説明

携帯通信装置におけるMMSを利用したイベント通知

本発明は、携帯通信装置内のイベントの通知に、再生可能な電子メディア・メッセージを利用する方法、そのような携帯通信装置、コンピュータプログラム製品、及び、当該方法を実行するためのコンピュータプログラムに関する。携帯通信装置(10)は、イベント・ハンドリング部(24,28、32)と、再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部(24)とを備え、前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部は、前記イベント・ハンドリング部により扱われる少なくとも1つのイベントをユーザーに通知するために前記携帯通信装置が前記電子メディア・メッセージを再生可能なように、取得した再生可能な電子メディア・メッセージを、前記イベントの通知として利用する設定を行うように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピア・ツー・ピアのネットワーキング・コンピュータ通信及び電話通信に関連するセキュリティの分野に関する。より詳細には、本発明は、携帯通信装置におけるイベントの通知のための、再生可能な電子媒体メッセージ(playable electronic media messages)を利用した方法、そのような携帯通信装置、コンピュータプログラム製品、及び、当該方法を実行するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯通信装置の分野では、電子メールやSMS(ショート・メッセージ・サービス)のような異なるタイプのメッセージを受信することができることが知られている。電子メールの場合、異なる種類のファイルを電子メールに添付可能であることも知られている。これらのファイルには、動画ファイル、テキストファイル、音声ファイル或いは画像ファイルが含まれる。近年、無線通信の分野において、新しい種類のメッセージが開発された。これらのメッセージは、MMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)メッセージと呼ばれている。これらのMMSメッセージでは、写真、音声ファイル、動画ファイル等を含めることが可能となっている。これらのファイルは、添付元から抽出して受信者が個別に再生しなくても、受信者に直接に提示可能となっている。
【0003】
コンピュータや携帯電話においてカレンダーを提供する技術もまた知られている。
【0004】
更に、携帯通信装置において利用される呼出し信号(ring signal)を受信するための技術も知られている。今日では、この呼び出し信号に関するデータは、宛先の携帯通信装置に送信されるSMSメッセージに含まれている。携帯通信装置では、メッセージからデータが抽出され、後に呼び出し信号として利用される場合に備えて格納される。この呼び出し信号は、例えば、携帯通信装置の連絡者の登録の内容に応じて、全ての着信呼に関するデフォルトの呼び出し信号として利用することもできるし、或いは、特定の着信についての呼び出し音としてのみ利用することもできる。メッセージと呼び出し信号の両方が携帯通信装置内に提供されることで、特に、ファイル数が多くなった場合に、不必要にメモリースペースが消費されることとなる。冗長な情報を削除するためには、ユーザー自身が電子メッセージを削除しなければならないが、このような作業は、ユーザーにとっては不要であると同時に煩雑でもある。ユーザーがコンタクトする相手方の画像を提供するための技術も知られているところであるが、ここでは、コンタクトの相手方からの着信に応じて、該当するコンタクト相手の画像が起動されることとなる。
【0005】
この鑑点からすると、呼び出し信号及び他の種類のユーザー通知を、より簡単に提供するための方法は、有益であろうと考えられる。通知に、互いに同期する幾つかの異なる種類のメディア・コンテンツが含まれるので有れば、なおさらのことである。また、メモリースペースを不必要に使用したり、余分なデータの削除をユーザーに求めることなく、こういった通知を提供することができれば、非常に有益であろうと考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、携帯通信装置のユーザーが通知を取得可能となる、より簡易な方法を提供することを目的とするもので、ここでは、メモリースペースを不必要に使用したり、余分なデータの削除をユーザーに求めることをなくすと共に、異なるタイプの同期するメディアコンテンツの利用が可能となるものである。
【0007】
この目的は、本発明によれば、携帯通信装置が、ユーザーにイベントを通知するために電子メディア・メッセージを再生することができるように、少なくとも1つの再生可能な電子メディア・メッセージを取得し、当該メッセージを携帯通信装置に関連する少なくとも1つのイベントの通知に利用されるメッセージとして設定することで、達成されるものである。
【0008】
