説明

撮影機器

【課題】撮影後のレックビュー表示の表示時間を簡単に変更可能にする。
【解決手段】 撮影機器は、撮像部と、第1の期間において上記撮像部によって得られた撮像画像を表示部に表示すると共に、上記第1の期間に次ぐ第2の期間において、上記表示部における上記撮像画像の表示領域を徐々に縮小すると共に、上記第2の期間中の操作に応じて、上記表示部における上記撮像画像の表示領域を増減させると共に上記第2の期間を可変にする制御部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レックビュー機能を有する撮影機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラなどの撮影機能付き携帯機器(撮影機器)が普及している。この種の撮影機器においては、記録画像を確認するためのレックビュー機能を搭載したものがある。レックビュー機能は、撮像して記録した画像を撮像の直後において所定時間表示させるものである。ユーザはレックビューによって撮影状態を確認することができ、極めて便利である。
【0003】
しかしながら、レックビュー表示のために、撮影直後の所定時間スルー画を表示させることができなくなることから、ユーザがレックビューの表示時間を短縮させたい場合がある。逆に、ユーザが撮影画像を十分な時間をかけて確認したい場合等、レックビューの表示時間を延長させたい場合もある。
【0004】
そこで、レックビューの表示時間を設定可能に構成された撮影機器もある。しかしながら、このような撮影機器では、レックビュー表示が行われる前にレックビュー表示時間の設定変更操作が必要であり、操作が煩雑である。レックビュー表示後にレックビュー表示時間の設定を変更する技術として、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1においては、カメラの傾きによってレックビュー表示を終了させる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−286986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、レックビュー表示の表示を消すために必ずカメラを傾ける必要があり、必ずしも操作性に優れていない。また、特許文献1の技術では、所定時間後に自動的にレックビュー表示を消すことも可能であるが、この設定を行った場合には、レックビュー表示を更に延長し表示させることはできない。
【0007】
本発明は、撮影後のレックビュー表示の表示時間を簡単に変更することができる撮影機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る撮影機器は、撮像部と、第1の期間において上記撮像部によって得られた撮像画像を表示部に表示すると共に、上記第1の期間に次ぐ第2の期間において、上記表示部における上記撮像画像の表示領域を徐々に縮小すると共に、上記第2の期間中の操作に応じて、上記表示部における上記撮像画像の表示領域を増減させると共に上記第2の期間を可変にする制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、撮影後のレックビュー表示の表示時間を簡単に変更することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮影機器の回路構成を示すブロック図。
【図2】レックビュー制御部11cの制御の一例を説明するための説明図である。
【図3】レックビュー制御部11cの制御の一例を説明するための説明図である。
【図4】第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】図4中のタッチ判定の具体的な処理を示すフローチャート。
【図6】横軸に時間をとり縦軸にレックビュー画像の表示左端の画面上の位置をとって、タッチ判定における判定結果を説明するためのグラフ。
【図7】第2の実施の形態に係る撮影機器の外観を示す斜視図。
【図8】第2の実施の形態におけるレックビュー表示を説明するための説明図である。
【図9】第2の実施の形態におけるレックビュー表示を説明するための説明図である。
【図10】第2の実施の形態におけるレックビュー表示を説明するための説明図である。
【図11】第2の実施の形態におけるレックビュー表示を説明するための説明図である。
【図12】第2の実施の形態におけるレックビュー表示を説明するための説明図である。
