説明

撮影装置及びその制御方法、画像処理装置およびその制御方法

【課題】 表示に適した中間解像度の表示画像を同一の画像ファイルに記録しておき、表示の際に利用可能となる一方、撮影画像は用途や使用者の指定に応じて低い解像度が選択される場合がある。この場合、記録媒体の消費を抑えようとして撮影解像度を低く設定した場合は、中間解像度の表示画像のほうが高解像度になってしまう場合がある。
【解決手段】 中解像度画像を、撮影画像とサムネイル画像と共に1ファイルに記録する記録手段と、撮影手段により取得する画像の解像度を設定する設定手段と、設定手段で設定された解像度が、中解像度画像の解像度よりも小さくなる場合には、記録手段は、中解像度画像を前記ファイルに含めないように制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像データおよびその縮小画像を扱う撮像装置や画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来デジタルカメラ等の画像処理装置においては画像解像度が増えるにつれ、再生のための画像の読み出しや伸張の処理時間が大幅に増加していた。この課題を解決するため、特許文献1のように表示に適した中間解像度の表示画像を同一の画像ファイルに記録する技術が知られている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−072229
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、表示機器が高解像となる中、表示画像は表示機器に合わせた一定の解像度以上が望ましい一方、撮影画像は用途や使用者の指定に応じて低い解像度が選択される場合がある。こういった場合、例えば記録媒体の消費を抑えようとして撮影解像度を低く設定した場合でも、この設定よりも高解像度の表示画像を記録してしまうことになる。
【0005】
この場合には、そもそもそれほど大きな画像を必要としていない設定にかかわらず、使用者が望む解像度の画像よりも大きな画像が記録されてしまい、記録媒体を無駄に消費してしまう恐れがある。
【0006】
また編集処理により画像データを縮小処理などして、表示用に記録していた画像よりも小さくなってしまった場合にも、表示用の解像度画像は不要であろう。
【0007】
本発明は以上のような問題を解決するために、再生画像の付与の有無を適切に行うことを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため本発明では、撮影画像および当該撮影画像に対応する小画像であるサムネイル画像を作成する撮影装置において、撮影画像を縮小して、撮影画像の解像度よりも小さく、且つ前記サムネイル画像の解像度よりも大きな中解像度画像を作成する作成手段と、作成手段で作成した中解像度画像を、撮影画像とサムネイル画像と共に1ファイルに記録する記録手段と、撮影手段により取得する画像の解像度を設定する設定手段と、設定手段で設定された解像度が、中解像度画像の解像度よりも小さくなる場合には、記録手段は、中解像度画像を前記ファイルに含めないように制御することを特徴とする。
【0009】
また、上記の課題を解決するため本発明では、記録媒体に、画像データおよび当該画像データに対応する小画像であるサムネイル画像、および、画像データの解像度よりも小さく、且つ前記サムネイル画像の解像度よりも大きな中解像度画像とが1ファイルとして記録されており、当該画像データを編集することが可能な画像処理装置において、
画像データに対して縮小またはトリミング行う場合の、処理後の画像データの解像度を設定する設定手段と、設定手段で設定された解像度が、中解像度画像の解像度よりも小さくなる場合には、ファイル中に記録されている前記中解像度画像を削除する制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮影画像とサムネイル画像の他に、表示等に利用可能な中解像度画像を1ファイルに記録する場合に、撮影画像の解像度に応じて中間解像度の画像を適切に付与することが可能となる。そして、中解像度画像をむやみに記録してしまわないように制御することで、記録容量を無駄に増加させることを防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態による撮像装置の一例としてのデジタルカメラの外観図である。
【図2】実施形態によるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図3】デジタルカメラ100の全体的な動作を示すフローチャートである。
【図4】デジタルカメラ100の静止画記録モードにおける一連の処理を示すフローチャートである。
【図5】撮影処理および編集処理における、記録処理を示すフローチャートである。
【図6】記録媒体200に記録された静止画ファイルの構成例を示す図である。
【図7】デジタルカメラ100の再生処理を示すフローチャートである。
【図8】再生処理における、画像なし時の処理を示すフローチャートである。
【図9】再生処理における、再生入力待ちの処理を示すフローチャートである。
【図10】再生処理における、画像編集処理を示すフローチャートである。
【図11】デジタルカメラ100のファイル解析処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施例1)
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。尚、以下に説明する実施形態では、本発明による装置、方法を静止画像と動画との撮影が可能なデジタルカメラである撮像装置に適用した場合を例にして説明する。
【0013】
[デジタルカメラの構成について]
図1は実施形態によるデジタルカメラの外観図である。図1において、28は表示部であり、画像や各種情報を表示する。72は電源スイッチであり、電源オン、電源オフを切り替える。61はシャッターボタンである。60はモード切替スイッチであり、デジタルカメラ100における各種モードを切り替える。より具体的には、静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のモードの切り替えが可能である。111は接続ケーブルであり、デジタルカメラ100と外部機器を接続する。112はコネクタであり、接続ケーブル111とデジタルカメラ100とを接続する。113は接続ケーブルであり、デジタルカメラ100と外部機器を接続する。112はコネクタであり、接続ケーブル111とデジタルカメラ100とを接続する。
【0014】
