説明

撮像装置及びプログラム

【課題】撮影時にその指標として利用される撮影補助線を必要時に適切な位置に表示できるようにする。
【解決手段】制御部1は、撮像部6から取得したライブビュー画像をタッチ表示部4に表示させると共に、このライブビュー画像内に含まれている略直線画像を検出し、この略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせる場合に、表示されているライブビュー画像内の略直線画像に対応して(例えば、重ね合わせて)撮影補助線(例えば、1本の水平線或いは垂直線)をタッチ表示部4に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影時にその指標として利用される撮影補助線を表示する撮像装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置としてのデジタルカメラ(コンパクトカメラ)には、グリッド線表示機能が備えられており、水平や垂直を保つために格子状のグリッドがライブビュー画面の全体に表示されるため、撮影者にあっては、画面内のグリッド表示を指標として、撮影画像(ライブビュー画像)内の水平線或いは地平線などが斜めにならないように、カメラ筐体を回転させて撮影するようにしている。このようなグリッド表示は、一般に、メニューの中から選択して設定することができ、ライブビュー画面がグリッド表示により9分割されているので、構図の指標にも利用することができるが、常にグリッドを表示させていると、グリッド表示の不要時には目障りとなり、邪魔になってしまう。また、従来では、電子ファインダに表示するグリッドパターンを選択できるようにした技術も開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−279767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術にあっては、選択したグリッドパターンの表示位置が固定されているため、ユーザが望む適切な位置にグリッドが表示されるとは限らず、水平や垂直の指標や構図の指標としての利用に影響を与えてしまい、必ずしも、グリッド表示を効果的に利用できるとは限らなかった。
【0005】
本発明の課題は、撮影時にその指標として利用される撮影補助線を必要時に適切な位置に表示できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために本発明の一つの態様は、
撮像手段と、
前記撮像手段により取得された撮影画像を表示する表示手段と、
前記撮影画像内に含まれている略直線画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせると判別された場合に、前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の略直線画像の位置に対応する位置に撮影補助線を表示させる表示制御手段と、
を備えるようにしたことを特徴とする撮像装置である。
【0007】
上述した課題を解決するために本発明の他の態様は、
コンピュータに対して、
撮像手段により取得された撮影画像を表示する機能と、
前記撮影画像内に含まれている略直線画像を検出する機能と、
前記検出された略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別する機能と、
前記略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせると判別された場合に、前記表示されている前記撮影画像内の略直線画像の位置に対応する位置に撮影補助線を表示させる機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮影時にその指標として利用される撮影補助線を必要時に適切な位置に表示することができ、効果的な撮影支援を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】撮像装置として適用したデジタルカメラの基本的な構成要素を示したブロック図。
【図2】(1)〜(5)は、撮影補助線表示機能を説明するための図。
【図3】閾値テーブルM3を説明するための図。
【図4】(1)〜(3)は、閾値テーブルM3に設定されている閾値を説明するための図。
【図5】電源投入に応じて実行開始されるデジタルカメラの動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのメインのフローチャート。
【図6】図5の動作に続くフローチャート。
【図7】略水平/略垂直判別処理(図6のステップA23)を詳述するための図。
【図8】(1)〜(3)は、ライブビュー画像内に表示される撮影補助線ATを示した図。
【図9】(1)、(2)は、第1実施形態の変形例を説明するための図。
【図10】第2実施形態におけるデジタルカメラの基本的な構成要素を示したブロック図。
【図11】第2実施形態において、略水平/略垂直判別処理(図6のステップA23)を詳述するための図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、図1〜図8を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、撮像装置として適用したデジタルカメラの基本的な構成要素を示したブロック図である。
このデジタルカメラ(撮像装置)は、例えば、フルカラーの静止画像のほかに動画像の撮影も可能なコンパクトカメラで、撮像機能、タッチ入力機能などのほか、撮影補助線表示機能を有している。この撮影補助線表示機能は、例えば、ライブビュー画面(モニタ画面)を9分割する格子状のグリッドを表示するほか、本実施形態においては、1本の水平線或いは垂直線(撮影補助線)を表示する機能である。そして、このデジタルカメラの中核となる制御部1は、電源部(二次電池)2からの電力供給によって動作し、記憶部3内の各種のプログラムに応じてこのデジタルカメラ(以下、カメラと略称する)の全体動作を制御する中央演算処理装置である。
【0011】
記憶部3は、例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリなどを有する構成で、後述する図5〜図7に示した動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムや各種のアプリケーションなどが格納されているほかに、このカメラが動作するために必要となる各種の情報(例えば、フラグ、タイマなど)を一時的に記憶するワーク領域を有する構成となっている。そして、記憶部3は、プログラムメモリM1、ワークメモリM2などのほか、後述する閾値テーブルM3を有している。なお、記憶部3は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続された状態においては所定の外部サーバ側の記憶領域を含むものであってもよい。
