説明

撮像装置および撮像プログラム

【課題】撮影シーンに応じた適切な特殊効果処理を画像データに対して行うことができる撮像装置および撮像プログラムを提供する。
【解決手段】撮像素子11によって生成された画像データに対して、複数の画像処理を組み合わせることにより視覚的な効果を生じさせることが可能な特殊効果処理を行う画像処理部14と、画像データに基づいて、撮影シーンの種別を特定する撮影シーン特定部312と、撮影シーンの種別と特殊効果処理との組み合わせ情報を記憶した組み合わせ情報記憶部264と、組み合わせ情報を参照して、撮影シーン特定部312が特定した撮影シーンの種別に応じた特殊効果処理を、画像処理部14に実行させるべき処理として設定する画像処理設定部313と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮像して光電変換を行うことにより電子的な画像データを生成する撮像装置および撮像プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置において、被写体を撮像した画像データに特殊効果処理を施すことによって、消費者の様々な要望に応える技術が知られている。たとえば、被写体を撮像した画像データに視覚的な効果を生じさせるワイプやセピア等の特殊効果処理を施した画像データを記録することができる技術が知られている(特許文献1参照)。この技術では、特殊効果処理を選択するエフェクトスイッチの操作に応じて、表示モニタが画像上の一部に特殊効果処理が施された画像を表示することにより、ユーザが所望する特殊効果処理を容易に選択させることができるようになっている。
【0003】
また、撮像された画像データから抽出した人物が予め画像処理条件が設定された人物である場合、設定された画像処理条件に基づいて画像処理を行う撮像装置が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−347886号公報
【特許文献2】特開2002−77592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の撮像装置では、画像データに対して特殊効果処理を行う場合、撮影時における撮影シーンを考慮していなかった。このため、撮影シーンによっては、画像データに対して特殊効果処理を行うことで、かえって視覚的な効果が半減してしまう場合があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、撮影シーンに応じた適切な特殊効果処理を画像データに対して行うことができる撮像装置および撮像プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる撮像装置は、被写体を撮像して光電変換を行うことにより電子的な画像データを生成する撮像部と、前記画像データに対応する画像を表示する表示部とを備えた撮像装置であって、前記画像データに対して、複数の画像処理を組み合わせることにより視覚的な効果を生じさせることが可能な特殊効果処理を行う画像処理部と、前記画像データに基づいて、撮影シーンの種別を特定する撮影シーン特定部と、前記撮影シーンの種別と前記特殊効果処理との組み合わせ情報を記憶した組み合わせ情報記憶部と、前記組み合わせ情報を参照して、前記撮影シーン特定部が特定した前記撮影シーンの種別に応じた前記特殊効果処理を、前記画像処理部に実行させるべき処理として設定する画像処理設定部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記画像処理設定部が前記画像処理部に対して設定した前記特殊効果処理に関する情報を前記表示部に表示させる表示制御部をさらに備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記画像処理部が行う前記特殊効果処理の設定の変更を指示する変更指示信号の入力を受け付ける操作入力部をさらに備え、前記画像処理設定部は、前記変更指示信号が入力された場合、前記画像処理部に実行させるべき前記特殊効果処理の設定を解除することを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記組み合わせ情報は、前記撮影シーンの種別と前記画像データに含まれる画像情報との組み合わせごとに前記特殊効果処理の内容が記載され、前記画像処理設定部は、前記撮影シーンの種別と前記画像情報との組み合わせに基づいて、前記画像処理部に実行させるべき前記特殊効果処理を設定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記画像情報は、輝度情報、彩度情報、主要被写体の色情報および当該撮像装置から主要被写体までの距離情報を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる撮像プログラムは、被写体を撮像して光電変換を行うことにより電子的な画像データを生成する撮像部と、前記画像データに対応する画像を表示する表示部とを備えた撮像装置に、前記画像データに対して、複数の画像処理を組み合わせることにより視覚的な効果を生じさせることが可能な特殊効果処理を行う画像処理ステップと、前記画像データに基づいて、撮影シーンの種別を特定する撮影シーン特定ステップと、前記撮影シーンの種別と前記特殊効果処理との組み合わせ情報を記憶した組み合わせ情報記憶部から該組み合わせ情報を読み出して参照し、前記撮影シーン特定ステップで特定した前記撮影シーンの種別に応じた前記特殊効果処理を、前記画像処理ステップで実行させるべき処理として設定する画像処理設定ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像処理設定部が、撮影シーンの種別と特殊効果処理との組み合わせ情報を参照して、撮影シーン特定部によって特定された撮影シーンの種別に応じた特殊効果処理を画像処理部に実行させるべき処理として設定する。この結果、撮影シーンに応じた適切な特殊効果処理を画像データに対して行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の撮影者に面する側(背面側)の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の特殊効果処理情報記憶部が記憶する特殊効果処理に関する情報としての特殊効果処理情報テーブルの一例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の特殊補助効果処理情報記憶部が記憶する特殊補助効果処理に関する情報としての特殊補助効果処理情報テーブルの一例を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の組み合わせ情報記憶部が記憶する組み合わせ情報としての組み合わせテーブルの一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の組み合わせ情報記憶部が記憶する組み合わせ情報としての組み合わせ情報テーブルの一例の一部を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の撮影者に面する側(背面側)の構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。図1および図2に示す撮像装置1は、デジタル一眼レフカメラであり、本体部2と、本体部2に着脱可能なレンズ部3と、を備える。