70は操作部であり、ユーザからの各種操作を受け付ける。操作部70は図示の各種ボタンや、画像表示部28の画面上に設けられたタッチパネル等の操作部材を有する。操作部70の各種ボタンとは、具体的に例示すると、消去ボタン、メニューボタン、SETボタン、十字に配置された4方向ボタン(上ボタン、下ボタン、右ボタン、左ボタン)、ホイール73等である。200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。201は記録媒体スロットであり、記録媒体200を格納する。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルカメラ100との通信が可能となる。202は記録媒体スロット201の蓋である。
【0015】
図2は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。図2において、103は撮影レンズ、101は絞り機能を備えるシャッター、22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像部である。23はA/D変換器であり、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する場合や、音声制御部11から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する場合に用いられる。102はバリアであり、デジタルカメラ100の、レンズ103を含む撮像部を覆うことにより、撮影レンズ103、シャッター101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
【0016】
12はタイミング発生部であり、撮像部22、音声制御部11、A/D変換器23、D/A変換器13にクロック信号や制御信号を供給する。タイミング発生部12は、メモリ制御部15及びシステム制御部50により制御される。24は画像処理部であり、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。また撮影された画像データを縮小処理して、160*120画素のサムネイル画像を作成したり、サムネイル画像よりは高解像度に撮影画像を縮小して、表示用画像として中解像度の画像データも生成する。
【0017】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、直接メモリ制御部15を介して、メモリ32に書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、画像表示部28に表示するための画像データを格納する。尚、メモリ32は、マイク10において録音された音声データ、静止画像、動画像および画像ファイルを構成する場合のファイルヘッダを格納するのにも用いられる。従って、メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0018】
圧縮/伸張部16は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮、伸張する。圧縮/伸張部16は、シャッター101をトリガにしてメモリ32に格納された撮影画像を読み込んで圧縮処理を行い、処理を終えたデータをメモリ32に書き込む。また、記録媒体200の記録部19などからメモリ32に読み込まれた圧縮画像に対して伸張処理を行い、処理を終えたデータをメモリ32に書き込む。圧縮/伸張部16によりメモリ32に書き込まれた画像データは、システム制御部50内のファイル部(不図示)においてファイル化され、インターフェース18を介して記録媒体200に記録される。このファイル部は上記の画像処理部により処理された撮影画像データ、サムネイル画像、および中解像度の表示用画像(中解像度画像)を1ファイルにして記録媒体に記録する。また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。13はD/A変換器であり、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して画像表示部28に供給する。28は画像表示部であり、LCD等の表示器上に、A/D変換器23からのアナログ信号に応じた表示を行う。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して画像表示部28により表示される。
【0019】
10はマイクである。マイク10から出力された音声信号は、アンプ等で構成される音声制御部11を介してA/D変換器23に供給され、A/D変換器23においてデジタル信号に変換された後、メモリ制御部15によってメモリ32に格納される。一方、記録媒体200に記録されている音声データは、メモリ32に読み込まれた後、D/A変換器13によりアナログ信号に変換される。音声制御部11は、このアナログ信号によりスピーカ39を駆動し、音声出力する。
【0020】
不揮発性メモリ56は電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0021】
50はシステム制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。システム制御部50は、上述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。52はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。
【0022】
モード切替スイッチ60、第1シャッタースイッチ62、第2シャッタースイッチ64、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0023】
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替えることができる。第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中(半押し)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
【0024】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了(全押し)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0025】
操作部70の各操作部材は、画像表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、検索ボタン、絞り込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種設定が可能なメニュー画面が画像表示部28に表示される。利用者は、画像表示部28に表示されたメニュー画面と、4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。電源スイッチ72は、電源オン、電源オフを切り替える。
