説明

携帯電子機器

【課題】筐体内に侵入する静電気が信号線を介して電子部品に到達することを抑制できる携帯電子機器を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は、開口部3hが形成された操作筐体3と、開口部3hを閉塞するグロメット29と、グロメット29を貫通するFPC27と、操作筐体3内部に配置され、FPC27に接続された実装部品21とを有する。また、操作筐体3の内面にはグランドに接続されたグランド部31が設けられている。グロメット29は、導電性を有し、FPC27及びグランド部31に当接している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、PDA、ゲーム機等の携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
筐体に設けられた開口に挿通される信号線を有する携帯電子機器が知られている。例えば、特許文献1の携帯電話機は、開閉可能に連結された2つの筐体と、各筐体に挿通され、2つの筐体内の電子回路同士を接続するフレキシブル基板とを有している。また、特許文献1の携帯電話機は、筐体の防水性を向上させるために、筐体の開口を閉塞するとともに、フレキシブル基板が挿通される閉塞部材を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−345286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
筐体の開口からは、静電気が侵入しやすい。また、開口に信号線が挿通されている場合には、信号線に沿って静電気が流れることから、静電気が筐体内の電子回路に到達しやすくなる。
【0005】
本発明の目的は、筐体内に侵入する静電気が信号線を介して電子部品に到達することを抑制できる携帯電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯電子機器は、開口部が形成された筐体と、前記開口部を閉塞する閉塞部品と、前記閉塞部品を貫通する信号線と、前記筐体内部に配置され、前記信号線に接続された電子部品と、を有し、前記筐体の内面にはグランドに接続されたグランド部が設けられ、前記閉塞部品は、前記信号線及び前記グランド部に当接する導電部を有する。
【0007】
好適には、前記信号線は、前記導電部に当接する位置から前記筐体の外部に延びる範囲において当該信号線の外側面を構成する導体皮膜を有する。
【0008】
好適には、前記信号線は、少なくとも前記導電部に当接する位置において当該信号線の外側面を構成し、前記導電部に当接する位置から前記筐体の内部に延びる範囲において設けられた導体皮膜を有する。
【0009】
好適には、前記信号線は、前記導電部に当接する位置から前記筐体の外部に延びる範囲において当該信号線の外側面を構成する外部側導体皮膜と、少なくとも前記導電部に当接する位置において当該信号線の外側面を構成し、前記導電部に当接する位置から前記筐体の内部に延びる範囲において設けられた内部側導体皮膜と、を有し、前記外部側導体皮膜と前記内部側導体皮膜とは離間しており、前記外部側導体皮膜と前記グランド部との前記導電部を経由する最短距離は、前記外部側導体皮膜と前記内部側導体皮膜との前記導電部を経由する最短距離よりも短い。
【0010】
好適には、前記携帯電子機器は、前記筐体内に配置され、グランドパターン層を有する回路基板を更に有し、前記回路基板と前記筐体とは、前記回路基板と前記グランド部とが当接した状態で、前記グランドパターン層及び前記グランド部を貫通する金属性のネジにより互いに固定されている。
【0011】
好適には、前記グランド部は、前記開口部の内周面にも設けられており、前記閉塞部品は、その全体が、導電材料が混ぜ込まれた弾性部材により構成されており、前記開口部に圧入されている。
【0012】
好適には、前記閉塞部品は、第1構成部と、第2構成部と、前記第1構成部及び前記第2構成部により前記信号線を挟み込む閉状態と、当該閉状態から前記第1構成部及び前記第2構成部を離間させる開状態との間で開閉可能に前記第1構成部及び前記第2構成部を連結する連結部と、を有し、前記第1構成部、前記第2構成部及び前記連結部が一体形成されている。
【0013】
好適には、信号線は、フレキシブル基板であり、前記閉塞部品は、前記フレキシブル基板の面に直交する方向において前記フレキシブル基板を挟み込む第1構成部及び第2構成部を有し、前記第1構成部及び前記第2構成部の少なくとも一方においては、前記フレキシブル基板の表面に当接する面に、弾性部材により構成された凹部が形成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、筐体内に侵入する静電気が信号線を介して電子部品に到達することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機を示す外観斜視図。
【図2】図1のII−II線矢視方向における模式的な断面図。
【図3】図2の領域IIIの拡大図。
【図4】図1の携帯電話機のグロメットを組み込み前の状態で示す斜視図。
【図5】図1の携帯電話機のグロメットを組み込み途中の状態で示す斜視図。
【図6】第2の実施形態の携帯電話機における図2に相当する断面図。
【図7】第3の実施形態の携帯電話機における図2に相当する断面図。
【図8】図7のFPCのうちグロメット内の部分を示す平面図。
