説明

撮像装置およびその制御方法、プログラム

【課題】 外部機器によって編集された画像は付属情報が予期せぬ値に変更されている可能性がある。このような画像を利用すると、前後の画像との連続性、整合性が保たれない可能性がある
【解決手段】 再生される画像ファイルが、受信手段により受信された画像ファイルであるか否かを判断する判断手段を有し、前記判断手段による判定結果に基づき、前記画像ファイルに付加された位置情報を前記画像ファイルに対応する画像ともに再生するか否かを切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の撮影位置を示す位置情報を表示可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置等において、GPS等の位置検出部から撮影位置の情報を取得し撮影画像データと関連付けて記録、表示するものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、デジタルカメラ等の撮像装置で撮影される画像の位置情報はExif(Exchangeble image file format digital still cameras)で規格化されたGPSタグが使用されるケースが増えている。そのため、画像を撮像した撮像装置のみではなく、Exifを解釈可能な他の撮像装置やPCのアプリケーション等で、位置情報の表示や変更が可能となってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−069280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、撮像装置以外の外部装置で位置情報が変更され、それをまた撮像装置で表示する場合、前後の画像との位置関係が不自然になったり、位置情報が誤って変更されてしまった場合はユーザが予期しない位置情報が表示されてしまうことがある。
【0006】
そこで本発明は、信頼性の高い位置情報を撮像装置に表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る撮像装置は、外部からの信号に基づき、位置情報を取得する測位手段と、被写体を撮影するための撮影手段と、前記測位手段により取得した位置情報を、前記撮影手段によって撮影された画像に基づく画像ファイルの属性情報として付加する付加手段と、外部装置から画像ファイルを受信する受信手段と、画像ファイルを記録媒体に記録する記録手段と、前記記録媒体から前記位置情報が付加された画像ファイルを読み出し、画像ファイルに対応する画像を再生する再生手段と、前記再生手段による再生される画像ファイルが、前記受信手段により受信された画像ファイルであるか否かを判断する判断手段とを有し、前記再生手段は、前記判断手段による判断結果に基づき、前記画像ファイルに付加された位置情報を前記画像ファイルに対応する画像ともに再生するか否かを切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、信頼性の高い位置情報を撮像装置に表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態によるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態によるデジタルカメラの位置情報表示処理を示すフローチャートである。
【図3】実施形態によるデジタルカメラの生成するファイル構成を示す図である。
【図4】実施形態によるデジタルカメラの生成する画像ファイルの記載内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図を参照して説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の範囲を限定するものではない。
【0011】
<第1の実施形態>
本実施形態では撮像装置としてデジタルカメラを例にとって説明するが、これ以外にもいわゆるカメラ付き携帯電話なども撮像装置の一例である。
【0012】
本実施形態では、撮像装置として、動画及び静止画を記録することができる撮像装置について説明する。また、本撮像装置ではGPS等の位置検出部を有し、取得した位置情報を撮影により得られたファイルに記録することが可能な構成となっている。以下に、本実施形態の撮像装置について説明をする。
【0013】
以下、図1を用いて、本実施形態の撮像装置100の主要な構成を説明する。
【0014】
