説明

撥ね上げ式眼鏡及び撥ね上げ式眼鏡における前掛け眼鏡の回動角度規制方法

【課題】前掛け眼鏡を眼鏡体に簡易且つ安定的に取り付けることができ、前掛け眼鏡の撥ね上げを安定的に行なうことができ、然も、前掛け眼鏡の下方向への回動角度の規制を簡易且つ正確に達成し得る撥ね上げ式眼鏡を提供する。
【解決手段】前掛け眼鏡6を眼鏡体5に、ホルダー部材7を介して、着脱可能且つ撥ね上げ可能に取り付ける。ホルダー部材7は、前掛け眼鏡6の第2の連結部35に取り付けられ、ホルダー部材7の有する保持溝部に、眼鏡体5の第1の連結部3を嵌め入れる。この嵌め入れた状態は、磁気吸着で安定的に保持され、ホルダー部材7は第1の連結部3と分離可能である。前掛け眼鏡6は撥ね上げ可能であり、該前掛け眼鏡6の下方向への回動角度は角度規制突部95で規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体となる眼鏡体に対して前掛け眼鏡を磁気吸着状態で着脱可能に取り付けることができると共に、該眼鏡体に取り付けた該前掛け眼鏡を撥ね上げ可能としてなる撥ね上げ式眼鏡に関するものである。又本発明は、撥ね上げ式眼鏡における前掛け眼鏡の回動角度規制方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
眼鏡使用者の必要に応じ、遮光眼鏡や偏光眼鏡等を掛けた状態を得る目的で、各種タイプの撥ね上げ式眼鏡が実用に供されている。これらの内、前掛け眼鏡を眼鏡に対して着脱可能に取り付けることができると共に、該眼鏡に取り付けた該前掛け眼鏡を撥ね上げ可能としてなる撥ね上げ式眼鏡の一例として、特開2011−75862号が開示するものが提案されている。この中には、図24〜26に示す撥ね上げ式眼鏡や図27に示す撥ね上げ式眼鏡が記載されている。
【0003】
図24〜26に示す撥ね上げ式眼鏡aは、左右の目に対応する左右の枠部(左右のレンズ部b1,b1として構成されている)b,b相互を第1の連結部cで連結してなる眼鏡d1としての眼鏡体dの該第1の連結部cに対して前掛け眼鏡eを、ホルダー部材fを介して、磁気吸着状態で着脱可能に取り付けることができると共に、該眼鏡d1に取り付けた該前掛け眼鏡eを撥ね上げ可能とした構成を有している。該前掛け眼鏡eは、前記左右のレンズ部b1,b1をその前側で覆い得る左右の補助レンズ部g,g相互を第2の連結部hで連結してなり、例えば、前記補助レンズ部g,gが遮光レンズである遮光眼鏡として構成されている。
【0004】
前記ホルダー部材fは、図24〜26に示すように、基部jの後面部kの上下に上下の挾持片m,nが上下対向状態で後方向に突設されており、該上下の挾持片m,n間に、前記第1の連結部cを略密接状態に嵌め入れるための保持溝部pが設けられている。そして前記前掛け眼鏡eの前記第2の連結部hの左右両側で突設された軸受突部q1,q1間の嵌入凹部r1に、前記ホルダー部材fの上端部分に設けられている嵌入突部s1を嵌め入れ、該軸受突部q1,q1と該嵌入突部s1とを枢軸t1で枢着している。これによって、図26に示すように、前記左右の補助レンズ部g,gが前記左右のレンズ部b1,b1をその前側で覆った状態と、該左右の補助レンズ部g,gが撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能となるように、前記第2の連結部hが前記基部jの上部分に取り付けられている。
【0005】
そして、前記第1の連結部cの下面部分に埋設された第1の磁石qと、前記下の挾持片nの上面に固定された第2の磁石rとの磁気吸着によって、前記ホルダー部材fが前記第1の連結部cに磁気吸着状態で着脱可能となされている。
【0006】
かかる構成を有する撥ね上げ式眼鏡aによるときは、前記第1の磁石qと前記第2の磁石rとの磁気吸着状態を、前記第1の連結部cを上下の挾持片m,nで挾んで安定的に保持できることから、前記前掛け眼鏡eが前記眼鏡体dから不用意に脱落する恐れがない。
【0007】
そして、前記前掛け眼鏡eを図26に一点鎖線で示すように撥ね上げた状態においては、眼鏡d1のレンズ部b1,b1を通して見ることができる。又、前記前掛け眼鏡eを下方向に回動させて前記左右の補助レンズ部g,gが前記左右のレンズ部b1,b1をその前側で覆った状態とすることにより、該撥ね上げ式眼鏡aを遮光眼鏡として使用できる。
【0008】
又、図27に示す撥ね上げ式眼鏡aは、左右の目に対応する左右の枠部(左右方向に長い縁部b2,b2として構成されており、レンズを具えていない)b,b相互を第1の連結部cで連結してなる枠体d2としての眼鏡体dの該第1の連結部cに対して前記前掛け眼鏡eを撥ね上げ可能に取り付けた構成を有している。そして該前掛け眼鏡eは、遮光眼鏡や偏光眼鏡、或いは近眼鏡や老眼鏡等の視力矯正眼鏡等として構成される。かかる構成の撥ね上げ式眼鏡aによるときは、前記前掛け眼鏡eを、図27に示すように下方向に回動させて下ろした状態で使用する際は、これを遮光眼鏡や偏光眼鏡、或いは近眼鏡や老眼鏡等の視力矯正眼鏡等として使用できる。一方、該前掛け眼鏡eを撥ね上げた状態においては、手元を見る際やトンネルを走行中等において裸眼視できる。
【0009】
このように前記構成を有する撥ね上げ式眼鏡aは、所望の前掛け眼鏡eを眼鏡体dに取り付けることによって、同一の眼鏡体を使用しながらデザイン面や機能面で多様な眼鏡を構成できることになる。そして、眼鏡体dに対する前掛け眼鏡eの取り付け状態は、上下の突出片m,nが前記第1の連結部cを上下から挾んだ状態となり且つ磁気吸着による結合作用が加わるため、該前掛け眼鏡eを眼鏡体dに安定状態で取り付けることができ、取り付けられた該前掛け眼鏡eを安定的に撥ね上げることができる利点があった。
【0010】
ところで、前掛け眼鏡eを眼鏡体dに磁気吸着によって取り付ける手段の他の例としては、例えば特許文献2が開示するものや特許文献3が開示するものが提案されている。特許文献2が開示する磁気吸着の取付け手段は、図28に示すように、眼鏡d1のレンズ部b1の外側部に設けられた左右のヨロイs,sの内側に受け座t,tを大きく突出状態に設け、該受け座tに埋め込んだ磁石uの上面vが該受け座tの上面wと面一を呈する如くなす一方、眼鏡d1に着脱自在に取り付けられる前掛け眼鏡eの左右の補助レンズ部g,gには、前記左右の受け座t,tに載置され且つ前記磁石uと互いに吸着し得る磁石xを有する取付け部yを設けた構成を有していた。かかる磁気吸着の取付け手段によるときは、該取付け部yの磁石xを前記受け座tに載置することにより、図28(B)に示すように、両磁石u,xが互いに吸着して前掛け眼鏡eを眼鏡d1に着脱自在に取り付け可能であった。しかしながら、かかる取付け手段によるときは、若しも前記前掛け眼鏡eが撥ね上げ可能に構成されているとした場合は、該前掛け眼鏡eを撥ね上げ操作した際に両磁石u,xの吸着が解除され易く、該前掛け眼鏡eが眼鏡d1から外れてしまう問題があった。
【0011】
