説明

携帯通信装置およびそのアンテナ構造

【課題】内蔵アンテナと、データ送信ポートとして機能する電子部材とが統合され、多重帯域動作をカバーするという目的を実現可能な携帯通信装置を実現する。
【解決手段】アンテナ構造を持つ携帯通信装置1は、グランド部材10とアンテナ部材11を含む。グランド部材はメイングランド101とその縁に接続された突出グランド102を含み、アンテナ部材は給電部13と放射部14を含む。給電部は給電点131と第1ストリップ134と第2ストリップ135を含み、第1ストリップと第2ストリップは給電部に接続されている。放射部は、第1開口端15と第2開口端16と短絡ストリップ142により突出グランドに接続された短絡点141とを含む。第1ストリップと第1開口端を有する放射部の第1セクションとの間に第1結合ギャップ17があり、第2ストリップと第2開口端を有する放射部の第2セクションとの間に第2結合ギャップ18がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯通信装置およびそのアンテナ構造に関し、特に外部のデータ送信部材とともに構成されるグランド層に統合可能な内蔵多重帯域アンテナを有する携帯通信装置およびアンテナ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
無線技術の進歩により、無線通信産業は恩恵を受けている。携帯通信装置においては、内部アンテナと、装置のシステム回路基板に搭載されている他の電子部材との統合だけでなく、小型および多重帯域動作も携帯通信装置の設計を検討する上で重要になっている。そのため、携帯通信装置としては、軽量および小型のものが求められている。しかし、広帯域動作を享受すると共に、内部アンテナと、装置のシステム回路基板に搭載されている他の電子部材との統合を実現するために、従来の携帯通信装置に搭載されているアンテナは、装置のシステム回路基板の非グランド領域に直接配置されている。これによって、アンテナとグランド層との間における結合効果を軽減することができると同時に、広帯域WWANの動作をカバーするのに十分な動作帯域幅を提供することができる。しかし、ほとんどのWWANアンテナはシステム回路基板の単一の非グランド領域に配置されているため、携帯通信装置の内部電子部材の設計自由度を低減する可能性がある。
【0003】
例えば、特許文献1(発明の名称:多重帯域折り返しループアンテナ)等の従来技術では、3次元空間を占有している携帯アンテナが開示されている。該アンテナは広帯域動作を実現するために、非グランド領域に配置されている。しかし、このようなアンテナ構成を採用することによって、アンテナと、データ送信ポート(例えば、USBコネクタ等)として機能する他の電子部材との統合が実現されない。その結果、携帯通信装置の内部空間が非効率な構成となってしまう。さらに、その動作帯域は、LTE700/GSM850/900/1800/1900/UMTS/LTE2300/2500を含む8バンドのLTE/WWAN動作をカバーすることができないため、現時点におけるすべての携帯通信システムの動作帯域をカバーするという要望を満たすことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7768466号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のことから、本技術分野においては、8バンドのLTE/WWAN動作を満たしつつ、内部アンテナと、装置のシステム回路基板に搭載されている他の電子部材との統合を実現するような、少なくとも704MHzから960MHzまで、および、1710MHzから2690MHzまでをカバーする2つの広い動作帯域を有する携帯通信装置をいかにして提供するのかが重要な課題となってきている。
【0006】
本発明の目的のひとつは、上述した課題を解決するために、内蔵アンテナと、データ送信ポートとして機能する電子部材とが統合され、多重帯域動作をカバーするという目的を実現可能な携帯通信装置、および該携帯通信装置に関連したアンテナ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一形態によれば、アンテナ構造を備えた携帯通信装置が提供される。上記アンテナ構造は、グランド部材およびアンテナ部材を含んでいてもよい。上記グランド部材は、メイングランド、および、該メイングランドの縁に電気的に接続されている突出グランドを含んでいてもよい。上記アンテナ部材は基板上に配置されている。上記アンテナ部材は、給電部および放射部を含んでいてもよい。