【0026】
80は電源制御部であり、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
【0027】
30は電源部であり、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。33及び34はコネクタであり、電源部30と電源制御部80とを接続する。
【0028】
40はRTC(Real Time Clock)であり、日付及び時刻を計時する。RTC40は、電源制御部80とは別に内部に電源部を保持しており、電源部30が落ちた状態であっても、計時状態を続ける。システム制御部50は起動時にRTC40より取得した日時を用いてシステムタイマを設定し、タイマ制御を実行する。
【0029】
18はメモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。35は該記録媒体200とインターフェース18との接続のためのコネクタである。98は記録媒体着脱検知部であり、コネクタ35に記録媒体200が装着されているか否かを検知する。
【0030】
200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部19、デジタルカメラ100とのインターフェース37、及び、記録媒体200とデジタルカメラ100とを接続するためのコネクタ36を備えている。
【0031】
通信部110は、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、HDMI等の各種通信処理を行う。コネクタ(無線通信の場合はアンテナ)112は、通信部110を介してデジタルカメラ100を他の機器と接続する。
【0032】
[デジタルカメラの全体動作について]
図3は、本実施形態のデジタルカメラ100の全体的な動作を説明するフローチャートである。
【0033】
電源スイッチ72が操作され電源がオンに切り替わると、ステップS301においてシステム制御部50はフラグや制御変数等を初期化する。続いて、ステップS302において、記録媒体200に記録されているファイルに関するファイル管理処理を開始する。ファイル管理においては記録媒体200にDCF等の所定規則でに則り記録されている画像の検索を行い再生可能画像の列挙、総数計算等を行う。
【0034】
次に、ステップS303、S305、S307において、システム制御部50は、モード切替スイッチ60の設定位置を判断する。静止画記録モードに設定されていたならば処理はステップS303からステップS304へ進み、静止画記録モード処理を実行する。ステップS304の静止画記録モード処理の詳細は図4を用いて後述する。モード切替スイッチ60が動画記録モードに設定されていたならば、処理はステップS303、S305を経てステップS306へ進み、動画記録モード処理を実行する。また、モード切替スイッチ60が再生モードに設定されていた場合、処理はステップS303、S305、S307を経てステップS308へ進み、再生モード処理を実行する。ステップS308の再生モード処理は図8を用いて後述する。
【0035】
また、その他のモードに設定されていた場合、処理はステップS309へ進み、システム制御部50は選択されたモードに応じた処理を実行する。その他のモードとしては例えば記録媒体200に格納されたファイルの送信を行う送信モード処理、外部機器からファイルを受信して記録媒体200に格納する受信モード処理が含まれる。
【0036】
ステップS304、S306、S308、S309のうちのモード切替スイッチ60によって設定されたモードに対応した処理を実行した後、処理はステップS310へ進む。ステップS310において、システム制御部50は電源スイッチ72の設定位置を判断する。電源スイッチ72が電源オンに設定されていれば、ステップS303に処理を戻す。一方、電源スイッチ72が電源オフに設定されていたならば、処理はステップS310からステップS311へ進み、制御部50は終了処理を行う。終了処理には、例えば以下の処理が含まれる。すなわち、画像表示部28の表示を終了状態に変更し、レンズバリア102を閉じて撮像部を保護し、フラグや制御変数等を含むパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録し、電源供給が不要な部分への電源を遮断する。ステップS311の終了処理が完了すると、本処理を終了し、電源をOFF状態へ移行する。
【0037】
[静止画記録モード処理(S304)について]
図4は図3のステップS304における静止画記録モード処理を示すフローチャートである。尚、図4に示される静止画記録モード処理は、モード切替スイッチ60により他のモードへの切替が行われた場合や電源スイッチ72がOFFにセットされた場合に、割り込み処理等により終了するものとする。
【0038】
システム制御部50は、静止画記録モードを開始すると、ステップS401において撮影モードを確定する。撮影モードの確定は、
(1)不揮発性メモリ56より前回の静止画記録モード終了時における撮影モードを取得してシステムメモリ52に格納する、或は、
(2)ユーザにより操作部70が操作されて撮影モードの設定入力があった場合に、その設定入力された撮影モードをシステムメモリ52に格納する、ことでなされる。ここで、撮影モードとは撮影シーンおよび使用者の熟練度に応じて適したシャッター速度や絞り値、ストロボ発光状態、感度設定、ユーザーインターフェース等を組み合わせて実現されるモードのことである。本実施の形態のデジタルカメラ100は以下のような撮影モードを有する。
・簡単モード:初心者ユーザーを想定し詳細な設定UIを省くとともストロボ設定等の基本操作ガイダンスをGUI上に表示し、カメラの各種撮影条件は、デジタルカメラ100に組み込まれたプログラムにより自動的に決定されるモード
・オートモード:カメラの各種パラメータが、計測された露出値に基づいてデジタルカメラ100に組み込まれたプログラムにより自動的に決定されるモード、
・マニュアルモード:カメラの各種パラメータをユーザが自由に変更可能なモード、
・シーンモード:撮影シーンに適したシャッター速度や絞り値、ストロボ発光状態、感度設定等の組み合わせが自動で設定される。
【0039】
尚、シーンモードには以下のようなモードが含まれる。
・ポートレートモード:背景をぼかして人物を浮き立たせるようにして人物撮影に特化したモード、
・夜景モード:人物にストロボ光をあて背景を遅いシャッター速度で記録する、夜景シーンに特化したモード、
・風景モード:広がりのある風景シーンに特化したモード、
・ナイト&スナップモード:三脚なしで夜景と人物をきれいに撮るのに適したモード、
