説明

撮像装置及び方法

【課題】水平ライン数及びクロック周波数を変更せずに、フレーム周波数が整数となるような可変速撮影を行う。
【解決手段】 ビデオカメラ1は、1Hz〜30Hzまで1Hzきざみでフレーム周波数Fが設定され、設定されたフレーム周波数Fに応じた同期発生パターンにより垂直及び水平同期信号を発生する同期信号発生部13を備えている。同期発生パターンは、1秒間を1周期として繰り返され、1周期中にF回の垂直同期信号を発生し、各フレーム中にN回の水平同期信号を発生するパターンが設定されている。同期発生パターンには、各フレームのクロック数のばらつきがmクロック以下となるように垂直同期信号の発生タイミングが設定されているとともに、各水平ラインのクロック数が少なくとも水平方向の有効画面部分以上となり、且つ、1周期の総クロック数が(fCLK)となるように、水平ライン毎に水平同期信号のタイミングが設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影速度(フレーム周波数)の変更機能を有する撮像装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
映画やコマーシャルフィルム、スポーツ中継等で特殊な映像効果を得るために、撮影速度(フレーム周波数、フレームレート)を変更して撮影する可変速撮影を行うことがある。可変速撮影を行う理由は、高速度で撮影したものを通常の速さで再生すればスローモーション効果を得ることができ、低速度で撮影したものを通常速度で再生すればコマ落とし効果により高速で動いているように見えるからである。このような可変速撮影は、フィルムカメラでは古くから使われてきた撮影方法であるが、近年、電子式のビデオカメラでもこのような撮影方法を取り入れるようになってきた。
【0003】
CCD撮像素子やCMOS撮像素子などの固体撮像素子を使ったカメラや、デジタル信号処理によって映像信号処理を行うカメラでは、その信号処理は、基本クロック(マスタークロック)を基準に行われる。例えば、一般的な高品位画像(HD)を撮影可能な電子式カメラ(以下、HDカメラという。)では、74.25MHzの周波数の基本クロックを基準にして、固体撮像素子の駆動及びデジタル信号処理を行う。
【0004】
74.25MHzの周波数の基本クロック(fCLK)を用いるのは、ビデオ映像信号の水平走査期間のクロック数(水平クロック数)、垂直走査期間のライン数(水平ライン数)及びフレーム周波数との間に、以下の関係が成り立つためである。
【0005】
水平クロック数 × 水平ライン数 × フレーム周波数 = クロック周波数
【0006】
すなわち、60フィールドインターレース走査のビデオ映像信号(60I)、又は30フレームプログレッシブ走査のビデオ映像信号(30P)は、水平クロック数=2200、水平ライン数=1125、フレームレート=30Hzであるので、次のような関係が成り立つためである。
【0007】
2200 * 1125 * 30 (Hz) = 74,250,000 (Hz)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、可変速再生をするためには、フレーム周波数を変更しなければならない。しかしながら、水平ライン数(走査線数)又はクロック周波数を調整して、フレーム周波数を変更することは、非常に困難である。そのため、通常、水平クロック数を変更することによって、フレーム周波数を変更し、可変速撮影を行うこととなる。例えば、映画と同じコマ数の24フレームプログレッシブ走査(24P)にする場合は、以下に示すように、水平クロック数を2750クロックに調整することにより行われる。
2750 * 1125 * 24 (Hz) = 74,250,000 (Hz)
【0009】
ここで、フレーム周波数を1(Hz)から30(Hz)まで1(Hz)刻みで自在に変更することができるHDカメラを実現する場合について考える。
【0010】
以下の表1に、フレーム周波数を1(Hz)から30(Hz)まで1(Hz)刻みで可変にした場合のHDカメラの各パラメータの関係を示す。
【0011】
【表1】

【0012】
この表1を見るとわかるように、フレーム周波数によっては水平クロック数が整数にならない場合が存在する。
【0013】
水平クロック数が整数でないと、デジタルの処理システムが成り立たない。そのため、水平クロック数の小数点以下を四捨五入して整数に丸める必要がある。
【0014】
水平クロック数の小数点以下を四捨五入して整数に丸めた場合における、フレーム周波数を可変するHDカメラの各パラメータの関係を、以下の表2に示す。
【0015】
【表2】

【0016】
この表2に示すように、水平クロック数を変更すれば、可変速撮影を行うことができる。
【0017】
ところが、表2を見ると、実は、フレーム周波数が整数になっていない。
【0018】
もっとも、フレーム周波数が29(Hz)の映像と28.998(Hz)の映像の違いを人間が感知することはまず不可能であるので、1台のHDカメラによる可変速撮影を行う場合には、このことは特に大きな問題とはならない。
【0019】
