説明

携帯端末

【課題】筐体に別部材を取り付ける際に、該別部材の有利な取り付け構造を与えることによって、筐体に対する別部材の取り付けを確実かつ強固にすると共に意匠性に優れた携帯端末を提供するものである。
【解決手段】開口10を有するケース部材36と、前記開口10に配置され、一部が前記ケース部材36の内面に固着される別部材37とを有し、前記別部材37の一部は、前記ケース部材36の内面と前記ケース部材36内に備える部品7pとの間で挟持するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を構成する筐体に例えば該筐体と色や材質の異なる別部材を取り付けてなる携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)を典型例とする携帯端末には、各種入力操作を行うためのキーが必要であり、多数のキーを配列させたキー操作部を有するのが通例である。
【0003】
例えば、携帯電話機におけるキー操作部としては、特許文献1に開示の構造が一般的である。すなわち、図1に示すように、下側筐体100内に、薄肉のラバーシート101上に所定の間隔をおいて配置された複数個の操作キー102を有するキーシート103と、ラバーシート101を挟んで操作キー102と反対側に配置され、操作キー102と対向する位置にスイッチ素子104を備えたスイッチ基板105と、を収容し、これら内部部品を収容した下側筐体100に、前記操作キー102を露出させるための複数の開口が形成された上側筐体106を、重ね合わせてキー操作部が構成されている。
【0004】
かようなキー操作部において、操作するキーの識別を容易にし、また意匠上の観点から、キーの周辺部を筐体とは別色にする工夫がなされている。この色分けを、上記したキー操作部構造で実施する場合は、上側筐体106のキー周辺部を筐体と別色にすることが考えられる。具体的には、キー周辺部に筐体と別色の塗装を施して対応するが、塗り分けのための見切り部に溝107が必要になることから、この溝107に汚れが溜まって外観を損ね易い。さらに、上側筐体106に対して見切り部の溝加工が必要になるため、部品製造の歩留まりが低下することも問題になる。
【0005】
かような問題を解消するには、図2に折り畳み形式の携帯電話機を示すように、その操作部Sを構成する上側の筐体200の上面部に、操作キー201の周辺部を形成するキーフレーム202を、筐体200とは別体として取り付ける、キー操作部の構造が考えられる。かかる構造においては、図2(a)のV−V線断面図である、図2(b)に示すように、筐体200の上面開口に収まるよう配置された操作キー201と、薄肉の弾性シート206と、操作キー201の操作状態を検出するキー基板207とが、順に積層配置されて構成されることとなる。すなわち、キーフレーム202は、筐体200とは別体として製造可能であるから、その着色や材質を任意に変更でき、上記した問題を解消することが可能である。
【特許文献1】特開2005−340891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図2(b)に示すように、キーフレーム202を筐体200に取り付けるに際しては、筐体200の上面開口を区画する区画部203の表面に対して、キーフレーム202の裏面を、例えば両面テープ204などの接着部材を介して接着・固定する必要があるが、かかる接着・固定方法では、キーフレーム202は、両面テープ204を介して区画部203の表面一面でしか接着・固定されておらず、キーフレーム202の固定を強固に維持することが難しく、筐体200から剥離するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、筐体に別部材を取り付ける際に、該別部材の有利な取り付け構造を与えることによって、筐体に対する別部材の取り付けを確実かつ強固にすると共に意匠性に優れた携帯端末を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)開口を有する筐体と、前記開口に配置され、一部が前記筐体の内面に固着される別部材とを有し、前記別部材の一部は、前記筐体の内面と前記筐体内に備える部品との間で挟持するようにしたことを特徴とする携帯端末。
【0009】
(2)前記別部材は、キー孔が形成されたキーフレームであり、前記部品は前記キー孔に挿入される操作キーの操作状態を検出するキー基板であることを特徴とする前記(1)に記載の携帯端末。