【0012】
タッチ表示部4は、上述のタッチ入力機能として、指などでタッチ操作された位置を検出するタッチ入力手段(タッチスクリーン)を構成するもので、表示パネル4aとタッチパネル4bとを有する構成となっている。なお、タッチパネル4bとしては、静電容量方式、抵抗皮膜方式、電磁誘導方式、圧電方式などの各種方式のうち、軽量化、光透過性、耐久性などに優れた静電容量方式を採用しているが、その他の方式であってもよい。表示パネル4aは、例えば、縦横比(横4:縦3)の異なる画面を有した高精細液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで、ソフトウェアキーとしての機能名を表示するほか、撮像された画像(ライブビュー画像:スルー画像)を表示するファインダ画面(モニタ画面)として機能したり、保存済み画像(撮影済み画像)を表示する再生画面として機能したりする。
【0013】
このタッチ表示部4を構成するタッチパネル4b上でのタッチ操作に応じて制御部1は、そのタッチ位置を取得してその位置に応じた座標データを入力する処理を行う。キー操作部5は、図示省略したが、モード切替操作、シャッタ操作、動画撮影操作、露出やシャッタスピードなどの撮影条件を設定する設定操作、撮影済み画像の再生を指示する再生操作などを行う押しボタン式のキーを備えたもので、制御部1は、キー操作部5からの入力操作信号に応じた処理として、例えば、撮影処理、撮影条件の設定、再生処理、データ入力処理などを行う。なお、モード切替操作は、撮影が可能な撮影モードに設定したり、撮影済み画像を再生可能な再生モードに設定したりして動作モードを切り替える操作である。
【0014】
撮像部6は、図示省略したが、レンズ部、撮像素子、A/D(アナログ/デジタル)変換部などを有し、静止画像のほかに動画像の撮影も可能な構成で、ズームレンズ、フォーカスレンズなどを備えたレンズ部からの被写体像が、図示省略した絞りやシャッタを介して撮像素子(CCD又はCMOS)に結像されることにより被写体を高精細に撮影可能な構成となっている。ここで、撮像素子で光電変換された画像信号(アナログ値の信号)に対して、色分離やRGBの色成分毎のゲイン調整などが行われた後に、デジタル値のデータに変換されると共に、デジタル変換された画像データは、色補間処理(デモザイク処理)が施される。このようにしてデモザイク処理された画像データは、表示パネル4aに送られて、ライブビュー画像としてフルカラー表示される。
【0015】
図2は、上述の撮影補助線表示機能を説明するための図である。
図2(1)〜(5)は、撮像部6により撮像された撮影画像(ライブビュー画像:スルー画像)がタッチ表示部4にファインダ画面(モニタ画面)として表示されている状態を示した図である。この図示の例において、撮影画像(ライブビュー画像)には、例えば、地平線を示す画像(略直線画像)LNが含まれている。なお、図2(4)、(5)において、図中、矢印を付した右側の図は、ライブビュー画像の一部拡大図(略直線画像LN部分の拡大図)である。図2(1)は、タッチ表示部4に表示されているライブビュー画像内において、地平線を示す略直線画像LNの上がタッチされた場合を示し、制御部1は、そのタッチ位置座標を取得し、このタッチ位置の近傍(タッチ位置から所定範囲内)に含まれている略直線画像LNを検出するようにしている。なお、タッチ位置から所定範囲内とは、画面サイズにもよるが、タッチ位置を中心として、例えば、周囲1cmなどである。
【0016】
ここで、制御部1は、ライブビュー画像のうち、タッチ位置から所定範囲内を解析することにより、例えば、コントラスト値に差のある直線的な線分を略直線画像LNとして検出するようにしている。その際、タッチ位置から所定範囲内に直線的な線分が複数含まれていれば、この複数の略直線画像LNをそれぞれ検出するようにしている。なお、直線的な線分を略直線画像LNとして検出する場合、曲率の大きい円弧や曲線などを除き、直線に近い線分であれば、略直線画像LNとして検出するようにしている。このような検出の仕方は、周知技術であり、本実施形態でもその周知技術を利用するようにしているため、その具体的な説明については省略するものとする。
【0017】
そして、制御部1は、この略直線画像LNの両端を結ぶ接続線の傾きを検出し、その傾きが45°未満であれば、略直線を略水平として取り扱い、45°以上であれば、略垂直として取り扱うようにしている。図2(1)の場合には、略直線画像LNの傾きが45°未満であるので、この略直線画像LNは、略水平として取り扱われる。図2(2)は、略直線画像LNが略水平とみなせるか否かを判別する際の判別の仕方を説明するための図である。図示の例において、制御部1は、略直線画像LNの一端部とライブビュー画像の一端部との距離L1と、略直線画像LNの他端部とライブビュー画像の一端部との距離L2が略同一である場合に、この略直線画像LNは、略水平とみなせると判別するようにしている。
【0018】
ここで、判別の基準となるライブビュー画像の一端部とは、略直線画像LNの近くに位置する端部を意味している。例えば、図2(2)の例においては、略直線画像LNは、略水平とみなせる場合であるから、図中、上下方向(縦方向)におけるライブビュー画像の両端部のうち、略直線画像LNに近い方の一端部が判別の基準となる。この場合、略直線画像LNは、ライブビュー画像の上半部分の領域内に含まれているので、ライブビュー画像の上端部が判別の基準となる。図2(3)は、略直線画像LNが略垂直とみなせるか否かを判別する際の判別の仕方を説明するための図で、略直線画像LNが略垂直とみなせる場合であるから、図中、左右方向(横方向)におけるライブビュー画像の両端部のうち、略直線画像LNに近い方の一端部が判別の基準となる。この場合、略直線画像LNは、ライブビュー画像の左半部分の領域内に含まれているので、ライブビュー画像の左端部が判別の基準となる。
【0019】