しかしながら、放送局で複数のカメラを用いてライブ中継を行う場合や、ドラマ撮影など複数のカメラで撮影し、後に編集する場合などは、複数のカメラを同時に用いる。このような場合、それぞれのカメラのフレーム位相が同期していないと都合が悪い。
【0020】
このように複数のカメラで同時に撮影し、かつフレームレートの異なるカメラが混在しているような場合、例えば、通常の60フィールドインターレース動作(60I)のカメラと24フレームプログレッシブ動作(24P)のカメラと10フレームプログレッシブ(10P)のコマ落とし動作のカメラが混在している場合、それぞれのカメラのフレーム同期をロックさせようとすると、1秒間に1度必ずフレーム位相が揃うような関係にあることが、システムを構成し運用する上で都合が良いといえる。
【0021】
それぞれのカメラが常にこのような関係を保つということは、すなわち、それぞれのカメラのフレーム周波数が、小数点以下の半端の値を持たない整数値であるということを意味する。
【0022】
つまり、複数のカメラで同時に撮影し、かつフレームレートの異なるカメラが混在している場合には、基本クロック周波数を固定にしたまま、水平クロック数、水平ライン数、フレーム周波数が全て常に整数値であることが、簡便に同期システムを構成することができる条件となる。
【0023】
本発明は、このような問題を解決するものであり、水平ライン数(走査線数)及びクロック周波数を変更せずに、水平クロック数のみを調整して、フレーム周波数(1秒間のフレーム数)を任意の整数としたフレーム周波数変更を自在に行うことができる撮影装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明に係る撮像装置は、フレーム周波数F(Fは自然数)が変更自在に設定されるレート設定部と、周波数fCLKの基本クロックを発生する基本クロック発生部と、フレームの開始タイミングを示す垂直同期信号と、フレームを構成するN本の水平ラインの開始タイミングを示す水平同期信号とを上記基本クロックに同期させて発生する同期信号発生部と、複数の光電変換素子により被写体を撮像し、上記同期信号発生部から発生された垂直同期信号及び水平同期信号に従って複数の光電変換素子から信号を読み出して、当該垂直同期信号及び水平同期信号に同期した撮像信号を出力する撮像部と、上記撮像部から出力された撮像信号から、有効画面部分の信号を抽出する抽出部とを備え、上記同期信号発生部は、設定された上記フレーム周波数Fに基づき垂直同期信号及び水平同期信号の発生タイミングが示されている同期発生パターンを生成し、生成した同期発生パターンに従い垂直同期信号及び水平同期信号を発生し、上記同期発生パターンは、n秒間(nは自然数)を1周期として繰り返されるパターンであり、上記同期発生パターンには、1周期中に(n×F)回の垂直同期信号を発生し、各フレーム中にN回の水平同期信号を発生するように、垂直同期信号及び水平同期信号の発生タイミングが設定されており、さらに、上記同期発生パターンには、各フレームのクロック数のばらつきがmクロック(mは自然数。)以下となるように垂直同期信号の発生タイミングが設定されているとともに、各水平ラインのクロック数が少なくとも水平方向の有効画面部分以上となり、且つ、1周期の総クロック数が(n×fCLK)となるように、水平ライン毎に水平同期信号の発生タイミングが設定されていることを特徴とする。
【0025】
本発明に係る撮像方法は、フレーム周波数F(Fは自然数)が変更自在に設定され、周波数fCLKの基本クロックを発生し、フレームの開始タイミングを示す垂直同期信号及びフレームを構成するN本の水平ラインの開始タイミングを示す水平同期信号の発生タイミングが示されている同期発生パターンを、設定された上記フレーム周波数Fに基づき生成し、生成した同期発生パターンに従い、上記基本クロックに同期させた垂直同期信号及び水平同期信号を発生し、複数の光電変換素子により被写体を撮像し、発生された上記垂直同期信号及び水平同期信号に従って複数の光電変換素子から信号を読み出して、当該垂直同期信号及び水平同期信号に同期した撮像信号を生成し、生成された上記撮像信号から、有効画面部分の信号を抽出して画像信号を出力する撮像方法であって、上記同期発生パターンは、n秒間(nは自然数)を1周期として繰り返されるパターンであり、上記同期発生パターンには、1周期中に(n×F)回の垂直同期信号を発生し、各フレーム中にN回の水平同期信号を発生するように、垂直同期信号及び水平同期信号の発生タイミングが設定されており、さらに、上記同期発生パターンには、各フレームのクロック数のばらつきがmクロック(mは自然数。)以下となるように垂直同期信号の発生タイミングが設定されているとともに、各水平ラインのクロック数が少なくとも水平方向の有効画面部分以上となり、且つ、1周期の総クロック数が(n×fCLK)となるように、水平ライン毎に水平同期信号の発生タイミングが設定されている。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る撮像装置及び方法では、水平ライン数(走査線数)及びクロック周波数を変更せずに、水平クロック数のみを変更して、フレーム周波数(1秒間のフレーム数)を任意の整数としたフレーム周波数変更を自在に行うことができる。このため、本発明に係る撮像装置及び方法では、例えば複数のカメラを同時に用いた撮影においてフレーム周波数を変更した場合、各カメラのフレームの位相が同期するので、後に編集する時に非常に都合が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明が適用された電子式のビデオカメラ(以下、単にビデオカメラという。)について説明する。以下説明を行うビデオカメラは、1080(60i)の高品位画像の撮影をすることができるとともに、フレーム周波数を1フレーム/秒から30フレーム/秒まで1フレーム刻みで変更した撮影(可変速撮影)をする機能が設けられている。