給電部は、給電点、第1ストリップ、および、第2ストリップを含んでいてもよい。給電点は、グランド部材上に配置された信号源に電気的に接続されている。第1ストリップおよび第2ストリップはいずれも給電点に接続されており、第1ストリップの開口端と、第2ストリップの開口端とは互いに反対方向に伸びている。さらに、グランド部材が配置されている平面に向けて給電部を突出させることによって形成される突起は、突出グランドの一部を構成している。放射部は、短絡点、第1開口端、および、第2開口端を含んでいてもよい。短絡点は、短絡ストリップによって突出グランドに電気的に接続されている。第1ストリップと、第1開口端を有する放射部の第1部分との間に第1結合ギャップがあり、第2ストリップと、第2開口端を有する放射部の第2部分との間に第2結合ギャップがある。
【0008】
本発明に係る他の形態によれば、アンテナ構造が提供される。アンテナ構造は、グランド部材およびアンテナ部材を含んでいてもよい。グランド部材は、メイングランド、および、該メイングランドの縁に電気的に接続されている突出グランドを含んでいてもよい。アンテナ部材は基板上に配置されている。アンテナ部材は、給電部および放射部を含んでいてもよい。給電部は、給電点、第1ストリップ、および、第2ストリップを含んでいてもよい。給電点は、グランド部材上に配置された信号源に電気的に接続されている。第1ストリップおよび第2ストリップはいずれも給電点に接続されており、第1ストリップの開口端と、第2ストリップの開口端とは互いに反対方向に伸びている。放射部は、短絡点、第1開口端、および、第2開口端を含んでいてもよい。短絡点は、短絡ストリップによって突出グランドに電気的に接続されている。第1ストリップと、第1開口端を有する放射部の第1部分との間に第1結合ギャップがあり、第2ストリップと、第2開口端を有する放射部の第2部分との間に第2結合ギャップがある。
【0009】
本発明は、以下の利点を含んでいる。第1開口端を有する放射部の第1部分と、給電部の第1ストリップとの間の第1結合ギャップを利用することによって、低周波数(例えば、750MHz近辺)で4分の1波長共振モードを励振することができると共に、高周波数(例えば、2700MHz近辺)で高次共振モードを励振することができる。さらに、第2開口端を有する放射部の第2部分と、給電部の第2ストリップとの間の第2結合ギャップを利用することによって、低周波数(例えば、1000MHz近辺)で4分の1波長共振モードを励振することができる。これら2つの低周波数共振モードは、少なくとも約704MHzから960MHzまでを含む広い第1(低周波数)動作帯域を形成するように組み合わせることができる。さらに、給電部の第1ストリップの長さと、給電部の第2ストリップの長さとが異なるため、それぞれが高周波数(例えば、1950MHzおよび2300MHz近辺)において4分の1波長共振モードを形成することができる。そして、これら2つの高周波数共振モードは、少なくとも約1710MHzから2690MHzまでを含む広い第2(高周波数)動作帯域を形成するように第1結合ギャップによって励振された高次共振モード(例えば、2700MHz近辺)と組み合わせることができる。
【0010】
本発明のこれらの目的および他の目的は、様々な図および図面に示した好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことによって、当業者にはおそらく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯通信装置およびその内部に配置されたアンテナ構造を示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態に係る携帯通信装置およびその内部に配置されたアンテナ構造において測定したリターンロスを示す図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施形態に係る携帯通信装置およびその内部に配置されたアンテナ構造を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第3の実施形態に係る携帯通信装置およびその内部に配置されたアンテナ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、本発明を実施する上でのベストモードに関するものである。詳細な説明は、以下の実施形態において添付の図面を参照してなされている。
【0013】
