説明

撮像素子用清掃装置

【課題】撮像素子表面に付着した異物を確実に除去し、簡易な構造を有する清掃装置を提供する。
【解決手段】デジタル一眼レフカメラに設けられた清掃装置10のファン16から送りだされた空気は、矢印Dの示すように、LPF受光面34Sに沿って、LPF34の輪郭の長辺に平行な方向に流れる。LPF受光面34Sから異物を取り除いた空気は、さらに矢印E、FおよびGの示す方向に移動し、清掃装置10に吸入される。吸入された空気中の異物は、清掃装置10に設けられたフィルタによって除去される。異物を除去された空気は再びファン16によって送出される。清掃装置10による空気の送出と吸入とは連続的に繰り返され、LPF受光面34S上の異物は確実に除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃装置に関し、特に、レンズ交換式デジタルカメラの撮像素子等に付着する異物を取り除く清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レンズ交換式のデジタルカメラが普及しつつある。レンズ交換式デジタルカメラにおいては、レンズ交換等により混入する埃などの異物が、内蔵された撮像素子の表面に付着する場合がある。そして、異物が撮像素子に付着することによる画質の低下を防ぐために、撮像素子表面から異物を取り去る装置が知られている。
【0003】
撮像素子表面から異物を取り去る装置としては、撮像素子が設けられたカメラの外部から給送口を介して取り入れた空気を撮像素子に向けて噴出させ、排出口から異物とともに排出させるものや(例えば特許文献1)、カメラ内のボンベから空気を撮像素子に向けて噴出させ、異物とともに排出させるものが知られている(例えば特許文献2)。
【特許文献1】特開2003−319218号公報(段落[0019]〜[0023]、[0027]〜[0031]、図1、4、13、14等参照)
【特許文献2】特開2003−319219号公報(段落[0021]〜[0027]、[0031]〜[0035]、図1、4等参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
外部から取り入れた空気を撮像素子に吹き付けて異物を除去する場合、取り入れた空気に含まれていた埃等の異物をカメラ内に持ち込む可能性があり、効率的な異物の除去は困難である。また、撮像素子が設けられたカメラ内に空気を送り出すためのボンベ等を設けると、異物を除去する装置、およびカメラの構造が複雑化してしまう。
【0005】
本発明は、撮像素子表面に付着した異物を確実に除去することができ、簡易な構造を有する清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の清掃装置は、撮影装置に設けられた撮像素子ユニットの被清掃面にある異物を取り除く清掃装置であって、被清掃面上に空気を送出し、被清掃面を通過した空気を吸入して空気を循環させる空気循環手段と、空気循環手段により吸入された空気から異物を除去する異物除去手段とを備え、空気循環手段と異物除去手段とが、被清掃面に垂直な柱状の領域の周囲に設けられていることを特徴とする。
【0007】
空気循環手段は、撮像素子ユニットと隣り合うように設けられていることが好ましい。また、空気循環手段は、被清掃面に沿った方向に空気を送出することが好ましい。
【0008】
撮影装置は、例えばシャッタ幕を有し、この場合、空気循環手段が、シャッタ幕の走行方向に垂直な方向に空気を送出することが望ましい。
【0009】
清掃装置は、空気循環手段によって循環される空気の通路を形成する導風部材をさらに有することが望ましい。そしてこの場合、導風部材が、空気循環手段と撮像素子ユニットとを覆うカバーであることがより望ましい。
【0010】
空気循環手段は、例えば、回転体と、回転体に設けられた空気を送出するための翼部と、回転体を回転させる回転手段とを有する送風手段を含む。また、清掃装置は、空気循環手段によって循環される空気の通路を形成する導風部材をさらに有し、撮像素子ユニットが略直方体形状であって、送風手段が撮像素子ユニットの一辺側に配置されており、撮像素子ユニットの他辺に沿って配置された導風部材が、送風手段によって送り出された空気を撮像素子ユニットの縁部に沿って送風手段に戻すための通路を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像素子表面に付着した異物を確実に除去し、簡易な構造を有する清掃装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態におけるデジタル一眼レフカメラの内部を概略的に示す斜視図である。図2は、撮像素子ユニットの内部を示すデジタル一眼レフカメラの概略的な正面図である。図3は、図2におけるIII
―III線に沿ったデジタル一眼レフカメラの断面図である。
