説明

撮像表示装置、撮像表示方法及びプログラム

【課題】より簡単な操作で時刻表の必要な部分のみを明瞭に表示させる。
【解決手段】時刻表画像を撮影するレンズ光学系12、CCD13を含む撮像系と、この撮像系で得た時刻表画像を記憶するメモリカード29と、現在時刻を計時する計時部30と、メモリカード29に記憶された時刻表画像から計時部30で得られる現在時刻に対応する時刻表示欄の位置を検出し、検出した位置に基づいて時刻表画像から部分画像を抽出し、抽出した時刻表画像の部分画像を拡大して表示部26に表示させる制御部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばデジタルカメラやカメラ機能付き携帯電話機等に好適な撮像表示装置、撮像表示方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、カメラ機能付きの携帯電話機やデジタルカメラが広く普及し、日常を取り巻く各種の映像、例えば目についた看板や町の風景等を手軽に記録して利用することが可能な環境となっている。
【0003】
このようなカメラの利用法の1つとして、電車やバスの時刻表を撮影して記録しておき、必要に応じてその内容を読出して画面表示させ、確認することが考えられる。
【0004】
しかしながら、被写体としての時刻表は細かい文字画像の集まりであり、高い解像度と鮮鋭度、及びコントラストが必要となるもので、撮影の仕方によっては手振れ等により容易にボケた、判読不能なものなってしまう可能性が高い。
【0005】
この点で有効な手段の1つとして、簡単な操作によって手振れの有無を確認しつつ画像記録を進めることが可能な技術が考えられている。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開2001−177753号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば上記特許文献1のような技術を用いることで、手振れを生じずに判読可能な時刻表の画像を撮影し、記録することは可能となると思われる。
【0007】
しかしながら、その記録した画像を読出して表示させる場合、一般にデジタルカメラにしてもカメラ付き携帯電話機にしても、撮影系のCCD等のイメージセンサの画素構成に比して表示系のLCDパネルの画素構成は大幅に少ないので、撮影した画像の解像度をそのまま活かした表示を行なうことはできない。
【0008】
そのため、記録した時刻表画像を読出して表示させる際には、画素を間引いて画像全体を表示させるか、あるいは部分画像を表示させるかのどちらかしか方法がなく、いずれにしてもユーザが必要としている時間帯の内容を選択して容量の小さい画面に明瞭に表示させるためには、どうしても煩雑なキー操作が必要となる。
【0009】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、より簡単な操作で時刻表の必要な部分のみを明瞭に表示させることが可能な撮像表示装置、撮像表示方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、時刻表画像を撮影する撮像手段と、この撮像手段で得た時刻表画像を記憶する記憶手段と、現在時刻を計時する計時手段と、上記記憶手段に記憶された時刻表画像から上記計時手段で得られる現在時刻に対応する時刻表示欄の位置を検出する検出手段と、この検出手段で検出した位置に基づいて時刻表画像から部分画像を抽出する抽出手段と、この抽出手段で得た時刻表画像の部分画像を拡大して表示画面に表示する表示制御手段とを具備したことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記抽出手段は、現在時刻以降の時刻表示欄の部分画像を抽出することを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、上記抽出手段は、現在時刻の属する時刻表示欄を中心とした部分画像を抽出することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記請求項2または3記載の発明において、上記抽出手段は、現在時刻に対応する時刻表示欄を含む所定時間範囲の部分画像を抽出することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、時刻表画像を撮影する撮像工程と、この撮像工程で得た時刻表画像を記憶する記憶工程と、現在時刻を計時する計時工程と、上記記憶工程で記憶した時刻表画像から上記計時工程で得られる現在時刻に対応する時刻表示欄の位置を検出する検出工程と、この検出工程で検出した位置に基づいて時刻表画像から部分画像を抽出する抽出工程と、この