説明

撮像装置

【課題】筐体温度の上昇に起因する動画記録の停止動作が発生し得る状況を、ユーザが予め把握できることを可能とする撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置は、記録される動画像の画質を設定する複数の記録モードの中から1つの記録モードを設定する設定部と、動画像の残り記録時間を表示可能な表示部を制御する表示制御部とを備える。複数の記録モードは、その記録モードで継続して動画記録を動作させた場合に、筐体温度が所定温度に達する程度に発熱する第1の記録モードと、その記録モードで継続して動画像生成部を動作させた場合に、筐体温度が所定温度に達し得ない程度に発熱する第2の記録モードを含む。表示制御部は、筐体内温度に基づき残り記録時間を求め、さらに、設定された記録モードが第1の記録モードであるか否かを判断し、その判断結果に基づいて、筐体温度に基づき求めた残り記録時間を表示部に表示するか否かを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動画像の記録が可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学系を介して形成された被写体像を撮像して画像データを生成する撮像センサを搭載したデジタルカメラが普及している。撮像センサは、電力を消費して画像データ生成のための各種処理動作を行う。撮像センサは各種処理動作を行う際に発熱する。特に、動画記録処理のように長時間継続して動作する場合、発熱により、撮像センサや画像処理エンジンの温度上昇がより顕著になる。
【0003】
このような撮像装置内の温度上昇により、撮像センサの出力に顕著なノイズが混在するようになったり、ユーザがカメラ筐体を把持するのに支障が生じたり、カメラ本体や構成部品が変形してしまったりするという問題が生じ得る。近年、デジタルカメラの小型化に伴い、撮像センサの熱対策が課題になっている。
【0004】
撮像センサの熱対策として、温度検出手段により検出された温度が許容温度を超えたときに、警告を発したり、カメラ撮影動作を制限したりするデジタルカメラが知られている。例えば、特許文献1は、温度センサによって測定された温度が許容温度(70度)を超えると、デジタルカメラの動作のうち消費電力が高い動作である動画記録動作を停止し、デジタルカメラの動作のうち消費電力の低い動作である静止画撮影動作を実行可能に制御する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−28425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術では、長時間動画記録を継続したいようなシーンを撮影している場合に、温度センサによって許容温度を超えた温度が検出されると、動画記録動作が急に停止してしまう。これでは、大切なシーンを記録できず、ユーザにとって不都合である。
【0007】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、撮像装置内の温度上昇に伴い動画記録の停止動作が発生し得る状況をユーザ(撮影者)が予め把握できるようにした撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様の撮像装置は、動画像を記録可能な撮像装置であって、被写体像に基づいて動画像を生成する動画像生成部と、記録される動画像の画質を決定する複数の記録モードの中から1つの記録モードを設定する設定部と、撮像装置の筐体内の温度を測定する温度検出部と、撮像装置が動画像を記録できる時間を示す残り記録時間を表示可能な表示部と、表示部を制御する表示制御部とを備える。複数の記録モードは、その記録モードで継続して前記動画像生成部を動作させた場合に、筐体の温度が第1の所定温度に達する程度に発熱する第1の記録モードと、その記録モードで継続して動画像生成部を動作させた場合に、筐体が第1の所定温度に達し得ない程度に発熱する第2の記録モードとを含む。表示制御部は、温度検出部の測定結果が示す筐体内温度に基づき前記残り記録時間を求め、さらに、設定部により設定された記録モードが第1の記録モードであるか否かを判断し、その判断結果に基づいて、筐体内温度に基づき求めた残り記録時間を前記表示部に表示するか否かを決定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の撮像装置によれば、筐体温度に基づいて、動画像の残り記録時間を求めて表示部に表示する。このような表示により、ユーザは温度上昇に伴い動画記録動作の停止動作が発生する状況を予め把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】デジタルカメラの前面構成図
【図2】デジタルカメラの背面構成図
【図3】デジタルカメラの電気的構成図
【図4】デジタルカメラの内部構成イメージ図
【図5】設定した撮影モードに対する温度上昇率を説明するための図
【図6】動画記録における残記録時間表示の動作フローチャート
【図7】残記録時間表示のイメージ図
【図8】実施の形態1に係る残記録時間表示の切り替え判断フローチャート
【図9】時間経過に伴って温度上昇したときの制御を説明するための図
【図10】実施の形態2に係る残記録時間表示の切り替え判断フローチャート
【図11】動画記録モードを設定する画面のイメージ図
【図12】他の実施形態に係る残記録時間表示のイメージ図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
実施の形態1
本実施の形態のデジタルカメラによれば、筐体の温度を測定し、温度に依存して変化する記録可能な動画の残り時間を、測定した温度に基づき演算し、演算した残り時間を表示部に表示する。この構成により、ユーザは、筐体の測定温度に基づいて動画記録の停止動作が発生する状況を、事前に把握することができる。
【0013】
1−1 構成