・キッズ&ペットモード:よく動き回る子供やペットをシャッターチャンスを逃さず撮影可能にしたモード、
・新緑&紅葉モード:新緑等の木々や葉を色鮮やかに撮影するのに適したモード、
・パーティーモード:蛍光灯や電球のもとで、手振れを抑えて被写体に忠実な色味で撮影するモード、
・スノーモード:雪景色をバックにしても人物が暗くならず、青みも残さず撮影するモード、
・ビーチモード:太陽光の反射の強い海面や砂浜でも、人物などが暗くならずに撮影可能なモード、
・花火モード:打ち上げ花火を最適な露出で鮮やかに撮影するためのモード
・水族館モード:屋内の水槽内の魚などを撮影するのに適した感度、ホワイトバランス、色味を設定するモード、
・水中モード:水中に最適なホワイトバランスに設定し、青みを押さえた色合いで撮影するモード。
【0040】
ステップS402において、システム制御部50は、ステップS401において撮影モードが確定すると、続いて撮像部22からの画像データを表示するスルー表示を行う。続いて、ステップS403において、システム制御部50は、電源制御部80を用いて電池等により構成される電源部30の残容量や、記録媒体200の有無や残容量がデジタルカメラ100の動作に問題があるか否かを判定する。問題があるならば、ステップS404において、画像表示部28を用いて画像や音声により所定の警告表示を行い、処理をステップS401に戻す。
【0041】
電源部30や記録媒体200の状態に問題が無いならば、ステップS409、S410において、第1シャッタースイッチ信号SW1と第2シャッタースイッチ信号SW2のON/OFF状態を判定する。第1シャッタースイッチ信号SW1がONした状態で第2シャッタースイッチ信号SW2がONになると、処理はステップS409からステップS411へ進む。第1シャッタースイッチ信号SW1がOFFになると(第2シャッタースイッチ信号SW2がONせずに、更に第1シャッタースイッチ信号SW1も解除された場合)、処理はステップS410からステップS407へ戻る。また、第1シャッタースイッチ信号SW1がON、第2シャッタースイッチ信号SW2がOFFの間は、ステップS409、S410の処理が繰り返される。
【0042】
第2シャッタースイッチSW2が押されると、ステップS411において、システム制御部50は、画像表示部28の表示状態をスルー表示から固定色表示状態に設定する。そして、ステップS412において、システム制御部50は、露光処理や現像処理を含む撮影処理を実行する。尚、露光処理では、撮像部22、A/D変換器23を経て得られた画像データが、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いはA/D変換器23から直接メモリ制御部15を介して、メモリ32に書き込まれる。また、現像処理では、システム制御部50が、メモリ制御部15そして必要に応じて画像処理部24を用いて、メモリ32に書き込まれた画像データを読み出して各種処理を行い撮影画像データを得る。なお、この撮影画像データを縮小したサムネイル画像も、このステップS413の処理で行う。
【0043】
次に、システム制御部50は、ステップS413において、画像表示部28に対し撮影処理で得られた画像データのレックレビュー表示を行う。レックレビューとは、撮影画像の確認のために、被写体の撮影後記録媒体への記録前に、予め決められた時間(レビュー時間)だけ画像データを画像表示部28に表示する処理である。レックレビュー表示後、ステップS414において、システム制御部50は撮影処理で得られた画像データを画像ファイルとして記録媒体200に対して書き込む記録処理を実行する。尚、この記録処理の詳細は、図5を用いて後述する。
【0044】
ステップS414の記録処理が終了すると、ステップS415において、システム制御部5は、第2シャッタースイッチ信号SW2のON/OFF状態を判定する。第2シャッタースイッチ信号SW2がONの場合は、ステップS415の判定を繰り返し、第2シャッタースイッチ信号SW2がOFFになるのを待つ。この間、上記レックレビューの表示を継続させる。即ち、ステップS414の記録処理が終了した際に、第2シャッタースイッチ信号SW2が放されるまで画像表示部28におけるレックレビュー表示を継続させる。このように構成することにより、ユーザは、シャッターボタン61の全押し状態を継続することで、レックレビューを用いた撮影画像データの確認を入念に行うことが可能となる。
【0045】
ユーザがシャッターボタン61を全押し状態にして撮影を行った後、シャッターボタン61から手を放すなどして全押し状態が解除されると、処理はステップS415からステップS416へ進む。ステップS416において、システム制御部50は、予め定められたレビュー時間が経過したか否かを判断し、レビュー時間が経過していればステップS417に進む。ステップS417において、システム制御部50は、画像表示部28の表示状態をレックレビュー表示からスルー表示状態に戻す。この処理により、レックレビュー表示によって撮影画像データを確認した後、画像表示部28の表示状態は次の撮影のために撮像部22からの画像データを逐次表示するスルー表示状態に自動的に切り替わることになる。
【0046】
そして、ステップS418において、システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1のON/OFFを判定し、第1シャッタースイッチ信号SW1がONの場合はステップS409へ、OFFの場合はステップS407へ処理を戻す。即ち、シャッターボタン61の半押し状態が継続している(第1シャッタースイッチ信号SW1がON)場合は、システム制御部50は次の撮影に備える(ステップS409)。一方、シャッターボタン61が放された状態(第1シャッタースイッチ信号SW1がOFF)であったならば、システム制御部50は、一連の撮影動作を終えて撮影待機状態に戻る(ステップS407)。
【0047】
[記録処理について(S414、S1003)]
図5は、図4のステップS414における撮影シーケンスおよび後述する図10のステップS1003における編集シーケンスにおいて生成された画像データの記録処理である。
【0048】
