撮像素子、及び撮像装置
【課題】撮像画像の輝度レベルに応じて、緑色成分に対する制御を十分に行うことができる撮像素子及び撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像素子140は、赤色のカラーフィルタ(R)と、青色のカラーフィルタ(B)と、2種類の緑色の第1、第2カラーフィルタ(G1、G2)とを備える。緑色の第1カラーフィルタ(G1)は、緑色の第2カラーフィルタ(G2)の分光感度のピークの波長よりも長波長側領域に分光感度のピークを有する。
【解決手段】撮像素子140は、赤色のカラーフィルタ(R)と、青色のカラーフィルタ(B)と、2種類の緑色の第1、第2カラーフィルタ(G1、G2)とを備える。緑色の第1カラーフィルタ(G1)は、緑色の第2カラーフィルタ(G2)の分光感度のピークの波長よりも長波長側領域に分光感度のピークを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数種類のカラーフィルタを有する撮像素子、及び該撮像素子を備える撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、撮像装置を開示する。この撮像装置は、撮像した画像に対して、明暗の順応制御を行うことができる。つまり、この撮像装置は、暗くなるにつれて、撮像画像に対して青色系の感度が上昇するように制御する。一方、明るくなるにつれて、撮像画像に対して赤色系の感度が上昇するように制御する。
【0003】
これにより、この撮像装置は、人間の目の順応に近い画像を撮像できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−196952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されている撮像装置は、撮像画像の輝度レベルに応じて、青色成分と赤色成分の制御については十分に行うことができるかもしれない。しかしながら、上記特許文献1に開示されている撮像装置では、撮像画像の輝度レベルに応じて、緑色成分に対する制御を十分に行うことができない。
【0006】
本開示は、撮像画像の輝度レベルに応じて、緑色成分に対する制御を十分に行うことができる撮像素子及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の撮像素子は、入射した光に基づき画像信号を生成する撮像素子であって、赤色のカラーフィルタと、青色のカラーフィルタと、2種類の緑色の第1、第2カラーフィルタとを備える。緑色の第1カラーフィルタは、緑色の第2カラーフィルタの分光感度のピークの波長よりも長波長側領域に分光感度のピークを有する。
【0008】
本開示の撮像装置は、上記の撮像素子と、撮像素子の出力から画像信号生成する信号処理部と、被写体の照度レベルに応じて輝度信号の構成を補正する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記態様の撮像素子及び撮像装置によれば、撮像画像の輝度レベルに応じて、緑色成分に対する制御を十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1のデジタルビデオカメラの構成を示す図。
【図2】実施の形態1のカラーフィルタの配置を示す平面図。
【図3】実施の形態1のCMOSイメージセンサの各カラーフィルタの分光感度を示す図。
【図4】実施の形態1の撮像画像から輝度信号を生成する動作を説明するためのフロー図。
【図5】実施の形態1の緑色の補正信号を求めるための係数を算出するための関係を示す図。
【図6】他の実施の形態のカラーフィルタ(1)の配置を示す平面図。
【図7】他の実施の形態のカラーフィルタ(2)の配置を示す平面図。
【図8】他の実施の形態のカラーフィルタ(3)の配置を示す平面図。
【図9】他の実施の形態のカラーフィルタ(4)の配置を示す平面図。
【図10】他の実施の形態のカラーフィルタ(5)の配置を示す平面図。
【図11】比較例のカラーフィルタの分光感度を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
以下、図面を用いて、CMOSイメージセンサ(撮像素子)を備えるデジタルビデオカメラ(撮像装置)を一例として、実施の形態を説明する。
【0013】
[1.実施の形態1]
1−1.デジタルビデオカメラ(撮像装置)の構成
まず、本実施の形態1に係るデジタルビデオカメラの電気的構成例について図1を用いて説明する。図1は、デジタルビデオカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルビデオカメラ100は、1又は複数のレンズからなる光学系110により形成された被写体像をCMOSイメージセンサ140で撮像する撮像装置である。
【0014】
CMOSイメージセンサ140で生成された画像データは、画像処理部160で各種処理が施され、メモリカード200に格納される。以下、デジタルビデオカメラ100の構成を詳細に説明する。
【0015】
光学系110は、ズームレンズやフォーカスレンズにより構成される。ズームレンズを光軸に沿って移動させることにより、被写体像の拡大、又は縮小をすることができる。また、フォーカスレンズを光軸に沿って移動させることにより、被写体像のピントを調整することができる。
【0016】
レンズ駆動部120は、光学系110に含まれる各種レンズを駆動させる。レンズ駆動部120は、例えばズームレンズを駆動するズームモータや、フォーカスレンズを駆動するフォーカスモータを含む。
【0017】
絞り部300は、使用者の設定に応じて又は自動で、光の開口部の大きさを調整し、透過する光の量を調整する。
【0018】
シャッタ部130は、CMOSイメージセンサ140に透過させる光を遮光するための手段である。
【0019】
CMOSイメージセンサ140は、光学系110で形成された被写体像を撮像して、画像データを生成する。CMOSイメージセンサ140は、カラーフィルタ141(詳細は後述)と、受光素子と、AGC(ゲイン・コントロールアンプ)を含む。受光素子は、交換レンズ101によって集光された光学的信号を電気信号に変換し、画像情報を生成する。AGC(ゲイン・コントロールアンプ)は、受光素子から出力された電気信号を増幅する。CMOSイメージセンサ140はさらに、露光、転送、電子シャッタなどの各種動作を行うための駆動回路等を含む。詳細については、後述する。
【0020】
A/Dコンバータ150は、CMOSイメージセンサ140で生成されたアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。
【0021】
画像処理部160は、CMOSイメージセンサ140で生成され、変換されたデジタル画像データに対して、コントローラ180の制御を受け、各種処理を施す。画像処理部160は、表示モニタ220に表示するための画像データを生成したり、メモリカード200に格納するための画像データを生成したりする。例えば、画像処理部160は、CMOSイメージセンサ140で生成された画像データに対して、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、傷補正などの各種処理を行う。また、画像処理部160は、CMOSイメージセンサ140で生成された画像データを、H.264規格やMPEG2規格に準拠した圧縮形式等により圧縮する。画像処理部160は、DSPやマイコンなどで実現可能である。
【0022】
コントローラ180は、デジタルビデオカメラ100の全体を制御する制御手段である。コントローラ180は、半導体素子などで実現可能である。コントローラ180は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。コントローラ180は、マイコンなどで実現できる。