本発明の一つの目的は、より簡易な方法で携帯通信装置のユーザーが通知を取得することのできる再生可能な電子メディア・メッセージを利用する方法を提供することであり、また、これにより、メモリースペースを不必要に使用したり、余分なデータの削除をユーザーに求めたりすることをなくすと共に、異なるタイプの同期するメディアコンテンツの利用を可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面によれば、この目的は以下の方法により達成される。当該方法は、携帯通信装置におけるイベントの通知を行うために、再生可能な電子メディア・メッセージを利用する方法であって、少なくとも一つの再生可能な電子メディア・メッセージを取得する取得工程と、前記携帯通信装置に関連する少なくとも一つのイベントをユーザーに通知するために前記携帯通信装置が前記電子メディア・メッセージを再生可能なように、前記電子メディア・メッセージを、前記イベントの通知として利用する設定を行う設定工程と、を備える。
【0010】
上記第1の側面の特徴を含む本発明の第2の側面では、前記電子メディア・メッセージが通知に利用されるように設定されたイベントの発生を検出する検出工程と、前記検出に従って、前記電子メディア・メッセージを再生する工程とを更に備える。
【0011】
上記第1の側面の特徴を含む本発明の第3の側面では、前記取得する工程は、前記電子メディア・メッセージをネットワークを介して受信する受信工程と、受信した前記電子メディア・メッセージを格納し、通知として利用するために後に取得する工程とを更に含む。
【0012】
上記第1の側面の特徴を含む本発明の第4の側面では、前記イベントは、通話の受信、電子メッセージの受信、又はカレンダー設定に従った予定の通知を含む種類のグループにおけるイベントである。
【0013】
上記第1の側面の特徴を含む本発明の第5の側面では、前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成された音声ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含む。
【0014】
上記第1の側面の特徴を含む本発明の第6の側面では、前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成された画像ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含む。
【0015】
上記第1の側面の特徴を含む本発明の第7の側面では、前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成されたテキスト・ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含む。
【0016】
上記第1の側面の特徴を含む本発明の第8の側面では、前記設定工程は、前記電子メディア・メッセージを所定の種類の全てのイベントの通知として設定する工程を含む。
【0017】
上記第1の側面の特徴を含む本発明の第9の側面では、前記設定工程は、前記電子メディア・メッセージを所定の種類の一部のイベントのみの通知として設定する工程を含む。
【0018】
本発明の他の目的は、携帯通信装置のユーザーが通知を取得するためのより簡易な方法を提供する携帯通信装置を提供することであり、また、これにより、メモリースペースを不必要に使用したり、余分なデータの削除をユーザーに求めたりすることをなくすと共に、異なるタイプの同期するメディアコンテンツの利用を可能とするものである。
【0019】
本発明の第10の側面によれば、この目的は以下の携帯通信装置により達成される。当該装置は、イベントを通知するために、再生可能な電子メディア・メッセージを利用する携帯通信装置であって、イベント・ハンドリング部と、再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部とを備え、前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部は、前記イベント・ハンドリング部により扱われる少なくとも1つのイベントをユーザーに通知するために前記携帯通信装置が前記電子メディア・メッセージを再生可能なように、取得した再生可能な電子メディア・メッセージを、前記イベントの通知として利用する設定を行うように構成される。
【0020】
上記第10の側面の特徴を含む本発明の第11の側面では、前記イベント・ハンドリング部は、前記電子メディア・メッセージが通知に利用されるように設定されたイベントの発生を検出し、前記検出に従って、前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部に、前記電子メディア・メッセージの再生を要求するように構成される。
【0021】
上記第10の側面の特徴を含む本発明の第12の側面では、前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部は、前記電子メディア・メッセージをネットワークを介して受信し、受信した前記電子メディア・メッセージを格納し、通知として利用するために後に取得するように構成される。
【0022】
上記第10の側面の特徴を含む本発明の第13の側面では、前記イベント・ハンドリング部は、呼ハンドリング部、カレンダー及びメッセージ・ハンドリング部のうちのいずれかである。