【0017】
図1および図2に示すように、本体部2は、シャッタ10と、撮像素子11と、A/D変換部12と、メモリ13と、画像処理部14と、撮像素子駆動部15と、シャッタ駆動部16と、露出処理部17と、AF処理部18と、タイマー19と、本体通信部20と、操作入力部21と、フラッシュ発光部22と、フラッシュ充電部23と、フラッシュ駆動部24と、表示部25と、不揮発性メモリ26と、外部メモリ27と、外部通信部28と、電源供給部29と、電源部30と、本体制御部31と、を備える。
【0018】
シャッタ10は、撮像素子11の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッタ駆動部16は、ステッピングモータ等を用いて構成され、レリーズ信号に応じてシャッタ10を駆動する。
【0019】
撮像素子11は、レンズ部3が集光した光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いて構成される。撮像素子駆動部15は、所定のタイミングで撮像素子11から画像データ(アナログ信号)をA/D変換部12に出力させる。
【0020】
A/D変換部12は、撮像素子11から入力されるアナログ信号に対してA/D変換を行うことによってデジタルの画像データを生成してメモリ13に出力する。なお、本実施の形態1では、レンズ部3、シャッタ10、撮像素子11およびA/D変換部12の構成が撮像部として機能する。
【0021】
メモリ13は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)を用いて構成される。メモリ13は、A/D変換部12から入力される画像データや撮像装置1の処理中の情報を一時的に記録する。具体的には、メモリ13は、撮像素子11が1フレーム毎に順次出力する画像データを一時的に記録する。
【0022】
画像処理部14は、メモリ13に記録された画像データを取得し、取得した画像データに対して各種の画像処理を施してメモリ13に出力する。具体的には、画像処理部14は、画像データに対してエッジ強調、色補正およびγ補正等の通常の画像処理を施す。画像処理部14は、所定の圧縮処理、たとえばJPEG形式やAVI形式等の圧縮処理を画像データに対して行う。画像処理部14は、特殊効果処理部141と、特殊補助効果処理部142とを有する。
【0023】
特殊効果処理部141は、画像データに対して複数の画像処理を組み合わせることにより視覚的な効果を生じさせる特殊効果処理を行う。この特殊効果処理としては、たとえばトーンカーブ処理、ぼかし処理および画像合成処理を組み合わせた処理を行う。
【0024】
特殊補助効果処理部142は、画像データに対して特殊効果処理と異なる特殊補助効果処理を行う。この特殊補助効果処理としては、たとえば、ソフトフォーカス効果処理、ホワイトアウト効果処理、シェーディング効果処理またはスターライト効果処理等の補助的な画像処理を行う。なお、特殊補助効果処理部142は、特殊効果処理部141が特殊効果処理を行った画像データに対して特殊補助効果処理を行ってもよい。
【0025】
露出処理部17は、本体制御部31を介してメモリ13に記録された画像データに基づいて、静止画撮影や動画撮影を行う際の条件、たとえば絞りの設定値、シャッタ速度およびISO(感度)等を決定することで撮像装置1の自動露出を行う。
【0026】
AF処理部18は、本体制御部31を介してメモリ13に記録された画像データに基づいて、撮像装置1の自動焦点(Auto Focus)の調整を行う。たとえば、AF処理部18は、画像データのコントラストに基づいて、撮像する被写体像の鮮鋭度が最大となるようにレンズ部3を駆動する。
【0027】
タイマー19は、計時機能や撮影日時の判定機能を有する。タイマー19は、撮像された画像データに日時データを付加させるため、本体制御部31に日時データを出力する。
【0028】
本体通信部20は、本体部2に装着されたレンズ部3との通信を行うための通信インターフェースである。なお、本体通信部20は、本体部2に設けられた電源部30からレンズ部3に電力を供給するようにしてもよい。
【0029】
操作入力部21は、撮像装置1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切換える電源スイッチ211と、撮影の指示を与えるレリーズ信号を入力するレリーズスイッチ212と、撮像装置1に設定された各種撮影モード切換えの指示を与える切換信号を入力する撮影モード切換スイッチ213と、撮像装置1の各種設定を選択または決定の指示を与える指示信号を入力する操作スイッチ214と、撮像装置1に設定された操作メニュー画面の表示の指示を与える指示信号を入力するメニュースイッチ215と、撮像した画像データのレックビュー表示の指示を与える指示信号を入力するプレビュースイッチ216と、動画撮影の指示を与える動画レリーズ信号を入力する動画スイッチ217と、を有する。
【0030】
レリーズスイッチ212は、外部から押圧により進退可能であり、半押しされた場合に撮像準備動作を指示するファーストレリーズ信号の入力を受ける一方、全押しされた場合に静止画撮像を指示するセカンドレリーズの入力を受け付ける。操作スイッチ214は、メニュー画面等における選択設定を行う上下左右の各方向ボタン214a〜214dと、メニュー画面等における各方向ボタン214a〜214dによる操作を決定する決定ボタン214e(OKボタン)とを有する(図1を参照)。なお、操作スイッチ214は、ダイヤルスイッチ等を用いて構成してもよい。さらに、操作入力部21の一部として表示部25にタッチパネルを設けることによって、撮影者が表示部25の画面上で操作信号の入力を行うことができるようにしてもよい。
【0031】
フラッシュ発光部22は、キセノンランプやLED(Light Emitting Diode)等を用いて構成される。フラッシュ発光部22は、撮像装置1が撮像する視野領域へ向けて補助光であるストロボ光を照射する。フラッシュ充電部23は、電源部30から電源供給を受けて電圧を昇圧して充電する。フラッシュ駆動部24は、フラッシュ充電部23が昇圧した電圧をフラッシュ発光部22に印加させることにより、フラッシュ発光部22を駆動する。
【0032】