【0010】
(3)前記キー孔が複数形成された別部材と前記キー基板との間に、前記複数のキー孔に挿入される複数の換作キーが配された弾性シートを備え、前記別部材には前記キー孔間を仕切る仕切部を有すると共に、該仕切部内面より突出する凸部を備え、該凸部は前記弾性シートを介して前記キー基板上に配置されている前記(2)に記載の携帯端末。
【0011】
(4)前記仕切部と前記弾性シートとの間には隙間が設けられると共に、前記操作キーには前記隙間を配される鍔部が備えられ、該鍔部は、前記凸部を避けて形成されている前記(3)に記載の携帯端末。
【0012】
(5)前記弾性シートには前記凸部が挿入される凹部を有する前記(3)又は(4)に記載の携帯端末。
【0013】
(6)前記別部材と前記筐体とは異なる色を有する前記(1)乃至(5)のいずれか一に記載の携帯端末。
【0014】
(7)前記別部材と前記筐体とは異なる材質からなる前記(1)乃至(5)のいずれか一に記載の携帯端末。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、筐体に別部材を取り付けるに当たり、該別部材の一部分を、筐体の内面と筐体内に収容した内部部品との間に挟んで固定することから、筐体に対して別部材を確実かつ強固に取り付けることができると共に意匠性に優れた携帯端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図3は、図2に示した携帯電話機と同様の折り畳み式の携帯電話機1(携帯端末)における外観斜視図である。携帯電話機1は、図3に示すように、表示側筐体2と操作側筐体3とを備え、ヒンジ部4を介して開閉自在に連結されて構成されている。また、携帯電話機1は、図示しない内蔵アンテナを介して音声情報、電子メール情報、画像データ等の種々の情報を、波形信号として外部基地局を含む通信網に送受信可能に構成され、それにより電話の発着信、電子メール、画像データ等の送受信等の通信を行うことができる。
【0017】
表示側筐体2は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)で構成される表示部5や受話用スピーカ6を備えて構成される。表示部5は、携帯電話機1の各動作に関する種々の情報、例えば、電話の発着信に関する情報、電子メールの送受信に関する情報、画像データ、インターネット、テレビに関する情報等を表示可能に構成される。受話用スピーカ6は、電話に係る音声情報等を報知可能に構成される。
【0018】
一方、操作側筐体3は、フロントケース31とリアケース32とが図示しないケース固定用ネジで嵌合固定されて構成されており、操作部7や通話用マイク8を備えて構成される。操作部7は、フロントケース31から外部に露出して配置され、文字入力等の各種入力操作を行うためのいわゆるカーソルキーやテンキーと呼ばれる操作キー7a〜7fを有している。
【0019】
次に、操作側筐体3の内部の詳細を図4に示す。図4は、操作側筐体3を積層方向に分解してリアケース32側から眺めた分解斜視図である。図4に示すように、操作側筐体3は、フロントケース31から順に、操作キー7a〜7fを備える弾性シート7g、キー基板7p、シールドケース33、回路基板34、近距離通信用IC基板35、及び前記近距離通信用IC基板35に接続されるループアンテナ(不図示)を備えたリアケース32の順に積層配置されて構成されている。
【0020】
次に、操作側筐体3のフロントケース31について図5および図6を用いて詳細に述べる。図5は、フロントケース31を外部側から眺めた分解斜視図、図6は、内側から眺めた分解斜視図である。フロントケース31は、開口10と開口10を区画する周縁部分11、12、13および14とを有するケース部材36(筐体)と、別部材たるキーフレーム37とで構成され、両者は固着されて一体的に構成される。これらケース部材36とキーフレーム37とは、それぞれ異なる色で装飾されていると共に、異なる材質で構成されている。
【0021】
なお、ケース部材36の周縁部分14は、他の周縁部分11、12、13に比べて外部表面が内側に一段下がった段差を有して構成されると共に、孔15および16を有して構成される。
【0022】
次に、キーフレーム37について図7を参照しながら詳細に述べる。図7(a)は、キーフレーム37を正面から眺めた外観図であり、図7(b)は、図7(a)におけるZ−Z線断面図であり、図7(c)は、図7(b)のA領域を拡大した断面図である。
