)〜(d)、図2(a)および(b)は、本実施の形態に係る携帯電話機1の構成を示す図である。図1(a)は、閉状態の携帯電話機1の構成を示す斜視図、図1(b)は、開状態の携帯電話機1の構成を示す斜視図である。図1(c)は、図1(a)の携帯電話機1を右側から見たときの内部透視図、図1(d)は、図1(b)の携帯電話機1を右側から見たときの内部透視図である。図2(a)は、チルト状態の携帯電話機1を、第1キャビネット10の手前側から見た斜視図、図2(b)は、チルト状態の携帯電話機1を、第1キャビネット10の奥側から見た斜視図である。
【0030】
携帯電話機1は、閉状態、開状態およびチルト状態の3つの画面状態において、ユーザにより使用される。
【0031】
携帯電話機1は、第1キャビネット10と、第2キャビネット20と、これら第1および第2キャビネット10、20を連結する連結部30とで構成されている。
【0032】
以下、携帯電話機1に対する「右」、「左」、「上」、「下」、「手前」および「奥」の方向は、図1(a)および(b)に示すように設定される。X軸、Y軸およびZ軸の正方向は、それぞれ、上、左および手前方向に対応する。ただし、図2(a)および(b)のチルト状態では、第1キャビネット10の前面が向く方向が第1キャビネット10の「手前」方向であり、第1キャビネット10の第1表示面14の短片方向が第1キャビネット10の「上下」方向である。
【0033】
閉状態は、図1(a)に示す如く、第1キャビネット10が、第2キャビネット20の前面に重ねられた状態である。開状態は、図1(b)に示す如く、第1キャビネット10が、第2キャビネット20の上側に並べられた状態である。
【0034】
第1キャビネット10は、左右方向に長い平坦な直方体形状を有する。第1キャビネット10の前面には、第1タッチパネル11が配されている。第1タッチパネル11は、第1ディスプレイ12および第1タッチセンサ13を含む。
【0035】
第1ディスプレイ12は、第1画面を表示する。第1ディスプレイ12に備えられるバックライト(図示せず)が点灯されることにより、第1タッチパネル11の外面である第1表示面14を介して、ユーザは第1画面を閲覧できる。
【0036】
第1タッチセンサ13は、長方形状の透明なシートであり、第1ディスプレイ12の上に重ねられて配されている。第1タッチセンサ13は、ユーザが第1表示面14に対して入力したとき、すなわち第1表示面14をタッチしたとき、タッチされた第1表示面14上の位置(入力位置)を検出する。第1タッチセンサ13は、検出した位置に応じた位置信号を出力する。
【0037】
なお、ユーザが第1表示面14を「タッチ」するとは、ユーザが指やペンなどの接触部材によって第1表示面14に触れることである。ユーザが接触部材によって第1表示面14を押したり、撫でたり、第1表示面14に図形や文字を描いたりする場合に「タッチ」が行われる。ユーザが第1表示面14を「タップ」するとは、接触部材や指が第1表示面14を弾くように、第1表示面14のある位置において接触部材や指をタッチさせ、短時間のうちにリリースさせる動作を言う。ユーザが第1表示面14を「スライド」するとは、ユーザが接触部材や指を、第1表示面14に接触したまま、第1表示面14に沿って動かす動作を言う。
【0038】
第1キャビネット10の背面の部分には、第1背面タッチセンサ15が配される。第1
背面タッチセンサ15は、第1表示面14と略同様の大きさの長方形状の透明なシートである。第1背面タッチセンサ15は、第1キャビネット10の手前側から見て、第1表示面14にほぼ重なる位置に配される。第1背面タッチセンサ15は、ユーザが第1背面タッチセンサ15をタッチしたとき、タッチされた位置を検出する。第1背面タッチセンサ15は、検出した位置に応じた位置信号を出力する。
【0039】
第1キャビネット10の、背面部の左側には、動画および静止画の撮像のためのレンズ窓15(図2(b)参照)が配される。
【0040】
第2キャビネット20は、左右方向に長い平坦な直方体形状を有する。第2キャビネット20には、第2タッチパネル21が配されている。第2タッチパネル21の構成は、第1タッチパネル11の構成と同様である。第2タッチパネル21は、第2ディスプレイ22および第2タッチセンサ23を含む。
【0041】
第2ディスプレイ22は、第2画面を表示する。第2ディスプレイ22に備えられるバックライト(図示せず)が点灯されることにより、第2タッチパネル21の外面である第2表示面24を介して、ユーザは第2画面を閲覧できる。
【0042】
第2タッチセンサ23は、長方形状の透明なシートであり、第2ディスプレイ22の上に重ねられて配されている。第2タッチセンサ23は、ユーザが第2表示面24をタッチしたとき、タッチされた第2表示面24上の位置を検出する。第2タッチセンサ23は、検出した位置に応じた位置信号を出力する。
【0043】
第2キャビネット20の背面の部分には、第2背面タッチセンサ25が配される。第2背面タッチセンサ25は、第2表示面24と略同様の大きさの長方形状の透明なシートである。第2背面タッチセンサ25は、第2キャビネット20の手前側から見て、第2表示面24にほぼ重なる位置に配される。第2背面タッチセンサ25は、ユーザが第2背面タッチセンサ25をタッチしたとき、タッチされた位置を検出する。第2背面タッチセンサ25は、検出した位置に応じた位置信号を出力する。
【0044】
第2キャビネット20の下側の側面部には、ハードキー群26が配される。ハードキー群26は、電源キー、音量調節キー、カメラ機能を利用するためのキー等からなる。
【0045】
図1(c)を参照して、閉状態において、第1タッチパネル11は、携帯電話機1の手前側から外部を臨み、第2背面タッチセンサ25は、携帯電話機1の奥側から外部を臨む。また、第1背面タッチセンサ15と第2タッチパネル21は、互いに重なり合う。このため、閉状態において、第1背面タッチセンサ15と第2タッチパネル21は外部を臨まない。
【0046】
図1(d)を参照して、開状態において、第1タッチパネル11および第2タッチパネル21は、携帯電話機1の手前側から外部を臨む。第1背面タッチセンサ15および第2背面タッチセンサ25は、携帯電話機1の奥側から外部を臨む。
【0047】
なお、開状態において、第1表示面14の下側の境界は、第1キャビネット10の下側側面に近い位置(数ミリメートル)に位置する。同様に、第2表示面24の上側の境界は、第2キャビネット20の上側側面に近い位置(数ミリメートル)に位置する。このように、開状態において、第1表示面14と第2表示面24との間の隙間は小さいため、ユーザは、第1表示面14と第2表示面24とを、一体化された一つの表示面として、認識できる。
【0048】
図2(a)および(b)のチルト状態において、第1タッチパネル11および第2タッチパネル21は、開状態の場合(図1(d))と同様に、各キャビネット10、20の手前側から、それぞれ外部を臨む。また、第1背面タッチセンサ15および第2背面タッチセンサ25は、携帯電話機1の奥側から外部を臨む。
【0049】
図2(a)および(b)を参照して、連結部30は、中央フレーム31、第1右フレーム32、第1左フレーム33、第2右フレーム34および第2左フレーム35を有する。中央フレーム31は、左右に延びる形状を有する。中央フレーム31の右端は、第1右フレーム32の一端および第2右フレーム34の一端に接続する。中央フレーム31の左端は、第1左フレーム33の一端および第2左フレーム35の一端に接続する。
【0050】
第1右フレーム32および第1左フレーム33の他端には、それぞれ左右方向に延びる軸が配される。この軸が、第1キャビネット10の左右の側面部に配された溝部17により挟まれる。なお、図2において、左側側面部の溝部17のみが描かれる。これらの軸が、溝部17に沿ってスライド移動可能に第1キャビネット10に保持されることにより、第1キャビネット10が、軸を中心に回転可能、且つ溝部17に沿って上下方向にスライド可能に、第1右フレーム32および第1左フレーム33により保持される。
【0051】
第2右フレーム34および第2左フレーム35は、第2キャビネット20を、左右方向を軸として回転可能に保持する。
【0052】
図3(a)〜(f)は、携帯電話機1の画面状態が閉状態(図3(a))から、チルト状態(図3(d))を介して開状態(図3(f))へ遷移される過程を、携帯電話機1の右側から見て説明する図である。ユーザは、携帯電話機1をこのように遷移させるよう、携帯電話機1を変形させることができる。
【0053】
携帯電話機1が図3(a)のように閉状態にあるとき、第1キャビネット10が手前方向(図3(a)の破線矢印)へ移動されると、図3(b)に示す如く、第1キャビネット10の背面が、第2キャビネット20の前面から離れる。このとき、第1キャビネット10の移動に応じて、連結部30は、時計回りの方向へ回転(実線矢印)される。
【0054】