図1において、制御部101は、例えば、CPU(MPU)、メモリ(DRAM、SRAM)などからなり、各種処理(プログラム)を実行して撮像装置100の各ブロックを制御したり、各ブロック間でのデータ転送を制御したりする。また、制御部101は、ユーザからの操作を受け付ける操作部102からの操作信号に応じて、撮像装置100の各ブロックを制御する。また、制御部101は、後述の画像処理部111によって得られた画像を解析し、その解析結果に応じて、撮像装置100の各ブロックを制御する。
【0015】
操作部102は、例えば、電源ボタン、静止画記録ボタン、動画記録開始ボタン、ズーム調整ボタン、オートフォーカスボタンなどの撮影に関連する各種操作を入力するスイッチ類からなる。また、メニュー表示ボタン、決定ボタン、その他カーソルキー、ポインティングデバイス、タッチパネル等からなり、ユーザによりこれらのキーやボタンが操作されると制御部101に操作信号を送信する。
【0016】
また、バス103は、各種データ、制御信号、指示信号などを撮像装置100の各ブロックに送るための汎用バスである。
【0017】
撮像部110は、レンズにより取り込まれた被写体の光学像を、絞りにより光量を制御して、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子により画像信号に変換し、アナログデジタル変換をして、画像処理部111に送信する。
【0018】
画像処理部111は、入力されたデジタル画像信号に、設定値に基づいてホワイトバランスや色、明るさなどを調整する画質調整処理を行う。そして、画像処理部111で処理された画像信号は、制御部101により、メモリ104や後述の映像出力部150や表示制御部131に送信される。
【0019】
本実施形態においては、例えば、撮像部110は、「光学ズーム」機能、「光学防振」機能を有し、画像処理部111は、「電子ズーム」機能、「電子防振」機能を有している。ここで、「光学ズーム」機能、「電子ズーム」機能は、ユーザの操作に応じて、得られる画像を拡大する機能である。また、「光学防振」機能、「電子防振」機能は、撮像装置100本体の振動による画像の揺れを防止する機能である。そして、これらの機能は、制御部101の制御の元、同時に使用されたり交互に使用されたり、単独で使用されたりする。
【0020】
ここで、「光学ズーム」機能とは、ユーザにより操作部102のズームキーが操作されたことに応じて、撮像部110のレンズを移動させ、取り込まれる被写体の光学像を拡大/縮小する機能である。また、「電子ズーム」機能とは、ユーザにより操作部102のズームキーが操作されたことに応じて、画像処理部111が、撮像部110により生成された画像のうち一部を切り出した画像を拡大した画像信号を生成する処理である。また、「光学防振」機能とは、不図示の振動検出部からの加速度信号の値に基づいて、レンズの移動量を算出し、レンズを移動させることで、取得される画像の揺れを防止する機能である。また、「電子防振」機能とは、不図示の振動検出部からの加速度信号の値に基づいて、撮像部110により取得された画像信号の位置を調整することにより、画像の揺れを防止する機能である。また、「電子防振」機能は、不図示の振動検出部からの加速度信号の値に基づいて、撮像部110の撮像素子における読み出し位置をずらすことによっても実現できる。
【0021】
また、音声入力部120は、例えば、内蔵された無指向性のマイクまたは音声入力端子を介して接続された外部マイク等により、撮像装置100の周囲の音声を集音(収音)し、アナログデジタル変換をして音声処理部121に送信する。音声処理部121は、入力されたデジタル音声信号のレベルの適正化処理等の音声に関する処理を行う。そして、音声処理部121で処理された音声信号は、制御部101によりメモリ104に送信される。メモリ104は、画像処理部111、音声処理部121により得られた画像信号及び音声信号を一時的に記憶する。
【0022】
画像処理部111及び音声処理部121は、メモリ104に一時的に記憶された画像信号や音声信号を読み出して画像信号の符号化、音声信号の符号化などを行い、圧縮画像信号、圧縮音声信号等を生成する。制御部101は、これらの圧縮画像信号、圧縮音声信号を、記録再生部140に送信する。
【0023】
記録再生部140は、記録媒体141に対して画像処理部111及び音声処理部121で生成された圧縮画像信号、圧縮音声信号、その他撮影に関する制御データ等を記録する。また、音声信号を圧縮符号化しない場合には、制御部101は、音声処理部121により生成された音声信号と画像処理部111により生成された圧縮画像信号とを、記録再生部140に送信し記録媒体141に記録させる。ここで、記録媒体141は、撮像装置に内蔵された記録媒体でも、取外し可能な記録媒体でもよく、撮像装置100で生成した圧縮画像信号、圧縮音声信号、音声信号、各種データなどを記録することができればよい。例えば、記録媒体141は、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−R、DVD−R、磁気テープ、不揮発性の半導体メモリ、フラッシュメモリ、などのあらゆる方式の記録媒体を含む。
