説明

摂動化装置、摂動化方法およびプログラム

【課題】時間軸における情報のずれを許容することで、統計的なデータのずれを抑制する。
【解決手段】摂動化装置は、送信データを入力する入力手段と、送信データにノイズを付加する摂動化手段と、該ノイズが付加されたデータを送信する送信手段と、ノイズ付きのデータからノイズ情報を抽出する抽出手段と、次のデータの摂動化のために、該抽出したノイズ情報を前記摂動化手段にフィードバックするフィードバック手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、統計的なデータのずれを抑制する摂動化装置、摂動化方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プライバシ保護に注目が集まっている。例えば、位置情報サービス等で、位置情報をサービス提供者に送付することが考えられるが、位置情報をそのまま送付しては、サービス提供者が利用者の現在位置の把握や行動追跡が可能となり、プライバシ侵害に繋がる可能性がある。そこで、プライバシ保護手法が検討されてきた。
【0003】
データのプライバシ保護手法としては、摂動による方法と非摂動による方法がある。摂動による方法の典型例としては、ある一定のノイズを付加してデータを登録する手法がある(例えば、非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】W.A.Fuller,Masking procedures for microdata disclosure limitation, In Journal of Official Statistics Vol.9,1993.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の手法は、データを登録する差異に、個々のデータに対して実行可能であるという利点を持つが、一方で、ノイズにより実データからのずれが大きいという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、時間軸における情報のずれを許容することで、統計的なデータのずれを抑制する摂動化装置、摂動化方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0008】
(1)本発明は、送信データを入力する入力手段(例えば、図1の入力部110に相当)と、送信データにノイズを付加する摂動化手段(例えば、図1の摂動化部120に相当)と、該ノイズが付加されたデータを送信する送信手段(例えば、図1の送信部130に相当)と、ノイズ付きのデータからノイズ情報を抽出する抽出手段(例えば、図1の抽出部140に相当)と、次のデータの摂動化のために、該抽出したノイズ情報を前記摂動化手段にフィードバックするフィードバック手段(例えば、図1のフィードバック部150に相当)と、を備えたことを特徴とする摂動化装置を提案している。
【0009】
この発明によれば、入力手段は、送信データを入力する。摂動化手段は、送信データにノイズを付加する。送信手段は、ノイズが付加されたデータを送信する。抽出手段は、ノイズ付きのデータからノイズ情報を抽出する。フィードバック手段は、次のデータの摂動化のために、抽出したノイズ情報を摂動化手段にフィードバックする。したがって、数値等定量的なデータをノイズとして加えることができる場合に、時間軸における情報のずれを許容することで、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0010】
(2)本発明は、(1)の摂動化装置について、2つの閾値をT1、T2、ノイズ情報の和をS、次に付与するノイズをnとしたときに、T1<S+n<T2を満たすことを特徴とする摂動化装置を提案している。
【0011】
この発明によれば、2つの閾値をT1、T2、ノイズ情報の和をS、次に付与するノイズをnとしたときに、T1<S+n<T2を満たす。したがって、上記のような条件を与えることにより、統計量のノイズを常に一定以下に抑えることができる。
【0012】
(3)本発明は、送信データを入力する入力手段(例えば、図3の入力部210に相当)と、入力した送信データを格納する格納手段(例えば、図3の格納部220に相当)と、該格納された送信データの中から1つのデータをランダムに選択する選択手段(例えば、図3の選択部240に相当)と、該選択されたデータを送信データとして送信する送信手段(例えば、図3の送信部230に相当)と、を備えたことを特徴とする摂動化装置を提案している。
【0013】
この発明によれば、入力手段は、送信データを入力する。格納手段は、入力した送信データを格納する。選択手段は、格納された送信データの中から1つのデータをランダムに選択する。送信手段は、選択されたデータを送信データとして送信する。したがって、送信するデータに対して、定量的なノイズを付加できない場合であっても、時間軸における情報のずれを許容することで、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0014】
(4)本発明は、(3)の摂動化装置について、前記格納手段に予め定めた個数の送信データがないときに、ダミーデータを生成するダミーデータ生成手段と、該生成されたダミーデータを処理して前記格納手段に格納する処理手段と、を備えたことを特徴とする摂動化装置を提案している。