【図13】第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図14】第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る撮影機器の回路構成を示すブロック図である。
【0013】
撮影機器10は、CCDやCMOSセンサ等の撮像素子によって構成された撮像部2を有している。撮影機器10の前面に設けた図示しない撮影レンズを含む光学系からの被写体の光学像は、撮像部2を構成する撮像素子の撮像面に結像するようになっている。この撮像部2は、信号処理及び制御部11によって駆動制御される。信号処理及び制御部11は、撮像部2に撮像素子の駆動信号を出力すると共に、撮像素子が光学像を光電変換して得た画像信号を取り込む。
【0014】
信号処理及び制御部11は、撮像素子の光電変換によって得られた画像信号に対して、所定の信号処理、例えば、色信号生成処理、マトリックス変換処理、その他各種のデジタル処理を行う。信号処理及び制御部11は、画像信号及び音声信号等の記録に際して、符号化処理を施して圧縮した画像情報及び音声情報等を出力することもできるようになっている。
【0015】
また、撮影機器10には、操作判定部3、時計部4、タッチパネル8も配設されている。時計部4は信号処理及び制御部11が用いる時間情報を発生する。操作判定部3は、撮影機器10に設けられた撮影開始終了ボタンや撮影モード設定等の図示しない各種スイッチに対するユーザ操作に基づく操作信号を発生して、信号処理及び制御部11に出力するようになっている。タッチパネル8は、ユーザのタッチ操作に基づく操作信号を発生して、信号処理及び制御部11に出力するようになっている。信号処理及び制御部11は、操作信号に基づいて、各部を制御する。
【0016】
また、撮影機器10には、表示制御部11a及び記録再生制御部11bが設けられている。記録再生制御部11bは、信号処理及び制御部11からの画像情報及び音声情報を記録部9に与えて記録することができるようになっている。記録部9は記録再生制御部11bに制御されて、記録及び再生を行う。記録部9としては、例えばカードインターフェースを採用することができ、記録部9はメモリカード等の記録媒体に画像情報及び音声情報等を記録可能である。また、記録部9は、記録媒体に記録された画像情報及び音声情報を読み出して信号処理及び制御部11の記録再生制御部11bに供給することができる。信号処理及び制御部11は、記録再生制御部11bによって再生された記録部9からの画像情報及び音声情報を復号化して、画像信号及び音声信号を得ることができるようになっている。
【0017】
表示制御部11aは、撮像部2からの撮像画像や記録再生制御部11bからの再生画像を表示部6に与えて、これらの画像を表示させるようになっている。また、表示制御部11aは、撮影機器10の操作を行うためのメニュー表示等を表示部6に表示させることもできるようになっている。表示部6は、撮影機器10の本体の例えば背面に設けられており、撮影者は、撮影時に表示部6の表示画面を視認可能になっている。表示部6としては、LCDパネル等を採用可能である。
【0018】
この表示部6の表示画面上にタッチパネル8を配設することも可能である。タッチパネル8は、ユーザが指で指し示した位置に応じた操作信号を発生する。タッチパネル8を表示部6の表示画面上に設けた場合には、ユーザは、表示部6の表示画面上に表示された各種コマンドボタンを、タッチパネル8により指示することができる。これにより、タッチパネル8は表示部6の表示画面上に表示された各種コマンドボタンに対応した操作信号を信号処理及び制御部11に出力することができる。
【0019】
本実施の形態においては、信号処理及び制御部11には、レックビュー制御部11cが設けられている。レックビュー制御部11cは、撮影直後において信号処理及び制御部11によって撮像部2から取り込まれて画像処理された撮像画像を、レックビュー画像として表示部6の表示画面上に表示させるレックビュー表示を行う。レックビュー制御部11cは、レックビュー表示を終了する場合には、レックビュー画像を表示画面から徐々に消去することで、ユーザにおいてレックビュー表示が終了しようとしていることを認識させると共に、レックビュー表示が終了する前に所望の操作をユーザさせる余裕を与えるようになっている。
【0020】
