携帯端末,携帯端末用プログラム,遊技用システム,及び遊技用管理装置
【課題】遊技者が所持する携帯端末で遊技盤を撮影させて、遊技釘の調整状態の判定結果を当該携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができるような携帯端末等を提供する。
【解決手段】携帯端末で、遊技盤上に設けられた4つのマーカが画面に収まるように該遊技盤を撮影すると(D12)、撮影画像を略正面視に補正し(D13)、比較対象画像と比較して、遊技釘の調整状態を判定し、判定結果をディスプレイ14に表示する(D14)。
【解決手段】携帯端末で、遊技盤上に設けられた4つのマーカが画面に収まるように該遊技盤を撮影すると(D12)、撮影画像を略正面視に補正し(D13)、比較対象画像と比較して、遊技釘の調整状態を判定し、判定結果をディスプレイ14に表示する(D14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影手段と出力手段とを備える携帯端末と、該携帯端末で作動する携帯端末用プログラムと、該携帯端末と通信可能な遊技用管理装置と、該携帯端末と遊技用管理装置とを備える遊技用システムに係り、特に遊技釘が植設された遊技盤を携帯端末で撮影することにより、遊技釘の調整状態の判定結果が該携帯端末で出力されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すように、遊技釘が植設された遊技盤を有する遊技機に対応して設けられるデータ表示装置において、釘調整に関する情報を表示することにより、作業者が迅速に釘調整を行うことができるようにしたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2011−092409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に示す発明は、作業者に対して釘調整に関する情報を提供するものであるが、遊技者に対して遊技釘の調整状態の判定結果を提供するものではない。ここで遊技者に対して遊技釘の調整状態の判定結果を提供するには、該遊技者が所持する携帯端末で遊技盤を撮影させて、該撮影画像と予め撮影された比較対象画像とを比較して遊技釘の調整状態を判定し、該判定結果を当該携帯端末で出力するのが簡便であるが、遊技者の撮影技量によっては正確に撮影できず、正確な判定ができない場合がある。
【0005】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、遊技者が所持する携帯端末で遊技盤を撮影させて、遊技釘の調整状態の判定結果を当該携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができるような携帯端末と、該携帯端末で作動する携帯端末用プログラムと、該携帯端末と通信可能な遊技用管理装置と、該携帯端末と遊技用管理装置とを備える遊技用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0007】
まず手段1に係る発明は、
撮影手段(光学レンズ装置11とCCD12)と出力手段(ディスプレイ4と表示回路15)とを有する携帯端末(10)であって、
遊技釘(102)が植設された遊技盤(101)を有する遊技機(100)の、当該遊技盤上の特定範囲(ヘソ周辺,アタッカー周辺,スルー周辺)を特定するために該遊技盤上に設けられた特定情報(マーカ201〜204,又はヘソ110,アタッカー120,スルー130)を含む画像を、前記撮影手段により撮影したことに基づいて、該撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する補正処理(S112又はS124)を行う補正手段(制御部16)と、
予め撮影され前記特定範囲を示す比較対象画像と前記補正処理による補正画像とを比較する比較処理(S115又はS126)を行う比較手段(制御部16)と、
該比較処理による比較結果に基づいて、前記遊技釘の調整状態を判定する判定処理(S116又はS127)を行う判定手段(制御部16)と、をさらに有し、
前記出力手段は、該判定処理による判定結果を出力する(S117又はS128)ことを特徴とする携帯端末である。
【0008】
また手段2に係る発明は、
手段1に記載した携帯端末であって、
前記撮影手段により前記遊技盤の画像を撮影したことに基づいて、該撮影した画像から画像認識により前記特定情報を抽出する特定情報抽出処理(S123)を行う特定情報抽出手段(制御部16)をさらに有し、
前記補正手段は、該特定情報抽出処理により抽出した特定情報に基づいて、前記撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する(S124)ことを特徴とする携帯端末である。
【0009】
また手段3に係る発明は、
手段1に記載した携帯端末であって、
前記特定情報は、遊技盤上に設けられた複数のマーカ(201〜204)であり、
前記補正手段は、該複数のマーカを含む画像を前記撮影手段により撮影したことに基づいて、前記撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する(S112)ことを特徴とする携帯端末である。
【0010】
また手段4に係る発明は、
手段1〜3のいずれか1つに記載した携帯端末であって、
前記比較手段は、前記遊技機の機種毎に設定された前記比較対象画像(S113で認識された機種,又はS120で選択された機種の基準画像)を用いて前記比較処理を行うことを特徴とする携帯端末である。
【0011】
また手段5に係る発明は、
手段1〜4のいずれか1つに記載した携帯端末であって、
前記補正画像を記憶する記憶手段(画像記憶部19)をさらに有し、
前記比較手段は、該記憶手段で記憶している補正画像を前記比較対象画像として用いて前記比較処理(S119,S130)を行うことを特徴とする携帯端末である。
【0012】
また手段6に係る発明は、
前記比較手段は、複数箇所の前記特定範囲を対象とした前記比較対象画像及び前記補正画像に基づいて、該複数箇所の前記比較処理(S41〜S43)を行い、
前記判定手段は、該複数箇所の比較処理による比較結果に基づいて、前記判定処理(S44)を行うことを特徴とする携帯端末である。
【0013】
また手段7に係る発明は、
撮影手段(光学レンズ装置11とCCD12)と出力手段(ディスプレイ4と表示回路15)とを有する携帯端末(10)で作動する携帯端末用プログラム(図10,図11)であって、
遊技釘(102)が植設された遊技盤(101)を有する遊技機(100)の、当該遊技盤上の特定範囲(ヘソ周辺,アタッカー周辺,スルー周辺)を特定するために該遊技盤上に設けられた特定情報(マーカ201〜204,又はヘソ110,アタッカー120,スルー130)を含む画像を、前記撮影手段により撮影したことに基づいて、該撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する補正処理(S112又はS124)と、
予め撮影され前記特定範囲を示す比較対象画像と前記補正処理による補正画像とを比較する比較処理(S115又はS126)と、
該比較処理による比較結果に基づいて、前記遊技釘の調整状態を判定する判定処理(S116又はS127)と、
該判定処理による判定結果を前記出力手段により出力する出力処理(S117又はS128)と、を行うことを特徴とする携帯端末用プログラムである。
【0014】
また手段8に係る発明は、
撮影手段(光学レンズ装置11とCCD12)と出力手段(ディスプレイ4と表示回路15)とを有する携帯端末(10)と、該携帯端末と通信可能な遊技用管理装置(画像処理装置50)と、を備える遊技用システム(1)であって、
前記携帯端末は、
遊技釘(102)が植設された遊技盤(101)を有する遊技機(100)の、当該遊技盤上の特定範囲(ヘソ周辺,アタッカー周辺,スルー周辺)を特定するために該遊技盤上に設けられた特定情報(マーカ201〜204,又はヘソ110,アタッカー120,スルー130)を含む画像を、前記撮影手段により撮影したこと(S301)に基づいて、該撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する補正手段(S302の処理を行う制御部16)をさらに有し、
該補正手段による補正画像を前記遊技用管理装置に対して送信し(S303)、
前記遊技用管理装置は、
予め撮影され前記特定範囲を示す比較対象画像と前記送受信手段から送信されてきた補正画像とを比較する比較手段(S304の処理を行う制御部52)と、
該比較手段による比較結果に基づいて、前記遊技釘の調整状態を判定する判定手段(S304の処理を行う制御部52)と、をさらに有し、
前記携帯端末は、該判定手段による判定結果を受信して(S305)、該受信した判定結果を前記出力手段により出力することを特徴とする遊技用システムである。
【0015】
さらに手段9に係る発明は、
撮影手段(光学レンズ装置11とCCD12)と出力手段(ディスプレイ4と表示回路15)とを有する携帯端末(10)と通信可能な遊技用管理装置(画像処理装置50)であって、
遊技釘(102)が植設された遊技盤(101)を有する遊技機(100)の、当該遊技盤上の特定範囲(ヘソ周辺,アタッカー周辺,スルー周辺)を特定するために該遊技盤上に設けられた特定情報(マーカ201〜204,又はヘソ110,アタッカー120,スルー130)を含み、前記撮影手段により撮影された撮影画像を前記携帯端末から受信して(S314)、該受信した撮影画像を略正面視の補正画像に補正したこと(S315)、又は、前記撮影画像が前記携帯端末で略正面視に補正された補正画像を受信したこと(S303)に基づいて、予め撮影され前記特定範囲を示す比較対象画像と当該補正画像とを比較する比較手段(S316又はS304の処理を行う制御部52)と、
該比較手段による比較結果に基づいて、前記遊技釘の調整状態を判定する判定手段(S316又はS304の処理を行う制御部52)と、
該判定手段による判定結果を前記出力手段で出力させるために前記携帯端末に対して送信する送信手段(S317又はS305の処理を行う制御部52及び通信部51)と、をさらに有することを特徴とする遊技用管理装置である。
【発明の効果】
【0016】
まず手段1に係る発明によれば、撮影した画像を略正面視の補正画像に補正して、比較対象画像と比較し、遊技釘の調整状態を判定して、判定結果を出力するので、遊技釘の調整状態の判定結果を携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができる。
【0017】
また手段2に係る発明によれば、遊技盤上にマーカを設けなくて良いので、遊技盤のデザイン性を損なわずに済む。
【0018】
また手段3に係る発明によれば、遊技盤上に設けられたマーカが撮影の目安になるので、撮影しやすくなる。
【0019】
また手段4に係る発明によれば、遊技者に継続的に利用させることで、興趣を向上できる。
【0020】
また手段5に係る発明によれば、過去に撮影した画像と今回撮影した画像とを比較するので、遊技者の興趣を向上できる。
【0021】
また手段6に係る発明によれば、複数箇所の比較結果に基づいて判定処理を行うので、遊技者が遊技釘の調整状態の良し悪しを総合的に判断できる。
【0022】
また手段7に係る発明によれば、撮影した画像を略正面視の補正画像に補正して、比較対象画像と比較し、遊技釘の調整状態を判定して、判定結果を出力するので、遊技釘の調整状態の判定結果を携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができる。
【0023】
また手段8に係る発明によれば、携帯端末において、撮影した画像を略正面視の補正画像に補正して、遊技用管理装置において、該補正画像と比較対象画像とを比較し、遊技釘の調整状態を判定して、携帯端末において、判定結果を出力するので、遊技釘の調整状態の判定結果を携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができると共に、比較及び判定を遊技用管理装置で行うので、携帯端末用プログラムのデータ量や携帯端末の処理負担を低減できる。
【0024】
さらに手段9に係る発明によれば、携帯端末で撮影した画像を略正面視に補正した補正画像と比較対象画像とを比較し、遊技釘の調整状態を判定して、判定結果を携帯端末に送信するので、遊技釘の調整状態の判定結果を携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができると共に、比較及び判定を遊技用管理装置で行うので、携帯端末用プログラムのデータ量や携帯端末の処理負担を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は携帯端末のディスプレイに遊技釘の調整状態を表示させる例を表す図である。
【図2】図2は遊技盤の一例を表す正面図である。
【図3】図3は携帯端末の一例を表す機能ブロック図である。
【図4】図4は第1実施形態における携帯端末及び第2実施形態における画像処理サーバに記憶される基準画像の一例を表す図であり、(a)は第1始動入賞球装置(ヘソ)周辺、(b)は特別可変入賞球装置(アタッカー)周辺、(c)はゲート(スルー)周辺の基準画像である。
【図5】図5は携帯端末用プログラム実行時に携帯端末のディスプレイに表示される初期画面の一例を表す図である。
【図6】図6は携帯端末のディスプレイに第1始動入賞球装置(ヘソ)周辺の遊技釘の判定結果を表示させる例を表す図である。
【図7】図7は携帯端末のディスプレイに特別可変入賞球装置(アタッカー)周辺の遊技釘の判定結果を表示させる例を表す図である。
【図8】図8は携帯端末のディスプレイに特別可変入賞球装置(アタッカー)周辺の遊技釘の判定結果を表示させる例を表す図である。
【図9】図9は携帯端末のディスプレイに遊技釘の総合判定結果を表示させる例を表す図である。
【図10】図10は第1実施形態における携帯端末で実行される処理の一例を表すフローチャートである。
【図11】図11は第1実施形態における携帯端末で実行される釘判定処理の一例を表すフローチャートである。
【図12】図12は第2実施形態に係る遊技用システムの構成例を示す図である。
【図13】図13は第2実施形態に係る携帯端末と画像処理装置との間で行われる処理の一例を示す図である。
【図14】図14は第2実施形態に係る携帯端末で実行される処理の一例を示す図である。
【図15】図15は第2実施形態における携帯端末で実行される釘評価取得処理の一例を表すフローチャートである。
【図16】図16は第2実施形態に係る画像処理装置で実行される処理の一例を示す図である。
【図17】図17は大当り発生時の特典付与処理の一例を表す図である。
【図18】図18は変形例に係る遊技盤の一例を表す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下においては、ステップを「S」と略記する。
【0027】
本発明は、図1に示すように、遊技釘102が植設された遊技盤101を有する遊技機であるパチンコ機100において、遊技盤101上の特定範囲(第1始動入賞球装置周辺、特別可変入賞球装置、ゲート)を特定するために、遊技盤上に設けられた特定情報(マーカ又は特別可変入賞球装置若しくはゲートの輪郭)を含む画像を、携帯端末10の撮影手段により撮影することで、当該携帯端末10のディスプレイ14に、遊技釘102の調整状態の判定結果を表示することを特徴とするものである。
【0028】
ここで本実施形態には、撮影した画像を当該携帯端末10において基準画像や前回画像と比較して判定結果を表示する第1実施形態に係る携帯端末10及び当該携帯端末10で実行される携帯端末用プログラムと、図12に示すように、撮影した画像を通信回線2を介して接続される画像処理装置50に送信し、画像処理装置50側で受信した画像を基準画像や前回画像と比較し、携帯端末10が画像処理装置50から判定結果を受信して表示する第2実施形態に係る遊技用システム1及び当該遊技用システム1を構成する画像処理装置50が含まれる。以下では、まず第1実施形態に係る携帯端末10及び携帯端末用プログラムに関して説明し、次に第2実施形態に係る遊技用システム1及び画像処理装置50に関して、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0029】
[1.第1実施形態に係る携帯端末10及び携帯端末用プログラム]
(パチンコ機)
図2は、本実施形態における遊技機であるパチンコ機100の遊技盤101の正面図である。遊技盤101は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。この遊技盤101には、多数の遊技釘102が植設されており、遊技盤101に打ち込まれた遊技球が、遊技釘102に衝突したり、遊技釘102によって所定方向に誘導されたりしながら流下する。遊技盤101には、第1始動入賞球装置110、特別可変入賞球装置120、ゲート130、可変入賞球装置140、及び演出表示装置150等が設けられている。遊技者は、遊技媒体である遊技球を発射装置によって発射し、遊技盤101に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると(入賞領域を遊技球が通過すると)、所定個の賞球が遊技者に払い出される。