図3(b)に示される状態において、第1キャビネット10が、さらに手前方向へ移動され、第1表示面14が下側を向くように回転されると(破線矢印)、第1キャビネット10および連結部30は、図3(c)に示されるように配置される。
【0055】
図3(c)の状態において、第1キャビネット10の下側の裏面が連結部30に接するまで、第1キャビネット10がさらに反時計回りに回転され、且つ連結部30がさらに時計回りに回転されると、携帯電話機1は、図3(d)のチルト状態に至る。
【0056】
チルト状態において、第1キャビネット10の背面の下側が連結部30に当接した状態が保たれたまま、連結部30を時計回りの方向へ回転(破線矢印)されると、携帯電話機1は、図3(e)に示される状態になる。すなわち、第1表示面14と第2表示面24とが略一面となる。
【0057】
図3(e)に示される状態のとき、第1キャビネット10および第2キャビネット20との間には、間隙(数ミリメートル)が存在する。第1キャビネット10を、第2キャビネット20に対して下方向(一点鎖線矢印)へスライドさせると、図3(f)のように、携帯電話機1は開状態へと至る。このとき、第1キャビネット10の下側側面と、第2キャビネット20の上側側面とが、互いに接した状態となる。
【0058】
なお、携帯電話機1が図3(d)で示されるチルト状態にあるとき、すなわち第1右フレーム32および第1左フレーム33と第2キャビネット20とが所定の鈍角(たとえば百数十度)をなす状態にあるとき、連結部30は、連結部30の回転を弱く係止するための構造を有する。回転が弱く係止されるため、携帯電話機1は、チルト状態が保たれたまま、ユーザに利用されることが可能であり、且つ、ユーザは容易にチルト状態を開状態または閉状態へ変化させることができる。
【0059】
図4は、携帯電話機1の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態の携帯電話機1は、上述した各構成要素の他、CPU100、メモリ200、カメラモジュール301、マイク302、音声エンコーダ303、キー入力回路304、通信モジュール305、映像デコーダ306、音声デコーダ307、スピーカ308、バッテリ309、電源管理回路310、クロック311、開閉センサ312、GPSモジュール313および加速度センサ314を備えている。
【0060】
カメラモジュール301は、第1キャビネット10に配されている。カメラモジュール301は、第1キャビネット10の背面から外部を臨む、レンズ窓16を有する。カメラモジュール301は、レンズ窓16を介して撮像し、カメラモジュール301が内蔵する映像エンコーダ(図示せず)によりデジタル撮像信号を生成する。カメラモジュール301は、生成した撮像信号をCPU100へ出力する。
【0061】
マイク302は、第1キャビネット10に配される。マイク302は、集音した音声を音声信号に変換して音声エンコーダ303へ出力する。音声エンコーダ303は、マイク302からのアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換し、変換されたデジタルの音声信号をCPU100へ出力する。
【0062】
キー入力回路304は、ハードキー群26の各キーが押下されたときに、押下されたキーに応じた信号をCPU100へ出力する。
【0063】
通信モジュール305は、通話や通信のための電波を送受信するアンテナ(図示せず)を備える。通信モジュール305は、CPU100から入力される信号を無線信号に変換し、無線信号をアンテナを介して基地局へ送信する。また、通信モジュール305は、アンテナを介して受信した無線信号をCPU100が利用できる形式の信号へ変換し、変換された信号をCPU100へ出力する。
【0064】
映像デコーダ306は、CPU100からの画像信号をデコードし、CPU100からの制御信号に基づき、デコードした信号を第1ディスプレイ12および第2ディスプレイ22へ出力する。第1ディスプレイ12および第2ディスプレイ22は、映像デコーダ306からの信号から駆動信号を生成し、生成した駆動信号を、第1ディスプレイ12および第2ディスプレイ22が備える液晶パネル(図示せず)へ、それぞれ出力する。各液晶パネルは、入力した駆動信号に応じて、第1画面および第2画面を描画する。また、第1ディスプレイ12および第2ディスプレイ22は、CPU100からの制御信号に基づき、第1ディスプレイ12および第2ディスプレイ22が備えるバックライトを点灯または消灯させる。バックライトが点灯し、液晶パネルに描画された画面が表示されることにより、ユーザは、第1表示面14および第2表示面24を介して、表示された第1画面および第2画面を観ることができる。
【0065】
CPU100は、画面状態が、開状態またはチルト状態から閉状態へ遷移されたとき、第2画像の描画を停止させ、また第2ディスプレイ22のバックライトを消灯させるよう、第2ディスプレイ22へ制御信号を出力する。画面状態が閉状態から開状態またはチルト状態へ遷移されたとき、CPU100は、実行中の機能に基づき、第2画像の描画を開
始させ、また第2ディスプレイ22のバックライトを点灯させるよう、第2ディスプレイ22へ制御信号を出力する。
【0066】
音声デコーダ307は、CPU100からの音信号にデコード処理およびD/A変換を施し、変換された信号をスピーカ308に出力する。スピーカ308は、音声デコーダ307から入力する信号に基づき、音を出力する。
【0067】
バッテリ309は二次電池を含み、携帯電話機1を構成する各部へ、電力を供給する。
【0068】
電源管理回路310は、CPU100からの制御信号に基づき、バッテリ309に関する各種の情報を取得するとともに、二次電池の充電等のための制御信号を、バッテリ309へ出力する。電源管理回路310は、二次電池が出力する電圧を検知し、検知した電圧に応じたデジタル信号を、CPU100に出力する。CPU100は、このデジタル信号に基づき、二次電池が出力できる電力のおよその残量を検出する。
【0069】
クロック311は、時間を計測し、計測した時間に応じた信号をCPU100へ出力する。
【0070】
開閉センサ312は、連結部30の第2キャビネット20に対する角度を検出する。開閉センサ312は、第2キャビネット20と連結部30がなす角度を検出する角度センサを備え、検出された角度に応じたデジタル信号を、CPU100へ出力する。CPU100は、開閉センサ312からの信号に基づき、携帯電話機1の画面状態が、開状態、閉状態およびチルト状態の何れであるかを検出する処理を実行する。
【0071】
なお、画面状態は、角度センサ以外の手段によって、検出されてもよい。たとえば、開閉センサは、磁気センサと磁石とを備え得る。この場合、たとえば、第2キャビネット20に磁気センサが配され、第1キャビネット10または連結部30に磁石が配される。この開閉センサは、磁気センサが画面状態によって異なる磁力を検知することに基づき、CPU100が開閉状態を検出するための信号を、CPU100へ出力する。
【0072】
GPSモジュール313は、複数のGPS衛星からの信号に基づいて、経度、緯度等の地理的な現在位置を測位し、その位置情報、即ちGPS情報をCPU100に出力する。
【0073】
加速度センサ314は、携帯電話機1に印加される加速度を検出する。加速度センサ314は3軸加速度センサであり、図1のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の3方向に生じる加速度を検出する。加速度センサ314は、検出した加速度に応じた加速度信号をCPU100へ出力する。CPU100は、加速度センサ314からの加速度信号に基づき、携帯電話機1が、横向きおよび縦向きの何れの方向を向いているかを検出する。
【0074】
図4にもどり、メモリ200は、ROMおよびRAMを含む。メモリ200には、CPU100に制御機能を付与するための制御プログラムが記憶されている。また、CPU100が制御プログラムを実行する際、メモリ200は、一時的に利用または生成されるデータを記憶するワーキングメモリとしても使用される。
【0075】
メモリ200は、制御プログラムの他に、画像データ、通信モジュール305を介して外部から取り込んだ情報、および第1および第2タッチセンサ13、23により入力された情報等が、所定のファイル形式で保存される。
【0076】
メモリ200は、後述される対応関係定義テーブルを記憶する。対応関係定義テーブルは、第1および第2タッチセンサ13、23と第1および第2背面タッチセンサ15、2
5とに対する入力を、使用状態に応じて、有効または無効に設定するための情報を含む。対応関係定義テーブルは、さらに、第1または第2背面タッチセンサ15、25に対する入力が有効とされる場合に、有効とされたタッチセンサ15、25に対する入力が、第1表示面14および第2表示面24のうち何れの入力に対応されるべきかを定めるための情報を含む。
