携帯端末装置
【課題】送信側ユーザが、自己の送信するメールがどのような感情を示すかについて把握することができる携帯端末装置を提供すること。
【解決手段】第1携帯電話機10は、第1操作部12と、文字列及び感情を対応付けて記憶する第1記憶部15と、第1操作部12により入力された文字列に基づいてメール文書を作成するメール文書作成部161と、メール文書作成部161により作成されたメール文書から第1記憶部15に記憶された感情に対応付けられた文字列を抽出し、当該抽出した文字列に基づいてメール文書の感情を解析する第1感情解析部164と、第1感情解析部164により解析されたメール文書の感情を報知する第1報知制御部165と、を備える。
【解決手段】第1携帯電話機10は、第1操作部12と、文字列及び感情を対応付けて記憶する第1記憶部15と、第1操作部12により入力された文字列に基づいてメール文書を作成するメール文書作成部161と、メール文書作成部161により作成されたメール文書から第1記憶部15に記憶された感情に対応付けられた文字列を抽出し、当該抽出した文字列に基づいてメール文書の感情を解析する第1感情解析部164と、第1感情解析部164により解析されたメール文書の感情を報知する第1報知制御部165と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関する。より詳細には、メールを作成したユーザの感情を報知する携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末装置が普及したことに伴い、携帯端末装置が備えるメール機能によりコミュニケーションを行うユーザが増加している。しかしながら、メール機能では、文章のみによりコミュニケーションが行われるため、メールの受信者は、メールの送信者の感情を把握することは困難であった。また、送信者が、何気なくメールを作成した場合に、受信者によっては、所定の感情であると誤認するおそれもあった。
【0003】
このような問題に対応するために、例えば、特許文献1に示されるように、ユーザが、受信したメールに含まれる単語を基にメールの感情解析を行い、解析結果を絵文字にして書くメールのリストの隣に表示させる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−230011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示される方法では、送信側ユーザは、自己の送信するメールがどのような感情を示すかが分からなかった。
【0006】
本発明は、送信側ユーザが、自己の送信するメールがどのような感情を示すかについて把握することができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末装置は、文字列及び感情を対応付けて記憶する記憶部と、操作部と、前記操作部により入力された文字列に基づいてメール文書を作成するメール文書作成部と、前記メール文書作成部により作成された前記メール文書から前記記憶部に記憶された文字列を抽出し、当該抽出した文字列に対応付けられた感情に基づいて前記メール文書の感情を解析する感情解析部と、前記感情解析部により解析された前記メール文書の感情を報知する感情報知部と、を備える。
【0008】
また、前記感情解析部は、前記メール文書が更新された場合、当該更新されたメール文書の感情を解析し、前記感情報知部は、前記更新されたメール文書の感情が更新前のメール文書の感情と異なる場合、前記更新されたメール文書の感情を報知することが好ましい。
【0009】
また、前記感情解析部は、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符以降の文字列に対しては感情解析を行わないことが好ましい。
【0010】
また、前記感情解析部は、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符から、当該引用符の後に最初に出現する改行文字までの間の文字列に対しては感情解析を行わないことが好ましい。
【0011】
また、携帯端末装置では、前記操作部によるメール送信の入力操作に基づいて前記メール文書を含むメールの送信を実行する送信部をさらに備え、前記感情報知部は、前記操作部によるメール送信の入力操作から前記送信部により前記メールが送信されるまでの間に前記メール文書の感情を報知することが好ましい。
【0012】
また、携帯端末装置では、前記操作部により入力された文字列に対応した予測変換候補を1又は複数出力する予測変換候補出力部をさらに備え、前記感情解析部は、前記予測変換候補出力部によって出力された予測変換候補のいずれかが選択されると、前記選択された予測変換候補を含む前記メール文書の感情を解析し、前記感情報知部は、前記メール文書の感情が前記予測変換候補が加わる前のメール文書の感情と異なる場合、前記メール文書の感情を報知することが好ましい。
【0013】
また、前記感情解析部は、前記出力された少なくとも1つの予測変換候補それぞれの感情を解析し、前記感情報知部は、前記感情解析部により解析された予測変換候補の感情に応じて、前記予測変換候補を表示させることが好ましい。
【0014】
また、携帯端末装置では、表示部を備え、前記感情報知部は、前記表示部に前記メール文書の感情を示す表示を実行させることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る携帯端末装置は、送信されたメールを受信する受信部と、前記受信部により受信したメールのメール文書を感情解析する感情解析部と、前記感情解析部により解析された前記メール文書の感情を報知する感情報知部と、を備え、前記感情解析部は、前記メールのタイトルに特定の符号が付され、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符以降の前記メール文書の感情解析を行わない。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、送信側ユーザが、自己の送信するメールがどのような感情を示すかについて把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る第1携帯電話機及び第2携帯電話機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る第1感情テーブルを示す図である。
【図4】本実施形態に係るメールの本文入力領域にメール文書としての文字列が表示されている状態を示す図である。
【図5】本実施形態に係るメール文書としての文字列を解析する操作の一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る感情を示す画像が第1表示部に表示されている状態を示す図(その1)である。
【図7】本実施形態に係るメールの送信する直前の状態を示す図である。
【図8】本実施形態に係るメールを送信する直前における文字列を解析する操作の一例を示す図である。
【図9】本実施形態に係る感情を示す画像が第1表示部に表示されている状態を示す図(その2)である。
【図10】本実施形態に係るメールの本文と、変換候補とが表示されている状態を示す図(その1)である。
【図11】本実施形態に係るメールの本文と、変換候補とが表示されている状態を示す図(その2)である。
【図12】本実施形態に係る第1携帯電話機による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャート(その1)である。
【図13】本実施形態に係る第1携帯電話機による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャート(その2)である。
【図14】本実施形態に係る第1携帯電話機による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャート(その3)である。
【図15】本実施形態に係る第2携帯電話機による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。
通信システム1は、携帯端末装置としての第1携帯電話機10及び第2携帯電話機20と、複数の基地局50と、を備える。第1携帯電話機10及び第2携帯電話機20は、それぞれ基地局50を介してネットワークNで接続されており、電子メール(以下、電子メールを単にメールという)機能により、ネットワークN上のメールサーバ(図示省略)を介して、メールの送受信を行う。
【0020】
図2は、本実施形態に係る第1携帯電話機10及び第2携帯電話機20の機能構成を示すブロック図である。
【0021】
第1携帯電話機10は、第1表示部11と、第1操作部12と、第1音声部13と、第1通信部14と、第1記憶部15と、第1制御部16と、を備える。
【0022】
第1表示部11は、第1制御部16の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをVRAM(Video RAM)(図示省略)に蓄え、所定のタイミングでディスプレイに出力する。
【0023】
第1操作部12は、各種設定機能、電話帳機能、メール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作ボタン、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン等から構成される。第1操作部12は、ユーザから各種指示入力を受け付け、受け付けられた入力情報を第1制御部16に供給する。
【0024】
第1音声部13は、第1制御部16の制御に従って、後述の第1通信部14から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号を第1携帯電話機10に設けられたスピーカ(図示省略)に出力する。また、第1音声部13は、第1制御部16の制御に従って、第1携帯電話機10に設けられたマイク(図示省略)から入力された信号を処理し、処理後の信号を第1通信部14へ出力する。
【0025】