以下、図面を用いて本実施の形態のデジタルカメラの構成を説明する。
【0014】
1−1−1 デジタルカメラの構成
図1は、本実施の形態のデジタルカメラ100の正面図である。デジタルカメラ100は前面に光学系110を納める鏡筒や、フラッシュ160を備える。また、デジタルカメラ100は上面に、レリーズ釦201、ズームレバー202、電源203などの操作釦を備える。
【0015】
図2は、デジタルカメラ100の背面図である。デジタルカメラ100は背面に液晶モニタ123や、動画記録釦206や中央釦204や十字釦205などの操作釦を備える。
【0016】
図3は、デジタルカメラ100の電気的構成図である。デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120は撮像した被写体像に基づく画像情報を生成する。CCDイメージセンサ120により生成された画像情報は、AFE(アナログ・フロント・エンド)121や画像処理部122において各種処理が施される。各種処理が施された画像情報はフラッシュメモリ142やメモリカード140に記録される。フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録された画像情報は、操作部150上でのユーザによる操作にしたがい液晶モニタ123上に表示される。以下、図1から図3に示す構成の詳細を説明する。
【0017】
光学系110は、フォーカスレンズ111やズームレンズ112、絞り113、シャッタ114等により構成される。図示していないが、光学系110は、光学式手ぶれ補正レンズ(OIS: Optical Image Stabilizer)を含んでいてもよい。なお、光学系110を構成する各種レンズは何枚から構成されるものでも、何群から構成されるものでもよい。
【0018】
フォーカスレンズ111は被写体のフォーカス状態の調節に用いられる。ズームレンズ112は被写体の画角の調節に用いられる。絞り113は、CCDイメージセンサ120に入射する光量の調節に用いられる。シャッタ114は、CCDイメージセンサ120に入射する光の露出時間を調節する。フォーカスレンズ111、ズームレンズ112、絞り113、シャッタ114は、それぞれに対応したDCモータやステッピングモータ等の駆動手段により、コントローラ130から通知された制御信号に従って駆動される。
【0019】
CCDイメージセンサ120は、光学系110を通して形成された被写体像を撮像して画像情報を生成する。CCDイメージセンサ120の受光面には多数のフォトダイオードが2次元的に配列されている。また、各フォトダイオードに対応してR、G、Bの原色カラーフィルタが所定の配列構造で配置されている。撮像対象となる被写体からの光は、光学系110を通過した後に、CCDイメージセンサ120の受光面に結像され、画像情報を示す電気信号に変換され後段のAFE121に供給される。
【0020】
また、CCDイメージセンサ120は、デジタルカメラ100の動作モードに対応した幾つかの駆動モードに基づいて動作する。デジタルカメラ100の動作モードとしては、再生モードと撮影モードがある。撮影モードには、静止画撮影動作モード、動画撮影動作モード、スルー画像撮影動作モードなどがある。
【0021】
AFE121は、CCDイメージセンサ120から入力した画像情報に対して、相関二重サンプリングによる雑音抑圧、アナログゲインコントローラによるISO感度値に基づくゲインの乗算、及びADコンバータによるAD変換を実施する。その後、AFE121は画像情報を画像処理部122に出力する。
【0022】
画像処理部122は、AFE121から出力された画像情報に対して各種の処理を施す。各種処理としては、BM(ブロックメモリ)積算、スミア補正、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。画像処理部122は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、画像処理部122は、コントローラ130のような他の機能部とともに1つの半導体チップで構成してもよい。
【0023】
温度センサ161は、デジタルカメラ100の筐体内温度を測定する。そして、温度センサ161は、筐体内温度の測定結果をコントローラ130に通知する。ここで、デジタルカメラ100の筐体内温度について説明する。
【0024】
図4は、デジタルカメラ100を背面から見た内部構成イメージ図である。図4に示すように、CCDイメージセンサ120は光学系110に対向する位置に配置されている。また、図示していないが、デジタルカメラ100を背面から見て右側には、カードスロット141やバッテリケース(不図示)が配置されており、それらと対向する位置に画像処理部122が配置されている。また、ユーザがデジタルカメラ100を把持するグリップ部内に温度センサ161が配置されている。動画像記録など、CCDイメージセンサ120や画像処理部122が動作する状態が長時間継続されると、CCDイメージセンサ120や画像処理部122は発熱する。これに伴い、デジタルカメラ100の筐体内温度は上昇する。CCDイメージセンサ120および画像処理部122といった発熱体は、筐体の水平方向の中心を基準として概ね対称な位置に配置されている。このため、デジタルカメラ100筐体内の温度分布は概ね左右対称となる。ユーザは、撮影時において、デジタルカメラ100の左右の端部を両手を使って把持することが多い。よって、デジタルカメラ100筐体内の左右のグリップ内のいずれか一方に温度センサ161を配置すれば、他方の測定結果も同等のものであると推定することができる。実施の形態1においては、デジタルカメラ100を片手で保持して撮影する場合を想定し、レリーズ釦201やズームレバー202等の操作部材の集中した右手側グリップ内に温度センサを配置している。
【0025】