【0077】
CPU100は、操作による入力や制御プログラムに従って、カメラモジュール301、マイク302、通信モジュール305、第1および第2ディスプレイ12、22、スピーカ308等を動作させる。これにより、CPU100は、通話、カメラ機能、電子メール、ウェブブラウザ、音楽プレーヤ等の各種アプリケーションを実行する。
【0078】
CPU100は、画面状態の変化に応じて、第2ディスプレイ22を、バックライトを点灯・消灯するよう制御を行う。画面状態が閉状態であるときに、CPU100は、第1キャビネット10に覆われ背後に隠れる第2ディスプレイ22のバックライトを消灯させる。画面状態が開状態またはチルトであるときに、CPU100は、第2ディスプレイ22のバックライトを点灯させる。
【0079】
図5は、携帯電話機1の使用状態を説明する図である。
【0080】
図示のように、「使用状態」は、携帯電話機1の画面状態と向きによって6通りの状態をとる。上述の通り、画面状態は、閉状態、開状態およびチルト状態の3通りからなる。向きは、横および縦の2通りからなる。以下、携帯電話機1の向きが横向きであるときの上記3つの画面状態を、それぞれ、閉状態(I)、開状態(I)およびチルト状態(I)と表し、携帯電話機1の向きが縦向きであるときの上記3つの画面状態を、それぞれ、閉状態(II)、開状態(II)およびチルト状態(II)と表す。
【0081】
図6(a)〜(d)は、それぞれ、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力が第1および第2表示面14、24に対する入力にどのように対応付けられるかの対応関係を模式的に示す図である。
【0082】
図6(a)〜(d)の左側には、それぞれ、開状態の携帯電話機1を手前側から見たときの第1および第2表示面14、24が示され、図6(a)〜(d)の右側には、それぞれ、開状態の携帯電話機1を手前側から見たときの第1および第2背面タッチセンサ15、25が示されている。また、図6(a)〜(d)には、それぞれ、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する操作の位置と、当該操作による第1および第2表示面14、24に対する入力の位置が、それぞれ、黒い丸と四角で示されている。
【0083】
図6(a)では、第1背面タッチセンサ15に対する入力が第1表示面14に対する入力として処理される。CPU100は、第1背面タッチセンサ15から入力された信号から、入力位置、すなわちタッチ位置の座標を検出する。そして、CPU100は、検出した座標を、第1表示面14の画面上の座標に変換し、変換した座標を第1表示面14に対する入力位置として取得する。
【0084】
CPU100は、実行中のアプリケーションに基づいて、この入力に関する処理を実行する。たとえば、図6(a)に示されるように、第1背面タッチセンサ15上の黒い丸または四角で示される位置がタッチされると、CPU100は、このタッチを、それぞれ第1表示面14上の黒い丸または四角で示される位置に対する入力であるとみなして処理を実行する。
【0085】
図6(b)では、第1背面タッチセンサ15に対する入力が第2表示面24に対する入
力として処理される。CPU100は、図6(a)の場合と同様、第1背面タッチセンサ15に対する入力(タッチ)がなされると、タッチ位置に対応する第2表示面24上の座標を第2表示面24に対する入力位置として取得する。そして、CPU100は、実行中のアプリケーションに基づいてこの入力に関する処理を実行する。たとえば、第1背面タッチセンサ15の黒い丸または四角で示される位置がタッチされると、CPU100は、このタッチを、それぞれ第2表示面24の黒い丸または四角で示される位置に対する入力であるとみなして処理を実行する。
【0086】
図6(c)では、第2背面タッチセンサ25に対する入力が第1表示面14に対する入力として処理される。この場合も、CPU100は、図6(a)の場合と同様、第2背面タッチセンサ25に対する入力(タッチ)がなされると、タッチ位置に対応する第1表示面14上の座標を第1表示面14に対する入力位置として取得する。たとえば、CPU100は、第2背面タッチセンサ25の黒い丸または四角で示される位置へのタッチを、それぞれ第1表示面14の黒い丸または四角で示される位置に対する入力であるとみなして処理を実行する。
【0087】
図6(d)では、第2背面タッチセンサ25に対する入力が第2表示面24に対する入力として処理される。この場合も、CPU100は、図6(a)の場合と同様、第2背面タッチセンサ25に対する入力(タッチ)がなされると、タッチ位置に対応する第2表示面24上の座標を第2表示面24に対する入力位置として取得する。たとえば、CPU100は、第2背面タッチセンサ25の黒い丸または四角で示される位置へのタッチを、それぞれ第2表示面24の黒い丸または四角で示される位置に対する入力であるとみなして処理を実行する。
【0088】
図6(a)〜(d)では、画面状態が開状態であったが、画面状態がチルト状態の場合も、図6(a)〜(d)と同様、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力が、第1および第2表示面14、24に対する入力に対応付けられる。ただし、閉状態では、第2表示面24および第1背面タッチセンサ15は外部を臨まないため(図1(c)参照)、図6(c)の対応関係が適用される。
【0089】
図6で説明された第1および第2背面タッチセンサ15、25と第1および第2表示面14、24との対応関係は、メモリ200に記憶された上述の対応関係定義テーブルに保持されている。CPU100は、対応関係定義テーブルに基づき、図5に示す各使用形態に応じて、図6(a)〜(d)の何れかの対応関係を設定する。以下、携帯電話機1の使用状態に応じて対応関係を設定するための制御処理について、説明する。
【0090】
<実施例1>
図7は、本実施例に係る、対応関係の更新のための処理のフローチャートである。図7の処理は、電子文書閲覧、電子メール、地図閲覧等のアプリケーションが利用されている際に実行される。
【0091】
ステップS101において、CPU100は、携帯電話機1の使用状態(図5参照)が変化したか否かを判定する。使用状態が変化した場合(S101:YES)、次のステップS102の処理へ進む。たとえば、ユーザが、画面状態を開状態から閉状態へ移行させた場合、ステップS102の処理が実行される。使用状態が変化しない場合(S101:NO)、図7の処理は終了されるとともに、再び本フローチャートの処理が開始される。なお、上記アプリケーションの起動時には、処理がS101からS102へと進められる。
【0092】
ステップS102において、CPU100は、メモリ200に記憶された対応関係定義
テーブルを参照し、変化後の使用状態に応じた対応関係を読み込む。対応関係定義テーブルは、携帯電話機1の各使用状態において、タッチセンサ(13、15、23、25)と表示面(14、24)との対応関係を定義するためのテーブルである。そして、読み込んだ対応関係に基づいて、タッチセンサ(13、15、23、25)と表示面(14、24)との対応関係の設定を行う(S103)。
【0093】
図8(a)は、対応関係定義テーブルの構成を示す図である。図8(b)は、対応関係定義テーブルの各要素を説明する表である。
【0094】
対応関係定義テーブルには、図8(b)に説明されるように、各使用状態におけるタッチセンサ13、15、23、25の有効(「○」または「1」)および無効(「×」の設定が定義される。「1」は、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力の対象が第1表示面14に対する入力として受け付けられることを表す。なお、本実施例において、第1背面タッチセンサ15に対する入力は無効とされる。
【0095】
閉状態およびチルト状態(I)における第2背面タッチセンサ25に対する入力は、図8(a)によると、第1表示面14に対する入力として受け付けられる。また、図8の構成例では、開状態およびチルト状態(II)において、第1背面タッチセンサ15と第2背面タッチセンサ25に対する入力は、無効とされる。
【0096】
閉状態およびチルト状態(I)における第2背面タッチセンサ25に対する入力がなされた場合の処理の例が、以下に説明される。
【0097】
たとえば、画面状態が開状態から閉状態またはチルト状態(I)へ遷移した場合(S101:YES)、CPU100は、図8(a)の対応関係定義テーブルの、閉状態またはチルト状態(I)における対応関係をメモリ200から読み込む(S102)。そして、読み込まれた対応関係の定義に基づいて、CPU100は、第2背面タッチセンサ25に対する入力を、閉状態またはチルト状態(I)において、第1表示面14に対する入力に対応させる設定を行う。
【0098】