又、特許文献3が開示する磁気吸着の取付け手段は、図29に示すように、左右のレンズ部b1,b1相互を第1の連結部cで連結してなる眼鏡d1の第1の連結部cに対して、左右の補助レンズ部g,g相互を第2の連結部hで連結してなる前掛け眼鏡eを、掛着手段zと磁気吸着手段c1を併用して着脱可能としてなるものであった。該掛着手段zは、図29〜30に示すように、前記第2の連結部hの上下に上側突出片f1と下側突出部g1を具えており、該上側突出片f1の先端には、下方に屈曲する上側引っ掛け部h1が設けられている。
【0012】
そして図30(A)に示すように、該上側引っ掛け部h1を、眼鏡d1の前記第1の連結部cの後部の上側部分に凹設されている係合凹部j1に嵌め入れた状態として後、前記前掛け眼鏡eを、図30(A)に矢印で示すように下方向に回動させて、図30(B)に示すように、前記下側突出部g1を前記第1の連結部cの下面k1に当接させるものであり、これによって、前記第2の連結部hに設けられている磁石m1と前記第1の連結部cの磁性部n1とを磁気吸着状態とし、前記前掛け眼鏡eを眼鏡d1に磁気吸着状態で着脱可能としていた。かかる取付け手段によるときは、該磁気吸着状態を、前記上側引っ掛け部h1と前記下側突出部g1とで前記第1の連結部cを挾んで安定的に保持できることから、前記前掛け眼鏡eが前記眼鏡d1から不用意に脱落する恐れがない利点があった。
【0013】
しかしながら、かかる取付け手段は、前記上側引っ掛け部h1を前記係合凹部j1に係合させた後に前記前掛け眼鏡eを下方向に回動させるという面倒な操作を行なわなければならないために操作性が悪い問題があった。前掛け眼鏡eの着脱は何回も繰り返されるものであることから、該前掛け眼鏡の取付け手段は、簡易で然も繰り返しに耐えられる構造のものでなければならないところ、特許文献3に記載の取付け手段は、かかる要求に応じられない問題があったのである。又、前掛け眼鏡eの着脱が繰り返されるうちに、眼鏡の第1の連結部cの表面に施されている塗装やメッキ等が擦られて損傷され、眼鏡の美観を損なう問題があった。
【0014】
これに対して、特許文献1記載の撥ね上げ式眼鏡aは、前記したように、取り付けられた前掛け眼鏡eを安定的に撥ね上げることができる利点を有していたのであった。しかしながら、かかる構成を有する撥ね上げ式眼鏡aにあっても次の点において改善の余地があった。即ち、図24〜26に係る撥ね上げ式眼鏡aにおいて前掛け眼鏡eを下ろした状態とする際は、図26に示すように、前記補助レンズ部g,gが前記レンズ部b1のリムp1に当たることによって該前掛け眼鏡eの下方向への回動が停止する。そのため、該前掛け眼鏡eの回動操作が繰り返される毎に補助レンズ部g,gがリムp1に当たることになる結果、該リムに施されているメッキや塗装等を損傷する問題があった。
【0015】
又、図27に示す撥ね上げ式眼鏡aにあっては、その前掛け眼鏡eを下ろす際の回動角度を規制する手段がなかったために、撥ね上げ式眼鏡aを該前掛け眼鏡eを下ろした状態で使用する際、これを偏光眼鏡や遮光眼鏡として使用する場合は特に問題がないとしても、近眼鏡や老眼鏡等の視力矯正眼鏡として使用する場合は、前掛け眼鏡eの下方向への回動角度を正確に設定できなければ正しい視力矯正が図られないことになる。従来の撥ね上げ式眼鏡にあっては、前掛け眼鏡eの下方向への回動角度を正確に決められない問題があった。
【0016】
更には、前記従来の撥ね上げ式眼鏡aによる場合は、前掛け眼鏡eを撥ね上げる際に該前掛け眼鏡eに対する指の当て具合等によっては上下の挾持片m,nによる挾持状態が不安定化してアンバランスな撥ね上げ状態となる場合が生じ、その場合は、前掛け眼鏡eが眼鏡体dに対して位置がずれたり或いは脱落する事態が発生する恐れもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2010−75862号公報
【特許文献2】特開平9−101489号公報
【特許文献3】実用新案登録第3104932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、前記従来の問題に鑑みて開発されたものであり、前掛け眼鏡を眼鏡体に対して、簡易な磁気吸着手段と簡易な挾持手段によって安定的に取り付けることができて、前掛け眼鏡の撥ね上げ操作や下方向への回動操作を安定状態で行なうことができるのは元より、前掛け眼鏡を下方向に回動して下ろした状態とする際における該前掛け眼鏡の回動角度の規制を簡易且つ正確に行なうことができ、これによって、眼鏡体の損傷を防止できると共に視力矯正眼鏡として正しく機能し得る撥ね上げ式眼鏡の提供を課題とするものである。又、前掛け眼鏡を撥ね上げる際の安定性を一層向上させ得る撥ね上げ式眼鏡の提供を課題とするものである。又本発明は、補助レンズ部の下方向への回動角度を所要に正確に規制できる撥ね上げ式眼鏡における前掛け眼鏡の回動角度規制方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る撥ね上げ式眼鏡は、左右の目に対応する左右の枠部相互を第1の連結部で連結してなる眼鏡体の該第1の連結部に対して前掛け眼鏡を、ホルダー部材を介して、磁気吸着状態で着脱可能に取り付け得る撥ね上げ式眼鏡であって、該前掛け眼鏡は、前記左右の枠部の前側に配設される左右の補助レンズ部相互を第2の連結部で連結してなり、該第2の連結部は、前記第1の連結部を保持する前記ホルダー部材に、上下方向で回動可能に取り付けられ、該前掛け眼鏡は、該左右の補助レンズ部が前記左右の枠部の前側に存する状態と、該左右の補助レンズ部が撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能となされている。又、前記ホルダー部材の基部の後面部の上下には上下の挾持片が上下対向状態で後方向に突設され、該上下の挾持片間に、前記第1の連結部を略密接状態に嵌め入れるための保持溝部が設けられており、該上下の挾持片は、該保持溝部に嵌め入れられた該第1の連結部を挾持状態に保持でき、該保持溝部に該第1の連結部が嵌め入れられた状態で、該第1の連結部の所要部位に設けられている第1の磁性部と、該保持溝部の内面部の所要部位に設けられている第2の磁性部との磁気吸着によって、前記前掛け眼鏡が眼鏡体に着脱可能に取り付けられる如くなされている。又、前記ホルダー部材には角度規制突部が設けられ、該角度規制突部の規制先端部が前記第2の連結部の後面部に当接することにより、前記前掛け眼鏡の下方向への回動角度が所要角度に規制されることを特徴とするものである。
【0020】
前記撥ね上げ式眼鏡において、前記角度規制突部は、その先端側の部分を削り代部とし、該削り代部を適宜削り取ることによって形成した規制先端部が前記第2の連結部の後面部に当接することにより、前記前掛け眼鏡の下方向への回動角度を所要角度に規制できるように構成するのがよい。
【0021】
前記角度規制突部は、前記基部に、前方に突出する如く設けるのがよい。より好ましくは、前記基部の前面部に、前方に突出する如く設けるのがよい。
【0022】