表示部25は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて構成される。表示部25は、撮像素子11が生成した画像データに対応する画像または画像処理部14が画像データに対して特殊効果処理を行った画像データに対応する画像(ライブビュー画像)を所定の表示フレームレート、たとえば60fps(Frame Per Second)で表示する。表示部25は、撮像装置1の操作情報や撮影に関する情報を適宜表示する。
【0033】
不揮発性メモリ26は、フラッシュメモリを用いて構成される。不揮発性メモリ26は、撮像装置1を動作させるための各種プログラム、撮像プログラムおよびプログラムの実行中に使用される各種データやパラメータ等を記憶する。不揮発性メモリ26は、撮像装置1で実行される各種撮影モードに関する情報を記憶する撮影モード情報記憶部261と、画像処理部14が行う特殊効果処理に関する情報を記憶する特殊効果処理情報記憶部262と、画像処理部14が行う特殊補助効果処理に関する情報を記憶する特殊補助効果処理情報記憶部263と、撮影シーンの種別と特殊効果処理との組み合わせ情報を記憶する組み合わせ情報記憶部264とを有する。なお、不揮発性メモリ26は、本体部2に装着可能なレンズ部3の種類に応じたレンズ特性等に関する情報を記憶していてもよい。さらに、組み合わせ情報記憶部264に、撮影シーンの種別と特殊補助効果処理との組み合わせ情報を記憶していてもよい。
【0034】
外部メモリ27は、撮像装置1の外部から装着されるメモリカード等の記録媒体を用いて構成される。外部メモリ27は、記録媒体インターフェース(図示せず)を介して撮像装置1に装着されることで画像データ等を記録する。外部メモリ27は、本体制御部31の制御のもと、記録した画像データ、撮像プログラムおよび各種情報それぞれを表示部25、画像処理部14および不揮発性メモリ26に出力する。
【0035】
外部通信部28は、通信インターフェースとしての機能を有し、ネットワーク(図示せず)を介してサーバやパーソナルコンピュータ等の外部処理装置(図示せず)と双方向に送受信を行う。外部通信部28は、外部処理装置との間で送受信を行うことにより、撮像装置1の各種プログラム、特殊効果処理情報および特殊補助効果処理情報等に関するデータを取得して本体制御部31に出力する。なお、外部通信部28は、有線または無線LAN(Local Area Network)等を介してネットワークに接続される。
【0036】
電源供給部29は、撮像装置1の各構成部に電源部30の電力を供給する。電源部30は、撮像装置1に着脱自在なバッテリを用いて構成される。なお、電源供給部29は、外部電源(図示せず)から供給される電力を撮像装置1の各構成部に供給するようにしてもよい。
【0037】
本体制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。本体制御部31は、操作入力部21からの操作信号や指示信号に応じて撮像装置1を構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って撮像装置1の動作を統括的に制御する。本体制御部31は、顔検出部311と、撮影シーン特定部312と、画像処理設定部313と、表示制御部314と、撮影制御部315とを有する。
【0038】
顔検出部311は、画像データに対応する画像に含まれる人物の顔をパターンマッチングによって検出する。なお、顔検出部311は、人物の顔だけでなく、犬や猫等の顔を検出してもよい。さらに、顔検出部311は、パターンマッチング以外の周知技術を用いて人物の顔を検出してもよい。
【0039】
撮影シーン特定部312は、画像データに基づいて、撮影シーンの種別を特定する。具体的には、撮影シーン特定部312は、画像データに含まれる被写体の輝度分布情報、彩度分布情報、色分布情報、主要被写体までの距離情報および時間等に基づいて、撮影シーンの種別を特定する。この撮影シーンの種別としては、ポートレート、風景、夜景および花等である。ここで、主要被写体とは、たとえば、顔検出部312によって画像データから検出された人物に対応する画像、またはAF処理部18によってレンズ部3のピントが合った領域に対応する画像である。
【0040】
画像処理設定部313は、組み合わせ情報記憶部264が記憶する組み合わせ情報を参照して、撮影シーン特定部312が特定した撮影シーンの種別に応じた特殊効果処理の内容を画像処理部14に実行させるべき処理として設定する。画像処理設定部313は、操作入力部21によって特殊効果処理の設定内容の変更を指示する変更指示信号が入力された場合、画像処理部14に実行させる特殊効果処理の設定を解除する。具体的には、画像処理設定部313は、操作入力部21によって変更指示信号が入力された場合、画像処理部14に実行させる特殊効果処理の設定を解除して、通常の画像処理を画像処理部14に設定する。
【0041】
表示制御部314は、メニュースイッチ215から指示信号が入力された場合、操作メニュー画面を表示部25に表示させる。表示制御部314は、画像処理設定部313が画像処理部14に設定した特殊効果処理に関する情報および撮影シーン特定部312が特定した撮影シーンの種別に関する情報を表示部25に表示させる。具体的には、表示制御部314は、特殊効果処理に関する情報および撮影シーンの種別に関する情報それぞれに対応するアイコンを、表示部25が表示する画像の一部に重畳させて表示させる。
【0042】
撮影制御部315は、セカンドレリーズ信号が入力された場合、撮像装置1における撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置1における撮影動作とは、撮像素子駆動部15およびシャッタ駆動部16の駆動によって撮像素子11が出力した画像データに対し、画像処理部14が通常の画像処理または特殊効果処理を施す動作である。このように処理が施された画像データは、本体制御部31によって外部メモリ27に記録される。
【0043】
以上の構成を有する本体部2に対して、音声入出力機能や電子ビューファインダ等を具備させてもよい。
【0044】
レンズ部3は、光学系41と、レンズ駆動部42と、絞り43と、絞り駆動部44と、レンズ操作部45と、レンズ通信部46と、レンズ記憶部47と、レンズ制御部48と、を備える。
【0045】
光学系41は、一または複数のレンズを用いて構成される。光学系41は、所定の視野領域から光を集光するとともに、画角を変化させる光学ズーム機能を有する。レンズ駆動部42は、DCモータ等を用いて構成され、光学系41のレンズを光軸L上で移動させることにより、光学系41のピント位置や画角等の変更を行う。
【0046】
絞り43は、光学系41が集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う。絞り駆動部44は、ステッピングモータ等を用いて構成され、絞り43を駆動する。