【0030】
遊技盤101の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置150が設けられている。演出表示装置150の表示画面には、演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。演出図柄の可変表示は、遊技球が第1始動入賞口110aまたは第2始動入賞口140aに入賞したことを条件に開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
【0031】
演出表示装置150に、あらかじめ定められた特定の表示態様(例えば「777」)が導出表示された場合に、「大当り(特定遊技状態)」が発生する。なお、導出表示とは、図柄を停止表示させることである。大当りが発生すると、例えば、大入賞口120aが所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口120aへの入賞があると大入賞口120aは閉成する。そして、大入賞口120aの開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口120aは閉成する。
【0032】
大入賞口120aの開放及び閉成は、特別可変入賞球装置120によって制御される。特別可変入賞球装置120は開閉板を備え、ソレノイド(図示せず)によって開閉板を開放状態又は閉成状態に制御することによって、入賞領域となる大入賞口120aを開放状態又は閉成状態とする。
【0033】
演出表示装置150の下方には、第1始動入賞口110aを有する第1始動入賞球装置110が設けられている。また、第1始動入賞球装置110の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口140aを有する可変入賞球装置140が設けられている。可変入賞球装置140は、ソレノイド(図示せず)によって開状態とされる。可変入賞球装置140が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口140aに入賞可能になり、遊技者にとって有利な状態になる。
【0034】
演出表示装置150の右下方には、普通図柄表示器135が設けられている。普通図柄表示器135は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。遊技球が演出表示装置150右側方のゲート130を通過しゲートスイッチ(図示せず)で検出されると、普通図柄表示器135の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器135における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置140が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置140の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口140aに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
【0035】
ここで、第1始動入賞口110aや大入賞口120a周辺の釘102の調整状態は、当該入賞口へ遊技球が入賞する頻度に大きく影響する。また、ゲート130周辺の遊技釘102の調整状態は、当該ゲート130を遊技球が通過する頻度に大きく影響する。従って、通常遊技者は、これら各部の遊技釘102の調整状態を確認した上で有利な台を選択する。しかしながら、熟練した遊技者ではない者が遊技釘102を見て有利不利を判断することが困難な場合もある。本実施形態にける携帯端末10は、遊技釘の調整状態に関する判定結果を遊技者に提示し、初心者等の非熟練者であっても遊技釘101の調整状態に関する情報を把握可能としたものである。
【0036】
ここで本実施形態におけるパチンコ機10では、図2に示すように、第1始動入賞球装置110を囲むように、遊技盤101の盤面にマーカ201〜204を設けている。マーカ201〜204は、当該マーカ201〜204によって囲まれた遊技盤101上の所定領域を特定可能とするためのものであり、後述する携帯端末10によって撮影された画像中で当該所定領域を特定可能とする役割を果たしている。本例においてこの所定領域には、第1始動入賞装置110及びその上方の遊技釘102が含まれている。この所定領域に含まれる遊技釘102は、第1始動入賞装置110への遊技球の入賞頻度に影響する釘である。また、本例においては、右上に位置するマーカ201と左上に位置するマーカ204との間に、当該パチンコ機10の機種及び個体を識別可能な台IDが付されている。これにより撮影された画像から当該パチンコ機10の機種及び個体を識別可能である。
【0037】
なお、本実施形態において、マーカが設けられているのは、第1始動入賞装置110の周囲のみであり、他の部位には設けられていないものとする。
【0038】
(携帯端末10)
次に本実施形態に係る携帯端末10について、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態における携帯端末10の機能ブロック図である。携帯端末10は、例えば、被写体を撮影可能なカメラ付き携帯電話である。制御部16はCPU及びメモリ(RAM)を備え、データバス20を介して接続された各部の制御を行う。制御部16はデータバス20を介してプログラム記憶部17と接続されている。このプログラム記憶部17には、制御部16によって実行される各種プログラムが記憶されており、本実施形態に係る携帯端末用プログラムも記憶されている。また、制御部16はデータバス20を介して画像記憶部19と接続されている。本実施形態に係る画像記憶部19には、携帯端末10によって撮影された画像が記憶されるほか、パチンコ機100の機種毎に、図4に示す各部位周辺(ヘソ周辺、アタッカー周辺、スルー周辺)の基準画像が記憶されている。これらの基準画像に関しては後述する。なお、プログラム記憶部17や画像記憶部19は、フラッシュROM等の書き換え可能な不揮発性メモリにより構成されている。
【0039】
光学レンズ装置11は、被写体の光学像を集光するためのレンズ等で構成されており、CCD12は集光された光学像をデジタル化して取り込むためのイメージセンサである。信号処理部13はCCD12から順次出力されてくる画像信号にゲイン調整等の所定のアナログ処理を施した後にデジタル化(A/D)し、デジタル化したデータに対し、制御部16からの指令に従って所定の画像処理を行って画像データを生成する。信号処理部13にて生成された画像データは、制御部16のメモリに順次書き込まれ、更新される。なお、CCD12は、制御部16に接続されているタイミングジェネレータ(図示せず)からタイミング信号が入力されている。このタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッタのシャッタ速度が決定される。
【0040】
ここで、撮影中の映像をディスプレイ14に表示させる場合には、制御部16がメモリの内容(画像データ)を順次読み出して表示回路15に送り、表示回路15において表示用の信号形式に変換した後、ディスプレイ14に供給する。これにより、ディスプレイ14にはCCD12が捉えているリアルタイム映像(スルー画像)が表示され、撮影者はディスプレイ14に映し出される映像によって構図を確認できる。
【0041】
操作部18は、携帯端末10による撮影の際に行われる操作等の各種操作が行われたときに、その操作信号をデータバス20を介して制御部16に出力する。この操作部18の撮影ボタンが押されると、制御部16はこれを検知して、CCD12に対して解像度の高い画像を読み込むように指令を行い、これに基づいて出力された高解像度の画像データをメモリ内に一時記憶する。さらに、制御部16は一時記憶した画像データを画像圧縮部22に送り、画像圧縮部22において所定の圧縮フォーマットに従って圧縮された画像データは、画像記憶部17に記憶される。
【0042】
送受信部19は、制御部15からの指令に従って画像記憶部17に記憶している画像データ等の各種データをD/A変換し、変調、増幅してアンテナから送信する。また、他の通信機器から送信された画像データ等の各種データを受信して復調し、A/D変換して画像記憶部17にて記憶可能な形式とする。この送受信部19によって通信回線に接続される他の通信機器との通信が可能となる。なお、図示しないが、携帯端末10にはマイクやスピーカを含む音声処理部も設けられており、通話も可能となっている。
【0043】
次に図4を用いて、携帯端末10に記憶されている基準画像について説明する。携帯端末10は、図4(a)に示すような、第1始動入賞球装置110上方に位置する遊技釘102の標準的な調整状態を示す基準画像、同(b)に示すような、特別可変入賞球装置120上方に位置する遊技釘102の標準的な調整状態を示す基準画像、及び同(c)に示すような、ゲート130上方に位置する遊技釘102の標準的な調整状態を示す基準画像を記憶している。なお、図中の矢印は便宜上付したものである。
【0044】
ここで、第1始動入賞球装置110は通称「ヘソ」と呼称される場合があり、特別可変入賞球装置120は通称「アタッカー」と呼称される場合があり、ゲート130は通称「スルー」と呼称される場合がある。以下の説明では、これらの通称を用いるものとする。
【0045】
画像記憶部19には、各機種毎にヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の基準画像が記憶されている。これらの各基準画像は、予め遊技釘102を標準的な調整状態として撮影されたものであり、遊技者は携帯端末10で所定のサイトにアクセスすることで、所望の機種の基準画像をダウンロードし、画像記憶部19に記憶させておくことができるものとする。ここでヘソ周辺の基準画像は、撮影した画像中のマーカによって囲まれた領域のみを所定サイズの正面視の画像に補正したものである。また、本実施形態の遊技盤101においては、アタッカー周辺及びスルー周辺にはマーカが設けられていない。そのため、アタッカー周辺の基準画像はアタッカー及びその上方の遊技釘102を含む所定領域の略正面視の画像であり、スルー周辺の基準画像はスルー及びその上方の遊技釘102を含む所定領域の略正面視の画像であるものとする。
【0046】
図4(a)に示されるヘソ周辺の基準画像を用いて、遊技釘102の調整方法及び判定方法について説明する。遊技球がヘソに入賞する頻度を高めるためには、通常、(1)遊技釘102aを上に調整する、(2)遊技釘102bを左上に調整する、及び(3)遊技釘102cを右上に調整する、のうち1以上の調整が行われる。従って、遊技釘102の調整状態を判定するためには、遊技者が撮影した画像中の遊技釘102a〜102cが、基準画像と比較して矢印の方向(即ちプラス調整の方向)に寄っているか又は矢印と反対の方向(即ちマイナス調整の方向)に寄っているか判定すると良い。
【0047】
次に、図4(b)に示されるアタッカー周辺の基準画像を用いて、遊技釘102の調整方法及び判定方法について説明する。遊技球がアタッカーに入賞する頻度を高めるためには、通常、(1)遊技釘102dを上に調整する、(2)遊技釘102eを右上に調整する、及び(3)遊技釘102fを右上に調整する、のうち1以上の調整が行われる。従って、遊技釘102の調整状態を判定するためには、遊技者が撮影した画像中の遊技釘102d〜102fが、基準画像と比較して矢印の方向(即ちプラス調整の方向)に寄っているか又は矢印と反対の方向(即ちマイナス調整の方向)に寄っているか判定すると良い。
【0048】
次に、図4(c)に示されるスルー周辺の基準画像を用いて、遊技釘102の調整方法について説明する。遊技球がスルーを通過する頻度を高めるためには、通常、(1)遊技釘102gを左下に調整する、(2)遊技釘102hを右上に調整する、(3)遊技釘102iを左上に調整する、及び(4)遊技釘102jを右上に調整する、のうち1以上の調整が行われる。従って、遊技釘102の調整状態を判定するためには、遊技者が撮影した画像中の遊技釘102g〜102jが、基準画像と比較して矢印の方向(即ちプラス調整の方向)に寄っているか又は矢印と反対の方向(即ちマイナス調整の方向)に寄っているか判定すると良い。
【0049】
これら各部位についての判定結果の提示方法としては、例えばプラス調整となっている釘数及びマイナス調整となっている釘数に基づいて、5段階の評価を行うと良い(良(5),やや良(4),普通(3),やや悪(2),悪(1))。例えば、遊技者がヘソ周辺を撮影した画像と基準画像を比較して、遊技釘102a、102b、及び102cの全てがプラス調整であれば「良(5)」という判定結果を提示する。また、ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の総合判定を行うときは、これら各部位の判定結果の平均値([ヘソ周辺の評価+アタッカー周辺の評価+スルー周辺の評価]/3)を提示するようにする。
【0050】
(携帯端末10の作用)
次に携帯端末10の作用について、図5〜図9を用いて説明する。携帯端末10が記憶している携帯端末用プログラムを実行すると、図5に示す初期画面D00がディスプレイ14に表示される。このD00の初期画面は、いずれの部位の遊技釘102について判定を行うのかを遊技者が選択するための画面になっていて、「ヘソ周辺」、「アタッカー周辺」、「スルー周辺」、及び「総合」のいずれかを選択可能である。「総合」が選択されたときには、ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の全ての判定を行う。
【0051】
D00の初期画面で「総合」を選択したときは、図6に示すように、ヘソ周辺の判定が最初に行われる。ヘソ周辺の判定においては、まずD10に示すように、「ヘソ周辺にマーカのある機種ですか?」の問いに対して、「はい」又は「いいえ」を選択する画面がディスプレイ14に表示される。本例では遊技盤101のヘソ周囲にマーカが設けられているため、「はい」を選択したものとする。これに伴い、D11に示すようにディスプレイ14には「4つのマーカが画面に収まるように撮影して下さい。」との留意点が表示された後、スルー画像が表示される。遊技者は、D12に示すように、遊技盤101に設けられたマーカ4つが全てディスプレイ14の画面内に収まるように携帯端末10を調整し、操作部18の撮影ボタンが押すことで、当該マーカ4つに囲まれた領域を含む画像が撮影される。
【0052】
但し、このようにして撮影された画像は、通常、正面視の画像ではなく、基準画像とは異なる角度で撮影されたものである。本実施形態では、撮影された画像から4つのマーカ201〜204のパターンを認識し、各マーカの座標を特定する。そして、これら4つのマーカによって囲まれる画像領域を、射影変換等によって正面視の画像とし、さらに基準画像のサイズに合致させる補正を行う。これによりD13に示すようにマーカで囲まれる領域について、基準画像と同サイズの補正画像を得ることができる。本例では、撮影画像と基準画像との対応点(4角)をマーカによって特定可能としており、基準画像によって示される遊技盤101上の領域と、補正画像によって示される遊技盤101上の領域は共通している。従って、補正画像における遊技釘102a〜102cが、基準画像における遊技釘102a〜102cと比較して、プラス調整となっているかマイナス調整となっているかを判定することができる。
【0053】
ここでマーカ201と204の間に付された台IDも撮影されることで、補正後の画像を対象とした文字認識によって、撮影対象となったパチンコ機100の機種及び個体を特定可能である。携帯端末10は、特定した機種のパチンコ機100に関するヘソ周辺の基準画像を特定して、当該特定した基準画像と前記補正画像を比較し、遊技釘102a〜102cの調整状態を判定する。本例では、遊技釘102a〜102cの全てがプラス調整となっているため、D14に示すように判定結果は良(5段階評価の5)とディスプレイ14に提示される。このように、パチンコ機100の入賞口等とその周辺の遊技釘102を含む所定領域を形成するマーカを設けておくことで、撮影画像と基準画像との対応点が明確になり、所定領域同士を同一サイズの正面視の画像で比較することが可能になる。これにより、遊技者は撮影技量によらず正確な判定結果を得ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。このようにして得られた補正画像及び判定結果は、撮影日時及び台IDに対応づけて画像記憶部19に記憶される。
【0054】
