撮影条件制御装置、カメラ、画質制御装置およびプログラム
【課題】撮影時あるいは再生時に、指定された被写体に応じた撮影パラメータや画像処理
パラメータが適切に提示される。
【解決手段】画面に表示されるライブビュー画像40の中で操作者の指42によって指定された被写体52を検出して、当該被写体の種類に応じた撮影パラメータ54を選択し、選択された上記撮影パラメータを変更するためのパラメータ変更情報70を上記画面に表示し、上記撮影パラメータに対する操作者の変更指示に応じて、当該撮影パラメータの内容を変更する。
パラメータが適切に提示される。
【解決手段】画面に表示されるライブビュー画像40の中で操作者の指42によって指定された被写体52を検出して、当該被写体の種類に応じた撮影パラメータ54を選択し、選択された上記撮影パラメータを変更するためのパラメータ変更情報70を上記画面に表示し、上記撮影パラメータに対する操作者の変更指示に応じて、当該撮影パラメータの内容を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの要望に応じて適切に撮影画像の画質を変更する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通常のカメラ撮影では、AE(Auto Exposure)・AF(Auto Focus)・AWB(Auto White Balance)等を自動的に設定するいわゆるオートモード(Auto Mode)で撮影されることが多い。しかし、オートモードでは、画面中央の被写体が適正になるように撮影条件が設定されるので、画面中央に存在しない被写体に対しては、必ずしも適正には設定されない場合もある。
【0003】
そこで、画面中央あるいは中央に一定領域に撮影条件を合わせたことで、周辺で不適切になる領域を判りやすく表示するカメラも提案されている。例えば、特許文献1に示されるデジタルカメラでは、画面内の各領域の輝度を演算して、輝度差のある領域についてを色や点滅数を変えてライブビュー画像上に表示する。
【0004】
また、最近は単なるオートモードではなく、被写体のシーンに応じてAE・AF・AW
Bだけでなく、例えば、風景・夜景・ポートレイトなどのシーンに応じて、シャッタース
ピード・コントラスト・色補正等のより具体的な画面の調子に関する諸条件を設定する、
オートシーンモードも開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−270706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実際の撮影においては、画面の中央にある被写体に最適な条件を設定したいのではなく、画面の周囲や隅にある被写体に、輝度や色合いあるいは雰囲気を合わせたい場面も少なくない。
【0007】
例えば、画面端に夕日のある場面で、ユーザーが画面全体に夕日の雰囲気を強調したい場合に、画面の色調を赤や黄色の方向にシフトすれば可能である。しかし、普通のユーザーにとって、色補正の条件を呼び出す操作をして、さらにその画面で、赤や黄色の色を強調する操作は、決して容易な操作ではない。ある程度の専門的な知識が要求されるからである。
【0008】
つまり、撮影時あるいは再生時に画面を見て、特定の部分を変更あるいは改善したいという要望は現実に多いはずであるが、現在のカメラや編集ソフトでは、普通のユーザーがその要望を簡単に実現できるようにはなっていない。そして、実際の場面では、画面の被写体の種類に応じて対応する処理の内容が決まることが多いので、撮影時あるいは再生時に、画面の被写体種類に応じて撮影条件や画像処理条件の提示や調整が簡単にできれば、ユーザーは自らの意図にかなう撮影や編集を簡単にできるようになる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、指示した被写体に対応する撮影条件を簡単に設定することができる撮影条件制御装置、かかる撮影条件制御装置を搭載したカメラ、指示した被写体に対応する画質条件を簡単に設定することができる画質制御装置、対応するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明による撮影条件制御装置は、画面に対する操作指示を検出する操作検出部と、画面に表示されるライブビュー画像の中で上記操作検出部によって被写体が指定されたと検出された場合に、当該指定された被写体の種類を検出する被写体検出部と、検出された上記被写体の種類に応じた撮影パラメータを選択するパラメータ選択部と、選択された上記撮影パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示する表示制御部と、上記撮影パラメータに対する変更指示に応じて、当該撮影パラメータの内容を変更する撮影条件設定部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明による画質制御装置は、画面に対する操作指示を検出する操作検出部と、
画面に表示される再生画像の中で上記操作検出部によって被写体が指定されたと検出された場合に、当該指定された被写体の種類を検出する被写体検出部と、検出された被写体の種類に応じた画質パラメータを選択するパラメータ選択部と、選択された上記画質パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示する表示制御部と、上記画質パラメータに対する変更指示に応じて、当該画質パラメータの内容を変更する画質条件設定部とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるプログラムは、カメラに搭載されるコンピュータに撮影条件制御用
の処理を実行させるプログラムにおいて、画面に表示されるライブビュー画像の中で指定された被写体の種類を検出するステップと、検出された被写体の種類に応じた撮影パラメータを選択するステップと、選択された上記撮影パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示するステップと、上記撮影パラメータに対する操作者の変更指示に応じて、当該撮影パラメータの内容を変更するステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、指示した被写体に対応する撮影条件を簡単に設定ができる撮影条件制御装置、かかる撮影条件制御装置を搭載したカメラ、指示した被写体に対応する画質条件を簡単に設定することができる画質制御装置、及び対応するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態の撮影条件制御装置と画質制御装置を搭載したデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、撮影・画質パラメータの変更操作による画面について、その第1の例の前半を示す図である。パラメータアイコンが表示されるまでを示す図である。
【図3】図3は、撮影・画質パラメータの変更操作による画面について、その第1の例の後半を示す図である。図2の続きで、表示されたパラメータウインドウ上で、パラメータが指定されるまでの画面の推移を示す図である。
【図4】図4は、撮影・画質パラメータの変更操作による画面について、その第2の例を示す図である。
【図5】図5は、撮影・画質パラメータのパラメータウインドウとして別な形態のパラメータウインドウの例を示す図である。
【図6】図6は、撮影・画質パラメータのパラメータウインドウとして更に別な形態のパラメータウインドウの例を示す図である。
【図7】図7は、撮影条件制御装置による撮影パラメータの変更設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、画質条件制御装置による画質パラメータの変更設定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態の撮影条件制御装置を搭載したデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【0016】
本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1は、制御部11、プログラムデータ記憶部12、ボタン操作部13、タッチパネル操作部14、撮像部15、SDRAM16、画像処理部17、表示制御部18、表示部19、圧縮伸長部20、記録再生部21、画像記憶部22、バスライン25を主要部として備える。
【0017】
制御部11は、プログラムデータ記憶部12に記憶されたプログラムを読み込んで、デ
ジタルカメラ1の全体を統括的に制御するCPUである。そして、制御部11は、本実施形態での特有の動作モードとして、パラメータ変更モードを実行する。パラメータ変更モードは、撮影モードおよび編集モードの中で選択されるモードである。パラメータ変更モードは、画面上で指定された被写体に応じて適切な撮影パラメータあるいは画質パラメータが自動的に選択されて表示されることによって、被写体に応じた撮影あるいは画質パラメータに対する変更操作が簡単にできるモードである。以下で、撮影パラメータあるいは/及び画質パラメータをあわせて、撮影・画質パラメータと称す。
【0018】
制御部11は、プログラムデータ記憶部12に記憶されたプログラムに従って各処理を実
行するが、パラメータ変更モードの処理を実行する部分についてを、撮影条件設定部11a、画質条件設定部11b、パラメータ選択部11c、被写体検出部11d、操作検出部11eという機能部として、表現する。
【0019】
撮影条件設定部11aは、シャッタースピード、画素数、ストロボ条件、ピント条件、あるいはコントラストや色補正等の各種撮影条件を、設定するものである。撮影条件設定部11aは、撮影モードが自動の場合には予め定められた条件で、その他のモードの場合には撮影者の指定に応じて、撮影条件を設定するものである。設定された条件や値に応じて、撮像部15あるいは画像処理部17が制御される。これら撮影の際に、各種条件を設定する条件数値を撮影パラメータと呼ぶ。そして、撮影条件設定部11aは、パラメータ変更モードでは、被写体に応じて選択された撮影パラメータに対する操作者からの変更指示に従って、撮影パラメータを変更する。
【0020】
画質条件設定部11bは、画質編集モードで、画質編集時のパラメータ変更モードにおいて、被写体に応じて選択された画質パラメータに対する操作者の変更指示に従って、画質を変更するよう画像処理部17を制御し、変更された画像を再記録するよう制御する。画質パラメータは、表示される画像の色合いや輝度あるいはシャープネス等の数値である。
【0021】
パラメータ選択部11cは、被写体の種類に応じて、その被写体にふさわしい撮影・画質パラメータを選択するものである。
【0022】
被写体検出部11dは、画面上で操作者から指示された位置に存在する画像データを、全体の画像データの中から抽出して、その被写体の種類を判断する。判断の手法としては、被写体の特徴、例えば、形状、色、顔の有無、撮影日時を抽出する。これらの特徴を、プログラムデータ記憶部12に記憶された被写体データベースと対比して、被写体の種類を特定する。また、被写体の一部に顔が存在した場合には、被写体が人物であると判断する。
【0023】
操作検出部11eは、ボタン操作部13およびタッチパネル14から出力された信号に基づき、操作内容を検出する。
【0024】
プログラムデータ記憶部12は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリから構成され、制御部11の処理実行用のプログラム、および指示された被写体の種類を特定するための被写体データベースのデータが格納される。撮影・画質パラメータ変更情報として、画面に表示されるアイコンやウインドの画像データも格納される。
【0025】
ボタン操作部13は、デジタルカメラ1の背面や上面に設けられた操作部で、撮影の実行指示のためのレリーズボタンや、撮影モード・再生モード・編集モード等の切り替えのためのメニューボタンが、含まれる。