【0013】
デジタル一眼レフカメラ20においては、複数の撮影レンズ(図示せず)のうち、ユーザによって選択されたものがレンズマウント22に取付けられ、使用される。ここでは、撮影レンズが取外された状態のデジタル一眼レフカメラ20を示している。
【0014】
デジタル一眼レフカメラ20の内部には、撮像素子ユニット30が設けられている。撮像素子ユニット30は、清掃装置10とCCDユニット40とを含む。清掃装置10とCCDユニット40とは、矢印Aの示すデジタル一眼レフカメラ20の水平方向に沿って、互いに隣接している。
【0015】
すなわち、CCDユニット40は、レンズマウント22に取付けられた撮影レンズの光軸が中心を通るように、デジタル一眼レフカメラ20のほぼ中心に配置され、清掃装置10は、CCDユニット40に入射する入射光の光路から外れるように、CCDユニット40の周囲に配置されている。
【0016】
また、清掃装置10には、薄い板状のカバー12(導風部材)が設けられており、カバー12は、清掃装置10とCCDユニット40とを覆っている。カバー12には、デジタル一眼レフカメラ20の前面20Fと平行な方向に延びる前面板12F、前面板12Fの端部から前面板12Fに垂直に、デジタル一眼レフカメラ20の側面20Sに平行な方向に延びる側壁板12S、デジタル一眼レフカメラ20の底面20Bに平行な上板12U、下板12Bが含まれる。
【0017】
CCDユニット40においては、CCD32とローパスフィルタ(以下、LPFという)34とが、基板36上に設けられている(図2参照)。CCD32とLPF34とは、いずれも、輪郭が矩形状であり、その長辺がデジタル一眼レフカメラ20の水平方向、短辺が垂直方向にそれぞれ沿うように配置されていて、LPF34はCCD32よりもデジタル一眼レフカメラ20の前面20F側に配置されている。
【0018】
清掃装置10は、LPF34の表面に付着した埃などの異物を除去し、CCDユニット40を清浄に保つために使用される。このため清掃装置10にはファン16(空気循環手段・送風手段)が設けられており、ファン16がLPF34の表面上に空気を送出し、LPF34の表面を通過し、その表面にあった異物を含む空気が、清掃装置10内に吸入される。吸入された空気は、清掃装置10のフィルタ(図示せず)を通過し、このとき吸入空気中の異物が除去される。
【0019】
図2における、互いに平行する一組の破線、もしくは互いに平行するLPF34の輪郭と破線とで囲まれた細長い領域は、カバー12において、レンズマウント22に取付けられた撮影レンズの光軸方向、すなわち紙面に垂直な方向に延びる部分の下端面を示す。例えば、基板36の輪郭に近い一組の破線は、側壁板12S、上板12Uおよび下板12Bの下端面を示しており、側壁板12S、上板12Uおよび下板12Bがいずれも基板36の端部付近に接している(図1参照)ことから明らかであるように、これらの下端面は、板状の導風部材である基板36に対する接触面である。
【0020】
さらにカバー12は、後述するように、撮像素子ユニット30内の空間を隔てるための内壁板(図示せず)を含んでいる。内壁板は、基板36の清掃装置10側の領域36E、およびファン16の周辺部16Eにおいて、前面板12Fに向かって垂直な方向に延びるように配置されている。また、図2における、LPF34の輪郭の長辺と長辺に沿った破線とで囲まれた細長い領域は、前面板12FとLPF34とが接触する接触面を示している(図3参照)。
【0021】
上述のように形成されたカバー12は、撮像素子ユニット30を保護するとともに、水平方向において互いに隣り合う清掃装置10とCCDユニット40との間で循環する空気の通路を形成する。
【0022】
また、デジタル一眼レフカメラ20のシャッタ機構は、いわゆる縦走り方式を採用しており、シャッタ幕24(図3参照)は、矢印Bの示すデジタル一眼レフカメラ20の垂直方向に沿って走行する。そして清掃装置10は、後述するように、LPF34の表面に沿って、デジタル一眼レフカメラ20の水平方向に空気を送出する。このようにファン16が、シャッタ幕24の走行方向とは垂直な方向に空気を送出することにより、シャッタ幕24を構成する、水平方向に延びる複数のシャッタ羽根(図示せず)同士が重なり合う部分に溜まる可能性のある埃等も除去することができる。
【0023】
なお清掃装置10は、デジタル一眼レフカメラ20を起動するためのスイッチ(図示せず)がオン状態になったときと、撮影レンズがレンズマウント22に取付けられたときに、デジタル一眼レフカメラ20のCPU(図示せず)の制御により自動的に作動する。このように清掃装置10は、CCDユニット40の清掃の必要性が高い場合に所定の時間だけ作動するが、CCDユニット40等に直接接触することなく、空気を循環させることで異物を除去できることから、デジタル一眼レフカメラ20の起動中は、例えば撮影動作中も含めて問題なく作動できる。
【0024】