【0023】
バッファ170は、画像処理部160及びコントローラ180のワークメモリとして機能する。バッファ170は、例えば、DRAM、強誘電体メモリなどで実現できる。
【0024】
カードスロット190は、メモリカード200を着脱可能である。カードスロット190は、機械的及び電気的にメモリカード200と接続可能である。
【0025】
メモリカード200は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどを内部に含み、画像処理部160で生成された画像ファイル等のデータを格納可能である。
【0026】
内部メモリ240は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどで構成される。内部メモリ240は、デジタルビデオカメラ100全体を制御するための制御プログラム等を記憶している。
【0027】
操作部210は、使用者からの操作を受け付けるユーザーインターフェースの総称である。操作部210は、例えば、使用者からの操作を受け付ける十字キーや決定釦等がこれにあたる。
【0028】
表示モニタ220は、CMOSイメージセンサ140で生成した画像データが示す画像(スルー画像)や、メモリカード200から読み出した画像データが示す画像を表示可能である。また、表示モニタ220は、デジタルビデオカメラ100の各種設定を行うための各種メニュー画面等も表示可能である。
【0029】
1−2.CMOSイメージセンサの構成
次に、実施の形態1に係るCMOSイメージセンサの構成について、図2、図3、図11を用いて説明する。図2は、CMOSイメージセンサ140が備えるカラーフィルタ141を示す平面図である。図3は、CMOSイメージセンサ140に用いられる各カラーフィルタの分光感度を説明するための模式図である。図11は、比較例に係るカラーフィルタの分光を示す分光感度図であって、図2に示すような分光感度を有するカラーフィルタを用いる理由を説明するためのものである。
【0030】
図2に示すように、本例に係るCMOSイメージセンサ140は、ロウ方向(Row direction)カラム方向(Column direction)に沿ってマトリックス状に配置される4種類のカラーフィルタを有する。即ち、CMOSイメージセンサ140は、2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)と、1種類の赤色のカラーフィルタ(R)と、1種類の青色のカラーフィルタ(B)と、を有する。
【0031】
分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)は、CMOSイメージセンサ140において、ロウ方向及びカラム方向において、市松模様状に配置される。また、分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)は、CMOSイメージセンサ140のロウ方向及びカラム方向において、互いに対して補間的に配置される。
【0032】
赤色、青色のカラーフィルタ(R、B)は、CMOSイメージセンサ140のロウ方向及びカラム方向において、緑色のカラーフィルタ(G1)に対して補間的に配置される。また、赤色、青色のカラーフィルタ(R、B)の配置の順序は、ロウ方向において、配置される列ごとにそれぞれ反転される。
【0033】
なお、ここでは、図示を省略するが、各カラーフィルタを透過した光は、フォトダイオード等を含む出力回路により、所定の画像データに変換される。また、各カラーフィルタ上には、光を集光するためのマイクロレンズ等が配置される。
【0034】
<カラーフィルタの分光感度(実施の形態1)>
ここで、上記各カラーフィルタの分光感度は、図3に示す通りである。具体的には、青色(B)のカラーフィルタは、400nm近傍の短波長に分光感度のピーク(最高値)を有する。また、赤色(R)のカラーフィルタは、600nm近傍の長波長に分光感度のピーク(最高値)を有する。そして、分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタのうちの一方のカラーフィルタ(G1)は、550nmの近傍に分光感度のピーク(最高値)P1を有する。分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタのうちの他方のカラーフィルタ(G2)は、500nmの近傍に分光感度のピーク(最高値)P2を有する。本実施形態では、一方のカラーフィルタ(G1)の分光感度のピークは550nmに設定するが、例えば±20nmの範囲で550nmからずれた値に設定してもよい。また、他方のカラーフィルタ(G2)の分光感度のピークは500nmに設定するが、同様にして±20nmの範囲で500nmからずれた値に設定してもよい。
【0035】
ここで、分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)の分光感度のピークP1、P2にそれぞれ対応する、波長500nm、550nmは、人間の目の比視感度特性により選択されている波長である。つまり、人間の目は、暗所において、500nm近傍の光を主に認識する桿体細胞を働かせることで物体を視認する(暗所視比視感度)。また、人間の目は、明所において、550nm近傍の光を主に認識する錐体細胞を働かせることで物体を視認する(明所視比視感度)。
【0036】
そこで、実施の形態1では、上記のように、人間の目の比視感度特性に対応する分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)をCMOSイメージセンサ140に少なくとも配置させる。そして、被写体の明るさに応じて、各カラーフィルタを介して受光した撮像素子出力の重み付け具合を調整することで、人間の目により視認しやすい画像を撮像できることを提案する。
【0037】
上記のように、緑色のカラーフィルタ(G1)は、CMOSイメージセンサ140において、市松模様状に配置される。これにより、撮像画像の輝度信号の解像度の低下を抑えることができる。
【0038】
緑色のカラーフィルタ(G2)は、CMOSイメージセンサ140において、他方の緑色のカラーフィルタ(G1)に対して、補間的に配置される。これにより、被写体の照度が低照度であるような場合であっても、一定レベル以上の感度を保つことができる。
【0039】
また、赤色のカラーフィルタ(R)と、青色のカラーフィルタ(B)とは列ごとに反転して配置される。換言すると、赤色、青色のカラーフィルタ(R、B)の配列は、ロウ方向において、配置される列ごとにそれぞれ反転される。この配列により、撮像画像に生じるモアレを低減することができる。
【0040】
上記のように、実施の形態1においては、500nmの波長と、550nmの波長とを含むような分光感度を有する1種類の緑色のカラーフィルタ(G)を用いない。あえて、500nmの波長と、550nmの波長とをそれぞれに分光感度のピークを有する2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)を用いている。
【0041】
<カラーフィルタの分光感度(比較例)>
これに対して、比較例においては、550nm近傍にピークがある分光感度を有する1種類の緑色のカラーフィルタ(G)を用いている。この比較例に係る各カラーフィルタの分光感度は、図11に示す通りである。図示するように、比較例では、550nm近傍にピークを有する1種類の緑色のカラーフィルタ(G)を用いて輝度を構成せざるを得ない。そのため、明所時には人間のSi感度特性に準ずることは可能だが、暗所時には人間の視感度特性に準じることはできない。また、分光感度のピークを500nm近傍とした場合でも明所時には視感度特性に準じることは可能だが、一方で暗所時には準じることはできない。