【0028】
ビデオカメラの構成
図1に、本発明が適用されたビデオカメラ1のブロック構成図を示す。
【0029】
ビデオカメラ1は、レンズユニット2と、撮像素子3と、アナログ処理及びAD変換部4と、デジタル処理部5と、メモリコントローラ6と、フレームメモリ7と、デジタル信号処理部8と、出力部9とを備えている。
【0030】
レンズユニット2は、フォーカスレンズ、ズームレンズ及び絞り羽根等並びにこれらレンズ等を駆動する駆動部が設けられている。レンズユニット2は、撮像対象となる被写体像光を受光して撮像素子3の受光面上に結像させる。
【0031】
撮像素子3は、C−MOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の固体撮像素子である。撮像素子3は、受光面にマトリクス状に配置された単位画素を有しており、各単位画素が照射された光を光電変換する。撮像素子3は、マトリクス状に配置された単位画素をスキャンして電気信号を読み出すことにより、撮像信号を出力する。撮像素子3により読み出された撮像信号は、アナログ処理及びA/D変換部4に供給される。
【0032】
アナログ処理及びA/D変換部4は、撮像素子3から出力された信号に対してクランプや増幅処理等のアナログ処理を行い、A/D変換を行ってデジタル化する。アナログ処理及びA/D変換部4から出力されたデジタルの撮像信号は、デジタル処理部5に供給される。
【0033】
デジタル処理部5は、入力された撮像信号に対して、ホワイトバランス処理、収差補正処理、シェーディング処理等の処理等を行う。
【0034】
メモリコントローラ6は、デジタル処理部5により各種の処理がされた後の撮像信号をフレームメモリ7に格納する。また、メモリコントローラ6は、フレームメモリ7に格納されている画像信号を読み出してデジタル信号処理部8へ出力する。
【0035】
デジタル信号処理部8は、例えばニー補正及びガンマ補正の非線形処理等を、入力された画像信号に対して行う。ニー補正及びガンマ補正がされた画像信号は、出力部9に供給される。
【0036】
出力部9は、入力された画像信号を、所定の映像フォーマットに対応した信号に変換して外部に出力をする。
【0037】
また、ビデオカメラ1は、基本クロック発生部11と、パターン記憶部12と、同期信号発生部13と、駆動パルス発生部14とを備えている。
【0038】
基本クロック発生部11は、ビデオカメラ1の基本クロックfCLKを発生する。基本クロック発生部11から発生される基本クロックfCLKの周波数は74.25MHzである。
【0039】
パターン記憶部12は、同期信号発生パターンを格納している。なお、同期信号発生パターンの具体的な内容については詳細を後述する。
【0040】
同期信号発生部13は、外部からフレーム周波数Fが設定され、設定されたフレーム周波数Fに対応した同期信号発生パターンをパターン記憶部12内から呼び出し、当該同期信号発生パターンに従って基本クロックfCLKに同期させた垂直同期信号V及び水平同期信号Hを発生する。同期信号発生部13から出力された垂直同期信号V及び水平同期信号Hは、駆動パルス発生部14等の各回路に供給される。
【0041】
駆動パルス発生部14は、同期信号発生部13から発生された垂直同期信号V及び水平同期信号Hに基づき、撮像素子3(CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等)の駆動信号を生成し、当該駆動信号を撮像素子3に供給する。
【0042】
可変速撮影時の動作
以上のような構成のビデオカメラ1では、可変速撮影が可能となっている。可変速撮影が行われる場合には、例えばユーザ等によって、フレーム周波数Fが変更される。ここでは、1フレーム/秒から30フレーム/秒まで1フレーム刻みでフレーム周波数Fを変更することが可能となっているものとする。
【0043】
ユーザ等により設定されたフレーム周波数Fは、同期信号発生部13に与えられる。
【0044】
同期信号発生部13は、設定されたフレーム周波数Fに応じた同期信号発生パターンを、パターン記憶部12から読み出す。同期信号発生パターンには、フレーム周波数F毎に設定されており、そのフレーム周波数Fで撮影動作をする際における垂直同期信号V及び水平同期信号Hの発生パターンが示された情報である。同期信号発生部13は、読み出した同期信号発生パターンに従って垂直同期信号V及び水平同期信号Hを生成する。すなわち、同期信号発生部13は、設定されたフレーム周波数Fに対応したタイミングの垂直同期信号V及び水平同期信号Hを発生する。