【0023】
上記第10の側面の特徴を含む本発明の第14の側面では、前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成された音声ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含む。
【0024】
上記第10の側面の特徴を含む本発明の第15の側面では、前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成された画像ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含む。
【0025】
上記第10の側面の特徴を含む本発明の第16の側面では、前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成されたテキスト・ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含む。
【0026】
上記第10の側面の特徴を含む本発明の第17の側面では、前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部は、前記電子メディア・メッセージを所定の種類の全てのイベントの通知として設定するように構成される。
【0027】
上記第10の側面の特徴を含む本発明の第18の側面では、前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部は、前記電子メディア・メッセージを所定の種類の一部のイベントのみの通知として設定するように構成される。
【0028】
上記第10の側面の特徴を含む本発明の第19の側面では、前記携帯通信装置は、携帯電話である。
【0029】
本発明の更に他の目的は、携帯通信装置のユーザーが通知を取得するためのより簡易な方法を提供するコンピュータ可読媒体を提供することであり、また、これにより、メモリースペースを不必要に使用したり、余分なデータの削除をユーザーに求めたりすることをなくすと共に、異なるタイプの同期するメディアコンテンツの利用を可能とするものである。
【0030】
本発明の第20の側面によれば、この目的は以下のプログラム製品により達成される。当該プログラム製品は、携帯通信装置内にロードされた場合に、前記携帯通信装置に、少なくとも一つの再生可能な電子メディア・メッセージを取得する取得工程と、前記携帯通信装置に関連する少なくとも一つのイベントをユーザーに通知するために前記携帯通信装置が前記電子メディア・メッセージを再生可能なように、前記電子メディア・メッセージを、前記イベントの通知として利用する設定を行う設定工程と、を実行させるコンピュータプログラムコードを記憶したコンピュータ可読媒体を備えるプログラム製品である。
【0031】
本発明の更に他の目的は、携帯通信装置のユーザーが通知を取得するためのより簡易な方法を提供するコンピュータプログラムを提供することであり、また、これにより、メモリースペースを不必要に使用したり、余分なデータの削除をユーザーに求めたりすることをなくすと共に、異なるタイプの同期するメディアコンテンツの利用を可能とするものである。
【0032】
本発明の第21の側面によれば、この目的は以下のコンピュータプログラムにより達成される。当該コンピュータプログラムは、携帯通信装置内にロードされた場合に、前記携帯通信装置に、少なくとも一つの再生可能な電子メディア・メッセージを取得する取得工程と、前記携帯通信装置に関連する少なくとも一つのイベントをユーザーに通知するために前記携帯通信装置が前記電子メディア・メッセージを再生可能なように、前記電子メディア・メッセージを、前記イベントの通知として利用する設定を行う設定工程と、を実行させるコンピュータ・プログラム・コードを備えるコンピュータプログラムである。
【0033】
本発明には、以下のような利点がある。即ち、通知に関連する冗長な情報を保存しておくために、不要にメモリースペースを確保する必要がなくなる。その結果として、ユーザーは、このような冗長な情報を削除する必要がなくなる。また、実現が容易である。というのも、携帯通信装置内のソフトウェアを若干修正することによって実現可能であり、本発明に付随して発生するコストもわずかなものである。また、多様化する通知技術も、簡単且つ自由に利用することが可能となる。更に、ユーザーが独自の個人用の通知を生成して、他人との間で相互に交換しあうことも可能となる。
【0034】
また、「備える("comprising"又は"comprise")」との語は、記述した1以上の特徴、数値、工程、或いは要素を、記述していない1以上の特徴、数値、工程、或いは要素を除外することなく含むものとして、理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明は、添付する図面を参照して、以下において、より詳細に記述されるものである。
【0036】