抽出工程で得た時刻表画像の部分画像を拡大して表示画面に表示する表示制御工程とを有したことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、画像を撮影して表示画面に表示可能な撮像表示装置に内蔵されたコンピュータが実行するプログラムであって、時刻表画像を撮影する撮像ステップと、この撮像ステップで得た時刻表画像を記憶する記憶ステップと、現在時刻を計時する計時ステップと、上記記憶ステップで記憶した時刻表画像から上記計時ステップで得られる現在時刻に対応する時刻表示欄の位置を検出する検出ステップと、この検出ステップで検出した位置に基づいて時刻表画像から部分画像を抽出する抽出ステップと、この抽出ステップで得た時刻表画像の部分画像を拡大して上記表示画面に表示する表示制御ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、現在の時刻に対応して時刻表画像中の必要な部分のみを拡大し明瞭に表示させることが可能となる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、本当に必要な部分画像のみを抽出して拡大し、確実に見やすい状態で表示させることができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、現在時刻を中心とした前後の部分画像を抽出して拡大表示することで、必要な内容のみならずその交通機関の前後の発着の傾向や度合い等をも窺い知ることができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項2または3記載の発明の効果に加えて、表示画面の大きさと拡大倍率との兼ね合いにもよるが、現在時刻から直近の時刻表示欄だけではなく所定時間範囲の部分画像を抽出して表示することで、他の予定等をも考慮してその後のスケジュール等を検討することが可能となる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、現在の時刻に対応して時刻表画像中の必要な部分のみを拡大して明瞭に表示させることが可能となる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、現在の時刻に対応して時刻表画像中の必要な部分のみを拡大して明瞭に表示させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(実施の一形態の構成)
以下本発明をデジタルカメラに適用した場合の実施の一形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、このデジタルカメラ10内の電子回路の機能構成について示すものである。
基本モードである撮影モードでのモニタリング状態においては、モータ(M)11の駆動により合焦位置や絞り位置が移動される、撮影レンズを含むレンズ光学系12の撮影光軸後方に配置された撮像素子であるCCD13が、タイミング発生器(TG)14、垂直ドライバ15によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
【0024】
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路(S/H)16でサンプルホールドされ、A/D変換器17でデジタルデータに変換され、カラープロセス回路18で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行なわれて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUV信号)が生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ19に出力される。
【0025】
DMAコントローラ19は、カラープロセス回路18の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、同じくカラープロセス回路18からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ19内部のバッファに書込み、DRAMインタフェース(I/F)20を介してバッファメモリとして使用されるDRAM21にDMA転送を行なう。
【0026】
制御部22は、CPUと、このCPUで実行される動作プログラムを固定的に記憶したROM、及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成され、このデジタルカメラ10全体の制御動作を司るもので、上記輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号(YUV信号)をDRAMインタフェース20を介してDRAM21より読出し、VRAMコントローラ23を介してVRAM24に書込む。