図9は、閉状態において、アプリケーションの一つであるウェブブラウザが実行される様子を説明する図である。図9(a)は、閉状態の携帯電話機1が右手で持たれている様子を説明する図である。図9(b)および(c)は、ウェブブラウザの実行画面の例を示す図である。図9(b)および(c)では、あるウェブページを開いた時の画面401が、第1表示面14に表示されている。
【0099】
ユーザは、図9(a)のように、右手の人差し指を、第2背面タッチセンサ25へタッチし、ユーザから見て上方向(白い矢印方向)へスライドさせ、その後タッチした指をリリースし得る。この操作が、図9(b)のようにウェブページの画面が第1表示面14に表示されているときになされた場合、CPU100は、このスライドの操作を、画面401が表示された第1表示面14に対する入力として受け付ける。この場合、CPU100は、画面401を白矢印の方向へのスクロールさせるための入力とみなす。この結果、ウェブページの画面401が上方向へスクロールされ、図9(c)に示されるように、スクロール後のウェブページの画面401が、第1表示面14に表示される。
【0100】
なお、このスクロール中、第1表示面14に対する入力は通常行われない。このため、ユーザは、スクロールのための操作をしているときにも、画面401の全体を観ることができる。
【0101】
なお、図9(a)および(b)に示されるように、第2背面タッチセンサ25がタッチ
されているとき、CPU100は、このタッチ位置に対応する、第1表示面14上の位置に、矢印状のポインタ402を表示する。ポインタ402は、第1画面の閲覧の妨げにならないよう、指先の大きさよりも小さい。タッチされた指がリリースされると、CPU100は、図9(c)のように、ポインタ402の表示を解除する。ユーザは、第1表示面14に表示されるポインタ402を視認することによって、第1表示面14上のどの位置に対する入力を行っているのかを知ることができる。ポインタ402は、第2背面タッチセンサ25のタッチ位置が変化することに応じて、移動される。
【0102】
なお、ポインタ402は、矢印状ではなく、他の形状でもよい。また、アプリケーションの実行画面の視認性が優先されてポインタが表示されない構成がとられてもよい。また、ポインタ402の視認性が優先されて、より大きなポインタが表示されてもよい。
【0103】
なお、ここでは、スライド操作について説明されたが、第2背面タッチセンサ25に対して、タップやフリック等の各種入力がなされた場合も、CPU100は、第1表示面14の対応する位置に入力がなされたとみなす。そして、CPU100は、なされた操作と実行中のアプリケーションに基づいた処理を実行する。
【0104】
図10は、チルト状態(I)の携帯電話機1が左手で持たれ、右手で操作がなされる様子を説明する図である。図10において、右手の指は、第2背面タッチセンサ25をタッチしている。図8(a)のように、チルト状態(I)における第2背面タッチセンサ25に対する入力は、第1表示面14に対する入力として受け付けられる。第2背面タッチセンサ25上のタッチ位置に対応する第1表示面14上の位置に、ポインタ403が表示される。たとえば、破線白矢印の方向へスライドがなされ、第2背面タッチセンサ25に対するタッチ位置が破線白矢印の方向へ移動されると、ポインタ403は、実線白矢印の方向へ移動する。
【0105】
図11(a)〜(c)は、電子メールのアプリケーションの実行画面の例を示す図である。この例では、第2背面タッチセンサ25への入力による、ポインタ403の移動と、ポインタ403が指す位置にあるテキスト入力欄への文字入力の有効化とが説明される。
【0106】
図示の如く、第1表示面14には、ポインタ403の他に、電子メールの送信先のメールアドレスの入力欄404、件名の入力欄405等が表示される。同図(a)では、入力欄404の枠が強調表示され、現在、入力欄404が文字入力を受け付けていることが視認可能となっている。図11(b)および(c)では、それぞれ、入力欄405の枠が強調表示され、入力欄405への文字入力が可能である。
【0107】
第2表示面24には、文字を入力するためのソフトキーボード406が表示される。ソフトキーボード406の各ソフトキーの画像が指等でタッチされることにより(図11(c)の指の図参照)、タッチされたソフトキーに対応する文字が、文字入力を受け付け可能な状態にあるテキスト入力欄に、表示される。
【0108】
図11(a)において、現在、ポインタ403は、現在の第2背面タッチセンサ25に対するタッチ(破線で描かれた指参照)の位置に基づき、件名の入力欄405よりも下側に表示される。ユーザが、タッチした指を、破線白矢印の方向(左上)へスライドさせると、ポインタ403も、同じ方向へ移動する。これにより、ポインタ403は、図11(b)に示されるように、件名の入力欄405を指す。
【0109】
この状態で、第2背面タッチセンサ25から指がリリースされ、さらに、タッチされていた位置にタップがなされると、CPU100は、件名の入力欄405の枠を強調表示し、入力欄405への入力を受け付け可能とする。この状態において、ソフトキーボード4
06のキーが押下されると、CPU100は、図11(c)に例示されるように、押下されたキーに応じた文字を、入力欄405に表示する。
【0110】
このように、チルト状態(I)では、第2背面タッチセンサ25に対する入力が、第1表示面14に対する入力として受け付けられる。
【0111】
なお、図8に示すように、開状態およびチルト状態(II)では、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力が無効とされる。このため、図12(a)および(b)に示されるように、これら開状態およびチルト状態(II)において、ユーザの指が第1または第2背面タッチセンサ15、25に接触しても、この接触は、アプリケーションの実行内容に影響を与えない。
【0112】
以上、本実施例に係る携帯電話機1によれば、携帯電話機1の使用状態が変化すると、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力が、対応関係定義テーブルおよび現在の使用状態に基づき、第1または第2表示面14、24に対する入力に対応づけられる。
【0113】
具体的には、閉状態において、第2背面タッチセンサ25に対する入力は、第1表示面14に対する入力に対応付けられる。このため、ユーザは、第2タッチセンサ23に対する入力によって、第1表示面14に表示される画面を遮ることなく、所望の操作を行える(図9)。
【0114】
また、チルト状態(I)において、第2背面タッチセンサ25に対する入力は、第1表示面14に対する入力に対応付けられる。ユーザは、少しの力で回動し得る不安定な第1キャビネット10に指を触れることなく、第1表示面14に対する入力を第2背面タッチセンサ25に対する入力(タッチ、スライド、タップ)によって行うことができる。
【0115】
その一方、開状態およびチルト状態(II)においては、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力は無効とされる。このため、携帯電話機1の背面に指がどのように触れても、この指の接触は、アプリケーションの実行に影響を与えない。このため、図12のように、ユーザは、安定的に携帯電話機1を両手で持つことができる。
【0116】
このように、携帯端末装置の使用状態に応じて、背面タッチセンサ15、25によるアプリケーションの操作方法が、所定の対応関係に基づいて適宜切替えられるので、ユーザは、背面タッチセンサを効果的に使用して、アプリケーション利用のための操作を行える。
【0117】
<実施例2>
上記実施例では、実行されるアプリケーションによらず、ひとつの対応関係定義テーブル(図8)に基づき、対応関係が設定される。これに対し、実施例2では、複数の対応関係定義テーブルが、アプリケーションに対応づけられて、メモリ200に記憶される。本実施例において、対応関係設定のために読み込まれる対応関係は、実行中のアプリケーションにより異なる。
【0118】
図13は、本実施例に係る制御処理を説明するフローチャートである。図13のフローチャートでは、図7のステップS102の処理が、ステップS111の処理に置き換えられている。ステップS111において、CPU100は、現在実行中のアプリケーションに対応づけられた対応関係定義テーブルを参照し、現在の使用状態に応じた対応関係を読み込む。
【0119】
なお、実行中のアプリケーションに対応づけられた対応関係定義テーブルが、メモリ200に記憶されていない場合、CPU100は、汎用の対応関係定義テーブルを参照する。汎用の対応関係定義テーブルは、たとえば図8(a)に示される対応関係定義テーブルであり、予めメモリ200が記憶する。
【0120】
以下に、個別のアプリケーションに対応づけられた対応関係定義テーブルの例および、アプリケーションの実行例を説明する。
【0121】