本発明に対応する携帯通信装置10は図1に示すとおりである。好適な実施形態において、当該装置は、ディスプレイ12及び、複数のキーを含むキーパッド14を有する携帯電話機10である。キーパッド14は、機能選択やプロンプトに対応する応答といった情報入力に利用される。ディスプレイ12は、機能やプロンプトを電話機のユーザーに表示するために利用される。携帯電話機はまた、アンテナを含むものであって、このアンテナは、ネットワークを介して他のユーザーと通信を行うために利用される。但し、このアンテナは携帯電話機に内蔵されているために、図面上では示されていない。携帯電話機はまた、ユーザーに音声を提供するためのスピーカーを含むものであるが、このスピーカーも図面上では示されていない。携帯電話機は、本発明を実施することのできる装置の単なる一例である。本発明は、例えば、PDA、パームトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ或いはスマートフォンにも適用可能である。しかしながら、もし、そのような装置が、ある主のネットワークにアクセスを有し、該ネットワークを介してメッセージを受信可能な場合には、更に有利である。
【0037】
図2は、携帯電話ネットワーク18に基地局16を介して接続された携帯電話機10を示す図である。このネットワークは、通常はGPRSネットワークである。勿論、このネットワークが、WCDMAネットワークのような3Gネットワークであっても良い。ネットワークは、必ずしも携帯電話ネットワークである必要はなく、再生可能な電子メッセージがサポートされれば、インターネットや企業内イントラネット、LAN或いは無線LANのようなある種のネットワークであっても良い。
【0038】
図3は、本発明に関連する携帯電話機の内部構造の一例を示す図である。携帯電話機10は、図2のネットワークとの無線通信を可能とする無線回路22に接続されたアンテナ20を含む。無線回路22は、再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部24と接続される。このメッセージ・ハンドリング部24は、好適な実施形態において、所謂マルチメディア・メッセージ(MMS)の形態において、再生可能な電子メディア・メッセージを扱うユニットである。メッセージ・ハンドリング部24は、ディスプレイ12とスピーカー34とに接続される。これらは、携帯電話機10のユーザーに対し、音声、テキスト及び画像を提供するために利用される。メッセージ・ハンドリング部24は、MMS格納部26に接続される。無線回路22はまた、第1のイベント・ハンドリング部28に接続される。この第1のイベント・ハンドリング部28は、好適な実施形態において、着信呼及び発信呼を扱うための呼ハンドリング部である。第1のイベント・ハンドリング部28は、コンタクト・レジスタ30に接続される。コンタクト・レジスタ30は、相手先の電話番号といった、携帯電話機のユーザーのコンタクト相手に関する情報や、コンタクト相手からの着信を受けるといった、イベントが検出された場合に使用される通知を含んでいる。コンタクト・レジスタ30及び呼ハンドリング部28は、共にメッセージ・ハンドリング部24に接続されている。メッセージ・ハンドリング部24及び呼ハンドリング部28はさらに、通知設定格納部36に共に接続されている。電話機10はまた、第2のイベント・ハンドリング部32を、カレンダーの形態で含んでいる。このカレンダーは、ミーティングのような、ユーザーの予定を設定するために利用される。カレンダー32はまた、メッセージ・ハンドリング部24に接続されている。呼ハンドリング部28及びカレンダー32は、通常はディスプレイ12と、必要に応じてスピーカーとを利用するものであり、コンタクト・レジスタの情報は、ディスプレイ上に提示されることは理解されるべきである。しかしながら、このことは、発明の理解の簡単化のために、図面上には示されていないものである。なお、メッセージ・ハンドリング部、呼ハンドリング部、コンタクト・レジスタ及びカレンダーが、一般的にどのように機能するかについては、当業者には広く知られているところであるので、ここでの詳細な説明は省略する。本発明は、メッセージ・ハンドリング部の特別な特徴に関して、より詳細に説明することとする。
【0039】
実施形態に対応する本発明の機能は、以上の図1乃至3と共に図4を参照して、以下に記述されるものである。図4は、本発明に対応する好適な実施形態の方法のフローチャートである。
【0040】
本発明に対応する携帯電話機10は、メッセージ・ハンドリング部24を、無線回路22及びアンテナ20と組み合わせて利用することで、MMSメッセージを送受信することができる。これらのMMSメッセージは、典型的には、音声ファイル、テキストファイル、静止画及び動画の両方を含む画像ファイルである。MMSメッセージ・フォーマットにより、メッセージ・ハンドリング部24は、そこに含まれるファイルを、ディスプレイ12及びスピーカー34を利用して提示情報をユーザーが同時に見聞きできるように、携帯電話機のユーザーに提供することができる。このフォーマットは、このように異なるファイルを相互に同期させて提示することが可能とする。このように同期した情報は、MMSメッセージ・フォーマットにおいて提供される。もし電話機がカメラを有する場合には、ユーザーは更に、音声及び画像の両方を含む独自のMMSメッセージを生成して、これらのMMSメッセージを友人やコンタクトする相手方に送信することができる。携帯電話機のユーザーは更に、他の電話機のような他人から画像を受信したり、例えばインターネットから画像をダウンロードしたりして、そこにテキストや音声を付加することでMMSを生成することができる。
