説明

携帯端末

【課題】表示部に複数の画面を分割表示する場合、分割表示される各画面の配置や大きさをユーザが自在に変更することができる携帯端末を提供すること。
【解決手段】携帯端末1は、表示部5が設けられた表示面15と、表示面15の周りに設けられた複数の側面11,12,13,14と、を有する端末本体10と、ユーザが選択する側面上の特定の位置を検出する位置検出手段3と、位置検出手段3によって検出された特定の位置を通る分割線に基づいて、表示部5に表示される画面を分割する表示制御手段101と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの携帯端末には、端末本体の表面にユーザの指に対応する操作キーを配置したものがある(例えば、特許文献1を参照)。この従来の携帯端末では、5本の指に対応する操作キーの操作によって各種の入力操作を簡便に実施している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−294542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えばタッチパネル操作式の携帯端末の表示部において、メール本文を表示する画面と文字入力画面とが同時に分割表示される場合、分割表示される各画面の配置や大きさは固定されており、ユーザが変更することはできない。例えば文字入力操作を簡便にするために、メール本文の表示画面よりも、文字入力画面を大きく表示させるなどといったことはできない。このように、表示部に複数の画面を分割表示する場合に、ユーザの好みに応じてその分割表示される各画面の配置や大きさを自在に変更することが望まれている。
【0005】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、表示部に複数の画面を分割表示する場合に、分割表示される各画面の配置や大きさをユーザが自在に設定することができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決のため、本発明に係る携帯端末は、表示部が設けられた表示面と、表示面の周りに設けられた複数の側面と、を有する端末本体と、ユーザが選択する側面上の特定の位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段によって検出された特定の位置を通る分割線に基づいて、表示部に表示される画面を分割する表示制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
この携帯端末では、ユーザは、表示面の周りに設けられた側面のうち特定の位置を選択することができる。この選択された特定の位置は位置検出手段によって検出される。表示制御手段は、位置検出手段で検出されたこの特定の位置を通る分割線に基づいて、表示部に表示される画面を分割する。このように、ユーザの選択した側面の特定の位置を基準として、携帯端末の表示部の画面が分割表示される。したがって、分割表示される各画面の配置や大きさをユーザが自在に設定することができる。
【0008】
また、位置検出手段は、ユーザが選択する一の側面上の第一の位置と、ユーザが選択する一の側面と交差する他の側面上の第二の位置と、を検出し、表示制御手段は、第一の位置を通る第一分割線と、第二の位置を通る第二分割線とに基づいて、表示部に表示される画面を分割することが好ましい。
【0009】
この場合、ユーザの選択した所望の位置である第一の位置及び第二の位置を基準とする2つの分割線によって、表示部の画面を少なくとも3分割表示することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る携帯端末よれば、表示部に複数の画面を分割表示する場合、分割表示される各画面の配置や大きさをユーザが自在に設定することができる携帯端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明に係る携帯端末の一部を示す斜視図である。
【図2】図2(a)は、位置検出部を選択するための物理キーの固定状態を説明する図である。図2(b)は、位置検出部を選択するための物理キーの移動状態を説明する図である。図2(c)は、位置検出部を選択するための物理キーの固定状態を説明する図である。
【図3】図3は、本発明に係る携帯端末の機能的な構成要素を示すブロック図である。
【図4】図4(a)は、3つの物理キーが初期位置にあり第一画面が表示された例を示す図である。図4(b)は、物理キーの移動により、第一画面及び第二画面が横に並んで2分割表示された例を示す図である。
【図5】図5(a)は、物理キーの移動により、第二画面のみが表示された例を示す図である。図5(b)は、物理キーの移動により、第一画面及び第二画面が縦に並んで2分割表示された例を示す図である。
【図6】図6(a)は、物理キーの移動により、第一画面、第二画面、及び第三画面が3分割表示された例を示す図である。図6(b)は、物理キーの移動により、第三画面及び第四画面が縦に並んで2分割表示された例を示す図である。