【0015】
この発明によれば、ダミーデータ生成手段は、格納手段に予め定めた個数の送信データがないときに、ダミーデータを生成する。処理手段は、生成されたダミーデータを処理して格納手段に格納する。したがって、格納手段に十分なデータがない場合であっても、ダミーデータを用いることによりプライバシの保護を実行することができる。
【0016】
(5)本発明は、送信データを入力する送信データ入力手段(例えば、図5の送信データ入力部310に相当)と、外部データを入力する外部データ入力手段(例えば、図5の外部データ入力部320に相当)と、該外部データを考慮してノイズ付きデータを生成する摂動化手段(例えば、図5の摂動化部330に相当)と、該ノイズ付きデータを送信する送信手段(例えば、図5の送信部340に相当)と、を備えたことを特徴とする摂動化装置を提案している。
【0017】
この発明によれば、送信データ入力手段は、送信データを入力する。外部データ入力手段は、外部データを入力する。摂動化手段は、外部データを考慮してノイズ付きデータを生成する。送信手段は、ノイズ付きデータを送信する。したがって、外部データを用いることにより、効率的なノイズを付加できるため、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0018】
(6)本発明は、(5)の摂動化装置について、前記外部データが他のユーザからのデータであることを特徴とする摂動化装置を提案している。
【0019】
この発明によれば、外部データが他のユーザからのデータである。したがって、他のユーザからのデータを考慮することにより、効率的なノイズを付加することができる。
【0020】
(7)本発明は、利用者が送信するデータを入力する第1のステップ(例えば、図2のステップS101に相当)と、ランダムにノイズを生成する第2のステップ(例えば、図2のステップS102に相当)と、ノイズをデータに付与し、ノイズ付きデータとして送信する第3のステップ(例えば、図2のステップS103に相当)と、ノイズ情報をフィードバックし、次のデータの摂動化を行う第4のステップ(例えば、図2のステップS104に相当)と、を備えたことを特徴とする摂動化方法を提案している。
【0021】
この発明によれば、利用者が送信するデータを入力し、ランダムにノイズを生成する。そして、ノイズをデータに付与し、ノイズ付きデータとして送信して、ノイズ情報をフィードバックし、次のデータの摂動化を行う。したがって、数値等定量的なデータをノイズとして加えることができる場合に、時間軸における情報のずれを許容することで、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0022】
(8)本発明は、利用者が送信するデータを摂動化装置に入力する第1のステップ(例えば、図4のステップS201に相当)と、送信するデータを一旦バッファに蓄積する第2のステップ(例えば、図4のステップS202に相当)と、バッファに十分な数のデータが格納されているときに、その中から1つをランダムに選択し、送信する第3のステップ(例えば、図4のステップS203に相当)と、バッファに十分な個数が無いときに、ダミーデータを生成し送信する第4のステップ(例えば、図4のステップS204に相当)と、を備えたことを特徴とする摂動化方法を提案している。
【0023】
この発明によれば、利用者が送信するデータを摂動化装置に入力し、送信するデータを一旦バッファに蓄積する。そして、バッファに十分な数のデータが格納されているときに、その中から1つをランダムに選択し、送信し、バッファに十分な個数が無いときに、ダミーデータを生成し送信する。したがって、送信するデータに対して、定量的なノイズを付加できない場合であっても、時間軸における情報のずれを許容することで、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0024】
(9)本発明は、利用者が送信するデータを摂動化装置に入力する第1のステップ(例えば、図6のステップS301に相当)と、外部サーバ等からデータを取得する第2のステップ(例えば、図6のステップS302に相当)と、取得したデータを考慮してノイズ付きデータを生成する第3のステップ(例えば、図6のステップS303に相当)と、該生成したノイズ付きデータを送信する第4のステップ(例えば、図6のステップS304に相当)と、を備えたことを特徴とする摂動化方法を提案している。
【0025】
この発明によれば、利用者が送信するデータを摂動化装置に入力し、外部サーバ等からデータを取得する。そして、取得したデータを考慮してノイズ付きデータを生成し、生成したノイズ付きデータを送信する。したがって、外部データを用いることにより、効率的なノイズを付加できるため、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0026】
(10)本発明は、データにノイズを付加する摂動化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、利用者が送信するデータを入力する第1のステップ(例えば、図2のステップS101に相当)と、ランダムにノイズを生成する第2のステップ(例えば、図2のステップS102に相当)と、ノイズをデータに付与し、ノイズ付きデータとして送信する第3のステップ(例えば、図2のステップS103に相当)と、ノイズ情報をフィードバックし、次のデータの摂動化を行う第4のステップ(例えば、図2のステップS104に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0027】