【0024】
また、記録再生部140は、記録媒体141に記録された圧縮画像信号、圧縮音声信号、音声信号、各種データ、プログラムを読み出す(再生する)。そして読み出した圧縮画像信号、圧縮音声信号を、制御部101は画像処理部111及び音声処理部121に送信する。画像処理部111及び音声処理部121は、圧縮画像信号、圧縮音声信号を一時的にメモリ104に記憶させ、所定の手順で復号し、復号した音声信号を音声出力部151へ、復号化した画像信号を映像出力部150や表示制御部131に送信する。また、音声信号が記録媒体141に非圧縮記録されている場合には、制御部101は、音声信号を直接音声出力部151に送信する。
【0025】
音声出力部151は、例えば音声出力端子からなり、接続されたイヤホンやスピーカなどから音声を出力させるために音声信号を送信する。また、音声出力部151は、撮像装置100に内蔵され、音声信号にかかる音声を出力するスピーカであってもよい。映像出力部150は、例えば映像出力端子からなり、接続された外部ディスプレイ等に映像を表示させるために画像信号を送信する。また、音声出力部151、映像出力部150は、統合された1つの端子、例えばHDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子のような端子であってもよい。
【0026】
また、表示制御部131は、画像処理部111から送信された画像信号による映像や、撮像装置100の操作をするための操作画面(メニュー画面)等を表示部130に表示させる。表示部130は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等の表示デバイスであれば何でもよい。
【0027】
通信部152は、撮像装置100と外部装置との間で通信を行うもので、例えば、音声信号、画像信号、圧縮音声信号、圧縮画像信号などのデータを送信したり受信したりする。また、通信部152は、例えば、USB通信モジュール,IEEE1394通信モジュール、赤外線通信モジュール、Bluetooth(登録商標)通信モジュール、無線LAN通信モジュール、WirelessUSB等の無線通信モジュールである。この通信部152を介して、撮像装置100は外部装置で編集された画像データなどを受信することができる。
【0028】
GPS160は、衛星から受信した電波に基づき、撮像装置100の現在位置を算出する。なお、GPS160は撮像装置100に内蔵されていてもよいし、別体のデバイスを撮像装置100に装着する構成としてもよい。
【0029】
ここで、本実施形態の撮像装置100の通常の動作について説明する。
【0030】
本実施形態の撮像装置100は、ユーザが操作部102の電源ボタンを操作すると、操作部102から制御部101に起動の指示が出される。この指示を受けて、制御部101は、不図示の電源供給部を制御して、撮像装置100の各ブロックに対して電源を供給させる。
【0031】
電源が供給されると、制御部101は、操作部102に含まれるモード切り換えスイッチが、静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モード等のどのモードであるかを操作部102からの指示信号により確認する。
【0032】
静止画撮影モードでは、撮像装置100は撮影待機状態でユーザが操作部102の静止画記録ボタンを操作することで撮影を行い、圧縮画像信号が記録媒体141に記録される。そして再び撮影待機状態になる。動画撮影モードでは、撮像装置100は撮影待機状態でユーザが操作部102の動画記録開始ボタンを操作することで撮影を開始し、その間、圧縮画像信号と圧縮音声信号または音声信号が記録媒体141に記録される。そしてユーザが操作部102の動画記録終了ボタンを操作することで撮影を終了し、再び撮影待機状態になる。再生モードでは、ユーザが選択したファイルに関する圧縮画像信号や圧縮音声信号または音声信号を記録媒体141から再生して、音声出力部151から音声信号を出力し、表示部130に映像を表示させる。また、ユーザは操作部102を操作することにより撮像装置設定の変更メニューに入ることができ、項目選択操作、選択された項目に対する設定値変更操作が可能である。これはたとえば撮像装置100の保持する日付情報、日時情報、時差情報、エリア設定、使用者情報、撮影モード、画像フォーマット等が挙げられる。なお、本実施形態の撮像装置100は、GPS160が測位した位置情報を撮影画像データに付加することが可能である。この位置情報を付加するか否かも、撮像装置設定の変更メニューから変更可能である。以下、静止画撮影モード、動画撮影モード、再生モードについて説明する。