レックビュー制御部11は、レックビュー画像を表示画面上から完全に消去するのに要する時間、即ち、レックビュー画像の消去処理開始から消去処理完了までの時間(以下、消去処理期間という)を、ユーザによる操作が可能な十分な時間に設定する。レックビュー制御部11cは、消去処理期間において、レックビュー表示を変化させることで、消去処理期間が始まったことをユーザに認識させるようになっている。例えば、レックビュー制御部11cは、消去処理期間が始まるとレックビュー画像をスライドさせる。
【0021】
図2及び図3はレックビュー制御部11cの制御の一例を説明するための説明図である。図2は撮影及びレックビュー表示時の操作の様子を示し、図3は図2に対応した画面表示を示している。図2(a)及び図3(a)は、撮影時の状態を示している。図2(a)では、ユーザ21が撮影機器10を把持し、フォーカスレンズ23を調節しながらピントを合わせて、花の被写体22を撮影する様子を示している。図3(a)は図2(a)の撮影時に表示されるスルー画を示している。表示部6の表示画面7上には、被写体である花の画像25を含むスルー画26が表示されている。
【0022】
撮影が行われると、レックビュー制御部11cは、撮像画像をレックビュー画像として表示画面7に表示する。図3(b)は、表示画面7上のレックビュー表示を示しており、図2(b)はこのレックビュー表示を確認するユーザの様子を示している。図3(b)においては、表示画面7の全域にレックビュー画像28が表示されている。また、レックビュー制御部11cは、撮影画像を記録せずに削除するためのコマンドに対応するコマンドボタン表示29を表示画面7上に表示させている。
【0023】
レックビュー表示の開始から所定時間が経過すると、レックビュー制御部11cは、消去処理期間に移行する。図3(c1)はこの場合の表示の変化を示しており、表示画面7上のレックビュー画像28は、画面右側に移動することを示している。図3(c1)中の縦線29から右側がレックビュー画像28であり、縦線29から左側はレックビュー表示以外の表示、例えば、スルー画30を表示するライブビュー表示が行われていることを示している。なお、図3(c2)では、スルー画30として、現在撮像部2によって撮影されている被写体の画像25’が表示されていることを示している。また、図3(c1)では、レックビュー画像を記録部9において記録中であることを示す「記録中」の表示も表示されている。
【0024】
レックビュー制御部11cは、レックビュー画像28をスライドさせ、消去処理期間中においてユーザ操作が発生しなければ、レックビュー画像28を表示画面27から消去してレックビュー表示を終了する。消去処理期間中において、ユーザ操作が発生すると、レックビュー画像28が表示画面上から消去されないように、レックビュー画像28のスライドを停止させ、或いはスライド方向を反転させてレックビュー画像を表示画面の全域に表示させる。
【0025】
レックビュー制御部11cは、消去処理期間中に、表示画面7上に配置されたタッチパネル8に対する操作を受け付けることができる。図2(c)はユーザ21が表示画面7上を左手24でタッチ操作している様子を示している。レックビュー制御部11cは、ユーザ21の表示画面27上における操作位置に応じた処理を行うことも可能である。例えば、レックビュー制御部11cは、レックビュー表示の境界である縦線29を境にして、ユーザ21が縦線29の右側のレックビュー画像28上をタッチすることでレックビュー画像28の表示領域を広げ、ユーザ21が縦線29の左側の領域をタッチすることで、レックビュー画像28を直ちに消去させてレックビュー表示を終了させるようにすることができる。なお、レックビュー制御部11cは、例えば、ユーザ21がタッチパネル8上において指をスライドさせる方向に応じて、レックビュー画像28及びスルー画30のスライド方向を決定するようにしてもよい。
【0026】
このように、レックビュー制御部11cは、消去処理期間において徐々にレックビュー画像を表示画面上から消去するようになっており、レックビュー表示の時間を短縮又は延長するユーザ操作を受け付ける時間的な余裕をユーザに与えることが可能である。また、受け付けたユーザ操作によって、レックビュー画像の拡大縮小及びレックビュー表示時間の延長短縮が可能である。
【0027】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図4のフローチャートを参照して説明する。
【0028】