【0026】
タッチパネル操作部14は、デジタルカメラ1の背面に配置される表示部19に重ねるように設けられ、操作者のタッチ入力やタッチされたまま移動される指の軌跡を検出するものである。
【0027】
撮像部15は、レンズから撮像素子までを含む光学部と、撮像素子を駆動する駆動回路や撮像素子から出力される光電変換信号を処理してデジタルの画像データとして出力する信号処理部からなる。光学部は、被写体像を結像するレンズと、レンズの位置を移動させるAF機構部とズーム機構部、被写体光束を絞る絞り部等から構成される。
【0028】
信号処理部は、撮像素子から出力される光電変換信号について、ノイズを低減させるためのCDS(Correllated Double Sampling)回路、信号レベルを適切なレベルにまで増幅するAGC(Automatic Gain Control)回路、これらで処理されたアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換するAD回路等から構成される。
【0029】
SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)16は、一時的なメモリで、画像のデジタル処理に利用されるワーキングエリア(Working area)である。SDRAM16には、撮像部15から出力されるデジタル画像信号が一時的に格納され、画像処理部17による画像処理が実行される。同様にSDRAM16は、表示制御部18あるいは圧縮伸長部20が各処理を実行の際にも利用される。
【0030】
画像処理部17は、撮像部15から出力され、ライブビュー画像あるいは記録画像として変換される画像データに対して、所定のガンマ処理、画素補間処理、色補正処理、YC変換等を実行する。画像処理部17は、パラメータ補正モードでは、撮影条件設定部11aあるいは画質条件設定部11bの指示による、パラメータの内容変更や調整値の変更に応じて、色補正やコントラスト補正、あるいは、顔処理であれば例えばスムージング処理の強度を変更する。
【0031】
表示制御部18は、表示部19に表示するために、撮影された画像データの画素数を表示画素数に変換する処理を実行する。また、表示制御部18は、その際に、表示用に画素数変換したライブビュー画像や記録画像に、メニューの文字や各種アイコンあるいは、後述するパラメータウインドウの情報等を重ねる処理を実行する。
【0032】
表示部19は、LCDあるいはEL(Electro-Luminescence)パネルから構成されてデジタルカメラ1の背面に配置される。表示部19には、表示制御部18から出力されるライブビュー画像、撮影された記録画像あるいは、メニュー情報が表示されるメニュー画面が表示される。
【0033】
圧縮伸長部20は、撮影画像の画像データを画像記憶部22に記録する際、あるいは画像記憶部22に記録されている画像データを表示する際等において、周知のJPEG方式等に基づく画像データの圧縮処理や伸長処理を行う。
【0034】
記録再生部21は、画像記憶部22に対する画像データの書き込みや画像記憶部22からの画像データの読み出しを行うものである。画像記憶部22は、xDピクチャーカード(登録商標)やコンパクトフラッシュ(登録商標)等のカメラ本体に着脱可能な記録媒体、あるいはHDDなどである。バスライン25は、上記各構成要素をデータラインとアドレスラインで結合するものである。
【0035】
ここで、パラメータ変更モードにおける各処理とそれを実行するブロック図(図1)の各要素との関係を簡単に説明する。撮像部15により得られた画像が、画像処理部17によって
撮影条件に応じた表示用画像処理され、さらに表示制御部18によって表示用に変換されて、ライブビュー(Live View)画像として表示部19に表示される。画質編集時の再生画像は、画像記憶部22から記録再生部21によって読み出された画像データが、圧縮伸長部20によって伸長処理され、画像処理部17によって画質変更条件に応じた画像処理がされて、表示制御部18によって表示用に変換され表示部19に表示される。
【0036】
画面に表示された画像の特定の被写体に対して操作者の指がタッチされると、タッチパネル操作部14に対する入力として操作検出部11eによって検出される。画面上で指定された被写体について、その抽出及び指定された被写体の種類の特定が被写体検出部11dによって行われる。そして、その被写体にふさわしい撮影・画質パラメータの選択がパラメータ選択部11cによって行われる。選択された撮影・画質パラメータ用のパラメータ変更情報がプログラムデータ記憶部12から読み出せれ、撮影・画質パラメータ変更情報の表示が表示制御部18によって行われる。画面上で撮影パラメータの内容の変更指示がされると、撮影パラメータの内容が、撮影条件設定部11aによって変更設定される。あるいは画面上で画質パラメータの内容の変更指示がされると、画質パラメータの内容が、画質条件設定部11bによって変更設定される。
【0037】
以上説明したパラメータ変更モードにおける操作と対応する画面についてを説明する。
【0038】
図2〜図6は、撮影条件制御装置による撮影パラメータの変更処理、または画質制御装
置による画質パラメータ変更処理による、一連のGUI(グラフィカル・ユーザ・インタ
フェース)の画面の図である。
【0039】
図2〜図6においては、
・被写体が指示されると、被写体に応じて撮影・画質パラメータが内部で選択され、
・選択された撮影・画質パラメータの内容を変更するための撮影・画質パラメータ変更情報が画面に表示され、
・この表示された撮影・画質パラメータ変更情報の画面で、撮影・画質パラメータが変更操作される という一連の操作と表示の流れを説明する。
【0040】
まず、図2及び図3は、撮影パラメータの変更操作による画面の第1の例である。なお、GUIの観点では、撮影条件制御装置と画質制御装置による操作と表示は実質同じであるので、以下図2〜図6の具体的な説明では、重複説明を避けるために、特に断らない限り撮影条件制御装置による処理として説明する。以下の説明で、ライブビュー画像を再生画像に置き換えることで、画質制御の説明となる。
【0041】
図2は、撮影パラメータの変更操作画面の前半部分を説明する図である。図2(1)では、
撮影時の初期画面として、画面全体にライブビュー画像40が表示され、画面左上隅に現
在の撮影モードを示す撮影モードアイコン50が示される。撮影モードは現在オートモードが設定されており、撮影モードアイコンとして、オートモードのアイコンが表示されている。ここで、ライブビュー画像として、「海に沈む夕日をバックにし、左右の男女2人が中央でグラスを合わせて乾杯し、グラスの下にはりんごが置いてある」という場面を例にしている。なお、画質制御の場合には、最初のオートモードの表示はされない。
【0042】
図2(2)は、図2(1)におけるライブビュー画像の表示中に、特定の被写体が指定
された場面を示す。ライブビュー画像の中で海に沈む「夕日」が選択被写体52として、撮影者の指42でタッチ操作されたとする。
【0043】
図2(3)は、図2(2)で「夕日」が指定された後に、指定された被写体である「夕日」の近傍に、「夕焼け」の撮影パラメータのアイコン54が表示された図である。画面がタッチされると、被写体検出部11dによって、タッチされた位置から画像データが抽出される。更に、被写体検出部11dによって、この抽出された画像データについて、プログラムデータ記憶部12に格納されている被写体データベースと比較がされ、最も適合した被写体の種類が選択される。ここで、画像「夕日52」は、その色が赤く、サイズが丸く、また撮影日時が夕方であることから、被写体検出部11dによって、指定された被写体が「夕日」であると判断される。
【0044】
続いて、パラメータ選択部11cによって、用意されている撮影パラメータの中から、被写体「夕日」に対応する撮影パラメータが検索される。パラメータ選択部11cは、対応する撮影パラメータとして、例えば、「夕焼け」の撮影パラメータを選択する。表示制御部18によって、ライブビュー画像40に重畳して「夕日」の近傍に夕焼けの撮影パラメータのアイコン54が表示される。なお、撮影パラメータの候補が複数あれば、複数選択して表示するようにしてもよい。
【0045】
図2(4)は、「夕焼け」の撮影パラメータのアイコン54が画面上をモードアイコン50へ向かって移動する様子を示す。「夕焼け」の撮影パラメータが選択された後に、表示制御部18によって、「夕焼け」の撮影パラメータのアイコン54は、夕日の近傍から撮影モードアイコンの位置まで画面内を移動するようにアニメーション化して表示される。
【0046】
図3は、撮影パラメータの変更操作の後半部分を説明する図である。図3(1)では、
前の図2(4)で、モードアイコン50へ向かって移動した「夕焼け」の撮影パラメータのアイコン54が、モードアイコン50に到達して、モードアイコン50の内容が夕焼けの撮影パラメータのアイコン54に切り替わるよう表示制御部18によって表示される。
【0047】
そして、画面の右下隅に撮影パラメータ変更情報として、リング形状のパラメータガイド
58が表示される。パラメータガイド58の中央部分には、夕焼けの撮影パラメータの現
在の名称(画面では「カラー調整」)と調整値(画面では「7」)が表示される。撮影パラメータの調整値とは、その撮影パラメータによる画質への強調度合いを示す数値で、数値が大きいほど、その撮影パラメータによる画質が強調される。
【0048】
例えば、この「夕焼け」の撮影パラメータでは、調整値が大きくなると、撮影条件設定部11aの指示により、画像処理部17によって、画像の赤色と黄色の強度をより大きくし、
夕方の雰囲気がより強調されるように、ライブビュー画像が色補正される。破線のbは、操作される指42の操作方向を示すもので、画面に表示されるものではない。時計方向に操作されると、調整値が大きくなり、画像処理部17での赤色と黄色の補正がより強くなるよう制御され、夕焼けの雰囲気が強調される。反時計方向へ操作されると、逆に赤色と黄色の補正が弱くなる。そして、この補正は撮影して記録される画像データの画像処理の条件にも同じく反映される。また、指定された被写体(ここでは夕日)には、四角枠のカーソル56が表示される。指定されている被写体が画面ですぐにわかるようにするためである。
【0049】
図3(2)は、パラメータガイド58の別な表示例である。図3(1)では、パラメー
タガイド58が画面の右下隅に表示されたが、パラメータガイド58を指定した被写体を
囲むように表示してもよい。bは、同じく操作される指42の軌跡を示す。また、指定さ
れた被写体にカーソル56が表示されるが、パラメータガイド58によって指定された被
写体の内容がわかるので、カーソル56の表示は省略してもよい。
【0050】
図3(3)は、パラメータ変更操作が終了した画面である。パラメータ変更を確定させる操作が撮影者によってなされると、表示されていたパラメータガイド58やカーソル56が消去されてもとの画面に戻り、パラメータ変更操作が終了される。変更を確定させる操作としては、例えば画面へのダブルクリック等の操作である。
【0051】
図4は、撮影・画質パラメータの変更操作による画面の第2の例である。なお、上述の説明と同様に、以下の説明でも、画質パラメータに関する例は省き、撮影パラメータに関する例で説明する。図4(1)は、表示部の画面40に、図3と同じライブビュー画像が表示され、画面左の女性の顔の部分に指42がタッチされた場面を示す。女性の顔が選択被写体52である。なお、画質制御の場合には、最初のオートモードの表示はされない。
【0052】
図4(2)は、「女性」の撮影パラメータのアイコン54が指定された被写体の近傍に表示された場面を示している。被写体検出部11dによって、指定された被写体の部分が画像データ全体の中から抽出され、抽出された被写体の種類が女性の顔であると判断される。そして、パラメータ選択部11cによって、「女性」の撮影パラメータが選択される。
【0053】
