説明

携帯端末

【課題】著作権者の保護と、使用者の使い勝手とを両立させることができる携帯端末を提供する。
【解決手段】制御部8は、テレビジョン信号が許可情報を含んでいる場合、メモリカード7に記憶することで、携帯端末の使用者の便宜を図りつつも、テレビジョン信号に基づく画像にかかる著作権者の権利を保護することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像機能及びテレビジョン放送受信機能を備えた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像機能付き携帯電話が急速に発達し、例えば200万画素の固体撮像素子を搭載したものも市販されている。一方、TVチューナーを内蔵した携帯電話も登場するようになった(非特許文献1)。ここで、撮像機能付き携帯電話においては、自ら撮像した画像もしくは映像に関する著作権は、本来的には撮影者に帰属するため、これらをコピーしたり、メール添付で第三者に送信することは通常は自由である。一方、TV番組の静止画もしくは動画像に関する著作権については、本来的には携帯電話の使用者に帰属しないので、これらをコピーしたり、メール添付で第三者に送信することは、通常は制限があると考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】http://www.vodafone.jp/japanese/products/kisyu/v401t/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、撮像により得られた画像と、放映された映像から取得された画像とは、画像信号としては区別が付かないため、メモリ内に混在して記憶すると、そのような携帯電話の使用者が、著作権により配布等を禁止されている画像について、無意識に第三者にメール添付で送信してしまったり、他人にメモリごと譲渡したりする場合もあり、著作権者の保護が図りにくいということがある。一方、著作権者が許可したものについては、原則的に配布やコピーは自由であることから、その取り扱いに制限を課すのは妥当でない。従って、放映された映像から取得される画像についてどのように取り扱うかが問題となる。
【0005】
本発明は、これらの課題に鑑みてなされたものであり、著作権者の保護と、使用者の使い勝手とを両立させることができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明の携帯端末は、撮像を行って画像信号を生成する撮像部と、テレビジョン信号を受信し、前記テレビジョン信号から画像信号を生成するチューナ部と、前記撮像に基づく画像と、前記テレビジョン信号に基づく画像との少なくとも一方を表示する表示部と、前記撮像部により生成された画像信号を第1の画像データとして、及び/又は前記チューナ部により生成された画像信号を第2の画像データとして、外部の端末へ送信可能な通信手段と、を有する携帯端末であって、前記通信手段は、所定の条件が満たされたときに、前記第2の画像データを外部の端末へ送信するので、前記携帯端末の使用者の便宜を図りつつも、前記テレビジョン信号に基づく画像の著作権者の権利を損なう恐れがある場合(所定の条件が満たされていない場合)には、第2の画像データを外部へ送信しないことで、かかる権利を保護することができる。尚、本明細書中、「画像」というときは、静止画像の他、音声なし動画像及び音声付き動画像を含むものとする。また、本明細書においては、画像信号を処理することで、画像データとしているが、既に処理された画像信号は、画像データと同じものとして扱うものとする。
【0007】
前記テレビジョン信号から生成された画像信号が、それに基づく画像を前記携帯端末以外の端末に配布することを許可する情報を含んでいる場合、前記所定の条件が満たされたものとして、前記通信手段は、前記第2の画像データを外部の端末へ送信することで、前記通信手段が自動的に、前記テレビジョン信号に基づく画像に対応する第2の画像データを外部の端末へ送信するか否かを判断するので便利である。尚、「配布することを許可する情報を含む」とは、配布することを禁止する情報を含んでいない場合も相当する。
【0008】