【0023】
図7(a)に示すように、キーフレーム37は、カーソルキー7aが挿入される開口20a(キー孔)を区画するリング部24a(仕切部)と、操作キー7b〜7fが挿入される開口20b〜20f(キー孔)を区画する縦枠部26a及び26bと当該縦枠部26a及び26bと連結される横枠部24b〜24g(仕切部)と、を備えて形成される。
【0024】
そして、リング部24a端縁には外側に張り出した接合部21(別部材の一部)が形成されており、また、両縦枠部26a、26bにはそれぞれ外側に張り出した接合部22(別部材の一部)および23(別部材の一部)が形成されている。これら接合部21、22、および23は、図7(b)および図7(c)に断面形状を示すように、段差状に形成されて外側に延びている。
【0025】
また、キーフレーム37の円形開口20aと逆の基端側にある横枠部24gには、携帯電話機1の通話用マイク8と対向する受話口30が形成されており、横枠部24gの裏面には図6に示すように、受話口30を挟んだ位置にケース部材36の孔15,16に挿入される突起38および39がそれぞれ形成されている。さらに、各横枠部24c〜24fの裏面には、それぞれ一定の間隔で配置された3つの凸部25a〜25dを有している。
【0026】
次に、ケース部材36とキーフレーム37との接合構造について、図8を用いて説明する。図8は、フロントケース31を内側正面から眺めた図である。
【0027】
図8に示すように、キーフレーム37がケース部材36に取り付けられた状態においては、キーフレーム37の接合部21、22および23は、ケース部材36の開口10を区画する周縁部分11、12および13の内面に対向し、両者は互いに固着されることにより取り付けられると共に、キーフレーム37の仕切部24gは、ケース部材36の周縁部分14の外部表面に対向配置される。なお、本実施形態においては、接合部21、22および23と周縁部分11,12および13の内面とは、超音波溶着により互いに固着されているが、本発明はこの超音波溶着に限ることなく、ネジや両面テープ等の他の固着手段によって両者を互いに固着する構成としてもよい。
【0028】
キーフレーム37の仕切部24gの裏面に形成された突起38および39は、ケース部材36の周縁部14に形成された孔15および16に対して嵌め込まれる構成となっている。その為、キーフレーム37のケース部材36に対する相対位置を決定することができると共に、キーフレーム37基端側においてもケース部材36に確実かつ強固に固定することができる。
【0029】
さらに、上述したように、接合部21、22および23はケース部材36の厚み分の段差を介して外側に延びる構成となっているため、キーフレーム37がケース部材36に固着された状態においては、ケース部材36の外部表面とキーフレーム37の外部表面とは略同一平面上に形成されることとなる(図10(c)参照)。そのため、外形上の違和感が少ないという効果を奏する。
【0030】
次に、操作キー7a〜7fおよび弾性シート7gからなるキーシートの詳細について図9を用いて説明する。図9は、操作キー7a〜7fおよび弾性シート7gを正面から眺めた外観図である。図9に示すように、操作キー7a〜7fは、薄肉の弾性シート7g上に配置されている。本実施形態においては、操作キー7a〜7fは溶着により弾性シート7g上に固着されている。なお、溶着は固着手段としての一例であり、その他の固着手段、
例えば接着剤を介して固着する構成としてもよい。
【0031】
各操作キー7a〜7fは、キーフレーム37と同一色・同一材料で形成された、いわゆるカーソルキーおよびテンキーであり、その表面には操作内容を示す印刷(各キーに対応して割り当てられた0〜9の数字の他、ひらがな、アルファベット、記号等の印刷)が施されている。そして、各操作キー7b〜7fは、矩形板状の形状を有しており、3つの操作キーを一組として所定の間隔をあけて5組の操作キー群を、弾性シート7g上に形成してある。また、各操作キー7b〜7fの長手方向には、外側にはり出した鍔部3pを備えると共に、操作キー同士対向する鍔部3pは、その中央を切り欠いた構成としてある。
【0032】
弾性シート7gは、操作キー7a〜7fを支持するゴム材からなるラバーシートであり、各操作キー7a〜7fに対応してそれぞれキー基板7pに対向して突出する押し子7hを有している。また、各操作キー7b〜7fの長手方向中央部の鍔部3pが形成されていない部位同士が対向することにより形成される空間には凹部5a〜5dが形成されて構成されている。