【図7】図7は、物理キーの移動により、第一画面、第二画面、第三画面、及び第四画面が4分割表示された例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る携帯端末の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る携帯端末の一部を示す斜視図である。携帯端末1は、物理的には、CPU、メモリ、通信インタフェイス、ハードディスク等の格納部、位置検出部3、物理キー4、液晶パネルディスプレイなどの表示部5、及び端末本体10等を備えたタッチパネル操作式の携帯電話機である。
【0013】
端末本体10は直方体形状をなし、表示面15と、表示面15の反対側に対向配置された裏面16と、表示面15と裏面16との間に存在する4つの側面(すなわち第一側面11、第二側面12、第三側面13、及び第四側面14)とを有する。図1に示されるように、これら4つの側面11,12,13,14は、表示面15の周りに設けられている。
【0014】
表示部5は、携帯端末1の表示面15に設けられ、例えば各種の機能アイコンが表示されたメニュー画面、メール選択画面、メール本文画面、文字入力画面などの画面が分割可能に表示される部分である。表示部5は、図1に示す例では矩形状をなしている。
【0015】
位置検出部3は、ユーザが選択する側面上の特定の位置を検出する部分である。位置検出部3は、例えば圧電センサである。圧電センサは、圧電効果を利用した受動素子であり、ピエゾ素子ともいわれる。位置検出部3では、ユーザの選択した側面上の特定の位置に対応する位置に存在する圧電体に加えられた力を電圧に変換することにより、その選択される特定の位置に関する情報を電気信号として後述する表示制御部101に出力する。
【0016】
位置検出部3は、表示部5を囲うように端末本体10の4つの側面11,12,13,14にわたって複数個設けられている。図1に示す例では、位置検出部3は、端末本体10の4つの側面11,12,13,14にそれぞれ設けられた4つの溝部2(すなわち第一溝部21、第二溝部22、第三溝部23、及び第四溝部24)に埋設されている。
【0017】
より具体的に位置検出部3は、複数の角部位置検出部31,32,33,34と、複数の側部位置検出部311,312,313,314とを含んでいる。4つの角部位置検出部31,32,33,34は、端末本体10の4つの側面11,12,13,14がそれぞれ結合する4つの角部に対応する位置にそれぞれ設けられている。一方、複数の側部位置検出部311,312,313,314は、隣り合う角部位置検出部31,32,33,34同士を直線状に繋ぐ位置に設けられている。また複数の側部位置検出部311,312,313,314は、隣接する複数の側部位置検出部同士と一定の間隔を置いて配列されている。
【0018】
物理キー4は、ユーザによる側面上の特定の位置の選択を簡便に行うための補助具である。物理キー4は、複数の位置検出部3上をスライド移動可能となっている。具体的に物理キー4は、端末本体10の側面11,12,13,14を角部と溝部2(第一溝部21、第二溝部22、第三溝部23、及び第四溝部24)に沿ってスライド移動可能となっている。
【0019】
ユーザは、位置検出部3が設けられている側面上の特定の位置に物理キー4を固定することにより、側面上の特定の位置の選択を簡便に行うことができる。図1では、第一物理キー41、第二物理キー42、及び第三物理キー43の3つの物理キーを用いる例を示す。例えば初期状態として、第一物理キー41は、第一側面11と第四側面14とが結合する角部に対応する位置に存在する角部位置検出部31上に固定されている。また第二物理キー42は、第一側面11と第二側面12とが結合する角部に対応する位置に存在する角部位置検出部32上に固定されている。また第三物理キー43は、第三側面13と第四側面14とが結合する角部に対応する位置に存在する角部位置検出部34上に固定されている。これらの物理キーにより、角部位置検出部31、角部位置検出部32、及び角部位置検出部34の存在する位置にそれぞれ対応する側面上の特定の位置が3つ選択されており、この初期状態では表示部5には1つの画面が表示されている。
【0020】
物理キー4のスライド移動について図2(a)〜図2(c)を用いて説明する。図2(a)〜図2(c)は、端末本体10の側面を示す図である。例えば図2(a)に示すように、端末本体10の角部において、物理キー4の長軸方向を溝部2の延在方向に対して垂直な方向に向かせることにより、物理キー4の位置が固定される。また図2(b)に示すように、物理キー4の長軸方向を溝部2の延在方向に対して平行な方向に向かせることにより、物理キー4は端末本体10の側面をスライド移動可能となる。また図2(c)に示すように、スライド移動させた物理キー4の長軸方向を溝部2の延在方向に対して垂直な方向に向かせることにより、物理キー4を所望の位置に固定できる。