第2の本発明の携帯端末は、撮像を行って画像信号を生成する撮像部と、テレビジョン信号を受信し、前記テレビジョン信号から画像信号を生成するチューナ部と、前記撮像に基づく画像と、前記テレビジョン信号に基づく画像との少なくとも一方を表示する表示部と、着脱不能な第1メモリと、着脱可能な第2メモリと、を有する携帯端末であって、前記撮像部により生成された画像信号を第1の画像データとして、前記第1メモリと前記第2メモリの少なくとも一方に記憶可能としており、前記チューナ部により生成された画像信号を第2の画像データとして、前記第1メモリのみに記憶可能としている。前記第2メモリは着脱自在であるので、これを着脱して別の携帯電話に装填したり、パソコンからアクセスさせると、画像データの外部流出が任意に可能となってしまうことに鑑みて、前記撮像に基づく画像に対応する第1の画像データは前記第2メモリにも記憶可能とすることで、前記携帯端末の使用者の便宜を図りつつ、前記テレビジョン信号に基づく画像に対応する第2の画像データは前記第2メモリに記憶不能とすることで、前記テレビジョン信号に基づく画像の著作権者の権利を損なう恐れを回避する。
【0009】
前記第2の画像データは、前記テレビジョン信号に基づく画像であることを示す情報を含んでいると、かかる情報に基づいて、前記メモリへの記憶を選択的に行えるので好ましい。ここで、「テレビジョン信号に基づく画像であることを示す情報を含んでいる」とは、何月何日何時何分にいずれのチャンネルから取得したというような具体的な情報を付する他、撮像部から得られた画像とは異なる識別子を付する場合も該当する。
【0010】
所定の条件が満たされたときに、前記着脱不能な第1メモリに記憶されている前記第2の画像データを、前記着脱可能な第2メモリに記憶できるコピー手段を有すると好ましい。例えば著作権者がコピーを許可することを示す所定の条件が満たされれば、前記第2の画像データを、前記着脱可能な第2メモリに記憶しても、その利益を損なう恐れはないからである。
【0011】
第3の本発明の携帯端末は、撮像を行って画像信号を生成する撮像部と、テレビジョン信号を受信し、前記テレビジョン信号から画像信号を生成するチューナ部と、前記撮像に基づく画像と、前記テレビジョン信号に基づく画像との少なくとも一方を表示する表示部と、前記撮像部により生成された画像信号を第1の画像データとして、及び/又は前記チューナ部により生成された画像信号を第2の画像データとして、記憶する着脱可能なメモリと、を有する携帯端末であって、前記メモリは、所定の条件が満たされたときに、前記第2の画像データを記憶するので、前記携帯端末の使用者の便宜を図りつつも、前記テレビジョン信号に基づく画像の著作権者の権利を損なう恐れがある場合(所定の条件が満たされない場合)には、前記第2の画像データを前記メモリに記憶しないことで、かかる権利を保護することができる。
【0012】
前記テレビジョン信号から生成された画像信号が、それに基づく画像をコピーすることを許可する情報を含んでいる場合、前記所定の条件が満たされたものとして、前記メモリは、前記第2の画像データを記憶することで、自動的に、前記第2の画像データを前記メモリへ記憶するか否かを判断するので便利である。尚、「コピーすることを許可する情報を含む」とは、コピーすることを禁止する情報を含んでいない場合も該当する。
【0013】
前記所定の条件が満たされたか否かに関わらず、前記第2の画像データを記憶する着脱不能なメモリを有すると、前記表示部への表示などを行うのに便利である。又、着脱不能なメモリ自体は、携帯端末より分離ができず、それを介して画像データを外部流出させることは困難であるから、著作権者の利益を損なう恐れを回避できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、著作権者の保護と、使用者の使い勝手とを両立させることができる携帯端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施の形態にかかる携帯電話Tの正面図(a)及びその背面図(b)である。
【図2】本実施の形態にかかる携帯電話Tの構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態にかかる携帯電話Tの動作の一例を示すフローチャート図である。
【図4】変形例にかかる携帯電話Tの動作の一例を示すフローチャート図である。
【図5】別な実施の形態にかかる携帯電話Tの動作を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施の形態にかかる撮像機能付き携帯電話Tの正面図(a)及びその背面図(b)である。かかる携帯電話Tについて説明する。図1に示すように、携帯電話Tは、表示画面(表示部ともいう)174を備えたケースとしての上筐体171と、操作ボタン群16を備えた下筐体172とがヒンジ173を介して連結されている。レンズとCCDとを含む撮像部100は、上筐体171の内表面側(表示画面174を有する側)の表示画面174の下方に内蔵されており、撮像部100内へと、レンズ42(図2)を介して上筐体171の外表面から光を取り込めるようになっている。