また本実施形態において、携帯端末10は、今回記憶した補正画像の台IDと同一の補正画像が既に記憶されていた場合には、このうち最も撮影日時の新しいものと、今回記憶した補正画像とを重畳して表示する(D15)。D15の例では、今回記憶した補正画像の遊技釘102は実線で表示され、前回記憶した補正画像の遊技釘102は点線で表示されている。これにより、遊技者が前回遊技したパチンコ機100と同一の台で遊技を行う場合に、遊技釘102a〜102cがどのように調整されたのかを一見して把握することができる。
【0055】
ヘソ周辺の判定が終了すると、次に携帯端末10は、図7及び図8に示すアタッカー周辺の判定を行う。アタッカー周辺の判定においては、まずD20に示すように、「アタッカー周辺にマーカのある機種ですか?」の問いに対して、「はい」又は「いいえ」を選択する画面がディスプレイ14に表示される。本例では遊技盤101のアタッカー周辺にマーカが設けられていないため、「いいえ」を選択したものとする。これに伴い、D21に示すようにディスプレイ14にはアタッカー周辺の判定を行うパチンコ機10の機種を選択するための画面が表示される。
【0056】
D21の画面で遊技者が判定を行う機種を選択すると、携帯端末10は、D22に示すようにディスプレイ14には「ガイド枠にアタッカーの形状が収まるように撮影して下さい。」との留意点が表示された後、D23に示すように表示中のスルー画像にアタッカーのガイド枠30を併せて表示する。ここで表示されるガイド枠30は、基準画像におけるアタッカーの位置及び範囲を示すものである。本例ではアタッカーの輪郭(横長の長方形)に基づくガイド枠30が表示されているが、アタッカーの位置及び範囲を示すものであれば輪郭に基づく態様でなくとも良い。
【0057】
遊技者は、D23及び図8のD24に示すように、このガイド枠30にスルー画像中のアタッカーの輪郭が収まるように調整した状態で撮影する。携帯端末10は撮影された画像について、ガイド枠30内でエッジ検出を行い、対応点となる座標(例えばアタッカーの4角の座標)を特定する。さらに、撮影画像における対応点の座標と基準画像における対応点の座標に基づいて、撮影画像を射影変換等によって正面視の画像とし、基準画像のサイズに合致させる補正を行う。その結果、D25に示すような補正画像が得られる。この補正画像におけるアタッカーの位置及び輪郭は、基準画像におけるアタッカーの位置及び輪郭に合致する。従って、補正画像における遊技釘102d〜102fが、基準画像における遊技釘102d〜102fと比較して、プラス調整となっているかマイナス調整となっているかを判定することができる。
【0058】
ここで撮影対象となったパチンコ機100の機種が選択されているため(D21)、携帯端末10は、特定した機種のパチンコ機100に関するアタッカー周辺の基準画像を特定して、当該特定した基準画像と前記補正画像を比較し、遊技釘102d〜102fの調整状態を判定する。本例では、遊技釘102d〜102fの全てがマイナス調整となっているため、D26に示すように判定結果は悪(5段階評価の1)とディスプレイ14に提示される。このように、遊技釘102の調整状態を判定したい領域にマーカが設けられていない場合でも、アタッカーの輪郭等に基づいた画像処理を行い、遊技釘102の調整状態を判定することができる。このようにして得られた補正画像及び判定結果は、撮影日時及び当該機種を識別可能な機種IDに対応づけて画像記憶部19に記憶される。
【0059】
なお、仮に撮影時に前述したガイド枠30を提示しない場合、遊技者はどのような角度、距離で撮影を行えば良いかが分からない。また、遊技盤上には凹凸や不連続点が多く存在するため、アタッカーのエッジ検出等が困難になるケースや処理時間がかかるという問題がある。本実施形態では、ガイド枠30をスルー画像に表示することで、遊技者に撮影条件を示唆し、また、ガイド枠内でアタッカーのエッジ検出を行うことで画像処理を容易化し、処理時間を短縮している。
【0060】
また本実施形態において、携帯端末10は、今回記憶した補正画像の機種IDと同一の補正画像が既に記憶されていた場合には、このうち最も撮影日時の新しいものと、今回記憶した補正画像とを重畳して表示する(D27)。D27の例では、今回記憶した補正画像の遊技釘102は実線で表示され、前回記憶した補正画像の遊技釘102は点線で表示されている。これにより、遊技者が前回遊技したパチンコ機100と同一の機種で遊技を行う場合に、遊技釘102d〜102fがどのように調整されたのかを一見して把握することができる。
【0061】
アタッカー周辺の判定が終了すると、次に携帯端末10は、スルー周辺の判定を行う。スルー周辺の判定方法は、アタッカー周辺と同様であるため説明を省略する。ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の全ての判定が終了すると、携帯端末10のディスプレイ14には、図9のD30に示すように総合評価が表示される。本例では、ヘソ周辺の判定結果が良(5)、アタッカー周辺の判定結果が悪(1)、スルー周辺の判定結果が普通(3)であるため、これらの平均である普通(3)が評価結果として提示される。これによって、遊技者は遊技釘102の調整状態を総合的に判断することができる。また、本例では個別の判定結果も併せて表示するため、「ヘソは入賞し易いがアタッカーは入賞し難い」というように遊技者は評価結果を台選びの参考にすることができる。
【0062】
(携帯端末用プログラムが行う処理)
次に本実施形態に係る携帯端末用プログラムにおいて行われる処理について図10及び図11を用いて説明する。携帯端末用プログラムが実行されてD00の初期画面が表示されると、携帯端末10は、「ヘソ周辺」の選択操作(S10)、「アタッカー周辺」の選択操作(S20)、「スルー周辺」の選択操作(S30)、及び「総合」の選択操作(S40)を待機する。D00の初期画面で「ヘソ周辺」が選択されると(S10でYES)、S11でヘソ周辺の釘判定処理を行う。また、D00の初期画面で「アタッカー周辺」が選択されると(S20でYES)、S21でアタッカー周辺の釘判定処理を行う。また、D00の初期画面で「スルー周辺」が選択されると(S30でYES)、S31でスルー周辺の釘判定処理を行う。さらに、D00の初期画面で「総合」が選択されると(S40でYES)、S41でヘソ周辺の釘判定処理を行い、S42でアタッカー周辺の釘判定処理を行い、S43でスルー周辺の釘判定処理を行った後、S44で総合判定結果(例えばヘソ、アタッカー、及びスルーの平均値)を算出し、S45で総合判定結果(例えばD30の画面)をディスプレイ14に表示する。
【0063】
次に図11を用いてヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の釘判定処理について説明する。ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の釘判定処理のいずれにおいても同様の処理が行われる。携帯端末10は、撮影対象(判定対象)となる範囲の周辺にマーカが付されているか否かを判定し、マーカが付されている(YES)と判定されたときには(例えばD10やD20等で「はい」と選択された場合)、S110で撮影の完了を待機する。そして撮影が完了したときには(S110でYES)、撮影された画像中のマーカを認識し(S111)、認識したマーカに基づいて撮影画像を正面視の画像に補正する(S112)。その結果、例えばD13に示すような補正画像が取得される。
【0064】
次いで、携帯端末10は、マーカで囲まれた画像領域から台IDを認識し(S113)、補正した画像を台ID及び撮影日時と対応づけて記憶する(S114)。次に携帯端末10は、今回記憶した画像と、台IDから特定される機種の基準画像とを比較し(S115)、遊技釘102の調整状態を判定して(S116)、判定結果をディスプレイ14に表示する(S117)。その結果、例えばD14に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0065】
さらに携帯端末10は、同一台IDの補正画像を記憶しているか否かを判定し(S118)、記憶している場合には(S118でYES)、最も新しい撮影日時の補正画像(前回画像)と、今回記憶した補正画像とを重畳表示する(S119)。その結果、例えばD15に示すように、今回の釘位置と前回の釘位置が重畳表示され(例えば今回の釘位置を実線で表示し、前回の釘位置を点線で表示する)、前回同じ台で遊技した時からの釘の調整方向及び調整幅を容易に把握することが可能となる。携帯端末10はS119の処理が終了すると、釘判定処理を終了して図10に示した待機処理に戻る。一方、S118で記憶していない(NO)と判定されたときには、後述するS129にすすむ。
【0066】
携帯端末10は、S100の判定でマーカが付されていない(NO)と判定したときには(例えばD10やD20等で「いいえ」と選択された場合)、S120で撮影対象となるパチンコ機100の機種の選択を待機する。このとき例えばD21に示す画面がディスプレイ14に表示される。携帯端末10は、S120において、機種が選択されたときには(YES)、当該選択された機種に応じたガイド画像をディスプレイ14に表示する(S121)。このガイド画像とは例えば図7に示したガイド枠30であり、判定対象がヘソ周辺であれば、ヘソの形状に応じたガイド画像が提示され、判定対象がアタッカー周辺であれば、アタッカーの形状に応じたガイド画像が提示され、判定対象がスルー周辺であれば、スルーの形状に応じたガイド画像が提示される。
【0067】
次いで携帯端末10は、ディスプレイ14にガイド画像を提示した状態で撮影の完了を待機する(S122)。そして撮影が完了したときには(S122でYES)、撮影された画像から、所定箇所(例えばヘソ、アタッカー、又はスルー)の輪郭を抽出し(S123)、当該抽出した輪郭と基準画像における当該所定箇所の輪郭に基づいて、撮影された画像を正面視の画像に補正する(S124)。その結果、例えばD25に示すような補正画像が取得される。
【0068】
次いで、携帯端末10は、補正した画像を機種ID及び撮影日時と対応づけて記憶する(S125)。なお機種IDは、S120で選択された機種に相当するものである。次に携帯端末10は、今回記憶した画像と、機種IDから特定される機種の基準画像とを比較し(S126)、遊技釘102の調整状態を判定して(S127)、判定結果をディスプレイ14に表示する(S128)。その結果、例えばD26に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0069】
さらに携帯端末10は、同一機種IDの補正画像を記憶しているか否かを判定し(S129)、記憶している場合には(S129でYES)、最も新しい撮影日時の補正画像(前回画像)と、今回記憶した補正画像とを重畳表示する(S130)。その結果、例えばD27に示すように、今回の釘位置と前回の釘位置が重畳表示され(例えば今回の釘位置を実線で表示し、前回の釘位置を点線で表示する)、前回同じ機種の台で遊技した時との調整状態の相違を容易に把握することが可能となる。携帯端末10はS130の処理が終了したときには、釘判定処理を終了して図10に示した待機処理に戻る。一方、S129で記憶していない(NO)と判定されたときには、釘判定処理を終了する。
【0070】
[2.第2実施形態に係る遊技用システム1及び画像処理装置50]
次に第2実施形態に係る遊技用システム1及び画像処理装置50について、図12〜図16を用いて説明する。図12に示すように、第2実施形態に係る遊技用システム1は、撮影した画像を通信回線2を介して画像処理装置50に送信する(判定要求を行う)携帯端末10と、携帯端末10から受信した画像に基づいて遊技釘102の調整状態を判定して、判定結果を携帯端末10に返信する画像処理装置50とを有する。
【0071】
ここで、携帯端末10によって撮影された画像がマーカを含むものであった場合、当該携帯端末10において撮影された画像が正面視の画像に補正された後に画像処理装置50に送信され、画像処理装置50においては、補正画像を受信したことに基づいて、ハードディスク53に記憶している基準画像との比較を行って判定結果を携帯端末10に送信する。一方、携帯端末10によって撮影された画像がマーカを含まないものであった場合、当該携帯端末10において撮影された画像は補正されずに画像処理装置50に送信され、画像処理装置50においては、撮影画像を補正した後、ハードディスク53に記憶している基準画像との比較を行って判定結果を携帯端末10に送信する。
【0072】
第2実施形態における携帯端末10は、前述した送受信部21によって通信回線2に接続可能であり、通信回線2に通信部51を介して接続される画像処理装置50と通信可能である。画像処理装置50は、制御部52によって統括制御されている。制御部52は、CPU、RAM、ROM、及び画像処理回路等を備えており、ROM及びハードディスク53に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、画像処理装置50に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。ハードディスク53は、各種の情報を記憶する記憶デバイスである。
【0073】
なお、第2実施形態における携帯端末10は、各機種の基準画像のサイズ情報を記憶しているが、基準画像のデータ自体は記憶していないものとする。また、第2実施形態においては携帯端末10側において、補正画像を長期間記憶しておく処理は行わないものとする。画像処理装置50のハードディスク53には各機種の基準画像が記憶されているほか、携帯端末10から送信された補正画像及び携帯端末10から送信された撮影画像を補正した画像を記憶している。
【0074】
(遊技用システム1の作用)
次に図13を用いて、ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の総合判定を行う場合の遊技用システム1の作用について説明する。携帯端末10において釘判定結果を画像処理装置50から取得するためのプログラムが実行されると、D00に示した初期画面と同様の画面がディスプレイ14に表示される。ここで遊技者が「総合」を選択すると、ヘソ周辺の釘評価取得処理の実行が開始され、D10に示した画面と同様の画面がディスプレイ14に表示される。この画面において、遊技者がヘソ周辺にマーカ有り(「はい」)と選択し(S300)、マーカを含めたヘソ周辺を撮影すると(S301)、撮影された画像が正面視の画像に補正される(S302)。携帯端末10は、当該補正画像、当該補正画像から認識された台ID、撮影範囲が「ヘソ」である旨、及び「マーカ有り」の各情報を含む判定要求を画像処理装置50に送信する(S303)。
【0075】
S303の判定要求を受信した画像処理装置50は、受信した台IDから特定される機種について、「ヘソ」周辺の基準画像を特定し、当該特定した基準画像と受信した補正画像とを比較して、ヘソ周辺の遊技釘の調整状態の判定を行う(S304)。次いで画像処理装置50は、判定結果(5段階評価)を携帯端末10に送信し(S305)、さらに同一の台IDの補正画像を記憶している場合には前回記憶した補正画像と今回携帯端末10から受信した補正画像との重畳画像を作成して携帯端末10に送信する(S306)。これを受信した携帯端末10には、D14に示すような評価結果や、D15に示すような前回との比較画像が表示されることになる。
【0076】
ヘソ周辺の釘評価取得処理が完了した後、アタッカー周辺の釘評価取得処理の実行が開始され、D20に示した画面と同様の画面がディスプレイ14に表示される。この画面において、遊技者がアタッカー周辺にマーカ無し(「いいえ」)と選択し、D21示した画面と同様の画面で機種を選択すると(S310)、当該選択された機種の機種ID、及び撮影範囲が「アタッカー」である旨の各情報を含むガイド画像要求を画像処理装置50に送信する(S311)。画像処理装置50は、受信した機種IDの機種について、ハードディスク53に記憶している「アタッカー」周辺のガイド画像を特定し、当該特定したガイド画像携帯端末10に送信する(S312)。これを受信した携帯端末10では、D23に示すようなガイド枠30等が表示される。
【0077】
遊技者が、ガイド画像にあわせてアタッカー周辺の画像を撮影すると(S313)、携帯端末10は、当該撮影画像、機種ID、撮影範囲が「アタッカー」である旨、及び「マーカ無し」の各情報を含む判定要求を画像処理装置50に送信する(S314)。S314の判定要求を受信した画像処理装置50は、受信した機種IDから特定される機種について、「アタッカー」周辺の基準画像を特定し、当該特定した基準画像と受信した撮影画像に基づいて、撮影画像を正面視の画像に補正する(S315)。次に携帯端末10は、基準画像と補正画像とを比較して、アタッカー周辺の遊技釘の調整状態の判定を行う(S316)。次いで画像処理装置50は、判定結果(5段階評価)を携帯端末10に送信し(S317)、さらに同一の機種IDの補正画像を記憶している場合には前回記憶した補正画像と今回補正画像との重畳画像を作成して携帯端末10に送信する(S318)。これにより携帯端末10には、D26に示すような評価結果や、D27に示すような前回との比較画像が表示されることになる。