【図9】図7のFPCの図3に相当する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1〜第3の実施形態について説明する。なお、第2及び第3の実施形態において、第1の実施形態の構成と共通又は同様の構成については、説明を省略することがあり、また、第1の実施形態と同一の符号を付す。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機1の外観を開状態で示す斜視図である。
【0018】
携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、開状態と閉状態との間で、回転軸RA回りに相対回転可能に連結された操作筐体3及び表示筐体5を備えている。
【0019】
操作筐体3には、特に図示しないが、例えば、通話用のマイクロフォン、通信のための内蔵アンテナ23(図2参照)、報知用のスピーカ、カメラ、ユーザの操作を受け付ける操作部7が設けられている。表示筐体5には、特に図示しないが、例えば、通話用のスピーカ、表示部9が設けられている。
【0020】
操作筐体3は、対向面側の部分を構成する操作フロントケース11と、背面側の部分を構成する操作リアケース13とを有している。操作フロントケース11及び操作リアケース13は、例えば、不図示のネジなどにより互いに固定されている。
【0021】
これらのケースは、例えば、樹脂、又は、板金が埋設された樹脂により形成されている。樹脂は、ガラス繊維が所定の割合(例えば45%)で含まれることにより、比較的硬度が高くされていてもよい。
【0022】
なお、表示筐体5も、操作筐体3と同様に、対向面側の部分を構成する表示フロントケース15と、背面側の部分を構成する表示リアケース17とを有している。
【0023】
図2は、図1のII−II線矢視方向における断面図である。なお、図2は、要部のみを模式的に示している。
【0024】
操作筐体3内には、例えば、回路基板19、回路基板19に実装された複数の実装部品21(図2では一つのみ例示)、アンテナ23(記号で示す)が設けられている。
【0025】
回路基板19は、例えば、硬質の樹脂をベースとしたリジッド式のプリント基板により構成されている。回路基板19には、複数の実装部品21が実装されることにより、種々の電子回路が構成されている。また、回路基板19の主面には、基準電位が付与されるグランドパターン層19aが所定のパターンで形成されている。
【0026】
回路基板19は、例えば、操作フロントケース11と操作リアケース13とがネジなどにより固定されることにより、操作フロントケース11及び操作リアケース13により挟持されている。
【0027】
また、回路基板19は、回路基板19に挿通されたネジ25が操作リアケース13に形成されたネジボス13bに螺合されることによっても、操作筐体3に対して固定されている。ネジ25は、例えば、金属により形成されており、導電性を有している。また、ネジ25は、グランドパターン層19aを貫通している。
【0028】
実装部品21は、例えば、IC、スピーカ、マイクロフォン、インダクタ、キャパシタ、抵抗である。また、実装部品21により構成される電子回路は、例えば、電波による通信を行うための高周波回路、表示部9を制御するための画像処理回路、不図示のスピーカやマイクロフォンを制御するための音響処理回路である。実装部品21(電子回路)は、ノイズの発生源となり得るとともに、ノイズの影響を受けて誤動作を生じ得る。
【0029】
アンテナ23は、例えば、特に図示しないが、樹脂基体に導体層が所定のパターンで形成されることにより構成されている。アンテナ23は、例えば、操作フロントケース11及び操作リアケース13により挟持され、回路基板19に接続されている。
【0030】
操作筐体3には、表示筐体5と連結される側に開口部3hが形成されている。開口部3hには、操作筐体3内の電子回路と表示筐体5内の電子回路とを接続するためのFPC27が挿通されている。また、開口部3hは、グロメット29により閉塞されている。
【0031】
開口部3hは、例えば、操作フロントケース11と操作リアケース13との合せ目に形成されている。すなわち、開口部3hは、操作フロントケース11及び操作リアケース13の縁部に形成された切り欠き部が結合することにより形成されている。
【0032】
開口部3h(開口部3hの内周面)は、開口部3hの貫通方向において、ある程度の大きさを有している。具体的には、操作筐体3は、操作筐体3の内部側へ突出するリブ3rを有しており、開口部3hの内周面は、リブ3rにより構成され、開口部3hは、その貫通方向において、操作筐体3の肉厚よりも大きく形成されている。
【0033】
開口部3hの貫通方向に直交する断面の形状は、例えば、角部が面取りされた長方形である。また、開口部3hは、操作筐体3の内部側ほど縮径するテーバ状に形成されている。
【0034】
開口部3hの内周面から操作筐体3の内面に亘っては、グランド部31が形成されている。グランド部31は、後述するように、静電気をグランドへ逃がすこと等に寄与するものである。
【0035】
グランド部31は、例えば、少なくとも表面が絶縁性の樹脂により形成された操作リアケース13の内面に積層された導体層により構成されている。導体層は、例えば、銅などの金属を蒸着することなどにより形成されている。グランド部31は、ネジボス13bの表面にも設けられており、グランドパターン層19aに当接することにより、また、ネジ25に当接することにより、回路基板19の基準電位が付与されている。
【0036】