【0017】
下筐体172の側面には、モードスイッチ41が配置されている。モードスイッチ41は、図に示す中央位置から上方及び下方にスライド可能となっており、通常このモードスイッチ41は中央位置にあり、通話モード(もしくはメール送信モード)を設定しているが、上方にスライドさせると、それに応じて制御部8(図2)が通話モードからカメラモードに切り替える。カメラモードでは、レリーズスイッチRの操作により撮像が可能となる。一方、モードスイッチ41を下方にスライドさせると、それに応じて制御部8が通話モードからテレビモードに切り替える。テレビモードでは、TVチューナ部50(図2)で生成した画像信号に基づいて、表示画面174にテレビ映像を表示できるようになっている。
【0018】
図2は、本実施の形態にかかる撮像機能付き携帯電話Tの構成を示すブロック図である。通話モードが設定されている場合、図2において、送話部2では、例えばコンデンサマイク21などから使用者の発する音声が、このマイク21を介して音声信号に変換された後、音声コーデック11、チャネルコーデック12、変調部22を介して送信部23へ出力され、SWIC13によりダイバーシティアンテナ14から、外部の電話機等を介して通話相手へ送信される。又、通信手段である送信部23は、所定の条件下、制御部8からの指示により、記憶部(又はメモリともいう)であるFROM51又は着脱可能なメモリカード7に記憶された画像に対応する画像データを、メール添付して外部の端末へと送信できるようになっている。
【0019】
一方、受話部3では、通話相手からの送信信号を前述のダイバーシティアンテナ14を介してSWIC13により受信部31で受信すると、復調部32、チャネルコーデック12、音声コーデック11を介して通話相手の音声がレシーバ33やスピーカ34などから聞き取れるように構成されている。
【0020】
TVチューナ部(チューナ部ともいう)50は、不図示のアンテナを介してテレビジョンのアナログ放送信号もしくはデジタル放送信号(これらを総称してテレビジョン信号という)を取得し、それに基づき画像信号を生成する。画像信号は、制御部8で画像処理されて、表示画面174に入力されて可視画像として表示される。尚、請求項にいう「所定の処理」とは、例えば撮像部100又はチューナ部50から得られた画像信号に対し、輝度と色差からなるビデオ信号に変換し、規格化された圧縮方式を使用し圧縮処理を施して画像データを得るための処理をいう。なお所定の処理は本方式に限ったものでなく、要は、記憶部へ記憶するために、画像信号に何らかの処理を使用して得られたデータを画像データとして扱うものとする。
【0021】
撮像素子を含む撮像部100は、図2に示すように、表示画面174や操作ボタン群16を設けた前面側とは反対の背面側にレンズ42を設けており、カメラモードが設定されている場合、撮影した画像がこのレンズ42を介してCCDなどの撮像素子43に結像するので、そこから出力される画像信号を取得できるようになっている。尚、図示していないが、レンズ42は合焦位置になるよう光軸方向に駆動可能な構成となっている。また、この実施形態の撮像部100は、カメラモード時に、操作ボタン群16のうちレリーズスイッチRを操作することで、撮像処理を行い、それにより得られた画像信号に基づき、カードコントローラ52により選択されたFROM51又はメモリカード7に、対応する画像データが記憶されるようになっている。
【0022】
着脱不能なFROM51(第1メモリ)と着脱可能なメモリカード7(第2メモリ)は、撮像部100で撮像した画像に対応する画像データを記憶しておくためのものであるが、図3に示す実施の形態では、テレビジョン信号に基づく画像に対応する画像データはFROM51のみに記憶される。尚、これ以外に、制御部8はワークメモリを有している。このワークメモリは、後述のプレビュー表示のために画像信号に所定の処理を施す場合や、メモリカード7へ記憶するために画像信号へ所定の画像処理を行う場合に、一時的に記録するためなどに使用されるものである。
【0023】
図3は、本実施の形態にかかる撮像機能付き携帯電話Tの動作の一例を示すフローチャート図である。携帯電話Tの使用者がパワースイッチをオンにすると、通話モードで外部の携帯電話と通話を行うことができる。ここで、ユーザーがモードスイッチ41を操作したものとする(図3のステップS101)。すると、制御部8は、ステップS102で、モードスイッチ41からの信号に基づいて、カメラモードとテレビモードのいずれかを設定する。
