説明

撮像装置及び撮像装置の位置ずれ補正方法

【課題】撮影時に装置内の温度が上昇した場合でも撮像素子の位置ずれを精度よく補正することができる撮像装置及び位置ずれ補正方法を提供する。
【解決手段】撮像素子6の撮像面における画像の振れの大きさと方向を検出するジャイロセンサ31と、検出した検出量に応じて画像の振れを打ち消す方向に、撮像素子6を移動させるように制御する手ぶれ補正制御部33と、撮像素子6の位置を検出する位置検出センサ36と、装置内部の温度を検出する第1、第2温度センサ32,34と、各温度センサ32,34でそれぞれ検出した温度と電源スイッチをONした時点を起点とする経過時間とに応じて、位置検出センサ36で検出された検出値を補正する補正量を記憶したメモリ33aとを備え、手ぶれ補正制御部33は、ジャイロセンサ31の検出値とメモリ33aに記憶された検出位置補正量に基づいて、撮像素子6の位置ずれを補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手ぶれ補正機構を備えた撮像装置及び撮像装置の位置ずれ補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像レンズ系を通して被写体像を撮像素子(CCDセンサなど)に受光させ、撮像素子から出力される電気信号に基づいて被写体像に対応したデジタル画像を生成するデジタルカメラにおいて、近年、撮影時の手ぶれを補正する手ぶれ補正機構を備えた、いわゆる手ぶれ補正機構付デジタルカメラが実用化されている。
【0003】
従来、デジタルカメラにおける手ぶれ補正機構としては、例えば、手ぶれによって生じる被写体像のぶれ量に応じて、撮像素子(CCDセンサなど)を撮像レンズ系の光軸方向に垂直な面内(X−Y平面)で移動させる構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
前記特許文献1に開示されている手ぶれ補正機構を備えた撮像装置(デジタルカメラ)では、カメラ本体内に固定されたベース板上に、撮影レンズ系の光軸方向に垂直な面方向(X−Y方向)にそれぞれ移動可能に配置した2つのスライダ部材を備え、一方のスライダ部材側に撮像素子が固定されている。そして、撮影時の手ぶれによって生じた被写体像のぶれ量に応じて2つのスライダ部材を撮影レンズ系の光軸方向に垂直な面方向に移動させることで、撮像素子が光軸方向に垂直な面内で移動して手ぶれを補正することができる。
【0005】
また、前記手ぶれ補正機構では、撮像素子が固定されたスライダ部材の位置を検出するためのマグネット(磁力発生体)とホール素子(磁気センサ)とで構成された位置検出センサを備えている。なお、前記ホール素子は周囲の温度によって出力特性が大きく変動するため、温度変化によって位置検出誤差が生じてしまうという問題がある。位置検出誤差が生じると、前記撮像素子の原点位置(センタリング位置)を精度よく検出できなくなる。
【0006】
このため、前記特許文献1の発明では、各ホール素子からの各出力値(Vha,Vhb)の大きさの和が一定値となるように、ホール素子に入力する入力電圧Vinを調整するようにしている。このとき、ホール素子に印加される入力電圧Vinは環境温度に応じて変化するため、ホール素子の低電圧側の端子電圧VTを、温度出力として取り出すように構成することで、周囲の温度変化による位置検出誤差を補正するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、前記特許文献1の発明では、ホール素子の温度変動分だけを補償しているため、マグネットの温度変動による誤差を補償できない。このため、撮像装置(デジタルカメラ)の電源スイッチのON後にIC基板の発熱や内蔵されているモータの駆動等にともなう発熱によって装置(カメラ)内温度が時間の経過とともに上昇してもマグネットの温度変動による誤差を補償できない。これにより、装置(カメラ)内温度が時間の経過とともに上昇したときに、撮像素子の位置ずれを精度よく補正することができない。
【0008】
そこで、本発明は、撮影時に装置(カメラ)内の温度が上昇した場合でも撮像素子の位置ずれを精度よく補正することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために請求項1に係る本発明の撮像装置は、撮影光学系と、前記撮影光学系を介した入力画像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の撮像面における画像の振れの大きさと方向を検出する振れ量検出手段と、前記振れ量検出手段で検出した検出量に応じて画像の振れを打ち消す方向に、前記撮像素子、または前記撮影光学系の一部を移動させるように制御する振れ補正制御手段と、前記振れ補正制御手段による制御によって移動させる物体の位置を検出する位置検出手段と、装置内部の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段で検出される撮影開始時からの装置内部の温度に応じた、前記位置検出手段で検出された検出値を補正するための補正温度値を記憶した補正温度値記憶手段とを備え、前記振れ補正制御手段は、前記振れ量検出手段の検出値と前記補正温度値記憶手段の補正温度値に基づいて、前記物体の位置ずれを補正するように制御することを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に係る本発明の撮像装置は、撮影光学系と、前記撮影光学系を介した入力画像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の撮像面における画像の振れの大きさと方向を検出する振れ量検出手段と、前記振れ量検出手段で検出した検出量に応じて画像の振れを打ち消す方向に、前記撮像素子、または前記撮影光学系の一部を移動させるように制御する振れ補正制御手段と、前記振れ補正制御手段による制御によって移動させる物体の位置を検出する位置検出手段と、装置内部の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段で検出した温度と、撮像装置への通電を開始した時点を起点とする経過時間とに応じて、前記位置検出手段で検出された検出値を補正する検出位置補正量を記憶した補正量記憶手段とを備え、前記振れ補正制御手段は、前記振れ量検出手段の検出値と前記補正量記憶手段の検出位置補正量に基づいて、前記物体の位置ずれを補正するように制御することを特徴としている。
【0011】
また、請求項10に係る本発明の撮像装置の位置ずれ補正方法は、撮影光学系と、前記撮影光学系を介した入力画像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の撮像面における画像の振れの大きさと方向を検出する振れ量検出手段と、前記振れ量検出手段で検出した検出量に応じて画像の振れを打ち消す方向に、前記撮像素子、または前記撮影光学系の一部を移動させるように制御する振れ補正制御手段と、前記振れ補正制御手段による制御によって移動させる物体の位置を検出する位置検出手段と、装置内部の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段で検出される撮影開始時からの装置内部の温度に応じた、前記位置検出手段で検出された検出値を補正するための補正温度値を記憶した補正温度値記憶手段とを備えた画像形成装置の位置ずれ補正方法であって、前記振れ補正制御手段は、前記振れ量検出手段の検出値と前記補正温度値記憶手段の補正温度値に基づいて、前記物体の位置ずれを補正するように制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る撮像装置及び位置ずれ補正方法によれば、撮影時に装置内の温度が上昇した場合でも、上昇した温度に対応して撮像素子の位置ずれを精度よく補正することができるので、画素ずれのない高品位な画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1、2に係る撮像装置の前面側外観を示す図。