この発明によれば、利用者が送信するデータを入力し、ランダムにノイズを生成する。そして、ノイズをデータに付与し、ノイズ付きデータとして送信して、ノイズ情報をフィードバックし、次のデータの摂動化を行う。したがって、数値等定量的なデータをノイズとして加えることができる場合に、時間軸における情報のずれを許容することで、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0028】
(11)本発明は、データにノイズを付加する摂動化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、利用者が送信するデータを摂動化装置に入力する第1のステップ(例えば、図4のステップS201に相当)と、送信するデータを一旦バッファに蓄積する第2のステップ(例えば、図4のステップS202に相当)と、バッファに十分な数のデータが格納されているときに、その中から1つをランダムに選択し、送信する第3のステップ(例えば、図4のステップS203に相当)と、バッファに十分な個数が無いときに、ダミーデータを生成し送信する第4のステップ(例えば、図4のステップS204に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0029】
この発明によれば、利用者が送信するデータを摂動化装置に入力し、送信するデータを一旦バッファに蓄積する。そして、バッファに十分な数のデータが格納されているときに、その中から1つをランダムに選択し、送信し、バッファに十分な個数が無いときに、ダミーデータを生成し送信する。したがって、送信するデータに対して、定量的なノイズを付加できない場合であっても、時間軸における情報のずれを許容することで、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0030】
(12)本発明は、データにノイズを付加する摂動化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、利用者が送信するデータを摂動化装置に入力する第1のステップ(例えば、図6のステップS301に相当)と、外部サーバ等からデータを取得する第2のステップ(例えば、図6のステップS302に相当)と、取得したデータを考慮してノイズ付きデータを生成する第3のステップ(例えば、図6のステップS303に相当)と、該生成したノイズ付きデータを送信する第4のステップ(例えば、図6のステップS304に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0031】
この発明によれば、利用者が送信するデータを摂動化装置に入力し、外部サーバ等からデータを取得する。そして、取得したデータを考慮してノイズ付きデータを生成し、生成したノイズ付きデータを送信する。したがって、外部データを用いることにより、効率的なノイズを付加できるため、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、時間軸における情報のずれを許容することにより、プライバシを保護しつつ、統計的なデータのずれを抑制したデータを取得できるという効果がある。このため、例えば、プライバシを保ったまま、実社会におけるサービスの利用履歴を提供することでマーケティング情報を収集するといったサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る摂動化装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る摂動化装置の処理を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る摂動化装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る摂動化装置の処理を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る摂動化装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る摂動化装置の処理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0035】
<第1の実施形態>
図1および図2を用いて、本発明の第1の実施形態に係る摂動化装置について説明する。本実施形態に係る摂動化装置は、数値等定量的なデータをノイズとして加えることができる場合の摂動化装置に関するものである。
【0036】
<摂動化装置の構成>
本実施形態に係る摂動化装置は、図1に示すように、入力部110と、摂動化部120と、送信部130と、抽出部140と、フィードバック部150とから構成されている。
【0037】
入力部110は、送信データを入力する。摂動化部120は、送信データにノイズを付加する。送信部130は、ノイズが付加されたデータを送信する。抽出部140は、ノイズ付きのデータからノイズ情報を抽出する。フィードバック部150は、次のデータの摂動化のために、抽出したノイズ情報を摂動化部120にフィードバックする。