上記説明およびそれに続く特許請求の範囲では、特定の構成部材を表現するために特定の用語を用いている。製造者は1つの構成部材を異なる名称で表現し得ることは当業者であれば理解できるであろう。本明細書においては、異なる機能を持つ構成部材を区別することを意図しているのであって、異なる名称を持つ構成部材を区別することを意図しているわけではない。以下の説明および請求項においては、「含む」および「備える」という用語は、オープンエンド形式で用いられているため、「…を含むが、これに限定されるわけではない」という意味に解釈されるべきである。また、「接続」という用語は、間接的な電気接続および直接的な電気接続のいずれをも意味するように意図されている。したがって、1つの装置が他の装置に接続している場合、その接続は直接的な電気接続であってもよいし、他の装置あるいは接続を介した間接的な電気接続であってもよい。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯通信装置およびその内部に配置されたアンテナ構造を示す図である。本実施形態では、携帯通信装置1はアンテナ構造を含んでいてもよく、該アンテナ構造はグランド部材10およびアンテナ部材11を含んでいてもよい。グランド部材10は、メイングランド101、および、該メイングランド101の縁に電気的に接続されている突出グランド102を含んでいてもよい。
【0015】
さらに、アンテナ部材11は基板12上に配置されている。アンテナ部材11は、給電部13および放射部14を含んでいてもよい。給電部13は、給電点131、第1ストリップ134、および、第2ストリップ135を含んでいてもよい。給電点131は、金属線132を介してグランド部材10上に配置されている信号源133と電気的に接続されている。第1ストリップ134および第2ストリップ135は、いずれも給電点131に接続されており、第1ストリップ134および第2ストリップ135の開口端は、互いに反対方向に伸びている。特に注目すべきなのは、第1ストリップ134の開口端から給電点131までの距離が第2動作帯域における最大動作周波数の波長の0.2倍よりも長いこと、および/または、第2ストリップ135の開口端から給電点131までの距離が第2動作帯域における最大動作周波数の波長の0.2倍よりも長いことである。さらに、グランド部材10が配置されている平面に向けて給電部13を突出させることによって、突起が形成されている。この突起は、突出グランド102の部分的なセクションを構成している。放射部14は、短絡点141、第1開口端15、および、第2開口端16を含んでいてもよい。短絡点141は、短絡ストリップ142によって突出グランド102に電気的に接続されている。なお、第1開口端15を有する放射部14の第1セクション151と、第1ストリップ134との間には第1結合ギャップ17があり、第2開口端16を有する放射部14の第2セクション161と、第2ストリップ135との間には第2結合ギャップ18がある。ここで、第1結合ギャップ17は2mmよりも小さく、第2結合ギャップ18は2mmよりも小さい。
【0016】
図1と一緒に図2を参照されたい。図2は、本発明の第1の実施形態に係る携帯通信装置およびその内部に配置されたアンテナ構造において測定したリターンロスを示す図である。本実施形態では、第1結合ギャップ17が、給電部13の第1ストリップ134を用いることによって、短絡ストリップ142を通じて突出グランド102に短絡された、第1開口端15からの金属通路を励振する。具体的には、4分の1波長共振モードを低周波数(例えば、750MHz近辺)で励振できるように、且つ、高次共振モードを高周波数(例えば、2700MHz近辺)で励振できるように、該金属通路は励振される。さらに、第2結合ギャップ18は、給電部13の第2ストリップ135を用いることによって、短絡ストリップ142を通じて突出グランド102に短絡された、第2開口端16からの金属通路を励振する。具体的には、4分の1波長共振モードを低周波数(例えば、1000MHz近辺)で励振できるように、該金属通路は励振される。そして、これら2つの低周波数共振モードは、少なくとも約704MHzから960MHzまでをカバーする広い第1(低周波数)動作帯域(例えば、図2に示した第1動作帯域21)を形成するために、組み合わせてもよい。さらに、給電部13の第1ストリップ134の長さと、給電部13の第2ストリップ135の長さとが異なるため、それぞれが高周波数(例えば、1950MHzおよび2300MHz近辺)において4分の1波長共振モードを形成することができる。