説明

撮像方法および撮像装置

【課題】 被写体の表面と撮像部との距離を常に一定維持して、高精度の撮像が可能な撮像方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ふすまを保持する保持工程と、照明部に装着した距離測定器により白基準板と撮像部との距離を測定する基準板測定行程と、離測定器によりふすまの表面と撮像部との距離をふすまの表面における4箇所の位置において測定する距離測定行程と、ふすまの表面と撮像部との距離を、4箇所の位置において、基準板と撮像部との距離と一致させる距離調整工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被写体の表面を、この被写体の表面と平行に移動する撮像部により走査して撮像する撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、貴重な文化財をデジタル化して保存するデジタルアーカイブ事業が実施されている。このデジタルアーカイブ事業においては、例えば、ふすまや屏風等の被写体に描かれた絵画を撮像し、これをデジタル化している。
【0003】
この撮像時には、デジタルカメラ等の使用も考えられるが、例えば、ふすま絵の場合には、その寸法が900mm×1800mmと大きいことから、デジタルカメラのよる撮影距離が大きくなり、撮影距離の増加に比例して解像度が低下するという問題が生ずる。
【0004】
このため、近年、被写体を大型スキャナで走査し、その画像データを保存するシステムが提案されている(非特許文献1、非特許文献2参照)。
【非特許文献1】2004年6月2日 京都新聞第3面
【非特許文献2】2004年6月2日 朝日新聞第10面
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被写体を大型スキャナで走査するときには、被写体の表面を、この被写体の表面と平行に移動する撮像部により走査して撮像することになる。このため、被写体の表面と撮像部との距離が、常に一定となるように被写体を保持する必要がある。
【0006】
このとき、被写体がふすま等の文化財である場合、この被写体をガラス板等に載置して位置決めすることはできないことから、ふすまの両端を保持手段により保持して撮像を行うことになるが、このような場合には、被写体の表面と撮像部との距離を常に一定維持することが困難となる。
【0007】
これは、被写体が重要文化財等である場合、被写体を保護する観点から強く保持することができないという理由によるものである。すなわち、被写体が傷つかないように布等を介して比較的軽く保持をした状態では、被写体を保持手段で一定の位置に正確に保持することは困難である。
【0008】
また、被写体がふすまである場合には、別の問題が生ずる。すなわち、図11に示すように、ふすまは一般的に4枚立で使用されることが多いが、4枚のふすま101、102、103、104のうち、ふすま103には、ふすま102とふすま103の当接部分に生ずる隙間を隠すための凸部105が形成される。このため、ふすま103の撮像を行うときには、他のふすま101、102、104の場合とは異なり、凸部105により保持手段によるふすま103の保持位置が変化し、被写体の表面と撮像部との距離を常に一定維持することが困難となる。このため、撮像精度が悪化するという問題を生ずる。また、重要文化財となるふすま等では、その経年変化等により、ふすま自体にゆがみを有することも問題の一つである。
【0009】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、被写体の表面と撮像部との距離を常に一定維持して、高精度の撮像が可能な撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、被写体の表面を、当該被写体の表面と平行に移動する撮像部により走査して撮像する撮像方法であって、前記被写体を保持手段で保持する保持工程と、前記被写体の表面と当該被写体の表面と平行に移動する撮像部との距離を、前記被写体の表面における互いに異なる複数の位置において測定する距離測定行程と、前記保持手段を調整することにより、被写体の表面と当該被写体の表面と平行に移動する撮像部との距離を、前記被写体の表面における互いに異なる複数の位置において調整する距離調整工程とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、被写体の表面を、当該被写体の表面と平行に移動する照明部により照明しながら、前記照明部と同期して前記被写体の表面と平行に移動する撮像部により走査して撮像する撮像方法であって、前記被写体を保持手段で保持する保持工程と、前記照明部または撮像部に装着した距離測定器により、基準板と前記被写体と平行に移動する撮像部との距離を測定する基準板測定行程と、前記照明部または撮像部に対する前記距離測定器の装着位置と、前記照明部または撮像部の移動位置とを変更して、前記照明部または撮像部に装着した距離測定器により、前記被写体の表面と当該被写体の表面と平行に移動する撮像部との距離を、前記被写体の表面における互いに異なる複数の位置において測定する距離測定行程と、前記保持手段を調整することにより、前記被写体の表面と前記被写体の表面と平行に移動する撮像部との距離を、前記被写体の表面における複数の位置において、前記基準板と前記被写体と平行に移動する撮像部との距離と一致させる距離調整工程とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記被写体はふすまである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記保持手段は、前記ふすまの上端部と下端部とを保持して当該ふすまを起立状体で保持する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記保持手段は、前記ふすまと保持枠との間に軟質の充填材を充填することにより前記ふすまを保持する。
