携帯電話端末
【課題】 携帯電話端末において、ユーザが自由にデザインや機能をカスタマイズすることで、端末全体を更新する頻度を下げることによって環境負荷の低減に寄与する。
【解決手段】 携帯電話端末１は、外装機能２と、音声通話機能３と、ネットワーク接続機能４と、表示機能５とからなる基本機能を有する。また、オプション機能として、画像撮影機能６と、高品質スピーカー機能７と、赤外線通信機能８と、ＬＥＤ発光機能９と、電子マネー機能１０とを備える。これら各機能２ないし１０はモジュール化され、個別に実装されている。
【解決手段】 携帯電話端末１は、外装機能２と、音声通話機能３と、ネットワーク接続機能４と、表示機能５とからなる基本機能を有する。また、オプション機能として、画像撮影機能６と、高品質スピーカー機能７と、赤外線通信機能８と、ＬＥＤ発光機能９と、電子マネー機能１０とを備える。これら各機能２ないし１０はモジュール化され、個別に実装されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、種々の機能を備えた携帯電話端末に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来の携帯電話端末は全ての機能が一つのモジュール（取り外しや分解ができない一単位のパーツ）に集約された構成であるため、新しい機能を付加するためにはユーザーが新たな携帯電話端末を購入する必要があった。このとき、コピーが不可能なデータが携帯電話端末本体に残ってしまうという理由や、使用していた携帯電話端末に愛着がある等という理由によって、携帯電話端末の回収が進まず、携帯電話端末のリサイクルが進まないという問題が非特許文献１に記載されている。かかる問題に対して、本体部のプリント基板に搭載されている機能をモジュール化し、ユーザ毎のカスタマイズを可能とした携帯電話端末が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００７−１１６３７５号公報
【非特許文献】
【０００４】
【非特許文献１】Ｓ．Ｍｕｒａｋａｍｉ，Ｈ．Ｏｈｓｕｇｉ，Ｒ．Ｍｕｒａｋａｍｉ−Ｓｕｚｕｋｉ，Ａ．Ｍｕｋａｉｄａ，Ｈ．Ｔｓｕｊｉｍｕｒａ，Ｊ．ＬＣＡ．Ｊ，５，１，（２００９）ｐｐ．１３８−１４４
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１の発明においても外部パネル下に実装されるモジュールの交換を想定しているのみであり、コピーが不可能なデータが携帯電話端末本体に残ってしまうという問題は依然解決されないため、携帯電話端末全体を買い換えた場合に、古い携帯電話端末をリサイクルのための回収に確実に供与してもらえることの保証はない。また、各機能を提供するモジュールと外装パネルは交換可能であっても、入力部分（ボタン）や表示部分（液晶パネル）などは交換が不可能であるため、携帯電話端末のデザイン性による買い換え需要に対しては、携帯電話端末全体の買い換えとなるから、上記した非特許文献１に記載された問題の解決には至らない。
【０００６】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ユーザが自由にデザインや機能をカスタマイズすることで、端末全体を更新する頻度を下げることによって環境負荷の低減に寄与する携帯電話端末を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この目的を達成するために、本発明は、複数の機能を備えた携帯電話端末において、前記各機能毎にモジュール化し、モジュール化した各機能を個別に実装したものである。
【０００８】
本発明は、前記発明において、モジュール化した前記機能として、音声通話機能と、ネットワーク接続機能と、表示機能と、外装機能とを備えるものである。
【０００９】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、モジュール化したオプション機能を備え、このオプション機能として、電画像撮影機能と、電子マネー機能と、ＴＶ放送受信機能と、高品質スピーカー機能と、赤外線通信機能と、ＬＥＤ発光機能と、音楽プレーヤー機能と、ラジオ受信機能と、環境センサー機能と、ＧＰＳ機能と、ユーザ認証機能との少なくといずれか一つを備えるものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、ユーザが自由にデザインや機能をカスタマイズすることができるため、容易に新機能の実装が可能となるから、端末全体を更新する頻度を下げることができて環境負荷の低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明に係る携帯電話端末を分解して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明の実施の形態を図１に基づいて説明する。