【0033】
まず、静止画撮影モードについて説明する。操作部102により静止画撮影モードが設定されると前述のようにまず、制御部101は、撮像装置100の各ブロックを撮影待機状態に設定させる。
【0034】
撮影待機状態では、画像処理部111は、画像信号を表示制御部131に送信し表示部130に画像信号に関する映像を表示させる。ユーザはこの様にして表示された画面を見ながら撮影の準備を行う。
【0035】
撮影待機状態で、ユーザが操作部102の静止画記録ボタンを操作することにより撮影指示信号が送信されると、制御部101は撮影制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、以下のような動作をさせるように制御する。
【0036】
撮像部110は、レンズにより取り込まれた被写体の光学像を撮像素子により画像信号に変換し、アナログデジタル変換し、画像処理部111に送信する。画像処理部111は、入力されたデジタル画像信号の被写体情報の解析を行うとともに画質調整処理(ホワイトバランスや色、明るさなど)を設定値および被写体情報に基づいて処理する。ここで、被写体情報とは被写体の明るさの分布、顔の分布、距離の分布等が挙げられる。そして、画像処理部111で処理された画像信号は、制御部101によりメモリ104や映像出力部150や表示制御部131に送信される。ここで、表示部130に表示された映像を見ることで、ユーザは撮影した静止画を確認することができる。
【0037】
そして、画像処理部111は、メモリ104に一時的に記憶された画像信号を読み出して所定の符号化を行い、圧縮画像信号を生成し、記録再生部140に出力する。記録再生部140は、UDF、FAT等のファイルシステム管理のもとに、圧縮画像信号を静止画ファイルとして属性情報とともに記録媒体141に書き込んでいく。ここで属性情報とは前記被写体情報および、撮像装置設定、通信部152から取得した外部情報(MACアドレス等)等である。
【0038】
制御部101は、画像処理部111による符号化の動作が終了すると、撮影待機状態に移行させるように制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信して、撮影待機状態に戻る。
【0039】
なお、静止画の撮影後、属性情報として位置情報を付加することもできる。具体的な動作は以下の通りである。予め測位を行う設定になっている場合、GPS160は電源がオンされている限り、定期的(例えば30秒間隔)に測位を行い、メモリ104に位置情報を記憶していく。メモリ104に記憶されている位置情報は、測位のたびに最新の位置情報に更新される。静止画撮影がなされると、制御部101は現時点でメモリ104に記憶されている位置情報を、静止画ファイルの属性情報として付加し、静止画ファイルを記録媒体141に記録する。この処理により、撮影位置を静止画ファイルに付加することが可能となる。
【0040】
次に、動画撮影モードについて説明する。操作部102により動画撮影モードが設定されると前述のようにまず、制御部101は、撮像装置100の各ブロックを撮影待機状態に設定させる。
【0041】
撮影待機状態では、画像処理部111は、画像信号を表示制御部131に送信し表示部130に画像信号に関する映像を表示させる。ユーザはこの様にして表示された画面を見ながら撮影の準備を行う。
【0042】
撮影待機状態で、ユーザが操作部102の動画記録開始ボタンを操作することにより撮影開始の指示信号が送信されると、制御部101は撮影開始の制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、以下のような動作をさせるように制御する。
【0043】
撮像部110は、レンズにより取り込まれた被写体の光学像を撮像素子により画像信号に変換し、アナログデジタル変換し、画像処理部111に送信する。画像処理部111は、入力されたデジタル画像信号の画質調整処理(ホワイトバランスや色、明るさなど)を設定値に基づいて処理する。そして、画像処理部111で処理された画像信号は、制御部101により表示制御部131、メモリ104に送信される。表示制御部131は、受信した画像信号に関する映像を表示部130に表示させる。