【図2】手ぶれ補正機構の構成を模式的に示した分解斜視図。
【図3】手ぶれ補正機構の可動機構を模式的に示した図。
【図4】手ぶれ補正機構の制御系を示すブロック図。
【図5】(a)は、第1、第2ホール素子の温度特性の一例を示す図、(b)は、第1、第2位置検出用マグネットの温度特性の一例を示す図。
【図6】カメラ周囲温度が25℃と40℃の場合における、撮像素子のセンタリング位置(原点位置)のずれを説明するための図。
【図7】(a),(b)は、長時間露光撮影した場合の位置ずれ特性を示した図。
【図8】(a)は、長時間露光撮影した場合のカメラ内の温度特性を示した図、(b)は、長時間露光撮影した場合の位置ずれ特性を示した図。
【図9】(a)は、長時間露光撮影した場合の位置ずれ特性を示した図、(b)は、この位置ずれに対して最小移動単位の0.5画素で量子化した状態を示した図、(c)は、この位置ずれと逆方向(+方向)に同じ量だけ移動させて位置ずれ補正を行なった状態を示した図。
【図10】時間の経過とともに変化する撮像素子の位置ずれ量(画素ずれ量)を示した図。
【図11】(a),(b)は、実施形態1における補正テーブルの一例を示した図。
【図12】実施形態1における長時間露光撮影時の補正テーブルの選択及び位置ずれ補正動作を示すフローチャート。
【図13】タイムカウンタの初期値のオフセット設定処理動作を示すフローチャート。
【図14】実施形態1における長時間露光撮影時の位置ずれ補正動作を説明するための図。
【図15】実施形態2における長時間露光撮影時の補正テーブルの選択及び位置ずれ補正動作を示すフローチャート。
【図16】実施形態2における補正テーブルの一例を示した図。
【図17】基準温度からのX軸補正動作を説明するための図。
【図18】逆動作待ちの処理動作を示すフローチャート。
【図19】検出温度(温度A)に基づいた位置ずれ補正処理動作を示すフローチャート。
【図20】X軸補正の判定処理動作を示すフローチャート。
【図21】Y軸補正の判定処理動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1に係る撮像装置としてのデジタルカメラの一例を示す正面図である。なお、このデジタルカメラは、後述する撮像素子を撮影レンズの光軸方向に垂直な面内で移動させて手ぶれ補正を行う手ぶれ補正機構を備えている。
【0015】
図1に示すように、このデジタルカメラ1は、カメラ本体2の前面側に撮影レンズ3を取付けたレンズ鏡胴4が設けられており、このレンズ鏡胴4は、所定の沈胴位置と所定の撮影待機位置との間で撮影レンズ3の光軸方向に沿って移動可能である。レンズ鏡胴4内には、撮影レンズ3以外にもシャッタユニットや絞りユニット等が設置されている。
【0016】
なお、本実施形態では、以下の説明において、X軸方向は図1においてデジタルカメラ1の左右方向、Y軸方向は図1においてデジタルカメラ1の上下方向、Z軸方向は図1において撮像レンズ系3の光軸方向とする。
【0017】
図2に示すように、レンズ鏡胴4の後端側はカメラ本体2内の固定枠5に固定されており、固定枠5には、撮影レンズ3の光軸上に配置されたCCDなどの撮像素子6、及び該撮像素子6を光軸方向(Z軸方向)と直交する面(X−Y平面)内で移動させて手ぶれ補正する手ぶれ補正機構7が設けられている。
【0018】
(手ぶれ補正機構7の構成)
図2は、手ぶれ補正機構7の構成を模式的に示した分解斜視図、図3は、手ぶれ補正機構7の可動機構を模式的に示した図である。
【0019】
図2、図3に示すように、この手ぶれ補正機構7は、取付枠10の内側に配置されたY軸方向に移動可能な第1可動枠11と、X軸方向に移動可能な第2可動枠12とを備えている。なお、図2では、取付枠10内の第1可動枠11と第2可動枠12は省略している。
【0020】
第1可動枠11には、フレキシブルプリント基板(以下、「FPC」という)13に実装された撮像素子6が固定されている。この第1可動枠11は、Y軸方向に沿って第2可動枠12に固定された各第1ガイド軸14を介してY軸方向に移動可能に保持されている。一方、第2可動枠12は、X軸方向に沿って取付枠10に固定された各第2ガイド軸15を介してX軸方向に移動可能に保持されている。
【0021】
このように、第1可動枠11はY軸方向に移動可能であり、第2可動枠12は第1可動枠11と一体的にX軸方向に移動可能であるので、第1可動枠11に固定されている撮像素子6は所定の範囲内でX−Y平面に沿って移動可能である。
【0022】
第1可動枠11に設けたFPC13の縁部側には、Y軸方向に沿って第1コイル16が、X軸方向に沿って第2コイル17がそれぞれ配置されている。また、固定枠5には、前記第1コイル16、第2コイル17と近接して対向するようにして第1移動用マグネット18、第2移動用マグネット19がそれぞれ配置されている。
【0023】
第1、第2コイル16,17への印加電流の制御により、第1、第2コイル16,17と第1、第2移動用マグネット18,19との間にそれぞれ発生する磁力によって、第1可動枠11をY軸方向及びX軸方向にそれぞれ移動させることができる。
【0024】
また、FPC13(第1可動枠11)の第1、第2コイル16,17の近傍には、第1、第2ホール素子20,21がそれぞれ配置され、固定枠5には、前記第1、第2ホール素子20,21と近接して対向するようにして第1、第2位置検出用マグネット22,23がそれぞれ配置されている。そして、第1可動枠11がY軸方向及びX軸方向に移動したときに、第1、第2ホール素子20,21が、第1、第2位置検出用マグネット22,23がそれぞれ形成する磁界の変化を検知することにより、第1可動枠11の位置、すなわち第1可動枠11上の撮像素子6の位置を検出することができる。
【0025】
このように、上記した第1、第2ホール素子20,21と第1、第2位置検出用マグネット22,23によって、第1可動枠11の位置、すなわち第1可動枠11上の撮像素子6の位置を検出する位置検出センサが構成されている。
【0026】
また、図2に示すように、前記FPC13と電気的に接続された基板30には、ぶれ検出素子としてのジャイロセンサ31と、この基板30付近の周囲温度を検出する第1温度センサ32と、手ぶれ補正制御部(手ぶれ補正制御IC)33が設けられている。更に、このデジタルカメラ1では、カメラ本体2内のレンズ鏡胴4の後端部付近にもレンズ鏡胴4付近の周囲温度を検出する第2温度センサ34(図1参照)が設けられている。
【0027】
ジャイロセンサ31は、デジタルカメラ1のぶれによる角速度を検出することで、デジタルカメラ1の横(Yaw)軸方向のぶれと縦(Pitch)軸方向のぶれを検出する。
【0028】
第1温度センサ32と第2温度センサ34は、図1に示すように、所定の距離を設けて配置されている。第1温度センサ32と第2温度センサ34でそれぞれ検出された温度情報は手ぶれ補正制御部33に入力される。
【0029】
(手ぶれ補正機構7による手ぶれ補正制御)
図4は、CCD6を移動させて手ぶれ補正制御を行う制御系を示すブロック図である。
【0030】