図2(4)は、略直線画像LNが略水平とみなせると判別した場合に、タッチ表示部4に表示されているライブビュー画像内の略直線画像LNに対応して撮影補助線ATを表示させた場合である。この場合、撮影補助線ATは、1本の横方向の直線(点線:水平線)であり、略直線画像LNの上に重なり合うように表示される。図2(5)は、略直線画像LNが略垂直とみなせると判別した場合に、タッチ表示部4に表示されているライブビュー画像内の略直線画像LNに対応して撮影補助線ATを表示させた場合である。この場合、撮影補助線ATは、1本の縦方向の直線(点線:垂直線)であり、略直線画像LNの上に重なり合うように表示される。なお、撮影補助線ATは、着色した実線、一点鎖線、二点鎖線、着色した破線或いは点滅表示などであってもよく、略直線画像LNに対して識別可能であれば、その表示形態や表示の仕方は任意である。
【0020】
図3は、閾値テーブルM3を説明するための図である。
閾値テーブルM3は、ライブビュー画像内の略直線画像LNが略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別するための基準値(閾値)を記憶するテーブルで、「タッチ継続時間」、「閾値」、「許容誤差」の各項目を有している。「タッチ継続時間」は、タッチパネル4bに対してタッチ操作を続けているタッチ継続時間であり、制御部1は、タッチパネル4bがタッチされた際に、タイマの計測動作を開始してそのタッチが離れるまでの時間をタッチ継続時間として計測するようにしている。なお、図示の例では、「タッチ継続時間」としてt1(1秒)未満の“〜t1”が設定され、t1以上t2未満(1秒以上2秒未満)の“t1〜〜t2”が設定され、t2以上t3未満(2秒以上3秒未満)の“t2〜t3”が設定されている場合である。
【0021】
「閾値」は、略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別するための閾値で、「タッチ継続時間」に応じて異なる値が記憶されている。なお、図示の例では、「タッチ継続時間」の“〜t1”に対応して“s1”が記憶され、“t1〜〜t2”に対応して“s2”が記憶され、“t2〜〜t3”に対応して“s3”が記憶されている場合を示している。「許容誤差」は、図2(2)、図2(3)に示すように、略直線画像LNの一端部とライブビュー画像の一端部との距離L1と、略直線画像LNの他端部と撮影画像の一端部との距離L2が略同一であるとみなす場合の許容誤差(距離の差:ドット数)を示している。すなわち、略直線画像LNが略水平或いは略垂直とみなせる場合の許容誤差を示し、図示の例では、「閾値」の“s1”、“s2”、“s3”に対応する「許容誤差」としてドット数“a”、“b”、“c”が記憶されている。
【0022】
図4は、略直線画像LNが略水平の場合において、「閾値」の“s1”、“s2”、“s3”、つまり、「許容誤差」の“a”、“b”、“c”を説明するための図である。図4(1)は、「閾値」の“s1”、「許容誤差」の“a”により略水平と判別される略直線を示し、図4(2)は、「閾値」の“s2”、「許容誤差」の“b”により略水平と判別される略直線を示し、図4(3)は、「閾値」の“s3”、「許容誤差」の“c”により略水平と判別される略直線を示している。ここで、図示の例では、「閾値」の“s1”、“s2”、“s3”、つまり、「許容誤差」の“a”、“b”、“c”の関係は、s1<s2<s3、つまり、a<b<cとなっている。
【0023】
次に、第1実施形態におけるカメラの動作概念を図5〜図7に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、これらのフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。すなわち、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0024】
図5及び図6は、電源投入に応じて実行開始されるカメラの動作(本実施形態の特徴的な動作)を説明するためのメインのフローチャートである。
先ず、制御部1は、電源投入操作に応じてメモリなどをクリアする初期化処理を実行した後(図5のステップA1)、撮影が可能な撮影モードに切替られているかを調べる(ステップA2)。いま、再生モードに切替られているときには(ステップA2でNO)、再生モードの初期設定を行った後、再生対象の撮影済み画像を呼び出してタッチ表示部4に再生表示させる(ステップA3)。
【0025】
この再生モードにおいて、モード切替操作が行われたかを調べたり(ステップA4)、その他の操作が行われたかを調べたりし(ステップA5)、モード切替操作が行われたときには(ステップA4でYES)、撮影モードに応じた処理を実行するためにステップA7に移るが、再生モードにおいて、その他の操作が行われたときには(ステップA5でYES)、操作に応じた処理として、例えば、画像送り、ズーム、スライドショーなどの処理を実行した後(ステップA6)、上述のモード切替操作の有無を判別するステップA4に戻る。
【0026】
いま、撮影モードに切替られているときには(ステップA2でYES)、撮影モードの初期設定を行った後、撮像部6から取得した撮像画像(ライブビュー画像:スルー画像)をタッチ表示部4にファインダ画面(モニタ画面)として表示させる(ステップA7)。この撮影モードにおいて、タッチ表示部4へのタッチ操作の有無を調べたり(ステップA8)、シャッタ操作の有無を調べたり(ステップA9)、その他の操作の有無を調べたりする(ステップA10)。いま、その他の操作として、例えば、露出設定、ズーム調整などの設定操作が行われると(ステップA10でYES)、その操作に応じた処理として、露出設定などの設定処理を行った後(ステップA11)、上述のタッチ有無を判別するステップA8に戻る。
【0027】
また、撮影モードにおいてシャッタ操作が行われたときには(ステップA9でYES)、撮像部6を撮影条件に応じて制御する撮影処理を実行する(ステップA12)。そして、撮像部6から取得した撮像画像を記録保存する処理を行うと共に、タッチ表示部4のモニタ画面に撮影補助線ATが表示されていれば、この撮影補助線ATを消去する処理を行う(ステップA13)。その後、上述のタッチ操作有無を判別するステップA8に戻る。
【0028】
また、撮影モードにおいてタッチ表示部4へのタッチ操作が行われたときには(ステップA8でYES)、図6のフローに移り、タッチ表示部4からそのタッチ位置座標を取得した後(ステップA14)、上述のタッチ継続時間を計測するためのタッチタイマ(ソフトタイマ)の計測動作を開始させる(ステップA15)。その後、タッチ表示部4に表示されているライブビュー画像を解析することにより、タッチ位置の近傍(タッチ位置から所定範囲内)に含まれている略直線画像LNを検出する(ステップA16)。この場合、例えば、コントラスト値の差などに基づいて直線的な線分を略直線画像LNとして検出することができたかを調べ、略直線画像LNを検出することができなければ(ステップA17でNO)、略直線を検出できなかった旨のエラーメッセージをタッチ表示部4にオーバーラップ表示させる(ステップA18)。そして、上述のタッチタイマの計測動作を停止させた後(ステップA27)、上述のタッチ操作有無を判別するステップA8に戻る。
