説明

撮影装置

【課題】使用に際して使用者が行なわねばならない操作が簡易となる撮影装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る撮影装置は、本体ユニット1と、本体ユニット1に対して開閉可能に連結された表示ユニット2とを具え、本体ユニット1には、撮影レンズ41を具えた光学ユニット4が回動可能に配備され、少なくともその一部を本体ユニット1内に収納した収納位置と、撮影レンズ41を本体ユニット1から突出させたホップアップ位置との間で、光学ユニット4の往復移動が可能である。そして、表示ユニット2の開動及び/又は閉動に連動して光学ユニット4を収納位置とホップアップ位置の間で移動させる連動機構が配備されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラやデジタルカメラ等の撮影装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図7に示す如く、本体ユニット(1)の側部にヒンジ機構(90)を介して表示ユニット(91)を連結したビデオカメラが知られており、表示ユニット(91)を本体ユニット(9)から開いた状態で、本体ユニット(9)を把持して、撮影を行なうことが出来る。
【0003】
図7に示すビデオカメラにおいては、本体ユニット(9)に配備された撮影レンズ部(93)の光軸が、本体ユニット(9)の長手方向軸に対して、90°を越える傾斜角度に設定されている。これによって、使用者が本体ユニット(9)を把持して撮影を行なうときに手首に大きな負担はかからず、長時間の撮影が容易となる。
【0004】
ところで、撮影レンズを具えた光学ユニットを本体ユニットとは別体に構成し、本体ユニットに対して光学ユニットを回動可能に枢支して、光学ユニットが本体ユニットに収納された収納位置と、光学ユニットが回動して撮影レンズを本体ユニットから突出させたホップアップ位置とを設定することが出来るカメラ装置が提案されている(特許文献1)。
【0005】
該カメラ装置によれば、使用者が光学ユニットを回動させるための操作部材を操作することによって、光学ユニットを収納位置からホップアップ位置まで移動させることが出来、ホップアップ位置では、光学ユニットの光軸が本体ユニットの長手方向軸に対して90°を越える傾斜角度に設定されて、撮影時の使用者の負担が軽減されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−72337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図7に示す撮影装置に対し、上述のカメラ装置のホップアップ機構を採用した場合、撮影に際して、使用者は、本体ユニットから表示ユニットを開く操作と、本体ユニットから光学ユニットをホップアップ位置まで回動させ操作の2つの操作を行なわねばならず、操作が煩雑である問題があった。
【0008】
そこで本発明の目的は、本体ユニットに対して表示ユニットが開閉可能に連結されている撮影装置において、使用に際して使用者が行なわねばならない操作が簡易となる撮影装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る撮影装置は、本体ユニット(1)と、本体ユニット(1)に対して開閉可能に連結された表示ユニット(2)とを具え、本体ユニット(1)には、撮影レンズ(41)を具えた光学ユニット(4)が回動可能に配備され、少なくともその一部を本体ユニット(1)内に収納した収納位置と、撮影レンズ(41)を本体ユニット(1)から突出させたホップアップ位置との間で、光学ユニット(4)の往復移動が可能である。
そして、表示ユニット(2)と光学ユニット(4)とは、表示ユニット(2)の開動及び/又は閉動に連動して光学ユニットを収納位置とホップアップ位置の間で移動させる連動機構を介して、互いに連繋している。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る撮影装置によれば、使用に際して使用者が行なわなければならない操作が簡易となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態であるビデオカメラにおいて表示ユニットを閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】図2は、該ビデオカメラにおいて表示ユニットを開いた状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、該ビデオカメラにおいて表示ユニットを回転させた状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、光学ユニットを収納位置とホップアップ位置の間で回動させる機構を説明する図である。
【図5】図5は、表示ユニットの閉じ位置と開き位置を示す正面図である。
【図6】図6は、表示ユニットの開閉に伴って光学ユニットを昇降移動させる連動機構の構成を説明する側面図である。
【図7】図7は、従来のビデオカメラの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明をビデオカメラに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
本発明の一実施形態であるビデオカメラは、図1〜図3に示す如く、操作釦(11)を具えた本体ユニット(1)と、ディスプレイ(21)を具えた表示ユニット(2)と、表示ユニット(2)を本体ユニット(1)に対して開閉可能且つ回転可能に支持する2軸のヒンジ機構(3)とを具えている。
【0013】
表示ユニット(2)は、ヒンジ機構(3)の動作によって、図1に示す閉じ位置と図2に示す開き位置との間で開閉が可能であると共に、図3に示す如く開き位置にて本体ユニット(1)の側面と直交する軸を中心として回転が可能である。
【0014】
又、本体ユニット(1)には、撮影レンズ(41)を具えた光学ユニット(4)が配備され、光学ユニット(4)は、図1に示す如くその全体が本体ユニット(1)内に収納された収納位置と、図2に示す如く撮影レンズ(41)を具えた前方部分を本体ユニット(1)から上方へ突出させたホップアップ位置との間で、回動が可能となっている。