カメラ本体2内に設置されたぶれ検出素子としての前記ジャイロセンサ31で、撮影時におけるデジタルカメラ1(カメラ本体2)の手ぶれを検出する。ジャイロセンサ31で検出した手ぶれ検出信号(角速度信号)は、HPF(ハイパスフィルタ)部35で低周波成分がカットされ、A/D変換された後に積分器36で積分処理されて手ぶれ補正制御部33に入力され、位置信号に変換される。この位置信号が手ぶれ補正する際の撮像素子6の目標位置となる。
【0031】
また、手ぶれ補正制御部33には、前記位置検出センサ(第1、第2ホール素子20,21と第1、第2位置検出用マグネット22,23)37で検出され、A/D変換された撮像素子6の位置情報(位置信号)も入力される。この位置情報(位置信号)が表す位置が撮像素子6の現在位置である。
【0032】
そして、手ぶれ補正制御部33は、取り込んだ前記撮像素子6の目標位置と現在位置との差分に基づいて手ぶれ補正信号を生成し、生成した手ぶれ補正信号に応じてドライバ38を介して前記第1、第2コイル16,17への印加電流を制御する。第1、第2コイル16,17への印加電流の制御により、第1、第2コイル16,17と第1、第2移動用マグネット18,19との間にそれぞれ発生する磁力によって、第1可動枠11をY軸方向に、第2可動枠12をX軸方向にそれぞれ移動させ、手ぶれを打ち消す方向に撮像素子6を移動させる。このようにして撮像素子6が目標位置に追従するようにフィードバック制御が行われる。
【0033】
なお、手ぶれ補正機構7による上記した手ぶれ補正制御がONの場合に、デジタルカメラ1に手ぶれが発生していないとき(例えば、デジタルカメラ1を持っている撮影者の手が略完全に静止しているときや、デジタルカメラ1が三脚に固定されているとき)がある。この状況の場合、撮像素子6が設定されている原点位置(撮影レンズ3の光軸上)で電気的に保持されるように、手ぶれ補正制御部33は、位置検出センサ(第1、第2ホール素子20,21と第1、第2位置検出用マグネット22,23)37から入力される位置情報(位置信号)に基づいて、第1、第2コイル16,17への印加電流を制御している。
【0034】
また、カメラ本体2内にはカメラ姿勢を検知するための加速度センサ39が設けられており、手ぶれ補正制御部33は加速度センサ39から入力される加速度情報に基づいて、作用している加速度方向がX軸方向、Y軸方向、Z軸方向かのいずれかを検出することでてカメラ姿勢を判定することができる。
【0035】
(位置検出センサ37の温度特性)
位置検出センサ37を構成する第1、第2ホール素子20,21と第1、第2位置検出用マグネット22,23は周囲温度による特性変動が大きく、デジタルカメラ1の周囲温度が変化すると、実際は第1可動枠11(撮像素子6)が移動していなく、撮像素子6が原点位置(撮影レンズ3の光軸上)にあるにもかかわらず、例えば第1、第2ホール素子20,21からの出力電圧が変動する。このため、手ぶれ補正制御部33は、第1可動枠11(撮像素子6)が原点位置に電気的に保持されているにもかかわらず、まるで第1可動枠11(撮像素子6)が動いたと誤検知してしまう。このため、誤検知した分だけ元に戻そうと制御することによって、今度は本当に動いてしまう不具合が発生してしまう。
【0036】
また、手ぶれ補正機構7による上記した手ぶれ補正制御動作時においても、位置検出センサ(第1、第2ホール素子20,21と第1、第2位置検出用マグネット22,23)37の周囲温度が変化すると、位置検出センサ37からの出力電圧が変動するため、精度の高い手ぶれ補正制御が行えなくなる。
【0037】
図5(a)は、第1、第2ホール素子20,21の温度特性の一例を示す図、図5(b)は、第1、第2位置検出用マグネット22,23の温度特性の一例を示す図である。
【0038】
図5(a)に示すように、第1、第2ホール素子20,21からの出力電圧は、周囲温度が高くなるほど小さくなる。また、図5(b)に示すように、第1、第2ホール素子20,21の磁束は、周囲温度が高くなるほど小さくなる。なお、第1、第2位置検出用マグネット22,23としてよく使われるネオジウム磁石の磁束は、室温付近では一般に−0.12〜−0.15(%/℃)程度の温度特性である。このように、位置検出センサ36を構成する第1、第2ホール素子20,21と第1、第2位置検出用マグネット22,23からの出力電圧は、周囲温度が高くなるほど小さくなることになる。
【0039】
図6は、デジタルカメラ1の周囲温度が25℃と40℃の場合における、撮像素子6のセンタリング位置(原点位置)のずれを説明するための図である。
【0040】
図6の縦軸上の位置A0は、第1、第2ホール素子20,21の周囲温度が例えば25℃のときの一軸方向(例えば、X軸方向)における撮像素子6の物理的な原点位置(センタリング位置)であり、第1、第2ホール素子20,21の周囲温度が例えば25℃から40℃に上がると、上記したようにホール素子出力電圧は下がる。
【0041】
例えば、図6において、第1、第2ホール素子20,21の周囲温度が例えば25℃から40℃に上がると、ホール素子出力電圧が下がることによって、このホール素子出力電圧を取り込んだ手ぶれ補正制御部33は、位置A1を撮像素子6の原点位置(センタリング位置)と誤検知する。
【0042】
このため、このホール素子出力電圧を取り込んだ手ぶれ補正制御部33は、撮像素子6が動いたと誤検知してしまうため、誤検知した分だけ元(原点位置)に戻そうとドライバ38を介して第1、第2コイル16,17への印加電流を制御することによって、撮像素子6を物理的な原点位置から移動させてしまう。
【0043】
ところで、上記した位置検出センサ37を構成する第1、第2ホール素子20,21と第1、第2位置検出用マグネット22,23以外にも、例えばレンズ鏡胴4を構成する部品やモータのギアなど、デジタルカメラ1を構成する全ての部品は温度特性をもっており、堅さが変わったり、体積が変わったり、変形したりしている。例えばレンズ鏡胴4全体としては、図5(a)に示したような直線性のある第1、第2ホール素子20,21の温度特性のようになるとは限らず、非直進性の温度特性となることがある。
【0044】
レンズ鏡胴4の周囲温度が変化すると、レンズ鏡胴4内の部品の温度変形等によって撮像レンズ3の光軸方向にわずかにずれが生じるため、撮影時、特に長時間露光撮影時等では撮像レンズ3の光軸と撮像素子6の受光面の画素との間で画素ずれが生じる。
【0045】
このため、例えば、手ぶれ補正機構を備えたデジタルカメラ1で長時間露光した場合、位置検出センサ(第1、第2ホール素子20,21と第1、第2位置検出用マグネット22,23)37の周囲温度の変化と、レンズ鏡胴4の周囲温度の変化とが合わさると、非直進性の複雑な温度特性になることがある。このため、手ぶれ補正機構を備えたデジタルカメラ1で例えば長時間露光撮影した場合、後述する位置ずれ補正を行わないときには、例えば図7(a)や図7(b)に示すように、撮像素子6(第1可動枠11)の原点位置に対して位置ずれが生じる。
【0046】
これにより、撮影レンズ3の光軸と撮像素子6の受光面の画素との間で画素ずれが生じ、ぶれた画像となる。なお、図7(a),(b)において、位置ずれ量は一軸方向(例えば、X軸方向)を示している。図7(a)の場合では、時間の経過とともに比較的単純に位置ずれ量が変化しており、図7(b)の場合では、時間の経過とともにやや複雑に位置ずれ量が変化している。
【0047】
(第1温度センサ32と第2温度センサ33)
第1温度センサ32は、熱源(手ぶれ補正制御部(手ぶれ補正制御IC)33等が実装された基板30付近)の発熱によって温度上昇が大きい領域での温度を検出する。なお、基板30付近には、位置検出センサ37を構成する第1、第2ホール素子20,21と第1、第2位置検出用マグネット22,23が配置されている。また、第2温度センサ34は、前記熱源から離れていてこの熱源からの発熱の影響は小さく、デジタルカメラ1の周囲温度(環境温度)に近い温度を検出する。