【0078】
アタッカー周辺の釘評価取得処理が完了した後、スルー周辺の釘評価取得処理の実行が開始され、D20に示した画面と同様の画面(但しスルーに関するもの)がディスプレイ14に表示される。この画面において、遊技者がスルー周辺にマーカ無し(「いいえ」)と選択し、D21示した画面と同様の画面で機種を選択すると(S320)、当該選択された機種の機種ID、及び撮影範囲が「スルー」である旨の各情報を含むガイド画像要求を画像処理装置50に送信する(S321)。画像処理装置50は、受信した機種IDの機種について、ハードディスク53に記憶している「スルー」周辺のガイド画像を特定し、当該特定したガイド画像携帯端末10に送信する(S322)。これを受信した携帯端末10では、スルーの輪郭に基づくガイド枠等が表示される。
【0079】
遊技者が、ガイド画像にあわせてスルー周辺の画像を撮影すると(S323)、携帯端末10は、当該撮影画像、機種ID、撮影範囲が「スルー」である旨、及び「マーカ無し」の各情報を含む判定要求を画像処理装置50に送信する(S324)。S324の判定要求を受信した画像処理装置50は、受信した機種IDから特定される機種について、「スルー」周辺の基準画像を特定し、当該特定した基準画像と受信した撮影画像に基づいて、撮影画像を正面視の画像に補正する(S325)。次に携帯端末10は、基準画像と補正画像とを比較して、スルー周辺の遊技釘の調整状態の判定を行う(S326)。次いで画像処理装置50は、判定結果(5段階評価)を携帯端末10に送信し(S327)、さらに同一の機種IDの補正画像を記憶している場合には前回記憶した補正画像と今回補正画像との重畳画像を作成して携帯端末10に送信する(S328)。これにより携帯端末10には、D26に示すような評価結果(但しスルーに関するもの)や、D27に示すような前回との比較画像(但しスルーに関するもの)が表示されることになる。
【0080】
スルー周辺の釘評価取得処理が完了した後、携帯端末10は、画像処理装置50に対して総合判定要求を送信する(S330)。これを受信した画像処理装置50は、ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の判定結果から総合判定結果を算出し(S331)、総合判定結果を携帯端末10に送信する(S332)。これを受信した携帯端末10では、D30に示すような総合評価が表示されることになる。
【0081】
このように、画像処理装置50側で基準画像及び補正画像を記憶しておき、携帯端末10からの判定要求に応じて、遊技釘の調整状態を判定し、判定結果を携帯端末10に送信するようにすることで、携帯端末10側の処理負担及び容量負担を軽減することができる。
【0082】
次に第2実施形態に係る携帯端末10が行う処理について図14及び図15を用いて説明する。D00と同様の初期画面が表示されると、携帯端末10は、「ヘソ周辺」の選択操作(S10)、「アタッカー周辺」の選択操作(S20)、「スルー周辺」の選択操作(S30)、及び「総合」の選択操作(S40)を待機する。D00の初期画面で「ヘソ周辺」が選択されると(S10でYES)、S11’でヘソ周辺の釘評価取得処理を行う。また、D00の初期画面で「アタッカー周辺」が選択されると(S20でYES)、S21’でアタッカー周辺の釘評価取得処理を行う。また、D00の初期画面で「スルー周辺」が選択されると(S30でYES)、S31’でスルー周辺の釘評価取得処理を行う。
【0083】
さらに、D00の初期画面で「総合」が選択されると(S40でYES)、S41’でヘソ周辺の釘評価取得処理を行い、S42’でアタッカー周辺の釘評価取得処理を行い、S43’でスルー周辺の釘評価取得処理を行った後、S44’で総合判定要求を画像処理装置50に送信し、画像処理装置50からの総合判定結果の受信を待機する(S45’)。携帯端末10が総合判定結果を受信すると(S45’でYES)、S46’で総合判定結果(例えばD30の画面)をディスプレイ14に表示して、処理を終了する。
【0084】
次に図15を用いて携帯端末10によって実行されるヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の釘評価取得処理について説明する。ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の釘評価取得処理のいずれにおいても同様の処理が行われる。携帯端末10は、撮影対象(判定対象)となる範囲の周辺にマーカが付されているか否かを判定し、マーカが付されている(YES)と判定されたときには(例えばD10やD20等で「はい」と選択された場合)、S110で撮影の完了を待機する。そして撮影が完了したときには(S110でYES)、撮影された画像中のマーカを認識し(S111)、認識したマーカに基づいて撮影画像を正面視の画像に補正する(S112)。その結果、例えばD13に示すような補正画像が取得される。
【0085】
次いで、携帯端末10は、マーカで囲まれた画像領域から台IDを認識し(S113)、補正画像、台ID、撮影範囲(ヘソ、アタッカー、又はスルー)、及びマーカ有りを含む判定要求を画像処理装置5に送信し(S114’)、判定結果の受信を待機する(S115’)。携帯端末10は、画像処理装置50からの判定結果(ヘソ釘判定結果、アタッカー釘判定結果、又はスルー釘判定結果のいずれか)を受信すると(S115’でYES)、受信した判定結果をディスプレイ14に表示する(S116’)。その結果、例えばD14に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0086】
さらに携帯端末10は、重畳画像の受信を待機する(S117’)。携帯端末10は、画像処理装置50からの重畳画像(ヘソ周辺、アタッカー周辺、又はスルー周辺のいずれか)を受信すると(S117’でYES)、受信した重畳画像をディスプレイ14に表示する(S118’)。その結果、例えばD15に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0087】
携帯端末10は、S100の判定でマーカが付されていない(NO)と判定したときには(例えばD10やD20等で「いいえ」と選択された場合)、S120で撮影対象となるパチンコ機100の機種の選択を待機する。このとき例えばD21に示す画面がディスプレイ14に表示される。携帯端末10は、S120において、機種が選択されたときには(YES)、当該機種の機種IDと撮影範囲(ヘソ、アタッカー、又はスルー)を含むガイド画像送信要求を画像処理装置50に送信し(121’)、ガイド画像の受信を待機する(S122’)。
【0088】
携帯端末10は、画像処理装置50からのガイド画像を受信すると、当該受信したガイド画像をディスプレイ14に表示する(S123’)。このガイド画像とは例えば図7に示したガイド枠30であり、判定対象がヘソ周辺であれば、ヘソの形状に応じたガイド画像が提示され、判定対象がアタッカー周辺であれば、アタッカーの形状に応じたガイド画像が提示され、判定対象がスルー周辺であれば、スルーの形状に応じたガイド画像が提示される。
【0089】
次いで携帯端末10は、ディスプレイ14にガイド画像を提示した状態で撮影の完了を待機する(S124’)。そして撮影が完了したときには(S124’でYES)、当該撮影画像、機種ID、撮影範囲(ヘソ、アタッカー、又はスルー)、及びマーカ無しを含む判定要求を画像処理装置5に送信し(S125’)、判定結果の受信を待機する(S126’)。携帯端末10は、画像処理装置50からの判定結果(ヘソ釘判定結果、アタッカー釘判定結果、又はスルー釘判定結果のいずれか)を受信すると(S126’でYES)、受信した判定結果をディスプレイ14に表示する(S127’)。その結果、例えばD26に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0090】
さらに携帯端末10は、重畳画像の受信を待機する(S128’)。携帯端末10は、画像処理装置50からの重畳画像(ヘソ周辺、アタッカー周辺、又はスルー周辺のいずれか)を受信すると(S128’でYES)、受信した重畳画像をディスプレイ14に表示する(S129’)。その結果、例えばD27に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0091】
次に図16を用いて画像処理装置50が行う処理について説明する。画像処理装置50は、携帯端末10から送信されてくるガイド画像要求の受信(S200)、判定要求の受信(S210)、及び総合判定要求の受信(S250)を待機している。画像処理装置50がガイド画像要求を受信すると(S200でYES)、受信した機種IDの機種について、指定された撮影範囲(ヘソ、アタッカー、又はスルー)のガイド画像を特定し、特定したガイド画像を携帯端末10に送信して、待機状態に戻る。
【0092】
また、画像処理装置50は、携帯端末10から送信されてくる判定要求を受信すると(S210でYES)、判定要求に含まれる情報に基づいてマーカの有無を判定する(S220)。S220で、マーカ有り(YES)と判定されたときには、受信した補正画像を、台ID及び判定要求の受信日時と対応づけて記憶する(S232)。次に画像処理装置50は、今回記憶した補正画像と、台IDから特定される機種の基準画像とを比較し(S233)、遊技釘102の調整状態を判定して(S234)、判定結果を携帯端末10に送信する(S235)。
【0093】
さらに画像処理装置50は、同一台IDの補正画像を記憶しているか否かを判定し(S236)、記憶している場合には(S236でYES)、最も新しい受信日時の補正画像(前回画像)と、今回記憶した補正画像との重畳画像を作成する(S119)。例えばD15に示すように、今回の釘位置と前回の釘位置が重畳表示される画像となる(例えば今回の釘位置を実線とし、前回の釘位置を点線とする)。画像処理装置50は、作成した重畳画像を携帯端末10に送信して(S238)、待機状態に戻る。
【0094】
画像処理装置50は、S220の判定でマーカ無し(NO)と判定したときには、S240で、受信した撮影画像から、所定箇所(例えばヘソ、アタッカー、又はスルー)の輪郭を抽出し、当該抽出した輪郭と基準画像における当該所定箇所の輪郭に基づいて、撮影された画像を正面視の画像に補正する(S241)。
【0095】
次いで、携帯端末10は、補正した画像を機種ID及び判定要求の受信日時と対応づけて記憶する(S242)。次に携帯端末10は、今回記憶した画像と、機種IDから特定される機種の基準画像とを比較し(S243)、遊技釘102の調整状態を判定して(S245)、判定結果を携帯端末10に送信する(S246)。
【0096】
さらに画像処理装置50は、同一機種IDの補正画像を記憶しているか否かを判定し(S247)、記憶している場合には(S247でYES)、最も新しい受信日時の補正画像(前回画像)と、今回記憶した補正画像との重畳画像を作成する(S248)。例えばD27に示すように、今回の釘位置と前回の釘位置が重畳表示される画像となる(例えば今回の釘位置を実線とし、前回の釘位置を点線とする)。画像処理装置50は、作成した重畳画像を携帯端末10に送信して(S249)、待機状態に戻る。一方、S247で記憶していない(NO)と判定されたときには、待機状態に戻る。
【0097】
[本発明の変形例]
最後に、本発明の変形例について説明する。
【0098】
上記の実施形態では、携帯端末10がカメラ付き携帯電話である例について説明したが、これに限らず、携帯端末10は被写体を撮影する機能と判定結果を表示する機能を有するものであれば良く、カメラ付きPDA、カメラ付きノートパソコン、いわゆるスマートフォン、又はデジタルカメラ等であっても良い。また遊技者が所持する携帯端末10には限られず、遊技釘の調整を行う作業者が所持する携帯端末10であっても良い。
【0099】
上記の実施形態では、携帯端末10の出力手段がディスプレイ14であり、判定結果として画像を表示する例について説明したが、これに限らず、該出力手段はスピーカで、判定結果を音声で出力するものであっても良い。
【0100】
上記の実施形態では、第1始動入賞球装置110の周囲にマーカが設けられ、特別可変入賞球装置120やゲート130の周囲にはマーカが設けられていない例について説明したが、これに限らず、特別可変入賞球装置120やゲート130の周囲にマーカを設けるようにしても良く、第1始動入賞球装置110の周囲にマーカを設けないようにしても良い。パチンコ機100に一切マーカが設けられていない場合にも本発明を適用することができる。
【0101】
上記の実施形態では、遊技釘の調整状態を判定する対象範囲が、第1始動入賞球装置110の周囲、特別可変入賞球装置120の周囲、及びゲート130の周囲である例について説明したが、これに限らず、風車周辺や他の入賞口等、遊技盤の任意の範囲を対象とすることができる。
【0102】
上記の第1実施形態では、携帯端末10が通信機能を有する例について説明したが、これに限らず、第1実施携帯における携帯端末10は通信機能を有しないものであっても良い。例えば、携帯端末用プログラム(基準画像を含む)を記憶している通信機能を有しない小型のモバイルコンピュータであっても良い。
【0103】
上記の第2実施形態では、撮影範囲にマーカが設けられていない場合に、携帯端末側で補正を行わず、画像処理装置側で補正を行う例について説明したが、これに限らず、撮影範囲にマーカが設けられていない場合に、携帯端末側で補正を行うようにしても良い。
【0104】
上記の第2実施形態の遊技用システム1において、さらに図17に示す処理を行うようにしても良い。画像処理装置50では、各遊技者(釘判定のプログラム利用者)を識別可能な情報(例えばログインID、アプリケーションID、メールアドレス等)毎に、台ID及び台毎の遊技釘の判定結果を記憶しておく。遊技者は遊技釘の判定を行ったパチンコ機100で遊技を行い、大当りとなったときに表示されるQRコードを携帯端末10により撮影して、当該遊技者を識別可能な情報と共に画像処理装置50に送信する。このQRコードには台IDの情報が含まれている。QRコードを受信した画像処理装置50では、当該遊技者に対する特典付与処理を行う。S900では、当該QRコードから特定される台IDの判定結果が5段階評価で2以下であるか否かを判定する。S900で判定結果が2以下であると判定されたときには(YES)、携帯端末10に対して、コンテンツA、B、Cの3つを配信するようにする(S901)。これらのコンテンツは、例えば待ち受け画像や着メロ等である。一方、S900で判定結果が2以下でない(普通以上)と判定されたときには(NO)、当該携帯端末10に対して、コンテンツAのみを配信するようにする(S902)。このように、本システムを利用して遊技を行った遊技者に対して特典を付与するようにしても良い。また、いわゆる調整が甘い台よりも、厳しい台で遊技を行った場合に得られる特典を優遇するようにしても良い。これによれば、遊技者の利用を促進し、興趣を向上させることができる。
【0105】
上記の実施形態では、マーカが全て遊技盤101上に設けられる例について説明したが、これに限らず、図18に示すように、マーカの一部又は全部を演出表示装置150に表示させるようにしても良い。マーカの表示は、例えばパチンコ機100の上皿に設けられている操作ボタンを遊技者が操作することにより行われるようにすると良い。これによれば、遊技盤101上にマーカを設けなくても良いため、遊技盤101のデザイン性を損ねることがない。
【符号の説明】
【0106】
1…遊技用システム(第2実施形態)
10…携帯端末
11…光学レンズ装置
12…CCD
13…信号処理部
14…ディスプレイ
16…制御部
50…画像処理装置(第2実施形態)
52…制御部
53…画像処理部
100…パチンコ機
101…遊技盤
102…遊技釘
110…第1始動入賞球装置(ヘソ)
120…特別可変入賞球装置(アタッカー)
130…ゲート(スルー)
201〜204…マーカ