【0042】
1−3.撮像画像から輝度信号(Y)を生成する際の動作
次に、図4、図5を用い、本実施の形態1に係るデジタルビデオカメラ100が、CMOSイメージセンサ140により撮像した画像から輝度信号(Y)を生成する際の処理動作について説明する。図4は、撮像画像から輝度信号(Y)を生成する際の処理動作を示すフローチャートである。図5は、輝度信号を生成するための係数K1、K2を算出するための関係を示す模式図である。
【0043】
ここでは、特に、被写体の照度(画像の輝度)が一定レベルより低く、絞り部300が開放状態になっている状態(暗所の状態)において、輝度信号(Y)を生成する際の処理動作について一例を挙げて説明する。この説明においては、図4のフローに沿って説明する。
【0044】
(Step S100)
まず、使用者によりデジタルビデオカメラ100が撮影モードに設定されると、CMOSイメージセンサ140によるRAWデータ(現像前のデータ)の撮像動作が開始される。
【0045】
(Step S110)
続いて、RAWデータの撮像動作が開始されると、コントローラ180は、撮像されたRAWデータの輝度情報に基づいて、CMOSイメージセンサ140のAGC(Automatic Gain Control)ゲインを決定する。なお、AGCゲインは画像中の被写体の照度に応じて決定され、被写体の照度が低いほどAGCゲインの値は高くなる。
【0046】
(Step S120)
続いて、AGCゲインを決定すると、コントローラ180は、決定したAGCゲインに基づいて、係数K1、K2を算出する。ここでいう係数K1、K2とは、緑色の補正信号G´を算出するための次式(1)で示されるように、緑色のフィルタのRAWデータG1、G2に重み付けとして補正のために乗算される係数である。具体的には、本例では、コントローラ180は、図5に示すAGCゲインとの関係に従って、係数K1、K2を算出する。
【0047】
【数1】
図示するように、係数K2は、AGCゲインが高くなればなるほど(被写体の照度が低い暗所ほど)、その値が大きくなるように設定される。一方、係数K1は、AGCゲインが小さくなればなるほど(被写体の照度が高い明所ほど)、その値が大きくなるように設定される。
【0048】
そのため、本例のように被写体の照度が低い状態(暗所の状態)では、係数K2の値は、係数K1の値に比べて、大きい関係にある。従って、被写体の照度が高い状態(明所の状態)では、短波長側の緑色のフィルタのRAWデータG2の重み付けが、長波長側の緑色のフィルタのRAWデータG1の重み付けに比べて、相対的に大きくなるように補正される。これにより、後述するように、デジタルビデオカメラ100は、暗所において、人間の目に視認しやすい緑色を再現した画像を生成できる。
【0049】
また、図5に示すように、実施の形態1では、係数K1、K2の値は、AGCゲインの値に応じて線形的に変化するように設定される。これにより、緑色の種類が突然変化しないため、暗所と明所と間における切り替わりにおいても、人間の目に違和感の残らない画像を生成できる。
【0050】
なお、本例では、係数K1、K2は、共に0以上、1以下である(0≦K1≦1、0≦K2≦1)。また、係数K1、K2の和は、1である(K1+K2=1)。これは、色再現性を確保しつつ、緑色の成分Gが増減しないようにするためである。
【0051】
(Step S130)
続いて、コントローラ180は、算出した係数K1、K2を用いて、緑色の合成信号G´の値を算出する。具体的には、前述の式(1)に示すように、コントローラ180は、係数K1、K2、及び緑色のカラーフィルタの各RAWデータG1、G2の値を代入することで、被写体の照度に応じた緑色の合成信号G´を算出する。
【0052】
(Step S140)
続いて、コントローラ180は、下記の式(2)に従い、輝度信号(Y)の低域成分(YL)を算出する。
【0053】
【数2】
上記式(2)に示すように、輝度信号(Y)の低域成分(YL)は、赤色のカラーフィルタ画素出力Rの低域成分RL、青色のカラーフィルタ画素出力Bの低域成分BL、及びステップS130で算出した緑色の合成信号G’の低域成分G’Lを代入することにより、算出される。なお、式(2)において、緑色の合成信号G’の低域成分G’Lは、市松状に配置された緑色のカラーフィルタ(G1)の画素出力G1の低域成分G1Lと、補間的に配置された緑色のカラーフィルタ(G2)の画素出力G2の低域成分G2Lとを使用して下記式で求められる。
【0054】
【数3】
一方、輝度信号(Y)の高域成分(YH)は、下記の式(4)に示すように、市松状に配置された緑色のカラーフィルタ(G1)の画素出力G1の高域成分G1Hと、補間的に配置された緑色のカラーフィルタ(G2)の画素出力G2の高域成分G2Hとを使用して下記のように構成する。
【0055】
【数4】
(Step S150)
続いて、コントローラ180は、輝度信号の高域成分YH及び低域成分YLを下記式(5)
のように加算することで、広帯域な輝度信号(Y)を生成する。
【0056】
【数5】
ここで、本例のような暗所の場合では、短波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタのRAWデータG2の重み付け(K2)が、長波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタのRAWデータG1の重み付け(K1)に比べて、相対的に大きくなるよう係数が設定され、被写体の照度に応じた緑色の合成信号G´が生成される(S130)。そのため、輝度信号YLは、前記のような重み付けがなされたG1,G2により生成された補正信号G´の低域信号G’Lに応じて算出される(S140)。結果として生成される広域の輝度信号(Y)は、暗所に適した補正信号G´に応じた信号が生成される。
【0057】
一方、被写体の照度が一定レベルより高く、絞り部300が閉に近い状態になっている状態(明所の状態)において、輝度信号(Y)を生成する場合は、暗所時とは係数K1、K2の大小関係が逆となる。即ち、図5に示すように、明所の状態では、長波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタのRAWデータG1の重み付けの係数K1が、短波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタのRAWデータG2の重み付けの係数K2に比べて、相対的に大きくなるように設定される。
【0058】
2−4.作用効果
上記実施の形態1によれば、少なくとも下記の効果が得られる。
【0059】
すなわち、被写体の照度レベルに応じて、輝度信号の主な成分であるG’を主体とした構成を変化させることで、人間の目の比視感度特性に適した輝度信号を生成することができる。
【0060】
撮像装置100が備えるコントローラ180は、分光感度の異なる2種類の緑色の第1、第2カラーフィルタ(G1、G2)を介して生成される画像信号を、被写体の照度レベルに応じて、所定の係数(K1、K2)を用いて補正し、輝度信号(Y)の生成を制御する。
【0061】
より具体的に、本例に係るコントローラ180は、図5に示すAGCゲイン(照度)との関係に従って、係数K1、K2を算出する。図示するように、係数K2は、AGCゲインが高くなればなるほど(被写体の照度が低い暗所ほど)、その値が大きくなるように設定される。一方、係数K1は、AGCゲインが小さくなればなるほど(被写体の照度が高い明所ほど)、その値が大きくなるように設定される(ステップS120)。
【0062】