【0047】
レンズ操作部45は、ズーム操作部451と、フォーカス操作部452とを有する。ズーム操作部451は、図1に示すように、レンズ部3のレンズ鏡筒の周囲に設けられるズームリングであり、レンズ部3における光学ズームの操作を開始する操作信号の入力を受け付ける。フォーカス操作部452は、図1に示すように、レンズ部3のレンズ鏡筒の周囲に設けられるフォーカスリングであり、レンズ部3におけるピント位置の操作を開始する操作信号の入力を受け付ける。なお、ズーム操作部451およびフォーカス操作部452は、プッシュ式のスイッチ等であってもよい。
【0048】
レンズ通信部46は、レンズ部3が本体部2に装着されたときに、本体部2の本体通信部20と通信を行うための通信インターフェースである。
【0049】
レンズ記憶部47は、光学系41の位置や動きを決定するための制御用プログラムや各種パラメータを記憶する。
【0050】
レンズ制御部48は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。レンズ制御部48は、レンズ操作部45の操作信号や本体部2からの指示信号に応じてレンズ部3の動作を制御する。具体的には、レンズ制御部48は、レンズ操作部45の操作信号に応じてレンズ駆動部42を駆動させてレンズ部3のピント合わせやズーム変更を行なうとともに、絞り駆動部44を駆動させて絞り値の変更を行う。なお、レンズ制御部48は、レンズ部3が本体部2に装着された際に、レンズ部3のピント位置情報、焦点距離情報およびレンズ部3を識別する固有情報等を本体部2に送信するようにしてもよい。
【0051】
以上の構成を有する撮像装置1で実行される特殊効果処理および特殊補助効果処理について説明する。図3は、特殊効果処理情報記憶部262が記憶する特殊効果処理に関する情報としての特殊効果処理情報テーブルの一例を示す図である。図3に示すように、特殊効果処理情報テーブルT1には、画像処理部14が画像データに対して実行することが可能な特殊効果処理が記載されている。さらに、特殊効果処理情報テーブルT1には、各特殊効果処理における記録用特殊効果処理および表示用特殊効果処理の画像処理の内容が記載されている。具体的には、特殊効果処理が「Art1」の「ファンタジックフォーカス」の場合、記録用特殊効果処理の処理内容として「トーンカーブ処理」、「ぼかし処理」および「合成処理」が記載され、表示用特殊効果処理の処理内容として「トーンカーブ処理」および「ぼかし処理」が記載されている。ここで、合成処理とは、特殊効果処理部141がトーンカーブル処理を行った画像データと、ぼかし処理を行った画像データとを合成して新たな画像データを生成する画像処理である。
【0052】
さらに、特殊効果処理が「Art4」の「ジオラマ」の場合、記録用特殊効果処理の処理内容として「色相・彩度処理」、「コントラスト処理」、「3回ぼかし処理」および「3回合成処理」が記載され、表示用特殊効果処理の処理内容として「色相・彩度処理」、「コントラスト処理」、「1回ぼかし処理」および「1回合成処理」が記載されている。ここで、3回ぼかし処理とは、特殊効果処理部141が色彩・彩度処理後、コントラスト処理を行った画像データに対してぼかし処理を3回行う処理である。また、3回合成処理とは、特殊効果処理部141がぼかし処理を行うごとに、ぼかし処理前の画像データと、ぼかし処理後の画像データとを合成して新たな画像データを生成する画像処理である。
【0053】
このように、表示用特殊効果処理は、記録用特殊効果処理で行う複数の画像処理のうち画像データに対して処理時間が大きい画像処理を間引くことにより、画像データに対して行う特殊効果処理の処理時間を小さくする(たとえば、図3のArt1を参照)。さらに、表示用特殊効果処理は、記録用特殊効果処理で行う複数の画像処理のうち画像データに対して処理時間が大きい画像処理の回数を減らすことにより、画像データに対して行う特殊効果処理の処理時間を小さくする(たとえば、図3のArt4を参照)。これにより、画像処理設定部313は、画像処理部14が行う特殊効果処理の設定内容を表示用と記録用との間で切換えることで、画像処理部14が特殊効果処理を行った画像データを表示部25が表示する所定の表示フレームレート(例えば60fps)より高速な表示フレームレート(例えば120fps)でライブビュー画像を滑らかに表示させることができる。この結果、撮像装置1は、ユーザが被写体のシャッタチャンスを逃す可能性を低減させることができる。
【0054】
図4は、特殊補助効果処理情報記憶部263が記憶する特殊補助効果処理に関する情報としての特殊補助効果処理情報テーブルの一例を示す図である。図4に示すように、特殊補助効果処理情報テーブルT2には、特殊効果処理に追加可能な特殊補助効果処理が記載されている。さらに、特殊補助効果処理情報テーブルT2には、各特殊補助効果処理における記録用特殊補助効果処理および表示用特殊補助効果処理の処理内容が記載されている。具体的には、特殊効果処理に追加可能な特殊補助効果処理が「Effect5」の「ホワイトアウト効果」の場合、記録用特殊補助効果処理および表示用特殊補助効果処理の処理内容として「ホワイトアウト処理」が記載されている。さらに、特殊効果処理に追加可能な特殊補助効果処理が「Effect3」の「スターライト効果」の場合、記録用特殊補助効果処理の処理内容として「輝点検出処理」および「光描画処理」が記載され、表示用特殊補助効果処理の処理内容として「輝点検出処理」および「光描画処理」が記載されている。なお、表示用特殊補助効果処理の処理内容の「光描画処理」は、画像データに含まれる一定のレベル(閾値)より高い輝点のみを間引いて描画し、レベルの低い輝点は描画を行わない。
【0055】
このように、画像処理設定部313は、特殊効果処理と同様に、画像処理部14が行う特殊補助効果処理の設定内容を表示用と記録用との間で切換えることにより、画像処理部14が特殊効果処理を行った画像データを表示部25が表示する所定の表示フレームレートより高速な表示フレームレートでライブビュー画像を滑らかに表示させることができる。
【0056】
図5は、組み合わせ情報記憶部264が記憶する組み合わせ情報としての組み合わせテーブルの一例を示す図である。図5に示すように、組み合わせ情報テーブルT3には、撮影シーンの種別と特殊効果処理の内容との組み合わせが記載されている。具体的には、撮影シーンの種別が「ポートレート」の場合、特殊効果処理の内容として「ファンタジックフォーカス」が記載されている。さらに、撮影シーンの種別が「風景」の場合、特殊効果処理の内容として「ドラマチックトーン」が記載されている。
【0057】
このように、画像処理設定部313は、組み合わせ情報テーブルT3を参照して、撮影シーン特定部312が特定した撮影シーンの種別に応じた特殊効果処理の内容を画像処理部14に実行させるべき処理として設定する。これにより、撮影シーンに応じた適切な特殊効果処理を画像データに対して行うことができる。なお、組み合わせ情報テーブルT3に他の撮影シーンの種別、たとえば子供、ペット等の種別に応じた特殊効果処理の内容を組み合わせてもよい。さらに、組み合わせ情報テーブルT3に撮影シーンの種別に特殊補助効果の内容を組み合わせてもよい。