【0033】
次に、フロントケース31にキーシート及びキー基板7pを取り付けた状態を図10及び図11を用いて説明する。図10(a)は、操作キー7a〜7fが取り付けられた状態におけるフロントケース31を外側正面から眺めた外観図であり、図10(b)は、図10(a)のW−W線断面図であり、図10(C)は、図10(b)の領域Aの拡大図である。図11は、図10におけるX−X線断面図である。
【0034】
図10に示すように、操作キー7a〜7fは、キーフレーム37に形成された開口20a〜20f(図7参照)に挿入されて外部に露出するように組み付けられる。そして、図10(b)に示すように、ケース部材36の外部表面、キーフレーム37の外部表面、および操作キー7a〜7fの外部への露出面とは略同一平面を構成する。したがって、各操作キー7a〜7fが取り付けられたフロントケース31は、外形上違和感が無いという効果を奏する。また、上述したように操作キー7a〜7fとキーフレーム37とは同一色・同一材料で形成されるため、外観上の違和感が少ないという効果も奏する。
【0035】
また、弾性シート7gの上に配置された操作キー7a〜7fがフロントケース31に取り付けられた状態においては、キーフレーム37の横枠部24c〜24fの内面に形成された凸部25a〜25dと、弾性シート7g上に形成された凹部5a〜5dとは互いに対向し、凸部25a〜25dは凹部5a〜5dの内部に挿入されるよう構成される。すなわち、図11に示すように、当該取り付け状態においては、キーフレーム37の横枠部24dの内面に形成された凸部25bは、弾性シート7g上に形成された凹部5bに挿入され、両者の相対位置は決定されることとなる。この両者と同じ関係は、凸部25aと凹部5a、凸部25Cと凹部5C及び凸部25dと凹部5dとの関係にも同様に当てはまる。つまりこれらの3者の相対位置もそれぞれについて決定されることとなる。弾性シート7gのキーフレーム37に対する相対位置は、凸部25a〜25dが凹部5a〜5dの内部に挿入されることにより確実かつ容易に決定されることとなる。
【0036】
各操作キー7a〜7fに形成された鍔部3pは、キーフレーム37の横枠部24b〜24gと弾性シート7gとの間に形成される隙間qに入り込むように配置される。このように、鍔部3pが、キーフレーム37の横枠部24b〜24gと弾性シート7gとの間に形成される隙間qに入り込む構成とすることで、操作キー7b〜7fは、外方に飛び出させるような力が付加されたとしても、横枠部24b〜24gが鍔部3pの受け手となることから、外部に飛び出しにくいという効果を奏する。
【0037】
さらに、鍔部3pは各操作キー7a〜7fの長手方向中央部を避けるように形成されている結果、キーフレーム37の横枠部24dの内面に形成された凸部25a〜25dを避けるように配置されるようになっている。
【0038】
次に、図10および図11を用いて操作側筐体3の内部に備えられたキー基板7pの配置について説明する。キー基板7pは、操作キー7a〜7fの操作状態を検出するために、各操作キー7a〜7fと対向する位置、すなわち、弾性シート7gに形成された押し子7hと対向する位置に設けられた複数のタクトスイッチ72を有する回路基板であって、図10(b)および図10(c)に示すように、キー基板7p端部は、ケース部材36の周縁部分12および13の内面に対向する位置まで延出して形成されている。
【0039】
そして、キーシートの各操作キー7a〜7fをフロントケース31の開口20a〜20fに挿入してキーシートをフロントケース31の内面に配置したあと、さらにキー基板7pを積層配置する。このとき、キーフレーム37の接合部21〜23は、ケース部材36の周縁部分11〜13の内面とキー基板7pとの間で挟持するよう構成してある。かかる挟持構造により、キーフレーム37は、超音波溶着によってケース部材36の周縁部分12および13の内面に対して固着されるのみならず、キー基板7pによっても支持される構成となるため、ケース部材36の周縁部分11〜13とキーフレーム37の接合部21〜23との間に作用する応力を低減できるため、キーフレーム37をより強固にフロントケース31に対して取り付けられる構成となっている。
【0040】