従って、式(1)に従い、照度が低い画像に対しては(暗所の状態)では、短波長側の緑色のフィルタのRAWデータG2の重み付け係数K2が、長波長側の緑色のフィルタのRAWデータG1の重み付け係数K1に比べて、相対的に大きくなるように、補正された緑色の補正信号G´が算出される(ステップS130)。
【0063】
算出された緑色の補正信号G´は、式(2)に従い、輝度信号の低域成分(YL)の算出に利用される。即ち、輝度信号の低域成分(YL)の算出において、低域側の寄与率が向上される(ステップS140)。
【0064】
そして、輝度信号の低域成分(YL)と輝度信号の高域成分(YH)とが加算されることにより、輝度信号(Y)が生成される(ステップS150)。
【0065】
以上のように本実施形態では、図5に示すように、被写体の照度が低い状態(AGCゲインが高い状態)では、短波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタからのRAWデータG2に対する係数K2が大きくなるように設定した。換言すれば、被写体の照度が低いほど、緑色の合成信号G’を生成するにあたって、短波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタからの画像データG2の重みづけを大きくすることにした。これにより、暗所において人間の目に視認しやすい緑色を再現した画像を生成できる。これは、人間の目が、暗所において、短波長側の500nm近傍の光(G2)を主に認識する桿体細胞を働かせることで物体を視認する視覚特性に基づくものである。
【0066】
また、係数K1、K2の値は、AGCゲインの値に応じて線形的に変化するように設定される。これにより、緑色の種類が突然変化しないため、暗所と明所と間における切り替わりにおいても、人間の目に違和感の残らない画像を生成できる。
【0067】
なお、本例では、係数K1、K2は、共に0以上、1以下である(0≦K1≦1、0≦K2≦1)。また、係数K1、K2の和は、1である(K1+K2=1)。これは、色再現性を確保しつつ、輝度信号における緑色の成分Gが増減しないようにするためである。
【0068】
[2.他の実施の形態]
実施の形態の一例として、実施の形態1を説明した。しかし、実施の形態は、これらには限定されない。以下は、その他の実施の形態に関するものである。
【0069】
上記の実施の形態1では、撮像手段として、CMOSイメージセンサ140を例示したが、これに限定されない。例えば、撮像手段としては、CCDイメージセンサやNMOSイメージセンサ等を用いてもよい。
【0070】
また、画像処理部160とコントローラ180とは、1つの半導体チップで構成してもよく、別々の半導体チップで構成してもよい。
【0071】
また、実施の形態1においては、図5に示すように、係数K1、K2がAGCゲインに応じて、線形的に変化するように設定した。しかしながら、必ずしもこのような構成に限定されない。例えば、所定のAGCゲインを境として、輝度信号の緑色成分をRAWデータG1、G2の何れかに切り替えるような構成としてもよい。これにより、簡単な構成で、暗所においても人間の目に視認しやすい画像を生成できる。
【0072】
また、実施の形態1においては、緑色のカラーフィルタ(G1、G2)の分光特性を同一とした。しかしながら、必ずしもこのような例には限定されない。例えば、緑色のカラーフィルタG2の分光特性が、緑色のカラーフィルタG1の分光特性よりも裾広がりとなってもよい。これにより、暗所においてより高い感度の画像を生成できる。
【0073】
また、実施の形態1においては、輝度信号(Y)を、輝度信号の低域成分(YL)と輝度信号の高域成分(YH)との和として算出した。しかしながら、必ずしもこのような例には限定されない。例えば、AGCゲインが高ければ高いほど(すなわち、被写体の照度が低ければ低いほど)、下記式(6)示す輝度信号の高域成分(YH)の加算比率αを下げるようにしてもよい。これにより、撮像画像のS/N比の劣化を軽減することができる。
【0074】
【数6】
また、実施の形態1においては、係数K1、K2をAGCゲインに基づいて決定した。しかしながら、必ずしもこのような例には限定されない。例えば、撮像画像の色温度に基づいて係数K1、K2を決定してもよい。
【0075】
また、実施の形態1においては、輝度信号の低域成分(YL)の算出式を数式(2)により算出した。しかしながら、必ずしもこのような構成とする必要はない。例えば、以下の式(7)に示す係数を用いて算出してもよい。
【0076】
【数7】
また、実施の形態1においては、各カラーフィルタの配置を図3に示すようなものとした。しかしながら、必ずしもこのような構成とする必要はない。例えば、図6〜図10に示すカラーフィルタ(1)〜(5)の配置としてもよい。即ち、撮像素子140が、2種類の緑色の第1、第2カラーフィルタ(G1、G2)を有していれば、どのような配置であっても適用可能である。
【0077】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本開示は、撮像素子や、カラーフィルタを透過した入射光に基づき画像データを生成する撮像素子を有する撮像装置に適用できる。
【符号の説明】
【0079】
100 デジタルビデオカメラ
110 光学系
120 レンズ駆動部
130 シャッタ
140 CMOSイメージセンサ
141 カラーフィルタ
150 A/Dコンバータ
160 画像処理部
170 バッファ
180 コントローラ
190 カードスロット
200 メモリカード
210 操作部
220 表示モニタ
240 内部メモリ
300 絞り部
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数種類のカラーフィルタを有する撮像素子、及び該撮像素子を備える撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、撮像装置を開示する。この撮像装置は、撮像した画像に対して、明暗の順応制御を行うことができる。つまり、この撮像装置は、暗くなるにつれて、撮像画像に対して青色系の感度が上昇するように制御する。一方、明るくなるにつれて、撮像画像に対して赤色系の感度が上昇するように制御する。
【0003】
これにより、この撮像装置は、人間の目の順応に近い画像を撮像できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−196952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示されている撮像装置は、撮像画像の輝度レベルに応じて、青色成分と赤色成分の制御については十分に行うことができるかもしれない。しかしながら、上記特許文献1に開示されている撮像装置では、撮像画像の輝度レベルに応じて、緑色成分に対する制御を十分に行うことができない。
【0006】
本開示は、撮像画像の輝度レベルに応じて、緑色成分に対する制御を十分に行うことができる撮像素子及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の撮像素子は、入射した光に基づき画像信号を生成する撮像素子であって、赤色のカラーフィルタと、青色のカラーフィルタと、2種類の緑色の第1、第2カラーフィルタとを備える。緑色の第1カラーフィルタは、緑色の第2カラーフィルタの分光感度のピークの波長よりも長波長側領域に分光感度のピークを有する。
【0008】
本開示の撮像装置は、上記の撮像素子と、撮像素子の出力から画像信号生成する信号処理部と、被写体の照度レベルに応じて輝度信号の構成を補正する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記態様の撮像素子及び撮像装置によれば、撮像画像の輝度レベルに応じて、緑色成分に対する制御を十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1のデジタルビデオカメラの構成を示す図。