FPC27は、概略、帯状に長く形成されている。FPC27の操作筐体3内に配置された端部は、コネクタ33により回路基板19に接続されている。コネクタ33は、例えば、ボードツーボードのコネクタにより構成されており、特に図示しないが、FPC27に固定される第1のパーツと、回路基板19に実装され、第1のパーツに嵌合されて接続される第2のパーツとを有している。なお、FPC27の表示筐体5内に配置された端部も、操作筐体3内の端部と同様に、不図示のコネクタを介して表示筐体5内の電子回路に接続されている。
【0037】
FPC27は、信号を伝達するための導体層35と、導体層35を絶縁するための第1絶縁層37A及び第2絶縁層37B(以下、単に「絶縁層37」といい、両者を区別しないことがある。)とを有している。
【0038】
導体層35は、例えば、銅などの金属により形成されている。導体層35には、基準電位に対して変動する電位(信号)が付与される。絶縁層37は、例えば、可撓性を有する絶縁性の樹脂により形成されている。2つの絶縁層37は、導体層35の両面側から導体層35に積層されている。
【0039】
さらに、FPC27は、絶縁層37の外側面に積層された第1導体皮膜39A及び第2導体皮膜39B(以下、単に「導体皮膜39」といい、両者を区別しないことがある。)を有している。導体皮膜39は、後述するように、静電気をグランドに逃がすことなどに寄与するものである。
【0040】
導体皮膜39は、例えば、銅などの金属により形成されている。導体皮膜39は、例えば、FPC27の幅方向(図2の紙面貫通方向)において、絶縁層37(導体層35)の概ね全体を覆う大きさを有している。また、導体皮膜39は、FPC27の長手方向においては、グロメット29に挿通されている位置から操作筐体3の外部に亘って設けられている。
【0041】
なお、導体皮膜39の操作筐体3から延出する長さは、適宜に設定されてよい。また、表示筐体5において、操作筐体3と同様に、グロメットや導体皮膜が設けられている場合、導体皮膜39は、操作筐体側の導体皮膜と連続していてもよいし、連続していなくてもよい。
【0042】
図3は、図2の領域IIIの拡大図である。
【0043】
グロメット29は、絶縁性の弾性材41と、弾性材41に混ぜ込まれた導電粒子43とにより構成された弾性部材により形成されている。すなわち、グロメット29は、導電性を有する弾性部材である。
【0044】
弾性材41は、例えば、ゴムである。導電粒子43は、例えば、金属粒子である。導電粒子43は、グロメット29の全体に亘って分布している。ただし、図3では、グロメット29の一部のみにおいて導電粒子43を図示している。このようなグロメット29は、例えば、金属粒子が混ぜ込まれた溶融状態のゴムを金型に射出することにより形成される。
【0045】
グロメット29は、開口部3hに圧入されている。これにより、開口部3hは密閉される。また、グロメット29は、FPC27の導体皮膜39及び操作筐体3に設けられたグランド部31に当接している。従って、導体皮膜39とグランド部31とは、グロメット29により導通されている。
【0046】
図4は、操作筐体3に組み込まれる前のグロメット29を示す斜視図である。図5は、操作筐体3に組み込む途中におけるグロメット29を示す斜視図である。
【0047】
グロメット29は、FPC27を挟み込む第1構成部45及び第2構成部47と、第1構成部45及び第2構成部47を連結する連結部49とを有している。第1構成部45、第2構成部47及び連結部49は、一体形成されている。
【0048】
グロメット29は、上述のように、弾性部材により形成されている。従って、グロメット29は、連結部49の弾性変形により、第1構成部45及び第2構成部47が離間した開状態(図4)と、第1構成部45及び第2構成部47が対向する閉状態(図2)との間で遷移可能である。
【0049】
従って、開状態のグロメット29にFPC27を配置し、グロメット29を閉じることにより、FPC27は、第1構成部45及び第2構成部47に挟みこまれる。換言すれば、FPC27は、グロメット29を貫通した状態となる。そして、グロメット29が開口部3hに圧入されることにより、FPC27とグロメット29との接触圧も高くなる。
【0050】
このようなグロメット29の装着をより好適に行うために、グロメット29は、具体的には、以下のような形状を有している。
【0051】
第1構成部45及び第2構成部47は、FPC27を挟み込む本体部45a及び47aと、グロメット29の操作筐体3の内部側への移動を規制するための第1係止部45b及び47bと、グロメット29の操作筐体3の外部側への移動を規制するための第2係止部45c及び47c(図2)とを有している。
【0052】
本体部45a及び47aは、例えば、FPC27の幅よりも幅広な概ね直方体状に形成されている。なお、本体部45a及び47aは、操作筐体3の内部側ほど若干縮径するように、テーパ状に形成されていてもよい。
【0053】
本体部45a及び47aの、閉状態において互いに対向する対向面45d及び47dは、概ね平面となっている。閉状態では、対向面45d及び47dが、FPC27の主面(表面)に当接し、FPC27の面に直交する方向においてFPC27を挟み込む。
【0054】
対向面45d及び47dには、吸着凹部45e及び47eが形成されている。吸着凹部45e及び47eは、例えば、対向面45d及び47dの概ね中央に設けられている。吸着凹部45e及び47eの平面形状は、例えば、FPC27に収まる(直径がFPC27の幅よりも小さい)円形である。また、吸着凹部45e及び47eは、底部側ほど縮径するテーパ状に形成されている。
【0055】