同図に全体を符号１で示す二つ折り式の携帯電話端末は、複数の機能を備えており、これら各機能が独立してモジュール化されて、モジュール化された各機能が個別に実装されていることに特徴を有する。すなわち、この携帯電話端末１は、外装を構成するモジュール２と、音声通話機能を有するモジュール３と、ネットワーク接続機能を有するモジュール４と、表示機能を有するモジュール５とからなる基本機能と、後述するオプション機能とから構成されている。
【００１３】
外装を構成するモジュール２は、八つのモジュール２１〜２８から構成されており、このうちの六つのモジュール２１〜２６は、携帯電話端末１のデザインを決定するモジュールである。例えば、形状ではスライド式やストレート式などの一般的な形状のほか、腕時計型やヘッドホン型などの独特の形状のデザインの外装を選択することが可能となる。また、これら外装を構成するモジュール２１〜２６は、同じ形状であっても彩色を変更することでデザイン性を向上させることもできる。これら外装を構成するモジュール２１〜２６は、携帯電話端末の形状や搭載する機能によってモジュールの形状・色の他、モジュールの数を七つ以上としてもよく、これらから適宜選択することにより、種々のデザインに対応可能となる。
【００１４】
外装を構成するモジュール２１，２２の内面には、これらモジュール２１，２２に実装される後述する各モジュール間を電気的に接続する電気配線が施されている。２９は外装を構成するモジュール２１，２２に設けられたモジュール接続コネクタであって、このモジュール接続コネクタ２９を介して各機能を有するモジュールと外装を構成するモジュール２１，２２とは接続されている。このモジュール接続コネクタ２９は、本発明に係る携帯電話端末１において、統一された規格のコネクタであって、本発明に係る携帯電話端末１を構成する全てのモジュールに適用される。このモジュール接続コネクタ２９の数・配置によって、ユーザが携帯電話端末の機能・デザインを容易にカスタマイズすることが可能となる。
【００１５】
外装を構成するモジュール２を構成する八つのモジュール２１〜２８のうち、モジュール２７，２８は、入力機能を有するモジュールでもある。このモジュール２７，２８は、いわゆるボタンの部分であり、形状やデザインという点では外装を構成する一部であるが、入力機能が付加されていることから入力機能を有するモジュールとも呼称する。入力機能を有するモジュール２７，２８は個々のボタンに対応する入力機能を有するモジュール２８を別モジュールとすることで、ボタンの形状・色などをユーザが自由にカスタマイズできる。また、入力機能として、この例ではボタン式の例を示したが、タッチパネルや音声入力などの入力機能を持たせてもよい。
【００１６】
音声通話機能を有するモジュール３は、携帯電話端末１の主要機能である音声通話を実現するモジュール３１，３２，３３を備えている。本実施例では音声通話機能を有するモジュール３１が通話機能に関する電子基板を有しており、音声通話機能を有するモジュール３２はマイクに対応し、音声通話機能を有するモジュール３２はスピーカーに対応する。これら音声通話機能を有するモジュール３１，３２，３３は携帯電話端末の形状によっては音声通話機能を有するモジュール３２，３３をヘッドホン型にして用いるなどしてもよい。
【００１７】
音声通話機能を有するモジュール３１は、言い換えると、本発明の携帯電話端末において、個々人が所有し続けるモジュールであり、コピーが不可能なデータを記録する心臓部と言える。ユーザは携帯電話端末をカスタマイズする際には、この音声通話機能を有するモジュール３１を残し、その他のモジュールを交換する。この音声通話機能を有するモジュール３１には、モジュール接続コネクタ２９に接続された各機能を有するモジュールを判別する機能が搭載されており、携帯電話端末をどのようなモジュールの組合せの構成で組み立てても、各機能を有するモジュールが機能を発現することができる。この各機能を有するモジュールを判別する機能は、新しい各機能を有するモジュールが発明されたときなどに更新される必要がある。この更新方法は、新しい各機能を有するモジュールに搭載され、モジュール接続コネクタ１２９に接続することにより自動的に更新される方法、外部メモリー１２を介して更新する方法、ネットワーク接続機能を有するモジュール４によるネットワーク接続により更新する方法、店頭で更新する方法などがあり、どの方法を用いても構わない。