【0027】
表示エンコーダ25は、上記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ23を介してVRAM24より定期的に読出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部26に出力する。
【0028】
この表示部26は、バックライト付きのカラー液晶パネルで構成され、画像の撮影モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、表示エンコーダ25からのビデオ信号に基づいた表示を行なうことで、その時点で撮像素子である上記CCD13が取込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに表示することとなる。
【0029】
このように表示部26にその時点での撮影可能なスルー画像がリアルタイムに表示されている状態で、静止画撮影を行ないたいタイミングでキー入力部27を構成するシャッタキーを操作すると、トリガ信号を発生する。
【0030】
制御部22は、このトリガ信号に応じてその時点でCCD13から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送を取り止め、あらためて適正な露出条件に従った絞り値及びシャッタ速度でCCD13を走査駆動して1画面分の輝度及び色差信号を得てDRAM21へ転送し、その後にこの経路を停止し、記憶保存の状態に遷移する。
【0031】
この記憶保存の状態では、制御部22がDRAM21に書込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインタフェース20を介してY,Cb,Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読出してJPEG(Joint Photograph coding Experts Group)回路28に書込み、このJPEG回路28でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮する。
【0032】
そして、得た符号データを1画像のデータファイルとして該JPEG回路28から読出し、このデジタルカメラ10の記憶媒体として着脱自在に装着されるメモリカード29に書込む。
【0033】
このメモリカード29は、内部に不揮発性メモリであるフラッシュメモリを封入したものであり、メモリカード29に書込む画像データのファイルに関しては、例えばシャッタキー操作時に後述する計時部30から得られる日付と時刻、及びシリアル番号とよりなる所定桁数、例えば「04063012340001.jpg」のようなファイル名が自動的に付加されて記憶されるものとする。
【0034】
因みに、上記ファイル名「04063012340001.jpg」は、「(20)04」年「06」月「30」日「12」時「34」分に撮影した「0001」番目のJPEG方式で圧縮した静止画データであることを示している。
【0035】
なお、このメモリカード29とは別に、デジタルカメラ10に内蔵したフラッシュメモリを有するものとしてもよく、さらにはメモリカードと内蔵のフラッシュメモリの双方を併用するものとしてもよい。
【0036】
そして、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及びメモリカード29への全圧縮データの書込み終了に伴なって、制御部22はCCD13からDRAM21への経路を再び起動する。
【0037】
また、制御部22には、キー入力部27、計時部30、ストロボ駆動部31、及びUSBインターフェイス(I/F)32が接続される。
【0038】
キー入力部27は、上述したシャッタキーの他に、電源キー、撮影モードキー、再生モードキー、マクロキー、ストロボキー、メニュー(MENU)キー、リングキー、及びセット(SET)キー等から構成され、それらのキー操作に伴なう信号は直接制御部22へ送出される。
【0039】
計時部30は、このデジタルカメラ10の電源のオン/オフとは関係なく現在時刻、すなわち日付(年月日)と時刻(時分秒)を計時し続けるRTC(Real Time Clock)でなる。
【0040】
ストロボ駆動部31は、静止画像撮影時に図示しないストロボ用の大容量コンデンサを充電した上で、制御部22からの制御に基づいてストロボ発光部33を閃光駆動する。
【0041】
USBインターフェイス32は、USBコネクタ34を介して有線接続される外部の情報機器、例えばパーソナルコンピュータとの間で画像データその他の送受を行なう場合の通信制御を行なう。