【0058】
ここで、上述した各特殊効果処理について説明する。本実施の形態1では、画像処理部14は、特殊効果処理としてファンタジックフォーカス、トイフォト、スターライト、ジオラマ、ドラマチックトーン、ポップアート1、ポップアート2、デイドリーム、ライトトーン、クロスプロセス、紅葉および水面を行う。
【0059】
ファンタジックフォーカスは、柔らかいトーンの中で空気感を表現しつつ、被写体のディティールを残しながら幸福な光に包まれたように美しく幻想的に表現する特殊効果処理である。
トイフォトは、画像の周辺に対してシェーディング効果を施すことにより、昔らしさや思い出感を表現する特殊効果処理である。
スターライトは、光を強調して現実よりも明るく見栄えのする作風に表現する特殊効果処理である。
ジオラマは、画面の周辺に対して極端なぼけ効果を施すことにより、おもちゃらしさや作り物らしさを表現する特殊効果処理である。
ドラマチックトーンは、撮像画像を局所的なコントラスト変化からつくり出される現実ではありえないような明暗によって実際の空間をフィクションのような作風に表現する特殊効果処理である。
ポップアート1は、色をカラフルに強調し、明るく楽しい雰囲気に表現する特殊効果処理である。
ポップアート2は、蛍光色を抑えて、コントラストのめりはりをつけてより強い印象の作風に表現する特殊効果処理である。
デイドリームとは、撮影画像を青く柔らかな光に満ちた旅行の作風に表現する特殊効果処理である。
ライトトーンは、画像の明暗を柔らかく仕上げる作風に表現する特殊効果処理である。 クロスプロセスは、予想外の発色と色の運びにより意外で非現実的な雰囲気を表現する特殊効果処理である。
紅葉は、紅葉の風景を現実よりもっと鮮やかな作風に表現する特殊効果処理である。
水面は、湖等の水面に写っている木や風景等を強調して表現する特殊効果処理である。
【0060】
つぎに、本実施の形態1にかかる撮像装置1が行う動作について説明する。図6は、撮像装置1が行う処理の概要を示すフローチャートである。なお、以下においては、静止画撮影または動画撮影を行う撮影モードのみについて説明する。
【0061】
図6に示すように、まず、撮像装置1は、撮影制御部315の制御のもと、被写体を撮像する(ステップS101)。具体的には、撮像素子11は、撮影制御部315の制御のもと、画像データを生成し、生成した画像データを、A/D変換部12を介してメモリ13に出力する。
【0062】
続いて、撮影シーン特定部312は、メモリ13から画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、撮影シーンの種別を特定する(ステップS102)。その後、画像処理設定部313は、組み合わせ情報テーブルT3および特殊効果処理情報テーブルT1を参照して、撮影シーン特定部312が特定した撮影シーンの種別に応じた表示用の特殊効果処理を画像処理部14に実行させるべき処理として設定する(ステップS103)。
【0063】
続いて、画像処理部14は、本体制御部31を介してメモリ13から画像データを取得し、取得した画像データに対して画像処理設定部313によって設定された表示用の特殊効果処理を行う(ステップS104)。
【0064】
続いて、表示制御部314は、画像処理部14が特殊効果処理を行った画像データを取得し、取得した画像データに対応するライブビュー画像を表示部25に表示させる(ステップS105)。
【0065】
図7は、表示部25が表示する画像の一例を示す図である。図7に示すように、表示制御部314は、画像処理部14が表示用の特殊効果処理を行った画像データに対応するライブビュー画像W1を表示部25に表示させる。この際、表示制御部314は、撮影シーン特定部312が特定した撮影シーンの種別に関する情報および画像処理設定部313が画像処理部14に設定した特殊効果処理に関する情報に対応するアイコンをライブビュー画像W1の右上領域R1に重畳して表示部25に表示させる。このアイコンとしては、たとえば、図7に示すように、撮影シーンの種別のポートレートを示すアイコンA1および特殊効果処理のファンタジックフォーカスに対応するArt1を示すアイコンA2である。これにより、ユーザは、現在の撮影シーンの種別および特殊効果処理の内容を直感的に把握することができる。なお、図7においては、特殊効果処理を表現するため被写体の輪郭を破線で表現した。
【0066】
ステップS106において、操作スイッチ214の決定ボタン214eを介して特殊効果処理の設定内容の変更を指示する変更指示信号が入力されていない場合(ステップS106:No)において、レリーズスイッチ212が半押しされることによりファーストレリーズ信号が入力されたとき(ステップS107:Yes)、撮影制御部315は、メモリ13に記録された画像データに基づいて、レンズ部3を介して入射する光の光量を測定するAE処理を露出処理部17に実行させ(ステップS108)、AF処理部18にAF処理を実行させる(ステップS109)。具体的には、AF処理部18は、本体制御部31を介してメモリ13から画像データを取得し、取得した画像データのコントラストに基づいて、レンズ部3のレンズ駆動部42を駆動することにより、光学系41のレンズを光軸L上で移動させてレンズ部3のピント位置を調整する。
【0067】
ステップS110において、レリーズスイッチ212が全押しされることによりセカンドレリーズ信号が入力された場合(ステップS110:Yes)、撮像装置1は、撮影制御部315の制御のもと、静止画の撮影を行う(ステップS111)。続いて、画像処理部14は、撮影によりA/D変換部12を介して撮像素子11から出力された画像データをメモリ13から取得し、取得した画像データに対して画像処理設定部313によって設定された記録用の特殊効果処理を行うか、または通常の画像処理を行う(ステップS112)。その後、本体制御部31は、画像処理部14が記録用の特殊効果処理または通常の画像処理を行った画像データを外部メモリ27に記録させる(ステップS113)。
【0068】
ステップS113の後、電源スイッチ211が操作されることにより撮影の終了操作が行われた場合(ステップS114:Yes)、撮像装置1は一連の処理を終了する。一方、撮影の終了操作が行われていない場合(ステップS114:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0069】