【００１８】
本実施例では音声通話機能を有するモジュール３１に、ユーザの電話番号情報などを記録したＳＩＭカード１１を接続する機能のほか、外部メモリー１２を接続する機能を持たせている。ＳＩＭカード１１を接続する機能は音声通話機能を発現させるために必要な機能であり、音声通話機能を有するモジュール３１上に搭載することが望ましいが、この限りではない。また、外部メモリー１２を接続する機能は別のモジュールとしても構わない。
【００１９】
１３は充電池であって形状を統一することで再利用を可能とすることが望ましい。しかしながら、外装のデザインによっては、外装を構成するモジュールに独特の形状をもって組み込んでも構わない。
【００２０】
表示機能を有するモジュール５は三つのモジュール５１〜５３を備え、これらモジュール５１〜５３は例えば液晶画面であり、表示機能を有するモジュール５１が一般的に液晶画面と言われる部分に該当する。本実施例では、メイン画面となる表示機能を有するモジュール５１のほか、サブ画面となる表示機能を有するモジュール５２，５３を装着している。表示機能を有するモジュールはその表示機能をユーザが選択できるほか、デザインについても選択が可能であり、本実施例のような長方形である必要はない。また、表示機能を有するモジュールに合わせて外装を構成するモジュール２３，２４は選択することができ、表示機能を有するモジュール５２，５３を必要としないユーザは、外装を構成するモジュール２３，２４として、画面を露出しないものを選ぶことができる。また、表示機能を有するモジュール５２，５３の代わりに、別の機能を有するモジュールを装着してもよい。
【００２１】
ネットワーク接続機能を有するモジュール４は、インターネット接続機能や電子メール機能を実現するモジュールである。これらの機能が不要なユーザはこのモジュールを装着しないことも選択できる。また、ネットワーク接続機能を有するモジュール４の代わりに、別の機能を有するモジュールを装着してもよい。
【００２２】
６〜１０は、上述した基本機能２ないし５の他のオプション機能を有するモジュールである。これらオプション機能を有するモジュール６〜１０は、特にユーザのカスタマイズが多いと考えられるモジュールであり、選択されたモジュールに合わせて外装を構成するモジュール（例えば２３，２４）を選択することができる。
【００２３】
画像撮影機能を有するモジュール６は二つのカメラ６１，６２を備えており、ユーザが必要な性能を有するカメラを選択することができる。画像撮影機能を有するモジュール６１はデジタルカメラとしての機能をメインとしたカメラであり、画像撮影機能を有するモジュール６２はＴＶ電話を利用する際にユーザの顔を撮影するカメラである。ＴＶ電話機能は、本実施例では音声通話機能を有するモジュール３１に搭載されている。
【００２４】
高品質スピーカー機能を有するモジュール７は、表示機能を有するモジュールと同様に、外装を構成するモジュール（例えば２６）を選択することができる。
【００２５】
赤外線通信機能を有するモジュール８は、赤外線による携帯電話端末間の通信を可能視するモジュールである。
【００２６】
ＬＥＤ発光機能を有するモジュール９は、ＬＥＤ発光による着信通知や、非常時のライトとして利用できるモジュールである。
【００２７】
電子マネー機能を有するモジュール１０は、非接触通信と電子マネーの記録メモリーなどから構成されるモジュールである。
【００２８】
オプション機能を有するモジュールが有するオプション機能としては、ＴＶ放送受信機能、音楽プレーヤー機能、ラジオ受信機能、環境センサー機能、ＧＰＳ機能、ユーザ認証（指紋認証など）機能などがある。これらの機能以外にも、新たの開発された機能があれば、その機能を搭載することができる。
【００２９】
本発明のモジュール式の携帯電話の構成方法における各モジュール（外装を構成するモジュールを除く）は、電子基板がむき出しのものでも構わないが、取扱いの容易性からプラスチックケースなどに収められていることが望ましい。
【００３０】
本発明のモジュール式の携帯電話の構成方法における各モジュール（外装を構成するモジュールを除く）は、直方体の形状に限らず、例のような半円形の形状など自由な形にすることができる。
【００３１】