【0015】
請求項6に記載の発明は、被写体の表面を、被写体の表面と平行に移動する照明部ならびに撮像部により走査して撮像する撮像装置であって、前記照明部ならびに前記撮像部を移動可能に保持する本体フレームと、前記本体フレームに連結され、前記照明部ならびに撮像部から所定距離離間した位置で前記被写体を保持する保持手段と、前記被写体の表面と当該被写体の表面と平行に移動する撮像部との距離を、前記被写体の表面における互いに異なる複数の位置において測定可能な距離測定手段と、前記保持手段と前記撮像部との間の距離を、前記被写体の表面における互いに異なる複数の位置において調整可能とするように、前記本体フレームに対して前記保持手段の位置を調整するための距離調整手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記被写体の表面と平行に移動する照明部と前記被写体との間に前記本体フレームが介在しないように、前記本体フレームの被写体面側に前記照明部が配置されている。
【発明の効果】
【0017】
請求項1、請求項2および請求項6に記載の発明によれば、被写体の表面と撮像部との距離を常に一定維持することができ、高精度の撮像動作を実行することが可能となる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、平面度を得にくいふすまの表面を高精度に撮像することが可能となる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、大型のふすまを撮像する場合にも、必要な占有床面積を小さなものとすることが可能となる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、ふすまに損傷を与えることなく、ふすまを起立状体で保持することが可能となる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、装置全体の外形をコンパクトにすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明を適用する撮像装置の正面図であり、図2はその側面図、また、図3はその平面図である。なお、図1および図3においては、ふすま100の図示を省略している。
【0023】
この撮像装置は、被写体としてのふすま100を走査して撮像するためのものであり、本体フレーム11と、その先端にふすま100の下端部を保持するための保持枠12を有する保持アーム13と、その先端にふすま100の上端部を保持するための保持枠14を有する保持アーム15と、ふすま100の上面と平行に移動可能な照明部16と、照明部16と同期してふすま100の表面と平行に移動する撮像部17と、その先端に白基準板18を有するアーム19とを備える。
【0024】
ここで、白基準板18は、撮像動作を実行する前に、撮像部17による読取感度を調整するために使用されるものである。この白基準板18は、後述する距離調整工程において、ふすま100の表面の位置の基準としても使用される。
【0025】
照明部16の一端には、距離測定器20が装着可能となっている。この距離測定器20は、白基準板18またはふすま100と照明部16に装着した距離測定器20との距離を測定することで、白基準板18またはふすま100と撮像部17との距離を測定するためのものである。
【0026】
また、この撮像装置は、駆動軸22を回転駆動するモータ21を有する。この駆動軸22の両端には一対の駆動プーリ31が配設されている。これらの駆動プーリ31と一対の従動プーリ32との間には、一対の同期ベルト33が巻回されている。そして、これらの同期ベルト33は、照明部16に連結されている。このため、照明部16は、モータ21の駆動により、ふすま100の表面と平行に配設された案内部材40に沿って往復移動する。
【0027】
駆動軸22の中央部には、図示しない駆動プーリが配設されており、この駆動プーリと従動プーリ34、36、37、38の間には、同期ベルト39が巻回されている。また、駆動プーリ34と同軸に配設され駆動プーリと同期して回転する図示しない従動プーリと従動プーリ35との間には、同期ベルト41が巻回されており、この同期ベルト41は撮像部17に連結されている。このため、撮像部17は、モータ21の駆動により、ふすま100の表面と平行に配設された案内部材42に沿って往復移動する。
【0028】