記録処理を開始すると、ステップS501において、システム制御部50は、DCF等の所定のファイル名生成ルールに則り記録対象の画像データに対するファイル名を生成する。次に、ステップS502において、システムメモリ52に記憶した日時情報を取得する。次に、ステップS503において、当該記録対象画像データより生成される画像ファイル内に保存する撮影画像データおよび表示用画像データの解像度を取得する。ここで撮影画像データの解像度はあらかじめユーザーにより設定され、撮影処理および編集処理において適応された解像度である。例えば1200万画素CCDを使ったデジタルカメラであれば、4000×3000画素や、2400×1800画素、1600×1200画素、640×480画素のようにいくつかの選択肢から好みの設定を選ぶことが出来る。もちろんこの解像度は撮影条件、被写体条件その他の情報により自動で決定しても良い。表示用画像データの解像度は同様にあらかじめユーザーの設定により設定されていても良いし、撮影画像データのアスペクト比により固定されていても良い。さらには接続された表示機器の表示解像度を取得し最適な解像度を決定しても良い。表示用画像データとは表示に適した解像度を持つ中解像度の画像データであって、サムネイル画像よりは大きな画像としている。
【0049】
本実施例においては、操作部70を用いて、ユーザにより、表示用画像は2000×1500画素と1200×900画素の2種類を選択可能としている。そして、どちらか1つを選ぶのみではなく、両方の解像度の表示用画像を1ファイル中に記録するように設定しても良い。なお、上記の撮影画像データの解像度や、表示用画像の解像度、および選択肢の数は、上記に例示した設定に限るものではなく、また、デジタルカメラの能力や設計により、変更可能である。
【0050】
撮影画像データが高解像な場合は、撮影画像データの記録媒体からの読み出しや伸張処理には時間がかかることが予想される。そこで、表示機器においては、撮影画像よりも解像度を落とした表示用画像データを伸張することにより高速に表示を行うことが可能となる。なお撮影画像の解像度設定や、表示画像の解像度の設定をユーザにより行う場合には、画像表示部28に表示されるメニューを見ながら、操作部70を用いて設定可能としている。
【0051】
ステップS504において、システム制御部50は、当該画像データから生成した画像ファイルを格納するべきディレクトリが記録媒体200に存在するか否かを判定する。ディレクトリが存在しない場合は、ステップS505に処理が進む。ステップS505において、システム制御部50は、画像ファイルを格納するためのディレクトリを生成する。続いて、ステップS506において、システム制御部50は、上記撮影処理のにおいてメモリ32に格納された画像データに対し、撮影日時や撮影時条件等から構成されるファイルヘッダを生成する。尚、作成されるヘッダおよびファイル構成については図6で後述する。次にステップS507によりステップS503で取得した撮影画像データと表示用画像データの解像度の比較を行う。撮影画像データの解像度が表示用画像データより高いと判断されたならばステップS508へ進む。ステップS508において、システム制御部50は、上記撮影処理のにおいてメモリ32に格納された画像データより生成される表示用画像データを管理するファイルヘッダを生成する。次にステップS509により撮影画像データを縮小して表示用画像データを生成し、ステップS510により撮影画像データとサムネイル画像と、中解像度の表示用画像データとを1ファイルとして構成した画像ファイルを生成する。
【0052】
一方ステップS507において表示用画像データの解像度が撮影画像データの解像度より高いと判断されたならばステップS511へ進む。ステップS511では撮影画像データと撮影画像データを縮小して得られるサムネイル画像を1ファイルとして構成した画像ファイルを生成する。ステップS512ではここまで生成した画像ファイルを記録媒体に書き込んで処理を抜ける。
【0053】
以上のように、撮影画像データの解像度が、中解像度である表示用画像データの解像度より低い場合、表示用画像データを書き込まない。すなわち、表示用画像データの目的が、そもそもデータサイズの大きい画像データの処理負荷を避ける為のものであるため、撮影画像データが表示用画像データと同等以下の解像度であれば記録する必要はなく、記録媒体の容量の節約にもなる。なお、ここでは解像度の大小比較実施例としたが、撮影画像データと表示画像データの解像度の所定の比率を条件としても良い。
【0054】
なお、解像度の異なる表示用画像を2種類以上記録するようにした場合でも、撮影画像データの解像度の設定に応じて、撮影画像データの解像度よりも小さな解像度の表示用画像については、ファイルに記録しないようにすると良い。
つまり、撮影画像データの設定に応じて、1つしか表示用の中間解像度の画像が記録されない場合や、1つも中間解像度の画像が記録されないように制御する。
【0055】
[ファイル構造について]
続いて前述した記録処理において記録媒体200に記録する静止画像ファイルのデータの構造例を図6に示す。
【0056】
図6(a)は前述した記録処理において表示用画像データを書き込まなかった場合のファイル構造である。
【0057】
画像ファイル601は先頭に画像ファイルの開始を示すマーカ(SOI)602を有し、その後にヘッダ部に相当するアプリケーションマーカ(APP1)603を有する。アプリケーションマーカ(APP1)603内には、
・サイズ(APP1 Length)603、
・アプリケーションマーカの識別コード(APP1 Identifier Code)605、
・画像データの作成日時(Date Time)606、
・画像データが生成された日時(Date Time Original)607、
・その他の撮影情報608、及び前述したサムネイル画像(Thumbnail Data)609から構成される。ここで、デジタルカメラ等で撮影される画像においてアプリケーションマーカの識別コードは一般に”Exif”の文字列が記載され、この識別コードを解釈することによりExif画像であることが判断できる。
【0058】
また画像ファイル601に記録される撮影画像データは、量子化テーブル(DQT)612、ハフマンテーブル(DHT)613、フレーム開始マーカ(SOF)614、スキャン開始マーカ(SOS)615及び圧縮データ616から構成される。そして、画像ファイルデータの最後を示すマーカ(EOI)617で終端される。
【0059】
図6(b)は前述した記録処理において表示用画像データを書き込んだ場合のファイル構造である。
【0060】
画像ファイル651は先頭に画像ファイルの開始を示すマーカ(SOI)652を有し、その後にヘッダ部に相当するアプリケーションマーカ(APP1)653を有する。アプリケーションマーカ(APP1)653内には、
・サイズ(APP1 Length)653、
・アプリケーションマーカの識別コード(APP1 Identifier Code)655、
・画像データの作成日時(Date Time)656、
・画像データが生成された日時(Date Time Original)657、
・その他の撮影情報658、及び前述したサムネイル画像(Thumbnail Data)659から構成される。ここで、デジタルカメラ等で撮影される画像ファイルにおいてアプリケーションマーカAPP1の識別コードは一般に”Exif”の文字列が記載され、この識別コードを解釈することによりExif画像であることが判断できる。