以上説明した本発明に係る携帯電話端末を用いることで、ユーザが自由自在にデザイン・機能をカスタマイズできるほか、不要な機能は搭載せず、新たな機能の装着や機能の性能向上の際には、一部のモジュールを交換するだけでよく、廃棄される携帯電話端末の量自体が減るとともに、新規に製造するのもモジュールだけであるため、携帯電話端末に由来する環境負荷削減が期待できる。また、コピーが不可能なデータの存在のため回収されない携帯電話端末は、このコピーが不可能なデータが主要機能である音声通話機能を有するモジュール３１に記録されているため、音声通話機能を有するモジュール３１以外を総変更してもユーザの手元にデータは残るために、古いモジュールの回収量・リサイクル量の向上が期待できる。
【００３２】
この際、音声通話機能を有するモジュール３１以外のモジュールは各機能を実現するだけで個人情報を含まないため、個人情報の保護の点からも、本発明のモジュール式の携帯電話の構成方法を用いることは有益である。また、個人情報を含まないこれらの古いモジュールは、そのまま再利用もできるため、より環境負荷削減に貢献する。
【符号の説明】
【００３３】
１…携帯電話端末、２，２１，２２，２３，２４，２５，２６…外装を構成するモジュール、２７，２８…入力機能を有するモジュール、２９…モジュール接続コネクタ、３，３１，３２，３３…音声通話機能を有するモジュール、４…ネットワーク接続機能を有するモジュール、５，５１，５２，５３…表示機能を有するモジュール、６，６１，６２…画像撮影機能を有するモジュール、７…高品質スピーカー機能を有するモジュール、８…赤外線通信機能を有するモジュール、９…ＬＥＤ発光機能を有するモジュール、１０…電子マネー機能を有するモジュール、１１…ＳＩＭカード、１２…外部メモリー、１３…充電池。
【技術分野】
【０００１】
本発明は、種々の機能を備えた携帯電話端末に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来の携帯電話端末は全ての機能が一つのモジュール（取り外しや分解ができない一単位のパーツ）に集約された構成であるため、新しい機能を付加するためにはユーザーが新たな携帯電話端末を購入する必要があった。このとき、コピーが不可能なデータが携帯電話端末本体に残ってしまうという理由や、使用していた携帯電話端末に愛着がある等という理由によって、携帯電話端末の回収が進まず、携帯電話端末のリサイクルが進まないという問題が非特許文献１に記載されている。かかる問題に対して、本体部のプリント基板に搭載されている機能をモジュール化し、ユーザ毎のカスタマイズを可能とした携帯電話端末が提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００７−１１６３７５号公報
【非特許文献】
【０００４】
【非特許文献１】Ｓ．Ｍｕｒａｋａｍｉ，Ｈ．Ｏｈｓｕｇｉ，Ｒ．Ｍｕｒａｋａｍｉ−Ｓｕｚｕｋｉ，Ａ．Ｍｕｋａｉｄａ，Ｈ．Ｔｓｕｊｉｍｕｒａ，Ｊ．ＬＣＡ．Ｊ，５，１，（２００９）ｐｐ．１３８−１４４
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１の発明においても外部パネル下に実装されるモジュールの交換を想定しているのみであり、コピーが不可能なデータが携帯電話端末本体に残ってしまうという問題は依然解決されないため、携帯電話端末全体を買い換えた場合に、古い携帯電話端末をリサイクルのための回収に確実に供与してもらえることの保証はない。また、各機能を提供するモジュールと外装パネルは交換可能であっても、入力部分（ボタン）や表示部分（液晶パネル）などは交換が不可能であるため、携帯電話端末のデザイン性による買い換え需要に対しては、携帯電話端末全体の買い換えとなるから、上記した非特許文献１に記載された問題の解決には至らない。
【０００６】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ユーザが自由にデザインや機能をカスタマイズすることで、端末全体を更新する頻度を下げることによって環境負荷の低減に寄与する携帯電話端末を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
この目的を達成するために、本発明は、複数の機能を備えた携帯電話端末において、前記各機能毎にモジュール化し、モジュール化した各機能を個別に実装したものである。
【０００８】
本発明は、前記発明において、モジュール化した前記機能として、音声通話機能と、ネットワーク接続機能と、表示機能と、外装機能とを備えるものである。
【０００９】