対向面45d及び47dをFPC27の主面に対して圧接させると、吸着凹部45e及び47e内の空気が押し出され、対向面45d及び47dは、FPC27の主面を吸着する。これにより、グロメット29とFPC27とは、仮止めされる。なお、対向面45d及び47dの双方によりFPC27を吸着するときには、第1構成部45及び第2構成部47は、FPC27を挟んで互いに対向する状態が維持されることになる。すなわち、吸着凹部45e及び47eは、グロメット29の閉状態の維持にも寄与する。
【0056】
対向面45d及び47dの一方(本実施形態では45d)には、嵌合凹部45fが形成されており、他方(本実施形態では47d)には、嵌合凹部45fに嵌合する嵌合凸部47fが形成されている。
【0057】
嵌合凹部45f及び嵌合凸部47fは、例えば、それぞれ、FPC27の幅方向両側に2つ設けられている。嵌合凹部45fは、例えば、FPC27の縁部に沿って延びる溝状に形成されている。嵌合凸部47fは、例えば、FPC27の縁部に沿って延びる突条状に形成されている。なお、嵌合凸部47fは、嵌合凹部45fに圧入されるように、嵌合凹部45fよりも若干大きく形成されてもよい。
【0058】
グロメット29が閉状態とされると、嵌合凸部47fは嵌合凹部45fに嵌合し、若しくは、圧入される。嵌合凸部47fの嵌合凹部45fからの抜けは、摩擦力により抑制される。これにより、グロメット29は、閉状態に維持される。また、嵌合凸部47fは、FPC27の側方に位置して、FPC27の幅方向における位置決めに寄与する。
【0059】
なお、嵌合凸部47fは、開状態においてFPC27が配置される側の構成部(実施形態では45)に設けられ、開状態においてFPC27を配置する際の位置決めに寄与してもよい。また、嵌合凹部45f及び嵌合凸部47fは、グロメット29における閉状態の維持及びFPC27の位置決めの一方のみに寄与するように構成されてもよい。
【0060】
第1係止部45b及び47bは、例えば、本体部45a及び47aの操作筐体3の外部側の端部においてフランジ状に形成されている。そして、本体部45a及び47aが開口部3hに圧入されると、開口部3hの操作筐体3の外部側の縁部に係合して、グロメット29の操作筐体3の内部側への移動を規制する。なお、第1係止部45b又は47bは、操作リアケース13及び操作フロントケース11の固定前における、グロメット29の操作リアケース13又は操作フロントケース11への仮固定にも寄与する。
【0061】
第1係止部45b及び47bの一方(本実施形態では45b)は、対向面45dに対して突出する第1凸部45gを有しており、他方(本実施形態では47b)は、対向面45dに対して凹となる第1凹部47gを有している。
【0062】
第1凸部45g及び第1凹部47gは、例えば、それぞれ、FPC27の幅方向両側に2つ設けられている。第1凸部45gは、例えば、FPC27の幅方向に延びる突条状に形成されている。第1凹部47gは、例えば、第2構成部47の角部を切り欠いた形状に形成され、FPC27の幅方向に延びている。
【0063】
図4に示すように、FPC27をグロメット29に配置する際には、第1凸部45gは、FPC27の幅方向の位置決めに寄与する。FPC27は、第1構成部45及び第2構成部47に挟まれる部分が、操作筐体3から延出する部分よりも幅が小さくなっている。従って、第1凸部45gは、FPC27のグロメット29に対する操作筐体3の内部側への移動を規制し、FPC27の長手方向における位置決めにも寄与する。
【0064】
グロメット29が閉状態とされると、第1凸部45gは第1凹部47gに嵌合する。換言すれば、第2構成部47の2つの第1凹部47g間の部分が、2つの第1凸部45g間の凹部に嵌合する。そして、これらの開方向への相対移動は、摩擦力により規制される。これにより、グロメット29は、閉状態に維持される。また、第1凸部45gは、引き続き、FPC27の幅方向及び長手方向の位置決めに寄与する。なお、第1凸部45g及び第1凹部47gは、FPC27の位置決めのみに寄与してもよい。
【0065】
第2係止部45c及び47cは、例えば、本体部45a及び47aの操作筐体3の内部側の端部において、FPC27の主面の面する方向へ突出する突部により形成されている。当該突部は、例えば、FPC27の幅方向に延びる突条により形成されている。そして、本体部45a及び47aが開口部3hに圧入されると、開口部3hの操作筐体3の内部側の縁部に係合して、グロメット29の操作筐体3の外部側への移動を規制する。すなわち、グロメット29の抜けを抑制する。なお、第2係止部45c又は47cは、操作リアケース13及び操作フロントケース11の固定前における、グロメット29の操作リアケース13又は操作フロントケース11への仮固定にも寄与する。
【0066】
第1構成部45及び第2構成部47の一方(本実施形態では45)は、操作筐体3の内部側の端部において、対向面45dから突出する第2凸部45hを有している。
【0067】
第2凸部45hは、例えば、FPC27の幅方向両側に2つ設けられている。そして、図4に示すように、FPC27をグロメット29に配置する際には、第2凸部45hは、FPC27の幅方向の位置決めに寄与する。FPC27は、グロメット29に対して操作筐体3の内部側に位置する部分に、第1構成部45及び第2構成部47に挟まれる部分よりも拡径する拡径部を有している。従って、第2凸部45hは、FPC27のグロメット29に対する操作筐体3の外部側への移動を規制し、FPC27の長手方向における位置決めにも寄与する。
【0068】