【図2】実施の形態1のカラーフィルタの配置を示す平面図。
【図3】実施の形態1のCMOSイメージセンサの各カラーフィルタの分光感度を示す図。
【図4】実施の形態1の撮像画像から輝度信号を生成する動作を説明するためのフロー図。
【図5】実施の形態1の緑色の補正信号を求めるための係数を算出するための関係を示す図。
【図6】他の実施の形態のカラーフィルタ(1)の配置を示す平面図。
【図7】他の実施の形態のカラーフィルタ(2)の配置を示す平面図。
【図8】他の実施の形態のカラーフィルタ(3)の配置を示す平面図。
【図9】他の実施の形態のカラーフィルタ(4)の配置を示す平面図。
【図10】他の実施の形態のカラーフィルタ(5)の配置を示す平面図。
【図11】比較例のカラーフィルタの分光感度を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
以下、図面を用いて、CMOSイメージセンサ(撮像素子)を備えるデジタルビデオカメラ(撮像装置)を一例として、実施の形態を説明する。
【0013】
[1.実施の形態1]
1−1.デジタルビデオカメラ(撮像装置)の構成
まず、本実施の形態1に係るデジタルビデオカメラの電気的構成例について図1を用いて説明する。図1は、デジタルビデオカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルビデオカメラ100は、1又は複数のレンズからなる光学系110により形成された被写体像をCMOSイメージセンサ140で撮像する撮像装置である。
【0014】
CMOSイメージセンサ140で生成された画像データは、画像処理部160で各種処理が施され、メモリカード200に格納される。以下、デジタルビデオカメラ100の構成を詳細に説明する。
【0015】
光学系110は、ズームレンズやフォーカスレンズにより構成される。ズームレンズを光軸に沿って移動させることにより、被写体像の拡大、又は縮小をすることができる。また、フォーカスレンズを光軸に沿って移動させることにより、被写体像のピントを調整することができる。
【0016】
レンズ駆動部120は、光学系110に含まれる各種レンズを駆動させる。レンズ駆動部120は、例えばズームレンズを駆動するズームモータや、フォーカスレンズを駆動するフォーカスモータを含む。
【0017】
絞り部300は、使用者の設定に応じて又は自動で、光の開口部の大きさを調整し、透過する光の量を調整する。
【0018】
シャッタ部130は、CMOSイメージセンサ140に透過させる光を遮光するための手段である。
【0019】
CMOSイメージセンサ140は、光学系110で形成された被写体像を撮像して、画像データを生成する。CMOSイメージセンサ140は、カラーフィルタ141(詳細は後述)と、受光素子と、AGC(ゲイン・コントロールアンプ)を含む。受光素子は、交換レンズ101によって集光された光学的信号を電気信号に変換し、画像情報を生成する。AGC(ゲイン・コントロールアンプ)は、受光素子から出力された電気信号を増幅する。CMOSイメージセンサ140はさらに、露光、転送、電子シャッタなどの各種動作を行うための駆動回路等を含む。詳細については、後述する。
【0020】
A/Dコンバータ150は、CMOSイメージセンサ140で生成されたアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。
【0021】
画像処理部160は、CMOSイメージセンサ140で生成され、変換されたデジタル画像データに対して、コントローラ180の制御を受け、各種処理を施す。画像処理部160は、表示モニタ220に表示するための画像データを生成したり、メモリカード200に格納するための画像データを生成したりする。例えば、画像処理部160は、CMOSイメージセンサ140で生成された画像データに対して、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、傷補正などの各種処理を行う。また、画像処理部160は、CMOSイメージセンサ140で生成された画像データを、H.264規格やMPEG2規格に準拠した圧縮形式等により圧縮する。画像処理部160は、DSPやマイコンなどで実現可能である。
【0022】
コントローラ180は、デジタルビデオカメラ100の全体を制御する制御手段である。コントローラ180は、半導体素子などで実現可能である。コントローラ180は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。コントローラ180は、マイコンなどで実現できる。
【0023】
バッファ170は、画像処理部160及びコントローラ180のワークメモリとして機能する。バッファ170は、例えば、DRAM、強誘電体メモリなどで実現できる。
【0024】
カードスロット190は、メモリカード200を着脱可能である。カードスロット190は、機械的及び電気的にメモリカード200と接続可能である。
【0025】
メモリカード200は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどを内部に含み、画像処理部160で生成された画像ファイル等のデータを格納可能である。
【0026】
内部メモリ240は、フラッシュメモリや強誘電体メモリなどで構成される。内部メモリ240は、デジタルビデオカメラ100全体を制御するための制御プログラム等を記憶している。
【0027】
操作部210は、使用者からの操作を受け付けるユーザーインターフェースの総称である。操作部210は、例えば、使用者からの操作を受け付ける十字キーや決定釦等がこれにあたる。
【0028】
表示モニタ220は、CMOSイメージセンサ140で生成した画像データが示す画像(スルー画像)や、メモリカード200から読み出した画像データが示す画像を表示可能である。また、表示モニタ220は、デジタルビデオカメラ100の各種設定を行うための各種メニュー画面等も表示可能である。
【0029】
1−2.CMOSイメージセンサの構成
次に、実施の形態1に係るCMOSイメージセンサの構成について、図2、図3、図11を用いて説明する。図2は、CMOSイメージセンサ140が備えるカラーフィルタ141を示す平面図である。図3は、CMOSイメージセンサ140に用いられる各カラーフィルタの分光感度を説明するための模式図である。図11は、比較例に係るカラーフィルタの分光を示す分光感度図であって、図2に示すような分光感度を有するカラーフィルタを用いる理由を説明するためのものである。
【0030】
図2に示すように、本例に係るCMOSイメージセンサ140は、ロウ方向(Row direction)カラム方向(Column direction)に沿ってマトリックス状に配置される4種類のカラーフィルタを有する。即ち、CMOSイメージセンサ140は、2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)と、1種類の赤色のカラーフィルタ(R)と、1種類の青色のカラーフィルタ(B)と、を有する。
【0031】
分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)は、CMOSイメージセンサ140において、ロウ方向及びカラム方向において、市松模様状に配置される。また、分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)は、CMOSイメージセンサ140のロウ方向及びカラム方向において、互いに対して補間的に配置される。
【0032】