撮影機器10の電源がオンになると、図4のステップS1において、信号処理及び制御部11は撮影モードが指示されたか否かを判定する。撮影モードが指示されていない場合には、信号処理及び制御部11は、ステップS2において、再生モードが指示されたか否かを判定する。再生モードが指示されると、信号処理及び制御部11は、ステップS3において、サムネイルの一覧表示を行う。サムネイル一覧を参照したユーザによる画像の選択が行われると、ステップS4からステップS5に処理を移行して、信号処理及び制御部11は選択画像の再生を行う。ファイル選択が行われない場合には、ステップS6において再生モードの終了を判定する。
【0029】
一方、撮影モードが指示されると、信号処理及び制御部11は、ステップS11において、撮像部2からの画像信号に基づいて、表示部6に撮像画像(スルー画)をライブビュー表示させる。この状態でユーザがピント合わせのためにレンズを操作すると、ステップS12から処理をステップS14に移行してマニュアルフォーカスが行われる。レンズ操作が行われない場合には、ステップS13において自動フォーカスが行われる。次にステップS15において、撮影操作が行われたか否かが判定される。
【0030】
例えばレリーズボタン操作等によって撮影が指示されると、信号処理及び制御部11は、ステップS16において撮影を行う。信号処理及び制御部11は、撮像部2からの撮像画像に対して所定の信号処理を施して撮像画像を生成する。レックビュー制御部11cは、ステップS21において、信号処理及び制御部11によって生成された撮像画像を用いたレックビュー表示を開始する。これにより、表示部6の表示画面の全域に撮像画像がレックビュー画像として表示される。
【0031】
レックビュー制御部11cは、時計部4からの時刻情報を用いて、レックビュー表示を制御する。例えば、レックビュー制御部11cは、レックビュー表示の開始時刻にレックビュー表示の表示時間tを初期化する。レックビュー制御部11cは、レックビュー表示の開始から消去処理開始までの時間(以下、レックビュー設定時間という)を所定の設定値又はユーザの設定操作に基づく時間に設定する。図4は、レックビュー設定時間として2秒が設定された例を示している。
【0032】
レックビュー制御部11cは、ステップS22において、レックビュー表示の開始時刻からレックビュー設定時間が経過するまでに、レックビュー表示上の削除コマンドボタンの操作が行われたか否かを判定する。レックビュー制御部11cは、タッチパネル8からの操作信号によって削除コマンドボタンがタッチされたことを検出すると、ステップS29においてレックビュー表示を終了する。
【0033】
レックビュー制御部11cは、表示時間tがレックビュー設定時間(2秒間)を超えたことを検出すると(ステップS23)、処理をステップS24に移行して、レックビュー表示の消去処理を開始する。例えば、レックビュー制御部11cは、表示部6の表示画面上においてレックビュー画像を左右方向にシフトさせ、レックビュー画像部分以外の部分に他の画像、例えば撮像部2からのスルー画をライブビュー表示させる。レックビュー画像は、消去処理期間に応じたシフト速度で表示画面上をシフトする。消去処理期間は、レックビュー制御部11cによって所定の設定値又はユーザの設定操作に基づく時間に設定される。
【0034】
レックビュー制御部11cは、消去処理期間においてユーザによって何らかの操作、例えば画面をタッチする操作が行われなければ、処理をステップS25からステップS30に移行して、レックビュー表示を終了した後、画像ファイル化を行う。即ち、信号処理及び制御部11は、レックビュー表示していた撮像画像を符号化して画像ファイル化した後、記録部9に与えて記録する。
【0035】
消去処理期間が開始されると、レックビュー制御部11cはステップS26において何らかの操作、例えば、画面タッチが行われたか否かの判定を行う。
【0036】
図5は図4中のタッチ判定の具体的な処理を示すフローチャートである。図5のステップS41において、レックビュー制御部11cは、ユーザが画面上のいずれの位置をタッチしたかのタッチ位置判定を行う。表示部6上に配設されたタッチパネル8からの操作信号によって、レックビュー制御部11cはユーザによるタッチ位置を判定することができる。
【0037】
次に、レックビュー制御部11cは、消去処理開始からの時間とタッチ位置とに基づいて、ユーザがいずれの処理を希望しているかを判定する。図6は横軸に時間をとり縦軸にレックビュー画像の表示左端の画面上の位置をとって、タッチ判定における判定結果を説明するためのグラフである。なお、図6の縦軸は、画面左端を基準にして画面右端を最大値Xrとなるように示している。
【0038】