【0044】
一方、音声入力部120は、マイクにより得られたアナログ音声信号をデジタル変換し、得られたデジタル音声信号を音声処理部121に送信する。音声処理部121は、入力されたデジタル音声信号のレベルの適正化処理等をして音声信号を出力する。制御部101は、音声処理部121により処理された音声信号をメモリ104に送信する。
【0045】
そして、画像処理部111及び音声処理部121は、メモリ104に一時的に記憶された画像信号や音声信号を読み出して所定の符号化を行い、圧縮画像信号、圧縮音声信号等を生成する。そして、制御部101は、これらの圧縮画像信号、圧縮音声信号を合成し、データストリームを形成し、記録再生部140に出力する。記録再生部140は、UDF、FAT等のファイルシステム管理のもとに、データストリームを一つの動画ファイルとして記録媒体141に書き込んでいく。また、音声を圧縮しない場合には、制御部101は、音声処理部121で生成した音声信号を画像処理部111で生成された圧縮画像信号とともに、記録再生部140に出力する。そして、記録再生部140は、前述したように、UDF、FAT等のファイルシステム管理のもとに、データストリームを一つの動画ファイルとして記録媒体141に書き込んでいく。
【0046】
以上の動作を撮影中は継続する。
【0047】
また、撮影の間、ユーザによる操作部102の操作に応じて、または画像処理部111により生成された画像信号の解析結果に応じて、制御部101は、撮像部110や画像処理部111、音声処理部121などに各種制御信号を送信している。例えば、レンズの移動や絞り調整などをさせるための制御信号を撮像部110に送信するとともに、画像や音声を調整するための制御信号を画像処理部111、音声処理部121に送信する。
【0048】
また、同様に撮影の間、ユーザにより操作部102のズームキーを操作することで、制御部101により、撮像部110の「光学ズーム」機能や、画像処理部111の「電子ズーム」機能を動作させることができる。また、不図示の振動検出部により検出された加速度信号に基づいて、制御部101により、撮像部110の「光学防振」機能や、画像処理部111の「電子防振」機能が動作している。
【0049】
そして、ユーザが操作部110の動画記録終了ボタンを操作することにより撮影終了の指示信号が制御部101に送信されると、制御部101は、撮影終了の制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、以下のような動作をさせるように制御する。
【0050】
画像処理部111、音声処理部121は、それぞれ画像信号、音声信号のメモリ104への送信を停止する。そして、メモリ104に記憶されている残りの画像信号と音声信号とを読み出して所定の符号化を行い、圧縮画像信号、圧縮音声信号等を生成する。
【0051】
制御部101は、これらの最後の圧縮画像信号、圧縮音声信号を合成し、データストリームを形成し、記録再生部140に出力する。音声を圧縮しない場合には、制御部101は、音声処理部121により生成された音声信号と、圧縮画像信号とを記録再生部140に出力する。
【0052】
記録再生部140は、UDF、FAT等のファイルシステム管理のもとに、データストリームを一つの動画ファイルとして記録媒体141に書き込んでいく。そして、データストリームの供給が停止したら、制御部101はサムネイルを生成するために以下のような動作をさせるように制御する。
【0053】
記録再生部140は記録媒体141に記録した動画ファイルの先頭フレームの圧縮画像信号を読み出し、画像処理部111に送信する。画像処理部111は、圧縮画像信号を一時的にメモリ104に記憶させ、所定の手順で復号する。次に画像処理部111は得られた画像信号に対してサムネイル用の所定の符号化を行い、サムネイル用圧縮画像信号を生成する。そして、制御部101はサムネイル用圧縮画像信号を記録再生部140に出力する。記録再生部140は、UDF、FAT等のファイルシステム管理のもとに、サムネイル用圧縮画像を、基となる動画ファイルに結合させるように記録媒体141に前出の属性情報とともに書き込み、動画ファイルを完成させるとともに記録動作を停止する。
【0054】
なお、動画撮影モードで動画を撮影した際にも、動画ファイルの撮影位置を付加することができる。基本的な動作は静止画撮影モードの場合と同様であり、動画ファイルの撮影を開始した位置が属性情報として付加されることとなる。
【0055】
制御部101は、記録動作が停止すると、撮影待機状態に移行させるように制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信して、撮影待機状態に戻る。