図14(a)は、地図閲覧のためのアプリケーションに対応づけられた対応関係定義テーブルである。図14(b)は、図14(a)の対応関係定義テーブルの各要素を説明する表である。図14(a)の対応関係定義テーブルは、図8(a)の対応関係定義テーブルに比較して、開状態における第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力の対応先が異なる。図14(a)および図14(b)に示されるように、この対応関係定義テーブルによると、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力は、それぞれ、第1および第2表示面14、24に対する入力として受け付けられる。
【0122】
図14(c)は、開状態の携帯電話機1が左手に持たれ、右手の指により第2背面タッチセンサ25に対して入力がされている様子を説明する図である。地図閲覧のためのアプリケーションが実行されているとき、図14(c)の2つの白矢印に示されるような入力(スライド)が受け付けられ得る。
【0123】
すなわち、まず、ユーザの指が、第2背面タッチセンサ25をタッチすると、このタッチの位置に対応する第1表示面14上の位置にポインタ411が表示される。タッチした指先を白矢印の方向へスライドさせる場合、ユーザは、まず第2背面タッチセンサ25上でスライドの操作を行い、第2背面タッチセンサ25の境界に達した後においても、指先の移動を第1背面タッチセンサ15へと進めて、第1背面タッチセンサ15上で、スライドの操作を行える。これらスライドの操作が、第1および第2表示面14、24に対する入力として受け付けられる。
【0124】
図15(a)および(b)は、上記のスライドの操作がなされたときの、地図閲覧のためのアプリケーションの実行画面を説明する図である。地図412は、第1および第2表示面14、24に表示される2枚の画像からなるが、第1表示面14と第2表示面24との間の間隔が狭いため、ユーザは、これら2枚の画像を、1枚の地図412として観ることができる。
【0125】
ポインタ411が第2表示面24に表示されているとき、上述のスライドの操作がなされると、CPU100は、ポインタ411を、スライドの操作に応じて移動させる。CPU100は、ポインタ411の移動に同調して、地図412をスクロールさせる。この結果、図15(b)に示されるように、ポインタ411が第1表示面14に移動されるとともに、図15(a)においてポインタ411が指していた地点が、図15(b)においてポインタ411が指す位置に移動される。
【0126】
この地図412のスクロール中、第1表示面14に対する入力はされていない。このため、ユーザは、地図412をスクロールさせている最中にも、第1表示面14に表示される地図412の全体を、ユーザは観ることができる。
【0127】
図16(a)は、電子メールを利用するためのアプリケーションに対応づけられた対応関係定義テーブルである。図16(a)の対応関係定義テーブルは、図14(a)の対応関係定義テーブルに比較して、チルト状態(I)における対応関係が異なる。すなわち、チルト状態(I)において、第1背面タッチセンサ15に対する入力は、第1表示面14
に対する入力として受け付けられ、第2背面タッチセンサ25に対する入力は無効とされる。
【0128】
図16(b)は、チルト状態(II)の携帯電話機1が両手に持たれ、且つ右手の人差指により第1背面タッチセンサ15に対して入力がなされている様子を説明する図である。この入力に基づき、第1表示面14の所定位置に、ポインタ413が表示される。
【0129】
図17(a)〜(c)は、チルト状態における電子メールのアプリケーションの実行画面の例を示す図である。図17(a)〜(c)は、それぞれ、図11(a)〜(c)に対応する。ただし、この例では、第1表示面14に対する入力が、第2背面タッチセンサ25ではなく、第1背面タッチセンサ15を介してなされる。
【0130】
図17(a)において、ポインタ413は、現在の第2背面タッチセンサ25に対するタッチの位置に基づき、件名の入力欄405よりも下側に表示される。ユーザは、第1背面タッチセンサ15に対する入力位置を変更することにより、ポインタ413を図17(a)の白矢印の方向へ移動させることができる。図17(b)のように、ポインタ413が件名の入力欄404を指すときに、タッチされている位置においてタップがなされると、CPU100は、件名の入力欄405の枠を強調表示する。これにより、入力欄405への文字入力が受け付け可能となる。
【0131】
この状態において、ソフトキーボード406のキーが押下されると、CPU100は、図17(c)に例示されるように、押下されたキーに応じた文字を、件名の入力欄405に表示する。
【0132】
このように、チルト状態(I)において、第1背面タッチセンサ15に対する入力が、第1表示面14に対する入力として受け付けられる。
【0133】
ところで、アプリケーションによっては、第1または第2背面タッチセンサ15、25が有効とされる場合においても、第1または第2背面タッチセンサ15、25のある領域(以下、「無効領域」と言う。)に対する入力が無効とされる方が好ましい場合がある。無効領域は、ユーザによる誤入力が起こり易い領域に設定される。この場合、無効領域を設定するための情報が、対応関係定義テーブルに含まれる。
【0134】
図18(a)は、電子書籍閲覧のためのアプリケーションに対応づけられた対応関係定義テーブルである。図18(a)の対応関係定義テーブルは、図8(a)の対応関係定義テーブルに対し、チルト状態(II)における第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力が有効とされる。さらに、チルト状態(II)において、第1および第2背面タッチセンサ15、25に無効領域が設定される。
【0135】
図18(b)は、第1および第2表示面14、24に表示される画面の座標系を示す図である。なお、本実施例では、第1および第2表示面14、24の画面のサイズは、480ピクセル×800ピクセルとする。図18(b)に示されるように、各表示面14、24の座標軸は、それぞれ、左上が原点(0、0)であり、右下の座標が(480、800)である。
【0136】
図18(a)にて定義される無効領域414、415は、図18(b)の座標軸を用いて記述される。図18(a)の対応関係定義テーブルの「1:(0、480)〜(480、480)」との表示は、第1表示面14に含まれる、対向する頂点座標が(0、480)と(480、800)である長方形状領域414(斜線の領域)に対する入力が無効とされることを表す。同様に、「2:(0、480)〜(480、480)」との表示は、
第2表示面24の、対向する頂点座標が(0、480)と(480、800)である長方形状領域415に対する入力が無効とされることを表す。よって、チルト状態(II)においては、第1および第2背面タッチセンサ15、25の、(0、0)と(480、480)によって定義される略正方形状の領域に対応する領域が有効領域とされ、当該有効領域に対する入力が受け付けられる。
【0137】
なお、無効領域の大きさは、誤操作低減のためにより大きく設定されてよいし、また、背面タッチセンサ15、25での操作を行いやすくするために行うために、より小さく設定されてもよい。また、無効領域は、目的等に応じて上記例とは異なる位置に設定されてよい。
【0138】
図18(c)は、チルト状態(II)の携帯電話機1が両手に持たれているときの様子を模式的に示す。左右の手の、中指、薬指および小指は、第1または第2背面タッチセンサ15、25の無効領域414、415に接触する。このため、図18(c)のように携帯電話機1が持たれた場合、中指、薬指および小指の無効領域414、145に対する入力が無効とされる。これに対し、左右のそれぞれの手の人差指が有効領域に対してタッチする場合、CPU100は、このタッチによる入力を、第1または第2表示面14、24に対する入力として受け付ける。この場合、図18(c)に示されるように、タッチ位置に基づいた第1および第2表示面14、24の位置に、ポインタ416、147が表示される。
【0139】
ユーザは、このように第1または第2背面タッチセンサ15、25に対して入力を行うことにより、電子書籍閲覧のためのアプリケーションを操作できる。たとえば、右手の人差指を第1背面タッチセンサ15に沿ってスライドさせることによって、ユーザは、ページめくりの操作をできる。
【0140】
図19(a)および(b)は、このようなスライドの操作がなされたときの、電子書籍閲覧のためのアプリケーションの実行画面を説明する図である。図19(a)および(b)では、第1および第2表示面14、24に、電子書籍の画像が表示される。なお、図19(a)および(b)において、無効領域414、415は、参照のために図示されているだけであり、実際には、無効領域414、415は画像として表示されない。第1および第2表示面14、24の右上のページ番号表示欄418、419には、それぞれ、現在のページ番号「33」および「34」と現在開いている電子書籍の総ページ数「189」が表示される。