【0045】
なお、同期信号発生部13は、設定されたフレーム周波数Fに応じた垂直同期信号V及び水平同期信号Hを発生しているとともに、通常のフレーム周波数(30Hz)での垂直同期信号V及び水平同期信号Hも同時に発生している。
【0046】
フレーム周波数Fに応じた垂直同期信号V及び水平同期信号Hは、駆動パルス発生部14、アナログ処理及びA/D変換部4及びデジタル処理部5に供給される。
【0047】
駆動パルス発生部14、アナログ処理及びA/D変換部4及びデジタル処理部5は、入力された垂直同期信号V及び水平同期信号Hに同期してデータ処理を行う。このため、これらの各回路は、設定されたフレーム周波数Fに応じた速度での処理が行われ、このことにより、設定されたフレーム周波数Fでの撮影処理がなされることとなる。
【0048】
メモリコントローラ6は、デジタル処理部5から出力された撮像信号をフレームメモリ7に転送する処理を行う。ここで、デジタル処理部5から出力された撮像信号には、有効画面の部分の信号の他に、垂直及び水平方向の両端部分に無効な信号部分(例えば、ブランキング期間の信号)も含まれている。そのため、メモリコントローラ6は、フレーム周波数Fに応じた垂直同期信号V及び水平同期信号Hを基準として、フレーム内でのライン数及び各ライン内でのクロック数をカウントしてフレームの有効な画像部分を特定し、特定した有効な画像部分のみをフレームメモリ7に格納する。この結果、無効部分については、フレームメモリ7への転送時に削除されることとなる。
【0049】
また、メモリコントローラ6は、フレームメモリ7に格納されている画像信号(有効画像部分)を読み出して、デジタル信号処理部8へ供給する。ここで、ビデオカメラ1は、外部機器との接続互換性を保つため、可変速撮影動作をしている場合であっても、外部機器へ供給するビデオ信号を通常のフレーム周波数(30Hz)の信号に変換しなければならない。そのため、メモリコントローラ6は、通常のフレーム周波数(30Hz)に応じた垂直同期信号V及び水平同期信号Hに基づき、フレームメモリ7から画像信号を読み出す。この際に、撮像は通常撮影時よりも低速で行われるために、フレームメモリ7への書き込み速度よりフレームメモリ7からの読み出し速度の方が速くなる。従って、もし、読み出しが間に合わなかった場合には、図2の斜線部分に示すように、メモリコントローラ6は、同一のフレームを複数回読み出すような処理を行う。
【0050】
デジタル信号処理部8は、通常のフレーム周波数(30Hz)で読み出された画像信号に対して、例えばニー補正及びガンマ補正等の非線形デジタル処理を行う。これらの処理がされた画像信号は、出力部9に供給される。出力部9では、所定の映像フォーマットに対応した信号に変換して外部に出力をする。
【0051】
可変速撮影時の同期信号発生パターン
ビデオカメラ1は、30フレーム/秒、29フレーム/秒、28フレーム/秒、…、3フレーム/秒、2フレーム/秒、1フレーム/秒といった1Hz刻の各速度(フレーム周波数F)での可変速撮影をする。
【0052】
パターン記憶部12内には、フレーム周波数毎に、同期信号発生パターンが格納されている。同期信号発生パターンは、垂直同期信号V及び水平同期信号Hの発生タイミングが示された情報である。従って、同期信号発生部13は、設定されたフレーム周波数Fに応じた同期信号発生パターンを、パターン記憶部12から読み出し、読み出した同期信号発生パターンに従って動作をすることによって、垂直同期信号V及び水平同期信号Hを所定のタイミングで発生する。
【0053】
例えば、同期信号発生パターンには、垂直同期信号V及び水平同期信号Hの各発生タイミングが、基本クロックfCLKのカウント値で示されている。この場合、同期信号発生部13は、基本クロックfCLKをカウンタによりカウントし、当該カウンタの値が同期信号発生パターンに示された値と一致したタイミングで垂直同期信号V及び水平同期信号Hを発生すればよい。
【0054】
このようにフレーム周波数F毎に同期信号発生パターンが設定されていることによって、容易に可変速撮影を実現できる。
【0055】
ここで、ビデオカメラ1では、垂直ライン数N(走査線数)及びクロック周波数fCLKを固定とし、水平クロック数のみが適宜調整された同期信号発生パターンが設定されている。このため、ビデオカメラ1では、他のビデオカメラとフレームタイミング(フレーム位相)が所定秒毎に必ず一致するようにした状態で、1Hz〜30Hzのフレーム周波数(1秒間のフレーム数)Fで可変速撮影ができる。
【0056】
以下、このような同期信号発生パターンについてさらに具体的に説明をする。
【0057】
(周期性)
同期信号発生パターンは、所定の周期性をもったパターンとなっている。換言すれば、同期信号発生部13が同期信号発生パターンに従い垂直同期信号V及び水平同期信号Hの発生動作を行うと、垂直同期信号V及び水平同期信号Hの発生パターンが、所定の周期で繰り返される。
【0058】
垂直同期信号V及び水平同期信号Hの発生パターンの周期は、全てのフレーム周波数Fで同一である。具体的には、その周期が1秒となっている。つまり、基本クロックの周波数fCLKが74.25MHzであるので、パターン周期は、74250000クロックとなる。