図4(3)は、図4(2)で、人物の撮影パラメータのアイコン54が例えば1秒程度
表示された後に、モードアイコン50の表示が「女性の顔」に切り替わり、併せて、撮影
パラメータ変更情報としてパラメータウインドウ(Parameter window)70が画面右下に表示される。パラメータウインドウ70には、撮影パラメータ変更情報がまとめて表示される。
【0054】
また、指定された被写体(女性の顔)の位置にはカーソル56が表示される。なお、上記の第1の例では、アイコン54がアニメーションでモードアイコンまで移動する表示例を示したが、ここでは、移動のアニメーションを省いていた例を示すが、いずれであってもかまわない。
【0055】
ここで、「女性」の撮影パラメータには、顔のスムージングと明度調整の2つの調整パラメータがあるとする。顔のスムージングとは、顔の肌を滑らかに整えるように画像処理することをいう。具体的には、画像処理部17によって、顔のしみや荒れた部分が検出され、その部分が目立たなくなるように、周囲のデータで補間するような処理である。明度調整とは、顔部分の輝度を調整する処理で、画像処理部17によって、顔の特に肌の部分の輝度成分を増減して調整される。
【0056】
パラメータウインドウ70には、まず顔のスムージングに関する情報として、調整内容が「顔のスムージング」であることを示すパラメータ名称72と、顔のスムージングに関する操作としてダイアル(円形)を模したパラメータガイド73、顔のスムージングに関する現在の調整量を示す円弧形状の調整値74が表示される。さらに、パラメータウインドウ70には、明度調整に関する情報として、調整内容が「明度調整」であることを示すパラメータ名称76と、明度調整に関する操作として直進バーを模したパラメータガイド77、明度調整に関する現在の調整量を示す調整値78(くさび形状)が表示される。「顔のスムージング」は、パラメータガイド73の周囲を操作方向dで示すような回転操作によって調整される。時計方向への回転操作により、スムーズング量が大きくなる。「明度調整」は、パラメータガイド77に沿って操作方向eで示すような左右への直進操作によって調整される。右方向に操作することによって、より顔を明るくする。
【0057】
図4(4)は、上記のパラメータ変更操作が終了した画面である。例えば画面でのダブ
ルクリック等の操作である、撮影者の変更を確定させる操作によって、表示されていたパ
ラメータウインドウ70が消去されて、パラメータ変更操作が終了する。撮影モードのア
イコン表示により「女性」の撮影パラメータに撮影モードが変更されたことが示されている。
【0058】
図5は、パラメータウインドウとして別な形態のパラメータウインドウを利用した例で
ある。被写体として画面中央下のりんごが指定されて、被写体検出部11dによって被写
体が「りんご」と判断され、パラメータ選択部11cによって「りんご」から撮影パラメ
ータとして「料理」の撮影パラメータが選択された場面である。そして、表示制御部18
によって、対応する料理に関するパラメータウインドウ80が画面に表示される。
【0059】
「料理」の撮影パラメータには、色相・彩度・明度の3つの調整パラメータがあるとす
る。料理に関するパラメータウインドウ80には、この3パラメータがまとめて表示され
る。パラメータウインドウ80には、上から順番に、色相・彩度・明度に関しての各パラ
メータ名称82と水平なバーであるパラメータガイド84が配置される。パラメータガイ
ド84上の各黒丸状のカーソル86は現在の調整値を示す。ここで、パラメータウインウ80上で、パラメータガイド84は適当な間隔で3つ並べて配置されているので、操作者は操作方向fのように画面上で指を滑らせるように操作して、3つのパラメータを1つの操作で設定することもできる。もちろん、操作者は、パラメータガイド84に沿ってカーソル86を横に滑らすように操作して、調整値を1つ1つ変更してもよい。
【0060】
図6は、パラメータウインドウとして更に別な形態のパラメータウインドウを利用した例である。指定された被写体は、第1の例と同じ「夕日」であるとする。本例では、「夕
焼け」の撮影パラメータが、第1の例とは異なり、カラー調整と彩度調整の2パラメータ
から構成されるとする。
【0061】
図6(1)は、「夕日」が指定されて、撮影モードがオートモードから、「夕焼け」の撮
影パラメータに変更された場面である。第1の例では、自動的にパラメータガイドが画面に表示されたが(図3(1))、本例では、パラメータウインドウ90の大部分を隠し、一部分だけを画面の右端に表示させて、操作者の操作がなされた場合に、パラメータウインドウ90の全体を画面に登場させるようにする。ライブビュー画像の視認を優先するためである。
【0062】
図6(2)は、パラメータウインドウ90の端部を左方向への摺動するような操作者の
操作にあわせて、表示制御部18によって、パラメータウインドウ90が画面上を左方向
に移動するようなアニメーションが表示され、夕焼けのパラメータウインドウ90の全体
が画面に表示された状態である。
【0063】
パラメータウインドウ90には、左側にカラー調整、右側に彩度調整の項目が配置されている。カラー調整に関しては、リング状のカラー調整用のパラメータガイド93と、その中にカラー調整であることを示すパラメータ名称92と調整値(現在値7)94が表示されている。彩度調整に関しては、同じくリング状の彩度調整用のパラメータガイド97と、その中に彩度調整であることを示すパラメータ名称96と調整値(現在値60)98が表示されている。
【0064】
それぞれのパラメータガイドに沿って、bで示すような回転操作が操作者によって行わ
れると、撮影条件設定部11aがその操作量に応じてカラー調整と彩度調整の調整値を変
更する。いずれも、時計方向への回転操作によって、その値が大きくなるよう調整される。図6(3)は、パラメータウインドウ90が画面に半分だけ表示された状態を示す。操作者は、もしカラー調整だけが必要とする場合には、カラー調整用のパラメータガイド93が表示される分だけパラメータウインドウ90が画面に露出されるように、左右方向への指の摺動操作で調整することができる。
【0065】
図7、8は、上記で説明した撮影・画質パラメータの変更操作に関する処理の流れを説明するフローチャートである。
【0066】
図7は、撮影パラメータの変更操作の処理を示すフローチャートである。撮影パラメータの変更操作の処理は、制御部11、撮影条件設定部11a、パラメータ選択部11c、被写体検出部11d、操作検出部11e、表示制御部18等によって実行される。制御部11、撮影条件設定部11a、パラメータ選択部11c、被写体検出部11d、操作検出部11e、表示制御部18等の一部あるいはまとめて撮影条件制御装置とも呼ぶ。
【0067】
なお、デジタルカメラ1は、動作モードとして、撮影モードの中でパラメータ変更モードに、図示なきメニュー画面で予め設定されているとする。
【0068】
まず、制御部11は、撮像部15で撮影される被写体像をライブビュー画像として、一
定の表示レートで表示部19に表示を行う(ステップS11)。次に、制御部11が、ラ
イブビュー画面上で操作者によって被写体指定がされたかを判断する(ステップS12)。
ここでは、操作検出部11eによってタッチパネル操作部14に対しての操作が検出されたかを判断する。図2(2)のように、操作者による被写体指定の操作があったと判断したら(ステップS12YES)、被写体検出部11dが、そのタイミングでのライブビュー画像の中から、タッチパネル操作部14で指定された被写体、つまりその位置に対応する領域の画像データを抽出する(ステップS13)。
【0069】
さらに、被写体検出部11dは、抽出した画像データから、指定された被写体の種類を決定する(ステップS14)。指定された被写体の種類の判断は、被写体の特徴、例えば、色・形・顔の有無・撮影日時およびこれらの組合せを抽出し、上述したように、プログラムデータ記憶部12に記憶された被写体データベースと対比することで行われる。
【0070】
制御部11は、被写体検出部11dによって被写体の種類が決定できたかを判断する(
ステップS15)。被写体検出部11dによって、被写体の種類が決定できた場合には(
ステップS15YES)、次に、パラメータ選択部11cが被写体の種類に対応する撮影
パラメータを選択する(ステップS16)。パラメータ選択部11cは、用意してある撮
影パラメータの中から、決定された被写体の種類に最も対応するものを選択する。選択の
例としては、前述したように、被写体の種類が「夕日」であれば「夕焼け」の撮影パラメータ、「女性の顔」であれば「女性」の撮影パラメータ、「りんご」であれば「料理」の撮影パラメータのような選択である。
【0071】
表示制御部18は、選択された撮影パラメータに対応するパラメータ変更情報をプログラムデータ記憶部12から読み出して、読み出したパラメータ変更情報をライブビュー画像に重畳して表示させる(ステップS17)。表示の態様に応じて、パラメータガイドを単独であるいはパラメータウインドウの中に表示し、また、対応するアイコンや指定された被写体にカーソル等を表示する。図3(1)、図4(3)、図5(1)あるいは図6(2)で示したような表示がなされる。なお、パラメータガイドを図3のように単独で表示するか、あるいは図4や図5のようにパラメータウインドウの中に表示するかは、撮影パラメータの種類に応じて自動的に設定されるようにしてもよいし、予めメニュー画面で選択できるようにしておいてもよい。
【0072】
このパラメータ変更情報が表示された画面で、操作検出部11eが、パラメータガイドに対する変更操作があったかを検出する。操作検出部11eによって、変更操作があったと検出された場合には(ステップS18YES)、表示制御部18は、変更操作に対応してパラメータガイドの調整値の変更内容を表示させる(ステップS19)。さらに、撮影条件設定部11aは、変更された調整値に応じて撮影条件を変更する(ステップS20)。
【0073】
画像処理部17は、変更された撮影条件が画質変更を伴うものであれば、ライブビュー
画像の画質にもその変更を反映させ、変更されたライブビュー画像が表示される(ステッ
プS21)。変更された撮影条件が仮にピントに関する変更であれば撮像部15のフォー
カスレンズを調整し、また、シャッタースピードであればレリーズ操作時の露光制御に反
映させる。
【0074】
制御部11は、上記操作に対応して画質等を変更しながら、パラメータの変更操作を確定する操作があったかを判断する(ステップS25)。確定操作とは、例えば、上述したような 画面に対するダブルクリックである。制御部11は、確定する操作があったと判断した場合には(ステップS25YES)、表示制御部18にパラメータガイドやパラメータウインドのパラメータ変更情報の表示を終了させる(ステップS26)。図3(3)あるいは、図4(4)で示した画面である。その後、ステップS27に進む。なお、ここでは、ステップS25の確定操作がなくても、ステップS18で変更操作があれば撮影条件等の変更は許可される(ステップS20、S21)ことを説明したが、確定操作があった場合にのみ、撮影条件等の変更が許可されるような処理にしても、かまわない。
【0075】
ステップS27以降では、デジタルカメラ1の電源オフ操作がされたか、あるいはレリ
ーズ操作がされたかを判断する。制御部11は、電源オフ操作がされたと判断すると(ス
テップS27YES)、デジタルカメラ1の電源終了処理を行い、このフローは終了する
。電源オフ操作がされないと判断した場合には、制御部11は、レリーズ操作の有無を判
断し、レリーズ操作がされたと判断すると(ステップS28YES)、撮影処理を行い(
ステップS29)、ステップS11に戻る。また、レリーズ操作が行われない場合には(
ステップS28NO)、ステップS29をジャンプしてステップS11に戻る。
【0076】
制御部11は、変更操作を確定する操作がないと判断する場合は(ステップS25NO)、ステップS26をジャンプして、パラメータガイドやパラメータウインド等のパラメータ変更情報の表示をした状態で、ステップS27に進む。ステップS27以降は、説明済みなので省略する。