このような位置決め作用は、グロメット29を閉状態にした後も維持される。なお、グロメット29が閉状態とされると、第2凸部45hは第2構成部47の本体部47aの端面に当接する。このとき、第2凸部45hは、第1凸部45gとで第2構成部47をFPC27の長手方向において挟みこむことなどにより、グロメット29における閉状態の維持に寄与してもよい。
【0069】
なお、以上のようなグロメット29は、例えば、対向面45d及び47dを分割面とする一対の金型により形成される。換言すれば、グロメット29は、図4に示す開状態において一体形成される。そして、弾性変形することにより、閉状態となる。
【0070】
以上の実施形態によれば、携帯電話機1は、開口部3hが形成された操作筐体3と、開口部3hを閉塞するグロメット29と、グロメット29を貫通するFPC27と、操作筐体3内部に配置され、FPC27に接続された実装部品21とを有する。また、操作筐体3の内面にはグランドに接続されたグランド部31が設けられている。グロメット29は、FPC27及びグランド部31に当接する導電部(本実施形態ではグロメット29全体)を有する。
【0071】
従って、開口部3hから操作筐体3の内部に侵入しようとする静電気は、グロメット29及びグランド部31を経由して、グランド(回路基板19のグランドパターン層19aなど)に逃げることになる。その結果、静電気(ノイズ)がFPC27の表面に沿って流れ、静電気が実装部品21などの電子部品に到達することが抑制される。また、グロメット29を利用することから、部品点数の増加は生じず、且つ、開口部3hの至近距離に静電気を逃がす経路を配置できる。さらに、グランド部31は、操作筐体3の内面に設けられていることから、静電気の経路は操作筐体3内において電子部品から極力離間されるし、面積の確保も容易である。
【0072】
FPC27は、グロメット29に当接する位置から操作筐体3の外部に延びる範囲においてFPC27の外側面を構成する導体皮膜39を有する。従って、FPC27の表面における静電気は、導体皮膜39、グロメット29及びグランド部31を経由して、グランドに逃げることになる。その結果、静電気がFPC27の内部の導体層35に侵入することを抑制し、ひいては、静電気がFPC27を介して回路基板19や実装部品21に到達することが抑制される。
【0073】
携帯電話機1は、操作筐体3内に配置され、グランドパターン層19aを有する回路基板19を有する。回路基板19と操作筐体3とは、回路基板19とグランド部31とが当接した状態で、グランドパターン層19a及びグランド部31を貫通する金属性のネジ25により互いに固定されている。
【0074】
従って、ネジ25の螺合によりグランドパターン層19aとグランド部31との接触圧が確保されるとともに、ネジ25がグランドパターン層19aとグランド部31とを導通する導体として機能することにより、グランド部31が回路基板19のグランドに確実に接続される。
【0075】
グランド部31は、開口部3hの内周面にも設けられている。グロメット29は、その全体が、導電材料(導電粒子43)が混ぜ込まれた弾性部材により構成されており、開口部3hに圧入されている。
【0076】
従って、グロメット29の構成が簡素である。さらに、グロメット29全体を導電体として利用できるとともに、グロメット29の圧入により、導電粒子43とグランド部31との接触圧が高まることから、静電気を逃がす経路のインピーダンスを効果的に低くすることができる。なお、開口部3hが、グロメット29に比較して、操作筐体3の内部側ほど縮径している場合には、グロメット29の操作筐体3の内部側における圧縮量を相対的に大きくして、グロメット29とグランド部31との接触圧をより高くすることができる。
【0077】
グロメット29は、第1構成部45と、第2構成部47とを有している。また、グロメット29は、第1構成部45及び第2構成部47によりFPC27を挟み込む閉状態と、当該閉状態から第1構成部45及び第2構成部47を離間させる開状態との間で開閉可能に第1構成部45及び第2構成部47を連結する連結部49を有している。そして、第1構成部45、第2構成部47及び連結部49が一体形成されている。
【0078】
従って、生産コストが削減される。例えば、第1構成部45及び第2構成部47を一対の金型により形成できることから、別個(2対)の金型により形成する場合に比較して、金型の費用などを削減できる。また、例えば、第1構成部45及び第2構成部47を別個に操作筐体3に仮止めする必要性がなくなるなど、第1構成部45及び第2構成部47を別個に扱う必要性がなくなることから、作業性が向上し、ひいては、生産コストが削減される。
【0079】
開口部3hに挿通される信号線(FPC27)は、フレキシブル基板である。グロメット29は、FPC27の面に直交する方向においてFPC27を挟み込む第1構成部45及び第2構成部47を有する。第1構成部45及び第2構成部47の少なくとも一方においては、FPC27の表面に当接する対向面45d及び47dに、弾性部材により形成された吸着凹部45e及び47eが形成されている。
【0080】
従って、吸着力を利用してFPC27とグロメット29との仮止めを行うことができ、作業性が向上する。第1構成部45及び第2構成部47の双方において吸着凹部45e及び47eが形成されている場合には、吸着力を利用してグロメット29の閉状態を維持することができる。その結果、互いに固定される前の操作フロントケース11又は操作リアケース13にグロメット29を仮固定し、その後、操作フロントケース11及び操作リアケース13を互いに固定する作業も容易化される。
【0081】