【0048】
図8(a)において、aは電源スイッチON後の第1温度センサ32で検出された温度特性、bは電源スイッチON後の第2温度センサ34で検出された温度特性、cは各温度センサ(第1、第2温度センサ32,34)で検出した温度の差分(以下、「カメラ内温度」とという)特性の一例である。図8(a)に示すように、第1温度センサ32の温度特性aは温度上昇カーブが大きく、第2温度センサ34の温度特性bは温度上昇カーブが緩やかである。
【0049】
よって、前記カメラ内温度特性cと第2温度センサ34の温度特性bから、デジタルカメラ1の周囲温度に対してカメラ内温度がどの程度温度上昇しているかを判断することができる。これにより、手ぶれ補正機構を備えたデジタルカメラ1が、例えば図8(b)のような複雑な位置ずれ特性を有する場合、このカメラ内温度特性cと第2温度センサ34の温度特性bから、周囲温度に対してカメラ本体2内がどの程度温度上昇したかを判断できる。
【0050】
また、図8(a),(b)に示すように、本実施形態では各温度センサ(第1、第2温度センサ32,34)で検出した温度の差分であるカメラ内温度がTs(℃)以下の初期時においては、位置ずれの方向が+方向となり、カメラ内温度がこのTs(℃)以上になると位置ずれの方向が−方向となっている。
【0051】
(撮像素子6(第1可動枠11)の位置ずれ補正動作の原理)
一般的に手ぶれ補正のアクチュエータは、ゆっくりと少しずつ動かすことが難しい。即ち、アナログ信号のノイズ成分を除去するために、各種フィルタを配置してあったり、移動平均や不感帯(AD値の一定量以下の変化は、変化と見なさない幅)がとってあるため、例えば、位置検出センサとしてのホール素子のADに、前記第1可動枠11の移動量分だけオフセット(offset)させようとしても、少量だと、前述したフィルタや不感帯に埋もれてしまうからである。
【0052】
つまり、ある量を一気に動かす必要がある。例えば、撮像素子6の1画素の1/2の0.5画素を最小移動単位として設定した場合、例えば図9(a)に示すような位置ずれ特性が得られたときにおいて、最初の+方向の位置ずれ量は、最小移動単位の0.5画素に達していないため、位置ずれ補正動作は行なわれない。
【0053】
図9(b)は、この位置ずれに対して最小移動単位の0.5画素で量子化した状態を示している。図9(c)は、図9(b)に示した最小移動単位の0.5画素で量子化した状態の位置ずれに対して、この位置ずれと逆方向(+方向)に同じ量だけ前記第1可動枠11を移動させる補正動作を行なった状態を示している。この補正動作により、位置ずれ量は±0.5画素以内に収束される。
【0054】
(撮像素子6(第1可動枠11)の位置ずれ補正動作)
次に、本実施形態における詳細な撮像素子6(第1可動枠11)の位置ずれ補正動作について説明する。なお、以下の説明は、長時間露光撮影(例えば、バルブ撮影、多重露光撮影、間欠露光合成モードなど)を行う場合における撮像素子6の位置ずれ補正動作である。
【0055】
手ぶれ補正機構を備えたデジタルカメラ1の周囲温度(環境温度)によって、例えば図10に示すように、時間の経過とともに撮像素子6(第1可動枠11)の位置ずれ量(図では、画素ずれ量として示している)が変化する。なお、図10は一軸方向(X軸方向またはY軸方向)の位置ずれ特性である。
【0056】
図10において、Aは周囲温度が10℃のときの位置ずれ特性、Bは周囲温度が25℃のときの位置ずれ特性、Cは周囲温度が40℃のときの位置ずれ特性である。一般に周囲温度が高くなるほど位置ずれ量が大きくなる。よって、周囲温度に応じた位置ずれ補正を行う必要がある。
【0057】
(補正テーブル)
そこで、例えば図10のような異なる周囲温度に対する位置ずれ特性A,B,Cを予め測定して、電源スイッチONからの経過時間と第2温度センサ34で検出される温度(この検出温度は、上記したようにデジタルカメラ1の周囲温度に近い温度)に基づいて、例えば図11(a),(b)に示すような補正テーブルを予め用意する。これらの補正テーブルは、手ぶれ補正制御部33内のメモリ33a(図4参照)に記憶されている。
【0058】
なお、図10は一軸方向(X軸方向またはY軸方向)の位置ずれ特性であり、図11(a),(b)の補正テーブルもこの一軸方向に対応したものである。実際の位置ずれ補正では、X軸方向及びY軸方向における補正テーブルを用意する。
【0059】
図11(a)は、電源スイッチのON直後に長時間露光撮影を開始する時に用いる補正テーブルであり、図11(b)は、例えば電源スイッチがONされて所定の時間が経過していてカメラ内温度が上昇している状況で、長時間露光撮影を開始する時に用いる補正テーブルである。
【0060】
図11(a)に示す補正テーブルは、5つの補正テーブルA〜Eを有し、タイムカウンタが所定時間(I(sec),II(sec),III(sec),IV(sec)のときに、選択された各補正テーブルA〜Eのうちのいずれかの補正テーブルに基づいた位置ずれ補正を行う(詳細は後述する)。なお、図11(a)において、「○」は位置ずれ補正を行うことを示し、「×」は位置ずれ補正を行わないことを示している。
【0061】
図11(b)に示す補正テーブルは、5つの補正テーブルF〜Jを有し、タイムカウンタが所定時間(I(sec),II(sec),III(sec),IV(sec)のときに、選択された各補正テーブルF〜Jのうちのいずれかの補正テーブルに基づいた位置ずれ補正を行う(詳細は後述する)。なお、図11(b)において、温度T*b2〜T*e4は、第1温度センサ32の検出温度(温度A)と第2温度センサ34の検出温度(温度B)との差分温度(以下、「温度A−温度B」という)を示し、「null」は位置ずれ補正を行わないことを示している。
【0062】
(長時間露光撮影時における補正テーブルの選択及び位置ずれ補正動作)
次に、本実施形態における長時間露光撮影時の手ぶれ補正制御部33による補正テーブルの選択及び位置ずれ補正動作を、図12に示すフローチャートを参照して説明する。前記デジタルカメラ1を三脚に固定して長時間露光撮影する撮影モードとしては、例えば、バルブ撮影モード、任意のタイミングで露光した複数の画像を合成する多重露光撮影モード、インターバル撮影した画像を合成する間欠露光合成モードなどがある。
【0063】
まず、長時間露光撮影(例えば、バルブ撮影モード、多重露光撮影モード、間欠露光合成モードなど)が開始されると、手ぶれ補正制御部33内のタイムカウンタが0からスタートし(ステップS1)、手ぶれ補正制御部33は第1温度センサ32と第2温度センサ34から検出温度(温度A、温度B)情報を取り込む(ステップS2)。
【0064】
そして、ステップS3で、温度A−温度B≒0であるか否かを判定する。即ち、電源スイッチのON直後は、第1温度センサ32の温度Aと第2温度センサ34の温度Bは略同じである。前記電源スイッチがON直後とは、この電源スイッチのONの前に所定時間の間は電源スイッチがONされてなく、カメラ内温度が周囲温度(環境温度)と略同じ状況である。よって、電源スイッチのON直後は、第1温度センサ32の検出温度(温度A)と第2温度センサ34の検出温度(温度B)は略同じである(温度A−温度B≒0)。
【0065】