液晶モニタ123は、デジタルカメラ100の背面に備わる。液晶モニタ123は、画像処理部122にて処理された画像情報に基づく画像を表示する。液晶モニタ123が表示する画像には、スルー画像や記録画像がある。スルー画像は、CCDイメージセンサ120により一定時間ごとに生成されるフレームの画像を連続して表示することで得られる画像である。通常、デジタルカメラ100が撮影モードにあるときに、画像処理部122は、CCDイメージセンサ120が生成した画像情報からスルー画像を生成する。ユーザは、液晶モニタ123に表示されるスルー画像を参照することにより、被写体の構図を確認しながら撮影できる。記録画像は、デジタルカメラ100が再生モードにあるときに、メモリカード140等に記録された高画素の動画像や静止画像を、液晶モニタ123に表示するために低画素サイズに縮小して得られる画像である。
【0026】
コントローラ130は、デジタルカメラ100全体の動作を制御する。コントローラ130は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、マイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、画像処理部122などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。
【0027】
フラッシュメモリ142は、画像情報等を記録するための内部メモリとして機能する。また、フラッシュメモリ142は、オートフォーカス制御(AF制御)や自動露出制御(AE制御)、フラッシュ160の発光制御に関するプログラムの他、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御するためのプログラムを格納している。また、フラッシュメモリ142は、図5に示すような、設定した動画記録モード(詳細は後述)に対する温度上昇率の対応情報を格納している。コントローラ130は、フラッシュメモリ142にアクセスすることにより、設定する動画記録モードの温度上昇率を把握することができる。
【0028】
バッファメモリ124は、画像処理部122やコントローラ130のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ124はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。
【0029】
カードスロット141は、メモリカード140を着脱可能な接続手段である。カードスロット141は、メモリカード140を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット141はメモリカード120を制御する機能を備えてもよい。
メモリカード140は内部にフラッシュメモリ等の記録部を備えた外部メモリである。メモリカード140は画像処理部122で処理される画像情報などのデータを記録可能である。
【0030】
マイク162は、デジタルカメラ100の周辺の音声を集音して、音声情報を示す電気信号に変換する。電気信号に変換された音声情報は、メモリカード140に記録される。マイク162は、デジタルカメラ100が音声記録モードや動画像記録モードに設定されたときに動作する。マイク162は、デジタルカメラ100の上面に配置されるが(不図示)、配置場所はこれに限定されるものではない。
【0031】
スピーカ163は、メモリカード140に記録された音声情報を、人に聴こえる音声に変換して発生する。スピーカ163は、再生モードにおいて、メモリカード140に記録された音声情報や、動画像情報を再生する際に動作する。スピーカ163は、デジタルカメラ100の上面に配置されるが(不図示)、配置場所はこれに限定されるものではない。
【0032】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に備わっている操作釦や操作レバーの総称であり、ユーザによる操作を受け付ける。操作部150は、例えば、図1や図2に示したレリーズ釦201、ズームレバー202、電源釦203、中央釦204、十字釦205、動画記録釦206などを含む。操作部150はユーザによる操作を受け付けると、コントローラ130に種々の動作指示信号を通知する。
【0033】
レリーズ釦201は、半押し状態と全押し状態の二段階の状態を取り得る押下式釦である。レリーズ釦201がユーザにより半押しされると、コントローラ130は、オートフォーカス(AF:Auto Focus)制御や、自動露出(AE:Auto Exposure)制御を実行し撮影条件を決定する。続いて、レリーズ釦201が、ユーザにより全押しされると、コントローラ130は、全押しのタイミングにCCDイメージセンサ120により生成された画像情報を静止画像としてメモリカード140等に記録する。
【0034】
ズームレバー202は画角調節についての広角端と望遠端を有する中央位置自己復帰式のレバーである。ズームレバー202は、ユーザにより操作されるとコントローラ130にズームレンズ112を駆動するための動作指示信号を通知する。すわなち、ズームレバー202が広角端に操作されると、コントローラ130は、被写体を広角で捉えられるようにズームレンズ112を駆動する。同様に、ズームレバー201が望遠端に操作されると、コントローラ130は、被写体を望遠で捉えられるようにズームレンズ112を駆動する。
【0035】
電源釦203は、デジタルカメラ100を構成する各部への電力供給をON/OFFするための押下式釦である。電源OFF時に電源釦203がユーザにより押下されると、コントローラ130はデジタルカメラ100を構成する各部に電力を供給し、起動させる。また、電源ON時に電源釦203がユーザにより押下されると、コントローラ130は各部への電力供給を停止する。
【0036】