図4は、図3における撮像素子ユニット30を拡大して示す断面図である。
【0025】
撮像素子ユニット30の構造につき、図4を参照して以下に説明する。CCDユニット40においては、CCD32とLPF34とを所定の間隔、位置に保持するためのパッキン38が設けられている。このように本実施形態では、CCD32の表面は露出しておらず、清掃装置10の清掃の対象は、表面が露出しているLPF34の受光面34Sである。また、カバー12の前面板12F、上板12U、下板12Bおよびパッキン38等によって囲まれる空間は、後述するように、LPF受光面34Sに付着していた異物を含む空気が通過するための第1通路Pである。
【0026】
図5は、循環する空気の流れとともに撮像素子ユニット30を概略的に示す斜視図である。図6は、循環する空気の流れとともに撮像素子ユニット30を概略的に示す平面図である。
【0027】
以下、清掃装置10とCCDユニット40との間で循環する空気の流れについて説明する。なお図6では、カバー12、パッキン38等が省略されており、図5では、これらに加えて清掃装置10のフィルタ14が省略されている。
【0028】
清掃装置10のファン16は、略直方体状である撮像素子ユニット30の輪郭の一辺の近傍に配置されている。ファン16には、回転体13(送風手段)と、回転体13に設けられた複数の翼部18(送風手段)とが含まれる。そして、電力供給されたモータ15(回転手段・空気循環手段・送風手段)が回転体13を回転させると、矢印Cの示すように、翼部18からCCDユニット40に向けて空気が送り込まれる。
【0029】
送出された空気は、矢印Dの示すようにLPF受光面34Sに沿って進み、このときLPF受光面34Sの異物を取り除く。除去した異物を含む空気は、ここでは図示しないカバー12の側壁面12S(図1参照)によってそれ以上直進できなくなるため、矢印Eの示すように進路が変更され、LPF34の上面34U、および下面34Bに沿った方向に進む。
【0030】
異物を含む空気は、矢印Fの示すように、図示しないカバー12の上板12UとLPF34の上面34Uとの間、およびカバー12の下板12BとLPF34の下面34Bとの間に形成された通路(先述の第1通路P)を通過し、矢印Gおよび矢印H(図6参照)の示すように清掃装置10に吸入される。吸入された空気中の異物は、フィルタ14により除去され(図6参照)、異物を除かれた空気は、回転体13に設けられた吸入口13Mを介してファン16に移動し、矢印Cの示すようにCCDユニット40に向けて再び送出される。
【0031】
なお、図6に示すように、清掃装置10はモータ15を除くとほぼ平面状であり、さらにこの清掃装置10が、清掃の対象であるLPF受光面34Sに平行な方向に沿って設けられていることから、清掃装置10、および清掃装置10を含む撮像素子ユニット30は、ほぼ平面状の簡易な構造を有する。
【0032】
図7は、図6におけるVII―VII線に沿った撮像素子ユニット30の断面図であり、図8は、図6におけるVIII―VIII線に沿った撮像素子ユニット30の断面図である。図9は、図2におけるIX―IX線に沿った撮像素子ユニット30の断面図である。
【0033】
図7〜9を参照して、循環する空気の通路等につき以下に説明する。清掃装置10によって送出された空気は、カバー12における、清掃装置10の外側を覆う領域と内壁板12Iとによって拡散することが防止され、矢印Cの示すように、一対の内壁板12Iの間の空間においてCCDユニット40に向かって進む。この送出空気は、パッキン38とLPF34の第1の側面34Aにぶつかり、LPF受光面34Sに向かうように上方に進む(図6、9参照)。
【0034】
LPF受光面34Sに到達した空気は、前面板12Fの吐出側端部12LとLPF受光面34Sとの隙間から、矢印Dの示すように、LPF受光面34Sに沿って進む(図9参照)。吐出側端部12Lは、LPF受光面34Sの清掃装置10側の端部を覆うようにLPF受光面34Sに沿って延びているため、多量の送出空気がLPF受光面34Sから離れることが防止される。なお一部の空気は、LPF受光面34Sから離れて進み、シャッタ幕24(図3参照)における異物の除去に使用される。
【0035】
LPF受光面34Sに沿って進む空気によってLPF受光面34S上の異物は除去され、この異物を含んだ空気は、前面板12Fの吸入側端部12TとLPF受光面34Sとの隙間を通過する(図9参照)。この空気は、カバー12の側壁面12Sによってそれ以上直進できなくなり、矢印Eの示すように、LPF34の第2の側面34C、側壁板12Sおよびパッキン38によって囲まれた第2通路Qを通過し、前面板12F、上板12U、下板12Bおよびパッキン38等によって囲まれた一対の第1通路P(図4、7、8参照)に向かって進む。異物を含んだ空気は、矢印Fの示すように第1通路Pを通過すると、矢印Gの示すように清掃装置10に向かって進む(図8、9参照)。