赤色、青色のカラーフィルタ(R、B)は、CMOSイメージセンサ140のロウ方向及びカラム方向において、緑色のカラーフィルタ(G1)に対して補間的に配置される。また、赤色、青色のカラーフィルタ(R、B)の配置の順序は、ロウ方向において、配置される列ごとにそれぞれ反転される。
【0033】
なお、ここでは、図示を省略するが、各カラーフィルタを透過した光は、フォトダイオード等を含む出力回路により、所定の画像データに変換される。また、各カラーフィルタ上には、光を集光するためのマイクロレンズ等が配置される。
【0034】
<カラーフィルタの分光感度(実施の形態1)>
ここで、上記各カラーフィルタの分光感度は、図3に示す通りである。具体的には、青色(B)のカラーフィルタは、400nm近傍の短波長に分光感度のピーク(最高値)を有する。また、赤色(R)のカラーフィルタは、600nm近傍の長波長に分光感度のピーク(最高値)を有する。そして、分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタのうちの一方のカラーフィルタ(G1)は、550nmの近傍に分光感度のピーク(最高値)P1を有する。分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタのうちの他方のカラーフィルタ(G2)は、500nmの近傍に分光感度のピーク(最高値)P2を有する。本実施形態では、一方のカラーフィルタ(G1)の分光感度のピークは550nmに設定するが、例えば±20nmの範囲で550nmからずれた値に設定してもよい。また、他方のカラーフィルタ(G2)の分光感度のピークは500nmに設定するが、同様にして±20nmの範囲で500nmからずれた値に設定してもよい。
【0035】
ここで、分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)の分光感度のピークP1、P2にそれぞれ対応する、波長500nm、550nmは、人間の目の比視感度特性により選択されている波長である。つまり、人間の目は、暗所において、500nm近傍の光を主に認識する桿体細胞を働かせることで物体を視認する(暗所視比視感度)。また、人間の目は、明所において、550nm近傍の光を主に認識する錐体細胞を働かせることで物体を視認する(明所視比視感度)。
【0036】
そこで、実施の形態1では、上記のように、人間の目の比視感度特性に対応する分光感度の異なる2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)をCMOSイメージセンサ140に少なくとも配置させる。そして、被写体の明るさに応じて、各カラーフィルタを介して受光した撮像素子出力の重み付け具合を調整することで、人間の目により視認しやすい画像を撮像できることを提案する。
【0037】
上記のように、緑色のカラーフィルタ(G1)は、CMOSイメージセンサ140において、市松模様状に配置される。これにより、撮像画像の輝度信号の解像度の低下を抑えることができる。
【0038】
緑色のカラーフィルタ(G2)は、CMOSイメージセンサ140において、他方の緑色のカラーフィルタ(G1)に対して、補間的に配置される。これにより、被写体の照度が低照度であるような場合であっても、一定レベル以上の感度を保つことができる。
【0039】
また、赤色のカラーフィルタ(R)と、青色のカラーフィルタ(B)とは列ごとに反転して配置される。換言すると、赤色、青色のカラーフィルタ(R、B)の配列は、ロウ方向において、配置される列ごとにそれぞれ反転される。この配列により、撮像画像に生じるモアレを低減することができる。
【0040】
上記のように、実施の形態1においては、500nmの波長と、550nmの波長とを含むような分光感度を有する1種類の緑色のカラーフィルタ(G)を用いない。あえて、500nmの波長と、550nmの波長とをそれぞれに分光感度のピークを有する2種類の緑色のカラーフィルタ(G1、G2)を用いている。
【0041】
<カラーフィルタの分光感度(比較例)>
これに対して、比較例においては、550nm近傍にピークがある分光感度を有する1種類の緑色のカラーフィルタ(G)を用いている。この比較例に係る各カラーフィルタの分光感度は、図11に示す通りである。図示するように、比較例では、550nm近傍にピークを有する1種類の緑色のカラーフィルタ(G)を用いて輝度を構成せざるを得ない。そのため、明所時には人間のSi感度特性に準ずることは可能だが、暗所時には人間の視感度特性に準じることはできない。また、分光感度のピークを500nm近傍とした場合でも明所時には視感度特性に準じることは可能だが、一方で暗所時には準じることはできない。
【0042】
1−3.撮像画像から輝度信号(Y)を生成する際の動作
次に、図4、図5を用い、本実施の形態1に係るデジタルビデオカメラ100が、CMOSイメージセンサ140により撮像した画像から輝度信号(Y)を生成する際の処理動作について説明する。図4は、撮像画像から輝度信号(Y)を生成する際の処理動作を示すフローチャートである。図5は、輝度信号を生成するための係数K1、K2を算出するための関係を示す模式図である。
【0043】
ここでは、特に、被写体の照度(画像の輝度)が一定レベルより低く、絞り部300が開放状態になっている状態(暗所の状態)において、輝度信号(Y)を生成する際の処理動作について一例を挙げて説明する。この説明においては、図4のフローに沿って説明する。
【0044】
(Step S100)
まず、使用者によりデジタルビデオカメラ100が撮影モードに設定されると、CMOSイメージセンサ140によるRAWデータ(現像前のデータ)の撮像動作が開始される。
【0045】
(Step S110)
続いて、RAWデータの撮像動作が開始されると、コントローラ180は、撮像されたRAWデータの輝度情報に基づいて、CMOSイメージセンサ140のAGC(Automatic Gain Control)ゲインを決定する。なお、AGCゲインは画像中の被写体の照度に応じて決定され、被写体の照度が低いほどAGCゲインの値は高くなる。
【0046】
(Step S120)
続いて、AGCゲインを決定すると、コントローラ180は、決定したAGCゲインに基づいて、係数K1、K2を算出する。ここでいう係数K1、K2とは、緑色の補正信号G´を算出するための次式(1)で示されるように、緑色のフィルタのRAWデータG1、G2に重み付けとして補正のために乗算される係数である。具体的には、本例では、コントローラ180は、図5に示すAGCゲインとの関係に従って、係数K1、K2を算出する。
【0047】
【数1】
図示するように、係数K2は、AGCゲインが高くなればなるほど(被写体の照度が低い暗所ほど)、その値が大きくなるように設定される。一方、係数K1は、AGCゲインが小さくなればなるほど(被写体の照度が高い明所ほど)、その値が大きくなるように設定される。
【0048】
そのため、本例のように被写体の照度が低い状態(暗所の状態)では、係数K2の値は、係数K1の値に比べて、大きい関係にある。従って、被写体の照度が高い状態(明所の状態)では、短波長側の緑色のフィルタのRAWデータG2の重み付けが、長波長側の緑色のフィルタのRAWデータG1の重み付けに比べて、相対的に大きくなるように補正される。これにより、後述するように、デジタルビデオカメラ100は、暗所において、人間の目に視認しやすい緑色を再現した画像を生成できる。
【0049】
また、図5に示すように、実施の形態1では、係数K1、K2の値は、AGCゲインの値に応じて線形的に変化するように設定される。これにより、緑色の種類が突然変化しないため、暗所と明所と間における切り替わりにおいても、人間の目に違和感の残らない画像を生成できる。
【0050】