一方、電源スイッチがONされて所定の時間が経過すると、第1温度センサ32は、熱源(手ぶれ補正制御部)33等が実装された基板30付近)の発熱によって温度上昇が大きい領域での温度を検出する。一方、第2温度センサ34は、前記熱源から離れていてこの熱源からの発熱の影響は小さく、デジタルカメラ1の周囲温度(環境温度)に近い温度を検出する。よって、第1温度センサ32の検出温度(温度A)と第2温度センサ34の検出温度(温度B)との間に温度差分が生じている。
【0066】
なお、電源スイッチがON直後の場合でも、この電源スイッチのONの前に電源スイッチがONされていた時間があると、カメラ内温度が周囲温度(環境温度)まで下がっていないときがある。このようなカメラ内の温度状況で長時間露光撮影が開始される場合は、図8(a)に示したように温度A−温度Bは0でなく、所定の温度(カメラ内温度)となる。
【0067】
そして、ステップS3で、温度A−温度B≒0であると判定された場合(ステップS3:YES)は、電源スイッチのON直後で第1温度センサ32の温度Aと第2温度センサ34の温度Bは略同じであり、この場合には第1温度センサ32の温度Aに基づいて以下のような補正テーブルの選択を行なって、位置ずれ補正を行う。
【0068】
そして、ステップS4で温度Aが40℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS4でこのときの温度Aが40℃よりも大きい場合には(ステップS4:NO)、図11(a)の補正テーブルEを選択し(ステップS5)、タイムカウンタがI(sec),II(sec),IV(sec)のときに、図9に示したような位置ずれ補正を行う。
【0069】
また、ステップS4でこのときの温度Aが40℃よりも小さい場合は(ステップS4:YES)、ステップS6で温度Aが30℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS6で温度Aが30℃よりも大きい場合には(ステップS6:NO)、図11(a)の補正テーブルDを選択し(ステップS7)、タイムカウンタがI(sec),II(sec),IV(sec)のときに、図9に示したような位置ずれ補正を行う。
【0070】
また、ステップS6でこのときの温度Aが30℃よりも小さい場合は(ステップS6:YES)、ステップS8で温度Aが20℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS8で温度Aが20℃よりも大きい場合には(ステップS8:NO)、図11(a)の補正テーブルCを選択し(ステップS9)、タイムカウンタがI(sec),IV(sec)のときに、図9のような位置ずれ補正を行う。
【0071】
また、ステップS8でこのときの温度Aが20℃よりも小さい場合は(ステップS8:YES)、ステップS10で温度Aが10℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS10で温度Aが10℃よりも大きい場合には(ステップS10:NO)、図11(a)の補正テーブルBを選択し(ステップS11)、タイムカウンタがII(sec)のときに、図9に示したような位置ずれ補正を行う。
【0072】
また、ステップS10でこのときの温度Aが10℃よりも小さい場合には(ステップS10:YES)、図11(a)の補正テーブルAを選択する(ステップS12)。このときは位置ずれ量が小さく、タイムカウンタがI(sec),II(sec),III(sec),IV(sec)のいずれの時間においても位置ずれ補正を行わない。
【0073】
一方、ステップS3で、温度A−温度Bが略0でないと判定された場合(ステップS3:NO)、この長時間露光撮影開始時には、例えば電源スイッチがONされて所定の時間が経過していて、第1温度センサ32の検出温度(温度A)と第2温度センサ34の検出温度(温度B)との間に温度差分が生じている。この場合には第1温度センサ32の温度Aに基づいて、以下のような補正テーブルの選択を行なう。
【0074】
そして、ステップS13で温度Aが40℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS13でこのときの温度Aが40℃よりも大きい場合には(ステップS13:NO)、図11(b)の補正テーブルJを選択する(ステップS14)。
【0075】
また、ステップS13でこのときの温度Aが40℃よりも小さい場合は(ステップS13:YES)、ステップS15で温度Aが30℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS15で温度Aが30℃よりも大きい場合には(ステップS15:NO)、図11(b)の補正テーブルIを選択する(ステップS16)。
【0076】
また、ステップS15でこのときの温度Aが30℃よりも小さい場合は(ステップS15:YES)、ステップS17で温度Aが20℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS17で温度Aが20℃よりも大きい場合には(ステップS17:NO)、図11(b)の補正テーブルHを選択する(ステップS18)。
【0077】
また、ステップS17でこのときの温度Aが20℃よりも小さい場合は(ステップS17:YES)、ステップS19で温度Aが10℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS19で温度Aが10℃よりも大きい場合には(ステップS19:NO)、図11(b)の補正テーブルGを選択する(ステップS20)。
【0078】
また、ステップS19でこのときの温度Aが10℃よりも小さい場合には(ステップS19:YES)、図11(b)の補正テーブルFを選択する(ステップS21)。
【0079】
そして、上記のように検出した温度Aに応じて補正テーブルを選択した後に、以下のようなタイムカウンタの初期値をオフセット処理して、位置ずれ補正を行う(ステップS23)。
【0080】
次に、このタイムカウンタの初期値をオフセット処理して位置ずれ補正する動作を、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
【0081】
図14(a)は、例えば電源スイッチがONされて所定の時間が経過している場合の第1温度センサ32の温度特性a、第2温度センサ34の温度特性b、カメラ内温度特性c(温度A−温度B)の一例である。なお、図14において、長時間露光撮影開始時におけるカメラ内温度はTn(℃)であり、カメラ周囲温度に対応している第2温度センサ34の検出温度(温度B)は25℃である。
【0082】
よって、この場合のタイムカウンタの初期値のオフセット処理は、図11(b)の補正テーブルHを選択したときの位置ずれ補正である。図14(a)に示すように、長時間露光撮影開始時の時間はI(sec)とIII(sec)の間に位置している。
【0083】
そして、例えば図11(b)の補正テーブルHを選択したときにおいて、温度A−温度BがT*c1よりも小さい場合(ステップS31:YES)は、タイムカウンタがI(sec)未満(図14(a)参照)なので、タイムカウンタの初期値を0にするオフセット処理を行う(ステップS32)。
【0084】
また、温度A−温度BがT*c1よりも大きくT*c3よりも小さい場合(ステップS33:YES)は、タイムカウンタがI(sec)とIII(sec)の間(図14(a)参照)に位置しているので、タイムカウンタの初期値をI(sec)にするオフセット処理を行う(ステップS34)。
【0085】
また、温度A−温度BがT*c3よりも大きい場合(ステップS33:NO)は、タイムカウンタがIII(sec)以上(図14(a)参照)なので、タイムカウンタの初期値をIII (sec)にするオフセット処理を行う(ステップS35)。