動画記録釦206は、押下式釦である。デジタルカメラ100が撮影モードにあって、液晶モニタ123がスルー画像を表示して撮影待機状態にあるときに、動画記録釦206が押下されることにより、コントローラ130は動画記録動作を開始する。動画記録動作が開始されると、指定された動画記録モードに従って、CCDイメージセンサ120および画像処理部122は動画像情報を生成する。またこのとき、マイク162は音声を集音して音声情報を生成する。そして、画像処理部122は、生成された動画像情報および音声情報を所定の動画記録フォーマットに従って多重化処理して、音声付の動画像情報を生成する。コントローラ130は、生成されてくる音声付の動画像情報をメモリカード140に記録していく。また、デジタルカメラ100が動画像撮影状態にあるときに、動画記録釦206が押下されることにより、コントローラ130は動画記録動作を終了する。
【0037】
中央釦204は、押下式釦である。デジタルカメラ100が撮影モードあるいは再生モードにあるときに、中央釦204がユーザにより押下されると、コントローラ130は液晶モニタ123にメニュー画面を表示する。メニュー画面は、撮影/再生のための各種条件を設定するための画面である。各種条件の設定項目が選択されているときに押下されると、中央釦204は決定釦としても機能する。
【0038】
十字釦205は、上下左右方向に設けられた押下式釦である。ユーザは、十字釦205のいずれかの方向を押下することにより、液晶モニタ123に表示される各種の項目を選択することができる。
【0039】
1−1−2 動画記録モード
本実施形態のデジタルカメラ100は、記録する動画の画質やサイズを設定するための複数の動画記録モードを有する。動画記録モードは操作部150を介してユーザが指定(設定)できる。コントローラ130は、撮影モードにおける動画記録動作の際に、CCDイメージセンサ120や画像処理部122に対して、操作部150を介して指定された、記録する動画の画質を決定するための動画記録モードを設定する。動画記録モードは、高画質で動画記録できる第一の動画記録モードから、低画質で動画記録する第四の動画記録モードまで複数用意されている。図5は、各動画記録モードに対する筐体内の温度上昇率を説明するための図である。なお、図5は、デジタルカメラ100の筐体が所定の基準温度(例えば、室温(例えば27゜C)よりも高い温度))にある状態において、各動画記録モードで継続して動作させた場合の、各動画記録モードと筐体の温度上昇率との関係を示している。
【0040】
第一の動画記録モードにおいては、CCDイメージセンサ120は、フルハイビジョンサイズ(1920ドット×1080ドット)の画像を、プログレッシブ方式により毎秒60フレーム出力する。そして、画像処理部122は出力画像を圧縮処理する。
【0041】
第二の動画記録モードにおいては、CCDイメージセンサ120は、フルハイビジョンサイズの画像を、プログレッシブ方式により毎秒60フレーム出力する、そして、画像処理部122は、出力画像をインターレース方式にしたがい間引き処理をした後、圧縮処理する。
【0042】
第三の動画記録モードにおいては、CCDイメージセンサ120は、ハイビジョンサイズ(1280ドット×720ドット)の画像を、プログレッシブ方式により毎秒60フレーム出力する。そして、画像処理部122は出力画像を圧縮処理する。
【0043】
第四の動画記録モードにおいては、CCDイメージセンサ120は、ハイビジョンサイズの画像を、プログレッシブ方式により毎秒30フレーム出力する。そして、画像処理部122は出力画像を圧縮処理する。
【0044】
各動画記録モードでデジタルカメラ100を継続的に動作させたときに到達するデジタルカメラ100の筐体内温度は、放熱と発熱の関係により決定される。すなわち、高画質で動画記録できるモード(第一及び第二の動画記録モード)では、CCDイメージセンサ120や画像処理部122の処理負荷が大きいため、発熱量が多く、発熱量が放熱量を上回る。このため、デジタルカメラ100の筐体内温度は上昇する。そのような動画記録モードで記録動作を継続すると、筐体内の温度は上昇していき、やがて記録停止温度(詳細は後述)に到達する。この場合、デジタルカメラ100の筐体内温度の上昇率は正の値となる。
【0045】
一方、低画質または小さい画像サイズで動画記録するモード(第三及び第四の動画記録モード)では、CCDイメージセンサ120や画像処理部122の処理負荷が小さいため、発熱量が小さい。この場合、そのような動画記録モードで記録動作を継続すると、デジタルカメラ100の筐体内温度は最終的には、放熱と発熱がバランスする一定温度(記録停止温度よりも低い温度)になる。このような動画記録モードで記録動作を継続しても、筐体内の温度は記録停止温度には到達することはない。なお、図5では、第三及び第四の動画記録モードで記録動作を継続させた場合に、開始時の基準温度が最終的に到達する温度よりも高いために、デジタルカメラ100の筐体内温度が開始時の基準温度から下降していく例を示している。この場合、筐体内温度の上昇率は負の値となる。
【0046】
すなわち、第一の動画記録モードは、高画質で動画記録できる反面、筐体内の温度上昇率は高くなる。第二の動画記録モードは、間引き処理後の出力画像を圧縮処理するため、第一の動画記録モードに比べて、画像処理部122の圧縮処理にかかる負荷が低減される。このため、筐体内の温度上昇率は第一の動画記録モードに比べてやや小さくなる。第三の動画記録モードは、第一及び第二の動画記録モードに比べて画像の出力サイズが小さいため、CCDイメージセンサ120の出力動作負荷および画像処理部122の処理負荷が低減され、筐体内温度はやや下降傾向にある。第四の動画記録モードは低画質の動画記録設定であり、出力フレームレートが他の動画記録モードに比べてより少なくなっている。このため、更にCCDイメージセンサ120の処理負荷および画像処理部122の処理負荷が低減され、筐体内温度が下降する傾向になっている。なお、図5に示すような動画記録モードと温度上昇率の関係は一例であり、デジタルカメラ100の筐体サイズや、CCDイメージセンサ120や画像処理部122の仕様等により変化するということは言うまでもない。本実施の形態では、図5に示すような関係を前提として以下の説明を行う。なお、ユーザにより、動画記録動作を開始する前に予め所望の動画記録モードをコントローラ130に設定しておくこともできる。