【0141】
右手人差指が、白矢印のように、有効領域において左方向(図19(a)の白矢印方向)へスライドされると、CPU100は、このスライドの操作を、第1表示面14に対する入力として受け付け、この操作を、ページめくりのための操作であると判定する。この結果、CPU100は、図19(b)に示されるように、次のページの画像を表示する。すなわち、35および36ページの画像が第1および第2表示面14、24に表示される。
【0142】
ユーザは、第1および第2表示面14、24に表示される画像を指で遮ることなく、第1背面タッチセンサ15に対するスライドの操作によって、ページめくりを実行できる。
【0143】
なお、スライドの方向が逆向きの場合、表示面14、24には、前のページ(31、32ページ)の画像が表示されるよう処理が実行される。また、上記例では、第1背面タッチセンサ15に対する入力について説明されたが、第2背面タッチセンサ25に対してスライド操作がなされた場合にも、同様の処理が実行される。CPU100は、ページめくりのための操作の他、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する所定の操作に
より、文字の拡大および縮小、ブックマーク登録等、各種の処理を実行するための入力を受け付ける。
【0144】
以上、本実施例によれば、対応関係定義テーブルが、アプリケーションに対応づけられているため、現在の携帯電話機1の使用状態だけによらず、現在実行中のアプリケーションに応じて、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力を第1または第2表示面14、24への入力に適応的に対応させることができる。すなわち、各アプリケーションの個別の特性に応じて、アプリケーションごとに異なる対応関係が設定されるため、ユーザは、より効果的に背面タッチセンサ15、25を使用できる。
【0145】
さらに、本実施例では、第1または第2背面タッチセンサ15、25に操作入力を受け付けない無効領域が設定されるため、アプリケーションに対する誤入力を抑制することができる。たとえば、電子書籍閲覧のアプリケーションでは、ユーザは、指で無効領域に触れることによって、携帯電話機1をより安定的に持つことができるとともに、背面タッチセンサ15、25における誤操作を低減することができる。
【0146】
<実施例3>
実施例3は、実施例1の構成に加え、さらにユーザが対応関係定義テーブルを変更できるよう構成されている。
【0147】
CPU100は、対応関係定義テーブルの変更を受け付けるための、対応関係変更処理を実行する。ユーザは、ホーム画面、ランチャ画面等に表示される携帯電話機1の動作設定のための設定アイコン(図示せず)を選択し、設定内容の選択のためのメニューを表示させ、このメニューにおいて、対応関係変更処理を実行するための項目を選択し、対応関係変更処理を実行できる。
【0148】
図20(a)は、対応関係変更処理を説明するフローチャートである。対応関係変更処理が実行されると、CPU100は、対応関係設定のための画面を表示し(S121)、設定の変更のための入力を受け付ける(S122)。ステップS122において、ユーザは、第1および第2タッチセンサ13、23の有効・無効、第1および第2背面タッチセンサ15、25の有効・無効、第1および第2背面タッチセンサ15、25を有効に設定した場合の操作対象(第1または第2表示面14、24)の指定、第1および第2背面タッチセンサ15、25を有効に設定した場合の無効領域等を設定できる。
【0149】
ユーザによる入力の確認のステップ(S123)において、ユーザがOK(S123:YES)を選択すると、設定内容に応じた対応関係定義テーブルがメモリ200に記憶され、図20(a)の処理が終了する。これにより、図8の対応関係定義テーブル(デフォルト)とともに、ユーザにより設定された対応関係定義テーブルが準備される。ステップS123においてOKが選択されなければ(S123:NO)、ステップS122の入力受付処理が継続される。なお、対応関係設定のための画面においてユーザによりキャンセルが入力されると、対応関係変更処理が終了する。
【0150】
図20(b)は、本実施例に係る制御処理を説明するフローチャートである。図20(b)のフローチャートでは、図7のフローチャートに対し、ステップS124、S125の処理が追加されている。すなわち、使用状態が変化すると(S101:YES)、CPU100は、対応関係定義テーブルがユーザにより変更されていないを判定する(S124)。対応関係定義テーブルが変更されていない場合(S124:YES)、CPU100は、図8(a)の対応関係定義テーブルから、現在の使用状態に応じた対応関係を読み込む(S102)。他方、対応関係定義テーブルの変更がある場合(S124:NO)、CPU100は、変更された対応関係定義テーブルから、現在の使用状態に応じた対応関
係を読み込む。しかる後、CPU100は、読み込んだ対応関係に基づいて、タッチセンサ(13、15、23、25)と表示面(14、24)との対応関係の設定を行う(S103)。
【0151】
本実施例において、ユーザは、たとえば、図8(a)対応関係定義テーブルを、図18(a)の対応関係定義テーブルへ変更できる。たとえば、電子書籍閲覧のアプリケーションの実行時に、変更された対応関係テーブルを用いることで、上記のように、ユーザは、指で無効領域に触れることによって携帯電話機1をより安定的に持つことができ、また、背面タッチセンサ15、25における誤操作を低減することができる。
【0152】
このように、本実施例によれば、ユーザが望む方法でアプリケーションの操作が行えるため、第1および第2背面タッチセンサ15、25をさらに効果的に使用することができる。
【0153】
<実施例4>
本実施例では、アプリケーションごとに対応関係定義テーブルが準備され、これら対応関係定義テーブルの内容がユーザにより個別に変更可能となっている。すなわち、実施例2の構成に実施例3の構成が付加されている。アプリケーションごとの対応関係変更処理は、図20(a)と同様に行われる。ただし、本実施例では、対応関係変更処理において、変更対象のアプリケーションがユーザにより選択される。
【0154】
図21は、本実施例に係る制御処理を説明するフローチャートである。図21のフローチャートでは、図13のフローチャートに対し、ステップS131およびS132の処理が追加されている。
【0155】
ステップS131では、現在実行中のアプリケーションに対応する対応関係定義テーブルがユーザにより変更がされていないかが判定される。対応関係定義テーブルが変更されていない場合は(S131:YES)、デフォルトの対応関係テーブルを用いた処理が行われる(S111、S103)。対応関係定義テーブルが変更されている場合(S131:YES)、変更された対応関係テーブルを用いた処理が行われる(S132、S103)。
【0156】
本実施例において、ユーザは、たとえば、図16(a)の電子メールのアプリケーションの対応関係定義テーブルを、図22(a)の対応関係定義テーブルへ変更できる。図22(a)の対応関係定義テーブルは、図16(a)に対し、開状態が開状態(I)と開状態(II)とに分けられ(図5参照)、チルト状態(II)での設定が変更されている。具体的には、開状態(I)での設定は、図16(a)の対応関係定義テーブルの開状態での設定に同じであり、開状態(II)およびチルト状態(II)での設定は、図18(a)の対応関係定義テーブルのチルト状態(II)の設定に同じである。また、図22(a)の対応関係定義テーブルでは、無効領域が設定される。
【0157】
このように対応関係テーブルが変更された場合、図22(b)のように開状態(II)の携帯電話機1が両手に持たれると、左右のそれぞれの手の人差指が第1または第2背面タッチセンサ15、25の有効領域にタッチし、中指、薬指および小指は、第1または第2背面タッチセンサ15、25の無効領域422、423に接触する。ユーザは、第1または第2背面タッチセンサ15、25の有効領域に対して人差指で入力を行うことにより、電子メールのアプリケーションを操作できる。
【0158】
図23(a)および(b)は、開状態(II)での電子メールのアプリケーションの実行画面の例を示す図である。
【0159】
図23(a)および(b)において、第1表示面14には、携帯電話機1が受信したメールの本文の画面424が表示され、第2表示面24には、携帯電話機1の受信メールのリストの画面425が表示される。
【0160】