第1通信部14は、所定の使用周波数帯(例えば、2GHz帯や800MHz帯等)で外部装置(基地局50)と通信を行う。そして、第1通信部14は、第1携帯電話機10に設けられたアンテナ(図示省略)より受信した信号を復調処理し、処理後の信号を第1制御部16に供給する。また、第1通信部14は、第1制御部16から供給された信号を変調処理し、外部装置(基地局50)に送信する。
【0026】
第1記憶部15は、例えば、メモリを含み、第1制御部16による演算処理に利用される。また、第1記憶部15は、本実施形態に係る各種プログラムやテーブル等を記憶する。第1記憶部15は、本実施形態に係るテーブルとして、文字列及び感情を対応付けて記憶する第1感情テーブル151を記憶する。なお、第1記憶部15は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0027】
図3は、本実施形態に係る第1感情テーブル151を示す図である。
第1感情テーブル151は、文字列及び感情を対応付けて記憶する。第1感情テーブル151は、文字列を示す文字列151Aと、この文字列に対応する感情の度合いを示す感情値151Bと、を含む。感情値151Bは、「喜」、「楽」、「悲」、「怒」の4つの感情項目に分かれており、文字列には、それぞれの感情に対する感情値が予め定められている。なお、本実施形態では、感情項目を4つとしたが、これに限らず、5つ以上の感情項目を設けてもよい。
【0028】
図2に戻り、第1制御部16は、第1携帯電話機10の全体を制御しており、例えば、第1表示部11、第1音声部13、第1通信部14等に対して所定の制御を行う。また、第1制御部16は、第1操作部12等から入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、第1制御部16は、処理実行の際には、第1記憶部15を制御し、各種プログラム及びデータの読み出し、並びにデータの書き込みを行う。第1制御部の詳細な機能については後述する。
【0029】
第2携帯電話機20は、第2表示部21と、第2操作部22と、第2音声部23と、第2通信部24と、第2記憶部25と、第2制御部26と、を備える。
【0030】
第2表示部21は、第2制御部26の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをVRAM(図示省略)に蓄え、所定のタイミングでディスプレイに出力する。
【0031】
第2操作部22は、各種設定機能、電話帳機能、メール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン、電話番号の数字や、メールの文字等を入力するための入力操作ボタン、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン等から構成される。第2操作部22は、ユーザから各種指示入力を受け付け、受け付けられた入力情報を第2制御部26へ供給する。
【0032】
第2音声部23は、第2制御部26の制御に従って、第2通信部24から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号を第2携帯電話機20に設けられたスピーカ(図示省略)に出力する。また、第2音声部23は、第2制御部26の制御に従って、第2携帯電話機20に設けられたマイク(図示省略)から入力された信号を処理し、処理後の信号を第2通信部24へ出力する。
【0033】
第2通信部24は、所定の使用周波数帯(例えば、2GHz帯や800MHz帯等)で外部装置(基地局50)と通信を行う。そして、第2通信部24は、第2携帯電話機20に設けられたアンテナ(図示省略)より受信した信号を復調処理し、処理後の信号を第2制御部26に供給する。また、第2通信部24は、第2制御部26から供給された信号を変調処理し、外部装置(基地局50)に送信する。
【0034】
第2記憶部25は、例えば、メモリを含み、第2制御部26による演算処理に利用される。また、第2記憶部25は、本実施形態に係る各種プログラム等やテーブル等を記憶する。第2記憶部25は、本実施形態に係るテーブルとして第2感情テーブル251を記憶する。第2感情テーブル251の構成は、第1感情テーブル151と同様であるので、説明を省略する。なお、第2記憶部25は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0035】
第2制御部26は、第2携帯電話機20の全体を制御しており、例えば、第2表示部21、第2音声部23、第2通信部24等に対して所定の制御を行う。また、第2制御部26は、第2操作部22等から入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、第2制御部26は、処理実行の際には、第2記憶部25を制御し、各種プログラム及びデータの読み出し、並びにデータの書き込みを行う。第2制御部26の詳細な機能については後述する。
【0036】
このように構成される第1携帯電話機10及び第2携帯電話機20は、第1制御部16及び第2制御部26により、メール文書に含まれる文字列を解析して、このメールの感情、すなわち、メールから推定されるメールを作成したユーザの感情を報知する。以下に、第1制御部16及び第2制御部26について、詳細な説明を行う。
【0037】
第1制御部16は、メール文書作成部161と、予測変換部162(予測変換候補出力部)と、送信受付部163と、第1感情解析部164と、第1報知制御部165と、を備える。
【0038】
メール文書作成部161は、第1操作部12により入力された文字列に基づいてメール文書を作成する。
【0039】
予測変換部162は、第1操作部12により文字列の入力を受け付けたことに応じて、第1操作部12により入力された文字列に対応した予測変換候補を少なくとも1つ出力する。続いて、予測変換部162は、出力された少なくとも1つの予測変換候補を第1表示部11に表示させ、第1操作部12により、これらの予測変換候補の選択を受け付ける。
【0040】
送信受付部163は、第1操作部12による入力に基づいて、メール文書を含むメールの送信を実行する。
【0041】
第1感情解析部164は、メール文書作成部161により作成されたメール文書から第1記憶部15に記憶された文字列を抽出し、当該抽出した文字列に対応付けられた感情に基づいてメール文書の感情を解析する。また、第1感情解析部164は、メール文書が更新された場合、更新されたメール文書の感情を解析する。
【0042】
具体的には、第1感情解析部164は、メール文書作成部161により作成されるメール文書に引用符が含まれている場合、この引用符以降の一部の文字列に対しては感情解析を行わないように制御する。
【0043】
つまり、第1感情解析部164は、メール文書作成部161により作成されるメール文書に引用符が含まれている場合、この引用符から、この引用符の後に最初に出現する改行コード(改行文字)までの間の文字列に対しては感情解析を行わないように制御する。
【0044】
また、第1感情解析部164は、予測変換部162により出力され、第1表示部11に表示された少なくとも1つの予測変換候補の感情を解析する。
【0045】
また、第1感情解析部164は、予測変換部162によって出力され、第1表示部11に表示された少なくとも1つの予測変換候補のいずれかが第1操作部12による操作を介して選択されると、選択された予測変換候補を含むメール文書に基づいて、感情解析を行う。
【0046】
第1報知制御部165は、第1感情解析部164により解析されたメール文書の感情を報知する。
具体的には、第1報知制御部165は、第1感情解析部164によりメール文書の感情が解析されたことに応じて、第1表示部11に感情を示す画像を表示させることによって、メール文書の感情を報知する。
【0047】
また、第1報知制御部165は、メール文書が更新された場合、更新されたメール文書の感情が更新前に報知されていたメール文書の感情と異なるときに、更新されたメールの感情を報知する。
【0048】
また、第1報知制御部165は、第1感情解析部164により解析された予測変換候補の感情に応じて、予測変換候補を表示させる。具体的には、各予測変換候補の感情に応じて、フォントの変更や異なる色でマーキングする等、表示態様を変更させる。
また、第1報知制御部165は、第1感情解析部164により、選択された予測変換候補とメール文書とに基づいて、メール文書の感情解析が行われた場合、このメール文書の感情が予測変換候補が加わる前のメール文書の感情と異なるときに、このメール文書の感情を報知する。
【0049】
なお、第1報知制御部165は、第1操作部12によるメール送信の実行から送信受付部163によりメールが送信されるまでの間にメール文書の感情を報知するようにしてもよい。なお、この場合、感情の報知があってからメールの送信の可否を選択できるようなポップアップ画面を第1表示部11に表示させてもよい。
【0050】
続いて、図を参照しながら、上述で説明した処理について説明する。
最初に、変換候補が表示されていない場合の感情解析の処理について説明する。
図4は、本実施形態に係るメールの本文入力領域にメール文書としての文字列が表示されている状態を示す図である。図5は、本実施形態に係るメール文書としての文字列を解析する操作の一例を示す図である。図6は、本実施形態に係る感情を示す画像が第1表示部11に表示されている状態を示す図である。
【0051】
図4には、メールの本文入力領域111や、メニューボタン112が表示されており、第1操作部12を介して、メニューボタン112が操作されると、図5に示されるように、本文入力領域111上に、メニュー画面113が表示される。
【0052】
メニュー画面113では、「1:装飾」や「2:記号」といったように、本文入力領域111に対する編集操作に係る機能の他に、「4:感情を判定する」といったように、メール文書の感情を判定する機能を選択することが可能である。図5に示される状態で、第1操作部12を介して「4:感情を判定する」が選択されると、第1感情解析部164は、メール文書に含まれる文字列を所定の感情解析方法に基づいて感情解析することで、メール文書全体の感情解析を行う。
【0053】
