説明

携帯通信端末

【課題】ユーザが携帯通信端末を携帯していない場合であっても、前記携帯通信端末に記録された個人情報を取得することができる携帯通信端末機を提供する。
【解決手段】本発明の携帯通信端末1は、個人情報を記録する記録手段105を備えた携帯通信端末であって、電子メールを受信するメール受信手段100と、前記携帯通信端末が受信したメールを解析し、前記受信メールが前記個人情報を要求していることを判別する受信メール解析手段101と、前記個人情報を要求するメールの送信者が前記個人情報を利用する資格を有する者であることを認証する送信者認証手段103と、前記判別結果と前記認証結果が条件を満たす場合、前記受信メールが要求している個人情報を添付した返信メールを作成する返信メール作成手段104と、前記返信メールを送信する返信メール送信手段106とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話帳機能と電子メール機能を備えた携帯電話端末、PDA等の携帯通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録装置の小型化・高機能化・低廉化が進み、携帯電話端末等の携帯通信端末の高機能化が促進されている。携帯通信端末は多数の機能を備えているものが多数あるが、ユーザが頻繁に利用する機能の一つとして、個人情報を登録する機能(いわゆる電話帳機能)がある。
【0003】
前記携帯通信端末の電話帳機能に、電話番号に関連付けて個人の氏名・名称、前記氏名等に関連付けて電話番号、メールアドレス、メモ、画像等を登録することで、多くの個人情報を携帯することができる。
【0004】
本来、携帯通信端末は常にユーザが携帯して使用するものであるが、ユーザが携帯通信端末を携帯することを忘れて外出してしまう場合がある。このような場合は、ユーザは携帯通信端末を使用することができない。
【0005】
そこで、ユーザが携帯通信端末を携帯することを忘れて外出した場合であっても、前記携帯通信端末宛てに送信されたメールを確認することができる技術として、メールサーバに到達した電子メールを他のメールサーバに転送するメール転送システムが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【特許文献1】特開2003−87328号公報
【特許文献2】特開平10−164124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、サーバによってメールの転送を行う従来の技術では、前記携帯通信端末に記録されている情報(例えば、電話帳機能によって登録された個人情報など)を転送することはできない。したがって、ユーザが前記携帯通信端末以外に個人情報を記録した手帳等を携帯していない場合は、連絡したい相手の電話番号、メールアドレスを取得することができず不便であった。
【0007】
本発明は、ユーザが携帯通信端末を携帯していない場合であっても、前記携帯通信端末に記録された個人情報を取得することができる携帯通信端末機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯通信端末は、個人情報を記録する記録手段を備えた携帯通信端末であって、電子メールを受信するメール受信手段と、前記携帯通信端末が受信したメールを解析し、前記受信メールが前記個人情報を要求していることを判別する受信メール解析手段と、前記個人情報を要求するメールの送信者が前記個人情報を利用する資格を有する者であることを認証する送信者認証手段と、前記判別結果と前記認証結果が条件を満たす場合、前記受信メールが要求している個人情報を添付した返信メールを作成する返信メール作成手段と、前記返信メールを送信する返信メール送信手段とを備える。
【0009】
また、本発明の携帯通信端末の前記返信メール送信手段は、前記受信メールが指定する宛先に前記返信メールを送信する。
【0010】
また、本発明の携帯通信端末の前記返信メール送信手段は、前記受信メールの送信元の宛先に前記返信メールを送信する。
【0011】
また、本発明の携帯通信端末の前記返信メール送信手段は、事前に前記携帯通信端末に設定された宛先に前記返信メールを送信する。
【0012】
また、本発明の個人情報送信方法は、個人情報を記録する記録ステップと、電子メールを受信するメール受信ステップと、前記メール受信ステップにて受信したメールを解析し、前記受信メールが前記個人情報を要求していることを判別する受信メール解析ステップと、前記個人情報を要求するメールの送信者が前記個人情報を利用する資格を有する者であることを認証する送信者認証ステップと、前記判別結果と前記認証結果が条件を満たす場合、前記受信メールが要求している個人情報を添付した返信メールを作成する返信メール作成ステップと、前記返信メールを送信する返信メール送信ステップとを備える。
【0013】
この構成によれば、前記携帯通信端末が個人情報を要求するメールを受信した場合、前記個人情報を要求するメールの送信者の認証を経た上で前記個人情報を添付した返信メールを作成し、前記個人情報を要求する者等によって指定された宛先に前記返信メールを送信する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザが携帯通信端末を携帯することを忘れて外出した場合であっても、携帯通信端末に登録された個人情報を取得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る携帯通信端末の構成を示す図である。
【0016】
図1において、本実施の形態の携帯通信端末1は、メール受信手段100と、受信メール解析手段101と、送信者認証手段102と、返信メール制御手段103と、返信メール作成手段104と、記録手段105と、返信メール送信手段106と、返信メール記録手段107とを備えている。
【0017】
メール受信手段100は、携帯通信端末1の宛先(電子メールアドレス)に送信された電子メールを受信する。
【0018】
受信メール解析手段101は、受信した電子メールの本文、件名等を解析し、前記受信メールが個人情報を要求していることを判別する。
【0019】
送信者認証手段102は、前記受信メールの送信者が携帯通信端末1に記録された個人情報を利用する資格を有する者であること、すなわち、前記送信者が携帯通信端末1の契約者であること又は前記個人情報を利用する許可を得た者であることを認証する。
【0020】
返信メール制御手段103は、返信メール作成手段と返信メール送信手段に動作指示を行う。
【0021】
返信メール作成手段104は、記録手段105から前記受信メールが要求する個人情報を取得し、前記個人情報を添付した返信メールを作成する。
【0022】
記録手段105は、携帯通信端末1の電話帳機能により登録された電話番号、個人の氏名・名称、メールアドレス、メモ、画像、それらの組み合わせ等からなる個人情報が記録されている。
【0023】
返信メール送信手段106は、前記返信メールを前記個人情報を要求した者の元へ送信する。前記返信メールを送信する宛先は、前記受信メールが指定する宛先、前記受信メールの送信元の宛先、またはユーザが事前に携帯通信端末1に設定した宛先等である。