【0042】
なお、上記通常の撮影モードとは別に、上記キー入力部27の撮影モードキーの操作により時刻表撮影モードが設定可能であるものとし、その時刻表撮影モードにあっては、撮影した時刻表の画像ファイルがメモリカード29に予め用意された時刻表フォルダに記憶されるものとする。
【0043】
この時刻表フォルダに記憶される時刻表画像のファイル名は、上述したようにシャッタキー操作時に計時部30から得られる日付と時刻、及びシリアル番号とより自動的に設定したものではなく、このデジタルカメラ10のユーザが手動で任意に入力する、例えば「○○駅」のような内容であるものとする。
【0044】
しかるに、静止画像ではなく動画像の撮影時においては、キー入力部27のシャッタキーが1回目に操作されてから、上述した静止画像データのメモリカード29への記憶を時間的に連続して実行し、該シャッタキーの2回目の操作がなされるか、または所定の制限時間、例えば30秒が経過した時点で、メモリカード29に記憶されている一連の静止画データをモーションJPEGの動画データファイル(AVIファイル)として記憶設定し直す。
【0045】
また、再生モード時には、制御部22がメモリカード29に記憶されている画像データを選択的に読出し、JPEG回路28で撮影モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で圧縮されている画像データを伸長し、伸長した画像データをDRAMインタフェース20を介してDRAM21に保持させた上で、このDRAM21の保持内容をVRAMコントローラ23を介してVRAM24に記憶させ、このVRAM24よりVRAMコントローラ23が定期的に画像データを読出して表示エンコーダ25によりRGB信号を生成して表示部26に出力する。
【0046】
なお、選択した画像データが静止画像ではなく動画像であった場合、選択した動画像データのファイルを構成する個々の静止画像データの再生を時間的に連続して実行し、すべての静止画像データの再生を終了した時点で、次に再生の指示がなされるまでその動画像データの先頭に位置する静止画像データのみを用いて再生表示する。
【0047】
(実施の一形態の動作)
次に上記実施の形態の動作について説明する。
【0048】
図2は、キー入力部27の撮影モードキーの操作により時刻表撮影モードを設定して時刻表画像をメモリカード29の時刻表フォルダに登録する際の処理内容を示すもので、その制御動作は基本的に制御部22がROMに予め記憶している動作プログラムに基づいて実行するものである。
【0049】
その当初に文字画像である時刻表の撮影を行なうべく、例えばレンズ光学系12をマクロ撮影モードに切換えると共に、シャープネスをハード、コントラストを高めに設定して時刻表画像の撮影を開始し(ステップR01)、その時点でCCD13に結像している内容を表示部26にスルー画像として表示させながら(ステップR02)、キー入力部27のシャッタキーが操作されたか否かを判断する(ステップR03)、という処理を繰返し実行することで、該シャッタキーが操作されるのを待機する。
【0050】
しかして、シャッタキーが操作されるとステップR03でこれを判断し、得た画像データを一旦DRAM21に保持した状態とした上で(ステップR04)、この撮影した時刻表画像の保存を促すガイドメッセージとその選択肢を表示部26で例えば
「保存しますか?
YES:SET/NO:MENU」
のように表示し(ステップR05)、その表示通り保存を指示するキー操作がなされるか否かを判断する(ステップR06)。
【0051】
ここで、上記ガイドメッセージに対応して選択肢「NO」すなわち「MENU」キーが操作された場合には、上記撮影してDRAM21に保持している時刻表画像が無効であるものとして再度撮影を行なうべく上記ステップR01からの処理に戻る。
【0052】
また、上記ガイドメッセージに対応して選択肢「YES」すなわち「SET」キーが操作された場合には、次いでその時刻表画像に該当する駅名の入力を促すガイドメッセージを表示部26で例えば
「駅名を入力して下さい」
のように表示しながら(ステップR07)、実際にその駅名が入力されるとカナ漢字変換等を含むその入力処理を実行し(ステップR08)、当該駅名入力の処理が完了したか否か(ステップR09)、という処理を繰返すことで駅名入力が完了するのを待機する。
【0053】
しかして、駅名の入力が完了する所定のキー操作がなされた時点でこれをステップR09で判断し、入力された駅名をファイル名としてメモリカード29の時刻表フォルダに記憶設定すると共に(ステップR10)、そのファイル名に対応するものとしてDRAM21に記憶していた時刻表画像のデータをJPEG回路28にてデータ圧縮した後にメモリカード29の当該時刻表フォルダに記憶設定する(ステップR11)。