【0086】
このように、例えば図11(b)の補正テーブルHを選択した場合には、タイムカウンタがI(sec)とIII(sec)の間ではタイムカウンタの初期値をI(sec)にするオフセット処理して、図9に示したような位置ずれ補正を行うことで、図14(c)に示すように長時間露光撮影開始時からの位置ずれ量を大幅に小さくすることができる。
【0087】
なお、図14(b)は、上記したタイムカウンタの初期値をオフセット処理しなかった場合の位置ずれ補正を示している。
【0088】
また、図11(b)の補正テーブルGを選択した場合には、II(sec)のときにタイムカウンタの初期値をII(sec)にするオフセット処理して、図9に示したような位置ずれ補正を行う。
【0089】
また、図11(b)の補正テーブルIまたはJを選択した場合には、タイムカウンタがI(sec)未満のときにタイムカウンタの初期値を0にするオフセット処理を行い、タイムカウンタがII(sec)のときにタイムカウンタの初期値をII(sec)にするオフセット処理して、図9に示したような位置ずれ補正を行う。また、タイムカウンタがII(sec)とIV(sec)の間ではタイムカウンタの初期値をII(sec)にするオフセット処理して、図9に示したような位置ずれ補正を行う。更に、タイムカウンタがIV(sec)以上のときはタイムカウンタの初期値をIV(sec)にするオフセット処理して、図9に示したような位置ずれ補正を行う。
【0090】
このように、電源スイッチのON直後に長時間露光撮影を開始する時や、例えば電源スイッチがONされて所定の時間が経過していてカメラ内温度が上昇している場合に長時間露光撮影を開始する時ときでも、第1温度センサ32の検出温度(温度A)に対応した位置ずれ量を補正するための適切な補正テーブルを選択することで、撮像素子6の位置ずれを高精度に補正することできる。よって、長時間露光撮影したときに画像の画素ずれを0.5画素以内に抑制できるので、高品位な画像を得ることが可能となる。
【0091】
なお、上記した本実施形態では、長時間露光撮影時における補正テーブルの選択及び位置ずれ補正動作について述べたが、長時間露光撮影ではなく通常の撮影モードのときでも、同様に上記した補正テーブルの選択及び位置ずれ補正動作を行なうことができる。
【0092】
また、上記した本実施形態では、長時間露光撮影時のカメラ姿勢については考慮していなかったが、手ぶれ補正制御部33は加速度センサ39から入力される加速度情報に基づいて、作用している加速度方向がX軸方向、Y軸方向、Z軸方向かのいずれかを検出することでてカメラ姿勢を判定することができる。
【0093】
よって、カメラ姿勢(例えば、縦位置、横位置など)に応じた、複数の前記したような補正テーブルを予め記憶しておくことにより、長時間露光撮影時のカメラ姿勢に最適な補正テーブルを選択できるようにすることで、撮像素子6の位置ずれをより高精度に補正することできる。
【0094】
〈実施形態2〉
長時間露光撮影する撮影モードとして、例えばインターバル撮影した画像を合成する間欠露光合成モードを選択した場合、露光と次の露光の合間に、撮像素子からの画像信号をスルー画モードにするか、撮像素子からの画像信号を停止させるかの設定等によって、前記カメラ内温度特性c(図8(a)参照)の温度上昇カーブが変化することがある。
【0095】
そこで、本実施形態では、長時間露光撮影する撮影モードとして、例えばインターバル撮影した画像を合成する間欠露光合成モードを選択した場合に前記設定等で前記カメラ内温度特性cの温度上昇カーブが変化するような状況でも、適切な位置ずれ補正動作を行なうことができるようにした。
【0096】
(長時間露光撮影時における補正テーブルの選択及び位置ずれ補正動作)
次に、本実施形態における長時間露光撮影時の手ぶれ補正制御部33による位置ずれ補正動作を、図15に示すフローチャートを参照して説明する。前記デジタルカメラ1を三脚に固定して長時間露光撮影する撮影モードとしては、例えば、バルブ撮影モード、任意のタイミングで露光した複数の画像を合成する多重露光撮影モード、インターバル撮影した画像を合成する間欠露光合成モードなどがある。
【0097】
本実施形態では、例えば図16に示すような補正テーブルを予め用意する。この補正テーブルは、手ぶれ補正制御部33内のメモリ33a(図4参照)に記憶されている。
【0098】
この補正テーブルは、例えば第1温度センサ32で検出した検出温度(温度A)が20℃以上30℃以下の場合、XC(℃)の変化温度があったときに、例えば撮像素子6の1画素の1/2の0.5画素を最小移動単位としてX軸方向に移動することを表している。同様に、第1温度センサ32で検出した検出温度(温度A)が20℃以上30℃以下の場合、YC(℃)の変化温度があったときに、例えば撮像素子6の1画素の1/2の0.5画素を最小移動単位としてY軸方向に移動することを表している。
【0099】
そして、図17に示すように、移動の方向は、基準温度(図では、25℃)から+XC(℃)変化したのか、−XC(℃)変化したのかに応じて決まる。よって、基準温度(図では、25℃)から+XC(℃)変化したときは、−X軸方向に最小移動単位量だけ移動させて位置ずれ補正する。また、基準温度(図では、25℃)から−XC(℃)変化したときは、−X軸方向に最小移動単位量だけ移動させて位置ずれ補正する。
【0100】
なお、前記基準温度とは、一番最初(まだ一度も補正動作を行なっていないとき)は撮影(長時間露光撮影)開始時の温度である。また、一度でも補正動作を行なった後は、前回補正動作時の温度が基準温度となる。
【0101】
そして、図15に示すフローチャートにおいて、長時間露光撮影(例えば、バルブ撮影モード、多重露光撮影モード、間欠露光合成モードなど)が開始されると、最初に前回の補正数値等を初期化する(ステップS41)。
【0102】
そして、図8(a),(b)に示したように、各温度センサ(第1、第2温度センサ32,34)で検出した温度の差分であるカメラ内温度がTs(℃)以下での+方向の位置ずれからTs(℃)以上での−方向の位置ずれとなる動作点を判断する(以下、この判断を「逆動作待ち」という:ステップS42)。
【0103】
この逆動作待ちの処理は、図18に示すように、第1温度センサ32で検出した検出温度(温度A)と第2温度センサ34で検出した検出温度(温度B)のデータを複数回(例えば、8回)取得してその平均値を算出する(ステップS51)。このように、データを複数回取得してその平均値を算出することにより、ノイズ成分等が除去されて精度の高いデータとなる。
【0104】
そして、温度A−温度B>Ts(℃)の判定を行う(ステップS52)。この判定で温度A−温度BがTs(℃)より小さい場合(ステップS52:NO)、所定時間(例えば、8秒間)待った後にステップS52の判定を再度行う(ステップS53)。また、ステップS52の判定で温度A−温度BがTs(℃)より大きい場合(ステップS52:NO)、−方向の位置ずれとなる動作点であると判定する。
【0105】
そして、この逆動作待ちの処理後、第1温度センサ32で検出した検出温度(温度A)と第2温度センサ34で検出した検出温度(温度B)のデータを複数回(例えば、8回)取得してその平均値を算出する(ステップS43)。このように、データを複数回取得してその平均値を算出することにより、ノイズ成分等が除去されて精度の高いデータとなる。なお、このステップS43では、前回のX軸の補正温度LTxと前回のY軸の補正温度LTyを初期値としてセットする。
【0106】