【0077】
また、ステップS12で被写体が指定されていないと判断された場合(ステップS12NO)にも、ステップS27に進み、電源オフ操作やレリーズ操作の判断を経由して、ステップS11に戻り、被写体が指定されるのを待つ。同様に、被写体が指定されたものの被写体の種類が決定できない場合(ステップS15NO)も、ステップS27に進む。また、ステップ18で変更操作がない場合には(ステップS18NO)、ステップS25に進み、変更操作を確定する操作があったかを判断する(ステップS25)。以降は説明済みなので省略する。
【0078】
図8は、画質パラメータの変更操作の処理を示すフローチャートである。画質パラメータの変更操作の処理は、制御部11、画質条件設定部11b、パラメータ選択部11c、被写体検出部11d、操作検出部11e、表示制御部18等によって実行される。制御部11、パラメータ選択部11c、画質条件設定部11b、パラメータ選択部11c、被写体検出部11d、操作検出部11e、表示制御部18等の一部またはまとめて画質制御装置とも呼ぶ。
【0079】
ここで、デジタルカメラ1は、図示なきメニュー画面で予め、動作モードとして編集モードの中のパラメータ変更モードに設定されているとする。まず、制御部11は、操作者の指示により、例えばインデックス表示画面で、画質編集を行う再生画像を選択する(ステップS40)。
【0080】
制御部11は、選択された画像を記録再生部21によって画像記憶部22から読み出し、圧縮伸長部20によって伸長して表示部19に、再生画像の表示を行う(ステップS41)。
【0081】
次に、制御部11は、再生画面上で操作者によるタッチパネル操作部14への被写体指定がなされ、それが操作検出部11eによって検出されたかを判断する(ステップS42)。図2(2)のような操作者による被写体指定の操作があったと判断したら(ステップS42YES)、被写体検出部11dが、その再生画像の中から、タッチパネル操作部14で指定された位置に対応する領域の画像データを抽出する(ステップS43)。
【0082】
被写体検出部11dは、抽出した画像データから、指定された被写体の種類を決定する
(ステップS44)。指定された被写体の種類の判断は、被写体の特徴、例えば、色・形
・顔の有無・撮影日時およびこれらの組合せを抽出し、上述したように、プログラムデー
タ記憶部12に記憶された被写体データベースと対比することで行われる。
【0083】
制御部11は、被写体検出部11dによって被写体の種類が決定できたかを判断する(
ステップS45)。被写体検出部11dによって、被写体の種類が決定できた場合には(
ステップS45YES)、次に、パラメータ選択部11cが被写体の種類に対応する画質
パラメータを選択する(ステップS46)。パラメータ選択部11cは、用意してある画
質パラメータの中から、決定された被写体の種類に最も対応するものを選択する。選択の
例としては、前述したように、被写体の種類が「夕日」であれば「夕焼け」の画質パラメータ、「女性の顔」であれば女性の画質パラメータ、「りんご」であれば「料理」の画質パラメータ のような選択である。
【0084】
表示制御部18は、選択された画質パラメータに対応するパラメータ変更情報をプログラムデータ記憶部12から読み出して、読み出したパラメータ変更情報を再生画像に重畳して表示させる(ステップS47)。パラメータガイドを単独であるいはパラメータウインドウの中に表示し、また、対応するアイコンや指定された被写体にカーソル等を表示する。図3(1)あるいは図4(3)、図5で示したような表示がなされる。なお、パラメータガイドを図3のように単独で表示するか、あるいは図4や図5のようにパラメータウインドウの中に表示するかは、撮影パラメータの種類に応じて自動的に設定されるようにしてもよいし、予めメニュー画面で選択できるようにしておいてもよい。
【0085】
このパラメータ変更情報が表示された画面で、操作検出部11eが、パラメータガイド
に対する変更操作があったかを検出する。操作検出部11eによって、変更操作があった
と検出された場合には(ステップS48YES)、表示制御部18は、変更操作に対応し
てパラメータガイドの調整値の変更内容を表示させる(ステップS49)。さらに、画質
条件設定部11bは、変更された調整値に応じて画質条件を変更する(ステップS50)
。
【0086】
画像処理部17は、変更された画質条件に応じて画像処理内容を変更し、画像処理が変更された再生画像が表示される(ステップS51)。
【0087】
制御部11は、操作に対応して画質等を変更しながら、パラメータを変更した操作を確定する操作があったかを判断する(ステップS55)。確定操作とは、例えば、画面に対するダブルクリックである。制御部11は、確定する操作があったと判断した場合には(ステップS55YES)、表示制御部18にパラメータガイドやパラメータウインドのパラメータ変更情報の表示を終了させる(ステップS56)。図3(3)あるいは、図4(4)で示した画面である。同時に、変更された画質条件で、記憶部22に保存された当該再生画像に対応する画像データを書き換える(ステップS57)。なお、画質変更された画像を、保存された画像とは別に新たな画像として画像記憶部22に記録させてもよい。
【0088】
ステップS58では、デジタルカメラ1の電源オフ操作がされたかを判断する。制御部
11は、電源オフ操作がされたと判断すると(ステップS58YES)、デジタルカメラ
1の電源終了処理を行い、このフローは終了する。電源オフ操作がされないと判断した場
合には(ステップS58NO)、ステップS40に戻る。
【0089】
制御部11は、変更操作を確定する操作がないと判断する場合は(ステップS55NO
)、ステップS56、57をジャンプして、パラメータガイドやパラメータウインドのパ
ラメータ変更情報の表示をした状態で、上記のステップS58に進む。
【0090】
また、ステップS42で被写体が指定される前(ステップS42NO)は、ステップS
58に進み、電源オフ操作の判断を経由して、電源オフ操作でない場合には(ステップS
58NO)ステップS40に戻る。同様に、被写体が指定されたものの被写体の種類が決
定できない場合(ステップS45NO)も、ステップS58に進む。また、ステップS4
8で変更操作がない場合には(ステップS48NO)、ステップS55に進み、変更操作
を確定する操作があったかを判断する(ステップS55)。以降は、説明済みなので省略
する。
【0091】
以上説明したように、本実施形態によれば、指定した被写体に応じて、撮影時であれば
適切な種類の撮影パラメータ変更画面が表示され、再生時であれば適切な種類の画質パラ
メータ変更画面が表示されるので、操作者は、専門的な知識がなくても、被写体に合わせ
た雰囲気の画像を簡単な操作で得ることができる。
【0092】
なお、制御部11がプログラムデータ記憶部12に格納された操作制御用プログラムを
読み出して実行されることで、上記被写体に応じた撮影パラメータあるいは画質パラメー
タの選択変更が実現されるので、このようなソフトウェア処理に関する制御用プログラム
も本発明となる。また、このような制御用プログラムが記録された記録媒体も本発明とな
る。なお、プログラムを格納する記録媒体としては、フラッシュメモリに限定されるもの
ではなく、CD−ROM、DVD−ROM等の光学記録媒体、MD等の磁気記録媒体、テ
ープ媒体、ICカードなどの半導体メモリであってもよい。
【0093】
上記本実施形態では、処理の実行を、ソフトウェア処理とハードウェア処理の組み合わ
せで説明したが、これに限られるものではなく、その組合わせは選択事項である。
【0094】
また、本実施の形態では、撮影条件制御装置および画質制御装置をデジタルカメラ1に適用した例で説明したが、当然これに限られるものではなく、パソコンのカメラ部や携帯電話のカメラ部等に適用してもよい。また、画質制御装置としては、フォトフレーム(Photo Frame)のような再生専用機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0095】
11…制御部、11a…撮影条件設定部、11b…画質条件設定部、11c…パラメータ
設定部、11d…被写体検出部、11e…操作検出部、12…プログラムデータ記憶部、
13…ボタン操作部、14…タッチパネル操作部、15…撮像部、16…SDRAM、1
7…画像処理部、18…表示制御部、19…表示部、20…圧縮伸長部、21…記録再生
部、22…画像記憶部、25…バスライン、40…画面、42…指、50…モードア
イコン、52…選択被写体、54…アイコン、56…カーソル、58…パラメータガイド
、60…調整値、70…パラメータウインドウ、72…パラメータ名称、73…パラメー
タガイド、74…調整値、76…パラメータ名称、77…パラメータガイド、78…調整
値、80…パラメータウインドウ、82…パラメータ名称、84…パラメータガイド、8
6…カーソル、90…パラメータウインドウ、92…パラメータ名称、93…パラメータガイド、94…調整値、96…パラメータ名称、97…パラメータガイド、98…調整値、
a、b、c、d、e、f…操作方向、
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーの要望に応じて適切に撮影画像の画質を変更する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通常のカメラ撮影では、AE(Auto Exposure)・AF(Auto Focus)・AWB(Auto White Balance)等を自動的に設定するいわゆるオートモード(Auto Mode)で撮影されることが多い。しかし、オートモードでは、画面中央の被写体が適正になるように撮影条件が設定されるので、画面中央に存在しない被写体に対しては、必ずしも適正には設定されない場合もある。
【0003】
そこで、画面中央あるいは中央に一定領域に撮影条件を合わせたことで、周辺で不適切になる領域を判りやすく表示するカメラも提案されている。例えば、特許文献1に示されるデジタルカメラでは、画面内の各領域の輝度を演算して、輝度差のある領域についてを色や点滅数を変えてライブビュー画像上に表示する。
【0004】
また、最近は単なるオートモードではなく、被写体のシーンに応じてAE・AF・AW
Bだけでなく、例えば、風景・夜景・ポートレイトなどのシーンに応じて、シャッタース
ピード・コントラスト・色補正等のより具体的な画面の調子に関する諸条件を設定する、
オートシーンモードも開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−270706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実際の撮影においては、画面の中央にある被写体に最適な条件を設定したいのではなく、画面の周囲や隅にある被写体に、輝度や色合いあるいは雰囲気を合わせたい場面も少なくない。
【0007】
例えば、画面端に夕日のある場面で、ユーザーが画面全体に夕日の雰囲気を強調したい場合に、画面の色調を赤や黄色の方向にシフトすれば可能である。しかし、普通のユーザーにとって、色補正の条件を呼び出す操作をして、さらにその画面で、赤や黄色の色を強調する操作は、決して容易な操作ではない。ある程度の専門的な知識が要求されるからである。
【0008】