前記の各撥ね上げ式眼鏡において、前記第1の連結部の下面の、左右方向の少なくとも中央部分を含む部分に、下端でのみ開放する一つの固定凹部を設けると共に、該固定凹部に第1の磁石の1個を収容状態で固定し、該第1の磁石の下面が形成する第1の磁性面は、前記第1の連結部の下面と面一の水平面を呈しており、前記下の挾持片には、上面が水平面を呈した第2の磁性面を形成する第2の磁石を設けるのがよい。
【0023】
前記の各撥ね上げ式眼鏡において、前記第1の連結部の下面側及び/又は上面側に、前記下の挾持片又は前記上の挾持片を、前側から後側に向けてスライドにより密接状態で嵌入させ得るスライド係合溝を設けるのがよい。
【0024】
本発明に係る撥ね上げ式眼鏡における前掛け眼鏡の回動角度規制方法は、角度規制突部を具える前記撥ね上げ式眼鏡において、前記削り代部を所要量削り取ることによって前記補助レンズ部の下方向への回動角度を所要角度に規制することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1) 本発明に係る撥ね上げ式眼鏡は、眼鏡体に対して前掛け眼鏡をホルダー部材を介して取り付けることとし、該ホルダー部材の上下の挾持片によって第1の連結部を挾持できると共に、該ホルダー部材と該第1の連結部とを磁気吸着状態で取り付けるという簡易な構成を採用している。かかることから、同一の眼鏡体を使用して前掛け眼鏡を取り替えることが容易であり、これによって、バラエティに富んだ個性的な眼鏡を経済的に構成できることとなる。
【0026】
(2) 又、前掛け眼鏡を眼鏡体に取り付けるに際しては、前記ホルダー部材の上下の挾持片によって第1の連結部を上下から挾持できると共に、該上下の挾持片間に設けられた保持溝部に前記第1の連結部を嵌め入れさえすれば、該第1の連結部の所要部位に設けられている第1の磁性部と、該保持溝部の内面部に設けられている第2の磁性部とを磁気吸着状態となし得るため、眼鏡体への前掛け眼鏡の取り付けをワンタッチ操作で簡易に行なうことができる。そしてこれによって、前掛け眼鏡を眼鏡体に安定的に取り付けることができる。前掛け眼鏡を眼鏡体に、単なる磁気吸着手段だけで取り付ける場合は、図28に示す従来の磁気吸着の取付け手段による取り付け状態と同様に、前掛け眼鏡の撥ね上げが不安定化するのであるが、本発明においては、上下の挾持片で第1の連結部を挾持するため、該挾持作用と該磁気吸着作用の相乗作用によって安定的な取り付け状態を確保できるのである。
このようなことから、前掛け眼鏡を安定的に撥ね上げることができ、又、撥ね上げた前掛け眼鏡を安定的に下ろすことができる。
【0027】
(3)又本発明においては、前記ホルダー部材に、前記前掛け眼鏡の下方向への回動角度を規制する角度規制突部が設けられているため、該角度規制突部の規制先端部が前記第2の連結部の後面部に当接することによって、下方向に回動する前掛け眼鏡を該前掛け眼鏡が眼鏡体のリム等に当たる手前で止めることができる。これによって、下方向に回動された前掛け眼鏡が、従来のように眼鏡のリムやレンズに当って停止するという現象を防止できる。従って、回動する前掛け眼鏡が眼鏡のリムに施されている塗装やメッキ等を損傷するのを確実に防止でき眼鏡の美観が損なわれるのを防止できることになる。
【0028】
特に、該角度規制突部の先端側の部分が削り代部とされるときは、該削り代部を適宜削り取るという簡易な手段によって該角度規制突部の突出量を所要に設定できることになり、眼鏡着用者の顔に合わせて、前掛け眼鏡の下方向への回動角度を所望に正確に規制できることとなる。
【0029】
(4) 特に、前記第1の連結部の下面側及び/又は上面側に、前記下の挾持片又は上の挾持片を、前側又は後側から奥側に向けてスライドにより略密接状態に嵌入させ得るスライド係合溝を設ける構成を採用する場合は、上下の挾持片による挾持によって上下方向の位置が固定されると共に該スライド係合溝への上下の挾持片の嵌入によって左右方向の位置固定も行なわれる。かかることから、前掛け眼鏡を稍無理な状態で撥ね上げたときにも、該前掛け眼鏡が眼鏡体に対して左右方向で位置ずれしたり垂直面内で回転等するのを防止でき、前掛け眼鏡が眼鏡体から脱落してしまう等の事態を防止できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る撥ね上げ式眼鏡を、眼鏡体に前掛け眼鏡を取り付けた状態で示す斜視図である。
【図2】撥ね上げ式眼鏡を構成する眼鏡体と前掛け眼鏡とホルダー部材を示す斜視図である。
【図3】ホルダー部材と、付勢回動装置を示す分解斜視図である。
【図4】付勢回動装置を示す断面図である。
【図5】撥ね上げ式眼鏡において、前掛け眼鏡を下ろした状態の側面図である。
【図6】撥ね上げ式眼鏡において、前掛け眼鏡を撥ね上げた状態の側面図である。
【図7】ホルダー部材とその収容凹部に嵌め入れられる第1の連結部とを示す斜視図と、第1の連結部に設けられた固定凹部と該固定凹部に嵌め入れられる第1の磁石とを示す斜視図と、該第1の磁石を該固定凹部に固定した状態を示す断面図である。
【図8】付勢回動装置を構成する軸体の頭部端の中央部分に押圧支持ネジのネジ軸部の先端が当接した状態を示す説明図である。
【図9】その頭部端の中央部分を稍外れた部位に押圧支持ネジのネジ軸部の先端が当接した状態を示す説明図である。
【図10】第2の連結部に取り付けられたホルダー部材を第1の連結部に取り付ける工程を説明する斜視図である。
【図11】その工程を示す断面図と、ホルダー部材を第1の連結部に取り付けた状態を示す断面図である。
【図12】ホルダー部材に第1の連結部を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図13】眼鏡体がレンズを具えない場合において該眼鏡体に前掛け眼鏡を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図14】その眼鏡体と前掛け眼鏡とホルダー部材を示す斜視図である。
【図15】その撥ね上げ式眼鏡において、前掛け眼鏡を下ろした状態の側面図である。
【図16】その撥ね上げ式眼鏡において、前掛け眼鏡を撥ね上げた状態の側面図である。
【図17】第2の連結部に取り付けられたホルダー部材に第1の連結部を取り付けた状態を、第2の連結部の回動作用と共に示す断面図である。
【図18】第1の磁石と第2の磁石の夫々に保護テープを貼着した場合を示す断面図である。
【図19】保護テープが貼着された第1の磁石と第2の磁石との磁気吸着状態を、第2の連結部の回動作用と共に示す断面図である。
【図20】第2の連結部側に角度規制突部を設けた場合を、第2の連結部の回動作用と共に示す断面図である。
【図21】第1の連結部の上面側にスライド係合溝を設けた場合を示す斜視図である。
【図22】スライド係合溝のその他の態様を、該スライド係合溝にホルダー部材の下の挾持片をスライドにより嵌入させた状態で示す断面図である。
【図23】ホルダー部材の他の態様を、その収容凹部に嵌め入れられる第1の連結部と共に示す斜視図である。
【図24】ホルダー部材を介して前掛け眼鏡を眼鏡体に取り付ける従来の撥ね上げ式眼鏡を示す分解斜視図である。