所定の感情解析法は、例えば、図3に示される第1感情テーブル151を用いてメール文書を解析する方法である。すなわち、第1感情解析部164は、所定の感情解析法として、本文入力領域111に表示されている文字列を形態素解析し、第1感情テーブル151に記憶されている文字列と一致する文字列を抽出する。続いて、第1感情解析部164は、抽出した文字列について、第1感情テーブル151の感情値151Bに基づいて、感情値を算出する。ここで、第1感情解析部164は、上述のように、引用符から、この引用符の後に最初に出現する改行コードまでの間の文字列に対しては、ユーザの感情解析を行わない。例えば、記号「>」が引用符である場合、第1感情解析部164は、メールの本文入力領域111に示される「>今日、ごちそうを食べに来ませんか?(改行コード)」という文字列について、ユーザの感情解析を行わないように制御する。なお、改行コードが付されておらず、次の段落まで文字列が続いている場合には、第1感情解析部164は、次の段落も感情解析を行わない。
【0054】
そして、第1感情解析部164は、感情解析の対象となる文字列全てに対して感情値を算出し、最も感情値が高い感情を、メール文書の感情とする。例えば、喜の感情の値が最も高い場合には、そのメール文書の感情は喜とする。続いて、第1報知制御部165は、この感情を第1表示部11に表示させることで、メール文書の感情を報知する。図6では、「感情:喜」という感情を示す画像114が表示されていることが確認できる。
【0055】
なお、本実施形態では、第1報知制御部165は、第1表示部11にメール文書の感情を示す表示(例えば、アイコン)を実行させてもよい。つまり、第1報知制御部165は、メール文書の感情を第1表示部11に、アイコンとして表示させることで、ユーザの感情を報知するようにしてもよい。ここで、アイコンは、簡易的な表情を示す顔アイコンであってもよい。
【0056】
図7は、本実施形態に係るメールの送信する直前の状態を示す図である。図8は、本実施形態に係るメールを送信する直前におけるメール文書の文字列を解析する操作の一例を示す図である。図9は、本実施形態に係る感情を示す画像が第1表示部11に表示されている状態を示す図である。
【0057】
図7には、メールの本文入力領域111や、メニューボタン112や、送信ボタン115が表示されており、第1操作部12を介して、メニューボタン112が操作すると、図8に示されるように、本文入力領域111上に、メニュー画面116が表示される。また、図7において、第1操作部12を介して、メール送信の入力操作、すなわち、送信ボタン115が操作されることにより、送信受付部163は、メールの送信を実行する。
【0058】
メニュー画面116では、「1:送信待ち保存」や「2:下書き保存」といったように、メール全体に対する操作に係る機能の他に、「4:感情を判定する」といったように、感情を判定する機能を選択することが可能である。図8に示される第1操作部12によるメール送信実行の入力から送信受付部163によりメールが送信されるまでの状態、第1操作部12を介して「4:感情を判定する」が選択されると、第1感情解析部164は、メール文書に含まれる文字列を所定の感情解析方法に基づいて解析を行い、このメール文書全体の感情解析を行う。
【0059】
続いて、第1報知制御部165は、この感情を第1表示部11に表示させることで、メール文書の感情を報知する。図9では、「感情:喜」という感情を示す画像117が表示されていることが確認できる。
【0060】
続いて、予測変換候補が表示されている場合の感情解析の処理について説明する。
図10及び図11は、本実施形態に係るメール文書と、予測変換候補とが表示されている状態を示す図である。
【0061】
図10及び図11に示す状態において、第1感情解析部164は、メール文書に含まれる文字列、及び第1操作部12により選択された予測変換候補を合わせて、メール文書の感情解析を行う。図10では、予測変換候補において「悲しい」が選択されており、その結果、第1感情解析部164によりメール文書の感情が「悲」と解析され、第1報知制御部165によりこの感情が第1表示部11に表示される。ここで、「悲しい」の文字列は、悲の感情値が最も高く、現状のメール文書に悲の感情値が加わった結果、全体として、悲の感情値が最も高くなった。これは一例であり、例えば、悲しいが選択されても、最も高い感情値を有する感情が変わらない場合には、感情を示す画像117は変化しない。図10では、「感情:悲」という感情を示す画像114が表示されていることが確認できる。
【0062】
図10では、変換候補において「かったです」が選択されており、その結果、第1感情解析部164により、メール文書の感情が「喜」と解析される。ここで、「かったです」の文字列は、喜の感情値が最も高く、現状のメール文書に喜の感情値が加わった結果、全体として、喜の感情値が最も高くなった。すると、メール文書の感情が予測変換候補が変更される前(加わる前)のメール文書の感情と異なるので、第1報知制御部165により、この感情が第1表示部11に表示される。図11では、「感情:喜」という感情を示す画像114が表示されていることが確認できる。
【0063】
第2携帯電話機20の第2制御部26は、第2感情解析部264と、第2報知制御部265と、を備える。
第2感情解析部264は、第2通信部24によりメールを受信したメールに含まれるメール文書の文字列を、上述の所定の感情解析法に基づいて解析を行う。
【0064】
具体的には、第2感情解析部264は、第2通信部24により第1携帯電話機10から送信されたメールを受信した際に、メールのタイトルに、返信に対応する文字列(例えば、「Re」等)又は転送に対応する文字列(例えば、「Fw」等)が含まれていると判定した場合、メール文書の感情解析を行わない。
【0065】
第2報知制御部265は、第2感情解析部264により解析されたメール文書の感情を第2表示部21に表示させることにより、メール文書の感情を報知する。
【0066】
続いて、第1携帯電話機10の感情解析に係る処理の流れについて説明する。図12は、本実施形態に係る第1携帯電話機10による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、この処理は、メールの作成時に行われるものである。
【0067】
ステップS1において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、第1操作部12により、感情判定フラグがあるか否かを判定する。なお、この感情フラグありの場合は、当初から感情判定をする設定にしている場合や、第1操作部12により感情判定操作が行われた場合も含む。第1制御部16(第1感情解析部164)は、この判定がYESの場合、処理をステップS2に移し、この判定がNOの場合、ステップS1の処理を再実行する。
【0068】
ステップS2において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、感情解析処理を行う。具体的には、第1制御部16(第1感情解析部164)は、メールに含まれる文字列を解析して、メール文書の感情を解析する。この処理の詳細については、後述の図14に示すフローチャートで説明する。
【0069】
ステップS3において、第1制御部16(第1報知制御部165)は、ステップS2において解析された感情を第1表示部11に表示させることにより報知する。なお、感情の解析結果については、音声や振動によっても、ユーザに報知してもよい。
【0070】
ステップS4において、第1制御部16は、メールの作成が終了したか否かを判定する。第1制御部は、この判定がYESの場合、処理を終了し、この判定がNOの場合、処理をステップS1に移す。
【0071】
図13は、本実施形態に係る第1携帯電話機10による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここで、図13の処理は、既にメール本文に文書が入力された状態で、さらに文字列を加える場合を想定している。
【0072】
ステップS11において、第1制御部16は、未確定文字列の有無を判定する。また、未確定文字列がある場合として、第1操作部12により、第1操作部12を介して、新たに文字列が入力された場合がある。なお、この場合、新たに入力された文字は確定していない。第1制御部16(第1感情解析部164)は、この判定がYESの場合、処理をステップS12に移し、この判定がNOの場合、ステップS11の処理を再実行する。
【0073】
ステップS12において、第1制御部16(予測変換部162)は、ステップS1において、第1操作部12により入力を受け付けたことに応じて、入力された情報の変換候補を第1表示部11に1又は複数表示させ、第1操作部12により、これらの変換候補の選択を受け付ける。
【0074】
ステップS13において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、ステップS2において表示された変換のうち、選択されている変換候補を、感情解析の対象とする。
【0075】
ステップS14からステップS16までの処理は、ステップS2からステップS4までの処理と同様であるので、説明を省略する。また、この場合、図12のステップS1における感情フラグがありの状態を前提としている。
【0076】
図14は、本実施形態に係る第1携帯電話機10による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。この感情解析処理では、メール文書について、先頭の文字から順に判定対象の文字として、感情解析の対象とするかの判定が行われる。
【0077】
ステップS21において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、メール文書の最初から解析を行う。
【0078】
ステップS22において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、判定対象の文字、すなわち、メール文書の先頭の文字又は改行コードの次の文字が引用符と一致するか否かを判定する。第1制御部16(第1感情解析部164)は、この判定がYESの場合、処理をステップS23に移し、この判定がNOの場合、処理をステップS25に移す。
【0079】
ステップS23において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、引用符以降の文字に、改行コードがあるか否かを判定する。第1制御部16(第1感情解析部164)は、この判定がYESの場合、処理をステップS24に移し、この判定がNOの場合、処理をステップS27に移す。