このため、モータ21の駆動により駆動軸22を回転させた場合には、照明部16と撮像部17とは、ふすま100の表面に平行な方向に、互いに同期して往復移動する。なお、案内部材40および42は平行に設けられており、照明部16と撮像部17との間の距離は常に一定になるように構成されている。
【0029】
また、この実施形態に係る撮像装置においては、本体フレーム11は複数に分解できる構成となっている。また、撮像部17は本体フレーム11から容易に着脱しうる構成となっている。このため、この撮像装置をふすま等を所有する社寺等に搬入することが容易となる。
【0030】
また、この実施形態に係る撮像装置においては、照明部16を本体フレーム11よりふすま100側に変位させた構成となっている。すなわち、照明部16とふすま100との間に本体フレーム11が介在しないように、本体フレーム11のふすま100側に照明部16が配置されている。このため、本体フレーム11を含む装置全体の外形を、よりコンパクトにすることが可能となる。
【0031】
図4は、保持アーム13の先端に配設された保持枠12と保持アーム15の先端に配設された保持枠14とによりふすま100を保持する状態を示す説明図である。
【0032】
この撮像装置においては、ふすま100は、保持アーム13の先端に配設された保持枠12や保持アーム15の先端に配設された保持枠14等からなる保持手段により、起立状体で保持される。
【0033】
このとき、ふすま100の下端部を保持する保持枠12内の底部には、高さ調整用の充填材51、例えば、ウレタンや発砲スチロール等が充填されている。そして、この充填材51の上部には、傷等を防止するため、羅紗等の布52が敷かれ、その上にふすま100が載置される。しかる後、ふすま100と布52との間に、固定用の布材53が充填される。これによりふすま100は、軟質の充填材として機能する布52および布材53により、保護された状態で固定される。
【0034】
同様に、ふすま100の上端部を保持する保持枠14内の内部には、布54が配設されるとともに、ふすま100と布54との間に、固定用の布材55が充填される。これによりふすま100は、軟質の充填材として機能する布54および布材55により、保護された状態で固定される。
【0035】
上述した保持枠12、14は、ふすま100とふすま100の表面に沿って移動する撮像部17との距離を変更するために、ふすま100の表面と直交する方向(ふすま100の表面に立てた法線方向)に移動可能となっている。以下、この保持枠12、14の移動機構について説明する。
【0036】
図5は保持枠12の移動機構を示す正面図であり、図6はその平面図、また、図7は図6のAA断面図である。
【0037】
ふすま100の下端部を保持するための保持枠12は、左右一対の保持アーム13を介して本体フレーム11と連結されている。このとき、保持枠12の下面には、調整ボルト61に螺合するナット板62が付設されている。この調整ボルト61は、保持アーム13に固定された支持板64に連結しており、また、調整ボルト61の外周部には圧縮コイルバネ63が配設されている。さらに、保持枠12には長孔65が穿設されており、この長孔65の上部には、保持枠12との間に皿バネ座金66を備えたボルト67が配設されている。
【0038】
このため、調整ボルト61を回転させることにより、保持枠12はふすま100の表面と直交する方向(ふすま100の表面に立てた法線方向)に移動する。このため、ふすま100とふすま100の表面に沿って移動する撮像部17との距離を変更することが可能となる。
【0039】
なお、この移動機構は、保持枠12の左右両側に配設されている。また、ふすま100の上端部を保持する保持枠14についても、これと同様の左右一対の移動機構が配設されている。このため、これらの移動機構により、ふすま100の表面の位置を、任意に調整することが可能となる。
【0040】
次に、上述した撮像装置による撮像動作について説明する。図8は、上述した撮像装置によるふすま100の撮像動作を示すフローチャートである。
【0041】
撮像動作を実行するときには、最初に、必要な初期設定を行う(ステップS1)。この初期設定には、白基準板18を撮像部17により撮像してその読取感度を調整する、いわゆるシェーディング補正を含む。
【0042】
次に、ふすま100を保持する(ステップS2)。このときには、ふすま100の下端部を保持枠12の充填材51および布52上に載置するとともに、ふすま100の上端部を保持枠14内の布54により保持する。しかる後、固定用の布材53および55を利用して、ふすま100の下端部および上端部を固定する。
【0043】
次に、撮像部17と白基準板18との距離を測定する(ステップS3)。この撮像部17と白基準板18との距離の測定は、照明部16に装着した距離測定器20と白基準板18との距離を測定することにより実行する。すなわち、撮像部17と照明部16との距離は常に一定であることから、照明部16に装着した距離測定器20と白基準板18との距離を測定することは、撮像部17と白基準板18との距離を測定することと等価となる。これは、撮像部17とふすま100の表面との距離を測定する場合も同様である。ただし、距離測定器20を直接撮像部17に装着してもよい。
【0044】
図9および図10は、距離測定器20による距離の測定動作を示す説明図である。
【0045】