【0029】
略直線画像LNを検出できたときには(ステップA17でYES)、上述のタッチタイマの計測時間を取得してその計測時間(タッチ継続時間)は、t3未満であるかを調べ(ステップA19)、タッチ継続時間がt3以上であれば(ステップA19でNO)、タイムオーバーとしてエラーメッセージをタッチ表示部4にオーバーラップ表示させる(ステップA20)。そして、上述のタッチタイマの計測動作を停止させた後(ステップA27)、上述のタッチ操作有無を判別するステップA8に戻る。また、タッチ継続時間がt3未満であれば(ステップA19でYES)、このタッチ継続時間に基づいて閾値テーブルM3を参照し(ステップA21)、タッチ継続時間に対応する「閾値」として「許容誤差」を設定する(ステップA22)。例えば、「タッチ継続時間」が“〜t1(1秒未満)”であれば、「閾値」として“s1”、「許容誤差」として“a”を設定する。その後、略水平/略垂直判別処理に移る(ステップA23)。
【0030】
図7は、略水平/略垂直判別処理(図6のステップA23)を詳述するための図である。
先ず、制御部1は、ライブビュー画像内から検出した略直線画像LNは複数であるかを調べ(ステップB1)、検出した略直線画像LNが単数であれば(ステップB1でNO)、その略直線画像LNを処理対象として指定するが(ステップB2)、検出した略直線画像LNが複数であれば(ステップB1でYES)、複数の略直線画像LNの中から最初の略直線画像LNとして、ライブビュー画像の所定位置(例えば、左上隅部の位置)を基準として、その基準位置に近い略直線画像LNを処理対象として選択して指定する(ステップB3)。
【0031】
そして、処理対象として指定した略直線画像LNの傾きとして、略直線画像LNの両端を結ぶ接続線(直線)の傾きを算出し(ステップB4)、この略直線画像LNの傾きに基づいて略直線画像LNを略水平として取り扱うか、略垂直として取り扱うかを決定する(ステップB5)。この場合、略直線画像LNの傾きが45°未満であれば、略直線画像LNを略水平として取り扱い、45°以上であれば、略直線画像LNを略垂直として取り扱う。
【0032】
そして、その略直線画像LNの位置に応じて、略直線画像LNが略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別する際の判別基準となるライブビュー画像の端部を決定する(ステップB6)。すなわち、図2(2)の例においては、略直線画像LNは、略水平とみなせる場合であるから、図中、上下方向(縦方向)におけるライブビュー画像の両端部のうち、略直線画像LNに近い方の一端部(上端部)を判別基準として決定する。また、図2(3)の例においては、略直線画像LNが略垂直とみなせる場合であるから、図中、左右方向(横方向)におけるライブビュー画像の両端部のうち、略直線画像LNに近い方の一端部(左端部)が判別基準として決定する。
【0033】
これによって決定した判別基準に基づいて、制御部1は、略直線画像LNの一端部とライブビュー画像の一端部(判別基準)との距離L1と、略直線画像LNの他端部と撮影画像の一端部(判別基準)との距離L2をドット数として計測した後(ステップB7)、この距離L1と距離L2との差を算出する(ステップB8)。そして、算出した距離の差と、図6のステップA22で設定したタッチ継続時間に応じた「閾値」、つまり、「許容誤差」と比較し(ステップB9)、算出した距離の差は、「許容誤差」の範囲内であるかを調べる(ステップB10)。
【0034】
いま、算出した距離の差が「許容誤差」の範囲内であれば(ステップB10でYES)、距離L1と距離L2とは略同一であると判断して、この略直線画像LNを略水平或いは略垂直とみなせると判別するが(ステップB11)、「許容誤差」から外れていれば(ステップB10でNO)、上述のステップB11をスキップし、その判別を行わない。以下、処理対象として未指定の略直線画像LNが残っているかを調べ(ステップB12)、未指定の略直線画像LNが残っていれば(ステップB12でYES)、上述の基準位置に近い順にその未指定の略直線画像LNを処理対象として指定した後(ステップB13)、上述の傾き算出処理を行うステップB4に戻り、以下、全ての略直線画像LNを指定し終わるまで上述の動作を繰り返す。
【0035】
このようにして略水平/略垂直判別処理(図6のステップA23)が終わると、その判別結果に基づいて略水平或いは略垂直とみなせる判別の有無を調べ(ステップA24)、略水平或いは略垂直とみなせると判別されなければ(ステップA24でNO)、タッチ表示部4へのタッチ操作は継続していることを条件に(ステップA25でYES)、上述の計測時間を判別するステップA19に戻る。また、タッチが離れてタッチ操作が解除されたときには(ステップA25でNO)、略水平/略垂直を判定することができない旨のエラーメッセージをタッチ表示部4にオーバーラップ表示させると共に(ステップA26)、上述のタッチタイマの計測動作を停止させた後(ステップA27)、上述のタッチ操作有無を判別するステップA7に戻る。
【0036】
一方、略水平/略垂直判別処理(ステップA23)を行った結果、略水平或いは略垂直とみなせると判別されたときには(ステップA24でYES)、複数の略直線画像LNについて略水平或いは略垂直とみなせると判別されたかを調べる(ステップA28)。ここで、略水平或いは略垂直とみなせると判別された略直線画像LNが単数であれば(ステップA28でNO)、その略直線画像LNに対応して(重ね合わせて)、1本の横方向の直線(水平線)或いは1本の縦方向の直線(垂直線)を撮影補助線ATとして表示させる(ステップA31)。その後、上述のタッチタイマの計測動作を停止させた後(ステップA27)、上述のタッチ操作有無を判別するステップA7に戻る。
【0037】
また、略水平或いは略垂直とみなせると判別された略直線画像LNが複数であれば(ステップA28でYES)、複数の略直線画像LNは全て略水平或いは略垂直の同一種である、つまり、複数の略直線画像LNは全て略水平或いは全て略垂直であるかを調べる(ステップA29)。ここで、略水平の略直線画像LNと略垂直の略直線画像LNとが混在していれば(ステップA29でNO)、後述する図8(3)に示すように略水平、略垂直に応じて撮影補助線ATを識別可能に表示させる(ステップA31)。また、複数の略直線画像LNが全て同一種であれば(ステップA29でYES)、各略直線画像LNの優先順位を決定した後(ステップA30)、後述する図8(1)、(2)に示すように、優先順位に基づいて撮影補助線ATを識別可能に表示させる(ステップA31)。その後、上述のタッチタイマの計測動作を停止させた後(ステップA27)、上述のタッチ操作有無を判別するステップA7に戻る。