本発明は、前記発明のいずれか一つの発明において、モジュール化したオプション機能を備え、このオプション機能として、電画像撮影機能と、電子マネー機能と、ＴＶ放送受信機能と、高品質スピーカー機能と、赤外線通信機能と、ＬＥＤ発光機能と、音楽プレーヤー機能と、ラジオ受信機能と、環境センサー機能と、ＧＰＳ機能と、ユーザ認証機能との少なくといずれか一つを備えるものである。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、ユーザが自由にデザインや機能をカスタマイズすることができるため、容易に新機能の実装が可能となるから、端末全体を更新する頻度を下げることができて環境負荷の低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明に係る携帯電話端末を分解して示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
以下、本発明の実施の形態を図１に基づいて説明する。同図に全体を符号１で示す二つ折り式の携帯電話端末は、複数の機能を備えており、これら各機能が独立してモジュール化されて、モジュール化された各機能が個別に実装されていることに特徴を有する。すなわち、この携帯電話端末１は、外装を構成するモジュール２と、音声通話機能を有するモジュール３と、ネットワーク接続機能を有するモジュール４と、表示機能を有するモジュール５とからなる基本機能と、後述するオプション機能とから構成されている。
【００１３】
外装を構成するモジュール２は、八つのモジュール２１〜２８から構成されており、このうちの六つのモジュール２１〜２６は、携帯電話端末１のデザインを決定するモジュールである。例えば、形状ではスライド式やストレート式などの一般的な形状のほか、腕時計型やヘッドホン型などの独特の形状のデザインの外装を選択することが可能となる。また、これら外装を構成するモジュール２１〜２６は、同じ形状であっても彩色を変更することでデザイン性を向上させることもできる。これら外装を構成するモジュール２１〜２６は、携帯電話端末の形状や搭載する機能によってモジュールの形状・色の他、モジュールの数を七つ以上としてもよく、これらから適宜選択することにより、種々のデザインに対応可能となる。
【００１４】
外装を構成するモジュール２１，２２の内面には、これらモジュール２１，２２に実装される後述する各モジュール間を電気的に接続する電気配線が施されている。２９は外装を構成するモジュール２１，２２に設けられたモジュール接続コネクタであって、このモジュール接続コネクタ２９を介して各機能を有するモジュールと外装を構成するモジュール２１，２２とは接続されている。このモジュール接続コネクタ２９は、本発明に係る携帯電話端末１において、統一された規格のコネクタであって、本発明に係る携帯電話端末１を構成する全てのモジュールに適用される。このモジュール接続コネクタ２９の数・配置によって、ユーザが携帯電話端末の機能・デザインを容易にカスタマイズすることが可能となる。
【００１５】
外装を構成するモジュール２を構成する八つのモジュール２１〜２８のうち、モジュール２７，２８は、入力機能を有するモジュールでもある。このモジュール２７，２８は、いわゆるボタンの部分であり、形状やデザインという点では外装を構成する一部であるが、入力機能が付加されていることから入力機能を有するモジュールとも呼称する。入力機能を有するモジュール２７，２８は個々のボタンに対応する入力機能を有するモジュール２８を別モジュールとすることで、ボタンの形状・色などをユーザが自由にカスタマイズできる。また、入力機能として、この例ではボタン式の例を示したが、タッチパネルや音声入力などの入力機能を持たせてもよい。
【００１６】
音声通話機能を有するモジュール３は、携帯電話端末１の主要機能である音声通話を実現するモジュール３１，３２，３３を備えている。本実施例では音声通話機能を有するモジュール３１が通話機能に関する電子基板を有しており、音声通話機能を有するモジュール３２はマイクに対応し、音声通話機能を有するモジュール３２はスピーカーに対応する。これら音声通話機能を有するモジュール３１，３２，３３は携帯電話端末の形状によっては音声通話機能を有するモジュール３２，３３をヘッドホン型にして用いるなどしてもよい。
【００１７】
音声通話機能を有するモジュール３１は、言い換えると、本発明の携帯電話端末において、個々人が所有し続けるモジュールであり、コピーが不可能なデータを記録する心臓部と言える。ユーザは携帯電話端末をカスタマイズする際には、この音声通話機能を有するモジュール３１を残し、その他のモジュールを交換する。この音声通話機能を有するモジュール３１には、モジュール接続コネクタ２９に接続された各機能を有するモジュールを判別する機能が搭載されており、携帯電話端末をどのようなモジュールの組合せの構成で組み立てても、各機能を有するモジュールが機能を発現することができる。この各機能を有するモジュールを判別する機能は、新しい各機能を有するモジュールが発明されたときなどに更新される必要がある。この更新方法は、新しい各機能を有するモジュールに搭載され、モジュール接続コネクタ１２９に接続することにより自動的に更新される方法、外部メモリー１２を介して更新する方法、ネットワーク接続機能を有するモジュール４によるネットワーク接続により更新する方法、店頭で更新する方法などがあり、どの方法を用いても構わない。