つまり、撮影時あるいは再生時に画面を見て、特定の部分を変更あるいは改善したいという要望は現実に多いはずであるが、現在のカメラや編集ソフトでは、普通のユーザーがその要望を簡単に実現できるようにはなっていない。そして、実際の場面では、画面の被写体の種類に応じて対応する処理の内容が決まることが多いので、撮影時あるいは再生時に、画面の被写体種類に応じて撮影条件や画像処理条件の提示や調整が簡単にできれば、ユーザーは自らの意図にかなう撮影や編集を簡単にできるようになる。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、指示した被写体に対応する撮影条件を簡単に設定することができる撮影条件制御装置、かかる撮影条件制御装置を搭載したカメラ、指示した被写体に対応する画質条件を簡単に設定することができる画質制御装置、対応するプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明による撮影条件制御装置は、画面に対する操作指示を検出する操作検出部と、画面に表示されるライブビュー画像の中で上記操作検出部によって被写体が指定されたと検出された場合に、当該指定された被写体の種類を検出する被写体検出部と、検出された上記被写体の種類に応じた撮影パラメータを選択するパラメータ選択部と、選択された上記撮影パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示する表示制御部と、上記撮影パラメータに対する変更指示に応じて、当該撮影パラメータの内容を変更する撮影条件設定部とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明による画質制御装置は、画面に対する操作指示を検出する操作検出部と、
画面に表示される再生画像の中で上記操作検出部によって被写体が指定されたと検出された場合に、当該指定された被写体の種類を検出する被写体検出部と、検出された被写体の種類に応じた画質パラメータを選択するパラメータ選択部と、選択された上記画質パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示する表示制御部と、上記画質パラメータに対する変更指示に応じて、当該画質パラメータの内容を変更する画質条件設定部とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明によるプログラムは、カメラに搭載されるコンピュータに撮影条件制御用
の処理を実行させるプログラムにおいて、画面に表示されるライブビュー画像の中で指定された被写体の種類を検出するステップと、検出された被写体の種類に応じた撮影パラメータを選択するステップと、選択された上記撮影パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示するステップと、上記撮影パラメータに対する操作者の変更指示に応じて、当該撮影パラメータの内容を変更するステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、指示した被写体に対応する撮影条件を簡単に設定ができる撮影条件制御装置、かかる撮影条件制御装置を搭載したカメラ、指示した被写体に対応する画質条件を簡単に設定することができる画質制御装置、及び対応するプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態の撮影条件制御装置と画質制御装置を搭載したデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、撮影・画質パラメータの変更操作による画面について、その第1の例の前半を示す図である。パラメータアイコンが表示されるまでを示す図である。
【図3】図3は、撮影・画質パラメータの変更操作による画面について、その第1の例の後半を示す図である。図2の続きで、表示されたパラメータウインドウ上で、パラメータが指定されるまでの画面の推移を示す図である。
【図4】図4は、撮影・画質パラメータの変更操作による画面について、その第2の例を示す図である。
【図5】図5は、撮影・画質パラメータのパラメータウインドウとして別な形態のパラメータウインドウの例を示す図である。
【図6】図6は、撮影・画質パラメータのパラメータウインドウとして更に別な形態のパラメータウインドウの例を示す図である。
【図7】図7は、撮影条件制御装置による撮影パラメータの変更設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、画質条件制御装置による画質パラメータの変更設定処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態の撮影条件制御装置を搭載したデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【0016】
本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1は、制御部11、プログラムデータ記憶部12、ボタン操作部13、タッチパネル操作部14、撮像部15、SDRAM16、画像処理部17、表示制御部18、表示部19、圧縮伸長部20、記録再生部21、画像記憶部22、バスライン25を主要部として備える。
【0017】
制御部11は、プログラムデータ記憶部12に記憶されたプログラムを読み込んで、デ
ジタルカメラ1の全体を統括的に制御するCPUである。そして、制御部11は、本実施形態での特有の動作モードとして、パラメータ変更モードを実行する。パラメータ変更モードは、撮影モードおよび編集モードの中で選択されるモードである。パラメータ変更モードは、画面上で指定された被写体に応じて適切な撮影パラメータあるいは画質パラメータが自動的に選択されて表示されることによって、被写体に応じた撮影あるいは画質パラメータに対する変更操作が簡単にできるモードである。以下で、撮影パラメータあるいは/及び画質パラメータをあわせて、撮影・画質パラメータと称す。
【0018】
制御部11は、プログラムデータ記憶部12に記憶されたプログラムに従って各処理を実
行するが、パラメータ変更モードの処理を実行する部分についてを、撮影条件設定部11a、画質条件設定部11b、パラメータ選択部11c、被写体検出部11d、操作検出部11eという機能部として、表現する。
【0019】
撮影条件設定部11aは、シャッタースピード、画素数、ストロボ条件、ピント条件、あるいはコントラストや色補正等の各種撮影条件を、設定するものである。撮影条件設定部11aは、撮影モードが自動の場合には予め定められた条件で、その他のモードの場合には撮影者の指定に応じて、撮影条件を設定するものである。設定された条件や値に応じて、撮像部15あるいは画像処理部17が制御される。これら撮影の際に、各種条件を設定する条件数値を撮影パラメータと呼ぶ。そして、撮影条件設定部11aは、パラメータ変更モードでは、被写体に応じて選択された撮影パラメータに対する操作者からの変更指示に従って、撮影パラメータを変更する。
【0020】
画質条件設定部11bは、画質編集モードで、画質編集時のパラメータ変更モードにおいて、被写体に応じて選択された画質パラメータに対する操作者の変更指示に従って、画質を変更するよう画像処理部17を制御し、変更された画像を再記録するよう制御する。画質パラメータは、表示される画像の色合いや輝度あるいはシャープネス等の数値である。
【0021】
パラメータ選択部11cは、被写体の種類に応じて、その被写体にふさわしい撮影・画質パラメータを選択するものである。
【0022】
被写体検出部11dは、画面上で操作者から指示された位置に存在する画像データを、全体の画像データの中から抽出して、その被写体の種類を判断する。判断の手法としては、被写体の特徴、例えば、形状、色、顔の有無、撮影日時を抽出する。これらの特徴を、プログラムデータ記憶部12に記憶された被写体データベースと対比して、被写体の種類を特定する。また、被写体の一部に顔が存在した場合には、被写体が人物であると判断する。
【0023】
操作検出部11eは、ボタン操作部13およびタッチパネル14から出力された信号に基づき、操作内容を検出する。
【0024】
プログラムデータ記憶部12は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリから構成され、制御部11の処理実行用のプログラム、および指示された被写体の種類を特定するための被写体データベースのデータが格納される。撮影・画質パラメータ変更情報として、画面に表示されるアイコンやウインドの画像データも格納される。
【0025】
ボタン操作部13は、デジタルカメラ1の背面や上面に設けられた操作部で、撮影の実行指示のためのレリーズボタンや、撮影モード・再生モード・編集モード等の切り替えのためのメニューボタンが、含まれる。
【0026】
タッチパネル操作部14は、デジタルカメラ1の背面に配置される表示部19に重ねるように設けられ、操作者のタッチ入力やタッチされたまま移動される指の軌跡を検出するものである。
【0027】
撮像部15は、レンズから撮像素子までを含む光学部と、撮像素子を駆動する駆動回路や撮像素子から出力される光電変換信号を処理してデジタルの画像データとして出力する信号処理部からなる。光学部は、被写体像を結像するレンズと、レンズの位置を移動させるAF機構部とズーム機構部、被写体光束を絞る絞り部等から構成される。
【0028】
信号処理部は、撮像素子から出力される光電変換信号について、ノイズを低減させるためのCDS(Correllated Double Sampling)回路、信号レベルを適切なレベルにまで増幅するAGC(Automatic Gain Control)回路、これらで処理されたアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換するAD回路等から構成される。
【0029】
SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)16は、一時的なメモリで、画像のデジタル処理に利用されるワーキングエリア(Working area)である。SDRAM16には、撮像部15から出力されるデジタル画像信号が一時的に格納され、画像処理部17による画像処理が実行される。同様にSDRAM16は、表示制御部18あるいは圧縮伸長部20が各処理を実行の際にも利用される。
【0030】
画像処理部17は、撮像部15から出力され、ライブビュー画像あるいは記録画像として変換される画像データに対して、所定のガンマ処理、画素補間処理、色補正処理、YC変換等を実行する。画像処理部17は、パラメータ補正モードでは、撮影条件設定部11aあるいは画質条件設定部11bの指示による、パラメータの内容変更や調整値の変更に応じて、色補正やコントラスト補正、あるいは、顔処理であれば例えばスムージング処理の強度を変更する。
【0031】
表示制御部18は、表示部19に表示するために、撮影された画像データの画素数を表示画素数に変換する処理を実行する。また、表示制御部18は、その際に、表示用に画素数変換したライブビュー画像や記録画像に、メニューの文字や各種アイコンあるいは、後述するパラメータウインドウの情報等を重ねる処理を実行する。
【0032】
表示部19は、LCDあるいはEL(Electro-Luminescence)パネルから構成されてデジタルカメラ1の背面に配置される。表示部19には、表示制御部18から出力されるライブビュー画像、撮影された記録画像あるいは、メニュー情報が表示されるメニュー画面が表示される。
【0033】
圧縮伸長部20は、撮影画像の画像データを画像記憶部22に記録する際、あるいは画像記憶部22に記録されている画像データを表示する際等において、周知のJPEG方式等に基づく画像データの圧縮処理や伸長処理を行う。
【0034】
記録再生部21は、画像記憶部22に対する画像データの書き込みや画像記憶部22からの画像データの読み出しを行うものである。画像記憶部22は、xDピクチャーカード(登録商標)やコンパクトフラッシュ(登録商標)等のカメラ本体に着脱可能な記録媒体、あるいはHDDなどである。バスライン25は、上記各構成要素をデータラインとアドレスラインで結合するものである。
【0035】
ここで、パラメータ変更モードにおける各処理とそれを実行するブロック図(図1)の各要素との関係を簡単に説明する。撮像部15により得られた画像が、画像処理部17によって