【0054】
これと共に表示部26において時刻表画像の登録を終えたことを示すガイドメッセージを例えば
「時刻表を登録しました」
のように一定時間表示して(ステップR12)、以上で時刻表の撮影と登録に関する一連の処理を終了し、この図2による処理を終了すると共に、時刻表撮影モードを自動的に解除する。
【0055】
次に、メモリカード29の時刻表フォルダにいくつかの時刻表画像のデータファイルが記憶されている状態で、そのうちの1つを選択して読出し、表示部26で表示させる場合の動作について説明する。
【0056】
図3は、キー入力部27の再生モードキーの操作により時刻表再生モードを設定し、登録した時刻表画像をメモリカード29の時刻表フォルダから読出して表示部26で表示する際の処理内容を示すもので、その制御動作は上記図2と同じく、基本的に制御部22がROMに予め記憶している動作プログラムに基づいて実行するものである。
【0057】
その当初には、メモリカード29の時刻表フォルダに記憶されている時刻表画像のデータファイルをサーチしてそのファイル名により駅名の一覧とそれらの中から1つを選択するのを促すガイドメッセージとを表示する(ステップD01)。
【0058】
いま、メモリカード29の時刻表フォルダに図4に示すような3つの時刻表画像のデータファイルが記憶されているものとすると、それらのファイル名である3つの駅名「○○駅」「××駅」「△△駅」を表示部26に一覧表示し、例えばそのうちの先頭に位置する駅名「○○駅」のみを仮の選択状態として反転表示すると共に、ガイドメッセージ
「駅名を指定して下さい
他候補:↑↓/指定:SET」
のように表示する。
【0059】
このような表示状態から、ガイドメッセージで示したキー操作を受付けることで駅名を指定する処理を実行するもので(ステップD02)、リングキーの「↑」キーまたは「↓」キーが操作された場合にはその操作に対応して、表示部26上で反転表示する候補の駅名を移動させ、併せて指定がなされたか否かを「SET」キーの操作の有無により判断する(ステップD03)、という処理を繰返し実行することで、いずれかの駅名が指定されるのを待機する。
【0060】
しかして、駅名が指定されるとステップD03でこれを判断し、指定された駅名をファイル名とする時刻表画像データを読出してDRAM21に展開記憶させる(ステップD04)。
【0061】
図5は、このとき読出され、DRAM21上に展開記憶された時刻表画像の内容を例示するものであり、「5」時台乃至「23」時台に渡る範囲の発車時刻を示している。
【0062】
制御部22はここで、計時部30が計時している現在の時刻を読取り(ステップD05)、読取った時刻に基づき、上記DRAM21に記憶させている時刻表画像を文字認識処理により解析して、現在時刻に対応する時刻表示欄を検出する(ステップD06)。
【0063】
図6は、このとき計時部30が計時している現在の日付及び時刻を例示するものであり、これらのうちの時刻部分、すなわち「10(時):00(分):00(秒)」に基づいて時刻表の画像中から、対応する「10時台」の時刻表示欄を検出することとなる。
【0064】
しかして、現在時刻に対応する時刻表示欄を検出すると、次いでその検出した表示欄を含んでそれ以降の所定範囲、例えば計7時間分の表示欄を部分画像として抽出し(ステップD07)、抽出した部分画像を表示部26の表示容量に対応して適宜拡大して表示し(ステップD08)、以上でこの図3に係る時刻表再生モードの一連の処理を終了するものとする。
【0065】
図7は、このとき表示部26に表示される「10時台」乃至「16時台」の計7時間分の時刻表の部分画像を例示するものであり、上記図5で示した1日分の時刻表画像に比して、現在の時刻に対応した7時間部分のみが抽出され、拡大して表示されていることがわかる。
【0066】
(実施の一形態の効果)
このように、予め登録している時刻表画像中からそのファイル名である駅名を選択して指定するだけのキー操作により、現在の時刻に対応して時刻表画像中の必要な部分のみを自動的に抽出し、拡大して表示部26で明瞭に表示させることが可能となる。
【0067】
この場合、特に現在の時刻に対応する表示欄以降の所定範囲を表示するようにしたので、本当に必要な部分画像のみを抽出して拡大し、確実に見やすい状態で表示させることができる。
【0068】
加えて、表示部26の画面の大きさと時刻表画像の各表示欄内の時刻の数に応じた拡大倍率との兼ね合いにもよるが、現在時刻から直近の時刻表示欄だけではなく、ある程度の時間幅を有する所定時間範囲、例えば7時間分の部分画像を抽出して表示することで、他の予定等をも考慮してその後のスケジュール等を検討することが可能となる。