【0056】
次に、再生モードについて説明する。操作部102により再生モードが設定されると、制御部101は、再生状態に移行させるように制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、以下のような動作をさせる。
【0057】
記録再生部140は、記録媒体141に記録された圧縮画像信号からなる静止画ファイル、または圧縮画像信号と圧縮音声信号または音声信号とからなる動画ファイルを読み出す。制御部101は読み出された圧縮画像信号、圧縮音声信号を、画像処理部111及び音声処理部121に送る。圧縮されていない音声信号であれば、制御部101は、音声出力部151に音声信号を送信する。
【0058】
制御部101はさらにファイルに付随した被写体情報、撮像装置設定、位置情報等の属性情報を解析し、解析結果をメモリ104に保持する。
【0059】
画像処理部111及び音声処理部121は、圧縮画像信号、圧縮音声を一時的にメモリ104に記憶させ、所定の手順で復号する。そして制御部101は、復号化した音声信号を音声出力部151へ、復号化した画像信号を映像出力部150や表示制御部131に送信する。表示制御部131は、入力された画像信号にかかる映像を前記メモリ104に保持した属性情報とともに表示部130に表示させ、音声出力部151は、入力された音声信号にかかる音声を内蔵されたスピーカや、接続されたイヤホンやスピーカから出力する。もちろん、位置情報も表示可能である。また、属性情報の表示は操作部102より属性項目ごとに表示有無の指定が可能であり、表示指定がされていない場合は表示を行わない。これにより画像閲覧の優先、属性情報閲覧の優先がユーザの好み、目的により切り替え可能となる。
【0060】
本実施形態の撮像装置は以上のように、静止画、動画の記録再生を行う。
【0061】
以下、図2、3、4を用いて、再生モードにおける位置情報の表示について具体的に説明する。図2は、再生モードにおいて位置情報を表示する処理のフローチャートである。図3は、記録媒体141内のディレクトリファイルの構成例である。図4は、画像ファイルの構造を示す図である。なお、本実施形態は制御部101を中心とする各制御部が、各部からの入力信号やプログラムにしたがい、撮像装置100の各部を制御することにより実現される。
【0062】
まず、再生モードへの切り替え操作が行われると、制御部101は撮像装置100を再生状態に移行させるよう制御信号を撮像装置100の各ブロックに送信し、画像の再生処理が開始される。このとき画像とともに表示部130に属性情報が表示されるが、そのうち位置情報を表示するために図2に示す処理が開始される。
【0063】
ステップS201で、制御部101は、再生モードにおいて位置情報を表示する設定になっているか否かを判断する。位置情報を表示しない設定になっていると判断したならば、ステップS207へ進み位置情報を表示しないと判断し処理を抜ける。ステップS201で位置情報を表示する設定になっていると判断したならばステップS202へ進む。
【0064】
ステップS202では、再生対象となっている画像ファイルの属性情報に位置情報が記載されているか否かを判断する。
【0065】
ここで、本実施形態の撮像装置で扱う画像ファイルの構成例を図4に示す。411は画像ファイルの属性情報を記載するヘッダ部である。そして情報412〜418がヘッダ内に含まれる情報となる。412は画像を記録した撮像装置のメーカー名である。413はこの画像を記録した撮像装置のモデル名である。414はこの画像の撮影日時である。415はこの画像を記録した撮像装置の機器固有IDである。416はこの画像に記載された位置情報の測地系である。417はこの画像を記録した時の撮像装置の位置情報である。418はその他の設定、たとえば使用者情報等である。また、この領域には撮影された際に保存されたディレクトリのディレクトリ名と、撮影された際に付加されたファイル名も記載される。419は画像ファイルに対応する画像データ本体である。
【0066】
ステップS202では、制御部101はヘッダ部411を解析し、位置情報417の有無を判断する。位置情報がないと判断されたならばステップS207へ進み処理を抜ける。ステップS202で位置情報があると判断されたならばステップ203へ進む。
【0067】