【0024】
より具体的には、モードスイッチ41が上方に操作されたことに応動し、制御部8は、カメラモードを設定する。このとき、ステップS103で、制御部8は、予め選択された情報に基づいて画像データの記憶先としてFROM51もしくはメモリカード7のいずれかを選択する。
【0025】
更に、ステップS104で、制御部8は、撮像部100を制御して、フォーカシングを行い合焦位置にレンズ42を移動させ、撮像素子43を介して取り込んだ画像信号に所定の処理を施して、表示画面174に入力し、可視画像として表示し、いわゆるプレビュー表示を行う。
【0026】
更に、ステップS105で、制御部8はレリーズスイッチRの操作を待ち、そのレリーズ操作に応動して、ステップS106において、撮像部100に撮像処理を実行させ画像の取り込みを行って、得られた画像信号を画像処理して、画像の記憶先として選択されているFROM51もしくはメモリカード7に、対応する画像データ(第1の画像データ)を記憶する(ステップS107)。例えば、レリーズスイッチRが瞬時押圧された場合には、その瞬間の静止画像に対応する画像信号が画像データとされ、レリーズスイッチRが一定期間押圧された場合には、その期間の動画に対応する画像信号が画像データとされるものとする。
【0027】
これに対し、ステップS102で、モードスイッチ41が下方に操作された場合には、制御部8は、テレビモードを設定する。このとき、ステップS108で、制御部8は、TVチューナ部50を介して生成された画像信号を入力して画像処理し画像データ(第2の画像データ)としてFROM51に記憶する。即ち、本実施の形態では、テレビジョン信号に対応する画像データは、着脱可能なメモリカード7に記憶されることはない。更に、ステップS109で、制御部8は、画像信号に所定の処理を施して、表示画面174に入力し、可視画像として表示する。それにより携帯電話の使用者は、テレビ番組を視聴できる。尚、テレビジョン信号に基づく画像データは、FROM51の記憶残量が少なくなった場合、古い画像データに順次上書きされる。但し、FROM51の容量節約のため、レリーズスイッチRを押したときだけ、テレビジョン信号に対応する画像データをFROM51に記憶するようにしても良い。例えば、レリーズスイッチRが瞬時押圧された場合には、その瞬間の静止画像に対応する画像信号が画像データとされ、レリーズスイッチRが一定期間押圧された場合には、その期間の動画に対応する画像信号が画像データとされるものとする。
【0028】
本実施の形態によれば、TVチューナ部50から入力された画像信号に基づく画像データを、着脱不能なFROM51のみに記憶するので、違法なコピーを防止して、放映された画像にかかる著作権者の権利を保護することができる。一方、TVチューナ部50から入力された画像信号に基づいて視聴は可能であるから、携帯電話の使用者の使い勝手を確保できる。
【0029】
尚、ユーザーからの料金徴収により著作権者側の許可が得られたごとく所定の条件が満たされたときには、所定のキー入力に応じてコピー手段である制御部8が、FROM51に記憶されているテレビジョン信号に対応する画像データを、メモリカード7へとコピーするようにしても良い。
【0030】
ところで、上述した実施の形態では、テレビジョン信号に基づく画像に対応する画像データは、メモリカード7に記憶させないようにしているが、このような一律な取り扱いは使用者の使い勝手を損ねる恐れがある。以下の変形例では、所定の条件下、テレビジョン信号に基づく画像に対応する画像データを、メモリカード7に記憶させることで、使用者の使い勝手を向上させている。
【0031】
図4は、本実施の形態の変形例にかかるフローチャート図である。図4において、ステップS101〜S109は、図3に示すフローチャートと同じであるため説明を省略する。ここで、TVチューナ部50の取得したテレビジョン信号が、画像の配布、コピー、配布及びコピーのいずれかを許可もしくは禁止する情報を含む場合、TVチューナ部50は、生成された画像信号の中にそれに応じた許可情報を、付帯情報として埋め込むものとする。
【0032】