【0038】
ここで、2つの閾値をT1、T2、ノイズ情報の和をS、次に付与するノイズをnとしたときに、T1<S+n<T2を満たす。したがって、上記のような条件を与えることにより、統計量のノイズを常に一定以下に抑えることができる。
【0039】
<摂動化装置の処理>
図2を用いて、本実施形態に係る摂動化装置の処理について説明する。
【0040】
まず、利用者が送信するデータを入力し(ステップS101)、ランダムにノイズを生成する(ステップS102)。そして、ノイズをデータに付与し、ノイズ付きデータとして送信して(ステップS103)、ノイズ情報をフィードバックし、次のデータの摂動化を行う(ステップS104)。
【0041】
以上、説明したように、本実施形態によれば、数値等定量的なデータをノイズとして加えることができる場合に、時間軸における情報のずれを許容することで、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0042】
<第2の実施形態>
図3および図4を用いて、本発明の第2の実施形態に係る摂動化装置について説明する。本実施形態に係る摂動化装置は、送信するデータに対して、定量的なノイズを付加できない場合の摂動化装置に関するものである。
【0043】
<摂動化装置の構成>
本実施形態に係る摂動化装置は、図3に示すように、入力部210と、格納部220と、送信部230と、選択部240とから構成されている。
【0044】
入力部110は、送信データを入力する。格納部220は、入力した送信データを格納する。選択部240は、格納された送信データの中から1つのデータをランダムに選択する。送信部230は、選択されたデータを送信データとして送信する。
【0045】
さらに、図示しないダミーデータ生成部と処理部とを備え、ダミーデータ生成部は、格納部220に予め定めた個数の送信データがないときに、ダミーデータを生成する。処理部は、生成されたダミーデータをフィードバック関数を介して処理して格納部220に格納する。したがって、格納部220に十分なデータがない場合であっても、ダミーデータを用いることによりプライバシの保護を実行することができる。
【0046】
<摂動化装置の処理>
図4を用いて、本実施形態に係る摂動化装置の処理について説明する。
【0047】
まず、利用者が送信するデータを入力し(ステップS201)、送信するデータを一旦バッファに蓄積する(ステップS202)。そして、バッファに十分な数のデータが格納されているときに、その中から1つをランダムに選択して送信し(ステップS203)、バッファに十分な個数が無いときに、ダミーデータを生成し送信する(ステップS204)。
【0048】
以上、説明したように、本実施形態によれば、送信するデータに対して、定量的なノイズを付加できない場合であっても、時間軸における情報のずれを許容することで、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0049】
<第3の実施形態>
図5および図6を用いて、本発明の第3の実施形態に係る摂動化装置について説明する。本実施形態に係る摂動化装置は、送信するデータに対して、外部データを考慮してノイズを付加する場合の摂動化装置に関するものである。
【0050】
<摂動化装置の構成>
本実施形態に係る摂動化装置は、図5に示すように、送信データ入力部310と、外部データ入力部320と、摂動化部330と、送信部340とから構成されている。
【0051】
送信データ入力部310は、送信データを入力する。外部データ入力部320は、外部データを入力する。摂動化部330は、外部データを考慮してノイズ付きデータを生成する。送信部340は、ノイズ付きデータを送信する。
【0052】
ここで、外部データは、例えば、他のユーザからのデータである。したがって、他のユーザからのデータを考慮することにより、効率的なノイズを付加することができる。
【0053】
<摂動化装置の処理>
図6を用いて、本実施形態に係る摂動化装置の処理について説明する。
【0054】
まず、利用者が送信するデータを入力し(ステップS301)、外部サーバ等からデータを取得する(ステップS302)。そして、取得したデータを考慮してノイズ付きデータを生成し(ステップS303)、生成したノイズ付きデータを送信する(ステップS304)。
【0055】
以上、説明したように、本実施形態によれば、外部データを用いることにより、効率的なノイズを付加できるため、統計的なデータのずれを抑制することができる。
【0056】
なお、摂動化装置の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを摂動化装置に読み込ませ、実行することによって本発明の摂動化装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0057】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されても良い。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0058】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0059】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0060】