【図25】そのホルダー部材を介して前掛け眼鏡を眼鏡体に取り付けた状態を示す部分斜視図である。
【図26】その撥ね上げ式眼鏡を示す側面図である。
【図27】従来の撥ね上げ式眼鏡の他の態様を示す斜視図である。
【図28】前掛け眼鏡を眼鏡体に磁気吸着によって取り付ける従来の取付け手段の一例を示す斜視図である。
【図29】前掛け眼鏡を眼鏡体に、磁気吸着手段と係合手段とによって取り付ける従来の取付け手段を示す斜視図である。
【図30】その磁気吸着の取付け手段において、前掛け眼鏡を眼鏡体に取り付ける工程を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0031】
図1〜4において本発明に係る撥ね上げ式眼鏡1は、左右の目に対応する左右の枠部2,2相互を第1の連結部3で連結してなる眼鏡体5の該第1の連結部3に対して前掛け眼鏡6を、ホルダー部材7を介して磁気吸着状態で着脱可能に取り付けることができると共に、該眼鏡体5に取り付けた該前掛け眼鏡6を、該ホルダー部材7に設けた付勢回動装置8を介して、図5に示す状態から図6に示す状態に撥ね上げ可能としたものである。
【0032】
前記眼鏡体5は、本実施例においては図2に示すように、レンズ9をリム10で抱持して構成された左右のレンズ部11a,11aとしての前記左右の枠部11,11相互を前記第1の連結部3で連結してなる眼鏡5aとして構成されている。前記第1の連結部3は例えばチタン合金を以て構成されており、図7(A)に示すように、その水平な下面12の左右方向の少なくとも中央部分13に(本実施例においては、該中央部分13とそれに連なる左右両側部分15,15に)、例えば0.5〜0.7mm程度の深さを有するスライド係合溝16が前後方向で設けられている。該スライド係合溝16は、底面視で、左右の溝縁17,17が平行する長方形状を呈し、本実施例においては、該スライド係合溝16の前端19は前記第1の連結部3の前面20で開放されており、その後端21は、該第1の連結部3の後面22に近接している。
【0033】
そして図7(B)に示すように、前記スライド係合溝16の頂面23の前後方向の中央部分に位置させて且つ前記スライド係合溝16の左右方向の略全長さに亘って、下端24でのみ開放する矩形状の一つの固定凹部25が設けられると共に、該固定凹部25に、第1の磁性部26としての第1の磁石26aの1個が嵌め入れられて、接着により固定されている。該第1の磁石26は例えば図7(B)に示すような、平面視で左右方向に長い直方体状を呈しており、該第1の磁石26の下面27及び上面29は平坦面に形成されている。
【0034】
該固定凹部25の各部の寸法及び第1の磁石26aの各部の寸法を例示すれば、該固定凹部25の短辺長さは約2.0mm、長辺長さは約6.5mm、その深さは約1.4mmに設定されると共に、該第1の磁石26aの短辺長さは1.8mm、長辺長さは約6.3mm、その厚さは約1.4mmに設定されている。
【0035】
前記第1の磁石26aは、図7(A)(B)(C)に示すように、その下面27が水平を呈した状態で前記固定凹部25に収容され、接着剤で該固定凹部25に固定されている。該第1の磁石26aの下面27は水平な第1の磁性面30を形成し、該第1の磁性面30は、前記頂面23と略面一状態を呈している。該第1の磁石26aの製造誤差や該固定凹部25の加工誤差によって、該下面27が0.1mm〜0.2mm程度、該頂面23から突出したり該頂面23に沈んだりすることはある。このように多少突出したり多少沈んだりした状態も、該第1の磁性面30が前記頂面23と面一状態を呈することに該当する。かかることから、該第1の磁石26aは前記頂面23でのみ露出し、前記第1の連結部3の上面31やその前面20には露出しないため、該第1の磁石26aが眼鏡5aの見栄えを損なうことがない。
【0036】
前記前掛け眼鏡6は、遮光眼鏡や偏光眼鏡、視力矯正眼鏡、3D表示眼鏡等として構成される。本実施例においては遮光眼鏡として構成されており、図1〜3に示すように、前記左右のレンズ部11a,11aをその前側から覆い得る左右の補助レンズ部(遮光機能を有するレンズ等)33,33相互を第2の連結部35で連結して構成されている。該第2の連結部35には、左右方向の両側に軸受突部36,37が設けられ、該軸受突部36,37間に嵌入凹部38が形成されている。
【0037】
前記ホルダー部材7は、本実施例においては図3〜4、図7に示すように、炭素繊維を含有した合成樹脂を以て形成されており、その基部32の後面部48の上部に、前記嵌入凹部38に嵌め入れられる嵌入突部39が設けられている。そして該ホルダー部材7の基部32の後面部48の上下には、平面視で例えば長方形状を呈する上下の挾持片40,41が上下対向状態で後方向に突設され、該上下の挾持片40,41間に、前記第1の連結部3を略密接状態で嵌め入れるための前記保持溝部42が形成されている。該上下の挾持片40,41の対向する先端縁部43,44は、該保持溝部42への前記第1の連結部3の嵌め入れを容易化するために円弧面として形成されている。
【0038】
本実施例においては、該下の挾持片41の上面45に、該上面45の前後方向で見た中央部分において、左右方向に連続する状態で、両端が開放した断面矩形の取付け凹部46が設けられており、第2の磁性部47としての、直方体状を呈する第2の磁石47aを、該取付け凹部46に収容し且つ接着固定することにより該第2の磁石47aが前記下の挾持片41に接着固定されている。該第2の磁石47aの上面49と前記下の挾持片41の上面45は水平な面一状態を呈している。該第2の磁石47aの上面49は、該第2の磁石47aの製造誤差や該取付け凹部46の加工誤差によって、0.1mm〜0.2mm程度、前記下の挾持片41の上面45から突出したり、該上面45に沈んだりすることはある。このように多少突出したり多少沈んだりした状態も、該第2の磁石47aの上面49が前記下の挾持片41の上面45と面一状態を呈することに該当する。該第2の磁石47aの上面49は、前記第1の磁性面30と磁気吸着し得る第2の磁性面50を形成している。
【0039】
ここで、前記前掛け眼鏡6を前記眼鏡体(本実施例においては眼鏡5a)5に対して撥ね上げ可能とするための前記付勢回動装置8の構成とその作用を具体的に説明する。前記第2の連結部35は、前記したように、左右方向の両側に軸受突部36,37が設けられ、該軸受突部36,37間に前記嵌入凹部38が設けられている。又、該両軸受突部36,37には、図3〜4に示すように、左右方向の孔心を合致させて、その一方の軸受突部36に円形の軸挿入孔51が設けられると共にその他方の軸受突部37にネジ孔52が設けられている。ここに、「合致させて」とは、合致した状態乃至略合致した状態を意味する。又、前記嵌入突部39は、これが前記嵌入凹部38に嵌め入れられた状態で、前記軸挿入孔51及び前記ネジ孔52と孔心を合致させて円形の収容孔53が貫設された状態となされている。ここに、「合致させて」とは、合致した状態乃至略合致した状態を意味する。該収容孔53は、前記軸挿入孔51側に存する小径挿入孔55に、段差部56を介して大径挿入孔57が連設されている。