【0061】
また画像ファイル651に記録される撮影画像データは、量子化テーブル(DQT)664、ハフマンテーブル(DHT)665、フレーム開始マーカ(SOF)666、スキャン開始マーカ(SOS)667及び圧縮データ668から構成される。そして、画像ファイルデータの最後を示すマーカ(EOI)669で終端される。
【0062】
さらに、アプリケーションマーカ(APP1)653の後にアプリケーションマーカ(APP2)660を有する。アプリケーションマーカ(APP2)660内には、
・サイズ(APP2 Length)661、
・アプリケーションマーカの識別コード(APP2 Identifier Code)662、
・その他の撮影情報658から構成される。ここで、表示画像データを記録するデジタルカメラ等で撮影される画像ファイルにおいてアプリケーションマーカAPP2の識別コードは一般に”MPF”の文字列が記載される。この識別コードを解釈することにより撮影画像以外に中解像度の表示用画像を持つ画像ファイルであることが判断できる。また、その他の撮影情報658には表示画像データの画像ファイル内の位置を指し示すデータも含まれる。
【0063】
また画像ファイル651に記録される表示画像データは、量子化テーブル(DQT)671、ハフマンテーブル(DHT)672、フレーム開始マーカ(SOF)673、スキャン開始マーカ(SOS)674及び圧縮データ675から構成される。そして、画像ファイルデータの最後を示すマーカ(EOI)676で終端される。
【0064】
[再生モード処理について(S308)]
図7は、本実施形態のデジタルカメラ100の再生モードの動作を説明するフローチャートである。図7のフローチャートは、図3のステップS308の詳細を示している。
【0065】
ステップS701において、システム制御部50は、記録媒体200から最新画像情報を取得する。最新画像情報の取得を総枚数計算よりも先に行うことで、再生モードに入るとすばやくそれらの処理の画像表示ができるというメリットがある。ステップS702において、システム制御部50は、ステップS701における最新画像情報の取得が正しく行われたかどうかをチェックする。最新画像情報を取得できなかった場合、処理はステップS709に進む。ステップS709において、システム制御部50は、画像なし時の入力待ち状態となる。このステップS709の処理は図8のフローチャートにより後述する。尚、最新画像情報を取得できない場合とは、画像が一枚もないような状態や、メディア不良によって画像情報が取得できなかったような状態等が考えられる。最新画像情報が取得できれば、少なくとも画像が1枚は存在すると判断され、処理はステップS703へ進む。
【0066】
ステップS703において、システム制御部50は、ステップS701で取得した最新画像情報を元に記録媒体200から最新画像データを読み込む。そして、ステップS704において、システム制御部50は、ファイル解析処理を行い、読み込んだ最新画像データにおける画像の撮影情報や属性情報等を取得する。ファイル解析処理については後述する。ステップS705において、システム制御部50は、読み込んだ最新画像データを表示する。さらに、このとき、ステップS704で取得された撮影情報や属性情報等も表示する。また、ステップS704のファイル解析結果に応じて、ファイルの一部が壊れているなどがわかればエラー表示も合わせて行われる。
【0067】
ステップS708において、システム制御部50は、入力待ち状態に入る。この入力待ち状態における処理は図9のフローチャートにより後述する。
【0068】
[再生モード処理における画像なし時の入力待ち処理(S709)]
図8は、再生モードにおける画像なし時入力待ち状態における処理を示すフローチャートである。
【0069】
まず、ステップS801において、システム制御部50は、画像データがないことをユーザに通知するべく、「画像がありません」というメッセージ表示を画像表示部28において行う。次に、ステップS802において、システム制御部50は、操作入力を待つ。ここでいう操作入力とはユーザによるボタン、電池蓋に対する操作や、電源の低下などを知らせるイベント等が含まれる。何らかの入力があった場合、処理はステップS803へ進み、システム制御部50は、当該入力が終了ボタンだったかどうかチェックする。終了ボタンと判定された場合は、再生モード処理を終了し、図3のステップS310へ進む。一方、操作入力が終了ボタン以外だった場合は、ステップS804へ進み、当該操作入力に対応する処理が行われる。例えば、画像データがなくてもメニューボタンの操作が入力された場合は、画像表示部28にメニュー表示を行い、ユーザが設定変更等を行えるようにする。
【0070】
[再生モード処理における再生入力待ち処理(S708)]
図9は、再生モード処理における入力待ち状態の処理を説明するフローチャートである。
【0071】
ステップS901において、システム制御部50は、ユーザによる操作入力があるかどうかをチェックする。ここでいう操作入力とは、ユーザによるボタン、電池蓋に対する操作や、電源の低下などを知らせるイベントなどが含まれる。何も入力がなければ入力があるまで待つ。何らかの操作入力があった場合、処理はステップS902へ進む。
【0072】
ステップS902において、システム制御部50は、当該操作入力が操作部70に含まれる検索キー設定ボタンの入力かどうかを判定する。操作入力が検索キー設定ボタンであった場合、処理はステップS903に進み、システム制御部50は次の検索キーを設定しシステムメモリ52に記憶する。ここで検索キーとは検索の単位となる属性情報であり、具体例としては、撮影日、分類情報、フォルダ、動画等がある。すなわち、本画像処理装置において撮影日、分類情報、フォルダ、動画の検索が可能な場合、記録媒体200に記録されている画像の分類される撮影日時、分類情報、フォルダよび動画を検索キーとして順次選択する。また、ここでの順次選択には検索キーの解除、すなわち全ての画像の再生モードへの移行も含まれていても良い。
【0073】
次にステップS904において、システム制御部50は、当該操作入力が操作部70に含まれる画像送りボタンの入力かどうかを判定する。操作入力が画像送りボタンであった場合、処理はステップS905へ進み、システム制御部50はS903で設定された検索キーにおける次の表示画像を読み込む。画像送りのボタンは送り方向に応じた一対のボタンで構成されており、操作されたボタンに対応する送り方向に応じて次の表示画像が読み込まれることになる。次に、ステップS906において、システム制御部50は、ステップS903で読み込まれた画像データに対して撮影情報や属性情報などのファイル解析処理を行う。ファイル解析処理については後述する。そして、ステップS907において、システム制御部50は、ステップS905で読み込んだ画像データの表示を行う。このとき、ステップS906におけるファイル解析処理の結果を用いて、撮影情報や属性情報等を表示する。また、ステップS906のファイル解析結果に応じて、ファイルの一部が壊れているなどと判別された場合は、エラー表示も合わせて行う。表示が完了するとステップS901の入力待ち状態へ戻る。