ユーザは、図23(a)の白矢印で示されるように、第1背面タッチセンサ15の有効領域にタッチした人差指を、上へスライドさせることで、メールの本文の画面424を上へスクロールさせることができる。この結果、図23(b)に示されるように、上方向(白矢印方向)へスクロールされた受信メールの本文の画像424が、第1表示面14に表示される。
【0161】
第2背面タッチセンサ25の有効領域に対する入力が行われた場合にも、CPU100は同様の処理を実行する。たとえば、CPU100は、第2背面タッチセンサ25の有効領域に対するスライドの操作により、第2表示面24において、受信メールのリストの画面425をスライド操作に対応する方向へスクロールさせる。
【0162】
電子メールのアプリケーションの対応関係定義テーブルは、図22(a)以外の内容にも適宜変更され得る。図24(a)および(b)は、他の変更例を示す図である。ユーザは、一度変更された対応関係定義テーブルを、上記の変更処理により、再度変更することができる。
【0163】
図24(a)の対応関係定義テーブルでは、開状態が開状態(I)、(II)に区分されておらず、図22(a)に対し、開状態での設定内容が異なっている。第1および第2背面タッチセンサ15、25に対する入力は、それぞれ第1および第2表示面14、24に対する入力として、CPU100により処理される。
【0164】
図24(b)の対応関係定義テーブルは、図24(a)に対し、さらに、チルト状態(I)での設定内容が異なる。チルト状態(I)において、第1背面タッチセンサ15に対する入力は無効とされ、第2背面タッチセンサ25に対する入力は有効とされる。また、第2背面タッチセンサ25に対する入力は、第1表示面14に対する入力として、CPU100により処理される。
【0165】
このように、ユーザは、アプリケーションごとに、好みに応じて対応関係定義テーブルを設定できる。本実施例によれば、ユーザが望む設定内容で、アプリケーションの特性に合わせた操作が行えるため、さらに操作性が向上する。
【0166】
<その他>
以上、本発明に係る実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に何ら制限されるものではない。また、本発明の実施例も、上記以外に、種々の変更が可能である。
【0167】
たとえば、上記実施例2〜4では、無効領域が、指定された2つの座標を対角の位置の頂点として持つ長方形状領域とされたが、無効領域は、他の方法により設定されてよい。たとえば、複数の頂点が指定されることにより、これら頂点が囲む領域が無効領域とされてよい。この他、頂点とこの頂点を中心とする半径が指定されることにより、円形の無効領域が指定されてもよい。また、上記実施例2〜4では、各背面タッチセンサ15、25に対してそれぞれ一つの無効領域が設定されたが、各背面タッチセンサ15、25に2つ以上の無効領域が設定されてもよい。
【0168】
また、上記実施例2〜4では、対応関係定義テーブルにおいて無効領域が指定されたが、有効領域が指定されてもよい。背面タッチセンサ15、25において有効領域と無効領
域とが区別される方法であれば、有効領域または無効領域は、どのように指定されてもよい。
【0169】
上記実施例2〜4では、対応関係定義テーブルは、ユーザによる設定により変更されたが、たとえば、携帯電話機1の動作状態に応じて、対応関係定義テーブルが自動的に変更されても良い。たとえば、携帯電話機1の動作状態に応じて、有効領域と無効領域が動的に変化される構成とされ得る。
【0170】
たとえば、ユーザが、第1または第2表示面14、24に対してタッチしているときには、第1および第2背面タッチセンサ15、25の全領域を無効領域とする。逆に、ユーザが、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対してタッチしている時には、第1または第2表示面14、24の全領域を無効領域とする。このように、CPU100が、適時、一部のタッチ入力を無効とすることにより、ユーザが意図しないタッチによる誤操作の頻度を低減し得る。また、タッチされているタッチセンサの反対の側面から外部に露出するタッチセンサの領域が無効領域とされてもよい。
【0171】
この他、たとえば、第1または第2表示面14、24に対するタッチの面積(以下、「タッチ面積」と言う。)が所定閾値を超える場合に、当該タッチが行われた表示面に対する入力が無効とされても良い。同様に、第1および第2背面タッチセンサ15、25に対するタッチ面積が所定閾値を超える場合に、当該タッチが行われた背面タッチセンサに対する入力が無効とされても良い。すなわち、タッチ面積が所定閾値を超える場合、ユーザは携帯電話機1をしっかり手に持っているとして、CPU100は、適時、一部のタッチ入力を無効とする。これにより、ユーザが意図しないタッチによる誤操作の頻度を低減し得る。
【0172】
また、上記実施例3、4では、対応関係定義テーブルの変更は、設定アイコンが選択されることにより実行されたが、他の方法により実行されてよい。たとえば、アプリケーションの実行中において、このアプリケーションの実行に係る各種設定メニューの中に、対応関係変更処理の実行のための項目が含まれていてもよい。この項目が選択されると、ユーザは、実行中のアプリケーションに対応づけられた対応関係定義テーブルを変更できる。これによって、ユーザは、対応関係の変更処理において、対象となるアプリケーションを選択および指定する手間を省くことができる。対応関係定義テーブルの変更が適切になされるのであれば、この変更は、上記例の他、どのようなタイミングで行われてもよい。
【0173】
上記実施例1〜4で説明された対応関係定義テーブルでは、閉状態における第1または第2表示面14、24への対応関係は、閉状態(I)と閉状態(II)の区別、すなわち横であるか縦であるかの区別(図5参照)がなされていない。しかしながら、閉状態における第2背面タッチセンサ25の無効領域の設定状態が、閉状態(I)と閉状態(II)とで異なっていてもよい。
【0174】
上記実施例2、4では、異なる対応関係定義テーブルが、各アプリケーションに対応づけられた。しかしながら、さらに細かく、アプリケーション内の入力可能な各画面に、対応関係定義テーブルが対応付けられてもよい。
【0175】
たとえば、電子メールのアプリケーションでは、受信メールを表示するための画面、受信メール一覧を表示するための画面、電子メールの送付先や件名を入力するための画面、電子メールの本文を作成および編集するための画面等が、第1または第2表示面14、24に表示される。このような各画面に関連付けられて、対応関係定義テーブルがメモリ200に記憶されてよい。
【0176】
また、対応関係定義テーブルの構成は、携帯電話機1の使用状態に応じて対応関係が設定され得るものであれば、他の構成であってもよい。
【0177】
また、上記実施例では、第1または第2背面タッチセンサ15、25に対する入力は、第1および第2表示面14、24の一方への入力として受け付けられたが、当該入力が、第1および第2表示面14、24の両方への入力として受け付けられてもよい。この場合、たとえば、図25の対応関係定義テーブルが使われ得る。
【0178】
図25の対応関係定義テーブルは、たとえば、図26(a)に示されるように、地図閲覧のためのアプリケーションの実行によって、同じ地域の地図が異なる様式で第1および第2表示面14、24に表示されるような場合に、利用され得る。道路地図433が第1表示面14に表示され、これと同時に、道路地図に示される地域と同じ地域の航空写真の地図434が、第2表示面24に表示される。
【0179】
図26(a)において、第1背面タッチセンサ15に対するタッチ位置に基づき、ポインタ431、432が、それぞれ、第1および第2表示面14、24の対応する位置に表示される。ここで、白矢印の方向へ指がスライドされると、CPU100は、スライドの操作に応じて、第1および第2表示面14、24に表示される2つの地図433、434を、図26(b)に示されるように、それぞれ互いに同じ方向へ、同じ距離だけスクロールさせる。
【0180】
このように、対応関係が適切に変更されることによって、ユーザは、第1および第2背面タッチセンサ15、25を用いて、2画面を有する携帯電話機1で特有な動作をするアプリケーションを、効率的に操作できる。
【0181】
また、本実施例では、携帯電話機1は、2つの表示面と2つの背面タッチセンサを備えたが、表示面や背面タッチセンサの数は2つに限られず、3つ以上でもよい。また、本発明は、携帯電話機1に限らず、PDAやタブレットPC、電子書籍端末、携帯ゲーム機など他の携帯端末装置に適用することもできる。
【0182】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。たとえば、上記実施形態の一部または全部を組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0183】
1 携帯電話機 (携帯端末装置)
10 第1キャビネット
13 第1タッチセンサ(第3入力検出部)
14 第1表示面