レックビュー制御部11cが、消去処理期間においてレックビュー画像を右側にシフトさせるものとすると、レックビュー画像の表示左端の画面上の位置は、図6の太線に示すように変化する。即ち、レックビュー画像の表示左端の画面上の位置Xtは、レックビュー設定時間である2秒後から、画面の右側にシフトを始める。この位置Xtは、単位時間当たりの変化量をaとし、図6の時間0における切片の値をXsとすると、Xt=a・t−Xsによって与えられる。
【0039】
従って、タッチパネル8の操作信号によって与えられる画面水平方向の位置情報を図6の0〜Xrに変換し、変換後の値Xと位置Xtとを比較することによって、ユーザのタッチ位置がレックビュー画像の左端よりも右側即ちレックビュー画像上であるか、左側即ちレックビュー画像以外の画像上であるかを判定することができる。
【0040】
レックビュー制御部11cは、X>a・t−Xsの場合には、ユーザがレックビュー画像の左端よりも右側の位置、即ち、レックビュー画像領域をタッチしたものと判定する(ステップS44)。逆に、X≦a・t−Xsの場合には、ユーザがレックビュー画像の左端よりも左側の位置、即ち、レックビュー画像以外の画像領域、例えばライブビュー表示によるスルー画の表示上をタッチしたものと判定する(ステップS43)。
【0041】
レックビュー制御部11cは、図4のステップS27において、ユーザがスルー画上をタッチしたか否かによって処理を分岐する。レックビュー制御部11cは、スルー画上をタッチしたものと判定した場合には、処理をステップS30に移行して、レックビュー表示を終了する。信号処理及び制御部11は、レックビュー表示の元となった撮像画像を符号化してファイル化する(ステップS31)。
【0042】
レックビュー制御部11cは、図4のステップS28において、ユーザがレックビュー画像上をタッチしたか否かに基づいて処理を分岐する。レックビュー制御部11cは、レックビュー画像上をタッチしたものと判定した場合には、処理をステップS21に移行して、表示時間tを初期化した後、レックビュー表示を再開する。即ち、この場合には、表示画面の全域にレックビュー画像が表示される。
【0043】
こうして、ステップS25においてレックビュー画像の消去完了と判定されるまで、レックビュー表示が継続される。信号処理及び制御部11は、ステップS32において、電源オフ操作が行われた否かを判定する。電源オフ操作が行われていない場合には、信号処理及び制御部11は、処理をステップS1から処理を繰り返す。電源オフ操作が行われた場合には、信号処理及び制御部11は電源をオフにする(ステップS33)。
【0044】
このように本実施の形態においては、撮影直後に表示されるレックビュー画像を、レックビュー設定時間の終了の後、表示画面から徐々に消去するようになっている。この消去処理期間が設けられていることから、操作のための時間的な余裕が生じ、ユーザは簡単にレックビュー表示の延長又は短縮操作を行うことができる。また、レックビュー表示領域に対する操作によって、簡単にレックビュー表示の継続を指示することができる。また、レックビュー表示上に削除コマンドボタンを表示させることで、レックビューの元となった撮像画像を消去する指示を行うことも可能である。更に、画面上のレックビュー画像をシフトさせ、レックビュー画像の非表示領域にスルー画を表示させ、いずれの表示領域上をユーザが操作したかに応じて、レックビュー表示を継続するか、スルー画を表示させるかを簡単に選択操作することが可能である。なお、スルー画に代えて他の画像を表示し、他の画像に対応した処理を実行させるようにすることも可能である。
【0045】
(第2の実施の形態)
図7乃至図14は本発明の第2の実施の形態に係り、図7は第2の実施の形態に係る撮影機器の外観を示す斜視図である。また、図8乃至図12は本実施の形態におけるレックビュー表示を説明するための説明図である。
【0046】
本実施の形態はレックビュー表示の表示方法が第1の実施の形態と異なるのみであり、ハードウェア構成は図1と同様である。撮影機器10は背面に表示部6が取り付けられており、ユーザは、撮影時等において、表示部6の表示画面7を視認可能に構成されている。
【0047】
図8は撮影直後におけるレックビュー表示を示しており、表示画面7の略全域にレックビュー画像41が表示されている。表示画面7の左下端部には、ライブビュー表示によるスルー画42が表示されている。なお、ライブビュー表示は、撮像部2が撮像中の撮像画像を表示画面上に表示するものである。
【0048】