撮影条件に応じた表示用画像処理され、さらに表示制御部18によって表示用に変換されて、ライブビュー(Live View)画像として表示部19に表示される。画質編集時の再生画像は、画像記憶部22から記録再生部21によって読み出された画像データが、圧縮伸長部20によって伸長処理され、画像処理部17によって画質変更条件に応じた画像処理がされて、表示制御部18によって表示用に変換され表示部19に表示される。
【0036】
画面に表示された画像の特定の被写体に対して操作者の指がタッチされると、タッチパネル操作部14に対する入力として操作検出部11eによって検出される。画面上で指定された被写体について、その抽出及び指定された被写体の種類の特定が被写体検出部11dによって行われる。そして、その被写体にふさわしい撮影・画質パラメータの選択がパラメータ選択部11cによって行われる。選択された撮影・画質パラメータ用のパラメータ変更情報がプログラムデータ記憶部12から読み出せれ、撮影・画質パラメータ変更情報の表示が表示制御部18によって行われる。画面上で撮影パラメータの内容の変更指示がされると、撮影パラメータの内容が、撮影条件設定部11aによって変更設定される。あるいは画面上で画質パラメータの内容の変更指示がされると、画質パラメータの内容が、画質条件設定部11bによって変更設定される。
【0037】
以上説明したパラメータ変更モードにおける操作と対応する画面についてを説明する。
【0038】
図2〜図6は、撮影条件制御装置による撮影パラメータの変更処理、または画質制御装
置による画質パラメータ変更処理による、一連のGUI(グラフィカル・ユーザ・インタ
フェース)の画面の図である。
【0039】
図2〜図6においては、
・被写体が指示されると、被写体に応じて撮影・画質パラメータが内部で選択され、
・選択された撮影・画質パラメータの内容を変更するための撮影・画質パラメータ変更情報が画面に表示され、
・この表示された撮影・画質パラメータ変更情報の画面で、撮影・画質パラメータが変更操作される という一連の操作と表示の流れを説明する。
【0040】
まず、図2及び図3は、撮影パラメータの変更操作による画面の第1の例である。なお、GUIの観点では、撮影条件制御装置と画質制御装置による操作と表示は実質同じであるので、以下図2〜図6の具体的な説明では、重複説明を避けるために、特に断らない限り撮影条件制御装置による処理として説明する。以下の説明で、ライブビュー画像を再生画像に置き換えることで、画質制御の説明となる。
【0041】
図2は、撮影パラメータの変更操作画面の前半部分を説明する図である。図2(1)では、
撮影時の初期画面として、画面全体にライブビュー画像40が表示され、画面左上隅に現
在の撮影モードを示す撮影モードアイコン50が示される。撮影モードは現在オートモードが設定されており、撮影モードアイコンとして、オートモードのアイコンが表示されている。ここで、ライブビュー画像として、「海に沈む夕日をバックにし、左右の男女2人が中央でグラスを合わせて乾杯し、グラスの下にはりんごが置いてある」という場面を例にしている。なお、画質制御の場合には、最初のオートモードの表示はされない。
【0042】
図2(2)は、図2(1)におけるライブビュー画像の表示中に、特定の被写体が指定
された場面を示す。ライブビュー画像の中で海に沈む「夕日」が選択被写体52として、撮影者の指42でタッチ操作されたとする。
【0043】
図2(3)は、図2(2)で「夕日」が指定された後に、指定された被写体である「夕日」の近傍に、「夕焼け」の撮影パラメータのアイコン54が表示された図である。画面がタッチされると、被写体検出部11dによって、タッチされた位置から画像データが抽出される。更に、被写体検出部11dによって、この抽出された画像データについて、プログラムデータ記憶部12に格納されている被写体データベースと比較がされ、最も適合した被写体の種類が選択される。ここで、画像「夕日52」は、その色が赤く、サイズが丸く、また撮影日時が夕方であることから、被写体検出部11dによって、指定された被写体が「夕日」であると判断される。
【0044】
続いて、パラメータ選択部11cによって、用意されている撮影パラメータの中から、被写体「夕日」に対応する撮影パラメータが検索される。パラメータ選択部11cは、対応する撮影パラメータとして、例えば、「夕焼け」の撮影パラメータを選択する。表示制御部18によって、ライブビュー画像40に重畳して「夕日」の近傍に夕焼けの撮影パラメータのアイコン54が表示される。なお、撮影パラメータの候補が複数あれば、複数選択して表示するようにしてもよい。
【0045】
図2(4)は、「夕焼け」の撮影パラメータのアイコン54が画面上をモードアイコン50へ向かって移動する様子を示す。「夕焼け」の撮影パラメータが選択された後に、表示制御部18によって、「夕焼け」の撮影パラメータのアイコン54は、夕日の近傍から撮影モードアイコンの位置まで画面内を移動するようにアニメーション化して表示される。
【0046】
図3は、撮影パラメータの変更操作の後半部分を説明する図である。図3(1)では、
前の図2(4)で、モードアイコン50へ向かって移動した「夕焼け」の撮影パラメータのアイコン54が、モードアイコン50に到達して、モードアイコン50の内容が夕焼けの撮影パラメータのアイコン54に切り替わるよう表示制御部18によって表示される。
【0047】
そして、画面の右下隅に撮影パラメータ変更情報として、リング形状のパラメータガイド
58が表示される。パラメータガイド58の中央部分には、夕焼けの撮影パラメータの現
在の名称(画面では「カラー調整」)と調整値(画面では「7」)が表示される。撮影パラメータの調整値とは、その撮影パラメータによる画質への強調度合いを示す数値で、数値が大きいほど、その撮影パラメータによる画質が強調される。
【0048】
例えば、この「夕焼け」の撮影パラメータでは、調整値が大きくなると、撮影条件設定部11aの指示により、画像処理部17によって、画像の赤色と黄色の強度をより大きくし、
夕方の雰囲気がより強調されるように、ライブビュー画像が色補正される。破線のbは、操作される指42の操作方向を示すもので、画面に表示されるものではない。時計方向に操作されると、調整値が大きくなり、画像処理部17での赤色と黄色の補正がより強くなるよう制御され、夕焼けの雰囲気が強調される。反時計方向へ操作されると、逆に赤色と黄色の補正が弱くなる。そして、この補正は撮影して記録される画像データの画像処理の条件にも同じく反映される。また、指定された被写体(ここでは夕日)には、四角枠のカーソル56が表示される。指定されている被写体が画面ですぐにわかるようにするためである。
【0049】
図3(2)は、パラメータガイド58の別な表示例である。図3(1)では、パラメー
タガイド58が画面の右下隅に表示されたが、パラメータガイド58を指定した被写体を
囲むように表示してもよい。bは、同じく操作される指42の軌跡を示す。また、指定さ
れた被写体にカーソル56が表示されるが、パラメータガイド58によって指定された被
写体の内容がわかるので、カーソル56の表示は省略してもよい。
【0050】
図3(3)は、パラメータ変更操作が終了した画面である。パラメータ変更を確定させる操作が撮影者によってなされると、表示されていたパラメータガイド58やカーソル56が消去されてもとの画面に戻り、パラメータ変更操作が終了される。変更を確定させる操作としては、例えば画面へのダブルクリック等の操作である。
【0051】
図4は、撮影・画質パラメータの変更操作による画面の第2の例である。なお、上述の説明と同様に、以下の説明でも、画質パラメータに関する例は省き、撮影パラメータに関する例で説明する。図4(1)は、表示部の画面40に、図3と同じライブビュー画像が表示され、画面左の女性の顔の部分に指42がタッチされた場面を示す。女性の顔が選択被写体52である。なお、画質制御の場合には、最初のオートモードの表示はされない。
【0052】
図4(2)は、「女性」の撮影パラメータのアイコン54が指定された被写体の近傍に表示された場面を示している。被写体検出部11dによって、指定された被写体の部分が画像データ全体の中から抽出され、抽出された被写体の種類が女性の顔であると判断される。そして、パラメータ選択部11cによって、「女性」の撮影パラメータが選択される。
【0053】
図4(3)は、図4(2)で、人物の撮影パラメータのアイコン54が例えば1秒程度
表示された後に、モードアイコン50の表示が「女性の顔」に切り替わり、併せて、撮影
パラメータ変更情報としてパラメータウインドウ(Parameter window)70が画面右下に表示される。パラメータウインドウ70には、撮影パラメータ変更情報がまとめて表示される。
【0054】
また、指定された被写体(女性の顔)の位置にはカーソル56が表示される。なお、上記の第1の例では、アイコン54がアニメーションでモードアイコンまで移動する表示例を示したが、ここでは、移動のアニメーションを省いていた例を示すが、いずれであってもかまわない。
【0055】
ここで、「女性」の撮影パラメータには、顔のスムージングと明度調整の2つの調整パラメータがあるとする。顔のスムージングとは、顔の肌を滑らかに整えるように画像処理することをいう。具体的には、画像処理部17によって、顔のしみや荒れた部分が検出され、その部分が目立たなくなるように、周囲のデータで補間するような処理である。明度調整とは、顔部分の輝度を調整する処理で、画像処理部17によって、顔の特に肌の部分の輝度成分を増減して調整される。
【0056】
パラメータウインドウ70には、まず顔のスムージングに関する情報として、調整内容が「顔のスムージング」であることを示すパラメータ名称72と、顔のスムージングに関する操作としてダイアル(円形)を模したパラメータガイド73、顔のスムージングに関する現在の調整量を示す円弧形状の調整値74が表示される。さらに、パラメータウインドウ70には、明度調整に関する情報として、調整内容が「明度調整」であることを示すパラメータ名称76と、明度調整に関する操作として直進バーを模したパラメータガイド77、明度調整に関する現在の調整量を示す調整値78(くさび形状)が表示される。「顔のスムージング」は、パラメータガイド73の周囲を操作方向dで示すような回転操作によって調整される。時計方向への回転操作により、スムーズング量が大きくなる。「明度調整」は、パラメータガイド77に沿って操作方向eで示すような左右への直進操作によって調整される。右方向に操作することによって、より顔を明るくする。
【0057】
図4(4)は、上記のパラメータ変更操作が終了した画面である。例えば画面でのダブ
ルクリック等の操作である、撮影者の変更を確定させる操作によって、表示されていたパ
ラメータウインドウ70が消去されて、パラメータ変更操作が終了する。撮影モードのア
イコン表示により「女性」の撮影パラメータに撮影モードが変更されたことが示されている。
【0058】
図5は、パラメータウインドウとして別な形態のパラメータウインドウを利用した例で
ある。被写体として画面中央下のりんごが指定されて、被写体検出部11dによって被写
体が「りんご」と判断され、パラメータ選択部11cによって「りんご」から撮影パラメ
ータとして「料理」の撮影パラメータが選択された場面である。そして、表示制御部18
によって、対応する料理に関するパラメータウインドウ80が画面に表示される。
【0059】
「料理」の撮影パラメータには、色相・彩度・明度の3つの調整パラメータがあるとす
る。料理に関するパラメータウインドウ80には、この3パラメータがまとめて表示され
る。パラメータウインドウ80には、上から順番に、色相・彩度・明度に関しての各パラ
メータ名称82と水平なバーであるパラメータガイド84が配置される。パラメータガイ
ド84上の各黒丸状のカーソル86は現在の調整値を示す。ここで、パラメータウインウ80上で、パラメータガイド84は適当な間隔で3つ並べて配置されているので、操作者は操作方向fのように画面上で指を滑らせるように操作して、3つのパラメータを1つの操作で設定することもできる。もちろん、操作者は、パラメータガイド84に沿ってカーソル86を横に滑らすように操作して、調整値を1つ1つ変更してもよい。