例えば、携帯電話の使用者は、料理番組のレシピやクイズの送り先など、テレビ番組の一部をメモリカード7に記録したい場合がある。かかる場合、例えばレリーズスイッチ(記録開始ボタンを兼ねる)Rを操作するものとする。ステップS110で、制御部8はレリーズスイッチRの操作を待ち、そのレリーズ操作に応動して、ステップS111において、現在表示画面に表示されている画像に対応する画像信号の許可情報をチェックする。ここで、許可情報が「コピー可能」もしくは「配布及びコピー可能」である旨の情報を含んでいれば、制御部8は表示画像に対応する画像データを画像信号から抽出してメモリカード7に記憶する(ステップS112)。このとき、制御部8は、テレビジョン信号から取得された画像データ(例えば識別子.png)は、撮像部100から得られた画像データ(例えば識別子.jpg)とは識別子を変え、且つ画像データ中の付帯情報内に、許可情報に対応づけて「配布不可」もしくは「配布可能」の情報を含ませるものとする。
【0033】
一方、許可情報が「コピー不可」もしくは「配布及びコピー不可」である旨の情報を含んでいれば、制御部8は、表示画像と共に、或いはそれに代えて、「この画像は記録できません」などの警告表示を、表示画面174に行わせるようにする(ステップS113)。かかる場合、メモリカード7への記憶は行われない。
【0034】
本実施の形態によれば、携帯電話の使用者の使い勝手を確保しつつ、違法なコピーを防止して、放映された画像にかかる著作権者の権利を保護することができる。
【0035】
図5は、本実施の形態にかかる撮像機能付き携帯電話Tの動作の別例を示すフローチャート図である。本実施の形態でも、TVチューナ部50の取得したテレビジョン信号が、画像の配布、コピー、配布及びコピーのいずれかを許可もしくは禁止する情報を含む場合、TVチューナ部50は、画像信号の中にそれに応じた許可情報を、付帯情報として埋め込むものとする。
【0036】
まず、携帯電話Tの使用者がメール送信モードを設定しているものとする。ここで、使用者は、メモリカード7に記憶された画像を添付したメールを送信したい場合がある。尚、メモリカード7に記憶された画像データ中の付帯情報内に、「配布不能」の情報が含まれているものは、原則的にメール添付不能であるが、例えば使用者が著作権者側に料金を払う(携帯電話の料金引き落とし口座からの引き落としを含む)ことで、所定の暗号情報(例えば数字の組み合わせ)を割り当てられている場合、かかる暗号情報を操作ボタン群16を用いて入力することで、その制限が解除されるものとする。
【0037】
まず、ステップS201で、使用者は、メール宛先などの所定の入力後に、メモリカード7に記憶された画像を表示画面174で確認し、送信したい画像を選択する。すると、制御装置8は、選択された画像に付随する情報又はその識別子を判断し(ステップS202)、それが撮像部100により撮影された画像であると判断した場合、ステップS203で、その画像データをメール添付にて相手先に送信する。
【0038】
一方、選択された画像に付随する情報又はその識別子を判断し、それがテレビジョン信号から抽出された画像であると判断した場合、制御部8は、ステップS204で、その画像データの付帯情報内に、「配布可能」の情報が含まれているか否か判断する。「配布可能」の情報が含まれていれば、著作権の問題はクリアできるので、制御部8は、ステップS203で、その画像データをメール添付にて相手先に送信する。
【0039】
更に、選択された画像データの付帯情報内に、「配布不可」の情報が含まれていた場合でも、使用者が予め所定の暗号情報を割り当てられていれば、メール送信は可能である。そこで、使用者が操作ボタン群16を操作することで、数字の組み合わせをキー入力したときは、制御部8は、ステップS205で、入力された数字の認証を行い、正しい数字の組み合わせが入力されたと判断した場合、画像データの付帯情報内の「配布不可」の情報を「配布可能」の情報に書き換える。かかる場合、著作権の問題はクリアできるので、制御部8は、ステップS203で、その画像データをメール添付にて相手先に送信する。尚、この画像データの付帯情報内には、「配布可能」の情報が含まれているので、以降この画像データのメール送信は自由になる。
【0040】
これに対し、正しい数字の組み合わせが入力されなかったと判断した場合、制御部8は、ステップS206で、「この画像は送信できません」などの警告表示を表示画面174に行わせ、且つメール添付できないように処理する。
【0041】
本実施の形態によれば、携帯電話の使用者の使い勝手を確保しつつ、違法な配布を防止して、放映された画像にかかる著作権者の権利を保護することができる。
【0042】
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。例えば、携帯端末とは、携帯電話に限らず、PDA(Personal Digital(Data) Assistants)なども含む。