【0041】
本発明に対応する方法は、ステップ38において、アンテナ20及び無線回路22を介してネットワーク18から、メッセージ・ハンドリング部24がMMSメッセージを受信することにより、MMSメッセージを取得することで開始される。本発明は、MMSメッセージの受信に限定されるものではなく、携帯電話機のユーザーにより生成されたMMSメッセージや、従前に受信し格納されたメッセージについても等しく適用可能であることは、理解されるべきである。メッセージの受信後、メッセージ・ハンドリング部24は、携帯電話機のユーザーにメッセージについて通知し、ユーザーがMMSメッセージをイベントの通知として利用したいかどうかを質問する。このイベントとは、本実施形態では電話の着信をいうもので、即ち、MMSメッセージを通知として利用するとは、呼び出し信号をMMSメッセージと交換することである。もし、ユーザーがMMSメッセージを通知として利用する選択を行った場合には、ステップ40にてメッセージ・ハンドリング部24が、通知設定格納部36で全ての呼の通知のためのデフォルト設定を行うことにより、当該メッセージを着信呼の通知に利用する設定を行う。この格納部は、デフォルト格納部であって、MMSメッセージが、全ての着信呼の通知として設定される。メッセージ・ハンドリング部24は、MMSメッセージメッセージをMMS格納部26に格納する。また、ユーザーは呼び出し信号のメニューを参照して、電話機内に存在するMMSメッセージの中から、着信呼の通知に利用するものを選択することができる。呼の着信の形態でイベントが検出されると、ステップ42において、呼はアンテナ20及び無線回路22を介して受信され、呼ハンドリング部28により取り扱われる。この呼ハンドリング部28は、通知設定格納部36を参照して、どの通知が使用されるべきかを特定する。呼ハンドリング部28は、通知設定格納部36になされた設定を識別し、MMSメッセージを通知に利用するためにMMSメッセージ・ハンドリング部24と通信する。メッセージ・ハンドリング部24は、ステップ44において、MMSメッセージをMMS格納部26から取得し、着信通知のためにメッセージを再生する。
【0042】
このようにして、MMSメッセージは、着信通知に利用される。再生されるメッセージは、更なる効果のために音声、テキスト及び画像について同期して提供される。
【0043】
ここでは、数多くの変形例を適用することができる。ユーザーは、MMSメッセージを、一つ又は幾つかの電話番号のみに関連する着信呼を通知する場合に利用する選択を行うことができる。この場合、ユーザーは、コンタクト・レジスタ内で設定することで、MMSメッセージが利用されるべき番号を選択することができる。よって、メッセージ・ハンドリング部24は、コンタクト・レジスタをユーザーに提供し、ユーザーがMMSメッセージの利用を希望する各コンタクト相手についての通知を設定することができる。また、ユーザーのコンタクト相手がそれぞれ個別に提供され、コンタクト単位において通知のために利用すべきMMSを選択することができる。呼ハンドリング部28は、デフォルトの通知又はMMSメッセージが利用されるかを認定するために、コンタクト・レジスタを参照する。もし、着信呼の電話番号が、コンタクト・レジスタにおける設定に対応するもので有れば、上記と同様の手法にてユーザーに呼の到来を通知するためにMMSメッセージが利用される。
【0044】
本発明は、着信呼のための利用に限定されるものではない。デフォルト通知や、コンタクトの相手方についての通知設定を利用して、電子メッセージの着信を通知するためにメッセージを利用することもできる。電子メッセージの到来が上述と同様にしてユーザーに通知されるように、異なるタイプのレジスタ及び格納部の設定を行うこともできる。その際は、当然に呼ハンドリング部ではなく、メッセージハンドリング部を利用することとなる。メッセージハンドリング部は、MMSメッセージ・ハンドリング部とは異なるものであって、例えば、SMSメッセージ・ハンドリング部、或いは、同様のメッセージ・ハンドリング部となる。
【0045】
本発明は、カレンダーにおけるミーティングや他の予定のセットを通知するために利用することもできる。この場合、メッセージ・ハンドリング部は、MMSメッセージを通知として利用するようにカレンダーを設定する。ミーティング或いは他の予定の開始間近となった場合、カレンダーは、MMSメッセージを再生して予定の開始をユーザーに通知するために、メッセージ・ハンドリング部と通信する。
【0046】
通知の設定は、先に記述したように、MMSメッセージの受信とは独立に行われても良い。この場合、電話機のメニューシステム内の設定メニューにおいて通知設定を行うことができる。
【0047】
本発明に対応する異なるユニットは、好ましくは、プログラムコードを含む対応するメモリーと共に1以上のプロセッサの形態において提供される。また、格納部及びレジスタは、コンタクト相手の情報及び特化したメッセージを含むメモリーの形態において提供される。