【0047】
コントローラ130は、温度センサ161が測定した筐体内温度に基づいて動画記録の残記録時間を演算する。例えば、コントローラ130は、所定の時間毎の筐体内温度を監視することにより、筐体内温度の時間変化を把握することができる。コントローラ130は、新たに測定された筐体内温度と、現在把握している筐体内温度の時間変化とを用いることにより、筐体内温度が動画記録停止温度に達するまでの時間(すなわち動画の残記録時間)を演算することができる。さらに、コントローラ130は、メモリカード140の残記録容量に基づいて動画記録の残記録時間を演算する。コントローラ130は、現在記録中の動画の単位時間あたりのメモリカード140の残記録容量の変化と、メモリカード140の現時点の残記録容量とを用いることにより、メモリカード140の記録容量がなくなるまでの時間(すなわち残記録時間)を演算することができる。
【0048】
1−2 本発明との対応関係
本実施形態において、CCDイメージセンサ120および画像処理部122は、動画像生成部の一例である。温度センサ161は、温度検出部の一例である。メモリカード140は、記録媒体の一例である。液晶モニタ123は表示部の一例である。コントローラ130は、演算部、表示制御部または記録制御部、記録停止部の一例である。デジタルカメラ100は撮像装置の一例である。記録停止温度は第1の所定温度の一例であり、ワーニング温度は第2の所定温度の一例である。第一及び第二の動画記録モードは第1の記録モードの一例であり、第三及び第四の動画記録モードは第2の記録モードの一例である。
【0049】
1−3 動作
デジタルカメラ100の動画記録における残記録時間の表示動作について説明する。図6は、動画記録における残記録時間表示の動作フローチャートである。
【0050】
コントローラ130は、デジタルカメラ100の撮影待機状態時において、ユーザによる動画記録釦206の押下操作を受け付けると、動画記録動作を開始する(S300)。コントローラ130は、筐体内温度や、メモリカード140の記録容量、バッテリ残量等に問題ない限り、動画記録釦206の再度の押下操作を受け付けるまで動画記録を継続する(S301)。
【0051】
動画記録中において、コントローラ130は、デジタルカメラ100の筐体内温度に応じて、動画記録の残記録時間の表示方法を判断する(S302)。具体的には、コントローラ130は、動画記録の残記録時間として、デジタルカメラ100の筐体内温度に基づき算出した残記録時間を表示するか、メモリカード140の記録容量に基づき算出した残記録時間を表示するかを判断する。ステップS302における、動画記録の残記録時間の表示方法の判断についての詳細は後述する。
【0052】
続いて、コントローラ130は、ステップ302において判断された残記録時間の表示方法に従って、液晶モニタ123に動画記録の残記録時間を表示する(S303)。すなわち、コントローラ130は、デジタルカメラ100の筐体内温度に基づき算出した残記録時間またはメモリカード140の記録容量に基づき算出した残記録時間のいずれかを液晶モニタ123に表示する。
【0053】
図7は、動画記録の残記録時間の表示の一例を示した図である。図7に示すように、液晶モニタ123には動画記録中の画像(スルー画像)が表示されており、液晶モニタ123の左上に残記録時間が表示される。図7の例では、残記録時間として「29分59秒」が表示されている。また、液晶モニタ123の右下には、動画記録を開始してからの時間が表示される。図7の例では、動画記録を開始してからの時間として「5秒」が表示されている。なお、液晶モニタ123における残記録時間の表示位置や、動画記録を開始してからの経過時間の表示位置は適宜変更可能であり、上記の例に限定されるものではない。
【0054】
コントローラ130は、動画記録の残記録時間がゼロになるまで、ステップS300からステップS304の動作を繰り返す。動画記録の残記録時間がゼロになると、コントローラ130は、動画記録動作を強制的に終了する(S305)。
【0055】
次に、上述のステップS302における残記録時間の表示方法の判断について説明する。図8は、残記録時間表示方法の判断処理を示すフローチャートである。
【0056】
コントローラ130は、温度に関する閾値として、ワーニング温度(第1の閾値)と記録停止温度(第2の閾値)とを予め定めている。記録停止温度(第2の閾値)は、温度上昇に伴うデジタルカメラ100の制御上又は操作上の不具合を回避するために動画記録を強制的に停止させるか否かを判断する際の判断基準となる温度である。ワーニング温度(第1の閾値)は、動画記録停止温度にまもなく到達する旨を伝える警告を出力するか否かを判断する際の判断基準となる温度である。
【0057】
コントローラ130は、動画記録中において、温度センサ161の測定結果を監視している(S400)。コントローラ130は、温度センサ161の測定結果の示す温度がワーニング温度(第1の閾値)より大きい場合は(S400におけるYes)、温度上昇に基づく残記録時間表示を実行すると判断する(S401)。一方、温度センサ161の測定結果の示す温度がワーニング温度よりも小さい場合は(S400におけるNo)、コントローラ130は、メモリカード140の残り記録容量に基づく残記録時間表示を実行すると判断する(S402)。
【0058】
動画記録の時間経過に伴って温度上昇したときの制御動作について説明する。図9は、時間経過に伴って温度上昇したときの制御を説明するための図である。図9は、横軸が時間経過を示しており、縦軸がデジタルカメラ100の筐体の温度上昇を示している。動画記録動作を開始すると、CCDイメージセンサ120や画像処理部122の発熱に伴い、デジタルカメラ100の筐体内温度は上昇する。やがて、筐体内温度はワーニング温度を超えて記録停止温度(第2の閾値)に到達する。このとき、ユーザが動画撮影中であっても、コントローラ130は動画記録を強制的に停止する。