【0060】
図6は、パラメータウインドウとして更に別な形態のパラメータウインドウを利用した例である。指定された被写体は、第1の例と同じ「夕日」であるとする。本例では、「夕
焼け」の撮影パラメータが、第1の例とは異なり、カラー調整と彩度調整の2パラメータ
から構成されるとする。
【0061】
図6(1)は、「夕日」が指定されて、撮影モードがオートモードから、「夕焼け」の撮
影パラメータに変更された場面である。第1の例では、自動的にパラメータガイドが画面に表示されたが(図3(1))、本例では、パラメータウインドウ90の大部分を隠し、一部分だけを画面の右端に表示させて、操作者の操作がなされた場合に、パラメータウインドウ90の全体を画面に登場させるようにする。ライブビュー画像の視認を優先するためである。
【0062】
図6(2)は、パラメータウインドウ90の端部を左方向への摺動するような操作者の
操作にあわせて、表示制御部18によって、パラメータウインドウ90が画面上を左方向
に移動するようなアニメーションが表示され、夕焼けのパラメータウインドウ90の全体
が画面に表示された状態である。
【0063】
パラメータウインドウ90には、左側にカラー調整、右側に彩度調整の項目が配置されている。カラー調整に関しては、リング状のカラー調整用のパラメータガイド93と、その中にカラー調整であることを示すパラメータ名称92と調整値(現在値7)94が表示されている。彩度調整に関しては、同じくリング状の彩度調整用のパラメータガイド97と、その中に彩度調整であることを示すパラメータ名称96と調整値(現在値60)98が表示されている。
【0064】
それぞれのパラメータガイドに沿って、bで示すような回転操作が操作者によって行わ
れると、撮影条件設定部11aがその操作量に応じてカラー調整と彩度調整の調整値を変
更する。いずれも、時計方向への回転操作によって、その値が大きくなるよう調整される。図6(3)は、パラメータウインドウ90が画面に半分だけ表示された状態を示す。操作者は、もしカラー調整だけが必要とする場合には、カラー調整用のパラメータガイド93が表示される分だけパラメータウインドウ90が画面に露出されるように、左右方向への指の摺動操作で調整することができる。
【0065】
図7、8は、上記で説明した撮影・画質パラメータの変更操作に関する処理の流れを説明するフローチャートである。
【0066】
図7は、撮影パラメータの変更操作の処理を示すフローチャートである。撮影パラメータの変更操作の処理は、制御部11、撮影条件設定部11a、パラメータ選択部11c、被写体検出部11d、操作検出部11e、表示制御部18等によって実行される。制御部11、撮影条件設定部11a、パラメータ選択部11c、被写体検出部11d、操作検出部11e、表示制御部18等の一部あるいはまとめて撮影条件制御装置とも呼ぶ。
【0067】
なお、デジタルカメラ1は、動作モードとして、撮影モードの中でパラメータ変更モードに、図示なきメニュー画面で予め設定されているとする。
【0068】
まず、制御部11は、撮像部15で撮影される被写体像をライブビュー画像として、一
定の表示レートで表示部19に表示を行う(ステップS11)。次に、制御部11が、ラ
イブビュー画面上で操作者によって被写体指定がされたかを判断する(ステップS12)。
ここでは、操作検出部11eによってタッチパネル操作部14に対しての操作が検出されたかを判断する。図2(2)のように、操作者による被写体指定の操作があったと判断したら(ステップS12YES)、被写体検出部11dが、そのタイミングでのライブビュー画像の中から、タッチパネル操作部14で指定された被写体、つまりその位置に対応する領域の画像データを抽出する(ステップS13)。
【0069】
さらに、被写体検出部11dは、抽出した画像データから、指定された被写体の種類を決定する(ステップS14)。指定された被写体の種類の判断は、被写体の特徴、例えば、色・形・顔の有無・撮影日時およびこれらの組合せを抽出し、上述したように、プログラムデータ記憶部12に記憶された被写体データベースと対比することで行われる。
【0070】
制御部11は、被写体検出部11dによって被写体の種類が決定できたかを判断する(
ステップS15)。被写体検出部11dによって、被写体の種類が決定できた場合には(
ステップS15YES)、次に、パラメータ選択部11cが被写体の種類に対応する撮影
パラメータを選択する(ステップS16)。パラメータ選択部11cは、用意してある撮
影パラメータの中から、決定された被写体の種類に最も対応するものを選択する。選択の
例としては、前述したように、被写体の種類が「夕日」であれば「夕焼け」の撮影パラメータ、「女性の顔」であれば「女性」の撮影パラメータ、「りんご」であれば「料理」の撮影パラメータのような選択である。
【0071】
表示制御部18は、選択された撮影パラメータに対応するパラメータ変更情報をプログラムデータ記憶部12から読み出して、読み出したパラメータ変更情報をライブビュー画像に重畳して表示させる(ステップS17)。表示の態様に応じて、パラメータガイドを単独であるいはパラメータウインドウの中に表示し、また、対応するアイコンや指定された被写体にカーソル等を表示する。図3(1)、図4(3)、図5(1)あるいは図6(2)で示したような表示がなされる。なお、パラメータガイドを図3のように単独で表示するか、あるいは図4や図5のようにパラメータウインドウの中に表示するかは、撮影パラメータの種類に応じて自動的に設定されるようにしてもよいし、予めメニュー画面で選択できるようにしておいてもよい。
【0072】
このパラメータ変更情報が表示された画面で、操作検出部11eが、パラメータガイドに対する変更操作があったかを検出する。操作検出部11eによって、変更操作があったと検出された場合には(ステップS18YES)、表示制御部18は、変更操作に対応してパラメータガイドの調整値の変更内容を表示させる(ステップS19)。さらに、撮影条件設定部11aは、変更された調整値に応じて撮影条件を変更する(ステップS20)。
【0073】
画像処理部17は、変更された撮影条件が画質変更を伴うものであれば、ライブビュー
画像の画質にもその変更を反映させ、変更されたライブビュー画像が表示される(ステッ
プS21)。変更された撮影条件が仮にピントに関する変更であれば撮像部15のフォー
カスレンズを調整し、また、シャッタースピードであればレリーズ操作時の露光制御に反
映させる。
【0074】
制御部11は、上記操作に対応して画質等を変更しながら、パラメータの変更操作を確定する操作があったかを判断する(ステップS25)。確定操作とは、例えば、上述したような 画面に対するダブルクリックである。制御部11は、確定する操作があったと判断した場合には(ステップS25YES)、表示制御部18にパラメータガイドやパラメータウインドのパラメータ変更情報の表示を終了させる(ステップS26)。図3(3)あるいは、図4(4)で示した画面である。その後、ステップS27に進む。なお、ここでは、ステップS25の確定操作がなくても、ステップS18で変更操作があれば撮影条件等の変更は許可される(ステップS20、S21)ことを説明したが、確定操作があった場合にのみ、撮影条件等の変更が許可されるような処理にしても、かまわない。
【0075】
ステップS27以降では、デジタルカメラ1の電源オフ操作がされたか、あるいはレリ
ーズ操作がされたかを判断する。制御部11は、電源オフ操作がされたと判断すると(ス
テップS27YES)、デジタルカメラ1の電源終了処理を行い、このフローは終了する
。電源オフ操作がされないと判断した場合には、制御部11は、レリーズ操作の有無を判
断し、レリーズ操作がされたと判断すると(ステップS28YES)、撮影処理を行い(
ステップS29)、ステップS11に戻る。また、レリーズ操作が行われない場合には(
ステップS28NO)、ステップS29をジャンプしてステップS11に戻る。
【0076】
制御部11は、変更操作を確定する操作がないと判断する場合は(ステップS25NO)、ステップS26をジャンプして、パラメータガイドやパラメータウインド等のパラメータ変更情報の表示をした状態で、ステップS27に進む。ステップS27以降は、説明済みなので省略する。
【0077】
また、ステップS12で被写体が指定されていないと判断された場合(ステップS12NO)にも、ステップS27に進み、電源オフ操作やレリーズ操作の判断を経由して、ステップS11に戻り、被写体が指定されるのを待つ。同様に、被写体が指定されたものの被写体の種類が決定できない場合(ステップS15NO)も、ステップS27に進む。また、ステップ18で変更操作がない場合には(ステップS18NO)、ステップS25に進み、変更操作を確定する操作があったかを判断する(ステップS25)。以降は説明済みなので省略する。
【0078】
図8は、画質パラメータの変更操作の処理を示すフローチャートである。画質パラメータの変更操作の処理は、制御部11、画質条件設定部11b、パラメータ選択部11c、被写体検出部11d、操作検出部11e、表示制御部18等によって実行される。制御部11、パラメータ選択部11c、画質条件設定部11b、パラメータ選択部11c、被写体検出部11d、操作検出部11e、表示制御部18等の一部またはまとめて画質制御装置とも呼ぶ。
【0079】
ここで、デジタルカメラ1は、図示なきメニュー画面で予め、動作モードとして編集モードの中のパラメータ変更モードに設定されているとする。まず、制御部11は、操作者の指示により、例えばインデックス表示画面で、画質編集を行う再生画像を選択する(ステップS40)。
【0080】
制御部11は、選択された画像を記録再生部21によって画像記憶部22から読み出し、圧縮伸長部20によって伸長して表示部19に、再生画像の表示を行う(ステップS41)。
【0081】
次に、制御部11は、再生画面上で操作者によるタッチパネル操作部14への被写体指定がなされ、それが操作検出部11eによって検出されたかを判断する(ステップS42)。図2(2)のような操作者による被写体指定の操作があったと判断したら(ステップS42YES)、被写体検出部11dが、その再生画像の中から、タッチパネル操作部14で指定された位置に対応する領域の画像データを抽出する(ステップS43)。
【0082】
被写体検出部11dは、抽出した画像データから、指定された被写体の種類を決定する
(ステップS44)。指定された被写体の種類の判断は、被写体の特徴、例えば、色・形
・顔の有無・撮影日時およびこれらの組合せを抽出し、上述したように、プログラムデー
タ記憶部12に記憶された被写体データベースと対比することで行われる。
【0083】
制御部11は、被写体検出部11dによって被写体の種類が決定できたかを判断する(
ステップS45)。被写体検出部11dによって、被写体の種類が決定できた場合には(
ステップS45YES)、次に、パラメータ選択部11cが被写体の種類に対応する画質
パラメータを選択する(ステップS46)。パラメータ選択部11cは、用意してある画
質パラメータの中から、決定された被写体の種類に最も対応するものを選択する。選択の
例としては、前述したように、被写体の種類が「夕日」であれば「夕焼け」の画質パラメータ、「女性の顔」であれば女性の画質パラメータ、「りんご」であれば「料理」の画質パラメータ のような選択である。
【0084】
表示制御部18は、選択された画質パラメータに対応するパラメータ変更情報をプログラムデータ記憶部12から読み出して、読み出したパラメータ変更情報を再生画像に重畳して表示させる(ステップS47)。パラメータガイドを単独であるいはパラメータウインドウの中に表示し、また、対応するアイコンや指定された被写体にカーソル等を表示する。図3(1)あるいは図4(3)、図5で示したような表示がなされる。なお、パラメータガイドを図3のように単独で表示するか、あるいは図4や図5のようにパラメータウインドウの中に表示するかは、撮影パラメータの種類に応じて自動的に設定されるようにしてもよいし、予めメニュー画面で選択できるようにしておいてもよい。