【0048】
上記のプログラムコードは、図5に示すCD−ROMディスク46や、機器に挿入可能なメモリースティックのようなデータキャリア上で提供される。このプログラムコードは、コンピュータ或いは適切な処理能力を有する携帯電話機内にロードされた場合に、本発明を実行するものである。プログラムコードはまた、携帯電話ネットワークの内外の遠隔サーバーからダウンロードされても良いし、携帯電話機を一時的に接続可能なPCのようなコンピュータを介してダウンロードしても良い。
【0049】
本発明にはいくつかの利点がある。通知に関連する冗長な情報を保存しておくために、不要にメモリースペースを確保する必要がなくなる。その結果として、ユーザーは、このような冗長な情報を削除する必要がなくなる。また、実現が容易である。というのも、携帯通信装置内のソフトウェアを若干修正することによって実現可能であり、本発明に付随して発生するコストもわずかなものである。また、多様化する通知技術も、簡単且つ自由に利用することも可能となる。更に、ユーザーが独自の個人用の通知を生成して、他人との間で相互に交換しあうことも可能となる。MMSの利用により、シンプルな形式で、視覚的及び音声による効果互いに同期させてを提供することも可能となる。
【0050】
送信されるメッセージは好ましくはMMSメッセージである。しかしながら、本発明はこの種類のメッセージに限定されるものではない。本発明は、再生可能な電子メディア・メッセージであれば、如何なる種類のものについても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】携帯電話機の形態における携帯通信装置を示す図である。
【図2】携帯電話ネットワークに接続された図1の携帯電話機を示す図である。
【図3】図1の携帯電話の、関連する部分の概略を示すブロック図である。
【図4】本発明の好適な実施形態に対応する方法を実行するためのフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に対応する方法を実行するためのプログラムコードが格納されるCD−ROMを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯通信装置(10)におけるイベントの通知を行うために、再生可能な電子メディア・メッセージを利用する方法であって、
少なくとも一つの再生可能な電子メディア・メッセージを取得する取得工程(ステップ38)と、
前記携帯通信装置に関連する少なくとも一つのイベントをユーザーに通知するために前記携帯通信装置が前記電子メディア・メッセージを再生可能なように、前記電子メディア・メッセージを、前記イベントの通知として利用する設定を行う設定工程(ステップ40)と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記電子メディア・メッセージが通知に利用されるように設定されたイベントの発生を検出する検出工程(ステップ42)と、
前記検出に従って、前記電子メディア・メッセージを再生する工程(ステップ44)と
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記取得する工程は、
前記電子メディア・メッセージをネットワークを介して受信する受信工程と、
受信した前記電子メディア・メッセージを格納し、通知として利用するために後に取得する工程と
を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記イベントは、通話の受信、電子メッセージの受信、又はカレンダー設定に従った予定の通知を含む種類のグループにおけるイベントであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成された音声ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成された画像ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成されたテキスト・ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記設定工程は、前記電子メディア・メッセージを所定の種類の全てのイベントの通知として設定する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記設定工程は、前記電子メディア・メッセージを所定の種類の一部のイベントのみの通知として設定する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
イベントを通知するために、再生可能な電子メディア・メッセージを利用する携帯通信装置(10)であって、
イベント・ハンドリング部(24,28、32)と、
再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部(24)とを備え、