【0080】
ステップS24において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、引用符から、最先の改行コードまでの文字列を感情解析の対象から除外する。
【0081】
ステップS25において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、他に引用符があるか否かを判定する。第1制御部16(第1感情解析部164)は、この判定がYESの場合、処理をステップS23に移し、この判定がNOの場合、処理をステップS27に移す。
【0082】
ステップS26において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、引用符から、メール文書の最後までの文字列を感情解析の対象から除外する。
【0083】
ステップS27において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、除外した文字列を除く感情解析の対象に基づいて、上述の所定の感情解析法により、感情解析を行う。
【0084】
続いて、第1携帯電話機10からのメールを受信した第2携帯電話機20の感情解析に係る処理の流れについて説明する。図15は、本実施形態に係る第2携帯電話機20による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0085】
ステップS31において、第2制御部26(第2感情解析部264)は、メール文書の最初から解析を行う。
【0086】
ステップS32において、第2制御部26(第2感情解析部264)は、メールのタイトルに、返信に対応する文字列又は転送に対応する文字列が含まれているか否かを判定する。第2制御部26(第2感情解析部264)は、この判定がYESの場合、処理をステップS33に移し、この判定がNOの場合、処理をステップS38に移す。この判定がNOの場合、すなわち、返信に対応する文字列又は転送に対応する文字列が含まれていない場合、引用符が含まれている可能性は少ないので、ステップS33からステップS37までの処理は省く。
【0087】
ステップS33からステップS38までの処理は、ステップS22からステップS27までの第1制御部16の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0088】
ステップS39において、第2制御部26(第2報知制御部265)は、ステップS38において解析された感情を第2表示部21に表示させることにより、メールを送信したユーザ、すなわち、メールを作成したユーザの感情を報知する。
【0089】
以上のように、本実施形態の第1携帯電話機10は、第1感情解析部164により、メール文書から、第1記憶部15の第1感情テーブル151に記憶された文字列を抽出し、この抽出した文字列に対応付けられた感情に基づいてメール文書の感情解析を行い、第1感情解析部164により、解析されたメール文書の感情を報知する。
よって、送信側ユーザが、自己の送信するメールがどのような感情を示すかについて把握することができる
【0090】
また、第1感情解析部164は、メール文書が更新された場合、更新されたメール文書の感情を解析し、第1報知制御部165は、更新されたメールの感情を報知する。
よって、第1携帯電話機10は、メールに含まれる文字列に、文字列の追加や変更がされたことに応じて、最新の解析結果をユーザに報知することができる。
【0091】
また、第1感情解析部164は、メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符以降の文字列に対しては感情解析を行わない。
よって、第1携帯電話機10は、他人が作成した文字列である引用符以降の文字列を、ユーザの感情解析をするのに適切ではない文字列として、メール文書の感情対象から除外して、感情解析を行うことができる。
【0092】
また、第1感情解析部164は、メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符から、当該引用符の後に最初に出現する改行文字までの間の文字列に対しては感情解析を行わない。
よって、第1携帯電話機10は、引用符から、引用符の後に最初に出現する改行文字までの間の文字列を他人が作成した文字列であり、ユーザの感情解析をするのに適切ではない文字列として、メール文書の感情対象から除外して、感情解析を行うことができる。
【0093】
また、第1報知制御部165は、第1操作部12によるメール送信の実行から送信受付部163によりメールが送信されるまでの間にメール文書の感情を報知する。
よって、第1携帯電話機10は、メール文書の感情を、第1携帯電話機10のユーザがメールを送信する前に報知するので、ユーザに対して、メールの送信前に、自身のメール文書から推定される感情を把握することができる。
【0094】
また、第1感情解析部164は、予測変換部162によって出力された予測変換候補のいずれかが選択されると、選択された予測変換候補を含むメール文書の感情を解析し、第1報知制御部165は、メール文書の感情が予測変換候補が加わる前のメール文書の感情と異なる場合、メール文書の感情を報知する。
よって、第1携帯電話機10は、これからユーザが入力しようとする予測変換候補の文字列を考慮して、メール文書の感情を報知することができる。
【0095】
また、第1感情解析部164は、出力された少なくとも1つの予測変換候補の感情を解析し、第1報知制御部165は、第1感情解析部164により解析された予測変換候補それぞれの感情に応じた態様で、予測変換候補を表示させる。
よって、第1携帯電話機10は、予測変換候補に対応する感情をユーザに確認させることができるので、ユーザは、適切な予測変換候補を選択することができる。
【0096】
また、第1報知制御部165は、第1表示部11にメール文書の感情を示す表示を実行させる。すなわち、メール文書の感情に基づく表示がアイコンである場合、第1携帯電話機10は、簡潔にメール文書の感情を表現することができる。
【0097】
また、第2感情解析部264は、第2通信部24により第1携帯電話機10から送信されたメールを受信した際に、メール文書に引用符が含まれている場合、メール文書の感情解析を行わない。
よって、第2携帯電話機20は、例えば、転送メールや返信メールといった、送信者の感情を推定できないメールの場合に、感情解析を省略することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0099】
10 第1携帯電話機(携帯端末装置)
11 第1表示部(表示部)
12 第1操作部(操作部)
20 第2携帯電話機(携帯端末装置)
24 第2通信部(受信部)
161 メール作成部
162 予測変換部(予測変換候補出力部)
163 送信受付部
164 第1感情解析部(感情解析部)
165 第1報知制御部(感情報知部)
264 第2感情解析部(感情解析部)
265 第2報知制御部(感情報知部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関する。より詳細には、メールを作成したユーザの感情を報知する携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末装置が普及したことに伴い、携帯端末装置が備えるメール機能によりコミュニケーションを行うユーザが増加している。しかしながら、メール機能では、文章のみによりコミュニケーションが行われるため、メールの受信者は、メールの送信者の感情を把握することは困難であった。また、送信者が、何気なくメールを作成した場合に、受信者によっては、所定の感情であると誤認するおそれもあった。
【0003】
このような問題に対応するために、例えば、特許文献1に示されるように、ユーザが、受信したメールに含まれる単語を基にメールの感情解析を行い、解析結果を絵文字にして書くメールのリストの隣に表示させる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−230011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示される方法では、送信側ユーザは、自己の送信するメールがどのような感情を示すかが分からなかった。
【0006】
本発明は、送信側ユーザが、自己の送信するメールがどのような感情を示すかについて把握することができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の携帯端末装置は、文字列及び感情を対応付けて記憶する記憶部と、操作部と、前記操作部により入力された文字列に基づいてメール文書を作成するメール文書作成部と、前記メール文書作成部により作成された前記メール文書から前記記憶部に記憶された文字列を抽出し、当該抽出した文字列に対応付けられた感情に基づいて前記メール文書の感情を解析する感情解析部と、前記感情解析部により解析された前記メール文書の感情を報知する感情報知部と、を備える。
【0008】
また、前記感情解析部は、前記メール文書が更新された場合、当該更新されたメール文書の感情を解析し、前記感情報知部は、前記更新されたメール文書の感情が更新前のメール文書の感情と異なる場合、前記更新されたメール文書の感情を報知することが好ましい。
【0009】
また、前記感情解析部は、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符以降の文字列に対しては感情解析を行わないことが好ましい。
【0010】
また、前記感情解析部は、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符から、当該引用符の後に最初に出現する改行文字までの間の文字列に対しては感情解析を行わないことが好ましい。
【0011】
また、携帯端末装置では、前記操作部によるメール送信の入力操作に基づいて前記メール文書を含むメールの送信を実行する送信部をさらに備え、前記感情報知部は、前記操作部によるメール送信の入力操作から前記送信部により前記メールが送信されるまでの間に前記メール文書の感情を報知することが好ましい。