そして、これら2つの高周波数共振モードは、少なくとも約1710MHzから2690MHzまでをカバーする広い第2(高周波数)動作帯域(例えば、図2に示した第2動作帯域22)を形成するために、短絡ストリップ142を通じて突出グランド102に短絡された、第1開口端15からの金属通路を励振することによって、第1結合ギャップ17によって励振された高次共振モード(例えば、2700MHz近辺)と組み合わせてもよい。特に注目すべきなのは、第1動作帯域21が3バンドのLTE700/GSM850/900の動作をカバーできること、および、第2動作帯域22が5バンドのGSM1800/1900/UMTS/LTE2300/2500の動作をカバーできることである。すなわち、アンテナ構造は、8バンドのLTE/WWANの動作をカバーすることができる。そのため、上記携帯通信装置のアンテナ構造は、現時点におけるすべての携帯通信システムの動作帯域をカバーすることができる。また、本発明に係るアンテナ構造はシンプルな構造を有しており、簡単に製造することができるため、実用化が可能である。
【0017】
なお、本実施形態では、アンテナ構造のグランド部材10および基板12は、3次元空間における異なる平面上に配置されている。例えば、グランド部材10のメイングランド101および突出グランド102は、第1平面(例えば、図1に示したXY平面)上に配置されている。ここで、基板12は、L字形状をなす第1の部分的なセクション121および第2の部分的なセクション122を備えている。短絡ストリップ142を有する、基板12の第1の部分的なセクション121は、第1平面に対して垂直な第2平面(例えば、図1に示したXZ平面)に配置されており、アンテナ部材11を有する、基板12の第2の部分的なセクション122は、第1平面に平行な第3平面(例えば、図1に示したXY平面)に配置されている。
【0018】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る携帯通信装置およびその内部に配置されたアンテナ構造において測定したリターンロスを示す図である。本実施形態では、携帯通信装置1のサイズは以下の通りである。メイングランド101は、長さが105mm、幅が55mmである。突出グランド102は、長さが10mm、幅が10mmである。基板12の第2の部分的なセクション122は突出グランド102に平行であり、長さが55mm、幅が10mm、厚さ0.8mmである。基板12の第1の部分的なセクション121は突出グランド102に対して垂直であり、長さが55mm、幅が8mm、厚さ0.8mmである。実験結果および6dBのリターンロスの定義に基づけば、第1動作帯域21は3バンドのLTE700/GSM850/900の動作(約704MHzから960MHzまで)をカバーできる。また、第2動作帯域22は5バンドのGSM1800/1900/UMTS/LTE2300/2500の動作(約1710MHzから2690MHzまで)をカバーできる。その結果、アンテナ構造は8バンドのLTE/WWANの動作をカバーすることができる。突出グランド102がUSBコネクタと一緒に構成可能なサイズであるため、アンテナと、携帯通信装置のデータ送信ポートとして機能する他の電子部材との統合が実現される点が特に注目される。
【0019】
図3を参照されたい。図3は、本発明の第2の実施形態に係る携帯通信装置およびその内部に配置されたアンテナ構造を示す図である。第2の実施形態に係る携帯通信装置3の構造は、第1の実施形態で示した携帯通信装置1の構造と類似しているが、下記の点で異なる。図3に示した携帯通信装置3のアンテナ構造の放射部34は、短絡点341を有しており、該短絡点341は、短絡ストリップ342を介して突出グランド102に電気的に接続されている。短絡ストリップ342は少なくとも2箇所で屈曲しており、短絡点341と突出グランド102との間の距離の少なくとも1.5倍の長さを有している。短絡ストリップ342を屈曲させることによって、該短絡ストリップ342の長さを伸ばすことができる。これによって、アンテナ部材11の共振モードを調節することができると共に、アンテナの全体的なサイズを小さくすることができる。さらに、第2の実施形態に係る携帯通信装置3の構造は、第1の実施形態の携帯通信装置1の構造と類似しており、8バンドのLTE/WWANの動作をカバーする2つの類似した広い動作帯域を形成する。
【0020】