【0021】
図3は、本発明に係る携帯端末の機能的な構成要素を示すブロック図である。携帯端末1は、機能的な構成要素として表示制御部101を備えており、ユーザにより選択された位置検出部3の位置の検出に基づいて、表示部5の画面の分割表示を制御する機能を有している。以下、各構成要素について説明する。
【0022】
表示制御部101は、ユーザにより選択され位置検出部3によって検出された特定の位置を通る分割線に基づいて、表示部5に表示される画面を分割する制御を行う部分である。具体的に表示制御部101では、位置検出部3から出力される位置検出部の位置に関する電気信号に基づいて、表示部5に画面の分割表示に関する信号を出力する。
【0023】
ここで、上述のように表示部5の画面分割表示は、ユーザにより選択された側面上の特定の位置を通る分割線に基づいて行われるが、角部位置検出部31,32,33,34の存在する位置に対応する側面上の特定の位置のみがユーザにより選択されている場合には、画面の分割表示には寄与しない。一方、側部位置検出部311,312,313,314の存在する位置に対応する側面上の特定の位置がユーザにより選択されている場合には、表示制御部101は、その選択された特定の位置を通る分割線に基づいて、表示部5の画面が分割表示の制御を行う。例えば、側部位置検出部の存在する位置に対応する側面上の特定の位置がユーザにより選択されている場合、その特定の位置を始点として、選択された特定の位置と対向する位置に向かって延びる分割線が画成されることにより、表示部5が直線的に分割表示可能となる。
【0024】
以下に、携帯端末1の表示部5における画面分割の操作の具体例について、図4を参照しながら説明する。ここでは、3つの物理キーを用いてユーザが側面上の特定の位置を選択する例を説明する。まず初期状態では、表示部5は1つの画面のみを表示している。この場合、ユーザの選択により3つの物理キーの全てが、いずれかの角部位置検出部の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に固定されている。例えば図4(a)に示すように、第一物理キー41は、右下の角部位置検出部31の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に固定されている。また第二物理キー42は、右上の角部位置検出部32の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に固定されている。また第三物理キー43は、左下の角部位置検出部34の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に固定されている。位置検出部3は、選択された側面上の特定の位置を検出し、その選択された特定の位置に関する電気信号を表示制御部101に出力する。この場合、角部位置検出部の存在する位置に対応する側面上の特定の位置のみが選択されているので、表示部5の画面の分割表示には寄与せず、図4(a)に示すような例えば「メール受信」を示す1つの第一画面51のみが表示部5の全面に表示される。ここで例えばユーザが第一画面51の「メール受信」を示す部分をタッチ操作することにより、第一画面51には例えば「メールの件名ビュー」などが表示される。
【0025】
続いて、ユーザの操作により、角部位置検出部の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に固定されていた1つの物理キーをスライド移動させた後、いずれかの側部位置検出部の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に、この物理キーを固定する。例えば図4(b)に示すように、ユーザが角部位置検出部32の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に固定されていた第二物理キー42を左方向にスライド移動させた後、1つの側部位置検出部312の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に固定する。この場合、3つの物理キー41,42,43を介して選択される側面上の特定の位置が3つ選択されている。位置検出部3では、この選択された角部位置検出部31、角部位置検出部34、及び側部位置検出部312の存在する位置に対応する側面上の3つの特定の位置が検出され、その選択された特定の位置に関する電気信号が表示制御部101に出力される。そして、表示制御部101は、選択された側部位置検出部312の存在する位置に対応する側面上の特定の位置を通る分割線K1を基準として、表示部5の画面の分割表示の制御を行う。より具体的に、選択された側部位置検出部312の存在する位置に対応する側面上の特定の位置を始点として、この特定の位置と対向する位置に向かって延びる分割線K1が画成されることにより、表示部5が直線的に横に2分割される。これにより、第一画面51と第二画面52とが表示部5に2分割表示される。第一画面51及び第二画面52には、ユーザの選択する所望の画面が表示される。例えば、第一画面51に表示されている「メールの件名ビュー」から所望のメールの件名をタッチ操作により選択すると、第二画面52に選択した「受信メールの本文」が表示される。