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影手段と出力手段とを備える携帯端末と、該携帯端末で作動する携帯端末用プログラムと、該携帯端末と通信可能な遊技用管理装置と、該携帯端末と遊技用管理装置とを備える遊技用システムに係り、特に遊技釘が植設された遊技盤を携帯端末で撮影することにより、遊技釘の調整状態の判定結果が該携帯端末で出力されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1に示すように、遊技釘が植設された遊技盤を有する遊技機に対応して設けられるデータ表示装置において、釘調整に関する情報を表示することにより、作業者が迅速に釘調整を行うことができるようにしたものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2011−092409号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に示す発明は、作業者に対して釘調整に関する情報を提供するものであるが、遊技者に対して遊技釘の調整状態の判定結果を提供するものではない。ここで遊技者に対して遊技釘の調整状態の判定結果を提供するには、該遊技者が所持する携帯端末で遊技盤を撮影させて、該撮影画像と予め撮影された比較対象画像とを比較して遊技釘の調整状態を判定し、該判定結果を当該携帯端末で出力するのが簡便であるが、遊技者の撮影技量によっては正確に撮影できず、正確な判定ができない場合がある。
【0005】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、その目的は、遊技者が所持する携帯端末で遊技盤を撮影させて、遊技釘の調整状態の判定結果を当該携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができるような携帯端末と、該携帯端末で作動する携帯端末用プログラムと、該携帯端末と通信可能な遊技用管理装置と、該携帯端末と遊技用管理装置とを備える遊技用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採る。なお後述する発明を実施するための最良の形態の説明及び図面で使用した符号を参考のために括弧書きで付記するが、本発明の構成要素は該付記したものには限定されない。
【0007】
まず手段1に係る発明は、
撮影手段(光学レンズ装置11とCCD12)と出力手段(ディスプレイ4と表示回路15)とを有する携帯端末(10)であって、
遊技釘(102)が植設された遊技盤(101)を有する遊技機(100)の、当該遊技盤上の特定範囲(ヘソ周辺,アタッカー周辺,スルー周辺)を特定するために該遊技盤上に設けられた特定情報(マーカ201〜204,又はヘソ110,アタッカー120,スルー130)を含む画像を、前記撮影手段により撮影したことに基づいて、該撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する補正処理(S112又はS124)を行う補正手段(制御部16)と、
予め撮影され前記特定範囲を示す比較対象画像と前記補正処理による補正画像とを比較する比較処理(S115又はS126)を行う比較手段(制御部16)と、
該比較処理による比較結果に基づいて、前記遊技釘の調整状態を判定する判定処理(S116又はS127)を行う判定手段(制御部16)と、をさらに有し、
前記出力手段は、該判定処理による判定結果を出力する(S117又はS128)ことを特徴とする携帯端末である。
【0008】
また手段2に係る発明は、
手段1に記載した携帯端末であって、
前記撮影手段により前記遊技盤の画像を撮影したことに基づいて、該撮影した画像から画像認識により前記特定情報を抽出する特定情報抽出処理(S123)を行う特定情報抽出手段(制御部16)をさらに有し、
前記補正手段は、該特定情報抽出処理により抽出した特定情報に基づいて、前記撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する(S124)ことを特徴とする携帯端末である。
【0009】
また手段3に係る発明は、
手段1に記載した携帯端末であって、
前記特定情報は、遊技盤上に設けられた複数のマーカ(201〜204)であり、
前記補正手段は、該複数のマーカを含む画像を前記撮影手段により撮影したことに基づいて、前記撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する(S112)ことを特徴とする携帯端末である。
【0010】
また手段4に係る発明は、
手段1〜3のいずれか1つに記載した携帯端末であって、
前記比較手段は、前記遊技機の機種毎に設定された前記比較対象画像(S113で認識された機種,又はS120で選択された機種の基準画像)を用いて前記比較処理を行うことを特徴とする携帯端末である。
【0011】
また手段5に係る発明は、
手段1〜4のいずれか1つに記載した携帯端末であって、
前記補正画像を記憶する記憶手段(画像記憶部19)をさらに有し、
前記比較手段は、該記憶手段で記憶している補正画像を前記比較対象画像として用いて前記比較処理(S119,S130)を行うことを特徴とする携帯端末である。
【0012】
また手段6に係る発明は、
前記比較手段は、複数箇所の前記特定範囲を対象とした前記比較対象画像及び前記補正画像に基づいて、該複数箇所の前記比較処理(S41〜S43)を行い、
前記判定手段は、該複数箇所の比較処理による比較結果に基づいて、前記判定処理(S44)を行うことを特徴とする携帯端末である。
【0013】
また手段7に係る発明は、
撮影手段(光学レンズ装置11とCCD12)と出力手段(ディスプレイ4と表示回路15)とを有する携帯端末(10)で作動する携帯端末用プログラム(図10,図11)であって、
遊技釘(102)が植設された遊技盤(101)を有する遊技機(100)の、当該遊技盤上の特定範囲(ヘソ周辺,アタッカー周辺,スルー周辺)を特定するために該遊技盤上に設けられた特定情報(マーカ201〜204,又はヘソ110,アタッカー120,スルー130)を含む画像を、前記撮影手段により撮影したことに基づいて、該撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する補正処理(S112又はS124)と、
予め撮影され前記特定範囲を示す比較対象画像と前記補正処理による補正画像とを比較する比較処理(S115又はS126)と、
該比較処理による比較結果に基づいて、前記遊技釘の調整状態を判定する判定処理(S116又はS127)と、
該判定処理による判定結果を前記出力手段により出力する出力処理(S117又はS128)と、を行うことを特徴とする携帯端末用プログラムである。
【0014】
また手段8に係る発明は、
撮影手段(光学レンズ装置11とCCD12)と出力手段(ディスプレイ4と表示回路15)とを有する携帯端末(10)と、該携帯端末と通信可能な遊技用管理装置(画像処理装置50)と、を備える遊技用システム(1)であって、
前記携帯端末は、
遊技釘(102)が植設された遊技盤(101)を有する遊技機(100)の、当該遊技盤上の特定範囲(ヘソ周辺,アタッカー周辺,スルー周辺)を特定するために該遊技盤上に設けられた特定情報(マーカ201〜204,又はヘソ110,アタッカー120,スルー130)を含む画像を、前記撮影手段により撮影したこと(S301)に基づいて、該撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する補正手段(S302の処理を行う制御部16)をさらに有し、
該補正手段による補正画像を前記遊技用管理装置に対して送信し(S303)、
前記遊技用管理装置は、
予め撮影され前記特定範囲を示す比較対象画像と前記送受信手段から送信されてきた補正画像とを比較する比較手段(S304の処理を行う制御部52)と、
該比較手段による比較結果に基づいて、前記遊技釘の調整状態を判定する判定手段(S304の処理を行う制御部52)と、をさらに有し、
前記携帯端末は、該判定手段による判定結果を受信して(S305)、該受信した判定結果を前記出力手段により出力することを特徴とする遊技用システムである。
【0015】
さらに手段9に係る発明は、
撮影手段(光学レンズ装置11とCCD12)と出力手段(ディスプレイ4と表示回路15)とを有する携帯端末(10)と通信可能な遊技用管理装置(画像処理装置50)であって、
遊技釘(102)が植設された遊技盤(101)を有する遊技機(100)の、当該遊技盤上の特定範囲(ヘソ周辺,アタッカー周辺,スルー周辺)を特定するために該遊技盤上に設けられた特定情報(マーカ201〜204,又はヘソ110,アタッカー120,スルー130)を含み、前記撮影手段により撮影された撮影画像を前記携帯端末から受信して(S314)、該受信した撮影画像を略正面視の補正画像に補正したこと(S315)、又は、前記撮影画像が前記携帯端末で略正面視に補正された補正画像を受信したこと(S303)に基づいて、予め撮影され前記特定範囲を示す比較対象画像と当該補正画像とを比較する比較手段(S316又はS304の処理を行う制御部52)と、
該比較手段による比較結果に基づいて、前記遊技釘の調整状態を判定する判定手段(S316又はS304の処理を行う制御部52)と、
該判定手段による判定結果を前記出力手段で出力させるために前記携帯端末に対して送信する送信手段(S317又はS305の処理を行う制御部52及び通信部51)と、をさらに有することを特徴とする遊技用管理装置である。
【発明の効果】
【0016】
まず手段1に係る発明によれば、撮影した画像を略正面視の補正画像に補正して、比較対象画像と比較し、遊技釘の調整状態を判定して、判定結果を出力するので、遊技釘の調整状態の判定結果を携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができる。
【0017】
また手段2に係る発明によれば、遊技盤上にマーカを設けなくて良いので、遊技盤のデザイン性を損なわずに済む。
【0018】
また手段3に係る発明によれば、遊技盤上に設けられたマーカが撮影の目安になるので、撮影しやすくなる。
【0019】
また手段4に係る発明によれば、遊技者に継続的に利用させることで、興趣を向上できる。
【0020】
また手段5に係る発明によれば、過去に撮影した画像と今回撮影した画像とを比較するので、遊技者の興趣を向上できる。
【0021】
また手段6に係る発明によれば、複数箇所の比較結果に基づいて判定処理を行うので、遊技者が遊技釘の調整状態の良し悪しを総合的に判断できる。
【0022】
また手段7に係る発明によれば、撮影した画像を略正面視の補正画像に補正して、比較対象画像と比較し、遊技釘の調整状態を判定して、判定結果を出力するので、遊技釘の調整状態の判定結果を携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができる。
【0023】
また手段8に係る発明によれば、携帯端末において、撮影した画像を略正面視の補正画像に補正して、遊技用管理装置において、該補正画像と比較対象画像とを比較し、遊技釘の調整状態を判定して、携帯端末において、判定結果を出力するので、遊技釘の調整状態の判定結果を携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができると共に、比較及び判定を遊技用管理装置で行うので、携帯端末用プログラムのデータ量や携帯端末の処理負担を低減できる。
【0024】
さらに手段9に係る発明によれば、携帯端末で撮影した画像を略正面視に補正した補正画像と比較対象画像とを比較し、遊技釘の調整状態を判定して、判定結果を携帯端末に送信するので、遊技釘の調整状態の判定結果を携帯端末で出力するにあたり、遊技者の撮影技量によらずに正確な判定結果を出力することができると共に、比較及び判定を遊技用管理装置で行うので、携帯端末用プログラムのデータ量や携帯端末の処理負担を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は携帯端末のディスプレイに遊技釘の調整状態を表示させる例を表す図である。
【図2】図2は遊技盤の一例を表す正面図である。
【図3】図3は携帯端末の一例を表す機能ブロック図である。
【図4】図4は第1実施形態における携帯端末及び第2実施形態における画像処理サーバに記憶される基準画像の一例を表す図であり、(a)は第1始動入賞球装置(ヘソ)周辺、(b)は特別可変入賞球装置(アタッカー)周辺、(c)はゲート(スルー)周辺の基準画像である。
【図5】図5は携帯端末用プログラム実行時に携帯端末のディスプレイに表示される初期画面の一例を表す図である。
【図6】図6は携帯端末のディスプレイに第1始動入賞球装置(ヘソ)周辺の遊技釘の判定結果を表示させる例を表す図である。
【図7】図7は携帯端末のディスプレイに特別可変入賞球装置(アタッカー)周辺の遊技釘の判定結果を表示させる例を表す図である。
【図8】図8は携帯端末のディスプレイに特別可変入賞球装置(アタッカー)周辺の遊技釘の判定結果を表示させる例を表す図である。
【図9】図9は携帯端末のディスプレイに遊技釘の総合判定結果を表示させる例を表す図である。
【図10】図10は第1実施形態における携帯端末で実行される処理の一例を表すフローチャートである。
【図11】図11は第1実施形態における携帯端末で実行される釘判定処理の一例を表すフローチャートである。
【図12】図12は第2実施形態に係る遊技用システムの構成例を示す図である。
【図13】図13は第2実施形態に係る携帯端末と画像処理装置との間で行われる処理の一例を示す図である。
【図14】図14は第2実施形態に係る携帯端末で実行される処理の一例を示す図である。
【図15】図15は第2実施形態における携帯端末で実行される釘評価取得処理の一例を表すフローチャートである。
【図16】図16は第2実施形態に係る画像処理装置で実行される処理の一例を示す図である。
【図17】図17は大当り発生時の特典付与処理の一例を表す図である。
【図18】図18は変形例に係る遊技盤の一例を表す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下においては、ステップを「S」と略記する。
【0027】
本発明は、図1に示すように、遊技釘102が植設された遊技盤101を有する遊技機であるパチンコ機100において、遊技盤101上の特定範囲(第1始動入賞球装置周辺、特別可変入賞球装置、ゲート)を特定するために、遊技盤上に設けられた特定情報(マーカ又は特別可変入賞球装置若しくはゲートの輪郭)を含む画像を、携帯端末10の撮影手段により撮影することで、当該携帯端末10のディスプレイ14に、遊技釘102の調整状態の判定結果を表示することを特徴とするものである。
【0028】
ここで本実施形態には、撮影した画像を当該携帯端末10において基準画像や前回画像と比較して判定結果を表示する第1実施形態に係る携帯端末10及び当該携帯端末10で実行される携帯端末用プログラムと、図12に示すように、撮影した画像を通信回線2を介して接続される画像処理装置50に送信し、画像処理装置50側で受信した画像を基準画像や前回画像と比較し、携帯端末10が画像処理装置50から判定結果を受信して表示する第2実施形態に係る遊技用システム1及び当該遊技用システム1を構成する画像処理装置50が含まれる。以下では、まず第1実施形態に係る携帯端末10及び携帯端末用プログラムに関して説明し、次に第2実施形態に係る遊技用システム1及び画像処理装置50に関して、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0029】
[1.第1実施形態に係る携帯端末10及び携帯端末用プログラム]
(パチンコ機)
図2は、本実施形態における遊技機であるパチンコ機100の遊技盤101の正面図である。遊技盤101は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。この遊技盤101には、多数の遊技釘102が植設されており、遊技盤101に打ち込まれた遊技球が、遊技釘102に衝突したり、遊技釘102によって所定方向に誘導されたりしながら流下する。遊技盤101には、第1始動入賞球装置110、特別可変入賞球装置120、ゲート130、可変入賞球装置140、及び演出表示装置150等が設けられている。遊技者は、遊技媒体である遊技球を発射装置によって発射し、遊技盤101に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると(入賞領域を遊技球が通過すると)、所定個の賞球が遊技者に払い出される。
【0030】
遊技盤101の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置150が設けられている。演出表示装置150の表示画面には、演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。演出図柄の可変表示は、遊技球が第1始動入賞口110aまたは第2始動入賞口140aに入賞したことを条件に開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。
【0031】
演出表示装置150に、あらかじめ定められた特定の表示態様(例えば「777」)が導出表示された場合に、「大当り(特定遊技状態)」が発生する。なお、導出表示とは、図柄を停止表示させることである。大当りが発生すると、例えば、大入賞口120aが所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口120aへの入賞があると大入賞口120aは閉成する。そして、大入賞口120aの開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口120aは閉成する。