【0074】
ステップS904において入力が画像送りボタンではないと判定された場合、処理はステップS909へ進む。
【0075】
ステップS909において、システム制御部50は、ステップS706(図7)で開始した総画像枚数計算の処理が完了しているかチェックする。そして、まだ完了していない場合はステップS901の操作入力待ち状態へ戻る。このとき、まだ完了していない旨を伝えるメッセージやアイコン表示を行うことも考えられる。以上の処理により、画像送りボタンによる画像送り操作と終了ボタンによる終了操作は画像枚数計算の完了を待たずに実行されるが、他の操作入力理は総画像枚数計算処理が完了するまでは無視されることになる。
【0076】
ステップS909で総画像枚数が終了していると判定された場合、処理はステップS912へ進む。
【0077】
ステップS912において、システム制御部50は、当該操作入力が操作部70に含まれる消去ボタンの操作であるかどうかを調べる。消去ボタンの操作入力であると判定された場合、処理はステップS913へ進む。ステップS913において、システム制御部50は、現在画像表示部28に表示されている画像データの消去を実行する。画像データの消去が完了するとステップS914において消去後の総枚数をチェックする。総枚数が0になっていた場合はステップS915へ進み、画像なし時入力待ち状態へ移る。この処理は、図8により上述したとおりである。
【0078】
一方、消去後に画像データが残っている場合はステップS916へ進み、システム制御部50は、次の画像データを表示するべく、次の表示対象の画像データを読み込む。ここで表示対象となる画像データは、消去された画像データのファイル番号の次のファイル番号の画像データとする。尚、最新の画像データが消去された場合は、消去された画像データのファイル番号よりも1つ前のファイル番号の画像データを表示対象とする。ステップS917において、システム制御部50は、ステップS916で表示対象として読み込んだ画像データに対してファイル解析処理を行い、撮影情報や属性情報などを得る。ファイル解析処理については後述する。そして、ステップS918において、システム制御部50は、ステップS916で読み込んだ画像データを画像表示部28に表示する。このとき、ステップS917で取得された撮影情報や属性情報なども表示する。また、ステップS917のファイル解析結果に応じて、ファイルの一部が壊れているなどと判定されたならば、その旨のエラー表示も行う。表示が完了するとステップS901の操作入力待ち状態へ戻る。
【0079】
ステップS912において当該操作入力が消去ボタンでない場合、処理はステップS919へ進む。ステップS919において、システム制御部50は、当該操作入力が編集ボタンかどうかを判定する。編集ボタンであると判定された場合、処理はステップS920へ進む。ステップS920では画像に対する編集処理を行う。編集処理とはリサイズ、トリミング、画像補正等がある。
【0080】
ステップS919において当該操作入力が編集ボタンでない場合、処理はステップS921へ進む。ステップS921において、システム制御部50は、当該操作入力が終了ボタンかどうかを判定する。終了ボタンであると判定された場合、再生モード処理を終了し、図3のステップS310へ進む。
【0081】
ステップS921において当該操作入力が終了ボタンでない場合、処理はステップS924へ進む。
【0082】
ステップS924ではそれ上記以外の操作入力に応じた処理を行う。たとえば、画像の編集処理や、マルチ再生への切り替えや、メニューボタンによるメニュー表示などである。尚、マルチ再生とは、画像データの縮小画像を画像表示部28の一画面に複数枚並べて表示する再生モードである。
【0083】
[画像編集(S920)]
図10は図9ステップ920における画像編集処理を示すフローチャートである。
【0084】
ステップS1001においてシステム制御部50は、編集可能画像であるか決定する。編集可能画像とは、例えば画像のフォーマットが異なり認識できない画像、編集処理がリサイズ処理またはトリミング処理である場合に、その装置が処理前の画像として扱うことが出来る最小解像度よりも小さい画像等である。編集不可と判断したならば処理を抜ける。編集可能と判断したならばステップS1002へ進み編集処理を実行する。これは前出したようにたとえばリサイズ、トリミング、赤目補正等である。編集処理においてはユーザのリサイズやトリミング処理後の解像度の指定に従い指定に応じた画像処理および解像度変換等を撮影画像データに対して行う。
【0085】
次にステップS1003の記録処理により編集処理が行われた後の画像データをヘッダ情報等と共に記録媒体に記録し処理を抜ける。
【0086】
このステップS1003では、編集処理により、撮影画像データが、表示用の中間解像度の画像の解像度よりも低くなった場合には、その表示用の中間解像度画像を削除する。この処理により、撮影後の編集処理によりユーザが求める画像データよりも大きな表示用画像が残って、記憶容量の無駄となってしまう不都合を防止することが出来る。
【0087】
[ファイル解析処理について]
次に、図7のステップS704、図9のステップS906、S917におけるファイル解析処理について説明する。図11は、ファイル解析処理を示すフローチャートである。
【0088】
ステップS1201において、システム制御部50は、解析対象のファイルに、撮影情報、撮影モード情報の記載されたファイルヘッダがあるか否か判定する。そのようなファイルヘッダがあると判定された場合、システム制御部50は、ステップS1202にて当該ファイルヘッダから撮影情報を取得し、ステップS1203にて当該ファイルヘッダから撮影モードを取得する。そして、ステップS1204において、システム制御部50は、画像本体開始位置、画像圧縮方法等の画像データ本体の情報を取得する。
【0089】
以上、デジタルカメラにより本発明を説明したが、本発明の適用はこれに限られるものではなく、プリンタや携帯電話、携帯端末等の、画像再生が可能な装置に適用が可能である。
【0090】
上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
【0091】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