15 第1背面タッチセンサ (第1背面、第1入力検出部)
20 第2キャビネット
23 第2タッチセンサ(第4入力検出部)
24 第2表示面
25 第2背面タッチセンサ (第2背面、第2入力検出部)
30 連結部 (支持部)
100 CPU (制御部、使用状態検出部、対応関係設定部)
200 メモリ (記憶部)
312 開閉センサ (使用状態検出部)
314 加速度センサ (使用状態検出部)
414、415、422、423 無効領域
402、403、411、413、416、417、420、421、431、432 ポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示面を備える第1キャビネットと、
第2表示面を備える第2キャビネットと、
携帯端末装置の使用状態を検出する使用状態検出部と、
前記第1表示面に対して反対側にある前記第1キャビネットの第1背面に対する入力を検出する第1入力検出部と、
前記第2表示面に対して反対側にある前記第2キャビネットの第2背面に対する入力を検出する第2入力検出部と、
前記第1および第2背面に対する入力と、前記第1および第2表示面に対する入力との対応関係を、前記使用状態に対応づけて記憶する記憶部と、
前記使用状態検出部により検出された前記使用状態に対応づけられた前記対応関係に基づいて、前記第1背面または前記第2背面に対する入力を、前記第1表示面または前記第2表示面に対する入力として受け付ける制御部と、を備える、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯端末装置において、
前記使用状態検出部に検出される使用状態は、前記第1キャビネットと前記第2キャビネットの相対位置とともに、前記携帯端末装置の向きを含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯端末装置において、
前記記憶部は、前記対応関係をアプリケーションに対応づけて記憶し、
前記制御部は、前記使用状態と実行中の前記アプリケーションとに対応づけられた前記対応関係に基づいて、前記第1背面および前記第2背面に対する入力と、前記第1表示面および前記第2表示面に対する入力とを対応づける、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記対応関係の設定の変更のための操作を受け付け、変更された前記対応関係を前記記憶部に記憶させる対応関係設定部をさらに備える、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記記憶部は、前記対応関係とともに、前記第1背面および前記第2背面に対する入力が無効とされる無効領域を規定するための情報を、前記使用状態に対応づけて記憶し、
前記制御部は、前記第1背面または前記第2背面に対する入力が前記無効領域に対してなされたとき、当該入力を前記第1表示面または前記第2表示面に対する入力として受け付けない、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記第1表示面に対する入力を検出する第3入力検出部および前記第2表示面に対する入力を検出する第4入力検出部をさらに備え、
前記対応関係は、前記携帯端末装置の前記使用状態に応じて、前記第1表示面および前記第2表示面に対する入力を、有効または無効に設定するための情報を含む、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記使用状態は、前記第2表示面が前記第1キャビネットに覆われるとともに前記第1
表示面が外部を臨む閉状態を含み、
前記記憶部は、前記携帯端末装置の前記使用状態が前記閉状態であるときの前記第2背面に対する入力を、前記第1表示面に対する入力に対応させるための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記第1表示面および第2表示面が略面一になるよう配置される開状態と、前記第1表示面および第2表示面が所定の鈍角を形成するよう配置されるチルト状態と、前記第2表示面が前記第1キャビネットに覆われるとともに前記第1表示面が外部を望む閉状態とを切り替え可能に、前記第1キャビネットおよび前記第2キャビネットを支持する支持部を備え、
前記使用状態検出部は、前記開状態、前記チルト状態および前記閉状態を、前記使用状態として検出する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯端末装置において、
前記記憶部は、前記携帯端末装置の前記使用状態が前記チルト状態であり、且つ、前記携帯端末装置の向きが横向きであるときの前記第1背面に対する入力を、前記第1表示面に対する入力に対応させるための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶する、ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項10】
請求項8に記載の携帯端末装置において、
前記記憶部は、前記携帯端末装置の前記使用状態が前記チルト状態であり、且つ、前記携帯端末装置の向きが横向きであるときの前記第2背面に対する入力を、前記第1表示面に対する入力に対応させるための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶する、ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項11】
請求項8に記載の携帯端末装置において、
前記記憶部は、前記携帯端末装置の前記使用状態が前記開状態または前記チルト状態であるときの前記第1および第2背面に対する入力を、前記第1および第2表示面に対する入力に、それぞれ対応させるための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項12】
請求項8に記載の携帯端末装置において、
前記記憶部は、前記携帯端末装置の前記使用状態が前記開状態であるときの前記第1または第2背面のいずれか一方に対する入力を、前記第1および第2表示面の両方に対する入力に対応させるための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項13】
請求項2に記載の携帯端末装置において、
前記記憶部は、前記携帯端末装置の向きが縦であるときの前記第1または第2背面の下側の所定領域を無効領域とするための情報を、前記対応関係を規定する情報として記憶する、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項14】
請求項1ないし13の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記第1または第2背面に対して入力がなされたとき、前記対応関係により対応づけられた前記第1または第2表示面に表示されている画面上の、当該入力の位
置に対応する位置に、ポインタを表示させる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項15】
請求項1ないし14の何れか一項に記載の携帯端末装置において、
前記制御部は、前記第1または第2背面に対してスライドの操作がなされたとき、前記対応関係により対応づけられた前記第1または第2表示面に表示されている画面をスクロールさせる、
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項16】
第1表示面を備える第1キャビネットと、第2表示面を備える第2キャビネットと、前記第2表示面が第1キャビネットに覆われるとともに前記第1表示面が外部を臨む第1状態と、携帯端末装置の使用状態を検出する使用状態検出部と、前記第1表示面に対して反対側にある前記第1キャビネットの第1背面に対する入力を検出する第1入力検出部と、前記第2表示面に対して反対側にある前記第2キャビネットの第2背面に対する入力を検出する第2入力検出部と、前記第1および第2背面に対する入力と、前記第1および第2表示面に対する入力との対応関係を、前記使用状態に対応づけて記憶する記憶部と、を備える携帯端末装置のコンピュータに、
前記使用状態検出部により前記使用状態に対応づけられた前記対応関係に基づいて、前記第1背面または前記第2背面に対する入力を、前記第1表示面または前記第2表示面に対する入力として受け付ける機能を付与するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−230567(P2012−230567A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98751(P2011−98751)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】