【0040】
そして前記収容孔53には、図3〜4に示すように、軸体59が収容されており、該軸体59は、前記軸挿入孔51と前記小径挿入孔55とに密接に挿通されて該収容孔53の軸線に沿って延びる軸部60の、前記ネジ孔52側の端部に頭部61が膨設されている。該軸体59は、コイルバネ62を挿通した状態で、前記収容孔53の大径挿入孔57の開放端63側から小径挿入孔55側に向けて挿入され、前記軸部60の先側部分65が、前記軸挿入孔51と前記小径挿入孔55に密接に挿通されるのである。
【0041】
そして図3〜4に示すように、前記軸体59と軸線を共通にする押圧支持ネジ66のネジ軸部67が前記ネジ孔52に螺合されており、該ネジ軸部67の先端69が、前記頭部61の、前記ネジ孔52に面する頭部端70の中央部分71を前記小径挿入孔55に向けて押圧することにより、前記コイルバネ62を前記頭部61と前記段差部56との間で所要の圧縮状態とする如く構成されている。ここに、「頭部端70の中央部分」とは、頭部端70の中央乃至その近傍部分を意味する。本実施例においては、該頭部端70の中央部分71は、該頭部端70に設けた円形凹部72の底面73の中央部分75として形成されており、該円形凹部72に前記ネジ軸部67の先端部分76が嵌め入れられると共に該ネジ軸部67の先端69が前記底面73の中央部分75に点線接触乃至それに近い状態となされている。
【0042】
前記付勢回動装置8は、前記第2の連結部35の軸受突部36,37と、前記ホルダー部材7の嵌入突部39と、前記軸体59と、前記コイルバネ62と、前記押圧支持ネジ66とを含んで構成されている。
【0043】
然して、かかる構成を有する撥ね上げ式眼鏡1にあっては、図4に示すように、前記押圧支持ネジ66の螺合によって前記コイルバネ62が所要の圧縮状態とされているため、該コイルバネ62の付勢力によって、前記嵌入突部39の、前記軸受突部36側の端面79(図3〜4)と、該軸受突部36の、該嵌入突部39側の端面80(図3〜4)とが互いに弾性圧接状態とされている。
【0044】
そして図4に示すように、該コイルバネ62の両端部81,82の夫々が、前記段差部56及び前記頭部61に圧接状態にある。又、前記軸受突部36の軸挿入孔51に、前記軸体59の前記嵌入突部39から突出した突出軸部83が挿入されると共に、他方の軸受突部37に設けられている前記ネジ孔52に螺合されている前記押圧支持ネジ66のネジ軸部67の先端部分76が前記頭部61の前記円形凹部72に嵌め入れられ、該ネジ軸部67の先端69が該円形凹部72の底面73の中央部分75に点接触乃至それに近い状態とされている。
【0045】
然して、前記前掛け眼鏡6を撥ね上げる際や、撥ね上げられた前掛け眼鏡6を下ろす際における前掛け眼鏡6の回動動作は、前記軸体59及び前記押圧支持ネジ66の軸線回りに無理なく行なわれることになる。又前記押圧支持ネジ66は、そのネジ軸部67が前記ネジ孔52に螺合状態にあり且つこの状態で該ネジ軸部67が、前記コイルバネ62の付勢力によりねじ込み方向と逆方向に押圧されるので、ネジ孔52のネジ面とネジ軸部67のネジ面とが圧接状態となることに伴うネジ面相互の摩擦力の増大によって押圧支持ネジ66が緩みにくい。然も、ネジ軸部67の先端(ネジ軸部67の軸線方向の先端)69が前記円形凹部72の底面73の中央部分(前記軸体59の軸線上に存する)75に点接触乃至それに近い状態となることから、軸体59の軸線と押圧支持ネジ66の軸線は一直線上にあり、この一直線上に、前記ネジ軸部67の先端69が存することになる。
【0046】
かかることから、前記ネジ孔52に螺合されて前記他方の軸受突部37と一体化状態にある押圧支持ネジ66は、前記コイルバネ62を介して前記嵌入突部39と一体化状態とされやすい前記軸体59の軸線回りに回転することにはなっても、緩みにくい。従って、前掛け眼鏡6の回動が長期間に亘って安定的に確保されることになる。
【0047】
本発明は、図8に示すように、前記押圧支持ネジ66のネジ軸部67の先端69を前記頭部端70の中央部分71に押圧状態とするだけでも、前記軸体59と前記押圧支持ネジ66との軸線Lが一直線上にあり且つ該頭部端70に対する該先端69の接触部85の中心部85aがこの軸線上に存し乃至その近傍に存することから、前掛け眼鏡6の回動に伴う押圧支持ネジ66の緩みを防止できる。因みに、例えば図9に示すように、前記頭部端70に対する前記ネジ軸部67の先端69の接触部85の中心部85aが前記軸線Lから外れているとすれば、前記回動に伴い押圧支持ネジ66が緩みやすい。但しこのような態様も、ネジ軸部67の先端69が頭部端70の中央部分(中央乃至その近傍部分)を前記小径挿入孔55に向けて押圧する構成に該当する。
【0048】
更に図4に示すように、前記頭部端70の中央部分に円形凹部72を設け、該円形凹部72に前記ネジ軸部67の先端部分76を嵌め入れる構成とする場合は、該ネジ軸部67の先端部分76が該円形凹部72に拘束されるため、ネジ軸部67の先端69が該円形凹部72の頭部端70の中央部分から位置ずれするのを確実に防止できる。又、該ネジ軸部67の先側部分67aの周囲で前記収容孔53が例えば図4に示すように拡大しているときも、該拡大孔の孔心と該ネジ軸部67の軸線とが同心状態に保持される。かかることから、前掛け眼鏡6の回動の際に、前記嵌入突部39の該ネジ軸側の部分39aが、前記嵌入凹部38内でぶれる恐れがない。従って、前掛け眼鏡6の回動による押圧支持ネジ66の緩みを、より確実に防止できることになる。
【0049】
特に前記のように、ネジ軸部67の先端69を前記円形凹部72の底面73の中央部分71に点接触乃至それに近い状態とするときは、前掛け眼鏡6の回動に伴う押圧支持ネジ66の緩みを一層効果的に防止できることになる。
【0050】
かかる付勢回動装置8を具える撥ね上げ式眼鏡1によるときは、前掛け眼鏡6をスムーズに撥ね上げることができると共に、スムーズに下方向に回動させて、前記左右の補助レンズ部33,33が前記左右のレンズ部11a,11aをその前側で覆った状態となすことができる。そして、その撥ね上げ角度を無段階の任意の角度に設定でき、所要の撥ね上げ状態は、前記コイルバネ62の付勢力によって前記端面79(図1、図3〜4)と前記端面80(図3〜4)とが互いに弾性圧接状態となることに伴う摩擦力により保持される。
【0051】
かかることから、遮光機能や、偏光機能、視力矯正機能等を有する補助レンズ部33,33を以て前記前掛け眼鏡6を構成することにより、使用者の必要に応じた撥ね上げ式眼鏡1を構成できることになる。前掛け眼鏡6を前記下ろされた状態で使用するときは、撥ね上げ式眼鏡1を、遮光眼鏡や偏光眼鏡、或いは、近眼鏡や老眼鏡等の視力矯正眼鏡等として使用することができる一方、該前掛け眼鏡6を撥ね上げた状態においては、眼鏡5aのレンズ11a,11aを通して見ることができる。該前掛け眼鏡6は、撥ね上げられた前掛け眼鏡が視野に殆ど入らない状態となるように、例えば100〜120度程度の大きな角度に撥ね上げることができるが、例えば、顔を下に向けた姿勢で小さな文字を読む等の際においては、多少の撥ね上げ状態とされることもある。このように、使用者の必要に応じて前掛け眼鏡6の撥ね上げ角度を自由に設定できるのである。