【0069】
(実施の一形態の他の動作)
なお、上記図3の処理では、特に現在の時刻に対応する表示欄以降の所定範囲を表示するものとして説明したが、本発明はこれに限らず、現在時刻を中心とした所定範囲の前後の部分画像を抽出して拡大表示するものとしてもよい。
【0070】
以下、時刻表再生モード時の他の動作例についても説明する。
図8は、キー入力部27の再生モードキーの操作により時刻表再生モードを設定し、登録した時刻表画像をメモリカード29の時刻表フォルダから読出して表示部26で表示する際の処理内容を示すもので、その制御動作は上記図2と同じく、基本的に制御部22がROMに予め記憶している動作プログラムに基づいて実行するものである。
【0071】
その当初には、メモリカード29の時刻表フォルダに記憶されている時刻表画像のデータファイルをサーチしてそのファイル名により駅名の一覧とそれらの中から1つを選択するのを促すガイドメッセージとを表示する(ステップD01)。
【0072】
いま、メモリカード29の時刻表フォルダに上記図4に示したような3つの時刻表画像のデータファイルが記憶されているものとすると、それらのファイル名である3つの駅名「○○駅」「××駅」「△△駅」を表示部26に一覧表示し、例えばそのうちの先頭に位置する駅名「○○駅」のみを仮の選択状態として反転表示すると共に、ガイドメッセージ
「駅名を指定して下さい
他候補:↑↓/指定:SET」
のように表示する。
【0073】
このような表示状態から、ガイドメッセージで示したキー操作を受付けることで駅名を指定する処理を実行するもので(ステップD02)、リングキーの「↑」キーまたは「↓」キーが操作された場合にはその操作に対応して、表示部26上で反転表示する候補の駅名を移動させ、併せて指定がなされたか否かを「SET」キーの操作の有無により判断する(ステップD03)、という処理を繰返し実行することで、いずれかの駅名が指定されるのを待機する。
【0074】
しかして、駅名が指定されるとステップD03でこれを判断し、指定された駅名をファイル名とする時刻表画像データを読出してDRAM21に展開記憶させる(ステップD04)。
【0075】
このときに読出され、DRAM21上に展開記憶される時刻表画像の内容は上記図5に示したものと同様であるものとする。
【0076】
ここで制御部22は、計時部30が計時している現在の時刻を読取り(ステップD05)、読取った時刻に基づき、上記DRAM21に記憶させている時刻表画像を文字認識処理により解析して、現在時刻に対応する時刻表示欄を検出する(ステップD06)。
【0077】
このとき計時部30が計時している現在の日付及び時刻が上記図6に示した通りであるものとすると、制御部22はその時刻部分、すなわち「10(時):00(分):00(秒)」に基づいて時刻表の画像中から、対応する「10時台」の時刻表示欄を検出することとなる。
【0078】
しかして、現在時刻に対応する時刻表示欄を検出すると、次いでその検出した表示欄を中心とした所定範囲、例えば前後各3時間を含む計7時間分の表示欄を部分画像として抽出し(ステップD21)、抽出した部分画像を表示部26の表示容量に対応して適宜拡大して表示し(ステップD08)、以上でこの図8に係る時刻表再生モードの一連の処理を終了するものとする。
【0079】
図7は、このとき表示部26に表示される「10時台」乃至「16時台」の計7時間分の時刻表の部分画像を例示するものであり、上記図5で示した1日分の時刻表画像に比して、現在の時刻に対応した7時間部分のみが抽出され、拡大して表示されていることがわかる。
【0080】
(実施の一形態の他の効果)
このように、上記図3で説明した場合と異なり、現在時刻を中心として前後の所定時間幅分の部分画像を抽出して拡大表示することで、その時点以降に必要となる内容のみならず、その交通機関の前後の発着の傾向や度合い等をも窺い知ることができる。
【0081】
なお、上記実施例では、時刻表画像のデータファイルをまとめて記憶する時刻表フォルダは、このデジタルカメラ10に対して着脱自在に設けられるメモリカード29に記憶されるものとして説明したが、このメモリカード29の他に、固定的にこのデジタルカメラ10に内蔵されるフラッシュメモリを並設するものとし、この内蔵のフラッシュメモリに時刻表フォルダが記憶されるものとしてもよい。
【0082】
こうすることで、このデジタルカメラ10を所持している限り、メモリカード29の有無や交換等に拘わらず、時刻表画像を確実に利用することができる。
【0083】
なお、上記実施の形態はデジタルカメラに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、それぞれカメラ機能を有する、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants:個人向け情報携帯端末)、情報処理端末(ハンディターミナル)、ハンドヘルドコンピュータ等の各種情報処理装置にも同様に適用可能となる。