ステップS110において、セカンドレリーズ信号が入力されていない場合(ステップS110:No)について説明する。この場合において、動画スイッチ217が操作されることにより動画レリーズ信号が入力されたとき(ステップS115:Yes)、撮像装置1は、撮影制御部315の制御のもと、動画撮影を開始する(ステップS116)。続いて、画像処理部14は、撮影によりA/D変換部12および本体制御部31を介して撮像素子11から微小な時間間隔で連続的に出力された画像データをメモリ13から順次取得し、取得した画像データに対して画像処理設定部313によって設定されている記録用の特殊効果処理または通常の画像処理を行う(ステップS117)。その後、撮影制御部315は、画像処理部14が記録用の特殊効果処理または通常の画像処理を行った画像データを時系列に沿って外部メモリ27に順次記録させ(ステップS118)、撮像装置1はステップS119へ移行する。
【0070】
ステップS118の後、撮影制御部315は、動画スイッチ217が操作されることにより動画撮影の終了操作が行われた場合(ステップS119:Yes)、撮像装置1はステップS114へ移行する。一方、動画撮影の終了操作が行われていない場合(ステップS119:No)、撮影制御部315は、この判断を繰り返す。
【0071】
ステップS115において、動画レリーズ信号が入力されていない場合(ステップS115:No)、撮像装置1はステップS114へ移行する。
【0072】
ステップS107において、ファーストレリーズ信号が入力されていない場合(ステップS107:No)、撮像装置1はステップS110へ移行する。
【0073】
ステップS106において、操作スイッチ214の決定ボタン214eが操作されることにより、特殊効果処理の設定内容の変更を指示する変更指示信号が入力された場合(ステップS106:Yes)について説明する。この場合、画像処理設定部313は、特殊効果処理の設定を解除し、画像処理部14に実行させるべき処理として通常の画像処理に設定を切換える(ステップS120)。
【0074】
続いて、画像処理部14は、メモリ13から取得した画像データに対して画像処理設定部313によって設定された通常の画像処理を行い(ステップS121)、表示制御部314は、画像処理部14が通常の画像処理を行った画像データを取得し、取得した画像データに対応するライブビュー画像を表示部25に表示させる(ステップS122)。
【0075】
図8は、表示部25が表示する画像の一例を示す図である。図8に示すように、表示制御部314は、画像処理部14が通常の画像処理を行った画像データに対応するライブビュー画像W2を表示部25に表示させる。この際、表示制御部314は、撮影シーン特定部312が特定した撮影シーンの種別に関する情報および画像処理設定部313が画像処理部14に設定した通常の画像処理に関する情報それぞれに対応するアイコンをライブビュー画像W2に重畳して表示部25に表示させる。このアイコンとしては、たとえば、図8に示すように、撮影シーンの種別のポートレートを示すアイコンA1および通常の画像処理を示すアイコンA3である。これにより、ユーザは、現在の撮影シーンの種別および画像処理部14による処理の内容を直感的に把握することができる。さらに、ユーザは、画像処理設定部313が撮影シーンの種別に応じて自動的に設定した特殊効果処理を中止することができる。なお、図8においては、通常の画像処理を表現するため、被写体の輪郭を実線で表現した。
【0076】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、画像処理設定部313が組み合わせ情報テーブルT3を参照して、撮影シーン特定部312によって特定された撮影シーンの種別に応じた特殊効果処理の内容を画像処理部14に実行させるべき処理として設定する。この結果、撮影シーンに応じた適切な特殊効果処理を画像データに対して行うことができる。
【0077】
さらに、本発明の実施の形態1によれば、操作スイッチ214の決定ボタン214eから特殊効果処理の設定内容の変更を指示する変更指示信号が入力された場合、画像処理設定部313が画像処理部14に設定した特殊効果処理を解除する。この結果、ユーザは、自動的に設定された特殊効果処理の設定を解除することができる。
【0078】
また、本発明の実施の形態1によれば、表示制御部314が、撮影シーンに関する情報および特殊効果処理に関する情報それぞれに対応するアイコンをライブビュー画像上に重畳して表示部25に表示させる。この結果、ユーザは、現在の撮影シーンの種別および特殊効果処理の内容をリアルタイムで直感的に把握することができる。
【0079】
また、本発明の実施の形態1によれば、画像処理設定部313が画像処理部14に実行させる特殊効果処理の内容を表示用と記録用との間で切換えるので、画像処理部14が特殊効果処理を行った画像データに対応するライブビュー画像を表示部25に滑らかに表示させることができる。この結果、ユーザが、被写体のシャッタチャンスを逃す可能性を低減させることができる。
【0080】
なお、本発明の実施の形態1では、画像処理設定部313が画像処理部14に実行させるべき処理として特殊効果処理を設定していたが、撮影シーンの種別に応じて画像処理部14に実行させるべき処理として特殊補助効果処理も同様に設定することもできる。さらに、撮影シーンの種別に応じて画像処理部14に実行させるべき処理として特殊効果処理および特殊補助効果処理を合わせて設定することもできる。
【0081】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。なお、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置1は、上述した実施の形態1にかかる撮像装置1と同様の構成を有するため、異なる構成のみを説明する。
【0082】
図9は、組み合わせ情報記憶部264が記憶する組み合わせ情報としての組み合わせ情報テーブルの一例の一部を示す図である。なお、図9においては、撮影シーンの種別として風景を例に説明するが、他の撮影シーンの種別においても同様に、特殊効果処理の内容が記載されている。
【0083】
図9に示すように、組み合わせ情報テーブルT4には、撮影シーンの種別と画像データに含まれる画像情報との組み合わせごとに特殊効果処理の内容が記載されている。具体的には、撮影シーンの種別が「風景」であり、画像情報の輝度が低い場合、特殊効果処理の内容として「ドラマチックトーン」が記載されている。さらに、画像情報の彩度が低い場合、特殊効果処理の内容として「ライトトーン」が記載されている。
【0084】
このように、画像処理設定部313は、撮影シーン特定部312が特定した撮影シーン種別と画像データに含まれる画像情報とに基づいて、画像処理部14に実行させるべき特殊効果処理を設定する。これにより、撮影シーンの種別に応じたより適切な特殊効果処理を画像データに対して行うことができる。なお、図9においては、撮影シーンの種別として風景を例に説明したが、他の撮影シーンの種別、たとえばポートレートや夜景においても同様の特殊効果処理の内容が記載されている。さらに、図9においては、画像データの画像情報として、輝度情報、彩度情報、主要被写体の色情報および撮像装置1から主要被写体までの距離情報のみであったが、たとえばコントラスト情報、ホワイトバランス情報、色合い情報、色の濃さ情報、シャープネス情報および色空間情報をさらに設けてもよい。