図9に示すように、照明部16の一端には、距離測定器20が装着可能となっている。この距離測定器20は、上述したように、白基準板18またはふすま100と照明部16に装着した距離測定器20との距離を測定することで、白基準板18またはふすま100と撮像部17との距離を測定するためのものである。この距離測定器20は、測定結果の表示部72とケーブル71を介して接続されている。
【0046】
撮像部17と白基準板18との距離を測定するために距離測定器20と白基準板18との距離を測定するためには、モータ21の駆動により照明部16を図9に示すY方向に移動させ、照明部16をそこに装着する距離測定器20が白基準板18と対向可能な位置に配置した後、オペレータの走査により距離測定装置20を図9に示すX方向に移動させ、距離測定器20と白基準板18とを対向配置させる。そして、距離測定装置20と白基準板18との距離(図10に示すD1)を測定する。
【0047】
なお、この距離測定器20としては、超音波を利用した超音波測定や、光を使用した反射型の測定器等を使用することができる。
【0048】
再度図8を参照して、次に、ふすま100の表面と照明部16に装着した距離測定器20との距離を測定することで、ふすま100の表面と撮像部17との距離を測定する(ステップS4)。
【0049】
ここで、上述したように、ふすま100の上端部は保持枠14により保持されており、ふすま100の下端部は保持枠12により保持されている。また、保持枠14は左右一対の保持アーム15を介して、ふすま100の表面と直交する方向(ふすま100の表面に立てた法線方向)に移動可能な状態で本体フレーム11と連結されており、保持枠12は左右一対の保持アーム13を介して、ふすま100の表面と直交する方向に移動可能な状態で本体フレーム11と連結されている。このため、ふすま100の表面と撮像部17との距離の測定は、距離測定器20が保持枠14近傍の左右両側と対向する二点、および、距離測定器20が保持枠12近傍の左右両側と対向する二点の、計四点で行われる。
【0050】
より具体的には、モータ21の駆動により照明部16を図9に示すY方向に移動させ、図10に示すように、照明部16をそこに装着する距離測定器20が保持枠14の少し下方と対向可能な位置に配置する。そして、距離測定器20とふすま100の左端付近の表面との距離D2を測定する。また、距離測定器20を右方向に移動させ、距離測定器20とふすま100の右端付近の表面との距離D2を測定する。次に、モータ21の駆動により照明部16を図9に示すY方向に移動させ、図10に示すように、照明部16をそこに装着する距離測定器20が保持枠12の少し上方と対向可能な位置に配置する。そして、距離測定器20とふすま100の右端付近の表面との距離D3を測定する。また、距離測定器20を左方向に移動させ、距離測定器20とふすま100の左端付近の表面との距離D2を測定する。
【0051】
次に、ふすま100の表面と距離測定器20との距離を調整する(ステップS5)。すなわち、ふすま100の下端部を保持するための保持枠12は、左右一対の保持アーム13を介して本体フレーム11と連結されており、調整ボルト61を回転させることにより、保持枠12はふすま100の表面と直交する方向に移動する。このため、調整ボルト61を回転させることで、ふすま100の下端部左右両側において、ふすま100の表面と距離測定器20との距離D3を変更することが可能となる。また、同様に、ふすま100の上端部左右両側において、ふすま100の表面と距離測定器20との距離D2を変更することが可能となる。
【0052】
従って、ふすま100の下端部左右両側におけるふすま100の表面と距離測定器20との距離D3と、ふすま100の上端部左右両側におけるふすま100の表面と距離測定器20との距離D2とが、ステップS3で測定した白基準板18と距離測定装置20との距離D1と等しくなるように保持枠12、14の位置を調整することにより、ふすま100の表面とこのふすま100に沿って移動する撮像部17との距離を常に一定とすることができる。
【0053】
なお、上述したように、ふすま100の表面と距離測定器20との距離を複数点で測定した後、保持枠12、14の位置を調整するかわりに、ふすま100の表面と距離測定器20との距離を一箇所測定する度に、保持枠12、14の位置を調整するようにしてもよい。
【0054】
以上の動作によりふすま100の位置決めが終了した後(ステップS6)、モータ21の駆動により照明部16と撮像部17とをふすま100の表面に沿って同期して移動させ、ふすま100表面の画像を撮像する(ステップS7)。この場合には、ふすま100の表面とこのふすま100に沿って移動する撮像部17との距離が一定となっていることから、高精度の撮像が可能となる。
【0055】
なお、上述した実施形態においては、ふすま100の表面と距離測定器20との距離を4点で測定しているが、ふすま100の表面と距離測定器20との距離は少なくとも3点で測定すればよい。また、ふすま100自体にひずみがある場合は、ふすま100の4すみだけでなく複数点を測定し、各点の距離差が最小となるようにふすま100の位置を調整してもよい。
【0056】