【0085】
このパラメータ変更情報が表示された画面で、操作検出部11eが、パラメータガイド
に対する変更操作があったかを検出する。操作検出部11eによって、変更操作があった
と検出された場合には(ステップS48YES)、表示制御部18は、変更操作に対応し
てパラメータガイドの調整値の変更内容を表示させる(ステップS49)。さらに、画質
条件設定部11bは、変更された調整値に応じて画質条件を変更する(ステップS50)
。
【0086】
画像処理部17は、変更された画質条件に応じて画像処理内容を変更し、画像処理が変更された再生画像が表示される(ステップS51)。
【0087】
制御部11は、操作に対応して画質等を変更しながら、パラメータを変更した操作を確定する操作があったかを判断する(ステップS55)。確定操作とは、例えば、画面に対するダブルクリックである。制御部11は、確定する操作があったと判断した場合には(ステップS55YES)、表示制御部18にパラメータガイドやパラメータウインドのパラメータ変更情報の表示を終了させる(ステップS56)。図3(3)あるいは、図4(4)で示した画面である。同時に、変更された画質条件で、記憶部22に保存された当該再生画像に対応する画像データを書き換える(ステップS57)。なお、画質変更された画像を、保存された画像とは別に新たな画像として画像記憶部22に記録させてもよい。
【0088】
ステップS58では、デジタルカメラ1の電源オフ操作がされたかを判断する。制御部
11は、電源オフ操作がされたと判断すると(ステップS58YES)、デジタルカメラ
1の電源終了処理を行い、このフローは終了する。電源オフ操作がされないと判断した場
合には(ステップS58NO)、ステップS40に戻る。
【0089】
制御部11は、変更操作を確定する操作がないと判断する場合は(ステップS55NO
)、ステップS56、57をジャンプして、パラメータガイドやパラメータウインドのパ
ラメータ変更情報の表示をした状態で、上記のステップS58に進む。
【0090】
また、ステップS42で被写体が指定される前(ステップS42NO)は、ステップS
58に進み、電源オフ操作の判断を経由して、電源オフ操作でない場合には(ステップS
58NO)ステップS40に戻る。同様に、被写体が指定されたものの被写体の種類が決
定できない場合(ステップS45NO)も、ステップS58に進む。また、ステップS4
8で変更操作がない場合には(ステップS48NO)、ステップS55に進み、変更操作
を確定する操作があったかを判断する(ステップS55)。以降は、説明済みなので省略
する。
【0091】
以上説明したように、本実施形態によれば、指定した被写体に応じて、撮影時であれば
適切な種類の撮影パラメータ変更画面が表示され、再生時であれば適切な種類の画質パラ
メータ変更画面が表示されるので、操作者は、専門的な知識がなくても、被写体に合わせ
た雰囲気の画像を簡単な操作で得ることができる。
【0092】
なお、制御部11がプログラムデータ記憶部12に格納された操作制御用プログラムを
読み出して実行されることで、上記被写体に応じた撮影パラメータあるいは画質パラメー
タの選択変更が実現されるので、このようなソフトウェア処理に関する制御用プログラム
も本発明となる。また、このような制御用プログラムが記録された記録媒体も本発明とな
る。なお、プログラムを格納する記録媒体としては、フラッシュメモリに限定されるもの
ではなく、CD−ROM、DVD−ROM等の光学記録媒体、MD等の磁気記録媒体、テ
ープ媒体、ICカードなどの半導体メモリであってもよい。
【0093】
上記本実施形態では、処理の実行を、ソフトウェア処理とハードウェア処理の組み合わ
せで説明したが、これに限られるものではなく、その組合わせは選択事項である。
【0094】
また、本実施の形態では、撮影条件制御装置および画質制御装置をデジタルカメラ1に適用した例で説明したが、当然これに限られるものではなく、パソコンのカメラ部や携帯電話のカメラ部等に適用してもよい。また、画質制御装置としては、フォトフレーム(Photo Frame)のような再生専用機に適用してもよい。
【符号の説明】
【0095】
11…制御部、11a…撮影条件設定部、11b…画質条件設定部、11c…パラメータ
設定部、11d…被写体検出部、11e…操作検出部、12…プログラムデータ記憶部、
13…ボタン操作部、14…タッチパネル操作部、15…撮像部、16…SDRAM、1
7…画像処理部、18…表示制御部、19…表示部、20…圧縮伸長部、21…記録再生
部、22…画像記憶部、25…バスライン、40…画面、42…指、50…モードア
イコン、52…選択被写体、54…アイコン、56…カーソル、58…パラメータガイド
、60…調整値、70…パラメータウインドウ、72…パラメータ名称、73…パラメー
タガイド、74…調整値、76…パラメータ名称、77…パラメータガイド、78…調整
値、80…パラメータウインドウ、82…パラメータ名称、84…パラメータガイド、8
6…カーソル、90…パラメータウインドウ、92…パラメータ名称、93…パラメータガイド、94…調整値、96…パラメータ名称、97…パラメータガイド、98…調整値、
a、b、c、d、e、f…操作方向、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に対する操作指示を検出する操作検出部と、
画面に表示されるライブビュー画像の中で上記操作検出部によって被写体が指定されたと検出された場合に、当該指定された被写体の種類を検出する被写体検出部と、
検出された上記被写体の種類に応じた撮影パラメータを選択するパラメータ選択部と、
選択された上記撮影パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示する表示制御部と、
上記撮影パラメータに対する変更指示に応じて、当該撮影パラメータの内容を変更する撮影条件設定部とを備える
ことを特徴とする撮影条件制御装置。
【請求項2】
上記表示制御部は、上記パラメータ変更情報を上記指定された被写体の近傍に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影条件制御装置。
【請求項3】
上記表示制御部は、上記パラメータ変更情報には、撮影パラメータの種類を示すパラメータアイコンを含ませて表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影条件制御装置。
【請求項4】
上記表示制御部は、上記撮影パラメータが複数のパラメータの組合わせで構成される場合に、上記パラメータ変更情報として、上記複数のパラメータがまとめて表示されるパラメータウインドウを表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影条件制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮影条件制御装置を備え、
さらに、上記操作検出部に対する操作者の指示が入力されるタッチパネルが上記ライブ
ビュー画像を表示する表示部に重ねるように設けられる
ことを特徴とするカメラ。
【請求項6】
画面に対する操作指示を検出する操作検出部と、
画面に表示される再生画像の中で上記操作検出部によって被写体が指定されたと検出された場合に、当該指定された被写体の種類を検出する被写体検出部と、
検出された被写体の種類に応じた画質パラメータを選択するパラメータ選択部と、
選択された上記画質パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示
する表示制御部と、
上記画質パラメータに対する変更指示に応じて、当該画質パラメータの内容を変更する画質条件設定部とを備える
ことを特徴とする画質制御装置。
【請求項7】
カメラに搭載されるコンピュータに撮影条件制御用の処理を実行させるプログラムにお
いて、
画面に表示されるライブビュー画像の中で指定された被写体の種類を検出するステップと、
検出した被写体の種類に応じた撮影パラメータを選択するステップと、
選択された上記撮影パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示
するステップと、
上記撮影パラメータに対する変更指示に応じて、当該撮影パラメータの内容を変更するステップを備える
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
画面に対する操作指示を検出する操作検出部と、
画面に表示されるライブビュー画像の中で上記操作検出部によって被写体が指定されたと検出された場合に、当該指定された被写体の種類を検出する被写体検出部と、
検出された上記被写体の種類に応じた撮影パラメータを選択するパラメータ選択部と、
選択された上記撮影パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示する表示制御部と、
上記撮影パラメータに対する変更指示に応じて、当該撮影パラメータの内容を変更する撮影条件設定部とを備える
ことを特徴とする撮影条件制御装置。
【請求項2】
上記表示制御部は、上記パラメータ変更情報を上記指定された被写体の近傍に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影条件制御装置。
【請求項3】
上記表示制御部は、上記パラメータ変更情報には、撮影パラメータの種類を示すパラメータアイコンを含ませて表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影条件制御装置。
【請求項4】
上記表示制御部は、上記撮影パラメータが複数のパラメータの組合わせで構成される場合に、上記パラメータ変更情報として、上記複数のパラメータがまとめて表示されるパラメータウインドウを表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影条件制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮影条件制御装置を備え、
さらに、上記操作検出部に対する操作者の指示が入力されるタッチパネルが上記ライブ
ビュー画像を表示する表示部に重ねるように設けられる
ことを特徴とするカメラ。
【請求項6】
画面に対する操作指示を検出する操作検出部と、
画面に表示される再生画像の中で上記操作検出部によって被写体が指定されたと検出された場合に、当該指定された被写体の種類を検出する被写体検出部と、
検出された被写体の種類に応じた画質パラメータを選択するパラメータ選択部と、
選択された上記画質パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示
する表示制御部と、
上記画質パラメータに対する変更指示に応じて、当該画質パラメータの内容を変更する画質条件設定部とを備える
ことを特徴とする画質制御装置。
【請求項7】
カメラに搭載されるコンピュータに撮影条件制御用の処理を実行させるプログラムにお
いて、
画面に表示されるライブビュー画像の中で指定された被写体の種類を検出するステップと、
検出した被写体の種類に応じた撮影パラメータを選択するステップと、
選択された上記撮影パラメータを変更するためのパラメータ変更情報を上記画面に表示
するステップと、
上記撮影パラメータに対する変更指示に応じて、当該撮影パラメータの内容を変更するステップを備える
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2011−10273(P2011−10273A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85619(P2010−85619)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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