図4を参照されたい。図4は、本発明の第3の実施形態に係る携帯通信装置およびその内部に配置されたアンテナ構造を示す図である。第3の実施形態に係る携帯通信装置4の構造は、第1の実施形態で示した携帯通信装置1の構造と類似しているが、下記の点で異なる。図4に示した携帯通信装置4の突出グランド102の第2表面上に、データ送信ポートとして機能する電子部材49を配置することができる。この第2表面は突出グランド102の第1表面とは反対側の面であり、第1表面はアンテナ部材11を収容するために用いられている。これによって、電子部材49は、携帯通信装置4が外部装置と通信するための信号伝送インターフェイスを提供することができる。上述した電子部材49はUSBコネクタによって実現してもよいが、これは決して本発明を限定するものではないことを理解されたい。さらに、第3の実施形態に係る携帯通信装置4の構造は、第1の実施形態の携帯通信装置1の構造と類似しており、8バンドのLTE/WWANの動作をカバーする2つの類似した広い動作帯域を形成する。
【0021】
本発明の精神を逸脱せずに、図1、図3、および、図4に示した携帯通信装置およびアンテナ構造に対して様々な変更を行うことが可能なのを当業者であれば理解できるのは明らかである。さらに、放射部における屈曲の数、および/または、短絡ストリップの数に限定はなく、屈曲方向、屈曲角度、および、屈曲形状は本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0022】
上述した実施形態は、本発明の実施可能な設計を単に示すために用いられたものであり、決して本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。要約すれば、2つの広い動作帯域を形成可能なアンテナを含む携帯通信装置およびそのアンテナ構造が提供される。このようなアンテナは、データ送信ポートとして機能する電子部材との統合に適した突出グランドを有しているだけでなく、シンプルな構造を有している。加えて、アンテナの2つの動作帯域は、それぞれ3バンドのLTE700/GSM850/900の動作と、5バンドのGSM1800/1900/UMTS/LTE2300/2500の動作とをカバーすることができる。結果、現時点におけるすべての携帯通信装置の動作帯域をカバーすることができる。
【0023】
例示の目的および好ましい実施形態の点から、本発明について説明したが、本発明は開示された実施形態に限定されないことを理解されたい。その反対に、様々な変更および類似した構成(当業者にとって明らかとなるもの)を含めることを意図している。そのため、添付の請求項の範囲は、このような変更および類似した構成を包含するために、最も広い解釈と一致している。
【0024】
当業者であれば、本発明の教示を保持したまま、装置および方法における多くの変更および改変を容易に思いつくであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ構造を備えた携帯通信装置であって、
上記アンテナ構造は、
メイングランドと該メイングランドの縁に電気的に接続されている突出グランドとを備えるグランド部材と、
基板上に配置され、給電部および放射部を有するアンテナ部材とを備え、
上記給電部は、
上記グランド部材上に配置された信号源に電気的に接続された給電点と、
上記給電点に接続された第1ストリップおよび第2ストリップとを備え、
上記第1ストリップの開口端と、上記第2ストリップの開口端とは互いに反対方向に伸びており、
上記グランド部材が配置されている平面に向けて上記給電部を突出させることによって形成される突起が、上記突出グランドの一部を構成しており、
上記放射部は、
短絡ストリップによって上記突出グランドに電気的に接続されている短絡点と、
第1開口端および第2開口端とを備え、
上記第1ストリップと、上記第1開口端を有する上記放射部の第1部分との間に第1結合ギャップがあり、
上記第2ストリップと、上記第2開口端を有する上記放射部の第2部分との間に第2結合ギャップがあることを特徴とする携帯通信装置。
【請求項2】
上記突出グランドは、該携帯通信装置のデータ送信ポートとして機能する電子部材を収容するために用いられていることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信装置。
【請求項3】
上記短絡ストリップは、少なくとも2箇所で屈曲しており、上記短絡点と上記突出グランドとの間の距離の少なくとも1.5倍の長さを有していることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信装置。
【請求項4】
上記アンテナ部材は、およそ704MHzから960MHzまでをカバーする第1動作帯域と、およそ1710MHzから2690MHzまでをカバーする第2動作帯域とを有していることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信装置。
【請求項5】