【００１８】
本実施例では音声通話機能を有するモジュール３１に、ユーザの電話番号情報などを記録したＳＩＭカード１１を接続する機能のほか、外部メモリー１２を接続する機能を持たせている。ＳＩＭカード１１を接続する機能は音声通話機能を発現させるために必要な機能であり、音声通話機能を有するモジュール３１上に搭載することが望ましいが、この限りではない。また、外部メモリー１２を接続する機能は別のモジュールとしても構わない。
【００１９】
１３は充電池であって形状を統一することで再利用を可能とすることが望ましい。しかしながら、外装のデザインによっては、外装を構成するモジュールに独特の形状をもって組み込んでも構わない。
【００２０】
表示機能を有するモジュール５は三つのモジュール５１〜５３を備え、これらモジュール５１〜５３は例えば液晶画面であり、表示機能を有するモジュール５１が一般的に液晶画面と言われる部分に該当する。本実施例では、メイン画面となる表示機能を有するモジュール５１のほか、サブ画面となる表示機能を有するモジュール５２，５３を装着している。表示機能を有するモジュールはその表示機能をユーザが選択できるほか、デザインについても選択が可能であり、本実施例のような長方形である必要はない。また、表示機能を有するモジュールに合わせて外装を構成するモジュール２３，２４は選択することができ、表示機能を有するモジュール５２，５３を必要としないユーザは、外装を構成するモジュール２３，２４として、画面を露出しないものを選ぶことができる。また、表示機能を有するモジュール５２，５３の代わりに、別の機能を有するモジュールを装着してもよい。
【００２１】
ネットワーク接続機能を有するモジュール４は、インターネット接続機能や電子メール機能を実現するモジュールである。これらの機能が不要なユーザはこのモジュールを装着しないことも選択できる。また、ネットワーク接続機能を有するモジュール４の代わりに、別の機能を有するモジュールを装着してもよい。
【００２２】
６〜１０は、上述した基本機能２ないし５の他のオプション機能を有するモジュールである。これらオプション機能を有するモジュール６〜１０は、特にユーザのカスタマイズが多いと考えられるモジュールであり、選択されたモジュールに合わせて外装を構成するモジュール（例えば２３，２４）を選択することができる。
【００２３】
画像撮影機能を有するモジュール６は二つのカメラ６１，６２を備えており、ユーザが必要な性能を有するカメラを選択することができる。画像撮影機能を有するモジュール６１はデジタルカメラとしての機能をメインとしたカメラであり、画像撮影機能を有するモジュール６２はＴＶ電話を利用する際にユーザの顔を撮影するカメラである。ＴＶ電話機能は、本実施例では音声通話機能を有するモジュール３１に搭載されている。
【００２４】
高品質スピーカー機能を有するモジュール７は、表示機能を有するモジュールと同様に、外装を構成するモジュール（例えば２６）を選択することができる。
【００２５】
赤外線通信機能を有するモジュール８は、赤外線による携帯電話端末間の通信を可能視するモジュールである。
【００２６】
ＬＥＤ発光機能を有するモジュール９は、ＬＥＤ発光による着信通知や、非常時のライトとして利用できるモジュールである。
【００２７】
電子マネー機能を有するモジュール１０は、非接触通信と電子マネーの記録メモリーなどから構成されるモジュールである。
【００２８】
オプション機能を有するモジュールが有するオプション機能としては、ＴＶ放送受信機能、音楽プレーヤー機能、ラジオ受信機能、環境センサー機能、ＧＰＳ機能、ユーザ認証（指紋認証など）機能などがある。これらの機能以外にも、新たの開発された機能があれば、その機能を搭載することができる。
【００２９】
本発明のモジュール式の携帯電話の構成方法における各モジュール（外装を構成するモジュールを除く）は、電子基板がむき出しのものでも構わないが、取扱いの容易性からプラスチックケースなどに収められていることが望ましい。
【００３０】
本発明のモジュール式の携帯電話の構成方法における各モジュール（外装を構成するモジュールを除く）は、直方体の形状に限らず、例のような半円形の形状など自由な形にすることができる。