【符号の説明】
【0043】
7 メモリカード
11 音声コーデック
12 チャネルコーデック
14 ダイバーシティアンテナ
16 操作ボタン群
21 コンデンサマイク
21 マイク
22 変調部
23 送信部
31 受信部
32 復調部
33 レシーバ
34 スピーカ
42 レンズ
43 撮像素子
50 TVチューナ部
51 FROM
100 撮像部
174 表示画面
R レリーズスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像を行って画像信号を生成する撮像部と、
テレビジョン信号を受信し、前記テレビジョン信号から画像信号を生成するチューナ部と、
前記撮像に基づく画像と、前記テレビジョン信号に基づく画像との少なくとも一方を表示する表示部と、
前記撮像部により生成された画像信号を第1の画像データとして、及び/又は前記チューナ部により生成された画像信号を第2の画像データとして、外部の端末へ送信可能な通信手段と、を有する携帯端末であって、
前記通信手段は、所定の条件が満たされたときに、前記第2の画像データを外部の端末へ送信することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記テレビジョン信号から生成された画像信号が、それに基づく画像を前記携帯端末以外の端末に配布することを許可する情報を含んでいる場合、前記通信手段は、前記第2の画像データを外部の端末へ送信することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
撮像を行って画像信号を生成する撮像部と、
テレビジョン信号を受信し、前記テレビジョン信号から画像信号を生成するチューナ部と、
前記撮像に基づく画像と、前記テレビジョン信号に基づく画像との少なくとも一方を表示する表示部と、
着脱不能な第1メモリと、
着脱可能な第2メモリと、を有する携帯端末であって、
前記撮像部により生成された画像信号を第1の画像データとして、前記第1メモリと前記第2メモリの少なくとも一方に記憶可能としており、
前記チューナ部により生成された画像信号を第2の画像データとして、前記第1メモリのみに記憶可能としていることを特徴とする携帯端末。
【請求項4】
前記第2の画像データは、前記テレビジョン信号に基づく画像であることを示す情報を含んでいることを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
所定の条件が満たされたときに、前記着脱不能な第1メモリに記憶されている前記第2の画像データを、前記着脱可能な第2メモリに記憶できるコピー手段を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の携帯端末。
【請求項6】
撮像を行って画像信号を生成する撮像部と、
テレビジョン信号を受信し、前記テレビジョン信号から画像信号を生成するチューナ部と、
前記撮像に基づく画像と、前記テレビジョン信号に基づく画像との少なくとも一方を表示する表示部と、
前記撮像部により生成された画像信号を第1の画像データとして、及び/又は前記チューナ部により生成された画像信号を第2の画像データとして、記憶する着脱可能なメモリと、を有する携帯端末であって、
前記メモリは、所定の条件が満たされたときに、前記第2の画像データを記憶することを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
前記テレビジョン信号から生成された画像信号が、それに基づく画像をコピーすることを許可する情報を含んでいる場合、前記メモリは、前記第2の画像データを記憶することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記所定の条件が満たされたか否かに関わらず、前記第2の画像データを記憶する着脱不能なメモリを有することを特徴とする請求項6又は7に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−124906(P2012−124906A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−287156(P2011−287156)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2009−197084(P2009−197084)の分割
【原出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】