【0092】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0093】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、MO、CD ROM、CD R、CD RW、DVD ROM、DVD R、DVD RW等が考えられる。また、光/光磁気記録媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0094】
有線/無線通信を用いたプログラムの供給方法としては、次のような方法が考えられる。すなわち、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムそのもの、もしくはプログラムデータファイルを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータにプログラムデータファイルをダウンロードするような方法である。
【0095】
ここで、プログラムデータファイルは、本発明を形成するコンピュータプログラムを圧縮され自動インストール機能を含むファイル等も含む。
【0096】
この場合、プログラムデータファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに配置することも可能である。
【0097】
つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムデータファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるサーバ装置も本発明に含む。
【0098】
また、上述の実施形態の機能を実現するプログラムを暗号化し記録媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件を満たしたユーザに対して暗号化を解く鍵情報を、ネットワークを介してダウンロードさせることによって供給するような方法も考えられる。その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて本発明を実現することも可能である。
【0099】
コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現される。また、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等の共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれる。
【0100】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納される場合にも本発明に含まれる。また、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影画像および当該撮影画像に対応する小画像であるサムネイル画像を作成する撮影装置において、
前記撮影画像を縮小して、前記撮影画像の解像度よりも小さく、且つ前記サムネイル画像の解像度よりも大きな中解像度画像を作成する作成手段と、
前記作成手段で作成した中解像度画像を、前記撮影画像と前記サムネイル画像と共に1ファイルに記録する記録手段と、
撮影手段により取得する画像の解像度を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された解像度が、前記中解像度画像の解像度よりも小さくなる場合には、前記記録手段は、前記中解像度画像を前記ファイルに含めないように制御することを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
解像度の異なる2種類以上の中解像度画像を1ファイルに記録することが可能である場合に、前記記録手段は、前記設定手段で設定された解像度よりも大きな解像度の中解像度画像は記録しないようにし、前記設定手段で設定された解像度よりも小さな解像度の中解像度画像のみを記録するようにすることを特徴とする請求項1の撮影装置。
【請求項3】
さらに、前記中解像度画像の解像度を設定する設定手段を有することを特徴とする請求項1ないし2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記中解像度画像の解像度は接続された表示機器の表示解像度に応じて設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の撮影装置。
【請求項5】
記録媒体に、画像データおよび当該画像データに対応する小画像であるサムネイル画像、および、前記画像データの解像度よりも小さく、且つ前記サムネイル画像の解像度よりも大きな中解像度画像とが1ファイルとして記録されており、当該画像データを編集することが可能な画像処理装置において、
前記画像データに対して縮小またはトリミングが行われた後の画像データの解像度を設定する設定手段と、
前記設定手段で設定された解像度が、前記中解像度画像の解像度よりも小さくなる場合には、前記ファイル中に記録されている前記中解像度画像を削除する制御手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
撮影画像および当該撮影画像に対応する小画像であるサムネイル画像を作成する撮影装置において、
前記撮影画像を縮小して、前記撮影画像の解像度よりも小さく、且つ前記サムネイル画像の解像度よりも大きな中解像度画像を作成する作成工程と、
前記作成工程で作成した中解像度画像を、前記撮影画像と前記サムネイル画像と共に1ファイルに記録する記録工程と、
撮影により取得する画像の解像度を設定する設定工程と、
前記設定工程で設定された解像度が、前記中解像度画像の解像度よりも小さくなる場合には、前記記録工程は、前記中解像度画像を前記ファイルに含めないように制御することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項7】
記録媒体に、画像データおよび当該画像データに対応する小画像であるサムネイル画像、および、前記画像データの解像度よりも小さく、且つ前記サムネイル画像の解像度よりも大きな中解像度画像とが1ファイルとして記録されており、当該画像データを編集することが可能な画像処理装置において、
前記画像データに対して縮小またはトリミングを行う場合の、処理後の画像データの解像度を設定する設定工程と、
前記設定工程で設定された解像度が、前記中解像度画像の解像度よりも小さくなる場合には、前記ファイル中に記録されている前記中解像度画像を削除する制御工程を有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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