【0059】
ビデオカメラ1では、このように垂直同期信号V及び水平同期信号Hの発生パターンに周期性をもたせ、且つ、その周期を全てのフレーム周波数Fで同一としているので、可変速撮影をした場合であっても他のビデオカメラとのフレーム位相を必ずこの周期毎に1回は揃えることができることとなる。
【0060】
なお、本例では、同期信号の発生パターンの1周期を1秒としているが、本発明では、必ず所定秒毎に垂直同期信号の位相が一致すればよい。従って、1周期=1秒でなく、1周期=n×1秒であってもよい。なお、nは、自然数である。
【0061】
(垂直同期信号の発生タイミング)
同期信号発生パターンには、垂直同期信号Vの発生タイミングが示されている。例えば、同期信号発生パターンの開始位置からのクロック数により、垂直同期信号Vの発生タイミングが示されている。垂直同期信号Vは、フレームの開始位置を示しているので、同期信号発生パターンの1周期(1秒間)中に発生される垂直同期信号Vは、設定されたフレーム周波数Fの値と同一となる。なお、同期信号発生パターンの1周期がn秒の場合には、1周期中に発生される垂直同期信号Vの数は、n×Fとなる。
【0062】
ここで、各フレームのフレーム長(=フレームのクロック数=垂直同期信号Vの時間間隔)は、垂直同期信号Vの発生タイミングの間隔により定まるのであるが、同期信号発生パターンにより設定されている各フレームのクロック数は、全てのフレームで一致しているとは限らず、フレーム毎にクロック数が異なる場合もある。
【0063】
本例の場合では、全てのフレームでクロック数が一致しているフレーム周波数と、1クロック分だけ異なる2種類のフレームが存在するフレーム周波数がある。すなわち、74250000を各フレーム周波数(30,29,28,…)で割ったときに余りがでなければ、全てのフレームで同じクロック数となり、余りがあれば、その余りと同数のフレームだけ1クロック分クロック数が多いフレームが含まれているわけである。
【0064】
このように、ビデオカメラ1では、フレームのクロック数の異なりを許容している。このため、1秒間に含まれるフレームの数(すなわち、フレーム周波数F)を整数とすることができ、可変速撮影をした場合であっても他のビデオカメラとのフレーム位相を必ずこの1秒間に1回は揃えることができることとなる。
【0065】
以下、1クロック分だけクロック数が少ない方のフレームをAフレーム、1つだけクロック数が多い方のフレームをBフレームと呼ぶ。また、全てのフレームでクロック数が一致している場合には、全てBフレームであるものとする。
【0066】
各フレーム周波数F(30,29,28,…,3,2,1)のAフレームとBフレームの数は、例えば表3に示すようになる。
【0067】
【表3】

【0068】
なお、表3で示した同期信号発生パターンは、AフレームとBフレームとの差のクロック数をmとしたとき、上述した例ではmを1以下にしている。しかしながら、mの値は1に限らず、充分に小さい自然数であれば、2以上であってもよい。この理由は、次の通りである。
【0069】
すなわち、各フレームのクロック数が一致していないということは、固体撮像素子で光電荷を蓄積する時間(シャッタースピード)がフレーム毎に異なるということである。従って、フリッカが発生する原因となる。しかしながら、各フレームのクロック数の差、言い換えれば、フレーム毎のクロック数のばらつきmが充分に小さければ、人間の目で感知できずフリッカとは認識できず特に問題はない。mを1以下としたのは、このばらつきを人間の目で認識できないようにするためである。従って、ばらつきがフリッカとして人間に感知できない程度小さい値であれば、mを2以上としてもよいわけである。
【0070】
また、同期信号発生パターンには、AフレームとBフレームの2種類のクロック数のフレームが存在しているが、フレーム間のクロック数のばらつきがm以下であれば、2種類に限らず3種類以上あってもよい。
【0071】
(水平同期信号の発生タイミング)
同期信号発生パターンには、各フレーム中の水平ラインの開始位置を示す水平同期信号Hの発生タイミングも示されている。
【0072】
ビデオカメラ1では、1フレーム中の水平ラインの本数を常時N本(ここでは、N=1125)で固定としている。このため、同期信号発生パターンには、1フレーム中(すなわち、垂直同期信号Vの間の期間)に、N本(1125本)の水平同期信号Hを発生するような情報が示されている。
【0073】
ここで、上述したように既に各フレームのクロック数は設定されているため、水平ラインのクロック数がN本全てで均等となるように、水平同期信号Hのタイミングを設定することはできない。
【0074】
そこで、ビデオカメラ1では、特定の1本の水平ライン(ここでは最終ライン)をクロック調整用の水平ラインとし、その他の(N−1)本の水平ライン(1124本の水平ライン)のクロック数を全てのフレームで一致させるように、水平同期信号Hの発生タイミングを設定している。
【0075】
具体的に、各フレーム周波数Fでの水平ラインのクロック数の一例を、以下の表4に示す。
【0076】
【表4】

【0077】