なお、以上の実施形態において、携帯電話機1は本発明の携帯電子機器の一例であり、操作筐体3は本発明の筐体の一例であり、グロメット29は本発明の閉塞部品の一例であり、FPC27は本発明の信号線の一例であり、回路基板19や実装部品21は本発明の電子部品の一例であり、導電粒子43を構成する材料(例えば金属)は本発明の導電材料の一例であり、吸着凹部45e及び47eは本発明の凹部の一例である。
【0082】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態の携帯電話機の操作筐体3における、図2に相当する断面図である。
【0083】
第2の実施形態は、FPC127の構成のみが第1の実施形態と相違する。FPC127は、第1の実施形態のFPC27の導体皮膜39に代えて、第1導体皮膜140A及び第2導体皮膜140B(以下、単に「導体皮膜140」といい、両者を区別しないことがある。)を有している。
【0084】
導体皮膜140は、FPC127における長手方向の範囲のみが、第1の実施形態の導体皮膜39と相違する。具体的には、導体皮膜140は、グロメット29に当接する位置から操作筐体3の内部へ延びている。導体皮膜140の操作筐体3の内部側の端部は、例えば、コネクタ33内部まで延びている。なお、一般に、コネクタ33は、特に図示しないが、グランドに接続されるシールド用の板金により、コネクタ33の内部をシールドしている。
【0085】
以上の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、開口部3hから操作筐体3の内部に侵入しようとする静電気は、グロメット29及びグランド部31を経由して、グランドに逃げることになる。その結果、静電気(ノイズ)がFPC27の表面に沿って流れ、静電気が実装部品21等の電子部品に到達することが抑制される。
【0086】
さらに、実装部品21が所定の周波数の信号を発振する場合(ノイズ源である場合)など、FPC27にノイズが重畳され得る場合、グロメット29及びグランド部31を介してグランドに接続された導体皮膜140により、導体層35をノイズからシールドすることができる。
【0087】
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態の携帯電話機の操作筐体3における、図2に相当する断面図である。
【0088】
第3の実施形態は、FPC227の構成のみが第1の実施形態と相違する。FPC227は、第1の実施形態のFPC27の導体皮膜39に代えて、第1外部側導体皮膜239A及び第2外部側導体皮膜239B(以下、単に「外部側導体皮膜239」といい、両者を区別しないことがある。)と、第1内部側導体皮膜240A及び第2内部側導体皮膜240B(以下、単に「内部側導体皮膜240」といい、両者を区別しないことがある。)と、を有している。
【0089】
外部側導体皮膜239は、第1の実施形態の導体皮膜39と同様に、グロメット29に当接する位置から操作筐体3の外部へ延びている。また、内部側導体皮膜240は、第2の実施形態の導体皮膜140と同様に、グロメット29に当接する位置から操作筐体3の内部へ延びている。なお、外部側導体皮膜239の操作筐体3の外部側の端部、及び、内部側導体皮膜240の操作筐体3の内部側の端部は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、適宜な位置とされてよい。
【0090】
外部側導体皮膜239のグロメット29側の端部、及び、内部側導体皮膜240のグロメット29側の端部は、双方とも、グロメット29内に位置している。しかし、双方の端部は、互いに離間している。すなわち、外部側導体皮膜239と内部側導体皮膜240とは接続されていない。
【0091】
図8は、FPC227のうち、グロメット29内の部分を示す平面図である。
【0092】
外部側導体皮膜239の端部と内部側導体皮膜240の端部とは、例えば、FPC227の幅方向の全体に亘って、一定の距離d1で離間している。なお、これらの端部の離間距離は、FPC27の幅方向において変動し、その最短距離が距離d1であってもよい。
【0093】
図9は、FPC227の図3に相当する断面図である。
【0094】
外部側導体皮膜239とグランド部31とは、第1の実施形態と同様に、グロメット29を介して導通されている。また、内部側導体皮膜240とグランド部31とは、第2の実施形態と同様に、グロメット29を介して導通されている。さらに、本実施形態では、外部側導体皮膜239と内部側導体皮膜240とは、グロメット29を介して導通されている。
【0095】
ここで、外部側導体皮膜239とグランド部31との最短距離d2は、外部側導体皮膜239と内部側導体皮膜240との最短距離d1よりも短い。従って、外部側導体皮膜239とグランド部31との間のインピーダンスは、外部側導体皮膜239と内部側導体皮膜240との間のインピーダンスよりも低い。その結果、外部側導体皮膜239における静電気は、内部側導体皮膜240よりも、グランド部31側へ流れやすくなっている。
【0096】
以上の第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、開口部3hから操作筐体3の内部に侵入しようとする静電気は、グロメット29及びグランド部31を経由して、グランドに逃げることになる。その結果、静電気(ノイズ)がFPC27の表面に沿って流れ、静電気が実装部品21等の電子部品に到達することが抑制される。
【0097】