【0052】
かかる付勢回動装置8を用いて構成された前記撥ね上げ式眼鏡1によるときは、図5にF1で示すように、一定の付勢力が作用した状態で、前掛け眼鏡6をスムーズに撥ね上げることができる。又、図6にF2で示すように、前記左右の補助レンズ部33,33が前記左右のレンズ部11a,11aの前面32,32をその前側で覆った状態となるように該前掛け眼鏡6をスムーズに下方向に回動させることができる。そして、該付勢回動装置8の前記弾性圧接作用により前掛け眼鏡6の撥ね上げ角度を無段階の任意の角度に設定でき、所要の撥ね上げ状態を保持できる。
【0053】
然して、前記ホルダー部材7を介して前記前掛け眼鏡6を前記眼鏡5aに取り付けるに際しては、図10、図11(A)に矢印F3で示すように、前記下の挾持片41の上端側部分92を前記スライド係合溝16に、その前側から後側(奥側)に向けてスライドにより略密接状態で嵌入させる。このようにして保持溝部42に第1の連結部3を嵌入させることにより、図11(B) 、図12に示すように、上下の挾持片40,41が第1の連結部3を上下から挾んだ安定挾持状態で該第1の連結部3が該ホルダー部材7に保持されることとなる。そして、保持溝部42に第1の連結部3を嵌め入れることによって自ずから、該第1の連結部3の下面12に設けられている前記第1の磁性面30と、前記ホルダー部材7の前記下の挾持片41に設けられている前記第2の磁性面50とが磁気吸着状態となり、第1の連結部3がホルダー部材7に安定状態で着脱可能に取り付けられることになる。加えて、前記のように、スライド係合溝16に前記下の挾持片41が略密接状態に嵌入されていることから、該前掛け眼鏡6が左右方向で移動するのが確実に阻止されることになり、眼鏡体5に対する前掛け眼鏡6の取り付け状態の一層の安定性向上が図られている。
【0054】
従って、眼鏡5aに取り付けられた前掛け眼鏡6が、これを多少無理に撥ね上げたときにも、前掛け眼鏡6が眼鏡5aに対して左右方向F4(図1)で移動したり垂直面内で回転F5する(図1)等して、前掛け眼鏡6の取り付け状態が変わったり或いは前掛け眼鏡6が外れる等の恐れを確実に防止できる。
【0055】
なお、スライド係合溝16が設けられていない場合であっても、前記上下の挾持片40,41が前記第1の連結部3を上下から挾んだ挾持状態が得られ且つ、前記第1、第2の磁石26a,47aの磁気吸着作用が加わるため、前掛け眼鏡6を眼鏡5aに安定状態で取り付けることができる。これによって通常の場合は、該前掛け眼鏡6の撥ね上げ操作や、撥ね上げられた前掛け眼鏡6を下方向に回動させて下ろす操作を安定状態で行なうことができる。
【0056】
前記前掛け眼鏡6の回動は、前記付勢回動装置8を介して行なわれ、該前掛け眼鏡6は、左右の補助レンズ部33,33が、前記左右のレンズ部11a,11aをその前側から覆った状態(左右の補助レンズ部33,33が左右の枠部11,11の前側に配設される場合の一態様)と、該左右の補助レンズ部33,33が撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能である。
【0057】
ところで該前掛け眼鏡6の下方向への回動角度は、特に、補助レンズ部33,33が視力矯正機能を有する場合は、眼鏡着用者の顔に合せて適切に行なわれなければならない。又、前掛け眼鏡6を下方向に回動させた際に、従来のようなリムの塗装やリムのメッキ等の損傷が防止されなければならない。そのために、図2(B)に示すように、前記ホルダー部材7の前記基部32の前面部93に、その左右方向の中央部で且つその下端側に位置させて、前記補助レンズ部33の下方向への回動角度を規制する例えば円柱状の角度規制突部95を突出状態に設けている。該角度規制突部95は、本実施例においては、その先端側の部分が、前記回動角度を所要に規制するための削り代部96とされている。
【0058】
図5、図11(B)、図12に示すように、該削り代部96を適宜削り取ることによって形成した規制端部99を前記第2の連結部35の後面部97に当接させることにより、前記補助レンズ部33の下方向への回動角度を規制できる。ここに「適宜削り取る」とは、眼鏡着用者の眼鏡着用状態によっては削り取り量がゼロである場合を含む。
【0059】
このように補助レンズ部33の下方向への回動角度が規制された状態で該左右の補助レンズ部33,33は図5に示すように、前記眼鏡5aの左右のレンズ部11a,11aを構成するリム10やレンズ9の縁部分と接触することなく、該縁部分から稍離れて下ろされた状態が保持される。そしてこの状態で、該補助レンズ部33は、垂直線に対して内方に7〜10度傾斜した状態で保持される。又、前掛け眼鏡6が下ろされた状態で、前記左右の補助レンズ部33,33が、前記眼鏡5aの左右のレンズ部11a,11aを構成するリム10やレンズ9の縁部分から稍離れた状態となるため、補助レンズ部33を下方向へ回動させる際に該補助レンズ部33が眼鏡5aのリム10等に当ってそのリムに施されている塗装やメッキ等が損傷されるのを確実に防止でき、従来のように眼鏡の美観が損なわれるのを防止できることになる。
【0060】
図2は、前記ホルダー部材7の前記保持溝部42から前記第1の連結部3を取り外すことによって前掛け眼鏡6を眼鏡5aと分離した状態を示すものであり、これによって、眼鏡5aを独立して使用できる。
【実施例2】
【0061】
図13〜17は、本発明に係る撥ね上げ式眼鏡1の他の実施例を示すものであり、眼鏡体5が、レンズを具えない枠体5bである場合の一例を示している。即ち、該撥ね上げ式眼鏡1は、左右の目に対応する左右の枠部(左右方向に長い縁部100,100として構成されており、レンズを具えていない)2,2相互を第1の連結部3で連結してなる枠体5bとしての眼鏡体5に対して前掛け眼鏡6をホルダー部材7を介して、磁気吸着状態で着脱可能となされている。そして、該眼鏡体5に取り付けた該前掛け眼鏡6を、該ホルダー部材7に設けた付勢回動装置8を介して、図15に示す状態から図16に示す状態に撥ね上げ可能となされている。
【0062】
該撥ね上げ式眼鏡1は、左右の枠部2,2がレンズを具えない点において前記実施例1に係る撥ね上げ式眼鏡1と相違するだけであり、前記ホルダー部材7の構成や前記付勢回動装置8の構成は実施例1における場合と同様であるため、該ホルダー部材7の構成や該付勢回動装置8の構成について、その具体的な説明は省略する。
【0063】
前記前掛け眼鏡6は、前記左右の枠部2,2をその前側から覆い得る(左右の枠部2,2の前側に配設される場合の一態様)左右の補助レンズ部33,33相互を第2の連結部35で連結してなる。かかる構成を有する撥ね上げ式眼鏡1によるときは、使用者の必要に応じて選択された所要の前掛け眼鏡6を前記枠体5b(眼鏡体5)に取り付けることができる。