【0032】
大入賞口120aの開放及び閉成は、特別可変入賞球装置120によって制御される。特別可変入賞球装置120は開閉板を備え、ソレノイド(図示せず)によって開閉板を開放状態又は閉成状態に制御することによって、入賞領域となる大入賞口120aを開放状態又は閉成状態とする。
【0033】
演出表示装置150の下方には、第1始動入賞口110aを有する第1始動入賞球装置110が設けられている。また、第1始動入賞球装置110の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口140aを有する可変入賞球装置140が設けられている。可変入賞球装置140は、ソレノイド(図示せず)によって開状態とされる。可変入賞球装置140が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口140aに入賞可能になり、遊技者にとって有利な状態になる。
【0034】
演出表示装置150の右下方には、普通図柄表示器135が設けられている。普通図柄表示器135は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。遊技球が演出表示装置150右側方のゲート130を通過しゲートスイッチ(図示せず)で検出されると、普通図柄表示器135の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器135における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置140が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置140の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口140aに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
【0035】
ここで、第1始動入賞口110aや大入賞口120a周辺の釘102の調整状態は、当該入賞口へ遊技球が入賞する頻度に大きく影響する。また、ゲート130周辺の遊技釘102の調整状態は、当該ゲート130を遊技球が通過する頻度に大きく影響する。従って、通常遊技者は、これら各部の遊技釘102の調整状態を確認した上で有利な台を選択する。しかしながら、熟練した遊技者ではない者が遊技釘102を見て有利不利を判断することが困難な場合もある。本実施形態にける携帯端末10は、遊技釘の調整状態に関する判定結果を遊技者に提示し、初心者等の非熟練者であっても遊技釘101の調整状態に関する情報を把握可能としたものである。
【0036】
ここで本実施形態におけるパチンコ機10では、図2に示すように、第1始動入賞球装置110を囲むように、遊技盤101の盤面にマーカ201〜204を設けている。マーカ201〜204は、当該マーカ201〜204によって囲まれた遊技盤101上の所定領域を特定可能とするためのものであり、後述する携帯端末10によって撮影された画像中で当該所定領域を特定可能とする役割を果たしている。本例においてこの所定領域には、第1始動入賞装置110及びその上方の遊技釘102が含まれている。この所定領域に含まれる遊技釘102は、第1始動入賞装置110への遊技球の入賞頻度に影響する釘である。また、本例においては、右上に位置するマーカ201と左上に位置するマーカ204との間に、当該パチンコ機10の機種及び個体を識別可能な台IDが付されている。これにより撮影された画像から当該パチンコ機10の機種及び個体を識別可能である。
【0037】
なお、本実施形態において、マーカが設けられているのは、第1始動入賞装置110の周囲のみであり、他の部位には設けられていないものとする。
【0038】
(携帯端末10)
次に本実施形態に係る携帯端末10について、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態における携帯端末10の機能ブロック図である。携帯端末10は、例えば、被写体を撮影可能なカメラ付き携帯電話である。制御部16はCPU及びメモリ(RAM)を備え、データバス20を介して接続された各部の制御を行う。制御部16はデータバス20を介してプログラム記憶部17と接続されている。このプログラム記憶部17には、制御部16によって実行される各種プログラムが記憶されており、本実施形態に係る携帯端末用プログラムも記憶されている。また、制御部16はデータバス20を介して画像記憶部19と接続されている。本実施形態に係る画像記憶部19には、携帯端末10によって撮影された画像が記憶されるほか、パチンコ機100の機種毎に、図4に示す各部位周辺(ヘソ周辺、アタッカー周辺、スルー周辺)の基準画像が記憶されている。これらの基準画像に関しては後述する。なお、プログラム記憶部17や画像記憶部19は、フラッシュROM等の書き換え可能な不揮発性メモリにより構成されている。
【0039】
光学レンズ装置11は、被写体の光学像を集光するためのレンズ等で構成されており、CCD12は集光された光学像をデジタル化して取り込むためのイメージセンサである。信号処理部13はCCD12から順次出力されてくる画像信号にゲイン調整等の所定のアナログ処理を施した後にデジタル化(A/D)し、デジタル化したデータに対し、制御部16からの指令に従って所定の画像処理を行って画像データを生成する。信号処理部13にて生成された画像データは、制御部16のメモリに順次書き込まれ、更新される。なお、CCD12は、制御部16に接続されているタイミングジェネレータ(図示せず)からタイミング信号が入力されている。このタイミング信号(クロックパルス)により、電子シャッタのシャッタ速度が決定される。
【0040】
ここで、撮影中の映像をディスプレイ14に表示させる場合には、制御部16がメモリの内容(画像データ)を順次読み出して表示回路15に送り、表示回路15において表示用の信号形式に変換した後、ディスプレイ14に供給する。これにより、ディスプレイ14にはCCD12が捉えているリアルタイム映像(スルー画像)が表示され、撮影者はディスプレイ14に映し出される映像によって構図を確認できる。
【0041】
操作部18は、携帯端末10による撮影の際に行われる操作等の各種操作が行われたときに、その操作信号をデータバス20を介して制御部16に出力する。この操作部18の撮影ボタンが押されると、制御部16はこれを検知して、CCD12に対して解像度の高い画像を読み込むように指令を行い、これに基づいて出力された高解像度の画像データをメモリ内に一時記憶する。さらに、制御部16は一時記憶した画像データを画像圧縮部22に送り、画像圧縮部22において所定の圧縮フォーマットに従って圧縮された画像データは、画像記憶部17に記憶される。
【0042】
送受信部19は、制御部15からの指令に従って画像記憶部17に記憶している画像データ等の各種データをD/A変換し、変調、増幅してアンテナから送信する。また、他の通信機器から送信された画像データ等の各種データを受信して復調し、A/D変換して画像記憶部17にて記憶可能な形式とする。この送受信部19によって通信回線に接続される他の通信機器との通信が可能となる。なお、図示しないが、携帯端末10にはマイクやスピーカを含む音声処理部も設けられており、通話も可能となっている。
【0043】
次に図4を用いて、携帯端末10に記憶されている基準画像について説明する。携帯端末10は、図4(a)に示すような、第1始動入賞球装置110上方に位置する遊技釘102の標準的な調整状態を示す基準画像、同(b)に示すような、特別可変入賞球装置120上方に位置する遊技釘102の標準的な調整状態を示す基準画像、及び同(c)に示すような、ゲート130上方に位置する遊技釘102の標準的な調整状態を示す基準画像を記憶している。なお、図中の矢印は便宜上付したものである。
【0044】
ここで、第1始動入賞球装置110は通称「ヘソ」と呼称される場合があり、特別可変入賞球装置120は通称「アタッカー」と呼称される場合があり、ゲート130は通称「スルー」と呼称される場合がある。以下の説明では、これらの通称を用いるものとする。
【0045】
画像記憶部19には、各機種毎にヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の基準画像が記憶されている。これらの各基準画像は、予め遊技釘102を標準的な調整状態として撮影されたものであり、遊技者は携帯端末10で所定のサイトにアクセスすることで、所望の機種の基準画像をダウンロードし、画像記憶部19に記憶させておくことができるものとする。ここでヘソ周辺の基準画像は、撮影した画像中のマーカによって囲まれた領域のみを所定サイズの正面視の画像に補正したものである。また、本実施形態の遊技盤101においては、アタッカー周辺及びスルー周辺にはマーカが設けられていない。そのため、アタッカー周辺の基準画像はアタッカー及びその上方の遊技釘102を含む所定領域の略正面視の画像であり、スルー周辺の基準画像はスルー及びその上方の遊技釘102を含む所定領域の略正面視の画像であるものとする。
【0046】
図4(a)に示されるヘソ周辺の基準画像を用いて、遊技釘102の調整方法及び判定方法について説明する。遊技球がヘソに入賞する頻度を高めるためには、通常、(1)遊技釘102aを上に調整する、(2)遊技釘102bを左上に調整する、及び(3)遊技釘102cを右上に調整する、のうち1以上の調整が行われる。従って、遊技釘102の調整状態を判定するためには、遊技者が撮影した画像中の遊技釘102a〜102cが、基準画像と比較して矢印の方向(即ちプラス調整の方向)に寄っているか又は矢印と反対の方向(即ちマイナス調整の方向)に寄っているか判定すると良い。
【0047】
次に、図4(b)に示されるアタッカー周辺の基準画像を用いて、遊技釘102の調整方法及び判定方法について説明する。遊技球がアタッカーに入賞する頻度を高めるためには、通常、(1)遊技釘102dを上に調整する、(2)遊技釘102eを右上に調整する、及び(3)遊技釘102fを右上に調整する、のうち1以上の調整が行われる。従って、遊技釘102の調整状態を判定するためには、遊技者が撮影した画像中の遊技釘102d〜102fが、基準画像と比較して矢印の方向(即ちプラス調整の方向)に寄っているか又は矢印と反対の方向(即ちマイナス調整の方向)に寄っているか判定すると良い。
【0048】
次に、図4(c)に示されるスルー周辺の基準画像を用いて、遊技釘102の調整方法について説明する。遊技球がスルーを通過する頻度を高めるためには、通常、(1)遊技釘102gを左下に調整する、(2)遊技釘102hを右上に調整する、(3)遊技釘102iを左上に調整する、及び(4)遊技釘102jを右上に調整する、のうち1以上の調整が行われる。従って、遊技釘102の調整状態を判定するためには、遊技者が撮影した画像中の遊技釘102g〜102jが、基準画像と比較して矢印の方向(即ちプラス調整の方向)に寄っているか又は矢印と反対の方向(即ちマイナス調整の方向)に寄っているか判定すると良い。
【0049】
これら各部位についての判定結果の提示方法としては、例えばプラス調整となっている釘数及びマイナス調整となっている釘数に基づいて、5段階の評価を行うと良い(良(5),やや良(4),普通(3),やや悪(2),悪(1))。例えば、遊技者がヘソ周辺を撮影した画像と基準画像を比較して、遊技釘102a、102b、及び102cの全てがプラス調整であれば「良(5)」という判定結果を提示する。また、ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の総合判定を行うときは、これら各部位の判定結果の平均値([ヘソ周辺の評価+アタッカー周辺の評価+スルー周辺の評価]/3)を提示するようにする。
【0050】
(携帯端末10の作用)
次に携帯端末10の作用について、図5〜図9を用いて説明する。携帯端末10が記憶している携帯端末用プログラムを実行すると、図5に示す初期画面D00がディスプレイ14に表示される。このD00の初期画面は、いずれの部位の遊技釘102について判定を行うのかを遊技者が選択するための画面になっていて、「ヘソ周辺」、「アタッカー周辺」、「スルー周辺」、及び「総合」のいずれかを選択可能である。「総合」が選択されたときには、ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の全ての判定を行う。
【0051】
D00の初期画面で「総合」を選択したときは、図6に示すように、ヘソ周辺の判定が最初に行われる。ヘソ周辺の判定においては、まずD10に示すように、「ヘソ周辺にマーカのある機種ですか?」の問いに対して、「はい」又は「いいえ」を選択する画面がディスプレイ14に表示される。本例では遊技盤101のヘソ周囲にマーカが設けられているため、「はい」を選択したものとする。これに伴い、D11に示すようにディスプレイ14には「4つのマーカが画面に収まるように撮影して下さい。」との留意点が表示された後、スルー画像が表示される。遊技者は、D12に示すように、遊技盤101に設けられたマーカ4つが全てディスプレイ14の画面内に収まるように携帯端末10を調整し、操作部18の撮影ボタンが押すことで、当該マーカ4つに囲まれた領域を含む画像が撮影される。
【0052】
但し、このようにして撮影された画像は、通常、正面視の画像ではなく、基準画像とは異なる角度で撮影されたものである。本実施形態では、撮影された画像から4つのマーカ201〜204のパターンを認識し、各マーカの座標を特定する。そして、これら4つのマーカによって囲まれる画像領域を、射影変換等によって正面視の画像とし、さらに基準画像のサイズに合致させる補正を行う。これによりD13に示すようにマーカで囲まれる領域について、基準画像と同サイズの補正画像を得ることができる。本例では、撮影画像と基準画像との対応点(4角)をマーカによって特定可能としており、基準画像によって示される遊技盤101上の領域と、補正画像によって示される遊技盤101上の領域は共通している。従って、補正画像における遊技釘102a〜102cが、基準画像における遊技釘102a〜102cと比較して、プラス調整となっているかマイナス調整となっているかを判定することができる。
【0053】
ここでマーカ201と204の間に付された台IDも撮影されることで、補正後の画像を対象とした文字認識によって、撮影対象となったパチンコ機100の機種及び個体を特定可能である。携帯端末10は、特定した機種のパチンコ機100に関するヘソ周辺の基準画像を特定して、当該特定した基準画像と前記補正画像を比較し、遊技釘102a〜102cの調整状態を判定する。本例では、遊技釘102a〜102cの全てがプラス調整となっているため、D14に示すように判定結果は良(5段階評価の5)とディスプレイ14に提示される。このように、パチンコ機100の入賞口等とその周辺の遊技釘102を含む所定領域を形成するマーカを設けておくことで、撮影画像と基準画像との対応点が明確になり、所定領域同士を同一サイズの正面視の画像で比較することが可能になる。これにより、遊技者は撮影技量によらず正確な判定結果を得ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。このようにして得られた補正画像及び判定結果は、撮影日時及び台IDに対応づけて画像記憶部19に記憶される。
【0054】
また本実施形態において、携帯端末10は、今回記憶した補正画像の台IDと同一の補正画像が既に記憶されていた場合には、このうち最も撮影日時の新しいものと、今回記憶した補正画像とを重畳して表示する(D15)。D15の例では、今回記憶した補正画像の遊技釘102は実線で表示され、前回記憶した補正画像の遊技釘102は点線で表示されている。これにより、遊技者が前回遊技したパチンコ機100と同一の台で遊技を行う場合に、遊技釘102a〜102cがどのように調整されたのかを一見して把握することができる。
【0055】
ヘソ周辺の判定が終了すると、次に携帯端末10は、図7及び図8に示すアタッカー周辺の判定を行う。アタッカー周辺の判定においては、まずD20に示すように、「アタッカー周辺にマーカのある機種ですか?」の問いに対して、「はい」又は「いいえ」を選択する画面がディスプレイ14に表示される。本例では遊技盤101のアタッカー周辺にマーカが設けられていないため、「いいえ」を選択したものとする。これに伴い、D21に示すようにディスプレイ14にはアタッカー周辺の判定を行うパチンコ機10の機種を選択するための画面が表示される。
【0056】
D21の画面で遊技者が判定を行う機種を選択すると、携帯端末10は、D22に示すようにディスプレイ14には「ガイド枠にアタッカーの形状が収まるように撮影して下さい。」との留意点が表示された後、D23に示すように表示中のスルー画像にアタッカーのガイド枠30を併せて表示する。ここで表示されるガイド枠30は、基準画像におけるアタッカーの位置及び範囲を示すものである。本例ではアタッカーの輪郭(横長の長方形)に基づくガイド枠30が表示されているが、アタッカーの位置及び範囲を示すものであれば輪郭に基づく態様でなくとも良い。