【0026】
以上説明したように、この携帯端末1は、表示部5が設けられた表示面15と、表示面15の周りに設けられた複数の側面11,12,13,14と、を有し、ユーザが選択する側面上の特定の位置を検出する位置検出部3と、位置検出部3によって検出された特定の位置を通る分割線に基づいて、表示部5に表示される画面を分割する表示制御部101と、を備えている。この携帯端末1では、ユーザは、表示面15の周りに設けられた側面のうち特定の位置を選択することができ、この選択された特定の位置は位置検出部3によって検出される。表示制御部101は、位置検出部3で検出されたこの特定の位置を通る分割線に基づいて、表示部5に表示される画面を分割する。このように、ユーザの選択した側面の特定の位置を基準として、携帯端末1の表示部5の画面が分割表示される。したがって、分割表示される各画面の配置や大きさをユーザが自在に設定することができる。
【0027】
またこの携帯端末1では、位置検出部3が、携帯端末1の表示面15ではなく、側面11,12,13,14に設けられているので、携帯端末1をユーザが握ったまま、簡単に側面上の特定の位置の選択操作をすることができる。さらに、物理キーを併用することにより、側面上の特定の位置の選択操作をより確実かつスムーズにできる。
【0028】
以上、本実施形態に係る携帯端末1の構成や操作を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、図4(b)の操作後、ユーザの操作によりスライド移動させた物理キー42をさらに左方向にスライド移動させた後、角部位置検出部33の存在する位置に対応する側面上の特定の位置上に固定してもよい。例えば図5(a)に示すように、ユーザが側部位置検出部312上の第二物理キー42をさらに左方向にスライド移動させた後、左上の角部位置検出部33の存在する位置に対応する側面上の特定の位置上に固定する。この場合、角部位置検出部31、角部位置検出部33、及び角部位置検出部34の存在する位置に対応する側面上の特定の位置のみが選択されているので、表示部5の画面の分割表示には寄与せず、第二画面52のみが表示部5の全面に表示される。第二画面52には、例えば「メールの本文」を示す1つの画面のみが大きく表示される。したがって、上述のように、ユーザの所望する特定の位置を移動しながら選択することにより、表示部5がその選択された特定の位置を通る分割線K1を基準としてユーザの望む配置や大きさとした第一画面51と第二画面52からなる2画面が横に分割表示された後に、さらにその特定の位置の選択を解除して、別の特定の位置(ここでは、角部位置検出部33の存在する位置に対応する側面上の特定の位置)を選択することにより、ユーザの望む配置や大きさとした第二画面52を表示できる。
【0029】
また、図4(a)の操作後、例えば図5(b)に示すように、ユーザが、左下の角部位置検出部34の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に固定されている第三物理キー43を上方向にスライド移動させた後、1つの側部位置検出部312の存在する位置に対応する側面上の特定の位置上に固定してもよい。この場合、3つの物理キーを介して、角部位置検出部31、角部位置検出部32、及び側部位置検出部313の存在する位置に対応する側面上の3つの特定の位置が選択されている。このうち角部位置検出部31及び角部位置検出部32の存在する位置に対応する側面上の特定の位置の選択は、画面の分割表示には寄与しない。一方、側部位置検出部312の存在する位置に対応する側面上の特定の位置の選択は、画面の分割表示に寄与する。すなわち、表示制御部101は、この側部位置検出部312の存在する位置に対応する側面上の特定の位置を通る分割線K2を基準として、表示部5の画面の分割表示の制御を行う。例えば、選択された特定の位置を始点として、この選択された特定の位置と対向する位置に向かって延びる分割線K2が画成されることにより、表示部5が直線的に縦に2分割される。このようにユーザの選択操作によって、所望の大きさとした第一画面51及び第二画面52を表示部5に縦に2分割表示させることができる。例えば、第一画面51に「メールの件名ビュー」が表示されている場合に、ユーザが所望のメールの件名をタッチ操作により選択すると、第二画面52に選択した「受信メールの本文」が表示される。
【0030】