【0059】
しかしながら、長時間動画記録を継続したいようなシーンをユーザが動画撮影している場合に、温度センサにより測定された温度が閾値を超えたからといって、動画記録動作を突然停止してしまうと、ユーザが重要だと思うシーンを記録できない場合があり、ユーザにとって不満が残る。そこで、本実施の形態では、デジタルカメラ100は、筐体内の測定温度が上昇した場合に、温度に基づき算出された残記録時間を表示するようにしている。これにより、ユーザは、動画記録停止のタイミングを予め把握でき、必要に応じて、温度上昇率の小さい動画記録モードに切り替える等の、動画記録時間を延長するための処置を取ることが出来る。
【0060】
1−4 まとめ
以上のように、実施の形態1に係るデジタルカメラ100は、動画像を記録可能な撮像装置であって、被写体像に基づいて動画像を生成するCCDイメージセンサ120および画像処理部122と、記録される動画像の画質を決定する複数の記録モードの中から1つの記録モードを設定する操作部150と、筐体内温度を測定する温度センサ161と、デジタルカメラ100が動画像を記録できる時間を示す残り記録時間を表示可能な液晶モニタ123と、液晶モニタ123を制御するコントローラ130とを備える。複数の記録モードは、その記録モードで継続して動画像生成部を動作させた場合に、筐体の温度が記録停止温度に達する程度に発熱する第一または第二の動画記録モード(第1の記録モード)と、その記録モードで継続して動画像生成部を動作させた場合に、筐体が記録停止温度に達し得ない程度に発熱する第三または第四の動画記録モード(第2の記録モード)とを含む。コントローラ130は、温度センサ161の測定結果が示す筐体内温度に基づき残り記録時間を求め、さらに、操作部150により設定された記録モードが第1の記録モードであるか否かを判断し、その判断結果に基づいて、筐体内温度に基づき求めた残り記録時間を液晶モニタ123に表示するか否かを決定する。
【0061】
このような構成により、筐体温度に基づいて求められた動画像の残り記録時間が液晶モニタ123に表示されるため、ユーザは、筐体内の測定温度の影響により動画記録の停止が発生し得る状況を事前に把握することができ、動画記録時間を延長するための適切な処置をとることが可能となる。
【0062】
また、デジタルカメラ100において、コントローラ130は、生成した動画像をメモリカード140に記録するよう制御する。そして、コントローラ130は、温度センサ161による測定結果の示す温度がワーニング温度よりも高いときは、温度センサ161の測定結果に基づいて、CCDイメージセンサ120および画像処理部122が動画像を生成できる残り時間を演算し、また、温度センサ161の測定結果の示す温度がワーニング温度よりも低いときは、メモリカード140の残り記録容量に基づいて、CCDイメージセンサ120および画像処理部122が動画像を生成できる残り時間を演算する。この構成により、デジタルカメラ100は、温度センサ161の測定結果が示す温度がワーニング温度よりも低いとき(すなわち、動画記録の停止が発生し得る状況ではないとき)は、動画記録の残り記録時間に対して筐体の温度よりもより大きな影響を与える、メモリカード140の残り記録容量に基づいた動画像の残り記録時間をユーザに提示することができる。
【0063】
実施の形態2
本実施の形態のデジタルカメラ100は、動画記録の残記録時間の表示方法が上記実施の形態1の場合と異なる。すなわち、実施の形態2のデジタルカメラ100は、図6に示す実施の形態1の動作フローのステップS302における残記録時間の表示の判断の方法が異なる。デジタルカメラ100の構成、およびステップS302以外の処理については、実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。図中、同様の構成又は動作については同じ符号を付している。
【0064】
2−1 動作
実施の形態1のステップS302における残記録時間の表示方法の判断処理の別の例について説明する。図10は、実施の形態2における残記録時間の表示方法の判断処理のフローチャートである。
【0065】
まず、コントローラ130は、デジタルカメラ100の筐体内温度が上昇する動画記録モード(すなわち、温度上昇率が所定値よりも高い動画記録モード)が設定されているか否かを判断する(S500)。具体的には、コントローラ130は、第一の動画記録モードや第二の動画記録モードが設定されている場合は、デジタルカメラ100の筐体内温度が上昇すると判断する。また、コントローラ130は、第三の動画記録モードや第四の動画記録モードが設定されている場合は、デジタルカメラ100の筐体内温度が下降すると判断する。
【0066】
デジタルカメラ100の筐体内温度が下降する動画記録モードが設定されている場合、CCDイメージセンサ120や画像処理部122による発熱による筐体内温度の情報はなく、筐体内温度は記録停止温度に達しないと考えられる。この場合、残記録時間を、より規定するのは、筐体内温度ではなく、メモリカード140の残記録容量である。そのため、デジタルカメラ100の筐体内温度が下降する動画記録モードが設定されている場合(S500におけるNO)、コントローラ130は、メモリカード140の残記録容量に基づいて算出される残記録時間を液晶モニタ123に表示すると決定する(S504)。
【0067】
一方、デジタルカメラ100の筐体内温度が上昇する動画記録モードが設定されている場合(S500におけるYES)、コントローラ130は、デジタルカメラ100の筐体内温度及びメモリカード140の残記録容量のいずれが、残記録時間をより規定するのかを判断する。すなわち、コントローラ130は、メモリカード140の残記録容量に基づく残記録時間(Tα)と、デジタルカメラ100の筐体内温度に基づく残記録時間(Tβ)とを求める(S501)。そして、コントローラ130は、メモリカード140の残記録容量に基づく残記録時間(Tα)と、デジタルカメラ100の筐体内温度に基づく残記録時間(Tβ)とを比較し、いずれが、残記録時間がより少ないかを判断する(S502)。