また、上述した実施形態においては、照明部16に装着した距離測定器20と白基準板18またはふすま100との距離を測定することが、撮像部17と白基準板18またはふすま100との距離を測定することと等価となることから、距離測定器20を照明部16に装着しているが、距離測定器20は、撮像部17と常に一定の距離にあるその他の部分に装着してもよく、また、撮像部17自体に装着してもよい。また、距離測定器20をモータ等によりX軸方向に駆動させる構成としてもよい。さらに、調整ボルト61の駆動もモータ制御にすることで、ふすま100の保持姿勢を自動的に修正するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明を適用する撮像装置の正面図である。
【図2】この発明を適用する撮像装置の側面図である。
【図3】この発明を適用する撮像装置の平面図である。
【図4】保持枠12と保持枠14とによりふすま100を保持する状態を示す説明図である。
【図5】保持枠12の移動機構を示す正面図である。
【図6】保持枠12の移動機構を示す平面図である。
【図7】図6のAA断面図である。
【図8】撮像動作を示すフローチャートである。
【図9】距離測定器20による距離の測定動作を示す説明図である。
【図10】距離測定器20による距離の測定動作を示す説明図である。
【図11】4枚立のふすまを示す説明図である。
【符号の説明】
【0058】
11 本体フレーム
12 保持枠
13 保持アーム
14 保持枠
15 保持アーム
16 照明部
17 撮像部
18 白基準板
20 距離測定器
21 モータ
33 同期ベルト
39 同期ベルト
40 案内部材
41 同期ベルト
42 案内部材
51 充填材
52 布
53 布材
54 布
55 布材
61 調整ボルト
62 ナット板
64 支持板
65 長孔
100 ふすま


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の表面を、当該被写体の表面と平行に移動する撮像部により走査して撮像する撮像方法であって、
前記被写体を保持手段で保持する保持工程と、
前記被写体の表面と当該被写体の表面と平行に移動する撮像部との距離を、前記被写体の表面における互いに異なる複数の位置において測定する距離測定行程と、
前記保持手段を調整することにより、被写体の表面と当該被写体の表面と平行に移動する撮像部との距離を、前記被写体の表面における互いに異なる複数の位置において調整する距離調整工程と、
を備えたことを特徴とする撮像方法。
【請求項2】
被写体の表面を、当該被写体の表面と平行に移動する照明部により照明しながら、前記照明部と同期して前記被写体の表面と平行に移動する撮像部により走査して撮像する撮像方法であって、
前記被写体を保持手段で保持する保持工程と、
前記照明部または撮像部に装着した距離測定器により、基準板と前記被写体と平行に移動する撮像部との距離を測定する基準板測定行程と、
前記照明部または撮像部に対する前記距離測定器の装着位置と、前記照明部または撮像部の移動位置とを変更して、前記照明部または撮像部に装着した距離測定器により、前記被写体の表面と当該被写体の表面と平行に移動する撮像部との距離を、前記被写体の表面における互いに異なる複数の位置において測定する距離測定行程と、
前記保持手段を調整することにより、前記被写体の表面と前記被写体の表面と平行に移動する撮像部との距離を、前記被写体の表面における複数の位置において、前記基準板と前記被写体と平行に移動する撮像部との距離と一致させる距離調整工程と、
を備えたことを特徴とする撮像方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の撮像方法において、
前記被写体はふすまである撮像方法。
【請求項4】
請求項3に記載の撮像方法において、
前記保持手段は、前記ふすまの上端部と下端部とを保持して当該ふすまを起立状体で保持する撮像方法。
【請求項5】
請求項4に記載の撮像方法において、
前記保持手段は、前記ふすまと保持枠との間に軟質の充填材を充填することにより前記ふすまを保持する撮像方法。
【請求項6】
被写体の表面を、被写体の表面と平行に移動する照明部ならびに撮像部により走査して撮像する撮像装置であって、
前記照明部ならびに前記撮像部を移動可能に保持する本体フレームと、
前記本体フレームに連結され、前記照明部ならびに撮像部から所定距離離間した位置で前記被写体を保持する保持手段と、
前記被写体の表面と当該被写体の表面と平行に移動する撮像部との距離を、前記被写体の表面における互いに異なる複数の位置において測定可能な距離測定手段と、
前記保持手段と前記撮像部との間の距離を、前記被写体の表面における互いに異なる複数の位置において調整可能とするように、前記本体フレームに対して前記保持手段の位置を調整するための距離調整手段と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
請求項6に記載の撮像装置において、
前記被写体の表面と平行に移動する照明部と前記被写体との間に前記本体フレームが介在しないように、前記本体フレームの被写体面側に前記照明部が配置されている。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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