【0012】
また、携帯端末装置では、前記操作部により入力された文字列に対応した予測変換候補を1又は複数出力する予測変換候補出力部をさらに備え、前記感情解析部は、前記予測変換候補出力部によって出力された予測変換候補のいずれかが選択されると、前記選択された予測変換候補を含む前記メール文書の感情を解析し、前記感情報知部は、前記メール文書の感情が前記予測変換候補が加わる前のメール文書の感情と異なる場合、前記メール文書の感情を報知することが好ましい。
【0013】
また、前記感情解析部は、前記出力された少なくとも1つの予測変換候補それぞれの感情を解析し、前記感情報知部は、前記感情解析部により解析された予測変換候補の感情に応じて、前記予測変換候補を表示させることが好ましい。
【0014】
また、携帯端末装置では、表示部を備え、前記感情報知部は、前記表示部に前記メール文書の感情を示す表示を実行させることが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る携帯端末装置は、送信されたメールを受信する受信部と、前記受信部により受信したメールのメール文書を感情解析する感情解析部と、前記感情解析部により解析された前記メール文書の感情を報知する感情報知部と、を備え、前記感情解析部は、前記メールのタイトルに特定の符号が付され、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符以降の前記メール文書の感情解析を行わない。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、送信側ユーザが、自己の送信するメールがどのような感情を示すかについて把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係る第1携帯電話機及び第2携帯電話機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係る第1感情テーブルを示す図である。
【図4】本実施形態に係るメールの本文入力領域にメール文書としての文字列が表示されている状態を示す図である。
【図5】本実施形態に係るメール文書としての文字列を解析する操作の一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る感情を示す画像が第1表示部に表示されている状態を示す図(その1)である。
【図7】本実施形態に係るメールの送信する直前の状態を示す図である。
【図8】本実施形態に係るメールを送信する直前における文字列を解析する操作の一例を示す図である。
【図9】本実施形態に係る感情を示す画像が第1表示部に表示されている状態を示す図(その2)である。
【図10】本実施形態に係るメールの本文と、変換候補とが表示されている状態を示す図(その1)である。
【図11】本実施形態に係るメールの本文と、変換候補とが表示されている状態を示す図(その2)である。
【図12】本実施形態に係る第1携帯電話機による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャート(その1)である。
【図13】本実施形態に係る第1携帯電話機による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャート(その2)である。
【図14】本実施形態に係る第1携帯電話機による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャート(その3)である。
【図15】本実施形態に係る第2携帯電話機による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0019】
図1は、本実施形態に係る通信システム1の構成を示す図である。
通信システム1は、携帯端末装置としての第1携帯電話機10及び第2携帯電話機20と、複数の基地局50と、を備える。第1携帯電話機10及び第2携帯電話機20は、それぞれ基地局50を介してネットワークNで接続されており、電子メール(以下、電子メールを単にメールという)機能により、ネットワークN上のメールサーバ(図示省略)を介して、メールの送受信を行う。
【0020】
図2は、本実施形態に係る第1携帯電話機10及び第2携帯電話機20の機能構成を示すブロック図である。
【0021】
第1携帯電話機10は、第1表示部11と、第1操作部12と、第1音声部13と、第1通信部14と、第1記憶部15と、第1制御部16と、を備える。
【0022】
第1表示部11は、第1制御部16の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをVRAM(Video RAM)(図示省略)に蓄え、所定のタイミングでディスプレイに出力する。
【0023】
第1操作部12は、各種設定機能、電話帳機能、メール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン、電話番号の数字やメールの文字等を入力するための入力操作ボタン、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン等から構成される。第1操作部12は、ユーザから各種指示入力を受け付け、受け付けられた入力情報を第1制御部16に供給する。
【0024】
第1音声部13は、第1制御部16の制御に従って、後述の第1通信部14から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号を第1携帯電話機10に設けられたスピーカ(図示省略)に出力する。また、第1音声部13は、第1制御部16の制御に従って、第1携帯電話機10に設けられたマイク(図示省略)から入力された信号を処理し、処理後の信号を第1通信部14へ出力する。
【0025】
第1通信部14は、所定の使用周波数帯(例えば、2GHz帯や800MHz帯等)で外部装置(基地局50)と通信を行う。そして、第1通信部14は、第1携帯電話機10に設けられたアンテナ(図示省略)より受信した信号を復調処理し、処理後の信号を第1制御部16に供給する。また、第1通信部14は、第1制御部16から供給された信号を変調処理し、外部装置(基地局50)に送信する。
【0026】
第1記憶部15は、例えば、メモリを含み、第1制御部16による演算処理に利用される。また、第1記憶部15は、本実施形態に係る各種プログラムやテーブル等を記憶する。第1記憶部15は、本実施形態に係るテーブルとして、文字列及び感情を対応付けて記憶する第1感情テーブル151を記憶する。なお、第1記憶部15は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0027】
図3は、本実施形態に係る第1感情テーブル151を示す図である。
第1感情テーブル151は、文字列及び感情を対応付けて記憶する。第1感情テーブル151は、文字列を示す文字列151Aと、この文字列に対応する感情の度合いを示す感情値151Bと、を含む。感情値151Bは、「喜」、「楽」、「悲」、「怒」の4つの感情項目に分かれており、文字列には、それぞれの感情に対する感情値が予め定められている。なお、本実施形態では、感情項目を4つとしたが、これに限らず、5つ以上の感情項目を設けてもよい。
【0028】
図2に戻り、第1制御部16は、第1携帯電話機10の全体を制御しており、例えば、第1表示部11、第1音声部13、第1通信部14等に対して所定の制御を行う。また、第1制御部16は、第1操作部12等から入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、第1制御部16は、処理実行の際には、第1記憶部15を制御し、各種プログラム及びデータの読み出し、並びにデータの書き込みを行う。第1制御部の詳細な機能については後述する。
【0029】
第2携帯電話機20は、第2表示部21と、第2操作部22と、第2音声部23と、第2通信部24と、第2記憶部25と、第2制御部26と、を備える。
【0030】
第2表示部21は、第2制御部26の制御に従って、所定の画像処理を行い、処理後の画像データをVRAM(図示省略)に蓄え、所定のタイミングでディスプレイに出力する。
【0031】
第2操作部22は、各種設定機能、電話帳機能、メール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン、電話番号の数字や、メールの文字等を入力するための入力操作ボタン、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン等から構成される。第2操作部22は、ユーザから各種指示入力を受け付け、受け付けられた入力情報を第2制御部26へ供給する。
【0032】
第2音声部23は、第2制御部26の制御に従って、第2通信部24から供給された信号に対して所定の音声処理を行い、処理後の信号を第2携帯電話機20に設けられたスピーカ(図示省略)に出力する。また、第2音声部23は、第2制御部26の制御に従って、第2携帯電話機20に設けられたマイク(図示省略)から入力された信号を処理し、処理後の信号を第2通信部24へ出力する。
【0033】
第2通信部24は、所定の使用周波数帯(例えば、2GHz帯や800MHz帯等)で外部装置(基地局50)と通信を行う。そして、第2通信部24は、第2携帯電話機20に設けられたアンテナ(図示省略)より受信した信号を復調処理し、処理後の信号を第2制御部26に供給する。また、第2通信部24は、第2制御部26から供給された信号を変調処理し、外部装置(基地局50)に送信する。
【0034】
第2記憶部25は、例えば、メモリを含み、第2制御部26による演算処理に利用される。また、第2記憶部25は、本実施形態に係る各種プログラム等やテーブル等を記憶する。第2記憶部25は、本実施形態に係るテーブルとして第2感情テーブル251を記憶する。第2感情テーブル251の構成は、第1感情テーブル151と同様であるので、説明を省略する。なお、第2記憶部25は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
【0035】