また、図11に示すように、凸部25a〜25dは、弾性シート7gの凹部5a〜5dを介してキー基板7p上に隙間なく配置されることとなる。したがって、操作キー7a〜7fの押下の際に横枠部24b〜24fも押下されたとしても横枠部24b〜24fの変形を防ぐことができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の携帯電話機1によると、キーフレーム37をフロントケース31の内面に固着すると共にフロントケース31内に備えるキー基板7pとの間で挟持されるよう構成したため、デザイン上の選択の幅が増して意匠性に優れると共に、キーフレーム37を確実かつ強固にフロントケース31に取り付けることができる。
【0042】
例えば、ケース部材36と全く異なる色や質感のキーフレーム37をケース部材36に装着することにより、その境界を明瞭にすることができる。また、キーフレーム37を金属部材などの高強度材から作製することによって、特に部分的に高い強度を付与することも可能である。
【0043】
また、本実施形態における、ケース部材36と異なる色・異なる材質で構成される別部材をキーフレーム37とし、かつ、キーフレーム37をケース部材36の内面とで挟持する部品を操作キー7a〜7fの操作状態を検出するキー基板7pとすることにより、図2(b)に示す従来例と比較して操作部周辺構造を薄型化することもできる。
【0044】
即ち、図2(b)に示す従来構造では、キーフレーム202の裏面を筐体200の上面開口を区画する区画部203に対して、両面テープ204を介して接着、固定される構成となっているため、操作キー201の厚さは、キーフレーム202、両面テープ204、区画部203の総和分を少なくとも必要とするが、本実施形態における携帯電話機1においては、キーフレーム37の操作キー7a〜7fが嵌まり込む開口20a〜20fの厚さは、ケース部材36の厚さの寄与のない、キーフレーム37そのものの厚さしか有していないため、操作キー7a〜7fの厚さは、キーフレーム37の厚さ分だけ確保されれば足りる。
【0045】
したがって、本実施形態における操作キー7a〜7fは、図2(b)に示す従来の構成における区画部203と両面テープ204の厚さがない分だけ、薄型化を図ることができ、ひいては携帯電話機1全体も薄型化することができる。また、キーフレーム37をケース部材36の内面とで挟持する部品が操作キー7a〜7fの操作状態を検出するキー基板7pであるため、当該挟持するための内部部品や内部構造を改めて用意したり設計したりする必要がなく、操作側筐体3の内部配置構造の簡易化・簡素化を図ることもできる。
【0046】
また、本実施形態において、閉口20a〜20fが形成されたキーフレーム37とキー基板7pとの間には弾性シート7gが備えられ、キーフレーム37には開口20b〜20fを仕切る横枠部24b〜24fを有すると共に、キーフレーム37の横枠部24c〜24fの内面には凸部25a〜25dが備えられ、当該凸部25a〜25dが弾性シート7gの凹部5a〜5dを介してキー基板7pの上に隙間なく配置されることとなる。したがって、外部からキーフレーム37に対して負荷がかかったとしても、キーフレーム37の撓みや変形を好適に抑制できる。
【0047】
さらに、本実施形態によると、キーフレーム37の横枠部24b〜24gと弾性シート7gとの間には隙間qを有し、操作キー7a〜7fに形成された鍔部3pが隙間qに入り込むよう構成されるため、操作キー7a〜7fは、外部に飛び出すような力が加わったとしても、横枠部24b〜24gが鍔部3pの受け手となることから、操作キー7a〜7fが外部に飛び出してしまうことは好適に抑制される。
【0048】
また、鍔部3pは、横枠部24c〜24fの内面より突出する凸部25a〜25dを避けるよう形成されているため、弾性シート7gのキーフレーム37に対する相対位置は、鍔部3pと凸部25a〜25dとの相対位置を基準に確実かつ容易に決定され、弾性シート7g上に配置された操作キー7a〜7fをフロントケース31に取り付ける際の作業効率が向上する。
【0049】
また、本実施形態によると、弾性シート7gをフロントケース31に組み付ける際には、凸部25a〜25dが凹部5a〜5dの内部に挿入される構成となることより、当該組み付けに際する弾性シート7gのキーフレーム37に対する相対位置は、凸部25a〜25dが凹部5a〜5dの内部に挿入されることにより確実かつ容易に決定されることとなる。つまり、弾性シート7g上に配置された操作キー7a〜7fをフロントケース31に取り付ける際の作業効率が向上する。
【0050】
なお、本発明の説明につき、携帯端末として携帯電話機を例に用いたが、これに限定されるものではなく、PDAやPHS、ポータブルゲーム機やポータブルナビゲーションシステムなどの特にキー操作部を有する類の電子機器であれば適用可能であることは言うまでもない。