【0064】
そして、図13、図15、図17に実線で示すように、該前掛け眼鏡6を下ろした状態で使用する際は、これを近眼鏡や老眼鏡等の視力矯正眼鏡として、或いは遮光眼鏡や偏光眼鏡等として使用することができる一方、図16に示すように該前掛け眼鏡6を撥ね上げた状態においては、手元を見る際やトンネルを走行中等において裸眼視できる。
【0065】
レンズを具えない枠体5bからなる眼鏡体5を以て構成された該撥ね上げ式眼鏡1は、前掛け眼鏡6を下ろした状態とすることによって初めて眼鏡として使用可能となるのであるが、前記したと同様に、該前掛け眼鏡6の下方向への回動角度を、前記削り代部96を適宜削ることによって前記角度規制突部95で簡易且つ正確に規制できるため、該前掛け眼鏡6を近眼鏡や老眼鏡等の視力矯正眼鏡等として使用する場合も適正な視力矯正眼鏡を構成できることとなる。
【実施例3】
【0066】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0067】
(1) 本発明に係る撥ね上げ式眼鏡1は、前記保持溝部42に前記第1の連結部3が略密接に嵌め入れられた状態で、該第1の連結部3の所要部位に設けられている第1の磁性部26と、該保持溝部42の内面部の所要部位に設けられている第2の磁性部47との磁気吸着によって、前記前掛け眼鏡6が前記眼鏡体5に着脱可能に取り付けられる如くなされておればよい。しかし、前記眼鏡体5が眼鏡として構成される場合は、撥ね上げ式眼鏡1が前掛け眼鏡6を取り外して眼鏡単独で使用されることがあるため、眼鏡の見栄えを損なうことがないように、例えば前記したように、前記第1の磁石26aが前記第1の連結部3の下面12でのみ露出するものとし、該第1の磁石26aが該第1の連結部3の上面31やその前面20では露出しないように構成するのが好ましい。
【0068】
(2) 本発明に係る眼鏡体5が、レンズ部を有さない枠体5bとして構成される場合は、該枠体5bに前記前掛け眼鏡6が取り付けられてこれが下ろされた状態とされることによって初めて、撥ね上げ式眼鏡1が所要の眼鏡として機能できる。この場合は、該枠体5bが単独で使用されることはない。そのため、かかる場合は、前記第1の連結部3に設けられる第1の磁石26aは、該第1の連結部3の下面12で露出するように設けられることの他、その上面31やその前面20で露出するように設けられてもよい。該第1の磁石26aが撥ね上げ式眼鏡の見栄えを損なう恐れがないからである。
【0069】
(3) 図18〜19は、例えば前記第1の磁石26aが前記第1の連結部3の下面に凹設した固定凹部25に嵌め入れられた状態において、該第1の磁石26aの下面101の全体を覆うように保護テープ102が貼着された場合を示している。
【0070】
該保護テープ102の前後の張出し部分103,103が折り曲げられて該第1の磁石26aの前後の側面105,105に貼着されており、このようにして保護テープ102が貼着された第1の磁石26aが、該保護テープ102の下面106が水平を呈した状態で前記固定凹部25に収容され、且つ、該第1の磁石26aの側面と該固定凹部25の内面との間に形成された隙間にエポキシ樹脂等の接着剤が充填されている。該下面101に貼着された保護テープ102の下面が水平な磁性面(第1の磁性面30)を形成している。
【0071】
該保護テープ102によって磁石を防錆できると共に、前記第1の磁石26aの下面101に保護テープ102が貼着されることによって、該第1の磁石26aと前記第2の磁石47aとが磁気吸着する際の衝撃が緩和される。
【0072】
本実施例においては、第1の磁石26aに加えて第2の磁石47aにも、保護テープ107を貼着することとしている。該保護テープ107を、該第2の磁石47aの上面109の全体を覆うように該上面109に貼着するのであるが、その際、該保護テープ107の前後の張出し部分110,110を折り曲げて該第2の磁石47aの前後の側面111,111に貼着し、このようにして保護テープ107が貼着された磁石を、該保護テープ107の上面(被覆部の上面)が水平な第2の磁性面50を呈した状態として前記取付け凹部46に接着固定する。図19は、第1の磁性面30と第2の磁性部50とが磁気吸着した状態を示している。
【0073】
(4) 本発明においては、前記ホルダー部材7に設けた保持溝部42に第1の連結部3が嵌め入れられた状態で、該第1の連結部3の所要部位に設けられている第1の磁性部26と、該保持溝部42に嵌め入れられる第2の連結部35に設けた第2の磁性部47との磁気吸着によって、前記前掛け眼鏡6が眼鏡体5に磁気吸着状態で着脱可能に取り付けられる如く構成されている。この一態様としては、前記のように第1の磁性部26と第2の磁性部47を共に磁石を以て構成することの他、該第1の磁性部26及び該第2の磁性部47の何れか一方のみを磁石とし、他方は鉄等の磁性体とすることもある。
【0074】
(5) 前記角度規制突部95は、その先端(規制先端部。前記削り代部96を適宜削り取ることによって形成した規制先端部も含まれる)が前記第2の連結部35の後面部97に当接することにより、前記補助レンズ部33の下方向への回動角度を規制できる限り、前記した円柱状の他、四角柱状等の各種の突部として構成され得る。又、該角度規制突部95は、前記基部32等の縁部分を屈曲して構成されることもある。そして該角度規制突部95は、前記基部32に設けられることの他、前記前掛け眼鏡6の下方向への回動角度を所要に規制できる限り、前記ホルダー部材7の所要部位に設けられてよい。
【0075】
(6) 前記角度規制突部95は、前記実施例1においては、前記ホルダー部材7を構成する基部32に設けているが、これとは逆に、図20に示すように、前記前掛け眼鏡6を構成する前記第2の連結部35の後部112等に設け、その先端側の部分が、該前掛け眼鏡6の下方向への回動角度を所要に規制するための削り代部96とされたものとして構成してもよい。この場合についてより具体的に説明すれば、前記前掛け眼鏡6の左右の補助レンズ部33,33が前記左右の枠部2,2をその前側から覆った状態で見て、前記角度規制突部95が後方に向けて突設され、該角度規制突部95の先端側の部分が、必要に応じて削り代部96とされている。該削り代部96が設けられる場合は、これを適宜削り取ることによって形成した規制先端部99が前記基部32等に当接することにより、前記補助レンズ部33の下方向への回動角度を所要角度に正確に規制できる。
【0076】
(7) 図7においては、前記第1の連結部3の下面側に、前記下の挾持片41を前側から後側に向けてスライドにより略密接状態で嵌入させ得るスライド係合溝16が設けられているが、該スライド係合溝16は、図21に示すように、前記第1の連結部3の上面側に設けることもある。この場合は、該スライド係合溝16に上の挾持片40がスライドにより略密接状態で嵌入されることになる。
【0077】