【0057】
遊技者は、D23及び図8のD24に示すように、このガイド枠30にスルー画像中のアタッカーの輪郭が収まるように調整した状態で撮影する。携帯端末10は撮影された画像について、ガイド枠30内でエッジ検出を行い、対応点となる座標(例えばアタッカーの4角の座標)を特定する。さらに、撮影画像における対応点の座標と基準画像における対応点の座標に基づいて、撮影画像を射影変換等によって正面視の画像とし、基準画像のサイズに合致させる補正を行う。その結果、D25に示すような補正画像が得られる。この補正画像におけるアタッカーの位置及び輪郭は、基準画像におけるアタッカーの位置及び輪郭に合致する。従って、補正画像における遊技釘102d〜102fが、基準画像における遊技釘102d〜102fと比較して、プラス調整となっているかマイナス調整となっているかを判定することができる。
【0058】
ここで撮影対象となったパチンコ機100の機種が選択されているため(D21)、携帯端末10は、特定した機種のパチンコ機100に関するアタッカー周辺の基準画像を特定して、当該特定した基準画像と前記補正画像を比較し、遊技釘102d〜102fの調整状態を判定する。本例では、遊技釘102d〜102fの全てがマイナス調整となっているため、D26に示すように判定結果は悪(5段階評価の1)とディスプレイ14に提示される。このように、遊技釘102の調整状態を判定したい領域にマーカが設けられていない場合でも、アタッカーの輪郭等に基づいた画像処理を行い、遊技釘102の調整状態を判定することができる。このようにして得られた補正画像及び判定結果は、撮影日時及び当該機種を識別可能な機種IDに対応づけて画像記憶部19に記憶される。
【0059】
なお、仮に撮影時に前述したガイド枠30を提示しない場合、遊技者はどのような角度、距離で撮影を行えば良いかが分からない。また、遊技盤上には凹凸や不連続点が多く存在するため、アタッカーのエッジ検出等が困難になるケースや処理時間がかかるという問題がある。本実施形態では、ガイド枠30をスルー画像に表示することで、遊技者に撮影条件を示唆し、また、ガイド枠内でアタッカーのエッジ検出を行うことで画像処理を容易化し、処理時間を短縮している。
【0060】
また本実施形態において、携帯端末10は、今回記憶した補正画像の機種IDと同一の補正画像が既に記憶されていた場合には、このうち最も撮影日時の新しいものと、今回記憶した補正画像とを重畳して表示する(D27)。D27の例では、今回記憶した補正画像の遊技釘102は実線で表示され、前回記憶した補正画像の遊技釘102は点線で表示されている。これにより、遊技者が前回遊技したパチンコ機100と同一の機種で遊技を行う場合に、遊技釘102d〜102fがどのように調整されたのかを一見して把握することができる。
【0061】
アタッカー周辺の判定が終了すると、次に携帯端末10は、スルー周辺の判定を行う。スルー周辺の判定方法は、アタッカー周辺と同様であるため説明を省略する。ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の全ての判定が終了すると、携帯端末10のディスプレイ14には、図9のD30に示すように総合評価が表示される。本例では、ヘソ周辺の判定結果が良(5)、アタッカー周辺の判定結果が悪(1)、スルー周辺の判定結果が普通(3)であるため、これらの平均である普通(3)が評価結果として提示される。これによって、遊技者は遊技釘102の調整状態を総合的に判断することができる。また、本例では個別の判定結果も併せて表示するため、「ヘソは入賞し易いがアタッカーは入賞し難い」というように遊技者は評価結果を台選びの参考にすることができる。
【0062】
(携帯端末用プログラムが行う処理)
次に本実施形態に係る携帯端末用プログラムにおいて行われる処理について図10及び図11を用いて説明する。携帯端末用プログラムが実行されてD00の初期画面が表示されると、携帯端末10は、「ヘソ周辺」の選択操作(S10)、「アタッカー周辺」の選択操作(S20)、「スルー周辺」の選択操作(S30)、及び「総合」の選択操作(S40)を待機する。D00の初期画面で「ヘソ周辺」が選択されると(S10でYES)、S11でヘソ周辺の釘判定処理を行う。また、D00の初期画面で「アタッカー周辺」が選択されると(S20でYES)、S21でアタッカー周辺の釘判定処理を行う。また、D00の初期画面で「スルー周辺」が選択されると(S30でYES)、S31でスルー周辺の釘判定処理を行う。さらに、D00の初期画面で「総合」が選択されると(S40でYES)、S41でヘソ周辺の釘判定処理を行い、S42でアタッカー周辺の釘判定処理を行い、S43でスルー周辺の釘判定処理を行った後、S44で総合判定結果(例えばヘソ、アタッカー、及びスルーの平均値)を算出し、S45で総合判定結果(例えばD30の画面)をディスプレイ14に表示する。
【0063】
次に図11を用いてヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の釘判定処理について説明する。ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の釘判定処理のいずれにおいても同様の処理が行われる。携帯端末10は、撮影対象(判定対象)となる範囲の周辺にマーカが付されているか否かを判定し、マーカが付されている(YES)と判定されたときには(例えばD10やD20等で「はい」と選択された場合)、S110で撮影の完了を待機する。そして撮影が完了したときには(S110でYES)、撮影された画像中のマーカを認識し(S111)、認識したマーカに基づいて撮影画像を正面視の画像に補正する(S112)。その結果、例えばD13に示すような補正画像が取得される。
【0064】
次いで、携帯端末10は、マーカで囲まれた画像領域から台IDを認識し(S113)、補正した画像を台ID及び撮影日時と対応づけて記憶する(S114)。次に携帯端末10は、今回記憶した画像と、台IDから特定される機種の基準画像とを比較し(S115)、遊技釘102の調整状態を判定して(S116)、判定結果をディスプレイ14に表示する(S117)。その結果、例えばD14に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0065】
さらに携帯端末10は、同一台IDの補正画像を記憶しているか否かを判定し(S118)、記憶している場合には(S118でYES)、最も新しい撮影日時の補正画像(前回画像)と、今回記憶した補正画像とを重畳表示する(S119)。その結果、例えばD15に示すように、今回の釘位置と前回の釘位置が重畳表示され(例えば今回の釘位置を実線で表示し、前回の釘位置を点線で表示する)、前回同じ台で遊技した時からの釘の調整方向及び調整幅を容易に把握することが可能となる。携帯端末10はS119の処理が終了すると、釘判定処理を終了して図10に示した待機処理に戻る。一方、S118で記憶していない(NO)と判定されたときには、後述するS129にすすむ。
【0066】
携帯端末10は、S100の判定でマーカが付されていない(NO)と判定したときには(例えばD10やD20等で「いいえ」と選択された場合)、S120で撮影対象となるパチンコ機100の機種の選択を待機する。このとき例えばD21に示す画面がディスプレイ14に表示される。携帯端末10は、S120において、機種が選択されたときには(YES)、当該選択された機種に応じたガイド画像をディスプレイ14に表示する(S121)。このガイド画像とは例えば図7に示したガイド枠30であり、判定対象がヘソ周辺であれば、ヘソの形状に応じたガイド画像が提示され、判定対象がアタッカー周辺であれば、アタッカーの形状に応じたガイド画像が提示され、判定対象がスルー周辺であれば、スルーの形状に応じたガイド画像が提示される。
【0067】
次いで携帯端末10は、ディスプレイ14にガイド画像を提示した状態で撮影の完了を待機する(S122)。そして撮影が完了したときには(S122でYES)、撮影された画像から、所定箇所(例えばヘソ、アタッカー、又はスルー)の輪郭を抽出し(S123)、当該抽出した輪郭と基準画像における当該所定箇所の輪郭に基づいて、撮影された画像を正面視の画像に補正する(S124)。その結果、例えばD25に示すような補正画像が取得される。
【0068】
次いで、携帯端末10は、補正した画像を機種ID及び撮影日時と対応づけて記憶する(S125)。なお機種IDは、S120で選択された機種に相当するものである。次に携帯端末10は、今回記憶した画像と、機種IDから特定される機種の基準画像とを比較し(S126)、遊技釘102の調整状態を判定して(S127)、判定結果をディスプレイ14に表示する(S128)。その結果、例えばD26に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0069】
さらに携帯端末10は、同一機種IDの補正画像を記憶しているか否かを判定し(S129)、記憶している場合には(S129でYES)、最も新しい撮影日時の補正画像(前回画像)と、今回記憶した補正画像とを重畳表示する(S130)。その結果、例えばD27に示すように、今回の釘位置と前回の釘位置が重畳表示され(例えば今回の釘位置を実線で表示し、前回の釘位置を点線で表示する)、前回同じ機種の台で遊技した時との調整状態の相違を容易に把握することが可能となる。携帯端末10はS130の処理が終了したときには、釘判定処理を終了して図10に示した待機処理に戻る。一方、S129で記憶していない(NO)と判定されたときには、釘判定処理を終了する。
【0070】
[2.第2実施形態に係る遊技用システム1及び画像処理装置50]
次に第2実施形態に係る遊技用システム1及び画像処理装置50について、図12〜図16を用いて説明する。図12に示すように、第2実施形態に係る遊技用システム1は、撮影した画像を通信回線2を介して画像処理装置50に送信する(判定要求を行う)携帯端末10と、携帯端末10から受信した画像に基づいて遊技釘102の調整状態を判定して、判定結果を携帯端末10に返信する画像処理装置50とを有する。
【0071】
ここで、携帯端末10によって撮影された画像がマーカを含むものであった場合、当該携帯端末10において撮影された画像が正面視の画像に補正された後に画像処理装置50に送信され、画像処理装置50においては、補正画像を受信したことに基づいて、ハードディスク53に記憶している基準画像との比較を行って判定結果を携帯端末10に送信する。一方、携帯端末10によって撮影された画像がマーカを含まないものであった場合、当該携帯端末10において撮影された画像は補正されずに画像処理装置50に送信され、画像処理装置50においては、撮影画像を補正した後、ハードディスク53に記憶している基準画像との比較を行って判定結果を携帯端末10に送信する。
【0072】
第2実施形態における携帯端末10は、前述した送受信部21によって通信回線2に接続可能であり、通信回線2に通信部51を介して接続される画像処理装置50と通信可能である。画像処理装置50は、制御部52によって統括制御されている。制御部52は、CPU、RAM、ROM、及び画像処理回路等を備えており、ROM及びハードディスク53に記憶されている処理プログラムがRAMを作業領域としてCPUで実行されることにより、画像処理装置50に備えられる各構成要素の動作を制御して各種の処理を行うものである。ハードディスク53は、各種の情報を記憶する記憶デバイスである。
【0073】
なお、第2実施形態における携帯端末10は、各機種の基準画像のサイズ情報を記憶しているが、基準画像のデータ自体は記憶していないものとする。また、第2実施形態においては携帯端末10側において、補正画像を長期間記憶しておく処理は行わないものとする。画像処理装置50のハードディスク53には各機種の基準画像が記憶されているほか、携帯端末10から送信された補正画像及び携帯端末10から送信された撮影画像を補正した画像を記憶している。
【0074】
(遊技用システム1の作用)
次に図13を用いて、ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の総合判定を行う場合の遊技用システム1の作用について説明する。携帯端末10において釘判定結果を画像処理装置50から取得するためのプログラムが実行されると、D00に示した初期画面と同様の画面がディスプレイ14に表示される。ここで遊技者が「総合」を選択すると、ヘソ周辺の釘評価取得処理の実行が開始され、D10に示した画面と同様の画面がディスプレイ14に表示される。この画面において、遊技者がヘソ周辺にマーカ有り(「はい」)と選択し(S300)、マーカを含めたヘソ周辺を撮影すると(S301)、撮影された画像が正面視の画像に補正される(S302)。携帯端末10は、当該補正画像、当該補正画像から認識された台ID、撮影範囲が「ヘソ」である旨、及び「マーカ有り」の各情報を含む判定要求を画像処理装置50に送信する(S303)。
【0075】
S303の判定要求を受信した画像処理装置50は、受信した台IDから特定される機種について、「ヘソ」周辺の基準画像を特定し、当該特定した基準画像と受信した補正画像とを比較して、ヘソ周辺の遊技釘の調整状態の判定を行う(S304)。次いで画像処理装置50は、判定結果(5段階評価)を携帯端末10に送信し(S305)、さらに同一の台IDの補正画像を記憶している場合には前回記憶した補正画像と今回携帯端末10から受信した補正画像との重畳画像を作成して携帯端末10に送信する(S306)。これを受信した携帯端末10には、D14に示すような評価結果や、D15に示すような前回との比較画像が表示されることになる。
【0076】
ヘソ周辺の釘評価取得処理が完了した後、アタッカー周辺の釘評価取得処理の実行が開始され、D20に示した画面と同様の画面がディスプレイ14に表示される。この画面において、遊技者がアタッカー周辺にマーカ無し(「いいえ」)と選択し、D21示した画面と同様の画面で機種を選択すると(S310)、当該選択された機種の機種ID、及び撮影範囲が「アタッカー」である旨の各情報を含むガイド画像要求を画像処理装置50に送信する(S311)。画像処理装置50は、受信した機種IDの機種について、ハードディスク53に記憶している「アタッカー」周辺のガイド画像を特定し、当該特定したガイド画像携帯端末10に送信する(S312)。これを受信した携帯端末10では、D23に示すようなガイド枠30等が表示される。
【0077】
遊技者が、ガイド画像にあわせてアタッカー周辺の画像を撮影すると(S313)、携帯端末10は、当該撮影画像、機種ID、撮影範囲が「アタッカー」である旨、及び「マーカ無し」の各情報を含む判定要求を画像処理装置50に送信する(S314)。S314の判定要求を受信した画像処理装置50は、受信した機種IDから特定される機種について、「アタッカー」周辺の基準画像を特定し、当該特定した基準画像と受信した撮影画像に基づいて、撮影画像を正面視の画像に補正する(S315)。次に携帯端末10は、基準画像と補正画像とを比較して、アタッカー周辺の遊技釘の調整状態の判定を行う(S316)。次いで画像処理装置50は、判定結果(5段階評価)を携帯端末10に送信し(S317)、さらに同一の機種IDの補正画像を記憶している場合には前回記憶した補正画像と今回補正画像との重畳画像を作成して携帯端末10に送信する(S318)。これにより携帯端末10には、D26に示すような評価結果や、D27に示すような前回との比較画像が表示されることになる。
【0078】
アタッカー周辺の釘評価取得処理が完了した後、スルー周辺の釘評価取得処理の実行が開始され、D20に示した画面と同様の画面(但しスルーに関するもの)がディスプレイ14に表示される。この画面において、遊技者がスルー周辺にマーカ無し(「いいえ」)と選択し、D21示した画面と同様の画面で機種を選択すると(S320)、当該選択された機種の機種ID、及び撮影範囲が「スルー」である旨の各情報を含むガイド画像要求を画像処理装置50に送信する(S321)。画像処理装置50は、受信した機種IDの機種について、ハードディスク53に記憶している「スルー」周辺のガイド画像を特定し、当該特定したガイド画像携帯端末10に送信する(S322)。これを受信した携帯端末10では、スルーの輪郭に基づくガイド枠等が表示される。
【0079】