【0084】
その他、本発明は上記実施の形態に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することが可能であるものとする。
【0085】
さらに、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施の一形態に係るデジタルカメラの電子回路の機能構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態に係る時刻表撮像登録時の処理内容を示すフローチャート。
【図3】同実施の形態に係る時刻表再生モードでの処理内容を示すフローチャート。
【図4】同実施の形態に係る時刻表フォルダ内の記録状態を例示する図。
【図5】同実施の形態に係る記憶した時刻表画像の内容を例示する図。
【図6】同実施の形態に係る計時部での現在の日付及び時刻の計時内容を例示する図。
【図7】同実施の形態に係る拡大表示する時刻表の部分画像を例示する図。
【図8】同実施の形態に係る時刻表再生モードでの他の処理内容を示すフローチャート。
【図9】同実施の形態に係る拡大表示する時刻表の他の部分画像を例示する図。
【符号の説明】
【0087】
10…デジタルカメラ、11…モータ(M)、12…レンズ光学系、13…CCD、14…タイミング発生器(TG)、15…垂直ドライバ、16…サンプルホールド回路(S/H)、17…A/D変換器、18…カラープロセス回路、19…DMAコントローラ、20…DRAMインタフェース(I/F)、21…DRAM、22…制御部、23…VRAMコントローラ、24…VRAM、25…表示エンコーダ、26…表示部、27…キー入力部、28…JPEG回路、29…メモリカード、30…計時部、31…ストロボ駆動部、32…USBインターフェイス(I/F)、33…ストロボ発光部、34…USBコネクタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻表画像を撮影する撮像手段と、
この撮像手段で得た時刻表画像を記憶する記憶手段と、
現在時刻を計時する計時手段と、
上記記憶手段に記憶された時刻表画像から上記計時手段で得られる現在時刻に対応する時刻表示欄の位置を検出する検出手段と、
この検出手段で検出した位置に基づいて時刻表画像から部分画像を抽出する抽出手段と、
この抽出手段で得た時刻表画像の部分画像を拡大して表示画面に表示する表示制御手段と
を具備したことを特徴とする撮像表示装置。
【請求項2】
上記抽出手段は、現在時刻以降の時刻表示欄の部分画像を抽出することを特徴とする請求項1記載の撮像表示装置。
【請求項3】
上記抽出手段は、現在時刻の属する時刻表示欄を中心とした部分画像を抽出することを特徴とする請求項1記載の撮像表示装置。
【請求項4】
上記抽出手段は、現在時刻に対応する時刻表示欄を含む所定時間範囲の部分画像を抽出することを特徴とする請求項2または3記載の撮像表示装置。
【請求項5】
時刻表画像を撮影する撮像工程と、
この撮像工程で得た時刻表画像を記憶する記憶工程と、
現在時刻を計時する計時工程と、
上記記憶工程で記憶した時刻表画像から上記計時工程で得られる現在時刻に対応する時刻表示欄の位置を検出する検出工程と、
この検出工程で検出した位置に基づいて時刻表画像から部分画像を抽出する抽出工程と、
この抽出工程で得た時刻表画像の部分画像を拡大して表示画面に表示する表示制御工程と
を有したことを特徴とする撮像表示方法。
【請求項6】
画像を撮影して表示画面に表示可能な撮像表示装置に内蔵されたコンピュータが実行するプログラムであって、
時刻表画像を撮影する撮像ステップと、
この撮像ステップで得た時刻表画像を記憶する記憶ステップと、
現在時刻を計時する計時ステップと、
上記記憶ステップで記憶した時刻表画像から上記計時ステップで得られる現在時刻に対応する時刻表示欄の位置を検出する検出ステップと、
この検出ステップで検出した位置に基づいて時刻表画像から部分画像を抽出する抽出ステップと、
この抽出ステップで得た時刻表画像の部分画像を拡大して上記表示画面に表示する表示制御ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−108794(P2006−108794A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289044(P2004−289044)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】