又、該第1の連結部3の下面側及び上面側の双方にスライド係合溝16,16を設け、前記上下の挾持片40,41を該上下のスライド係合溝16,16に、前側から後側に向けてスライドにより略密接状態で嵌入させ得るように構成してもよい。
【0078】
該スライド係合溝16は、図7に示すように、該スライド係合溝16の後端が閉じた状態で設けられることの他、図21に示すように、前記第1の連結部3を横切るように設けられることもある。
【0079】
又、該スライド係合溝16を前記第1の連結部3の下面側に設ける場合、図7に示すように、該第1の連結部3の左右方向の中央部分115は上下幅が等幅に形成されることの他、図22に示すように、該第1の連結部3がその両側部分116,116において上下幅が大となるときは、該スライド係合溝16が左右に分かれて設けられることもある。
【0080】
又、前記とは逆に、前記下の挾持片41又は前記上の挾持片40にスライド係合溝16を設け、前記第1の連結部3の下面側や上面側に、該スライド係合溝16に後側から前側(奥側)に向けてスライドにより略密接状態で嵌入させ得る突部を設けることもある。
【0081】
(8) 又図23は、前記実施例における場合とは逆に、前記ホルダー部材7の前記上の挾持片40の基端側の両側に設けられた軸受突部117,119間に形成された嵌入凹部120に、前記第2の連結部35に設けた嵌入突部121を嵌め入れた場合を示しており、その他の構成は前記実施例1における場合と同様である。
【0082】
(9) 前記眼鏡体5を構成する前記第1の連結部3は金属製の他、樹脂製とされることもあり、又ホルダー部材7は、樹脂製の他、金属製とされることもある。
【0083】
(10)前記前掛け眼鏡6を撥ね上げ可能とする構成は、前記した付勢回動装置8を介して枢着することの他、前記前掛け眼鏡6を前記左右の補助レンズ部33,33が前記左右の枠部11,11の前側に存する状態と、該左右の補助レンズ部33,33が撥ね上げられた状態との角度範囲で回動でき、撥ね上げ状態を保持できる限り、各種の回動構成を採用できる。
【0084】
(11)前記眼鏡5aを構成する左右のレンズ部11a,11aや、前掛け眼鏡6を構成する左右の補助レンズ部33,33は、例えば図2に示すような、レンズをリムで抱持してなるものの他、リムを有さないものとして、或いは部分的にリムを有するものとして構成されることもある。
【符号の説明】
【0085】
1 撥ね上げ式眼鏡
2 枠部
3 第1の連結部
5 眼鏡体
6 前掛け眼鏡
7 ホルダー部材
8 付勢回動装置
9 レンズ
10 リム
11 枠部
11a レンズ部
16 スライド係合溝
25 固定凹部
26 第1の磁性部
26a 第1の磁石
30 第1の磁性面
33 補助レンズ部
32 基部
35 第2の連結部
36 軸受突部
37 軸受突部
38 嵌入凹部
39 嵌入突部
40 上の挾持片
41 下の挾持片
42 保持溝部
46 取付け凹部
47 第2の磁性部
47a 第2の磁石
48 後面部
50 第2の磁性面
51 軸挿入孔
52 ネジ孔
59 軸体
66 押圧支持ネジ
95 角度規制突部
96 削り代部
97 後面部
99 規制先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の目に対応する左右の枠部相互を第1の連結部で連結してなる眼鏡体の該第1の連結部に対して前掛け眼鏡を、ホルダー部材を介して、磁気吸着状態で着脱可能に取り付け得る撥ね上げ式眼鏡であって、
該前掛け眼鏡は、前記左右の枠部の前側に配設される左右の補助レンズ部相互を第2の連結部で連結してなり、該第2の連結部は、前記第1の連結部を保持する前記ホルダー部材に、上下方向で回動可能に取り付けられ、該前掛け眼鏡は、該左右の補助レンズ部が前記左右の枠部の前側に存する状態と、該左右の補助レンズ部が撥ね上げられた状態との角度範囲で回動可能となされており、
又、前記ホルダー部材の基部の後面部の上下には上下の挾持片が上下対向状態で後方向に突設され、該上下の挾持片間に、前記第1の連結部を略密接状態に嵌め入れるための保持溝部が設けられており、該上下の挾持片は、該保持溝部に嵌め入れられた該第1の連結部を挾持状態に保持でき、該保持溝部に該第1の連結部が嵌め入れられた状態で、該第1の連結部の所要部位に設けられている第1の磁性部と、該保持溝部の内面部の所要部位に設けられている第2の磁性部との磁気吸着によって、前記前掛け眼鏡が眼鏡体に着脱可能に取り付けられる如くなされており、
又、前記ホルダー部材には角度規制突部が設けられ、該角度規制突部の規制先端部が前記第2の連結部の後面部に当接することにより、前記前掛け眼鏡の下方向への回動角度が所要角度に規制されることを特徴とする撥ね上げ式眼鏡。
【請求項2】
前記角度規制突部は、その先端側の部分が削り代部とされており、該削り代部を適宜削り取ることによって形成した規制先端部が前記第2の連結部の後面部に当接することにより、前記前掛け眼鏡の下方向への回動角度が所要角度に規制されることを特徴とする請求項1記載の撥ね上げ式眼鏡。
【請求項3】
前記角度規制突部は、前記基部に、前方に突出する如く設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の撥ね上げ式眼鏡。
【請求項4】
前記角度規制突部は、前記基部の前面部に、前方に突出する如く設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の撥ね上げ式眼鏡。
【請求項5】
前記第1の連結部の下面の、左右方向の少なくとも中央部分を含む部分に、下端でのみ開放する一つの固定凹部が設けられると共に、該固定凹部に第1の磁石の1個が収容状態で固定されており、該第1の磁石の下面が形成する第1の磁性面は、前記第1の連結部の下面と面一の水平面を呈しており、前記下の挾持片には、上面が水平面を呈した第2の磁性面を形成する第2の磁石が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の撥ね上げ式眼鏡。
【請求項6】
前記第1の連結部の下面側及び/又は上面側には、前記下の挾持片又は前記上の挾持片を、前側又は後側から奥側に向けてスライドにより略密接状態で嵌入させ得るスライド係合溝が設けられていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の撥ね上げ式眼鏡。
【請求項7】
請求項2記載の撥ね上げ式眼鏡において、前記削り代部を所要量削り取ることによって前記補助レンズ部の下方向への回動角度を所要角度に規制することを特徴とする撥ね上げ式眼鏡における前掛け眼鏡の回動角度規制方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−64787(P2013−64787A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202160(P2011−202160)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(597072420)株式会社アイプラス (3)