次にステップS203では、再生対象となっている画像ファイルの撮影日時と作成日時とを比較し、同一であるか否か判断する。同一である場合はステップS206へ進み、位置情報を表示して処理を抜ける。同一でないと判断した場合はステップS205に進む。このステップの意図は、再生対象となっている画像ファイルが撮像装置で撮影され記録された画像に基づくものか、通信部152や記録媒体141経由で外部装置から受信した画像ファイルに基づくものかを判断することにある。以後、外部装置から受信した画像ファイルを「書き戻し画像ファイル」と呼ぶ。
【0068】
ここで、ステップS203の判定について詳細に説明する。まず、画像ファイルの属性情報の付与ルールを、図3を用いて説明する。
【0069】
図3は、記録媒体141内のディレクトリ構成例を示す図である。301はデジタルカメラで一般的に使用されるDCF(Design rule of Camera File system)規格にて規定されているDCFルートディレクトリである。302、303は同様にDCF規格に従って作成されたDCFディレクトリ、305〜308は同様にDCF規格に従って作成された静止画ファイルである。本実施形態の撮像装置においてはこのDCF規格にしたがった命名規則にしたがったファイル名を有する画像ファイルが記録されていくものとする。
【0070】
また、DCFファイル番号、DCFディレクトリ番号は画像ファイルを記録するたびに昇順に増やすこととする。すなわち、DCFディレクトリ内でDCFファイル番号は撮影または外部装置から画像ファイルを受信するたびにインクリメントされる。そして、同一DCFディレクトリ内のDCFファイル番号が所定の値に達するか、DCFディレクトリにおける画像数が所定数に達した場合、DCFディレクトリ番号をインクリメントする。そして、インクリメント後のDCFディレクトリ番号を持つ新たなDCFディレクトリに続きの画像記録を行う。
【0071】
また、画像撮影の際には、制御部101に含まれる時計から日時情報を取得し、撮影日時として、また記録媒体141で使用されるファイルシステム上の作成日時としてヘッダ部411に記録する。このように、同じ日時情報を撮影日時及び作成日時として付加するため、撮像装置内で画像を管理する限り、この撮影日時と作成日時は同一となる。ステップS203では、この特徴を利用して画像ファイルが外部装置から受信したものか否かを判断し、その判断結果に応じて位置情報の表示・非表示を決定する。
【0072】
ステップS203では、再生対象の画像ファイルの撮影日時と作成日時とが同一である場合、制御部101は再生対象の画像ファイルが撮像装置で撮影して記録したファイルと判断する。よって、図3の例では305、306、307は撮像装置で撮影して保存したファイルと判断する。
【0073】
一方、書き戻し画像ファイルの場合、画像ファイルの属性情報である撮影日時は画像を撮影した日時である。しかし、画像ファイルの作成日時は通信部152を介して画像を受信し、記録媒体141に記録した日時となる。したがって、属性情報に含まれる撮影日時と、ファイルシステム上の作成日時が異なることになる。この例を示すのが図3の308である。つまり、ステップS203では、撮影日時と作成日時が異なる画像ファイルは、書き戻し画像ファイルである可能性が高いと判断される。
【0074】
図2に説明を戻す。ステップS204では、書き戻し画像であるか否かを詳細に判定する。書き戻し画像であると判断されるとステップS207へ進め位置情報非表示とし、書き戻し画像でないと判断されるとステップS206へ進み位置情報を表示し処理を抜ける。
【0075】
ここでステップS205における詳細判定の基準としては、以下のものがあげられる。
【0076】
まず、複数のファイル間の連続性を確認する基準として、下記の基準があげられる。
・記録媒体141内を再生順に並べた場合に、再生対象の画像ファイルの作成日時が前後の画像ファイルと不連続である場合。
・記録媒体141内を再生順に並べた場合に、再生対象の画像ファイルの位置情報が前後の画像ファイルの位置情報から大きく離れたものである場合。
【0077】
また、撮影時の情報と比較する方法として以下の基準があげられる。
・その他の設定418に記述されているディレクトリ名及びファイル名と、現在保存されているディレクトリ名及びファイル名とが一致しない場合。
【0078】
以上のいずれかの基準を満たす場合、制御部101は再生対象の画像ファイルが書き戻し画像ファイルであると判定する。
【0079】
このステップS205の処理を行うことにより、制御部101はより精度よく書き戻し画像ファイルか否かを判断することができる。しかし、詳細判定の処理負荷を軽減するために、ステップS203の判断のみをもって書き戻し画像ファイルか否かを判断してもよい。
【0080】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの信号に基づき、位置情報を取得する測位手段と、