【0015】
具体的には、図4(a)(b)に示す如く、光学ユニット(4)を回動可能に支持するべく、前記本体ユニット(1)内に固定されたベース(13)上に、枢支部材(15)を突設して、該枢支部材(15)に配備した枢軸(40)によって光学ユニット(4)の撮像素子(42)側の端部を枢支している。
【0016】
又、ベース(13)上には、図4(a)に示す収納位置にて光学ユニット(4)の撮影レンズ(41)側の端部を受け止めることが可能な受け止め部材(14)と、図4(b)に示すホップアップ位置にて光学ユニット(4)に配備された当接片(43)を受け止めることが可能なアーム片(16)とが突設されている。
【0017】
更に、アーム片(16)と光学ユニット(4)との間にはスプリング(6)が介在して、光学ユニット(4)を図4(a)に示す収納位置と図4(b)に示すホップアップ位置 の双方へ向けて付勢している。
従って、図4(a)に示す収納位置では、スプリング(6)の付勢力により、光学ユニット(4)が受け止め部材(14)に圧接され、図4(b)に示すホップアップ位置では、スプリング(6)の付勢力により、光学ユニット(4)の当接片(43)がアーム片(16)に圧接されて、各位置で光学ユニット(4)が保持される。
【0018】
又、図5(a)(b)に示す如く、表示ユニット(2)の基端部には、本体ユニット(1)の内部に向けて連結片(5)が突設され、該連結片(5)は、表示ユニット(2)の開閉に伴って上下に回動する。
連結片(5)は、図6(a)(b)に示す如くリンク機構からなる連動機構(7)を介して、光学ユニット(4)に連結されている。
【0019】
表示ユニット(2)が図5(a)の如く閉じているときは、図6(a)の如く光学ユニット(4)は収納位置に保持されており、この状態では、光学ユニット(4)の撮影レンズ(41)は、本体ユニット(1)の前面壁(12)と対向して、前面壁(12)によって覆われている。
【0020】
この状態から、表示ユニット(2)が図5(b)の様に開くと、図6(b)の如く連結片(5)が降下し、これに伴って連動機構(7)が動作し、枢軸(40)を中心として光学ユニット(4)をホップアップ位置まで回動させる。
これによって光学ユニット(4)が傾動し、光学ユニット(4)の前方部分が本体ユニット(1)から上方へ突出して、撮影レンズ(41)は、前面壁(12)によって覆われた位置から、前方へ向けて開放された位置まで変位することになる。
【0021】
図2の如く、表示ユニット(2)が開き位置まで開き、これに伴って光学ユニット(4)がホップアップ位置まで回動した状態で、更に表示ユニット(2)を図3の如く回転させて、ディスプレイ(21)を使用者側へ向けると共に、撮影レンズ(41)を前方の被写体へ向けて、撮影を行なう。
このとき、撮影レンズ(41)の光軸は本体ユニット(1)の長手方向軸に対して90°を越える傾斜角度を有しているので、本体ユニット(1)を把持する使用者の手首に大きな負担はかからない。
【0022】
上記ビデオカメラにおいては、撮像素子(42)から出力された映像信号は、ディスプレイ(21)に映像として表示されると共に、操作釦(11)の操作に応じて本体ユニット(1)に設けられた記録媒体(図示省略)に記録される。
【0023】
上記ビデオカメラによれば、撮影に際して、使用者が図1に示す閉じ位置の表示ユニット(2)を図2の如く開くことによって、光学ユニット(4)が自動的に収納位置からポップアップ位置まで回動するので、使用者が光学ユニット(4)を回動させる操作は不要である。
従って、従来の様に使用者が表示ユニットを開く操作と光学ユニットをポップアップさせる操作の両方を行なう必要はなく、操作が簡易なものとなる。
【0024】
又、上記ビデオカメラによれば、図1に示す表示ユニット(2)の閉じ状態では、光学ユニット(4)は本体ユニット(1)の内部に収納されているので、鞄等の中に収容して携帯する場合に収容性が良好である。
【0025】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば連動機構(7)としては、図6に示すリンク機構のみならず、周知の種々の連動機構を採用することが出来る。
又、連動機構(7)は、表示ユニット(2)の開動又は閉動の何れか一方に連動すればよく、開動と閉動の両方に連動するものには限定されない。
【符号の説明】
【0026】
(1) 本体ユニット
(2) 表示ユニット
(3) ヒンジ機構
(4) 光学ユニット
(41) 撮影レンズ
(5) 連結片
(7) 連動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ユニットと、本体ユニットに対して開閉可能に連結された表示ユニットとを具え、本体ユニットには、撮影レンズを具えた光学ユニットが回動可能に配備され、少なくともその一部を本体ユニット内に収納した収納位置と、撮影レンズを本体ユニットから突出させたホップアップ位置との間で、光学ユニットの往復移動が可能である撮影装置において、表示ユニットの開動及び/又は閉動に連動して光学ユニットを収納位置とホップアップ位置の間で移動させる連動機構を具えたことを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
光学ユニットは、ホップアップ位置にて光軸が本体ユニットの長手方向軸に対して90°を越える角度で傾斜することとなる請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
光学ユニットは、収納位置にてその全体若しくは略全体が本体ユニットに収納されて、撮影レンズが本体ユニットの前面壁によって覆われ、ホップアップ位置では、撮影レンズを有する前方部分が本体ユニットから突出することとなる請求項1又は請求項2に記載の撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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