【0036】
このように、ファン16により送り出された空気は、略直方体形状である撮像素子ユニット30の輪郭のうち、ファン16が近傍に配置されている辺以外の辺に沿って配置された側壁板12S、上板12Uおよび下板12B等により、すなわち、撮像素子ユニット30の縁部に沿って設けられた第1および第2通路P、Qにより、ファン16に戻る。
【0037】
ここで、内壁板12Iにおける清掃装置10の外周に沿った領域であって、CCDユニット40に近い第1円弧領域12I(図8参照)が、清掃装置10の吸気側、すなわちCCDユニット40でのLPF受光面34S側において清掃装置10とCCDユニット40との間の空間を隔てているのに対し、第1円弧領域12Iの両端側に位置する一対の第2円弧領域12I(図7参照)は、清掃装置10の吸気側においては清掃装置10とCCDユニット40との間の空間を隔てていない(図6〜8参照)。
【0038】
このように内壁板12Iが形成されていることから、異物を含んだ空気は、第2円弧領域12Iを越えてその上方を通る、すなわち第2円弧領域12Iと前面板12Fとの間の空間を通ることにより、矢印Gの示すように、第1通路Pから清掃装置10に向かって進むことができる。
【0039】
異物を含んだ空気は、清掃装置10と前面板12Fとの間の空間から、矢印Hの示すように、清掃装置10に吸入されフィルタ14を通過する。フィルタ14を通過して異物が除去された空気は、ファン16によって再びCCDユニット40に向けて送出される。以下、空気の送出と吸入とは連続的に繰り返される。
【0040】
なお、第1円弧領域12Iは、清掃装置10の吐出側、すなわちCCDユニット40での基板36側においては清掃装置10とCCDユニット40との間の空間を隔てていないのに対し、第2円弧領域12Iが、清掃装置10の吐出側において清掃装置10とCCDユニット40との間の空間を隔てている(図7参照)ことから、先述のように送出空気の拡散が防止され、矢印Cの示す方向に空気が進む。
【0041】
矢印F、GおよびHは、図5〜8より明らかであるように、図9に示された撮像素子ユニット30の断面における空気の流れではなく、図9に示された撮像素子ユニット30の断面の上下、すなわち図9の紙面の上下における空気の流れを示しているが、説明の便宜上、これらの矢印も図9に加えてある。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、デジタル一眼レフカメラ20の内部、特に、LPF受光面34Sの近傍を除きカバー12によって密閉されている撮像素子ユニット30の内部で空気を循環させることにより、清掃装置10は、CCDユニット40の異物を確実に除去できる。
【0043】
さらに清掃装置10においては、内壁板12Iを含むカバー12等によって循環させる空気の流路を調整することにより、清掃の対象であるCCDユニット40と一体的に、なおかつほぼ同じ厚さで同一平面上に設けられているという簡易な構造が実現されている。このため、清掃装置10は、デジタル一眼レフカメラ20のスペースを有効に活用した配置が可能である。
【0044】
清掃装置10は、効率的に異物を除去するために、CCDユニット40の近傍であって、本実施形態のようにCCDユニット40の横側、すなわちデジタル一眼レフカメラ20の水平方向(図1の矢印Aの示す方向)に設けられていることが好ましいが、デジタル一眼レフカメラ20内の他の部材の配置に応じて、CCDユニット40の上下側、すなわちCCDユニット40と垂直方向(図1の矢印Aの示す方向に対し垂直な方向)に隣接していても良い。特に、シャッタ幕24がデジタル一眼レフカメラ20の水平方向に走る場合、清掃装置10は、シャッタ幕24の異物をも効果的に除去すべく、デジタル一眼レフカメラ20の垂直方向に送風できるように、CCDユニット40と垂直方向で隣接することが好ましい。
【0045】
さらに、清掃装置10および撮像素子ユニット30が平面状の簡易な構造を有するように、清掃装置10と清掃されるLPF受光面34Sとは平行な方向に沿って隣接するように設けられていることが好ましいものの、清掃装置10の配置はこれには限定されない。例えば、清掃装置10は、LPF受光面34Sの横側に接する位置のみならず、LPF受光面34Sに垂直な柱状の領域の周囲、すなわち、LPF受光面34Sの周囲であって、かつLPF受光面34Sに対して垂直な領域を除く領域に設けられていても良い。
【0046】
これは、LPF受光面34Sに対して垂直な領域のうち、LPF受光面34Sの上方に清掃装置10が配置されると、CCDユニット40に入射する入射光の光路を清掃装置10が遮ってしまうためであり、また、LPF受光面34Sの下方に配置された場合においても、他の部材の配置に対する立体的な障害が大きくなるためである。
【0047】