前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部は、前記イベント・ハンドリング部により扱われる少なくとも1つのイベントをユーザーに通知するために前記携帯通信装置が前記電子メディア・メッセージを再生可能なように、取得した再生可能な電子メディア・メッセージを、前記イベントの通知として利用する設定を行うように構成されることを特徴とする携帯通信装置。
【請求項11】
前記イベント・ハンドリング部(24、28、32)は、
前記電子メディア・メッセージが通知に利用されるように設定されたイベントの発生を検出し、
前記検出に従って、前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部に、前記電子メディア・メッセージの再生を要求する
ように構成されることを特徴とする請求項10に記載の携帯通信装置。
【請求項12】
前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部(24)は、
前記電子メディア・メッセージをネットワークを介して受信し、
受信した前記電子メディア・メッセージを格納し、通知として利用するために後に取得する
ように構成されることを特徴とする請求項10又は11に記載の携帯通信装置。
【請求項13】
前記イベント・ハンドリング部は、呼ハンドリング部(28)、カレンダー(32)及びメッセージ・ハンドリング部(24)のうちのいずれかであることを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の携帯通信装置。
【請求項14】
前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成された音声ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含むことを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の携帯通信装置。
【請求項15】
前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成された画像ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含むことを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載の携帯通信装置。
【請求項16】
前記電子メディア・メッセージは、他の種類の少なくとも一つの他のメディア・ファイルと同期するように構成されたテキスト・ファイルの形態を有するメディア・ファイルを含むことを特徴とする請求項10乃至15のいずれか記載の携帯通信装置。
【請求項17】
前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部は、前記電子メディア・メッセージを所定の種類の全てのイベントの通知として設定するように構成されることを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載の携帯通信装置。
【請求項18】
前記再生可能な電子メディア・メッセージ・ハンドリング部は、前記電子メディア・メッセージを所定の種類の一部のイベントのみの通知として設定するように構成されることを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載の携帯通信装置。
【請求項19】
前記携帯通信装置は、携帯電話であることを特徴とする請求項10乃至18のいずれかに記載の携帯通信装置。
【請求項20】
携帯通信装置(10)内にロードされた場合に、前記携帯通信装置に、
少なくとも一つの再生可能な電子メディア・メッセージを取得する取得工程と、
前記携帯通信装置に関連する少なくとも一つのイベントをユーザーに通知するために前記携帯通信装置が前記電子メディア・メッセージを再生可能なように、前記電子メディア・メッセージを、前記イベントの通知として利用する設定を行う設定工程と、
を実行させるコンピュータプログラムコードを記憶したコンピュータ可読媒体を備えるプログラム製品(46)。
【請求項21】
携帯通信装置(10)内にロードされた場合に、前記携帯通信装置に、
少なくとも一つの再生可能な電子メディア・メッセージを取得する取得工程と、
前記携帯通信装置に関連する少なくとも一つのイベントをユーザーに通知するために前記携帯通信装置が前記電子メディア・メッセージを再生可能なように、前記電子メディア・メッセージを、前記イベントの通知として利用する設定を行う設定工程と、
を実行させるコンピュータ・プログラム・コードを備えるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−508760(P2007−508760A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534672(P2006−534672)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/011471
【国際公開番号】WO2005/041547
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】