遊技者が、ガイド画像にあわせてスルー周辺の画像を撮影すると(S323)、携帯端末10は、当該撮影画像、機種ID、撮影範囲が「スルー」である旨、及び「マーカ無し」の各情報を含む判定要求を画像処理装置50に送信する(S324)。S324の判定要求を受信した画像処理装置50は、受信した機種IDから特定される機種について、「スルー」周辺の基準画像を特定し、当該特定した基準画像と受信した撮影画像に基づいて、撮影画像を正面視の画像に補正する(S325)。次に携帯端末10は、基準画像と補正画像とを比較して、スルー周辺の遊技釘の調整状態の判定を行う(S326)。次いで画像処理装置50は、判定結果(5段階評価)を携帯端末10に送信し(S327)、さらに同一の機種IDの補正画像を記憶している場合には前回記憶した補正画像と今回補正画像との重畳画像を作成して携帯端末10に送信する(S328)。これにより携帯端末10には、D26に示すような評価結果(但しスルーに関するもの)や、D27に示すような前回との比較画像(但しスルーに関するもの)が表示されることになる。
【0080】
スルー周辺の釘評価取得処理が完了した後、携帯端末10は、画像処理装置50に対して総合判定要求を送信する(S330)。これを受信した画像処理装置50は、ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の判定結果から総合判定結果を算出し(S331)、総合判定結果を携帯端末10に送信する(S332)。これを受信した携帯端末10では、D30に示すような総合評価が表示されることになる。
【0081】
このように、画像処理装置50側で基準画像及び補正画像を記憶しておき、携帯端末10からの判定要求に応じて、遊技釘の調整状態を判定し、判定結果を携帯端末10に送信するようにすることで、携帯端末10側の処理負担及び容量負担を軽減することができる。
【0082】
次に第2実施形態に係る携帯端末10が行う処理について図14及び図15を用いて説明する。D00と同様の初期画面が表示されると、携帯端末10は、「ヘソ周辺」の選択操作(S10)、「アタッカー周辺」の選択操作(S20)、「スルー周辺」の選択操作(S30)、及び「総合」の選択操作(S40)を待機する。D00の初期画面で「ヘソ周辺」が選択されると(S10でYES)、S11’でヘソ周辺の釘評価取得処理を行う。また、D00の初期画面で「アタッカー周辺」が選択されると(S20でYES)、S21’でアタッカー周辺の釘評価取得処理を行う。また、D00の初期画面で「スルー周辺」が選択されると(S30でYES)、S31’でスルー周辺の釘評価取得処理を行う。
【0083】
さらに、D00の初期画面で「総合」が選択されると(S40でYES)、S41’でヘソ周辺の釘評価取得処理を行い、S42’でアタッカー周辺の釘評価取得処理を行い、S43’でスルー周辺の釘評価取得処理を行った後、S44’で総合判定要求を画像処理装置50に送信し、画像処理装置50からの総合判定結果の受信を待機する(S45’)。携帯端末10が総合判定結果を受信すると(S45’でYES)、S46’で総合判定結果(例えばD30の画面)をディスプレイ14に表示して、処理を終了する。
【0084】
次に図15を用いて携帯端末10によって実行されるヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の釘評価取得処理について説明する。ヘソ周辺、アタッカー周辺、及びスルー周辺の釘評価取得処理のいずれにおいても同様の処理が行われる。携帯端末10は、撮影対象(判定対象)となる範囲の周辺にマーカが付されているか否かを判定し、マーカが付されている(YES)と判定されたときには(例えばD10やD20等で「はい」と選択された場合)、S110で撮影の完了を待機する。そして撮影が完了したときには(S110でYES)、撮影された画像中のマーカを認識し(S111)、認識したマーカに基づいて撮影画像を正面視の画像に補正する(S112)。その結果、例えばD13に示すような補正画像が取得される。
【0085】
次いで、携帯端末10は、マーカで囲まれた画像領域から台IDを認識し(S113)、補正画像、台ID、撮影範囲(ヘソ、アタッカー、又はスルー)、及びマーカ有りを含む判定要求を画像処理装置5に送信し(S114’)、判定結果の受信を待機する(S115’)。携帯端末10は、画像処理装置50からの判定結果(ヘソ釘判定結果、アタッカー釘判定結果、又はスルー釘判定結果のいずれか)を受信すると(S115’でYES)、受信した判定結果をディスプレイ14に表示する(S116’)。その結果、例えばD14に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0086】
さらに携帯端末10は、重畳画像の受信を待機する(S117’)。携帯端末10は、画像処理装置50からの重畳画像(ヘソ周辺、アタッカー周辺、又はスルー周辺のいずれか)を受信すると(S117’でYES)、受信した重畳画像をディスプレイ14に表示する(S118’)。その結果、例えばD15に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0087】
携帯端末10は、S100の判定でマーカが付されていない(NO)と判定したときには(例えばD10やD20等で「いいえ」と選択された場合)、S120で撮影対象となるパチンコ機100の機種の選択を待機する。このとき例えばD21に示す画面がディスプレイ14に表示される。携帯端末10は、S120において、機種が選択されたときには(YES)、当該機種の機種IDと撮影範囲(ヘソ、アタッカー、又はスルー)を含むガイド画像送信要求を画像処理装置50に送信し(121’)、ガイド画像の受信を待機する(S122’)。
【0088】
携帯端末10は、画像処理装置50からのガイド画像を受信すると、当該受信したガイド画像をディスプレイ14に表示する(S123’)。このガイド画像とは例えば図7に示したガイド枠30であり、判定対象がヘソ周辺であれば、ヘソの形状に応じたガイド画像が提示され、判定対象がアタッカー周辺であれば、アタッカーの形状に応じたガイド画像が提示され、判定対象がスルー周辺であれば、スルーの形状に応じたガイド画像が提示される。
【0089】
次いで携帯端末10は、ディスプレイ14にガイド画像を提示した状態で撮影の完了を待機する(S124’)。そして撮影が完了したときには(S124’でYES)、当該撮影画像、機種ID、撮影範囲(ヘソ、アタッカー、又はスルー)、及びマーカ無しを含む判定要求を画像処理装置5に送信し(S125’)、判定結果の受信を待機する(S126’)。携帯端末10は、画像処理装置50からの判定結果(ヘソ釘判定結果、アタッカー釘判定結果、又はスルー釘判定結果のいずれか)を受信すると(S126’でYES)、受信した判定結果をディスプレイ14に表示する(S127’)。その結果、例えばD26に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0090】
さらに携帯端末10は、重畳画像の受信を待機する(S128’)。携帯端末10は、画像処理装置50からの重畳画像(ヘソ周辺、アタッカー周辺、又はスルー周辺のいずれか)を受信すると(S128’でYES)、受信した重畳画像をディスプレイ14に表示する(S129’)。その結果、例えばD27に示す画像がディスプレイ14に表示される。
【0091】
次に図16を用いて画像処理装置50が行う処理について説明する。画像処理装置50は、携帯端末10から送信されてくるガイド画像要求の受信(S200)、判定要求の受信(S210)、及び総合判定要求の受信(S250)を待機している。画像処理装置50がガイド画像要求を受信すると(S200でYES)、受信した機種IDの機種について、指定された撮影範囲(ヘソ、アタッカー、又はスルー)のガイド画像を特定し、特定したガイド画像を携帯端末10に送信して、待機状態に戻る。
【0092】
また、画像処理装置50は、携帯端末10から送信されてくる判定要求を受信すると(S210でYES)、判定要求に含まれる情報に基づいてマーカの有無を判定する(S220)。S220で、マーカ有り(YES)と判定されたときには、受信した補正画像を、台ID及び判定要求の受信日時と対応づけて記憶する(S232)。次に画像処理装置50は、今回記憶した補正画像と、台IDから特定される機種の基準画像とを比較し(S233)、遊技釘102の調整状態を判定して(S234)、判定結果を携帯端末10に送信する(S235)。
【0093】
さらに画像処理装置50は、同一台IDの補正画像を記憶しているか否かを判定し(S236)、記憶している場合には(S236でYES)、最も新しい受信日時の補正画像(前回画像)と、今回記憶した補正画像との重畳画像を作成する(S119)。例えばD15に示すように、今回の釘位置と前回の釘位置が重畳表示される画像となる(例えば今回の釘位置を実線とし、前回の釘位置を点線とする)。画像処理装置50は、作成した重畳画像を携帯端末10に送信して(S238)、待機状態に戻る。
【0094】
画像処理装置50は、S220の判定でマーカ無し(NO)と判定したときには、S240で、受信した撮影画像から、所定箇所(例えばヘソ、アタッカー、又はスルー)の輪郭を抽出し、当該抽出した輪郭と基準画像における当該所定箇所の輪郭に基づいて、撮影された画像を正面視の画像に補正する(S241)。
【0095】
次いで、携帯端末10は、補正した画像を機種ID及び判定要求の受信日時と対応づけて記憶する(S242)。次に携帯端末10は、今回記憶した画像と、機種IDから特定される機種の基準画像とを比較し(S243)、遊技釘102の調整状態を判定して(S245)、判定結果を携帯端末10に送信する(S246)。
【0096】
さらに画像処理装置50は、同一機種IDの補正画像を記憶しているか否かを判定し(S247)、記憶している場合には(S247でYES)、最も新しい受信日時の補正画像(前回画像)と、今回記憶した補正画像との重畳画像を作成する(S248)。例えばD27に示すように、今回の釘位置と前回の釘位置が重畳表示される画像となる(例えば今回の釘位置を実線とし、前回の釘位置を点線とする)。画像処理装置50は、作成した重畳画像を携帯端末10に送信して(S249)、待機状態に戻る。一方、S247で記憶していない(NO)と判定されたときには、待機状態に戻る。
【0097】
[本発明の変形例]
最後に、本発明の変形例について説明する。
【0098】
上記の実施形態では、携帯端末10がカメラ付き携帯電話である例について説明したが、これに限らず、携帯端末10は被写体を撮影する機能と判定結果を表示する機能を有するものであれば良く、カメラ付きPDA、カメラ付きノートパソコン、いわゆるスマートフォン、又はデジタルカメラ等であっても良い。また遊技者が所持する携帯端末10には限られず、遊技釘の調整を行う作業者が所持する携帯端末10であっても良い。
【0099】
上記の実施形態では、携帯端末10の出力手段がディスプレイ14であり、判定結果として画像を表示する例について説明したが、これに限らず、該出力手段はスピーカで、判定結果を音声で出力するものであっても良い。
【0100】
上記の実施形態では、第1始動入賞球装置110の周囲にマーカが設けられ、特別可変入賞球装置120やゲート130の周囲にはマーカが設けられていない例について説明したが、これに限らず、特別可変入賞球装置120やゲート130の周囲にマーカを設けるようにしても良く、第1始動入賞球装置110の周囲にマーカを設けないようにしても良い。パチンコ機100に一切マーカが設けられていない場合にも本発明を適用することができる。
【0101】
上記の実施形態では、遊技釘の調整状態を判定する対象範囲が、第1始動入賞球装置110の周囲、特別可変入賞球装置120の周囲、及びゲート130の周囲である例について説明したが、これに限らず、風車周辺や他の入賞口等、遊技盤の任意の範囲を対象とすることができる。
【0102】
上記の第1実施形態では、携帯端末10が通信機能を有する例について説明したが、これに限らず、第1実施携帯における携帯端末10は通信機能を有しないものであっても良い。例えば、携帯端末用プログラム(基準画像を含む)を記憶している通信機能を有しない小型のモバイルコンピュータであっても良い。
【0103】
上記の第2実施形態では、撮影範囲にマーカが設けられていない場合に、携帯端末側で補正を行わず、画像処理装置側で補正を行う例について説明したが、これに限らず、撮影範囲にマーカが設けられていない場合に、携帯端末側で補正を行うようにしても良い。
【0104】
上記の第2実施形態の遊技用システム1において、さらに図17に示す処理を行うようにしても良い。画像処理装置50では、各遊技者(釘判定のプログラム利用者)を識別可能な情報(例えばログインID、アプリケーションID、メールアドレス等)毎に、台ID及び台毎の遊技釘の判定結果を記憶しておく。遊技者は遊技釘の判定を行ったパチンコ機100で遊技を行い、大当りとなったときに表示されるQRコードを携帯端末10により撮影して、当該遊技者を識別可能な情報と共に画像処理装置50に送信する。このQRコードには台IDの情報が含まれている。QRコードを受信した画像処理装置50では、当該遊技者に対する特典付与処理を行う。S900では、当該QRコードから特定される台IDの判定結果が5段階評価で2以下であるか否かを判定する。S900で判定結果が2以下であると判定されたときには(YES)、携帯端末10に対して、コンテンツA、B、Cの3つを配信するようにする(S901)。これらのコンテンツは、例えば待ち受け画像や着メロ等である。一方、S900で判定結果が2以下でない(普通以上)と判定されたときには(NO)、当該携帯端末10に対して、コンテンツAのみを配信するようにする(S902)。このように、本システムを利用して遊技を行った遊技者に対して特典を付与するようにしても良い。また、いわゆる調整が甘い台よりも、厳しい台で遊技を行った場合に得られる特典を優遇するようにしても良い。これによれば、遊技者の利用を促進し、興趣を向上させることができる。
【0105】
上記の実施形態では、マーカが全て遊技盤101上に設けられる例について説明したが、これに限らず、図18に示すように、マーカの一部又は全部を演出表示装置150に表示させるようにしても良い。マーカの表示は、例えばパチンコ機100の上皿に設けられている操作ボタンを遊技者が操作することにより行われるようにすると良い。これによれば、遊技盤101上にマーカを設けなくても良いため、遊技盤101のデザイン性を損ねることがない。
【符号の説明】
【0106】
1…遊技用システム(第2実施形態)
10…携帯端末
11…光学レンズ装置
12…CCD
13…信号処理部
14…ディスプレイ
16…制御部
50…画像処理装置(第2実施形態)
52…制御部
53…画像処理部
100…パチンコ機
101…遊技盤
102…遊技釘
110…第1始動入賞球装置(ヘソ)
120…特別可変入賞球装置(アタッカー)
130…ゲート(スルー)
201〜204…マーカ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影手段と出力手段とを有する携帯端末であって、
遊技釘が植設された遊技盤を有する遊技機の、当該遊技盤上の特定範囲を特定するために該遊技盤上に設けられた特定情報を含む画像を、前記撮影手段により撮影したことに基づいて、該撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する補正処理を行う補正手段と、
予め撮影され前記特定範囲を示す比較対象画像と前記補正処理による補正画像とを比較する比較処理を行う比較手段と、
該比較処理による比較結果に基づいて、前記遊技釘の調整状態を判定する判定処理を行う判定手段と、をさらに有し、
前記出力手段は、該判定処理による判定結果を出力することを特徴とする携帯端末。
【請求項1】
撮影手段と出力手段とを有する携帯端末であって、
遊技釘が植設された遊技盤を有する遊技機の、当該遊技盤上の特定範囲を特定するために該遊技盤上に設けられた特定情報を含む画像を、前記撮影手段により撮影したことに基づいて、該撮影した画像を略正面視の補正画像に補正する補正処理を行う補正手段と、
予め撮影され前記特定範囲を示す比較対象画像と前記補正処理による補正画像とを比較する比較処理を行う比較手段と、
該比較処理による比較結果に基づいて、前記遊技釘の調整状態を判定する判定処理を行う判定手段と、をさらに有し、
前記出力手段は、該判定処理による判定結果を出力することを特徴とする携帯端末。
【図3】
【図5】
【図9】
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図5】
【図9】
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−22385(P2013−22385A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162541(P2011−162541)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.着メロ
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.着メロ
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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