また、清掃装置10による清掃の対象は、本実施形態におけるLPF受光面34Sには限定されない。例えば、LPF34が設けられておらず、表面にCCD32が配置されたCCDユニットにおいては、CCD32の受光面等を清掃しても良い。さらに、保護フィルタ等が表面に設けられたCCDユニットにおいては、これらの受光面等を清掃の対象としても良い。
【0048】
清掃装置10は、レンズ交換が可能であって、異物の混入する可能性の高いデジタル一眼レフカメラ20以外の撮影装置である、通常のデジタルカメラ、あるいはビデオカメラ等に設けられても良い。また、所望のタイミングでCCDユニット40を清掃できるように、清掃装置10を作動させるためのスイッチをデジタル一眼レフカメラ20に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施形態におけるデジタル一眼レフカメラの内部を概略的に示す斜視図である。
【図2】撮像素子ユニットの内部を示すデジタル一眼レフカメラの概略的な正面図である。
【図3】図2におけるIII―III線に沿ったデジタル一眼レフカメラの断面図である。
【図4】図3における撮像素子ユニットを拡大して示す断面図である。
【図5】循環する空気の流れとともに撮像素子ユニットを概略的に示す斜視図である。
【図6】循環する空気の流れとともに撮像素子ユニットを概略的に示す平面図である。
【図7】図6におけるVII―VII線に沿った撮像素子ユニットの断面図である。
【図8】図6におけるVIII―VIII線に沿った撮像素子ユニットの断面図である。
【図9】図2におけるIX―IX線に沿った撮像素子ユニットの断面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 清掃装置
12 カバー(導風部材)
13 回転体(送風手段)
14 フィルタ(異物除去手段)
15 モータ(回転手段・空気循環手段・送風手段)
16 ファン(空気循環手段・送風手段)
18 翼部(送風手段)
20 デジタル一眼レフカメラ(撮影装置)
24 シャッタ幕
30 撮像素子ユニット
32 CCD(撮像素子ユニット)
34 LPF
34S LPF受光面(被清掃面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置に設けられた撮像素子ユニットの被清掃面にある異物を取り除く清掃装置であって、
前記被清掃面上に空気を送出し、前記被清掃面を通過した空気を吸入して空気を循環させる空気循環手段と、
前記空気循環手段により吸入された空気から前記異物を除去する異物除去手段とを備え、
前記空気循環手段と前記異物除去手段とが、前記被清掃面に垂直な柱状の領域の周囲に設けられていることを特徴とする清掃装置。
【請求項2】
前記空気循環手段が、前記撮像素子ユニットと隣り合うように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。
【請求項3】
前記空気循環手段が、前記被清掃面に沿った方向に空気を送出することを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。
【請求項4】
前記撮影装置がシャッタ幕を有し、前記空気循環手段が、シャッタ幕の走行方向に垂直な方向に空気を送出することを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。
【請求項5】
前記空気循環手段によって循環される空気の通路を形成する導風部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。
【請求項6】
前記導風部材が、前記空気循環手段と前記撮像素子ユニットとを覆うカバーであることを特徴とする請求項5に記載の清掃装置。
【請求項7】
前記空気循環手段が、回転体と、前記回転体に設けられた空気を送出するための翼部と、前記回転体を回転させる回転手段とを有する送風手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の清掃装置。
【請求項8】
前記空気循環手段によって循環される空気の通路を形成する導風部材をさらに有し、前記撮像素子ユニットが略直方体形状であって、前記送風手段が前記撮像素子ユニットの一辺側に配置されており、前記撮像素子ユニットの他辺に沿って配置された前記導風部材が、前記送風手段によって送り出された空気を前記撮像素子ユニットの縁部に沿って前記送風手段に戻すための通路を形成することを特徴とする請求項7に記載の清掃装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−61108(P2008−61108A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−237944(P2006−237944)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】