被写体を撮影するための撮影手段と、
前記測位手段により取得した位置情報を、前記撮影手段によって撮影された画像に基づく画像ファイルの属性情報として付加する付加手段と、
外部装置から画像ファイルを受信する受信手段と、
画像ファイルを記録媒体に記録する記録手段と、
前記記録媒体から前記位置情報が付加された画像ファイルを読み出し、画像ファイルに対応する画像を再生する再生手段と、
前記再生手段による再生される画像ファイルが、前記受信手段により受信された画像ファイルであるか否かを判断する判断手段とを有し、
前記再生手段は、前記判断手段による判断結果に基づき、前記画像ファイルに付加された位置情報を前記画像ファイルに対応する画像ともに再生するか否かを切り替えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記画像ファイルの作成日時と、前記画像ファイルに対応する画像の撮影日時とを比較することにより、前記再生手段による再生される画像ファイルが前記受信手段により受信された画像ファイルであるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記画像ファイルの作成日時と、前記画像ファイルに対応する画像の作成日時とが異なる場合、前記再生手段による再生される画像ファイルが前記受信手段により受信された画像ファイルであると判断することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記判断手段は、前記記録媒体に記録されている、前記再生手段により再生される画像ファイルを含む複数の画像ファイルに連続性があるかを判断することにより前記判断を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記判断手段は、前記複数の画像ファイルの位置情報に連続性があるか否かを判断することにより、前記複数の画像ファイルに連続性があるか否か判断することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記判断手段は、前記複数の画像ファイルの作成日時に連続性があるか否かを判断することにより、前記複数の画像ファイルに連続性があるか否か判断することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記記録手段は、所定の命名規則に従ったファイル名で画像ファイルを前記記録媒体に記録し、
前記判断手段は、前記複数の画像ファイルのファイル名に連続性があるか否かを判断することにより、前記複数の画像ファイルに連続性があるか否か判断することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記記録手段は、DCF(Design rule of Camera File system)規格にしたがって画像ファイルを前記記録媒体に記録することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
撮像装置の制御方法であって、
外部からの信号に基づき、位置情報を取得する測位工程と、
被写体を撮影するための撮影工程と、
前記測位工程において取得した位置情報を、前記撮影工程において撮影された画像に基づく画像ファイルの属性情報として付加する付加工程と、
外部装置から画像ファイルを受信する受信工程と、
画像ファイルを記録媒体に記録する記録工程と、
前記記録媒体から前記位置情報が付加された画像ファイルを読み出し、画像ファイルに対応する画像を再生する再生工程と、
前記再生工程において再生される画像ファイルが、前記受信工程において受信された画像ファイルであるか否かを判断する判断工程とを有し、
前記再生工程では、前記判断工程における判断結果に基づき、前記画像ファイルに付加された位置情報を前記画像ファイルに対応する画像ともに再生するか否かを切り替えることを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
撮像装置を請求項1乃至8のいずれか1項に記載の各手段として機能させる、コンピュータが読み取り可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−165123(P2012−165123A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22862(P2011−22862)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】