【0051】
すなわち、別部材としては、上述のキーフレームのほか、その他の部材であってもよく、要は別部材の一部分が筐体の内面に固着されて構成すると共に、当該内面と筐体内部に収容される内部部品とによって挟持される構成であれば、本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】折り畳み形式の携帯電話機におけるキー操作部の構造を示す分解斜視図である。
【図2】折り畳み形式の携帯電話機におけるキー操作部の別構造を示す図である。
【図3】本発明に従う携帯端末の外観斜視図である。
【図4】操作側筐体を積層方向に分解してリアケース側から眺めた分解斜視図である。
【図5】フロントケースを外部側から眺めた分解斜視図である。
【図6】フロントケースを内側から眺めた分解斜視図である。
【図7】(a)は、キーフレーム37を正面から眺めた外観図であり、(b)は(a)におけるZ−Z線断面図であり、(c)は(b)のA領域を拡大した断面図である。
【図8】フロントケースを内側正面から眺めた図である。
【図9】操作キーおよび弾性シートを正面から眺めた外観図である。
【図10】(a)は操作キーが取り付けられた状態におけるフロントケースを外側正面から眺めた外観図であり、(b)は(a)のW−W線断面図であり、(C)は(b)の領域Aの拡大図である。
【図11】図10におけるX−X線断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 携帯電話機(携帯端末)
2 表示側筐体
3 操作側筐体
4 ヒンジ部
5 表示部
6 受話用スピーカ
7a〜7f 操作キー
7g 弾性シート
7p キー基板
10 開口
20a 開口(キー孔)
20b〜20f 開口(キー孔)
24a リング部(仕切部)
25a〜25d 凸部
5a〜5d 凹部
31 フロントケース
32 リアケース
33 シールドケース
34 回路基板
35 近距離通信用IC基板
36 ケース部材(筐体)
37 キーフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する筐体と、前記開口に配置され、一部が前記筐体の内面に固着される別部材とを有し、前記別部材の一部は、前記筐体の内面と前記筐体内に備える部品との間で挟持するようにしたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記別部材は、キー孔が形成されたキーフレームであり、前記部品は前記キー孔に挿入される操作キーの操作状態を検出するキー基板であることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記キー孔が複数形成された別部材と前記キー基板との間に、前記複数のキー孔に挿入される複数の換作キーが配された弾性シートを備え、前記別部材には前記キー孔間を仕切る仕切部を有すると共に、該仕切部内面より突出する凸部を備え、該凸部は前記弾性シートを介して前記キー基板上に配置されている請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記仕切部と前記弾性シートとの間には隙間が設けられると共に、前記操作キーには前記隙間を配される鍔部が備えられ、該鍔部は、前記凸部を避けて形成されている請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記弾性シートには前記凸部が挿入される凹部を有する請求項3又は4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記別部材と前記筐体とは異なる色を有する請求項1乃至5のいずれか一に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記別部材と前記筐体とは異なる材質からなる請求項1乃至5のいずれか一に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−85595(P2008−85595A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−262711(P2006−262711)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】