【0085】
つぎに、本実施の形態2にかかる撮像装置1が行う動作について説明する。図10は、撮像装置1が行う処理の概要を示すフローチャートである。なお、以下においては、静止画撮影または動画撮影を行う撮影モードのみについて説明する。
【0086】
図10に示すように、まず、撮像装置1は、被写体を撮像する(ステップS201)。具体的には、撮像素子11は、撮影制御部315の制御のもと、画像データを生成し、生成した画像データを、A/D変換部12を介してメモリ13に出力する。
【0087】
続いて、撮影シーン特定部312は、メモリ13から画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、撮影シーンの種別を特定し(ステップS202)、画像処理設定部313は、組み合わせ情報テーブルT4および特殊効果処理情報テーブルT1を参照して、撮影シーン特定部312が特定した撮影シーンの種別と画像データの画像情報とに基づいて、画像処理部14に実行させるべき表示用の特殊効果処理の内容を設定する(ステップS203)。
【0088】
その後、画像処理部14は、本体制御部31を介してメモリ13から画像データを取得し、取得した画像データに対して画像処理設定部313によって設定された特殊効果処理を行う(ステップS204)。
【0089】
続いて、表示制御部314は、画像処理部14が特殊効果処理を行った画像データを取得し、取得した画像データに対応するライブビュー画像を表示部25に表示させる(ステップS205)。
【0090】
図11は、表示部25が表示する画像の一例を示す図である。図11に示すように、表示制御部314は、画像処理部14が表示用の特殊効果処理を行った画像データに対応するライブビュー画像W11を表示部25に表示させる。この際、表示制御部314は、撮影シーン特定部312が特定した撮影シーンの種別に関する情報および画像処理設定部313が画像処理部14に設定した特殊効果処理に関する情報それぞれに対応するアイコンA11,A12をライブビュー画像W11の右上領域R1に重畳して表示部25に表示させる。さらに、表示制御部314は、撮影シーンが特定した撮影シーンの種別に対して、画像処理設定部313が画像処理部14に設定可能な特殊効果処理に関する情報に対応するアイコンをライブビュー画像W11の下方領域R2に重畳して表示部25に表示させる。このアイコンとしては、たとえば、図11に示すように、特殊効果処理のライトトーンに対応するArt9を示すアイコンA21、特殊効果処理のファンタジックフォーカスに対応するArt1を示すアイコンA22、特殊効果処理のジオラマに対応するArt4を示すアイコンA23および通常の画像処理を示すアイコンA24である。これにより、ユーザは、現在の撮影シーンの種別および特殊効果処理の内容を直感的に把握することができる。さらに、ユーザは、撮影シーンの種別に対して実施可能な特殊効果処理の内容を直感的に把握することができる。
【0091】
ステップS206において、操作スイッチ214の決定ボタン214eの操作がない場合(ステップS206:No)、撮像装置1はステップS207へ移行する。ステップS207〜ステップS219は、図6で説明したステップS107〜ステップS119に順次対応するため、説明を省略する。
【0092】
ステップS206において、操作スイッチ214の決定ボタン214eを介して画像処理部14に設定された処理内容の変更を指示する変更指示信号が入力された場合(ステップS206:Yes)について説明する。この場合、画像処理設定部313は、変更指示信号に応じて画像処理部14に実行させるべき処理内容を変更する(ステップS220)。この際、画像処理設定部313は、変更指示信号に応じて、組み合わせ情報テーブルT4の左から順に特殊効果処理を、たとえば「ドラマッチチックトーン」、「ライトトーン」、「ファンタジックフォーカス」、「ジオラマ」および通常の画像処理の順に変更する。
【0093】
続いて、画像処理部14は、メモリ13から取得した画像データに対して画像処理設定部313によって変更された特殊効果処理または通常の画像処理を行い(ステップS221)、表示制御部314は、画像処理部14が特殊効果処理または通常の画像処理を行った画像データを取得し、取得した画像データに対応するライブビュー画像を表示部25に表示させる(ステップS222)。これにより、ユーザは、表示部25が表示するライブビュー画像を見ながら撮影シーンの種別に対して適切な候補の中から所望の特殊効果処理を設定することができる。
【0094】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、上述した実施の形態1と同様に、撮影シーンに応じた適切な特殊効果処理を画像データに対して行うことができる。さらに、画像処理設定部313が撮影シーンの種別と画像データの画像情報とに基づいて、画像処理部14に実行させるべき特殊効果処理の内容を設定する。この結果、撮影シーンに応じたより適切な特殊効果処理を画像データに対して行うことができる。
【0095】
さらに、本発明の実施の形態2によれば、表示制御部314が、撮影シーンの種別に実施可能な特殊効果処理に関する情報をライブビュー画像上に重畳して表示部25に表示させる。この結果、ユーザは、撮影シーンの種別に実施可能な特殊効果な特殊効果処理を直感的に把握することができる。さらに、ユーザは、撮影シーンの種別に適した所望の特殊効果処理をリアルタイムで設定することができる。
【0096】
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態1,2では、外部通信部28を介してパーソナルコンピュータやサーバ等の外部処理装置に接続することによって、本体制御部31が外部通信部28を介して受信した情報に基づいて撮影モード情報記憶部261、特殊効果処理情報記憶部262、特殊補助効果処理情報記憶部263および組み合わせ情報記憶部264に記憶された各種情報の更新または書き換えを行ってもよい。これにより、本体制御部31は、新たに追加された撮影モード、特殊効果および特殊補助効果を組み合わせて撮影を行うことができる。さらに、外部メモリ27に特殊効果処理情報、特殊補助効果処理情報または組み合わせ情報を記憶させ、本体制御部31が外部メモリ27から取得して特殊効果処理情報記憶部262、特殊補助効果処理情報記憶部263または組み合わせ情報記憶部264が記憶する各種情報を更新または変更を行ってもよい。
【0097】