上記第1ストリップの開口端から上記給電点までの距離は、上記第2動作帯域における最大動作周波数の波長の0.2倍よりも長いことを特徴とする請求項4に記載の携帯通信装置。
【請求項6】
上記第2ストリップの開口端から上記給電点までの距離は、上記第2動作帯域における最大動作周波数の波長の0.2倍よりも長いことを特徴とする請求項4に記載の携帯通信装置。
【請求項7】
上記第1ストリップの長さと、上記第2ストリップの長さとが異なることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信装置。
【請求項8】
上記第1結合ギャップは、2mmよりも小さく、
上記第2結合ギャップは、2mmよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の携帯通信装置。
【請求項9】
上記メイングランドおよび上記突出グランドは、第1平面に配置されており、
上記基板は、L字形状をなす第1の部分および第2の部分を備えており、
上記短絡ストリップを有する、上記基板の上記第1の部分は、上記第1平面に対して垂直な第2平面に配置されており、
上記アンテナ部材を有する、上記基板の上記第2の部分は、上記第1平面に平行な第3平面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯通信装置。
【請求項10】
メイングランドと該メイングランドの縁に電気的に接続されている突出グランドとを備えるグランド部材と、
基板上に配置され、給電部および放射部を有するアンテナ部材とを備え、
上記給電部は、
上記グランド部材上に配置された信号源に電気的に接続された給電点と、
上記給電点に接続された第1ストリップおよび第2ストリップとを備え、
上記第1ストリップの開口端と、上記第2ストリップの開口端とは互いに反対方向に伸びており、
上記放射部は、
短絡ストリップによって上記突出グランドに電気的に接続されている短絡点と、
第1開口端および第2開口端とを備え、
上記第1ストリップと、上記第1開口端を有する上記放射部の第1部分との間に第1結合ギャップがあり、
上記第2ストリップと、上記第2開口端を有する上記放射部の第2部分との間に第2結合ギャップがあることを特徴とするアンテナ構造。
【請求項11】
上記短絡ストリップは、少なくとも2箇所で屈曲しており、上記短絡点と上記突出グランドとの間の距離の少なくとも1.5倍の長さを有していることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ構造。
【請求項12】
上記アンテナ部材は、およそ704MHzから960MHzまでをカバーする第1動作帯域と、およそ1710MHzから2690MHzまでをカバーする第2動作帯域とを有していることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ構造。
【請求項13】
上記第1ストリップの開口端から上記給電点までの距離は、上記第2動作帯域における最大動作周波数の波長の0.2倍よりも長いことを特徴とする請求項12に記載のアンテナ構造。
【請求項14】
上記第2ストリップの開口端から上記給電点までの距離は、上記第2動作帯域における最大動作周波数の波長の0.2倍よりも長いことを特徴とする請求項12に記載のアンテナ構造。
【請求項15】
上記第1ストリップの長さと、上記第2ストリップの長さとは異なることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ構造。
【請求項16】
上記第1結合ギャップは、2mmよりも小さく、
上記第2結合ギャップは、2mmよりも小さいことを特徴とする請求項10に記載のアンテナ構造。
【請求項17】
上記メイングランドおよび上記突出グランドは、第1平面に配置されており、
上記基板は、L字形状をなす第1の部分および第2の部分を備えており、
上記短絡ストリップを有する、上記基板の上記第1の部分は、上記第1平面に対して垂直な第2平面に配置されており、
上記アンテナ部材を有する、上記基板の上記第2の部分は、上記第1平面に平行な第3平面に配置されていることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−178810(P2012−178810A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107377(P2011−107377)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509352749)宏碁股▲分▼有限公司 (16)
【氏名又は名称原語表記】ACER INCORPORATED