さらに、図5(b)の操作後、例えば図6(a)に示すように、ユーザが右上の角部位置検出部32の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に固定されている第二物理キー42を左方向にスライド移動させた後、1つの側部位置検出部312の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に固定してもよい。この場合、3つの物理キーを介して、角部位置検出部31、側部位置検出部312、及び側部位置検出部313の存在する位置に対応する側面上の特定の位置が選択されている。このうち角部位置検出部31の存在する位置に対応する側面上の特定の位置の選択は、画面の分割表示には寄与しない。一方、側部位置検出部312及び側部位置検出部313の存在する位置に対応する側面上の特定の位置の選択は、画面の分割表示に寄与する。表示制御部101は、側部位置検出部312及び側部位置検出部313の存在する位置に対応する側面上の2つの特定の位置を通る2つの分割線K2,K3を基準として、表示部5の画面を分割表示可能とする。例えば、側部位置検出部313の存在する位置に対応する側面上の特定の位置を始点として、例えばこの特定の位置と対向するに向かって延びる分割線K2が画成されることによって表示部5の一部が直線的に縦に分割されるとともに、側部位置検出部312の存在する位置に対応する側面上の特定の位置を始点として、例えばこの特定の位置と対向する位置に向かって延びる分割線K3が画成されることによって表示部5の一部が直線的に横に分割される。
【0031】
このように、位置検出部313,312は、ユーザが選択する一の側面13上の第一の(特定の)位置と、ユーザが選択する一の側面13と交差する他の側面12上の第二の(特定の)位置と、を検出し、表示制御部101は、第一の位置を通る第一分割線K2と、第二の位置を通る第二分割線K3とに基づいて、表示部5に表示される画面を分割することが好ましい。このようなユーザによる側面12,13上の2つの特定の位置の選択によって、所望の配置や大きさとした第一画面51、第二画面52、及び第三画面53を表示部5に3分割表示させることができる。従って、ユーザの選択操作により、例えば第一画面51に「メールの件名ビュー」を表示させ、第二画面52に「受信メールの本文」を表示させ、第三画面53に「返信メールの本文」を所望の配置、大きさとして表示させることができる。
【0032】
また、図6(a)に示す例では、一方の分割線K3が、他方の分割線K2と交わる箇所まで延びて、その他方の分割線K2を突き抜けさせないことにより、画面が3分割表示されている。しかし、一方の分割線K3が、他方の分割線K2と交わる箇所まで延びつつ、他方の分割線K2を突き抜けさせてさらに画面の外縁側まで延ばすようにすることにより、画面を4分割表示することもできる。このような分割線の画成の設定操作は、ユーザによって予め行うことができ、表示制御部101により実行させることができる。
【0033】
また、図6(a)の操作後、例えば図6(b)に示すように、さらに第二物理キー42を左方向にスライド移動させた後、左上の角部位置検出部332の存在する位置に対応する側面上の特定の位置に第二物理キー42を固定するとともに、右下の角部位置検出部31上の第一物理キー41を左にスライド移動させた後、左下の角部位置検出部34上に固定してもよい。この場合、3つの物理キーを介して、角部位置検出部33、側部位置検出部313、及び角部位置検出部34の存在する位置に対応する側面上の特定の位置が選択されている。このうち角部位置検出部33及び角部位置検出部34の存在する位置に対応する側面上の2つの特定の位置の選択は、画面の分割表示には寄与しない。一方、側部位置検出部313の存在する位置に対応する側面上の特定の位置の選択は、画面の分割表示に寄与する。表示制御部101は、この特定の位置を通る分割線K2を基準として、表示部5の画面が分割表示可能とする。例えば選択された側部位置検出部313の存在する位置に対応する側面上の特定の位置を始点として、例えばこの特定の位置と対向する位置に向かって延びる分割線K2が画成されることにより、表示部5が直線的に縦に分割される。このようなユーザによる側面上の特定の位置の選択によって、所望の配置や大きさとした第三画面53及び第四画面54を表示部5に縦に2分割表示させることができる。ユーザの選択操作により、例えば第三画面53に「返信メールの本文」を表示させ、第四画面54に「キーボード入力画面」などを表示させることができる。
【0034】
さらにまた、図6(a)の操作後、例えば図7に示すように、ユーザが第一物理キー41を左方向にスライド移動させた後、側部位置検出部314の存在する位置に対応する側面上の特定の位置上に固定してもよい。この場合、3つの物理キーを介して、側部位置検出部312、側部位置検出部313、及び側部位置検出部314の存在する位置に対応する側面上の3つの特定の位置が選択されている。表示制御部101は、これら3つの特定の位置をそれぞれ通る3つの分割線K2,K3,K4を基準として、表示部5の画面を分割表示可能とする。例えば、側部位置検出部313の存在する位置に対応する側面上の特定の位置を始点として、例えばこの特定の位置と対向する位置に向かって延びる分割線K2と、側部位置検出部312の存在する位置に対応する側面上の特定の位置を始点として、例えばこの特定の位置と対向する位置に向かって延びる分割線K3と、なおかつ側部位置検出部314の存在する位置に対応する側面上の特定の位置を始点として、例えばこの特定の位置と対向する位置に向かって延びる分割線K4により、表示部が、図7に示すように4分割表示される。このようにユーザの選択操作によって、所望の配置や大きさとした第一画面51、第二画面52、第三画面53、及び第四画面54を表示部5に4分割表示させることができる。ユーザの選択操作により、例えば第一画面51に「メールの件名ビュー」を表示させ、第二画面52に「キーボード入力画面」を表示させ、第三画面53に「返信メールの本文」を表示させ、第四画面54に「テンキー入力画面」などを表示させることができる。