【００３１】
以上説明した本発明に係る携帯電話端末を用いることで、ユーザが自由自在にデザイン・機能をカスタマイズできるほか、不要な機能は搭載せず、新たな機能の装着や機能の性能向上の際には、一部のモジュールを交換するだけでよく、廃棄される携帯電話端末の量自体が減るとともに、新規に製造するのもモジュールだけであるため、携帯電話端末に由来する環境負荷削減が期待できる。また、コピーが不可能なデータの存在のため回収されない携帯電話端末は、このコピーが不可能なデータが主要機能である音声通話機能を有するモジュール３１に記録されているため、音声通話機能を有するモジュール３１以外を総変更してもユーザの手元にデータは残るために、古いモジュールの回収量・リサイクル量の向上が期待できる。
【００３２】
この際、音声通話機能を有するモジュール３１以外のモジュールは各機能を実現するだけで個人情報を含まないため、個人情報の保護の点からも、本発明のモジュール式の携帯電話の構成方法を用いることは有益である。また、個人情報を含まないこれらの古いモジュールは、そのまま再利用もできるため、より環境負荷削減に貢献する。
【符号の説明】
【００３３】
１…携帯電話端末、２，２１，２２，２３，２４，２５，２６…外装を構成するモジュール、２７，２８…入力機能を有するモジュール、２９…モジュール接続コネクタ、３，３１，３２，３３…音声通話機能を有するモジュール、４…ネットワーク接続機能を有するモジュール、５，５１，５２，５３…表示機能を有するモジュール、６，６１，６２…画像撮影機能を有するモジュール、７…高品質スピーカー機能を有するモジュール、８…赤外線通信機能を有するモジュール、９…ＬＥＤ発光機能を有するモジュール、１０…電子マネー機能を有するモジュール、１１…ＳＩＭカード、１２…外部メモリー、１３…充電池。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数の機能を備えた携帯電話端末において、
前記各機能毎にモジュール化し、モジュール化した各機能を個別に実装したことを特徴とする携帯電話端末。
【請求項２】
請求項１記載の携帯電話端末において、
モジュール化した前記機能として、
音声通話機能と、ネットワーク接続機能と、表示機能と、外装機能とを備えることを特徴とする携帯電話端末。
【請求項３】
請求項２記載の携帯電話端末において、
モジュール化したオプション機能を備え、
このオプション機能として、
電画像撮影機能と、電子マネー機能と、ＴＶ放送受信機能と、高品質スピーカー機能と、赤外線通信機能と、ＬＥＤ発光機能と、音楽プレーヤー機能と、ラジオ受信機能と、環境センサー機能と、ＧＰＳ機能と、ユーザ認証機能との少なくといずれか一つを備えることを特徴とする携帯電話端末。
【請求項１】
複数の機能を備えた携帯電話端末において、
前記各機能毎にモジュール化し、モジュール化した各機能を個別に実装したことを特徴とする携帯電話端末。
【請求項２】
請求項１記載の携帯電話端末において、
モジュール化した前記機能として、
音声通話機能と、ネットワーク接続機能と、表示機能と、外装機能とを備えることを特徴とする携帯電話端末。
【請求項３】
請求項２記載の携帯電話端末において、
モジュール化したオプション機能を備え、
このオプション機能として、
電画像撮影機能と、電子マネー機能と、ＴＶ放送受信機能と、高品質スピーカー機能と、赤外線通信機能と、ＬＥＤ発光機能と、音楽プレーヤー機能と、ラジオ受信機能と、環境センサー機能と、ＧＰＳ機能と、ユーザ認証機能との少なくといずれか一つを備えることを特徴とする携帯電話端末。
【図１】
【公開番号】特開２０１０−２８３７１０（Ｐ２０１０−２８３７１０Ａ）
【公開日】平成２２年１２月１６日（２０１０．１２．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１３６８８３（Ｐ２００９−１３６８８３）
【出願日】平成２１年６月８日（２００９．６．８）
【出願人】（０００００４２２６）日本電信電話株式会社 (13,992)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１２月１６日（２０１０．１２．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年６月８日（２００９．６．８）
【出願人】（０００００４２２６）日本電信電話株式会社 (13,992)
【Ｆターム（参考）】
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