110;入力部
120;摂動化部
130;送信部
140;抽出部
150;フィードバック部
210;入力部
220;格納部
230;送信部
240;選択部
310;送信データ入力部
320;外部データ入力部
330;摂動化部
340;送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信データを入力する入力手段と、
送信データにノイズを付加する摂動化手段と、
該ノイズが付加されたデータを送信する送信手段と、
ノイズ付きのデータからノイズ情報を抽出する抽出手段と、
次のデータの摂動化のために、該抽出したノイズ情報を前記摂動化手段にフィードバックするフィードバック手段と、
を備えたことを特徴とする摂動化装置。
【請求項2】
2つの閾値をT1、T2、ノイズ情報の和をS、次に付与するノイズをnとしたときに、T1<S+n<T2を満たすことを特徴とする請求項1に記載の摂動化装置。
【請求項3】
送信データを入力する入力手段と、
入力した送信データを格納する格納手段と、
該格納された送信データの中から1つのデータをランダムに選択する選択手段と、
該選択されたデータを送信データとして送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする摂動化装置。
【請求項4】
前記格納手段に予め定めた個数の送信データがないときに、ダミーデータを生成するダミーデータ生成手段と、
該生成されたダミーデータを処理して前記格納手段に格納する処理手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の摂動化装置。
【請求項5】
送信データを入力する送信データ入力手段と、
外部データを入力する外部データ入力手段と、
該外部データを考慮してノイズ付きデータを生成する摂動化手段と、
該ノイズ付きデータを送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする摂動化装置。
【請求項6】
前記外部データが他のユーザからのデータであることを特徴とする請求項5に記載の摂動化装置。
【請求項7】
利用者が送信するデータを入力する第1のステップと、
ランダムにノイズを生成する第2のステップと、
ノイズをデータに付与し、ノイズ付きデータとして送信する第3のステップと、
ノイズ情報をフィードバックし、次のデータの摂動化を行う第4のステップと、
を備えたことを特徴とする摂動化方法。
【請求項8】
利用者が送信するデータを摂動化装置に入力する第1のステップと、
送信するデータを一旦バッファに蓄積する第2のステップと、
バッファに十分な数のデータが格納されているときに、その中から1つをランダムに選択し、送信する第3のステップと、
バッファに十分な個数が無いときに、ダミーデータを生成し送信する第4のステップと、
を備えたことを特徴とする摂動化方法。
【請求項9】
利用者が送信するデータを摂動化装置に入力する第1のステップと、
外部サーバ等からデータを取得する第2のステップと、
取得したデータを考慮してノイズ付きデータを生成する第3のステップと、
該生成したノイズ付きデータを送信する第4のステップと、
を備えたことを特徴とする摂動化方法。
【請求項10】
データにノイズを付加する摂動化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
利用者が送信するデータを入力する第1のステップと、
ランダムにノイズを生成する第2のステップと、
ノイズをデータに付与し、ノイズ付きデータとして送信する第3のステップと、
ノイズ情報をフィードバックし、次のデータの摂動化を行う第4のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
データにノイズを付加する摂動化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
利用者が送信するデータを摂動化装置に入力する第1のステップと、
送信するデータを一旦バッファに蓄積する第2のステップと、
バッファに十分な数のデータが格納されているときに、その中から1つをランダムに選択し、送信する第3のステップと、
バッファに十分な個数が無いときに、ダミーデータを生成し送信する第4のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
データにノイズを付加する摂動化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
利用者が送信するデータを摂動化装置に入力する第1のステップと、
外部サーバ等からデータを取得する第2のステップと、
取得したデータを考慮してノイズ付きデータを生成する第3のステップと、
該生成したノイズ付きデータを送信する第4のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−54859(P2012−54859A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197535(P2010−197535)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】