そして、所定時間(例えば、8秒間)待った後(ステップS44)、第1温度センサ32で検出した検出温度(温度A)のデータを複数回(例えば、8回)取得してその平均値を算出する(ステップS45)。このように、データを複数回取得してその平均値を算出することにより、ノイズ成分等が除去されて精度の高いデータとなる。
【0107】
そして、ステップS45で取得した検出温度(温度A)に基づいて、位置ずれ補正処理を行う(ステップS46)。
【0108】
この位置ずれ補正処理は、図19に示すように、ステップS61で取得した温度Aが40℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS61でこのときの温度Aが40℃よりも大きい場合には(ステップS61:NO)、図16の補正テーブルから「40℃以上」を選択し、XE(℃)の温度変化に応じてX軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させ、かつYE(℃)の温度変化に応じてY軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させる(ステップS62)。
【0109】
そして、ステップS61で取得した温度Aが40℃よりも小さい場合は(ステップS61:YES)、ステップS63で温度Aが30℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS63で取得した検出温度(温度A)が30℃よりも大きい場合には(ステップS63:NO)、図16の補正テーブルから「30℃以上」を選択し、XD(℃)の変化温度に応じてX軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させ、かつYD(℃)の変化温度に応じてY軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させる(ステップS64)。
【0110】
そして、ステップS63で取得した温度Aが30℃よりも小さい場合は(ステップS63:YES)、ステップS65で温度Aが20℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS65で取得した検出温度(温度A)が20℃よりも大きい場合には(ステップS65:NO)、図16の補正テーブルから「20℃以上」を選択し、XC(℃)の変化温度に応じてX軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させ、かつYC(℃)の変化温度に応じてY軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させる(ステップS66)。
【0111】
そして、ステップS65で取得した温度Aが20℃よりも小さい場合は(ステップS65:YES)、ステップS67で温度Aが10℃よりも大きいか否かを判定する。ステップS67で取得した検出温度(温度A)が10℃よりも大きい場合には(ステップS67:NO)、図16の補正テーブルから「10℃以上」を選択し、XB(℃)の変化温度に応じてX軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させ、かつYB(℃)の変化温度に応じてY軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させる(ステップS68)。
【0112】
そして、ステップS67で取得した検出温度(温度A)が10℃よりも小さい場合には(ステップS67:YES)、図16の補正テーブルから「10℃以上」を選択し、XA(℃)の変化温度に応じてX軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させ、かつYA(℃)の変化温度に応じてY軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させる(ステップS69)。
【0113】
そして、この変化温度に対応した位置ずれ補正処理後に、X軸補正及びY軸補正を行うか否かを判定する処理を行う(ステップS47、S48)。
【0114】
このX軸補正を行うか否かを判定する処理は、図20に示すように、ステップS71で、取得した検出温度(温度A)≦前回のX軸の補正温度LTx+X軸方向の変化温度Txの条件を満たしていないと判断した場合(ステップS71:NO)、−X軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ補正移動させる(ステップS72)。そして、前回のX軸の補正温度Txを記憶する(ステップS73)。
【0115】
また、ステップS71で、取得した検出温度(温度A)≦前回のX軸の補正温度LTx+X軸方向の変化温度Txの条件を満たしていると判断した場合(ステップS71:YES)、更に、取得した検出温度(温度A)≧前回のX軸の補正温度LTx−X軸方向の変化温度Txの条件を満たしているか否かを判断する(ステップS74)。
【0116】
ステップS74で、取得した検出温度(温度A)≧前回のX軸の補正温度LTx−X軸方向の変化温度Txの条件を満たしていないと判断した場合(ステップS74:NO)、+X軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ補正移動させる(ステップS75)。そして、前回のX軸の補正温度LTxを記憶する(ステップS73)。
【0117】
また、ステップS74で、取得した検出温度(温度A)≧前回のX軸の補正温度LTx−X軸方向の変化温度Txの条件を満たしていると判断した場合(ステップS74:YES)、X軸補正は行わない。
【0118】
そして、前記Y軸補正を行うか否かを判定する処理は、図21に示すように、ステップS81で、取得した検出温度(温度A)≦前回のY軸の補正温度LTy+Y軸方向の変化温度Tyの条件を満たしていないと判断した場合(ステップS81:NO)、−Y軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ補正移動させる(ステップS82)。そして、前回のY軸の補正温度LTyを記憶する(ステップS83)。
【0119】
また、ステップS81で、取得した検出温度(温度A)≦前回のY軸の補正温度LTy+Y軸方向の変化温度Tyの条件を満たしていると判断した場合(ステップS81:YES)、更に、取得した検出温度(温度A)≧前回のY軸の補正温度LTy−Y軸方向の変化温度Tyの条件を満たしているか否かを判断する(ステップS84)。
【0120】
ステップS84で、取得した検出温度(温度A)≧前回のY軸の補正温度LTy−Y軸方向の変化温度Tyの条件を満たしていないと判断した場合(ステップS84:NO)、+Y軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ補正移動させる(ステップS85)。そして、前回のY軸の補正温度LTyを記憶する(ステップS83)。
【0121】
また、ステップS84で、取得した検出温度(温度A)≧前回のY軸の補正温度LTy−Y軸方向の変化温度Tyの条件を満たしていると判断した場合(ステップS84:YES)、Y軸補正は行わない。
【0122】
そして、図15に示すフローチャートにおいて、X軸補正及びY軸補正を行うか否かを判定する処理(ステップS47、S48)を終えると、所定時間(例えば、30秒間)待った後(ステップS48)、この長時間露光撮影が終了していないときはステップS45に戻り(ステップS50:NO)、この長時間露光撮影が終了しているときは一連の処理動作を終了する(ステップS50:YES)。