第2制御部26は、第2携帯電話機20の全体を制御しており、例えば、第2表示部21、第2音声部23、第2通信部24等に対して所定の制御を行う。また、第2制御部26は、第2操作部22等から入力を受け付けて、各種処理を実行する。そして、第2制御部26は、処理実行の際には、第2記憶部25を制御し、各種プログラム及びデータの読み出し、並びにデータの書き込みを行う。第2制御部26の詳細な機能については後述する。
【0036】
このように構成される第1携帯電話機10及び第2携帯電話機20は、第1制御部16及び第2制御部26により、メール文書に含まれる文字列を解析して、このメールの感情、すなわち、メールから推定されるメールを作成したユーザの感情を報知する。以下に、第1制御部16及び第2制御部26について、詳細な説明を行う。
【0037】
第1制御部16は、メール文書作成部161と、予測変換部162(予測変換候補出力部)と、送信受付部163と、第1感情解析部164と、第1報知制御部165と、を備える。
【0038】
メール文書作成部161は、第1操作部12により入力された文字列に基づいてメール文書を作成する。
【0039】
予測変換部162は、第1操作部12により文字列の入力を受け付けたことに応じて、第1操作部12により入力された文字列に対応した予測変換候補を少なくとも1つ出力する。続いて、予測変換部162は、出力された少なくとも1つの予測変換候補を第1表示部11に表示させ、第1操作部12により、これらの予測変換候補の選択を受け付ける。
【0040】
送信受付部163は、第1操作部12による入力に基づいて、メール文書を含むメールの送信を実行する。
【0041】
第1感情解析部164は、メール文書作成部161により作成されたメール文書から第1記憶部15に記憶された文字列を抽出し、当該抽出した文字列に対応付けられた感情に基づいてメール文書の感情を解析する。また、第1感情解析部164は、メール文書が更新された場合、更新されたメール文書の感情を解析する。
【0042】
具体的には、第1感情解析部164は、メール文書作成部161により作成されるメール文書に引用符が含まれている場合、この引用符以降の一部の文字列に対しては感情解析を行わないように制御する。
【0043】
つまり、第1感情解析部164は、メール文書作成部161により作成されるメール文書に引用符が含まれている場合、この引用符から、この引用符の後に最初に出現する改行コード(改行文字)までの間の文字列に対しては感情解析を行わないように制御する。
【0044】
また、第1感情解析部164は、予測変換部162により出力され、第1表示部11に表示された少なくとも1つの予測変換候補の感情を解析する。
【0045】
また、第1感情解析部164は、予測変換部162によって出力され、第1表示部11に表示された少なくとも1つの予測変換候補のいずれかが第1操作部12による操作を介して選択されると、選択された予測変換候補を含むメール文書に基づいて、感情解析を行う。
【0046】
第1報知制御部165は、第1感情解析部164により解析されたメール文書の感情を報知する。
具体的には、第1報知制御部165は、第1感情解析部164によりメール文書の感情が解析されたことに応じて、第1表示部11に感情を示す画像を表示させることによって、メール文書の感情を報知する。
【0047】
また、第1報知制御部165は、メール文書が更新された場合、更新されたメール文書の感情が更新前に報知されていたメール文書の感情と異なるときに、更新されたメールの感情を報知する。
【0048】
また、第1報知制御部165は、第1感情解析部164により解析された予測変換候補の感情に応じて、予測変換候補を表示させる。具体的には、各予測変換候補の感情に応じて、フォントの変更や異なる色でマーキングする等、表示態様を変更させる。
また、第1報知制御部165は、第1感情解析部164により、選択された予測変換候補とメール文書とに基づいて、メール文書の感情解析が行われた場合、このメール文書の感情が予測変換候補が加わる前のメール文書の感情と異なるときに、このメール文書の感情を報知する。
【0049】
なお、第1報知制御部165は、第1操作部12によるメール送信の実行から送信受付部163によりメールが送信されるまでの間にメール文書の感情を報知するようにしてもよい。なお、この場合、感情の報知があってからメールの送信の可否を選択できるようなポップアップ画面を第1表示部11に表示させてもよい。
【0050】
続いて、図を参照しながら、上述で説明した処理について説明する。
最初に、変換候補が表示されていない場合の感情解析の処理について説明する。
図4は、本実施形態に係るメールの本文入力領域にメール文書としての文字列が表示されている状態を示す図である。図5は、本実施形態に係るメール文書としての文字列を解析する操作の一例を示す図である。図6は、本実施形態に係る感情を示す画像が第1表示部11に表示されている状態を示す図である。
【0051】
図4には、メールの本文入力領域111や、メニューボタン112が表示されており、第1操作部12を介して、メニューボタン112が操作されると、図5に示されるように、本文入力領域111上に、メニュー画面113が表示される。
【0052】
メニュー画面113では、「1:装飾」や「2:記号」といったように、本文入力領域111に対する編集操作に係る機能の他に、「4:感情を判定する」といったように、メール文書の感情を判定する機能を選択することが可能である。図5に示される状態で、第1操作部12を介して「4:感情を判定する」が選択されると、第1感情解析部164は、メール文書に含まれる文字列を所定の感情解析方法に基づいて感情解析することで、メール文書全体の感情解析を行う。
【0053】
所定の感情解析法は、例えば、図3に示される第1感情テーブル151を用いてメール文書を解析する方法である。すなわち、第1感情解析部164は、所定の感情解析法として、本文入力領域111に表示されている文字列を形態素解析し、第1感情テーブル151に記憶されている文字列と一致する文字列を抽出する。続いて、第1感情解析部164は、抽出した文字列について、第1感情テーブル151の感情値151Bに基づいて、感情値を算出する。ここで、第1感情解析部164は、上述のように、引用符から、この引用符の後に最初に出現する改行コードまでの間の文字列に対しては、ユーザの感情解析を行わない。例えば、記号「>」が引用符である場合、第1感情解析部164は、メールの本文入力領域111に示される「>今日、ごちそうを食べに来ませんか?(改行コード)」という文字列について、ユーザの感情解析を行わないように制御する。なお、改行コードが付されておらず、次の段落まで文字列が続いている場合には、第1感情解析部164は、次の段落も感情解析を行わない。
【0054】
そして、第1感情解析部164は、感情解析の対象となる文字列全てに対して感情値を算出し、最も感情値が高い感情を、メール文書の感情とする。例えば、喜の感情の値が最も高い場合には、そのメール文書の感情は喜とする。続いて、第1報知制御部165は、この感情を第1表示部11に表示させることで、メール文書の感情を報知する。図6では、「感情:喜」という感情を示す画像114が表示されていることが確認できる。
【0055】
なお、本実施形態では、第1報知制御部165は、第1表示部11にメール文書の感情を示す表示(例えば、アイコン)を実行させてもよい。つまり、第1報知制御部165は、メール文書の感情を第1表示部11に、アイコンとして表示させることで、ユーザの感情を報知するようにしてもよい。ここで、アイコンは、簡易的な表情を示す顔アイコンであってもよい。
【0056】
図7は、本実施形態に係るメールの送信する直前の状態を示す図である。図8は、本実施形態に係るメールを送信する直前におけるメール文書の文字列を解析する操作の一例を示す図である。図9は、本実施形態に係る感情を示す画像が第1表示部11に表示されている状態を示す図である。
【0057】
図7には、メールの本文入力領域111や、メニューボタン112や、送信ボタン115が表示されており、第1操作部12を介して、メニューボタン112が操作すると、図8に示されるように、本文入力領域111上に、メニュー画面116が表示される。また、図7において、第1操作部12を介して、メール送信の入力操作、すなわち、送信ボタン115が操作されることにより、送信受付部163は、メールの送信を実行する。
【0058】
メニュー画面116では、「1:送信待ち保存」や「2:下書き保存」といったように、メール全体に対する操作に係る機能の他に、「4:感情を判定する」といったように、感情を判定する機能を選択することが可能である。図8に示される第1操作部12によるメール送信実行の入力から送信受付部163によりメールが送信されるまでの状態、第1操作部12を介して「4:感情を判定する」が選択されると、第1感情解析部164は、メール文書に含まれる文字列を所定の感情解析方法に基づいて解析を行い、このメール文書全体の感情解析を行う。
【0059】
続いて、第1報知制御部165は、この感情を第1表示部11に表示させることで、メール文書の感情を報知する。図9では、「感情:喜」という感情を示す画像117が表示されていることが確認できる。
【0060】
続いて、予測変換候補が表示されている場合の感情解析の処理について説明する。
図10及び図11は、本実施形態に係るメール文書と、予測変換候補とが表示されている状態を示す図である。
【0061】
図10及び図11に示す状態において、第1感情解析部164は、メール文書に含まれる文字列、及び第1操作部12により選択された予測変換候補を合わせて、メール文書の感情解析を行う。図10では、予測変換候補において「悲しい」が選択されており、その結果、第1感情解析部164によりメール文書の感情が「悲」と解析され、第1報知制御部165によりこの感情が第1表示部11に表示される。ここで、「悲しい」の文字列は、悲の感情値が最も高く、現状のメール文書に悲の感情値が加わった結果、全体として、悲の感情値が最も高くなった。これは一例であり、例えば、悲しいが選択されても、最も高い感情値を有する感情が変わらない場合には、感情を示す画像117は変化しない。図10では、「感情:悲」という感情を示す画像114が表示されていることが確認できる。
【0062】