なお、本例では、係数K1、K2は、共に0以上、1以下である(0≦K1≦1、0≦K2≦1)。また、係数K1、K2の和は、1である(K1+K2=1)。これは、色再現性を確保しつつ、緑色の成分Gが増減しないようにするためである。
【0051】
(Step S130)
続いて、コントローラ180は、算出した係数K1、K2を用いて、緑色の合成信号G´の値を算出する。具体的には、前述の式(1)に示すように、コントローラ180は、係数K1、K2、及び緑色のカラーフィルタの各RAWデータG1、G2の値を代入することで、被写体の照度に応じた緑色の合成信号G´を算出する。
【0052】
(Step S140)
続いて、コントローラ180は、下記の式(2)に従い、輝度信号(Y)の低域成分(YL)を算出する。
【0053】
【数2】
上記式(2)に示すように、輝度信号(Y)の低域成分(YL)は、赤色のカラーフィルタ画素出力Rの低域成分RL、青色のカラーフィルタ画素出力Bの低域成分BL、及びステップS130で算出した緑色の合成信号G’の低域成分G’Lを代入することにより、算出される。なお、式(2)において、緑色の合成信号G’の低域成分G’Lは、市松状に配置された緑色のカラーフィルタ(G1)の画素出力G1の低域成分G1Lと、補間的に配置された緑色のカラーフィルタ(G2)の画素出力G2の低域成分G2Lとを使用して下記式で求められる。
【0054】
【数3】
一方、輝度信号(Y)の高域成分(YH)は、下記の式(4)に示すように、市松状に配置された緑色のカラーフィルタ(G1)の画素出力G1の高域成分G1Hと、補間的に配置された緑色のカラーフィルタ(G2)の画素出力G2の高域成分G2Hとを使用して下記のように構成する。
【0055】
【数4】
(Step S150)
続いて、コントローラ180は、輝度信号の高域成分YH及び低域成分YLを下記式(5)
のように加算することで、広帯域な輝度信号(Y)を生成する。
【0056】
【数5】
ここで、本例のような暗所の場合では、短波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタのRAWデータG2の重み付け(K2)が、長波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタのRAWデータG1の重み付け(K1)に比べて、相対的に大きくなるよう係数が設定され、被写体の照度に応じた緑色の合成信号G´が生成される(S130)。そのため、輝度信号YLは、前記のような重み付けがなされたG1,G2により生成された補正信号G´の低域信号G’Lに応じて算出される(S140)。結果として生成される広域の輝度信号(Y)は、暗所に適した補正信号G´に応じた信号が生成される。
【0057】
一方、被写体の照度が一定レベルより高く、絞り部300が閉に近い状態になっている状態(明所の状態)において、輝度信号(Y)を生成する場合は、暗所時とは係数K1、K2の大小関係が逆となる。即ち、図5に示すように、明所の状態では、長波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタのRAWデータG1の重み付けの係数K1が、短波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタのRAWデータG2の重み付けの係数K2に比べて、相対的に大きくなるように設定される。
【0058】
2−4.作用効果
上記実施の形態1によれば、少なくとも下記の効果が得られる。
【0059】
すなわち、被写体の照度レベルに応じて、輝度信号の主な成分であるG’を主体とした構成を変化させることで、人間の目の比視感度特性に適した輝度信号を生成することができる。
【0060】
撮像装置100が備えるコントローラ180は、分光感度の異なる2種類の緑色の第1、第2カラーフィルタ(G1、G2)を介して生成される画像信号を、被写体の照度レベルに応じて、所定の係数(K1、K2)を用いて補正し、輝度信号(Y)の生成を制御する。
【0061】
より具体的に、本例に係るコントローラ180は、図5に示すAGCゲイン(照度)との関係に従って、係数K1、K2を算出する。図示するように、係数K2は、AGCゲインが高くなればなるほど(被写体の照度が低い暗所ほど)、その値が大きくなるように設定される。一方、係数K1は、AGCゲインが小さくなればなるほど(被写体の照度が高い明所ほど)、その値が大きくなるように設定される(ステップS120)。
【0062】
従って、式(1)に従い、照度が低い画像に対しては(暗所の状態)では、短波長側の緑色のフィルタのRAWデータG2の重み付け係数K2が、長波長側の緑色のフィルタのRAWデータG1の重み付け係数K1に比べて、相対的に大きくなるように、補正された緑色の補正信号G´が算出される(ステップS130)。
【0063】
算出された緑色の補正信号G´は、式(2)に従い、輝度信号の低域成分(YL)の算出に利用される。即ち、輝度信号の低域成分(YL)の算出において、低域側の寄与率が向上される(ステップS140)。
【0064】
そして、輝度信号の低域成分(YL)と輝度信号の高域成分(YH)とが加算されることにより、輝度信号(Y)が生成される(ステップS150)。
【0065】
以上のように本実施形態では、図5に示すように、被写体の照度が低い状態(AGCゲインが高い状態)では、短波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタからのRAWデータG2に対する係数K2が大きくなるように設定した。換言すれば、被写体の照度が低いほど、緑色の合成信号G’を生成するにあたって、短波長側に感度のピークを有する緑色のフィルタからの画像データG2の重みづけを大きくすることにした。これにより、暗所において人間の目に視認しやすい緑色を再現した画像を生成できる。これは、人間の目が、暗所において、短波長側の500nm近傍の光(G2)を主に認識する桿体細胞を働かせることで物体を視認する視覚特性に基づくものである。
【0066】
また、係数K1、K2の値は、AGCゲインの値に応じて線形的に変化するように設定される。これにより、緑色の種類が突然変化しないため、暗所と明所と間における切り替わりにおいても、人間の目に違和感の残らない画像を生成できる。
【0067】
なお、本例では、係数K1、K2は、共に0以上、1以下である(0≦K1≦1、0≦K2≦1)。また、係数K1、K2の和は、1である(K1+K2=1)。これは、色再現性を確保しつつ、輝度信号における緑色の成分Gが増減しないようにするためである。
【0068】
[2.他の実施の形態]
実施の形態の一例として、実施の形態1を説明した。しかし、実施の形態は、これらには限定されない。以下は、その他の実施の形態に関するものである。
【0069】
上記の実施の形態1では、撮像手段として、CMOSイメージセンサ140を例示したが、これに限定されない。例えば、撮像手段としては、CCDイメージセンサやNMOSイメージセンサ等を用いてもよい。
【0070】
また、画像処理部160とコントローラ180とは、1つの半導体チップで構成してもよく、別々の半導体チップで構成してもよい。
【0071】
また、実施の形態1においては、図5に示すように、係数K1、K2がAGCゲインに応じて、線形的に変化するように設定した。しかしながら、必ずしもこのような構成に限定されない。例えば、所定のAGCゲインを境として、輝度信号の緑色成分をRAWデータG1、G2の何れかに切り替えるような構成としてもよい。これにより、簡単な構成で、暗所においても人間の目に視認しやすい画像を生成できる。
【0072】
また、実施の形態1においては、緑色のカラーフィルタ(G1、G2)の分光特性を同一とした。しかしながら、必ずしもこのような例には限定されない。例えば、緑色のカラーフィルタG2の分光特性が、緑色のカラーフィルタG1の分光特性よりも裾広がりとなってもよい。これにより、暗所においてより高い感度の画像を生成できる。