【0123】
このように、本実施形態では長時間露光撮影を行う場合に、第1温度センサ32で検出した検出温度(温度A)に対する変化温度に応じてX軸方向、Y軸方向に最小移動単位量(0.5画素)だけ移動させることで、撮像素子6の位置ずれを高精度に補正することできる。よって、長時間露光撮影したときに画像の画素ずれを0.5画素以内に抑制できるので、高品位な画像を得ることが可能となる。
【0124】
また、上記した本実施形態では、長時間露光撮影時のカメラ姿勢については考慮していなかったが、手ぶれ補正制御部33は加速度センサ39から入力される加速度情報に基づいて、作用している加速度方向がX軸方向、Y軸方向、Z軸方向かのいずれかを検出することでてカメラ姿勢を判定することができる。
【0125】
よって、カメラ姿勢(例えば、縦位置、横位置など)に応じた、複数の前記したような補正テーブルを予め記憶しておくことにより、長時間露光撮影時のカメラ姿勢に最適な補正テーブルを選択できるようにすることで、撮像素子6の位置ずれをより高精度に補正することできる。
【0126】
なお、前記した各実施形態のデジタルカメラでは、ジャイロセンサ31で検出した検出量に応じて画像の振れを打ち消す方向に撮像素子を移動させる手ぶれ補正機構の例であったが、これに限らず、ジャイロセンサ31で検出した検出量に応じて画像の振れを打ち消す方向に撮影光学系の一部を移動させる手ぶれ補正機構においても、同様に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0127】
1 デジタルカメラ
3 撮影レンズ
4 レンズ鏡胴
6 撮像素子
7 手ぶれ補正機構
20 第1ホール素子
21 第2ホール素子
31 ジャイロセンサ
32 第1温度センサ
33 手ぶれ補正制御部
34 第2温度センサ
37 位置検出センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0128】
【特許文献1】特開2006−47054号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系と、
前記撮影光学系を介した入力画像を光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の撮像面における画像の振れの大きさと方向を検出する振れ量検出手段と、
前記振れ量検出手段で検出した検出量に応じて画像の振れを打ち消す方向に、前記撮像素子、または前記撮影光学系の一部を移動させるように制御する振れ補正制御手段と、
前記振れ補正制御手段による制御によって移動させる物体の位置を検出する位置検出手段と、
装置内部の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出される撮影開始時からの装置内部の温度に応じた、前記位置検出手段で検出された検出値を補正するための補正温度値を記憶した補正温度値記憶手段とを備え、
前記振れ補正制御手段は、前記振れ量検出手段の検出値と前記補正温度値記憶手段の補正温度値に基づいて、前記物体の位置ずれを補正するように制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
撮影光学系と、
前記撮影光学系を介した入力画像を光電変換する撮像素子と、
前記撮像素子の撮像面における画像の振れの大きさと方向を検出する振れ量検出手段と、
前記振れ量検出手段で検出した検出量に応じて画像の振れを打ち消す方向に、前記撮像素子、または前記撮影光学系の一部を移動させるように制御する振れ補正制御手段と、
前記振れ補正制御手段による制御によって移動させる物体の位置を検出する位置検出手段と、
装置内部の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段で検出した温度と、撮像装置への通電を開始した時点を起点とする経過時間とに応じて、前記位置検出手段で検出された検出値を補正する検出位置補正量を記憶した補正量記憶手段とを備え、
前記振れ補正制御手段は、前記振れ量検出手段の検出値と前記補正量記憶手段の検出位置補正量に基づいて、前記物体の位置ずれを補正するように制御することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記温度検出手段は、撮像装置への通電による装置内部の温度上昇の影響を受けやすい位置に配置された第1の温度検出素子で取得する第1の検出温度と、装置への通電による装置内部の温度上昇の影響を受けにくい位置に配置された第2の温度検出素子で取得する第2の検出温度とを検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記補正量記憶手段は、前記第1の検出温度と経過時間に応じた補正量を記憶することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記振れ補正制御手段は、前記第1の検出温度と前記第2の検出温度の差分による第3の検出温度を算出し、前記第3の検出温度が所定温度を超えるまでは前記補正量記憶手段に記憶されている前記検出位置補正量を用いないことを特徴とする請求項3又は4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記物体の位置ずれは、X軸方向及びY軸方向に対してそれぞれ補正されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記物体の位置ずれを補正するときの最小移動単位を、前記撮像素子を構成する画素の1/2の0.5画素とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
撮像装置の姿勢を検出する姿勢検出手段を有し、前記姿勢検出手段で検出した姿勢方向に応じた前記物体の位置ずれ補正を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記物体の位置ずれ補正は、長時間露光撮影時に行われることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項10】
撮影光学系と、前記撮影光学系を介した入力画像を光電変換する撮像素子と、前記撮像素子の撮像面における画像の振れの大きさと方向を検出する振れ量検出手段と、前記振れ量検出手段で検出した検出量に応じて画像の振れを打ち消す方向に、前記撮像素子、または前記撮影光学系の一部を移動させるように制御する振れ補正制御手段と、前記振れ補正制御手段による制御によって移動させる物体の位置を検出する位置検出手段と、装置内部の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段で検出される撮影開始時からの装置内部の温度に応じた、前記位置検出手段で検出された検出値を補正するための補正温度値を記憶した補正温度値記憶手段とを備えた画像形成装置の位置ずれ補正方法であって、
前記振れ補正制御手段は、前記振れ量検出手段の検出値と前記補正温度値記憶手段の補正温度値に基づいて、前記物体の位置ずれを補正するように制御することを特徴とする撮像装置の位置ずれ補正方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−88706(P2013−88706A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230629(P2011−230629)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】