【0038】
ここで、上述の優先順位の決定は、次のようにして行う。すなわち、上述のステップA14で取得したタッチ位置座標と各略直線画像LNとの距離を考慮するほか、水平度或いは垂直度をも考慮して優先順位を決定するようにしている。水平度或いは垂直度とは、各略直線画像LNが略水平或いは略垂直とみなせると判別した場合に、その水平或いは垂直と近似する度合い(近似度)を示すもので、その水平度或いは垂直度が高い順(水平或いは垂直に近い順)に優先順位を決定するようにしている。このように本実施形態においては、タッチ位置からの距離と、水平度或いは垂直度との両方を考慮して優先順位を決定するようにしているが、そのいずれか一方から優先順位を決定するようにしてもよい。
【0039】
図8は、ライブビュー画像内に略水平或いは略垂直とみなせる略直線画像LNが複数存在している場合に、各略直線画像LNに重ね合わせて表示される撮影補助線ATを、決定した優先順位に基づいて識別可能に表示されることを例示した図である。なお、図8(1)〜(3)において、図中、矢印を付した右側の図は、ライブビュー画像の一部拡大図(略直線画像LN部分の拡大図)である。図8(1)は、2本の略水平の略直線画像LNが存在している場合で、略直線画像LNの1本目をLN(1)、2本目をLN(2)とすると、各略直線画像LNの水平度は略同じであるが、タッチ位置は1本目のLN(1)の方が近いために、優先順位は、1本目のLN(1)が1位、2本目のLN(2)が2位となる場合である。この場合、優先順位が1位のLN(1)に対応して重ね合わせ表示される撮影補助線ATをAT(1)とすると、例えば、優先順位の高い撮影補助線AT(1)を赤色表示し、優先順位の低い撮影補助線AT(2)を青色表示により識別表示させる。なお、着色に限らず、線種を変えることにより識別表示するようにしてもよい(以下、同様)。
【0040】
図8(2)は、上述と同様に、2本の略水平の略直線画像LNが存在している場合である。この場合、各略直線画像LNのタッチ位置からの距離は略同じであるが、水平度は1本目のLN(1)の方が高いために、優先順位は、1本目のLN(1)が1位、2本目のLN(2)が2位となる。この場合においても、優先順位が1位のLN(1)に対応して重ね合わせ表示される撮影補助線AT(1)を赤色表示し、2位の撮影補助線AT(2)を青色表示により識別表示させる。
【0041】
図8(3)は、1本の略水平の略直線画像LN(11)と1本の略垂直の略直線画像LN(12)とが混在している場合で、この略水平の略直線画像LN(11)と略垂直の略直線画像LN(12)とが交差し、その交差位置がタッチされた場合である。この場合、略水平、略垂直に応じて撮影補助線AT(11)、AT(12)を識別可能に表示させる。例えば、略水平の略直線画像LN(11)に対応する撮影補助線AT(11)を赤色表示し、略垂直の略直線画像LN(12)に対応する撮影補助線AT(12)を青色表示により識別表示させる。
【0042】
以上のように、第1実施形態においては、撮像部6から取得したライブビュー画像を表示させると共に、このライブビュー画像内に含まれている略直線画像LNを検出し、この略直線画像LNが略水平或いは略垂直とみなせる場合に、この略直線画像LNに対応して撮影補助線ATを表示するようにしたので、撮影時にその指標として利用される撮影補助線ATを必要時に適切な位置に表示することができ、最適な構図の撮影が可能となるなど、効果的な撮影支援を実現することが可能となる。
【0043】
ライブビュー画像内に含まれている略直線画像LNを検出する場合、任意に指定された位置から所定範囲内に含まれている略直線画像LNを検出するようにしたので、撮影補助線ATを表示させたい位置の略直線画像LNを指定することができ、ユーザの意向を反映させることができる。
【0044】
ライブビュー画像が表示されている表示パネル4aに重ね合わせて配設されているタッチパネル4bへのタッチ位置により、そのタッチ位置から所定範囲内の略直線画像LNを検出するようにしたので、位置の指定を容易かつ確実に行うことができる。
【0045】
タッチ継続時間に応じて、略直線画像LNが略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別するための閾値を変化させるようにしたので、ユーザの意向に応じてその判別基準を動的に変えることが可能となる。これによって、例えば、水平度或いは垂直度が若干足りない略直線画像LNに対しても、撮影補助線ATを表示することができ、逆に、水平度或いは垂直度を厳しくすることで、水平或いは垂直に近似した略直線画像LNに対してだけに撮影補助線ATを表示することができる。
【0046】
略直線画像LNの一端部とライブビュー画像の一端部との距離と、略直線画像LNの他端部とライブビュー画像の一端部との距離が略同一である場合に、略直線画像LNが略水平或いは略垂直とみなせると判別するようにしたので、センサなどを搭載することなく、距離比較という簡略な処理により略水平或いは略垂直を判別することが可能となる。
【0047】
ライブビュー画像内の略直線画像LNの上に重ね合わせて撮影補助線ATを表示するようにしたので、略直線画像LNと撮影補助線ATとの対応関係が明確となる。
【0048】
略水平或いは略垂直とみなされた略直線画像LNが複数存在している場合には、各略直線画像LNの優先順位を決定し、この優先順位に基づいて撮影補助線ATを識別可能に表示するようにしたので、ユーザにあっては複数の撮影補助線ATの中から適切な撮影補助線ATを見つけ出すことができる。
【0049】
各略直線画像LNとタッチ位置との距離に基づき優先順位を決定するようにしたので、よりユーザの意向を反映させた撮影補助線ATを提供することができる。
【0050】
各略直線画像LNの水平度或いは垂直度に基づいて優先順位を決定するようにしたので、ユーザにあっては、複数の略直線画像LNが含まれていても、本来の水平線或いは地平線などを適切に識別することができる。
【0051】