【0073】
また、実施の形態1においては、輝度信号(Y)を、輝度信号の低域成分(YL)と輝度信号の高域成分(YH)との和として算出した。しかしながら、必ずしもこのような例には限定されない。例えば、AGCゲインが高ければ高いほど(すなわち、被写体の照度が低ければ低いほど)、下記式(6)示す輝度信号の高域成分(YH)の加算比率αを下げるようにしてもよい。これにより、撮像画像のS/N比の劣化を軽減することができる。
【0074】
【数6】
また、実施の形態1においては、係数K1、K2をAGCゲインに基づいて決定した。しかしながら、必ずしもこのような例には限定されない。例えば、撮像画像の色温度に基づいて係数K1、K2を決定してもよい。
【0075】
また、実施の形態1においては、輝度信号の低域成分(YL)の算出式を数式(2)により算出した。しかしながら、必ずしもこのような構成とする必要はない。例えば、以下の式(7)に示す係数を用いて算出してもよい。
【0076】
【数7】
また、実施の形態1においては、各カラーフィルタの配置を図3に示すようなものとした。しかしながら、必ずしもこのような構成とする必要はない。例えば、図6〜図10に示すカラーフィルタ(1)〜(5)の配置としてもよい。即ち、撮像素子140が、2種類の緑色の第1、第2カラーフィルタ(G1、G2)を有していれば、どのような配置であっても適用可能である。
【0077】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本開示は、撮像素子や、カラーフィルタを透過した入射光に基づき画像データを生成する撮像素子を有する撮像装置に適用できる。
【符号の説明】
【0079】
100 デジタルビデオカメラ
110 光学系
120 レンズ駆動部
130 シャッタ
140 CMOSイメージセンサ
141 カラーフィルタ
150 A/Dコンバータ
160 画像処理部
170 バッファ
180 コントローラ
190 カードスロット
200 メモリカード
210 操作部
220 表示モニタ
240 内部メモリ
300 絞り部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射した光に基づき画像信号を生成する撮像素子であって、
赤色のカラーフィルタと、
青色のカラーフィルタと、
2種類の緑色の第1、第2カラーフィルタとを備え、
前記緑色の第1カラーフィルタは、前記緑色の第2カラーフィルタの分光感度のピークの波長よりも長波長側領域において分光感度のピークを有する
撮像素子。
【請求項2】
前記緑色の第1カラーフィルタの分光感度の第1ピークの波長は、人間の目の明所における比視感度(明所視比視感度)特性に基づき決定され、
前記緑色の第2カラーフィルタの分光感度の第2ピークの波長は、人間の目の暗所における比視感度(暗所視比視感度)特性に基づき決定される
請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記第1ピークは、550nm近傍に設けられ、
前記第2ピークは、500nm近傍に設けられる
請求項2に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記緑色の第1、第2カラーフィルタは、ロウ方向及びカラム方向において、それぞれ市松模様状に、相互補間的に配置され、
前記赤色、青色のカラーフィルタは、前記ロウ方向及びカラム方向において、前記緑色の第1カラーフィルタに対して、補間的に配置され、
前記赤色、青色のカラーフィルタの配置の順序は、前記ロウ方向において、配置される列ごとにそれぞれ反転される
請求項1乃至3のいずれかに記載の撮像素子。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像素子と、
前記撮像素子により生成される画像信号を被写体の照度レベルに応じて補正して、輝度信号を生成する制御部と、を備える
撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1カラーフィルタに適用され、前記被写体の照度レベルが低いほど、その値が小さくなる第1係数、及び
前記第2カラーフィルタに適用され、前記被写体の照度レベルが低いほど、その値が大きくなる第2係数を用いて、前記輝度信号を補正する
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1及び第2係数は、前記被写体の照度レベルに応じて線形的に変化する、請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第1及び第2係数が、共に0以上1以下であり、かつ、前記第1係数と前記第2係数の和が1となる、
請求項6又は7に記載の撮像装置。
【請求項1】
入射した光に基づき画像信号を生成する撮像素子であって、
赤色のカラーフィルタと、
青色のカラーフィルタと、
2種類の緑色の第1、第2カラーフィルタとを備え、
前記緑色の第1カラーフィルタは、前記緑色の第2カラーフィルタの分光感度のピークの波長よりも長波長側領域において分光感度のピークを有する
撮像素子。
【請求項2】
前記緑色の第1カラーフィルタの分光感度の第1ピークの波長は、人間の目の明所における比視感度(明所視比視感度)特性に基づき決定され、
前記緑色の第2カラーフィルタの分光感度の第2ピークの波長は、人間の目の暗所における比視感度(暗所視比視感度)特性に基づき決定される
請求項1に記載の撮像素子。
【請求項3】
前記第1ピークは、550nm近傍に設けられ、
前記第2ピークは、500nm近傍に設けられる
請求項2に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記緑色の第1、第2カラーフィルタは、ロウ方向及びカラム方向において、それぞれ市松模様状に、相互補間的に配置され、
前記赤色、青色のカラーフィルタは、前記ロウ方向及びカラム方向において、前記緑色の第1カラーフィルタに対して、補間的に配置され、
前記赤色、青色のカラーフィルタの配置の順序は、前記ロウ方向において、配置される列ごとにそれぞれ反転される
請求項1乃至3のいずれかに記載の撮像素子。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像素子と、
前記撮像素子により生成される画像信号を被写体の照度レベルに応じて補正して、輝度信号を生成する制御部と、を備える
撮像装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1カラーフィルタに適用され、前記被写体の照度レベルが低いほど、その値が小さくなる第1係数、及び
前記第2カラーフィルタに適用され、前記被写体の照度レベルが低いほど、その値が大きくなる第2係数を用いて、前記輝度信号を補正する
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1及び第2係数は、前記被写体の照度レベルに応じて線形的に変化する、請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第1及び第2係数が、共に0以上1以下であり、かつ、前記第1係数と前記第2係数の和が1となる、
請求項6又は7に記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−66168(P2013−66168A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172261(P2012−172261)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]