また、第1の実施形態と同様に、外部側導体皮膜239により、操作筐体3の外部の静電気から導体層35等を保護できるとともに、第2の実施形態と同様に、内部側導体皮膜240により、操作筐体3の内部のノイズから導体層35を保護できる。さらに、操作筐体3の外部の静電気(外部側導体皮膜239に逃がした静電気)が内部側導体皮膜240に流れることを抑制できる。
【0098】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0099】
携帯電子機器は、携帯電話機に限定されず、例えば、PDA、デジタルカメラ、ノートパソコン、ゲーム機であってもよい。
【0100】
携帯電子機器は、相対移動可能に連結された2つの筐体を有するものに限定されない。また、信号線は、2つの筐体内の電子回路を接続するものに限定されない。例えば、信号線は、本発明の携帯電子機器と、他の電子機器とを接続するために携帯電子機器から延出する信号線であってもよい。
【0101】
また、携帯電子機器が相対可能に連結された2つの筐体を有するものであり、信号線が当該2つの筐体内の電子回路を接続するものである場合、2つの筐体は、折り畳み式のものに限定されない。例えば、2つの筐体は、スライド式のものであってもよいし、リボルバー式のものであってもよい。
【0102】
信号線は、フレキシブル基板に限定されない。例えば、細線同軸ケーブルであってもよい。換言すれば、信号線は、平面状のものに限定されず、断面が円形や矩形のものであってもよい。
【0103】
また、信号線がフレキシブル基板である場合、フレキシブル基板は、公知の適宜な構成とされてよい。例えば、導体層及び絶縁層の積層数は、適宜に設定されてよい。また、例えば、絶縁層とは別個に接着層が設けられる等、適宜な層が付加されてよい。また、例えば、フレキシブル基板は、複数のフレキシブル基板が積層的に束ねられて構成されてもよい。
【0104】
閉塞部品は、信号線を挟みこむ第1構成部及び第2構成部を有するものに限定されない。例えば、閉塞部品は、信号線を金型のキャビティに挿通した状態で、キャビティに溶融状態のゴムや樹脂を充填することにより、形成されたものであってもよい。また、閉塞部品が第1構成部及び第2構成部を有する場合、第1構成部及び第2構成部は、互いに連結されておらず(閉塞部品が連結部を有さず)、別ピースとして形成されていてもよい。
【0105】
閉塞部品は、複数の部材が組み合わされて構成されていてもよい。例えば、閉塞部品は、信号線をキャビティに挿通した状態でキャビティに材料が充填されて形成された基体と、当該基体の外周に形成された溝に嵌合されたパッキンとにより構成されてもよい。
【0106】
閉塞部品の導通部は、閉塞部品の全体に設けられている必要はない。例えば、第1構成部及び第2構成部が別ピースの場合に、一方のみに導通性を付与してもよい。また、例えば、金属の蒸着により、第1構成部及び第2構成部の表面にのみ導電性を付与してもよい。また、例えば、上述のような基体及びパッキンからなる閉塞部品において、パッキンのみに導電性を付与してもよい。
【0107】
グランド部は、筐体の表面に形成された導体層により構成されるものに限定されない。例えば、グランド部は、その全部又は一部が板金により構成されてもよい。また、そのような板金により構成されるグランド部は、樹脂により形成された筐体の内面等に固定された板金であってもよいし、樹脂と樹脂に一部が埋設された板金とにより構成される筐体における、樹脂から露出した板金の一部であってもよい。グランド部は、筐体の一部と捉えられるものであってもよいし、筐体とは別個に設けられた部材と捉えられるものであってもよい。
【0108】
導体皮膜は、信号線の本体部分に対して、全体に亘って接着されている必要はない。例えば、導体皮膜は、フレキシブル基板の本体部分(例えば、実施形態の導体層35及び絶縁層37)に積層的に配置され、長手方向の端部位置においてのみフレキシブル基板の本体部分に固定されるものであってもよい。
【0109】
導電皮膜は、全体が信号線の外側に露出している(信号線の外側面を構成している)必要はなく、一部が絶縁膜により覆われていてもよい。特に、閉塞部品の導電部に当接する位置から筐体の内部に延びる範囲において設けられる導体皮膜(導体皮膜140、内部側導体皮膜240)は、少なくとも導電部に当接する位置において信号線の外側面を構成していればよく、筐体内部においては、他の電子部品との絶縁を図るために、絶縁層により覆われていてもよい。
【0110】
実施形態において、外部側導体皮膜とグランド部との間のインピーダンスを規定する最短距離d2は、外部側導体皮膜とグランド部との幾何学的な最短距離であった。しかし、インピーダンスを規定する最短距離は、導電部を設ける範囲などの種々の要因により変化する。外部側導体皮膜と内部側導体皮膜との間のインピーダンスを規定する最短距離d1についても同様である。
【0111】
例えば、閉塞部品において、開口部への圧入方向における中央に非導電部を設ければ、外部側導体皮膜から内部側導体皮膜への導電経路は、閉塞部品の筐体外部側、グランド部、閉塞部品の筐体外部側となり、インピーダンスを規定する最短距離は、幾何学的な最短距離(直線距離)よりも長くなる。
【0112】
従って、外部側導体皮膜及び内部側導体皮膜は、外部側導体皮膜とグランド部との導電部を経由する最短距離が、外部側導体皮膜と内部側導体皮膜との導電部を経由する最短距離よりも短くなるように設けられれば、外部側導体皮膜から内部側導体皮膜へ静電気が流れることを抑制できる。
【0113】
凹部(45e及び47e)には、グリスが配置されてもよい。この場合、凹部にグリスを満たすことにより、グリスを計量しつつ第1構成部又は第2構成部にグリスを配置することができる。そして、第1構成部又は第2構成部をフレキシブル基板に押し付け、グリスを凹部から押し出すことにより、第1構成部又は第2構成部とフレキシブル基板との間にグリスを広げ、防水性などを高めることができる。なお、この場合、凹部の吸着性は必須ではない。