【0035】
また、図7に示す例では、2つの分割線K3と分割線K4が、他の分割線K2と交わる箇所まで延びて、この他の分割線K2を突き抜けさせないことにより、画面が4分割表示されている。しかし、分割線K3または/及び分割線K4が、他の分割線K2と交わる箇所まで延びつつ、この他の分割線K2を突き抜けさせてさらに画面の外縁側まで延びさせることにより、画面を5分割または6分割することもできる。このような分割線の画成の設定操作は、ユーザによって予め行うことができ、表示制御部101により実行させることができる。
【0036】
以下、変形例を説明する。上記実施形態では、ユーザにより選択される側面上の特定の位置が3つである例を示したが、この数に限定されず、1つや2つなどでもよい。ユーザにより選択される側面上の特定の位置の数を増やすほど、画面分割の数も増やすことができる。また、ユーザによる側面上の特定の位置の選択に物理キー4を用いる例を示したが、物理キー4は必ずしも必要ではない。また、位置検出部が圧電センサである例を示したが、位置検出部は静電センサでもよく、この場合、物理キー4は不要である。静電センサは、ユーザが触れる指先などのわずかな静電容量の変化で、その位置の情報を電気信号に変えるものである。具体的には、ユーザにより選択される側面上の特定の位置に対応する位置に存在する静電センサを通じて、ユーザである人体の寄生容量を、ユーザの指と静電センサの電極の容量結合を通じて検出し、容量変位を電圧変化として、位置検出部3が検出する。位置検出部3では、検出した電圧をAD変換器で変換したデジタル値を元に取り出した電圧を適宜補正して、電気信号として表示制御部101へ出力する。
【0037】
また、ユーザの操作(例えばタッチ操作)によって、表示部5に分割表示される各画面の表示内容を各画面内において自由に左右上下に移動させることや、その各画面内においてを拡大縮小表示することも可能である。このように、ユーザの好みに応じた画面表示を実現できる。また上記では、携帯端末1がタッチパネル操作式である例を示したが、タッチパネル操作式以外の例えばボタン操作式の携帯端末などであってもよい。また上記では、携帯端末1が、表示面15、裏面16、4つの側面11,12,13,14の計6つの面からなる直方体形状である例を示したが、携帯端末1の形状はこれに限定されず、例えば表示面の周りに湾曲した側面が設けられた卵型形状などであってもよい。これらのいずれの場合においても、上記実施形態と同様に、表示部に複数の画面を分割表示する場合、分割表示される各画面の配置や大きさをユーザが自在に設定することができる携帯端末を提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1…携帯端末、2…溝部、3…位置検出部、4…物理キー、5…表示部、10…端末本体、11,12,13,14…側面、15…表示面、16…裏面、101…表示制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部が設けられた表示面と、前記表示面の周りに設けられた複数の側面と、を有する端末本体と、
ユーザが選択する前記側面上の特定の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段によって検出された前記特定の位置を通る分割線に基づいて、前記表示部に表示される画面を分割する表示制御手段と、を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記位置検出手段は、前記ユーザが選択する一の側面上の第一の位置と、前記ユーザが選択する前記一の側面と交差する他の側面上の第二の位置と、を検出し、
前記表示制御手段は、前記第一の位置を通る第一分割線と、前記第二の位置を通る第二分割線とに基づいて、前記表示部に表示される画面を分割する請求項1に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−209881(P2011−209881A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75454(P2010−75454)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】