図8の例では、レックビュー制御部11cは、表示画面7の左下の矩形領域に、スルー画42を表示するようになっており、このスルー画42の表示によって、レックビュー画像の左下の部分に欠けが生じる。
【0049】
即ち、本実施の形態においては、レックビュー制御部11cは、レックビュー表示中の一部の領域にライブビュー表示を行う。例えば、レックビュー制御部11cは、レックビュー画像41が見にくくならないように、且つ、スルー画42の確認が可能なように、例えば、表示画面7の面積の4%の領域にスルー画42を表示させるようになっている。
【0050】
なお、図8では表示画面7の左下にスルー画を表示する領域を設けたが、表示画面7上のいずれ位置にライブビュー表示の領域を設けてもよい。例えば、表示画面7の4隅の矩形領域をライブビュー表示の表示領域とすることができる。
【0051】
本実施の形態においても、レックビュー制御部11cは、レックビュー設定時間終了の後、レックビュー画像を表示画面から徐々に消去するようになっており、レックビュー画像の消去処理開始から消去処理完了までの消去処理期間を、ユーザによる操作が可能な十分な時間に設定するようになっている。
【0052】
この場合において、レックビュー制御部11cは、図9に示すように、消去処理期間において、スルー画42を表示するライブビュー表示領域を次第に大きくするようになっている。図9では、表示画面7の面積の4%、9%、16%、…、81%、100%とライブビュー表示の表示領域のサイズを段階的に変化させる例を示している。ライブビュー表示の表示領域が表示画面7の100%に到達することにより、レックビュー画像41が表示画面7から完全に消去されて、レックビュー表示が終了する。
【0053】
本実施の形態においても、レックビュー制御部11cは、消去処理期間において、ユーザの操作を受け付け、ユーザ操作に基づいてレックビュー表示の短縮及び延長を行うことができる。図10乃至図12はレックビュー表示の短縮及び延長のための操作の一例を示している。
【0054】
図10はユーザが親指45によって表示画面7上をタッチした状態(以下、タッチ状態という)を示している。レックビュー制御部11cは、レックビュー表示期間のレックビュー設定時間内において図10のタッチ状態を検出すると、タッチ状態の期間はレックビュー設定時間を延長する。また、レックビュー制御部11cは、レックビュー表示期間の消去処理期間において図10のタッチ状態を検出すると、タッチ状態の期間はライブビュー表示の拡大(レックビュー画像の縮小)を停止する。
【0055】
図11はユーザが親指45を表示画面7上の中央部分から右斜め上方向にスライドした状態(以下、右上スライド状態という)を示している。レックビュー制御部11cは、レックビュー表示期間において図11の右上スライド状態を検出すると、ライブビュー表示を拡大する速度を高速にするか又はライブビュー表示を表示画面7の全域に表示してレックビュー表示を終了させる。
【0056】
図12はユーザが親指45を表示画面7上の右上端部から中央部分に向かって左斜め下方向にスライドした状態(以下、左下スライド状態という)を示している。レックビュー制御部11cは、レックビュー表示期間のレックビュー設定時間内において図12の左下スライド状態を検出すると、レックビュー設定時間を延長する。また、レックビュー制御部11cは、レックビュー表示期間の消去処理期間において図12の左下スライド状態を検出すると、ライブビュー表示を縮小(レックビュー画像の表示領域の増加)させる。
【0057】
なお、図10乃至図12の操作法は一例であり、また、図10乃至図12の操作によるレックビュー表示の表示処理も上述した説明以外の処理であってもよい。
【0058】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図13及び図14のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
図13に示すカメラ制御においては、先ずステップS51においてシャッターボタンが半押しされたか否かが検出される。信号処理及び制御部11は、シャッターボタンが半押しされたことを検出すると、ステップS52において自動フォーカス制御を行い、ステップS53において自動露出を行う。
【0060】