【0024】
次に、携帯通信端末1を携帯していない状況下、携帯通信端末の電話帳機能に登録した個人情報を要求するユーザが、パソコンなど他の通信手段により携帯通信端末1の宛先(電子メールアドレス)に個人情報を要求するメールを送信した場合の携帯通信端末1の動作について図2に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0025】
メール受信手段100は、携帯通信端末1の宛先(電子メールアドレス)に送信された電子メールを受信する(ステップS201)。
【0026】
次いで、受信メール解析手段101は前記受信メールの本文、件名、題目等を解析し、前記受信メールが個人情報を要求していることを判別する(ステップS202、S203)。なお、解析の結果、前記受信メールが個人情報を要求するものではなかった場合(ステップS203−No)は、通常のメールとして処理される(ステップS209)。
【0027】
解析の結果、前記受信メールが携帯通信端末の記録手段105に記録された個人情報を要求するものであれば(ステップS203−Yes)、次いで、送信者認証手段102は、前記受信メールを送信した者が携帯通信端末の記録手段105に記録された個人情報を利用する資格を有する者であることを認証する(ステップS204)。
【0028】
前記個人情報を利用する資格を有する者とは、例えば、前記送信者が携帯通信端末1の契約者(ユーザ)、又は前記個人情報を利用する許可を得た者である。
【0029】
前記認証の際に対象となる項目は、例えば、送信者の宛先(From)、メールの本文に記載された事項のうち送信者を特定できる事項等である。また、メールの本文の他にメールの件名、題目等に記載された事項を対象としてもよい。なお、前記認証の結果、前記受信メールを送信した者が前記個人情報を利用する資格を有するものでなかった場合(ステップS205−No)は、通常の受信メールとして処理される(ステップS209)。
【0030】
前記認証の結果、前記受信メールを送信した者が前記個人情報を利用する資格を有する者であった場合(ステップS205−Yes)、返信メール制御手段103は、返信メール作成手段104に動作指示を行う。次いで、前記動作指示を受けた返信メール作成手段104は、要求された個人情報を記録手段105から取得し、前記個人情報を添付した返信メールを作成する。次いで、前記返信メールは返信メール送信手段106が有する返信メール記録手段107に記録される(ステップS206)。その後、返信メール作成手段104は、返信メールの作成が完了した旨を返信メール制御手段103に通知する。
【0031】
返信メールの作成が完了した旨の通知を受けた返信メール制御手段103は、返信メール送信手段106に対し動作指示を行う(ステップS207)。
【0032】
前記動作指示を受けた返信メール送信手段106は、返信メール記録手段107に記録されている返信メールを送信して一連の動作を完了する(ステップS208)。
【0033】
このように、本実施の形態の携帯通信端末1によれば、携帯通信端末1が個人情報を要求する電子メールを受信した場合、前記受信メールの認証を行い、前記受信メールの送信者が前記個人情報を利用する資格を有する者であれば、前記個人情報を添付した返信メールを前記個人情報を要求した者の元へ送信する。
【0034】
したがって、携帯通信端末1のユーザが携帯通信端末を携帯することを忘れ所持していない状況下において、携帯通信端末1に登録された個人情報を取得することができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の携帯通信端末は、個人情報を添付した返信メールを作成し個人情報を要求する者の元へ送信することができるので、ユーザが携帯通信端末を携帯することを忘れ所持していない場合でも個人情報を取得することができるという効果を有し、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯通信端末として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態1に係る携帯通信端末の構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1に係る携帯通信端末の動作について示すフローチャート
【符号の説明】
【0037】
1 携帯通信端末
100 メール受信手段
101 受信メール解析手段
102 送信者認証手段
103 返信メール制御手段
104 返信メール作成手段
105 記録手段
106 返信メール送信手段
107 返信メール記録手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人情報を記録する記録手段を備えた携帯通信端末であって、
電子メールを受信するメール受信手段と、
前記携帯通信端末が受信したメールを解析し、前記受信メールが前記個人情報を要求していることを判別する受信メール解析手段と、
前記個人情報を要求するメールの送信者が前記個人情報を利用する資格を有する者であることを認証する送信者認証手段と、
前記判別結果と前記認証結果が条件を満たす場合、前記受信メールが要求している個人情報を添付した返信メールを作成する返信メール作成手段と、
前記返信メールを送信する返信メール送信手段と、
を備えた携帯通信端末。
【請求項2】
前記返信メール送信手段は、前記受信メールが指定する宛先に前記返信メールを送信する請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記返信メール送信手段は、前記受信メールの送信元の宛先に前記返信メールを送信する請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記返信メール送信手段は、事前に前記携帯通信端末に設定された宛先に前記返信メールを送信する請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項5】
個人情報を記録する記録ステップと、
電子メールを受信するメール受信ステップと、
前記メール受信ステップにて受信したメールを解析し、前記受信メールが前記個人情報を要求していることを判別する受信メール解析ステップと、
前記個人情報を要求するメールの送信者が前記個人情報を利用する資格を有する者であることを認証する送信者認証ステップと、
前記判別結果と前記認証結果が条件を満たす場合、前記受信メールが要求している個人情報を添付した返信メールを作成する返信メール作成ステップと、
前記返信メールを送信する返信メール送信ステップと、
を備えた個人情報送信方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−185283(P2006−185283A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379579(P2004−379579)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】