なお、上述した第1実施形態においては、ライブビュー画像内の略直線画像LNの上に重ね合わせて撮影補助線ATを表示するようにしたが、これに限らず、例えば、予め設定されている複数の撮影補助線ATのうち、表示されているライブビュー画像内の略直線画像LNと略水平或いは略垂直が同方向であり、かつ一番近い撮影補助線ATを選択して表示するようにしてもよい。例えば、図9(1)は、通常使用の一般的なグリッドを示し、このグリッドは、横線(水平線)2本の撮影補助線AT(a)、AT(b)と、縦線(垂直線)2本の撮影補助線AT(c)、AT(d)の合計4本の撮影補助線により構成され、ライブビュー画像が表示されるモニタ画面を3×3の領域に9分割するようにしている。
【0052】
図9(2)は、ライブビュー画像内の略直線画像LNを示した図である。制御部1は、略直線画像LNが略水平或いは略垂直であるかを判別し、略水平であれば、図9(1)で示したように、上下方向に配列されている2本の撮影補助線AT(a)、AT(b)のうち、略直線画像LNに一番近い撮影補助線AT(a)、つまり、図中、上側の撮影補助線AT(a)を選択して表示させる。なお、略直線画像LNが略垂直であれば、左右方向に配列されている2本の撮影補助線AT(c)、AT(d)のうち、略直線画像LNに一番近い撮影補助線を選択して表示させる。このように予め設定されている複数の撮影補助線AT(a)〜AT(d)のうち、表示されているライブビュー画像内の略直線画像LNと略水平或いは略垂直が同方向であり、かつ一番近い撮影補助線ATを選択して表示するようにすれば、略直線画像LNとの位置合わせを行う必要もなく、予め用意されている撮影補助線をそのまま用いて表示することができる。
【0053】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について図10及び図11を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、略直線画像LNが略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別する場合に、略直線画像LNの一端部とライブビュー画像の一端部との距離と略直線画像LNの他端部とライブビュー画像の一端部との距離が略同一であるかを判別することにより行うようにしたが、この第2実施形態においては、重力センサを使用し、略直線画像LNが重力センサにより検出された重力方向に応じて略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別するようにしたものである。ここで、両実施形態において基本的或いは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0054】
図10は、第2実施形態におけるデジタルカメラの基本的な構成要素を示したブロック図である。
このデジタルカメラ(画像処理装置)は、上述と基本的には同様の構成要素として、制御部1、電源部(二次電池)2、記憶部3、タッチ表示部4、キー操作部5、撮像部6を有しているほか、この第2実施形態においては、重力センサ7を更に有する構成となっている。この重力センサ7は、重力方向を検出する加速度センサで、制御部1は、ライブビュー画像内の略直線画像LNが重力センサ7により検出された重力方向に応じて特定される水平或いは垂直に近似する度合い(近似度)、つまり、水平度或いは垂直度に基づいて、略水平或いは略垂直とみなすか否かを判別するようにしている。
【0055】
記憶部3は、プログラムメモリM1、ワークメモリM2などのほか、後述する閾値テーブルM3を有する構成で、第2実施形態における閾値テーブルM3は、上述した第1実施形態と同様に、「タッチ継続時間」、「閾値」、「許容誤差」の各項目を有し、第2実施形態の「許容誤差」には、重力センサ7により検出された重力方向との差を許容する値として傾きの度合いが許容誤差として記憶されている。
【0056】
図11は、第2実施形態において、略水平/略垂直判別処理(図6のステップA23)を詳述するための図である。なお、第2実施形態において図11の略水平/略垂直判別処理のうち、図7の第1実施形態と基本的に同様な部分は簡単に説明するものとする。
先ず、制御部1は、ライブビュー画像内から検出した略直線画像LNが単数であれば(ステップC1でNO)、その略直線画像LNを処理対象として指定するが(ステップC2)、検出した略直線画像LNが複数であれば(ステップC1でYES)、複数の略直線画像LNの中から最初の略直線画像LNを処理対象として指定する(ステップC3)。この場合、ライブビュー画像の所定位置(例えば、左上隅部の位置)を基準として、その基準位置に近い略直線画像LNを処理対象として指定する。
【0057】
そして、処理対象として指定した略直線画像LNの傾きとして、略直線画像LNの両端を結ぶ接続線(直線)の傾きを算出し(ステップC4)、この略直線画像LNの傾きが45°未満であるか否かに基づいて略直線画像LNを略水平として取り扱うか、略垂直として取り扱うかを決定する(ステップC5)。そして、ライブビュー画像内の略直線画像LNが重力センサ7により検出された重力方向に応じて特定される水平或いは垂直に近似する度合い(近似度)として、水平度或いは垂直度を計測する(ステップC6)。
【0058】
そして、計測した水平度或いは垂直度と、図6のステップA22で設定したタッチ継続時間に応じた「閾値」、つまり、「許容誤差」と比較し(ステップC7)、計測した水平度或いは垂直度の差は、「許容誤差」の範囲内であるかを調べる(ステップC8)。いま、「許容誤差」の範囲内であれば(ステップC8でYES)、この略直線画像LNを略水平或いは略垂直とみなせると判別するが(ステップC9)、「許容誤差」から外れていれば(ステップC8でNO)、上述のステップC9をスキップし、その判別を行わない。以下、処理対象として未指定の略直線画像LNが残っていれば(ステップC10でYES)、基準位置に近い未指定の略直線画像LNを処理対象として指定する(ステップC11)。そして、上述の傾き算出処理を行うステップC4に戻り、以下、全ての略直線画像LNを指定し終わるまで上述の動作を繰り返す。
【0059】
以上のように、第2実施形態においては、撮像部6から取得したライブビュー画像を表示させると共に、ライブビュー画像内に含まれている略直線画像LNを検出し、この略直線画像LNが重力センサ7により検出された重力方向に応じて特定される水平或いは垂直に近似する度合いを示す水平度或いは垂直度に基づいて、略水平或いは略垂直とみなすか否かを判別するようにしたので、正確に略水平或いは略垂直を判別することができるほか、第1実施形態と同様に、撮影時にその指標として利用される撮影補助線ATを必要時に適切な位置に表示することができ、最適な構図の撮影が可能となるなど、効果的な撮影支援を実現することが可能となる。
【0060】