図10では、変換候補において「かったです」が選択されており、その結果、第1感情解析部164により、メール文書の感情が「喜」と解析される。ここで、「かったです」の文字列は、喜の感情値が最も高く、現状のメール文書に喜の感情値が加わった結果、全体として、喜の感情値が最も高くなった。すると、メール文書の感情が予測変換候補が変更される前(加わる前)のメール文書の感情と異なるので、第1報知制御部165により、この感情が第1表示部11に表示される。図11では、「感情:喜」という感情を示す画像114が表示されていることが確認できる。
【0063】
第2携帯電話機20の第2制御部26は、第2感情解析部264と、第2報知制御部265と、を備える。
第2感情解析部264は、第2通信部24によりメールを受信したメールに含まれるメール文書の文字列を、上述の所定の感情解析法に基づいて解析を行う。
【0064】
具体的には、第2感情解析部264は、第2通信部24により第1携帯電話機10から送信されたメールを受信した際に、メールのタイトルに、返信に対応する文字列(例えば、「Re」等)又は転送に対応する文字列(例えば、「Fw」等)が含まれていると判定した場合、メール文書の感情解析を行わない。
【0065】
第2報知制御部265は、第2感情解析部264により解析されたメール文書の感情を第2表示部21に表示させることにより、メール文書の感情を報知する。
【0066】
続いて、第1携帯電話機10の感情解析に係る処理の流れについて説明する。図12は、本実施形態に係る第1携帯電話機10による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、この処理は、メールの作成時に行われるものである。
【0067】
ステップS1において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、第1操作部12により、感情判定フラグがあるか否かを判定する。なお、この感情フラグありの場合は、当初から感情判定をする設定にしている場合や、第1操作部12により感情判定操作が行われた場合も含む。第1制御部16(第1感情解析部164)は、この判定がYESの場合、処理をステップS2に移し、この判定がNOの場合、ステップS1の処理を再実行する。
【0068】
ステップS2において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、感情解析処理を行う。具体的には、第1制御部16(第1感情解析部164)は、メールに含まれる文字列を解析して、メール文書の感情を解析する。この処理の詳細については、後述の図14に示すフローチャートで説明する。
【0069】
ステップS3において、第1制御部16(第1報知制御部165)は、ステップS2において解析された感情を第1表示部11に表示させることにより報知する。なお、感情の解析結果については、音声や振動によっても、ユーザに報知してもよい。
【0070】
ステップS4において、第1制御部16は、メールの作成が終了したか否かを判定する。第1制御部は、この判定がYESの場合、処理を終了し、この判定がNOの場合、処理をステップS1に移す。
【0071】
図13は、本実施形態に係る第1携帯電話機10による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここで、図13の処理は、既にメール本文に文書が入力された状態で、さらに文字列を加える場合を想定している。
【0072】
ステップS11において、第1制御部16は、未確定文字列の有無を判定する。また、未確定文字列がある場合として、第1操作部12により、第1操作部12を介して、新たに文字列が入力された場合がある。なお、この場合、新たに入力された文字は確定していない。第1制御部16(第1感情解析部164)は、この判定がYESの場合、処理をステップS12に移し、この判定がNOの場合、ステップS11の処理を再実行する。
【0073】
ステップS12において、第1制御部16(予測変換部162)は、ステップS1において、第1操作部12により入力を受け付けたことに応じて、入力された情報の変換候補を第1表示部11に1又は複数表示させ、第1操作部12により、これらの変換候補の選択を受け付ける。
【0074】
ステップS13において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、ステップS2において表示された変換のうち、選択されている変換候補を、感情解析の対象とする。
【0075】
ステップS14からステップS16までの処理は、ステップS2からステップS4までの処理と同様であるので、説明を省略する。また、この場合、図12のステップS1における感情フラグがありの状態を前提としている。
【0076】
図14は、本実施形態に係る第1携帯電話機10による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。この感情解析処理では、メール文書について、先頭の文字から順に判定対象の文字として、感情解析の対象とするかの判定が行われる。
【0077】
ステップS21において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、メール文書の最初から解析を行う。
【0078】
ステップS22において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、判定対象の文字、すなわち、メール文書の先頭の文字又は改行コードの次の文字が引用符と一致するか否かを判定する。第1制御部16(第1感情解析部164)は、この判定がYESの場合、処理をステップS23に移し、この判定がNOの場合、処理をステップS25に移す。
【0079】
ステップS23において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、引用符以降の文字に、改行コードがあるか否かを判定する。第1制御部16(第1感情解析部164)は、この判定がYESの場合、処理をステップS24に移し、この判定がNOの場合、処理をステップS27に移す。
【0080】
ステップS24において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、引用符から、最先の改行コードまでの文字列を感情解析の対象から除外する。
【0081】
ステップS25において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、他に引用符があるか否かを判定する。第1制御部16(第1感情解析部164)は、この判定がYESの場合、処理をステップS23に移し、この判定がNOの場合、処理をステップS27に移す。
【0082】
ステップS26において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、引用符から、メール文書の最後までの文字列を感情解析の対象から除外する。
【0083】
ステップS27において、第1制御部16(第1感情解析部164)は、除外した文字列を除く感情解析の対象に基づいて、上述の所定の感情解析法により、感情解析を行う。
【0084】
続いて、第1携帯電話機10からのメールを受信した第2携帯電話機20の感情解析に係る処理の流れについて説明する。図15は、本実施形態に係る第2携帯電話機20による感情解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0085】
ステップS31において、第2制御部26(第2感情解析部264)は、メール文書の最初から解析を行う。
【0086】
ステップS32において、第2制御部26(第2感情解析部264)は、メールのタイトルに、返信に対応する文字列又は転送に対応する文字列が含まれているか否かを判定する。第2制御部26(第2感情解析部264)は、この判定がYESの場合、処理をステップS33に移し、この判定がNOの場合、処理をステップS38に移す。この判定がNOの場合、すなわち、返信に対応する文字列又は転送に対応する文字列が含まれていない場合、引用符が含まれている可能性は少ないので、ステップS33からステップS37までの処理は省く。
【0087】
ステップS33からステップS38までの処理は、ステップS22からステップS27までの第1制御部16の処理と同様であるので、説明を省略する。
【0088】
ステップS39において、第2制御部26(第2報知制御部265)は、ステップS38において解析された感情を第2表示部21に表示させることにより、メールを送信したユーザ、すなわち、メールを作成したユーザの感情を報知する。
【0089】
以上のように、本実施形態の第1携帯電話機10は、第1感情解析部164により、メール文書から、第1記憶部15の第1感情テーブル151に記憶された文字列を抽出し、この抽出した文字列に対応付けられた感情に基づいてメール文書の感情解析を行い、第1感情解析部164により、解析されたメール文書の感情を報知する。
よって、送信側ユーザが、自己の送信するメールがどのような感情を示すかについて把握することができる
【0090】
また、第1感情解析部164は、メール文書が更新された場合、更新されたメール文書の感情を解析し、第1報知制御部165は、更新されたメールの感情を報知する。
よって、第1携帯電話機10は、メールに含まれる文字列に、文字列の追加や変更がされたことに応じて、最新の解析結果をユーザに報知することができる。
【0091】
また、第1感情解析部164は、メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符以降の文字列に対しては感情解析を行わない。
よって、第1携帯電話機10は、他人が作成した文字列である引用符以降の文字列を、ユーザの感情解析をするのに適切ではない文字列として、メール文書の感情対象から除外して、感情解析を行うことができる。
【0092】
また、第1感情解析部164は、メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符から、当該引用符の後に最初に出現する改行文字までの間の文字列に対しては感情解析を行わない。
よって、第1携帯電話機10は、引用符から、引用符の後に最初に出現する改行文字までの間の文字列を他人が作成した文字列であり、ユーザの感情解析をするのに適切ではない文字列として、メール文書の感情対象から除外して、感情解析を行うことができる。