【0068】
デジタルカメラ100の筐体内温度に基づく残記録時間(Tβ)の方が少ないと判断した場合(S502におけるYES)、コントローラ130は、筐体内温度に基づく残記録時間(Tβ)を液晶モニタ123に表示すると決定する(S503)。一方、メモリカード140の残記録容量に基づく残記録時間(Tα)の方が少ないと判断した場合(S502におけるNO)、コントローラ130は、メモリカード140の残記録容量に基づく残記録時間(Tα)を液晶モニタ123に表示すると決定する(S504)。
【0069】
以上のように、コントローラ130は、デジタルカメラ100の筐体内温度に基づく残記録時間と、メモリカード140の残記録容量に基づく残記録時間のうち、より動画記録の残記録時間を規定するのに適切な方を選択的に液晶モニタ123に表示することができる。
【0070】
2−2 まとめ
実施の形態2に係るデジタルカメラ100において、コントローラ130は、生成した動画像をメモリカード140に記録するよう制御する。また、コントローラ130は、CCDイメージセンサ120および画像処理部122に、動画像を生成する際の動画記録モードを指定する。そして、コントローラ130は、指定している動画記録モードに応じて、温度センサ161の計測結果に基づいてCCDイメージセンサ120および画像処理部122が動画像を生成できる残り時間を演算するか、メモリカード140の残り記録容量に基づいてCCDイメージセンサ120および画像処理部122が動画像を生成できる残り時間を演算するかを決定する。これにより、デジタルカメラ100は、設定された動画記録モードに適したタイプの動画像の残り記録時間(生成時間)をユーザに提示することができる。
【0071】
また、上記実施の形態に係るデジタルカメラ100において、コントローラ130は、指定している動画記録モードが、動画像生成の際に筐体内温度が上昇する動画記録モードである場合、温度センサ161の計測結果に基づいて演算した残り時間と、メモリカード140の残り記録容量に基づいて演算した残り時間とで、残り時間が少ない方の演算結果を液晶モニタ123に表示する。これにより、デジタルカメラ100は、動画像の残り記録時間(生成時間)をより規定する方の時間を、動画像の残り記録時間(生成時間)としてユーザに提示することができる。
【0072】
他の実施の形態
本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の実施形態が考えられる。以下、本発明の他の実施の形態についてまとめて記載する。
【0073】
上記実施の形態において、CCDイメージセンサ120を撮像素子の一例として説明したが、撮像素子はこれに限定されない。すなわち、撮像素子は、CMOSイメージセンサやNMOSイメージセンサなど他の種類の撮像素子であってもよい。
【0074】
上記実施の形態において、図9に示す例では、デジタルカメラ100の筐体内温度が、ワーニング温度よりも大きいか否かにより、表示させる残記録時間の種類を切り替える例を説明した。しかし、残記録時間の表示方法はこれに限定されない。すなわち、メモリカード140の残記録容量に基づく残記録時間と、筐体内温度に基づく残記録時間とを同時に表示するようにしてもよい。これによって、ユーザは、残記録容量に基づく残記録時間と、筐体内温度に基づく残記録時間とのうちのいずれが、動画記録の残記録時間により影響を与えるかを容易に判断することができる。
【0075】
上記実施の形態において、メモリカード140の残記録容量に基づく残記録時間の表示と、筐体内温度に基づく残記録時間の表示とは、異なる表示形態で表示させるようにしてもよい。例えば、サイズや、フォントや、色を変えるようにしてもよい。これにより、メモリカード140の残記録容量に基づく残記録時間の表示と、筐体内温度に基づく残記録時間の表示とが切り替わっても、ユーザはいずれの情報が表示されているかを判断することができる。
【0076】
上記実施の形態では、残記録時間を筐体内温度に基づき演算して求める例を説明したが、残記録時間の求め方はこの方法に限定されない。すなわち、フラッシュメモリ142に筐体内温度がワーニング温度を超えた場合の残記録時間の情報を予め格納しておいてもよい。コントローラ130は、筐体内温度がワーニング温度を超えたときに、フラッシュメモリ142から残記録時間の情報を読み出し、その情報を液晶モニタ123に表示するようにしてもよい。
【0077】
また、上記実施の形態において、コントローラ130は、デジタルカメラ100の筐体内温度がワーニング温度を超えたときは、液晶モニタ123に、他の動画記録モードへの変更を提案するメッセージを表示してもよい。又は、コントローラ130は、筐体内温度に基づく残記録時間を液晶モニタ123に表示すべきと判断した場合に、液晶モニタ123に、他の動画記録モードへの変更を提案する表示をしてもよい。更には、コントローラ130は、動画記録中の任意のタイミングでユーザによる操作部150の操作があったときに、他の動画記録モードへの設定変更をするようにしてもよい。これらの場合の、液晶モニタ123の表示例を図11に示す。
【0078】
図11は、動画記録モードを設定する画面の例を示した図である。図11に示すように、各動画記録モードを採用した場合の残記録時間を合わせて液晶モニタ123に表示するようにしてもよい。このとき、第一の動画記録モードおよび第二の動画記録モードは、温度上昇する動画記録モードであるため、筐体内温度が動画記録停止温度に到達する恐れがある。そのため、第一の動画記録モードおよび第二の動画記録モードについては、筐体内温度に基づく残記録時間を表示する。一方、第三の動画記録モードおよび第四の動画記録モードは、温度降下する動画記録モードであるため、筐体内温度が動画記録停止温度に到達する恐れがない。そのため、第三の動画記録および第四の動画記録モードについては、メモリカード140の残記録容量に基づく残記録時間を表示する。これにより、ユーザは、設定可能な動画記録モードのそれぞれについて適切な残記録時間を認識でき、残記録時間を考慮して適切な動画記録モードを選択することができる。