信号処理及び制御部11は、ステップS54において、シャッターボタンが離されたか否かを検出する。ユーザがシャッターボタンを離した場合には、ステップS51乃至S53の処理を繰り返す。シャッターボタンが全押しされると、信号処理及び制御部11はステップS55から処理をステップS56に移行して露光を行う。次いで、信号処理及び制御部11は、ステップS57において、撮像部2から撮像信号の読出しを行う。
【0061】
次に、信号処理及び制御部11は、読出した撮像信号に対して所定の信号処理を行って撮像画像を生成する。信号処理及び制御部11は、生成した撮像画像を符号化した後、記録再生制御部11bによって記録部9に記録させる(ステップS58)。また、信号処理及び制御部11は、レックビュー制御部11cによってレックビュー表示を表示部6の表示画面7上に表示させる(ステップS59)。
【0062】
図14は本実施の形態におけるレックビュー表示の制御を示している。ステップS61において、レックビュー制御部11cは、生成した撮像画像をレックビュー画像として表示部6の表示画面7に表示させる。更に、レックビュー制御部11cは、ステップS62において、撮像部2からのスルー画をライブ表示として表示部6の表示画面7の一部の領域に表示する。これにより、例えば、図8に示すように、表示画面7の4隅の一角にライブビュー表示によるスルー画42が表示され、表示画面7の略全域にレックビュー画像41が表示される。
【0063】
次に、レックビュー制御部11cは、レックビュー設定時間、消去処理期間及びライブビュー表示サイズの変更を制御するための時間を計測するために、時計部4のタイマーをスタートさせる。次に、レックビュー制御部11cは、ステップS64において、表示画面7上に配設されたタッチパネル8がタッチされたか否かを判定する。
【0064】
いま、例えば、ユーザがシャッターボタンを全押しして撮影を行った後、表示画面7をタッチしないものとする。この場合には、レックビュー制御部11cは、処理をステップS65に移行し、レックビュー設定時間(例えば2秒間)に到達したか否かを判定する。ライブビュー表示の開始からレックビュー設定時間が経過するまで表示画面7がタッチされない場合には、処理はステップS66に移行して、消去処理期間が開始される。
【0065】
レックビュー制御部11cは、先ず消去処理期間の計測時間を初期化する。次いで、レックビュー制御部11cは、ライブビュー表示のサイズを1段階拡大する。これにより、レックビュー表示は、図9に示すように、ライブビュー表示によるスルー画42のサイズが表示画面7の9%のサイズまで拡大され、その分レックビュー画像41の左下の部分に欠けが生じる。
【0066】
次のステップS68において、レックビュー制御部11cは、ライブビュー表示が最大のサイズ、即ち、表示画面の全域に表示されたか否かを判定する。ライブビュー表示サイズが最大に到達していない場合には、処理をステップS64に戻す。
【0067】
ユーザにより表示画面7がタッチされない場合には、ステップS64〜S68の処理が繰り返される。ステップS65では、段階的なライブビュー表示サイズの拡大を行うまでの時間が経過したか否かが判定される。例えば、消去処理期間として、ユーザがレックビュー表示が終了しようとすることを確認すると共に、レックビュー表示が完全に終了するまでの間にレックビュー表示の延長や短縮操作が可能なように、3.5秒間が設定されているものとする。この場合において、図9の例のように、ライブビュー表示サイズを9段階で切換えるものとすると、各段階のサイズ切換を行うための時間として、ステップS65においてはステップS66の初期化から0.5秒経過したか否かを判定すればよい。なお、消去処理期間は、第1の実施の形態と同様に、ユーザによって設定変更可能であり、例えば、1秒から20秒まで0.5秒単位で設定可能にする。
【0068】
ステップS64〜S68の処理が繰り返されることにより、ライブビュー表示サイズは最大となり、レックビュー画像42が表示画面7から完全に消去されて、ライブビュー表示が終了する。
【0069】
次に、ライブビュー表示期間において、ユーザが表示画面7をタッチするものとする。この場合には、処理がステップS64からステップS71に移行して、計測時間が初期化される。次に、レックビュー制御部11cは、ステップS72においてユーザがタッチした表示画面7上の座標値を取得し、ステップS73において、タッチした指等が表示画面7上をスライドしたか否かを判定する。レックビュー制御部11cは、例えば、0.1秒間の座標値の差からスライドの有無を検出することができる。更に、レックビュー制御部11cは、ステップS74において、スライド量が基準量以上であったか否かを判定する。
【0070】