なお、各水平ラインのクロック数は、このようなパターンに限られない。具体的には、クロック調整用の水平ライン以外の水平ライン(1124本)は、少なくとも、水平方向の有効画像が切り出せるだけの充分な長さのクロック数以上、N本(ここでは1125本)の水平ラインを1フレーム内中に含むことが可能な充分短いクロック数以下の範囲であれば、どのような値であってもよい。
【0078】
また、クロック調整用の水平ライン(最終ライン)は、フレーム中の全ての水平ラインのクロック数を合計したときに、そのフレームに設定された総クロック数となるように調整がされている。言い換えれば、同期信号発生パターンの1周期の総クロック数が74250000クロックとなるように、調整がなされているためである。この結果、AフレームとBフレームとが存在するフレーム周波数では、当該最終ラインの水平クロック数は、Aフレームの方がBフレームよりも1クロック分少なくなっている。
【0079】
また、クロック調整用の水平ラインは、最終ラインでなくとも、少なくとも垂直ブランキング期間のラインであればよい。もっとも、有効画面の信号が読み出すことが可能な程度にクロック数が充分大きければ、垂直ブランキング期間の水平ラインでなくてもよい。
【0080】
以上のように、ビデオカメラ1では、水平ライン数N及びクロック周波数fCLKを変更せずに、水平クロック数のみを調整して、フレーム周波数(1秒間のフレーム数)を任意の自然数に設定することができる。
【0081】
このため、ビデオカメラ1では、例えば複数のカメラを同時に用いた撮影においてフレーム周波数を変更した場合、各カメラのフレームの位相が同期するので、後に編集する時に非常に都合が良い。
【0082】
第2の実施形態のビデオカメラの構成
つぎに、本発明が適用された第2の実施形態のビデオカメラについて説明をする。
【0083】
上述したビデオカメラ20では、フレーム周波数Fが低いと、それに伴って1フレームの電荷蓄積時間も長くなる。例えば、フレーム周波数Fが1(Hz)の場合は、撮像素子での電荷の蓄積時間(シャッタースピード)は1秒間になることになる。これでは、別途シャッタによる電荷量の調整をしないかぎり、撮像素子のダイナミックレンジをオーバーし、白クリップしてしまい正常な画像にならない。
【0084】
そこで、以下に説明をする第2の実施形態のビデオカメラ20では、ユーザにより設定されたフレーム周波数が低い場合は、実際には撮像素子の露光がオーバーしない程度の早いフレーム周波数により撮影をして、撮像信号のフレームを時間方向に加算することによりダウンコンバートするようにしている。
【0085】
ビデオカメラの構成
図3に、本発明が適用された第2の実施形態のビデオカメラ20のブロック構成図を示す。なお、図1に示したビデオカメラ1と同一の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0086】
ビデオカメラ20は、レンズユニット2と、撮像素子3と、アナログ処理及びAD変換部4と、デジタル処理部5と、メモリコントローラ6と、フレームメモリ7と、デジタル信号処理部8と、出力部9と、基本クロック発生部11と、パターン記憶部12と、同期信号発生部13と、駆動パルス発生部14とを備えている。
【0087】
また、ビデオカメラ20は、レート設定部21と、フレーム加算部22とを備えている。
【0088】
レート設定部21は、例えばユーザ等からフレーム周波数FRX(FRXは自然数)が入力される。例えば、フレーム周波数FRXは、ここでは、1フレーム/秒から30フレーム/秒まで1フレーム刻みで入力される。
【0089】
レート設定部21は、入力されたフレーム周波数FRXと、以下の式(11)の関係を満たすフレーム周波数F及びフレーム加算数Mを設定する。
【0090】
RX=F/M …(11)
【0091】
なお、式(11)において、Mは自然数であり、Fは撮像素子3により撮像可能な最高のフレーム周波数(例えば、30Hz)を超えない値である。
【0092】
レート設定部21により設定されたフレーム周波数Fは、同期信号発生部13に供給される。
【0093】
同期信号発生部13は、入力されたフレーム周波数Fに対応した垂直同期信号V及び水平同期信号Hを発生する。従って、駆動パルス発生部14、アナログ処理及びA/D変換部4及びデジタル処理部5では、フレーム周波数Fに応じた可変速撮影を行う。
【0094】
フレーム加算部22は、メモリコントローラ6の出力段と、デジタル信号処理部8との間に設けられている。フレーム加算部22には、レート設定部21により設定されたフレーム加算数Mが入力される。フレーム加算部22は、メモリコントローラ6から出力された連続したM個のフレームを加算して、1つのフレームを生成する。このようにMフレーム分の加算処理をすることにより、実質上、フレームレートFで撮影された画像信号を、フレームレートFRX(F/M)にダウンコンバートすることができる。
【0095】
具体的に、各フレーム周波数FRXでの水平ラインのクロック数の一例を、以下の表5に示す。
【0096】
【表5】

【0097】
以上のように第2の実施形態のビデオカメラ20では、ユーザにより設定されたフレーム周波数FRXが低い場合であっても、撮像素子のダイナミックレンジをオーバーさせずに、可変速の撮影をすることが可能となる。