なお、上述した第1実施形態では、略直線画像LNが略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別する場合に、略直線画像LNの一端部とライブビュー画像の一端部との距離と略直線画像LNの他端部とライブビュー画像の一端部との距離が略同一であるかを判別し、第2実施形態では、重力センサ7を使用して、略直線画像LNが略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別するようにしたが、第1実施形態の距離比較を行う判別方向と、第2実施形態の重力センサ7を使用した判別方法とをユーザ操作により任意に選択可能としてもよい。
【0061】
また、上述した各実施形態においては、撮影補助線として1本の直線(点線線)を示したが、二重線など、その形態や着色などは任意である。
【0062】
また、上述した各実施形態においては、静止画撮影を行う場合に限らず、動画撮影を行う場合であっても同様に適用可能である。また、撮像装置としては、デジタルカメラ自体(単体)に限らず、カメラ機能付きPDA・携帯電話機・音楽プレイヤーなどであってもよい。
【0063】
また、上述した各実施形態において示した“装置”や“部”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【0064】
以上、この発明のいくつかの実施形態について説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下、本願出願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、
撮像手段と、
前記撮像手段により取得された撮影画像を表示する表示手段と、
前記撮影画像内に含まれている略直線画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせると判別された場合に、前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の略直線画像の位置に対応する位置に撮影補助線を表示させる表示制御手段と、
を備えるようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の位置を指定する指定手段を更に備え、
前記検出手段は、前記指定手段により指定された前記撮影画像内の位置から所定範囲内に含まれている略直線画像を検出する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、
前記指定手段は、前記表示手段上に重ね合わせて配設されているタッチパネルであり、
前記指定手段による位置の指定は、前記タッチパネルへのタッチ位置を検出することにより行う、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の撮像装置において、
前記タッチパネルをタッチし続けているタッチ継続時間を計測する計測手段を更に備え、
前記判別手段は、前記計測手段により計測された前記タッチ継続時間に応じて、前記略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別するための基準値としての閾値を変化させる、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記判別手段は、前記検出手段により検出された前記略直線画像の一端部と前記撮影画像の一端部との距離と前記略直線画像の他端部と前記撮影画像の一端部との距離が略同一である場合に、前記略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせると判別する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
重力センサを更に備え、
前記判別手段は、前記検出手段により検出された前記略直線画像が前記重力センサにより検出された重力方向に応じて特定される水平或いは垂直に近似する度合いを示す水平度或いは垂直度に基づいて、略水平或いは略垂直とみなすか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の略直線画像の上に重ね合わせて前記撮影補助線を表示させる、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記表示制御手段は、予め設定されている撮影補助線のうち、前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の略直線画像と略水平或いは略垂直が同方向であり、かつ一番近い位置の撮影補助線を選択して表示させる、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項9)
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記判別手段は、前記検出手段により前記撮影画像内に複数の略直線画像が検出された場合に、その検出された略直線画像毎に略水平或いは略垂直とみなせるか否かの判別を行い、
前記判別手段により判別された複数の略直線画像の優先順位を決定する優先順位決定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記優先順位決定手段により決定された優先順位に基づいて前記撮影補助線を識別可能に表示する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項10)
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の撮像装置において、
前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の位置を指定する指定手段を更に備え、
前記優先順位決定手段は、前記指定手段により指定された位置との距離に基づき優先順位を決定する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項11)
請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の撮像装置において、
前記判別手段は、前記検出手段により検出された略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせると判別した場合に、その水平或いは垂直に近似する度合いを示す水平度或いは垂直度を更に判別し、
前記優先順位決定手段は、前記判別手段により判別された水平度或いは垂直度に基づいて優先順位を決定する、
ようにしたことを特徴とする撮像装置である。
(請求項12)