ユーザが表示画面7をスライドすることなくタッチした場合、又はスライド量が基準量よりも小さい場合には、処理がステップS64に移行する。ユーザが表示画面7をタッチし続ける限り、処理はステップS64,S71〜S74を繰り返し、レックビュー表示は変化しない。ユーザが表示画面7から指を離すと、処理がステップS64からステップS65に移行して、ステップS71の初期化からの時間が、段階的なライブビュー表示サイズの拡大を行うまでの時間に到達したか否かが判定され、上述した処理が繰り返される。
【0071】
ここで、ユーザが表示画面7上を基準量以上のスライド量でスライドさせるものとする。この場合には、処理がステップS74からステップS75に移行して、レックビュー制御部11cは、スライド方向がライブビュー表示を拡大する方向に対応しているか否かを判定する。スライド方向がライブビュー表示を拡大する方向に対応している場合には、レックビュー制御部11cは、処理をステップS76に移行して、スライド量に応じた段階だけライブビュー表示サイズを拡大する。例えば、段階数をNとして、N=スライド量/基準量とする。基準量を図9の1段階の実際のサイズに設定することにより、指を動かした量に相当する段階だけ、ライブビュー表示サイズを拡大することができる。
【0072】
スライド方向がライブビュー表示を縮小する方向に対応している場合には、レックビュー制御部11cは、処理をステップS77に移行して、スライド量に応じた段階だけライブビュー表示サイズを縮小する。例えば、段階数をNとして、N=スライド量/基準量とする。基準量を図9の1段階の実際のサイズに設定することにより、指を動かした量に相当する段階だけ、ライブビュー表示サイズを縮小することができる。
【0073】
このように、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の効果が得られると共に、表示画面をタッチする操作、スライドする操作に応じて、ライブビュー表示サイズを変更することが可能である。
【0074】
なお、上記各実施の形態においては、撮影機器の本体に設けた表示部にレックビュー表示を行う例について説明したが、撮影機器の外付け部品であるビューファインダー等にレックビュー表示を行うようにしてもよいことは明らかである。
【符号の説明】
【0075】
3…操作判定部、4…時計部、10…撮影機器、11…信号処理及び制御部、11a…表示制御部、11b…記録再生制御部、11c…レックビュー制御部、6…表示部、8…タッチパネル、9…記録部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
第1の期間において上記撮像部によって得られた撮像画像を表示部に表示すると共に、上記第1の期間に次ぐ第2の期間において、上記表示部における上記撮像画像の表示領域を徐々に縮小すると共に、上記第2の期間中の操作に応じて、上記表示部における上記撮像画像の表示領域を増減させると共に上記第2の期間を可変にする制御部と
を具備したことを特徴とする撮影機器。
【請求項2】
上記制御部は、上記第2の期間において、上記表示部における上記撮像画像の表示領域以外の領域に、上記撮像部が取得中の取得中撮像画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の撮影機器。
【請求項3】
上記制御部は、上記第2の期間中の操作が、上記撮像画像の表示領域とそれ以外の領域とのいずれの領域を指定する操作かに応じて、上記表示部における上記撮像画像の表示領域の増減及び上記第2の期間の延長短縮を決定することを特徴とする請求項2に記載の撮影機器。
【請求項4】
上記制御部は、上記第2の期間中の操作が上記表示部をスライドさせながらタッチする操作である場合において、スライド方向に応じて、上記表示部における上記撮像画像の表示領域の増減及び上記第2の期間の延長短縮を決定することを特徴とする請求項2に記載の撮影機器。
【請求項5】
撮像部と、
上記撮像部によって得られた撮像画像を表示部の略全域に表示する第1の表示モードと、上記撮像画像を上記表示部の一部に表示する第2の表示モードと、上記撮像部によって取得中の撮像画像を上記表示部に表示する第3の表示モードとを切り替える制御部と、
を具備したことを特徴とする撮影機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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