【0114】
なお、本願の開示内容からは、本願発明とは別の観点から、以下の発明を抽出可能である。
【0115】
開口部が形成された筐体と、
前記開口部を閉塞する閉塞部品と、
前記閉塞部品を貫通する信号線と、
前記筐体内部に配置され、前記信号線に接続された電子部品と、
を有し、
前記閉塞部品は、
第1構成部と、
第2構成部と、
前記第1構成部及び前記第2構成部により前記信号線を挟み込む閉状態と、当該閉状態から前記第1構成部及び前記第2構成部を離間させる開状態との間で開閉可能に前記第1構成部及び前記第2構成部を連結する連結部と、
を有し、
前記第1構成部、前記第2構成部及び前記連結部が一体形成されている
携帯電子機器。
【0116】
開口部が形成された筐体と、
前記開口部を閉塞する閉塞部品と、
前記閉塞部品を貫通するフレキシブル基板と、
前記筐体内部に配置され、前記フレキシブル基板に接続された電子部品と、
を有し、
前記閉塞部品は、前記フレキシブル基板の面に直交する方向において前記フレキシブル基板を挟み込む第1構成部及び第2構成部を有し、
前記第1構成部及び前記第2構成部の少なくとも一方においては、前記フレキシブル基板の表面に当接する面に、弾性部材により構成された凹部が形成されている
携帯電子機器。
【0117】
上記の別の観点の発明においては、導電部やグランド部は必須要件ではない。
【符号の説明】
【0118】
1…携帯電話機、3…操作筐体(筐体)、3h…開口部、27…FPC(信号線)、29…グロメット(閉塞部品、導電部)、21…実装部品(電子部品)、31…グランド部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が形成された筐体と、
前記開口部を閉塞する閉塞部品と、
前記閉塞部品を貫通する信号線と、
前記筐体内部に配置され、前記信号線に接続された電子部品と、
を有し、
前記筐体の内面にはグランドに接続されたグランド部が設けられ、
前記閉塞部品は、前記信号線及び前記グランド部に当接する導電部を有する
携帯電子機器。
【請求項2】
前記信号線は、前記導電部に当接する位置から前記筐体の外部に延びる範囲において当該信号線の外側面を構成する導体皮膜を有する
請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記信号線は、少なくとも前記導電部に当接する位置において当該信号線の外側面を構成し、前記導電部に当接する位置から前記筐体の内部に延びる範囲において設けられた導体皮膜を有する
請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記信号線は、
前記導電部に当接する位置から前記筐体の外部に延びる範囲において当該信号線の外側面を構成する外部側導体皮膜と、
少なくとも前記導電部に当接する位置において当該信号線の外側面を構成し、前記導電部に当接する位置から前記筐体の内部に延びる範囲において設けられた内部側導体皮膜と、
を有し、
前記外部側導体皮膜と前記内部側導体皮膜とは離間しており、前記外部側導体皮膜と前記グランド部との前記導電部を経由する最短距離は、前記外部側導体皮膜と前記内部側導体皮膜との前記導電部を経由する最短距離よりも短い
請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記筐体内に配置され、グランドパターン層を有する回路基板を更に有し、
前記回路基板と前記筐体とは、前記回路基板と前記グランド部とが当接した状態で、前記グランドパターン層及び前記グランド部を貫通する金属性のネジにより互いに固定されている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記グランド部は、前記開口部の内周面にも設けられており、
前記閉塞部品は、その全体が、導電材料が混ぜ込まれた弾性部材により構成されており、前記開口部に圧入されている
請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記閉塞部品は、
第1構成部と、
第2構成部と、
前記第1構成部及び前記第2構成部により前記信号線を挟み込む閉状態と、当該閉状態から前記第1構成部及び前記第2構成部を離間させる開状態との間で開閉可能に前記第1構成部及び前記第2構成部を連結する連結部と、
を有し、
前記第1構成部、前記第2構成部及び前記連結部が一体形成されている
請求項1〜6のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
信号線は、フレキシブル基板であり、
前記閉塞部品は、前記フレキシブル基板の面に直交する方向において前記フレキシブル基板を挟み込む第1構成部及び第2構成部を有し、
前記第1構成部及び前記第2構成部の少なくとも一方においては、前記フレキシブル基板の表面に当接する面に、弾性部材により構成された凹部が形成されている
請求項1〜7のいずれか1項に記載の携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−114721(P2011−114721A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270779(P2009−270779)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】