請求項12に記載の発明は、
コンピュータに対して、
撮像手段により取得された撮影画像を表示する機能と、
前記撮影画像内に含まれている略直線画像を検出する機能と、
前記検出された略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別する機能と、
前記略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせると判別された場合に、前記表示されている前記撮影画像内の略直線画像の位置に対応する位置に撮影補助線を表示させる機能と、
を実現させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0065】
1 制御部
3 記憶部
4 タッチ表示部
4a 表示パネル
4b タッチパネル
5 キー操作部
6 撮像部
M1 プログラムメモリ
M3 閾値テーブル
LN 略直線画像
AT 撮影補助線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段と、
前記撮像手段により取得された撮影画像を表示する表示手段と、
前記撮影画像内に含まれている略直線画像を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせると判別された場合に、前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の略直線画像の位置に対応する位置に撮影補助線を表示させる表示制御手段と、
を備えるようにしたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の位置を指定する指定手段を更に備え、
前記検出手段は、前記指定手段により指定された前記撮影画像内の位置から所定範囲内に含まれている略直線画像を検出する、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記指定手段は、前記表示手段上に重ね合わせて配設されているタッチパネルであり、
前記指定手段による位置の指定は、前記タッチパネルへのタッチ位置を検出することにより行う、
ようにしたことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記タッチパネルをタッチし続けているタッチ継続時間を計測する計測手段を更に備え、
前記判別手段は、前記計測手段により計測された前記タッチ継続時間に応じて、前記略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別するための基準値としての閾値を変化させる、
ようにしたことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記判別手段は、前記検出手段により検出された前記略直線画像の一端部と前記撮影画像の一端部との距離と前記略直線画像の他端部と前記撮影画像の一端部との距離が略同一である場合に、前記略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせると判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
重力センサを更に備え、
前記判別手段は、前記検出手段により検出された前記略直線画像が前記重力センサにより検出された重力方向に応じて特定される水平或いは垂直に近似する度合いを示す水平度或いは垂直度に基づいて、略水平或いは略垂直とみなすか否かを判別する、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の略直線画像の上に重ね合わせて前記撮影補助線を表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、予め設定されている撮影補助線のうち、前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の略直線画像と略水平或いは略垂直が同方向であり、かつ一番近い位置の撮影補助線を選択して表示させる、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記判別手段は、前記検出手段により前記撮影画像内に複数の略直線画像が検出された場合に、その検出された略直線画像毎に略水平或いは略垂直とみなせるか否かの判別を行い、
前記判別手段により判別された複数の略直線画像の優先順位を決定する優先順位決定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記優先順位決定手段により決定された優先順位に基づいて前記撮影補助線を識別可能に表示する、
ようにしたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記表示手段に表示されている前記撮影画像内の位置を指定する指定手段を更に備え、
前記優先順位決定手段は、前記指定手段により指定された位置との距離に基づき優先順位を決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記判別手段は、前記検出手段により検出された略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせると判別した場合に、その水平或いは垂直に近似する度合いを示す水平度或いは垂直度を更に判別し、
前記優先順位決定手段は、前記判別手段により判別された水平度或いは垂直度に基づいて優先順位を決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項12】
コンピュータに対して、
撮像手段により取得された撮影画像を表示する機能と、
前記撮影画像内に含まれている略直線画像を検出する機能と、
前記検出された略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせるか否かを判別する機能と、
前記略直線画像が略水平或いは略垂直とみなせると判別された場合に、前記表示されている前記撮影画像内の略直線画像の位置に対応する位置に撮影補助線を表示させる機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−244536(P2012−244536A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114810(P2011−114810)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】