【0093】
また、第1報知制御部165は、第1操作部12によるメール送信の実行から送信受付部163によりメールが送信されるまでの間にメール文書の感情を報知する。
よって、第1携帯電話機10は、メール文書の感情を、第1携帯電話機10のユーザがメールを送信する前に報知するので、ユーザに対して、メールの送信前に、自身のメール文書から推定される感情を把握することができる。
【0094】
また、第1感情解析部164は、予測変換部162によって出力された予測変換候補のいずれかが選択されると、選択された予測変換候補を含むメール文書の感情を解析し、第1報知制御部165は、メール文書の感情が予測変換候補が加わる前のメール文書の感情と異なる場合、メール文書の感情を報知する。
よって、第1携帯電話機10は、これからユーザが入力しようとする予測変換候補の文字列を考慮して、メール文書の感情を報知することができる。
【0095】
また、第1感情解析部164は、出力された少なくとも1つの予測変換候補の感情を解析し、第1報知制御部165は、第1感情解析部164により解析された予測変換候補それぞれの感情に応じた態様で、予測変換候補を表示させる。
よって、第1携帯電話機10は、予測変換候補に対応する感情をユーザに確認させることができるので、ユーザは、適切な予測変換候補を選択することができる。
【0096】
また、第1報知制御部165は、第1表示部11にメール文書の感情を示す表示を実行させる。すなわち、メール文書の感情に基づく表示がアイコンである場合、第1携帯電話機10は、簡潔にメール文書の感情を表現することができる。
【0097】
また、第2感情解析部264は、第2通信部24により第1携帯電話機10から送信されたメールを受信した際に、メール文書に引用符が含まれている場合、メール文書の感情解析を行わない。
よって、第2携帯電話機20は、例えば、転送メールや返信メールといった、送信者の感情を推定できないメールの場合に、感情解析を省略することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0099】
10 第1携帯電話機(携帯端末装置)
11 第1表示部(表示部)
12 第1操作部(操作部)
20 第2携帯電話機(携帯端末装置)
24 第2通信部(受信部)
161 メール作成部
162 予測変換部(予測変換候補出力部)
163 送信受付部
164 第1感情解析部(感情解析部)
165 第1報知制御部(感情報知部)
264 第2感情解析部(感情解析部)
265 第2報知制御部(感情報知部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字列及び感情を対応付けて記憶する記憶部と、
操作部と、
前記操作部により入力された文字列に基づいてメール文書を作成するメール文書作成部と、
前記メール文書作成部により作成された前記メール文書から前記記憶部に記憶された文字列を抽出し、当該抽出した文字列に対応付けられた感情に基づいて前記メール文書の感情を解析する感情解析部と、
前記感情解析部により解析された前記メール文書の感情を報知する感情報知部と、を備える携帯端末装置。
【請求項2】
前記感情解析部は、前記メール文書が更新された場合、当該更新されたメール文書の感情を解析し、
前記感情報知部は、前記更新されたメール文書の感情が更新前のメール文書の感情と異なる場合、前記更新されたメール文書の感情を報知する請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記感情解析部は、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符以降の文字列に対しては感情解析を行わない請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記感情解析部は、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符から、当該引用符の後に最初に出現する改行文字までの間の文字列に対しては感情解析を行わない請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記操作部によるメール送信の入力操作に基づいて前記メール文書を含むメールの送信を実行する送信部をさらに備え、
前記感情報知部は、前記操作部によるメール送信の実行から前記送信部により前記メールが送信されるまでの間に前記メール文書の感情を報知する請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記操作部により入力された文字列に対応した予測変換候補を1又は複数出力する予測変換候補出力部をさらに備え、
前記感情解析部は、前記予測変換候補出力部によって出力された予測変換候補のいずれかが選択されると、前記選択された予測変換候補を含む前記メール文書の感情を解析し、
前記感情報知部は、前記メール文書の感情が前記予測変換候補が加わる前のメール文書の感情と異なる場合、前記メール文書の感情を報知する請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記感情解析部は、前記出力された少なくとも1つの予測変換候補それぞれの感情を解析し、
前記感情報知部は、前記感情解析部により解析された予測変換候補の感情に応じて、前記予測変換候補を表示させる請求項6に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
表示部を備え、
前記感情報知部は、前記表示部に前記メール文書の感情を示す表示を実行させる請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかの携帯端末装置から送信されたメールを受信する受信部と、
前記受信部により受信したメールのメール文書を感情解析する感情解析部と、
前記感情解析部により解析された前記メール文書の感情を報知する感情報知部と、を備え、
前記感情解析部は、前記メールのタイトルに特定の符号が付され、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符以降の前記メール文書の感情解析を行わない携帯端末装置。
【請求項1】
文字列及び感情を対応付けて記憶する記憶部と、
操作部と、
前記操作部により入力された文字列に基づいてメール文書を作成するメール文書作成部と、
前記メール文書作成部により作成された前記メール文書から前記記憶部に記憶された文字列を抽出し、当該抽出した文字列に対応付けられた感情に基づいて前記メール文書の感情を解析する感情解析部と、
前記感情解析部により解析された前記メール文書の感情を報知する感情報知部と、を備える携帯端末装置。
【請求項2】
前記感情解析部は、前記メール文書が更新された場合、当該更新されたメール文書の感情を解析し、
前記感情報知部は、前記更新されたメール文書の感情が更新前のメール文書の感情と異なる場合、前記更新されたメール文書の感情を報知する請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記感情解析部は、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符以降の文字列に対しては感情解析を行わない請求項1又は2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記感情解析部は、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符から、当該引用符の後に最初に出現する改行文字までの間の文字列に対しては感情解析を行わない請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記操作部によるメール送信の入力操作に基づいて前記メール文書を含むメールの送信を実行する送信部をさらに備え、
前記感情報知部は、前記操作部によるメール送信の実行から前記送信部により前記メールが送信されるまでの間に前記メール文書の感情を報知する請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記操作部により入力された文字列に対応した予測変換候補を1又は複数出力する予測変換候補出力部をさらに備え、
前記感情解析部は、前記予測変換候補出力部によって出力された予測変換候補のいずれかが選択されると、前記選択された予測変換候補を含む前記メール文書の感情を解析し、
前記感情報知部は、前記メール文書の感情が前記予測変換候補が加わる前のメール文書の感情と異なる場合、前記メール文書の感情を報知する請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記感情解析部は、前記出力された少なくとも1つの予測変換候補それぞれの感情を解析し、
前記感情報知部は、前記感情解析部により解析された予測変換候補の感情に応じて、前記予測変換候補を表示させる請求項6に記載の携帯端末装置。
【請求項8】
表示部を備え、
前記感情報知部は、前記表示部に前記メール文書の感情を示す表示を実行させる請求項1から7のいずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかの携帯端末装置から送信されたメールを受信する受信部と、
前記受信部により受信したメールのメール文書を感情解析する感情解析部と、
前記感情解析部により解析された前記メール文書の感情を報知する感情報知部と、を備え、
前記感情解析部は、前記メールのタイトルに特定の符号が付され、前記メール文書に引用符が含まれている場合、当該引用符以降の前記メール文書の感情解析を行わない携帯端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−44562(P2012−44562A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185646(P2010−185646)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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