【0098】
複数のビデオカメラによるシステム構成
つぎに、このようなフレーム周波数を自在に変更することができるビデオカメラ1やビデオカメラ20を複数使用して同時撮影する場合のシステムを説明する。
【0099】
このような複数カメラシステム30の構成例を図4に示す。複数カメラシステム30では、設定されているフレーム周波数Fが異なる3つのビデオカメラ1(カメラA,カメラB,カメラC)が、同時に同一の被写体を撮影している。
【0100】
複数カメラシステム30では、ある一つのビデオカメラ(例えば、カメラA)をマスターカメラとして設定する。マスターカメラであるカメラAは、フレーム同期リセット信号を発生する。マスターカメラであるカメラAは、あるフレーム周波数Fが設定されており、そのフレーム周波数Fの同期信号発生パターンに従い動作をしている。フレーム同期リセット信号は、その動作中の同期信号発生パターンの1周期毎(又は所定周期毎)に発生される同期信号である。つまり、同期信号発生パターンの周期は1秒(又はn秒)であるので、フレーム同期リセット信号は、1秒毎(又はn秒毎)に発生される同期信号である。
【0101】
マスターカメラ以外のカメラ(カメラB,カメラC)は、マスターカメラ(カメラA)から発生されたフレーム同期リセット信号が入力される。マスターカメラ以外のカメラ(カメラB,カメラC)は、フレーム同期リセット信号に従い内部カウンタ等をリセットし、同期信号発生パターンの位相調整を行う。
【0102】
フレーム同期リセット信号、各カメラA、B、Cの垂直及び水平同期信号のタイミングチャートを図5に示す。
【0103】
ここでは、例えば、カメラAのフレーム周波数が24Hz、カメラBのフレーム周波数が20Hz、カメラCのフレーム周波数が10Hzに設定されているとする。それぞれのカメラの出力のフレーム周波数は30Hzである。
【0104】
この図5のタイミングチャートに表されているように、フレーム同期リセット信号でリセットを行うことによって、各カメラがどのようなフレーム周波数であっても常にそのフレーム周波数は整数値であるので、必ず1秒間に1度全てカメラのフレーム位相が揃う。
【0105】
また、例えば、カメラAのフレーム周波数を出力映像周波数と同じ30Hzにした場合(これはすなわち、既存の固定フレームレートのカメラと同じである。)にも、1秒間に1回全てのカメラのフレーム位相が揃う。つまり、既存の固定フレームレートのカメラシステムの中に可変フレームレートのカメラを混在させて、同期させることも可能である。
【0106】
フレーム周波数が30Hz以上の場合
また、以上の説明では、フレーム周波数Fが1(Hz)から30(Hz)までの例を示したが、クロック周波数を適当に選べば、どのようなフレーム周波数でも同様のことが実現可能である。
【0107】
例えば、1(Hz)から60(Hz)まで、1Hz刻みで変更可能な場合の設定例を、以下の表6及び表7に示す。
【0108】
【表6】

【0109】
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明が適用されたビデオカメラのブロック構成図である。
【図2】フレームメモリから画像信号を読み出す際の画像信号示す図である。
【図3】本発明が適用された他のビデオカメラのブロック構成図である。
【図4】本発明が適用されたビデオカメラを複数使用して同時撮影するシステムを示す図である。
【図5】フレーム同期リセット信号、各カメラA、B、Cの垂直及び水平同期信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0111】
1,20 ビデオカメラ、2 レンズユニット、3 撮像素子、4 アナログ処理及びAD変換部、5 カメラ信号処理部、6 メモリコントローラ、7 フレームメモリ、8 デジタル信号処理部、9 出力部、11 基本クロック発生部、12 パターン記憶部、13 同期信号発生部、14 駆動パルス発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム周波数F(Fは自然数)が変更自在に設定されるレート設定部と、
周波数fCLKの基本クロックを発生する基本クロック発生部と、
フレームの開始タイミングを示す垂直同期信号と、フレームを構成するN本の水平ラインの開始タイミングを示す水平同期信号とを上記基本クロックに同期させて発生する同期信号発生部と、
複数の光電変換素子により被写体を撮像し、上記同期信号発生部から発生された垂直同期信号及び水平同期信号に従って複数の光電変換素子から信号を読み出して、当該垂直同期信号及び水平同期信号に同期した撮像信号を出力する撮像部と、
上記撮像部から出力された撮像信号から、有効画面部分の信号を抽出する抽出部とを備え、
上記同期信号発生部は、設定された上記フレーム周波数Fに基づき垂直同期信号及び水平同期信号の発生タイミングが示されている同期発生パターンを生成し、生成した同期発生パターンに従い垂直同期信号及び水平同期信号を発生し、
上記同期発生パターンは、n秒間(nは自然数)を1周期として繰り返されるパターンであり、