また、上述した実施の形態1,2では、特殊効果処理の種類は、特殊効果処理情報テーブルT1の内容に限定されず、たとえば、アート、ボール、カラーマスク、キューブ、ミラー、モザイク、セピア、白黒、ウェーブ、ボール枠、風船、ラフモノクローム、ジェントルセピア、ロック、油絵、水彩画およびスケッチ等を追加することも可能である。さらに、特殊補助効果の種類は、特殊補助効果処理情報テーブルT2の内容も限定されず、各種の内容を追加することも可能である。
【0098】
また、上述した実施の形態1,2では、撮影シーンの種別は、特殊効果処理情報テーブルT1の内容に限定されず、たとえば、子供、動物、スポーツ、キャンドルおよび文章等を追加することも可能である。
【0099】
また、上述した実施の形態1,2では、プレビュースイッチ216やフォーカス操作部452の操作に応じて画像処理設定部313が画像処理部14に設定した特殊効果処理を解除または変更を行ってもよい。
【0100】
また、上述した実施の形態1,2では、表示部25の表示画面上にタッチパネルを重ねて設け、ユーザがタッチパネルをタッチした場合、画像処理設定部313が画像処理部14に設定した特殊効果処理を解除または変更を行ってもよい。
【0101】
また、上述した実施の形態1,2では、表示部25が表示するライブビュー画像の表示について説明したが、たとえば本体部2に着脱自在な外部電子ビューファインダにおいても本発明を適用することができる。
【0102】
また、上述した実施の形態1,2では、表示部25が表示するライブビュー画像の表示について説明したが、たとえば表示部25とは別に電子ビューファインダを本体部2に設け、この電子ビューファインダにおいて本発明を適用するようにしてもよい。
【0103】
また、上述した実施の形態1,2では、レンズ部3が本体部2に着脱自在であったが、レンズ部3と本体部2とが一体的に形成されていてもよい。
【0104】
また、上述した実施の形態1,2では、撮像装置1をデジタル一眼デジタルカメラとして説明していたが、たとえば、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話やパーソナルコンピュータ等の撮影機能を備えた各種電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 撮像装置
2 本体部
3 レンズ部
10 シャッタ
11 撮像素子
12 A/D変換部
13 メモリ
14 画像処理部
15 撮像素子駆動部
16 シャッタ駆動部
17 露出処理部
18 AF処理部
19 タイマー
20 本体通信部
21 操作入力部
22 フラッシュ発光部
23 フラッシュ充電部
24 フラッシュ駆動部
25 表示部
26 不揮発性メモリ
27 外部メモリ
28 外部通信部
29 電源供給部
30 電源部
31 本体制御部
41 光学系
42 レンズ駆動部
43 絞り
44 絞り駆動部
45 レンズ操作部
46 レンズ通信部
47 レンズ記憶部
48 レンズ制御部
141 特殊効果処理部
142 特殊補助効果処理部
211 電源スイッチ
212 レリーズスイッチ
213 撮影モード切換スイッチ
214 操作スイッチ
215 メニュースイッチ
216 プレビュースイッチ
217 動画スイッチ
261 撮影モード情報記憶部
262 特殊効果処理情報記憶部
263 特殊補助効果処理情報記憶部
264 組み合わせ情報記憶部
311 顔検出部
312 撮影シーン特定部
313 画像処理設定部
314 表示制御部
315 撮影制御部
451 ズーム操作部
452 フォーカス操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して光電変換を行うことにより電子的な画像データを生成する撮像部と、前記画像データに対応する画像を表示する表示部とを備えた撮像装置であって、
前記画像データに対して、複数の画像処理を組み合わせることにより視覚的な効果を生じさせることが可能な特殊効果処理を行う画像処理部と、
前記画像データに基づいて、撮影シーンの種別を特定する撮影シーン特定部と、
前記撮影シーンの種別と前記特殊効果処理との組み合わせ情報を記憶した組み合わせ情報記憶部と、
前記組み合わせ情報を参照して、前記撮影シーン特定部が特定した前記撮影シーンの種別に応じた前記特殊効果処理を、前記画像処理部に実行させるべき処理として設定する画像処理設定部と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記画像処理設定部が前記画像処理部に対して設定した前記特殊効果処理に関する情報を前記表示部に表示させる表示制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画像処理部が行う前記特殊効果処理の設定の変更を指示する変更指示信号の入力を受け付ける操作入力部をさらに備え、
前記画像処理設定部は、前記変更指示信号が入力された場合、前記画像処理部に実行させるべき前記特殊効果処理の設定を解除することを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記組み合わせ情報は、前記撮影シーンの種別と前記画像データに含まれる画像情報との組み合わせごとに前記特殊効果処理の内容が記載され、
前記画像処理設定部は、前記撮影シーンの種別と前記画像情報との組み合わせに基づいて、前記画像処理部に実行させるべき前記特殊効果処理を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記画像情報は、輝度情報、彩度情報、主要被写体の色情報および当該撮像装置から主要被写体までの距離情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
被写体を撮像して光電変換を行うことにより電子的な画像データを生成する撮像部と、前記画像データに対応する画像を表示する表示部とを備えた撮像装置に、
前記画像データに対して、複数の画像処理を組み合わせることにより視覚的な効果を生じさせることが可能な特殊効果処理を行う画像処理ステップと、
前記画像データに基づいて、撮影シーンの種別を特定する撮影シーン特定ステップと、
前記撮影シーンの種別と前記特殊効果処理との組み合わせ情報を記憶した組み合わせ情報記憶部から該組み合わせ情報を読み出して参照し、前記撮影シーン特定ステップで特定した前記撮影シーンの種別に応じた前記特殊効果処理を、前記画像処理ステップで実行させるべき処理として設定する画像処理設定ステップと、
を実行させることを特徴とする撮像プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−165078(P2012−165078A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22099(P2011−22099)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】