【0079】
上記実施の形態において、図7の例では、残記録時間を示す数字を液晶モニタ123に表示したが、残記録時間の表示方法はこれに限定されない。すなわち、筐体内温度が動画記録停止温度に達するまでの時間をグラフィカルにユーザに提示してもよい。図12にその一例を示す。図12に示すように、横軸に時間を、縦軸に温度をとった座標系を持つグラフを液晶モニタ123に表示し、温度センサ161が測定している温度をそのグラフ中にプロットするようにしてもよい。その際、グラフ上には動画記録停止温度を示す線を示す。又は、動画記録停止温度を超えた領域の背景色を、動画記録停止温度を超えない領域と異なる背景色にしてもよい。これにより、ユーザは、筐体内温度が動画記録停止温度に達するまでの時間をグラフィカルに把握することができる。
【0080】
また、図10に示すフローチャートにおいて、ステップS502〜S504の処理を、図8のフローチャートに示すステップS400〜S402の処理に置き換えてもよい。これによっても、メモリカード140の残記録容量に基づく残記録時間の表示と、筐体内温度に基づく残記録時間の表示とが適宜切り替わり、より適切な残り記録時間をユーザに提示することができる。
【0081】
上記の実施形態の思想は、レンズ一体型のカメラであっても、レンズ着脱式のカメラであっても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
上記の実施形態の思想は、デジタルカメラのみならず、ムービーカメラやカメラ付き情報端末などの、動画記録が可能な撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0083】
100…デジタルカメラ
111…フォーカスレンズ
112…ズームレンズ
113…絞り
114…シャッタ
120…CCDイメージセンサ
121…AFE(アナログ・フロント・エンド)
122…画像処理部
123…液晶モニタ
124…バッファメモリ
130…コントローラ
140…メモリカード
141…カードスロット
142…フラッシュメモリ
150…操作部
160…フラッシュ
161…温度センサ
162…マイク
163…スピーカ
201…レリーズ釦
202…ズームレバー
203…電源釦
204…中央釦
205…十字釦

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画像を記録可能な撮像装置であって、
被写体像に基づいて動画像を生成する動画像生成部と、
記録される動画像の画質を決定する複数の記録モードの中から1つの記録モードを設定する設定部と、
撮像装置の筐体内の温度を測定する温度検出部と、
前記撮像装置が動画像を記録できる時間を示す残り記録時間を表示可能な表示部と、
前記表示部を制御する表示制御部とを備え、
前記複数の記録モードは、その記録モードで継続して前記動画像生成部を動作させた場合に、前記筐体の温度が第1の所定温度に達する程度に発熱する第1の記録モードと、その記録モードで継続して前記動画像生成部を動作させた場合に、前記筐体が第1の所定温度に達し得ない程度に発熱する第2の記録モードとを含み、
前記表示制御部は、
前記温度検出部の測定結果が示す筐体内温度に基づき前記残り記録時間を求め、
前記設定部により設定された記録モードが前記第1の記録モードであるか否かを判断し、その判断結果に基づいて、前記筐体内温度に基づき求めた残り記録時間を前記表示部に表示するか否かを決定する、
撮像装置。
【請求項2】
前記動画像生成部により生成された動画像を記録媒体に記録するよう制御する記録制御部をさらに備え、
前記表示制御部はさらに前記記録媒体の残り記録容量に基づいて前記残り記録時間を求め、
前記設定部により設定された記録モードが前記第1の記録モードである場合に、前記表示制御部は、前記筐体内温度に基づき求めた残り記録時間及び前記記録媒体の記録容量に基づき求めた残り記録時間の中のより小さい方の残り時間を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記設定部により設定された記録モードに応じて、前記残り記録時間を求める、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記生成した動画像を記録媒体に記録するよう制御する記録制御部をさらに備え、
前記表示制御部はさらに前記記録媒体の残り記録容量に基づいて前記残り記録時間を求め、
前記設定部により設定された記録モードが前記第1の記録モードである場合に、前記表示制御部は、
前記温度検出部の測定結果が示す温度が第2の所定温度よりも高いときは、前記筐体内温度に基づき求めた残り記録時間を前記表示部に表示し、一方、前記温度検出部の測定結果が示す温度が第2の所定温度よりも低いときは、前記記録媒体の記録容量に基づき求めた残り記録時間を前記表示部に表示する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第2の所定温度は前記第1の所定温度よりも低い温度である、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
動画像の記録動作中において前記温度検出部の測定結果が示す温度が前記第1の所定温度に達したときに、前記動画像の記録動作を停止させる記録停止部をさらに備えた、
請求項1に記載の撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−165372(P2012−165372A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−10187(P2012−10187)
【出願日】平成24年1月20日(2012.1.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】