上記同期発生パターンには、1周期中に(n×F)回の垂直同期信号を発生し、各フレーム中にN回の水平同期信号を発生するように、垂直同期信号及び水平同期信号の発生タイミングが設定されており、
さらに、上記同期発生パターンには、各フレームのクロック数のばらつきがmクロック(mは自然数。)以下となるように垂直同期信号の発生タイミングが設定されているとともに、各水平ラインのクロック数が少なくとも水平方向の有効画面部分以上となり、且つ、1周期の総クロック数が(n×fCLK)となるように、水平ライン毎に水平同期信号の発生タイミングが設定されていること
を特徴とする撮像装置。
【請求項2】
上記同期発生パターンは、
n=1に設定されており、
垂直ブランキング期間中の特定の1つの水平ライン以外の(N−1)本の全ての水平ラインのクロック数が、全てのフレームで同一となるように設定され、
上記垂直ブランキング期間中の特定の1つの水平ラインのクロック数が、当該同期発生パターンの1周期の総クロック数がfCLKとなり、且つ、フレーム毎のクロック数のばらつきが1クロック以下となるように、調整されていること
を特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
上記抽出部から出力される撮像信号のフレーム周波数をダウンコンバートするレート変換部を、さらに備え、
上記レート設定部は、外部からフレームレートFRX(FRXは自然数)が入力され、入力されたフレームレートFRXと、下記式(1)の関係を満たすフレーム周波数F及び加算数Mを設定し、
上記レート変換部は、上記抽出部から出力される撮像信号のフレーム周波数を、FからFRXに変換すること
を特徴とする請求項1記載の撮像装置。
RX=F/M …(1)
なお、式(1)において、Mは自然数であり、Fは撮像可能な最高フレーム周波数を超えない値である。
【請求項4】
上記同期発生パターンの自然数倍の周期の位相調整信号が、外部から入力される調整信号入力部を、さらに備え、
上記同期信号発生部は、同期発生パターンの周期を、上記位相調整信号の周期に同期させて、垂直同期信号及び水平同期信号を出力すること
を特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
フレーム周波数F(Fは自然数)が変更自在に設定され、
周波数fCLKの基本クロックを発生し、
フレームの開始タイミングを示す垂直同期信号及びフレームを構成するN本の水平ラインの開始タイミングを示す水平同期信号の発生タイミングが示されている同期発生パターンを、設定された上記フレーム周波数Fに基づき生成し、
生成した同期発生パターンに従い、上記基本クロックに同期させた垂直同期信号及び水平同期信号を発生し、
複数の光電変換素子により被写体を撮像し、発生された上記垂直同期信号及び水平同期信号に従って複数の光電変換素子から信号を読み出して、当該垂直同期信号及び水平同期信号に同期した撮像信号を生成し、
生成された上記撮像信号から、有効画面部分の信号を抽出して画像信号を出力する撮像方法であって、
上記同期発生パターンは、n秒間(nは自然数)を1周期として繰り返されるパターンであり、
上記同期発生パターンには、1周期中に(n×F)回の垂直同期信号を発生し、各フレーム中にN回の水平同期信号を発生するように、垂直同期信号及び水平同期信号の発生タイミングが設定されており、
さらに、上記同期発生パターンには、各フレームのクロック数のばらつきがmクロック(mは自然数。)以下となるように垂直同期信号の発生タイミングが設定されているとともに、各水平ラインのクロック数が少なくとも水平方向の有効画面部分以上となり、且つ、1周期の総クロック数が(n×fCLK)となるように、水平ライン毎に水平同期信号の発生タイミングが設定されていること
を特徴とする撮像方法。
【請求項6】
上記同期発生パターンは、
n=1に設定されており、
垂直ブランキング期間中の特定の1つの水平ライン以外の(N−1)本の全ての水平ラインのクロック数が、全てのフレームで同一となるように設定され、
上記垂直ブランキング期間中の特定の1つの水平ラインのクロック数が、当該同期発生パターンの1周期の総クロック数がfCLKとなり、且つ、フレーム毎のクロック数のばらつきが1クロック以下となるように、調整されていること
を特徴とする請求項5記載の撮像方法。
【請求項7】
外部からフレームレートFRX(FRXは自然数)が入力され、
入力されたフレームレートFRXと、下記式(1)の関係を満たすフレーム周波数F及び加算数Mを設定し、
上記撮像信号のフレーム周波数を、FからFRXに変換すること
を特徴とする請求項5記載の撮像方法。
RX=F/M …(2)
なお、式(2)において、Mは自然数であり、Fは撮像可能な最高フレーム周波数を超えない値である。
【請求項8】
上記同期発生パターンの自然数倍の周期の位相調整信号が、外部から入力され、
同期発生パターンの周期を、上記位相調整信号の周期に同期させて垂直同期信号及び水平同期信号を出力すること
を特徴とする請求項5記載の撮像方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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