説明

撹拌機

【課題】液体、粉体又は粒体等の撹拌対象物を収容する撹拌容器の内壁に、撹拌対象物やその結晶成分等がこびり付くのを防止することができると共に、撹拌容器内に収容する撹拌対象物全体にわたって撹拌作用を及ぼすことができる撹拌機を提供する。
【解決手段】互いに対向して配置され、回転軸線が互いに離れて平行に配置される2枚の板材4,6と、2枚の板材4,6のそれぞれにおける自身の回転軸線を中心とする同一直径のピッチ円上のそれぞれの、円周方向に等間隔で離れる位置のそれぞれに、他方の板材6,4のピッチ円上の同一位相の位置のものと互いに一対を成して、他方の板材6,4側に突出するように配置される3対以上の複数のピン14,16と、2枚の板材4,6の間に複数のピン14,16の一対ごとに対応して配置され、この一対のピン14,16の両方のピン14,16に軸支される3個以上の撹拌容器8とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体、粉体又は粒体等の撹拌対象物を撹拌する撹拌機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、液体、粉体又は粒体等の撹拌対象物をその均質化等のために撹拌する撹拌機としては、撹拌対象物を収容する撹拌容器をその中心軸線を中心にして回転させるようにする撹拌機や、或いは、撹拌対象物を収容した撹拌容器内において、かき混ぜ棒やスクリュー等を動作させるようにする撹拌機等があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来技術に係る撹拌機のうち、その撹拌容器を回転させるようにする撹拌機においては、その撹拌容器内の撹拌対象物が、いずれ撹拌容器の回転速度とほぼ同じ回転速度で回転するようになると、撹拌容器の内壁面との間に速度差を生じないようになるために、撹拌容器の内壁面に撹拌対象物やその結晶成分等がこびり付いてしまうという問題があった。
【0004】
また、上記従来技術に係る撹拌機のうち、かき混ぜ棒やスクリュー等を動作させるようにする撹拌機においては、そのかき混ぜ棒やスクリュー等が撹拌容器の内壁面に接触したり衝突したりしないように動作させる必要性から、撹拌容器の内壁面の近傍での撹拌作用が不十分になるため、やはり、撹拌容器の内壁面に撹拌対象物やその結晶成分等がこびり付いてしまうという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、液体、粉体又は粒体等の撹拌対象物を収容する撹拌容器の内壁に、撹拌対象物やその結晶成分等がこびり付くのを防止することができると共に、撹拌容器内に収容する撹拌対象物全体にわたって撹拌作用を及ぼすことができる撹拌機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明による撹拌機は、
互いに対向して配置され、回転軸線が互いに離れて平行に配置される2枚の板材と、
前記2枚の板材のそれぞれにおける自身の回転軸線を中心とする同一直径のピッチ円上のそれぞれの、円周方向に等間隔で離れる位置のそれぞれに、他方の板材のピッチ円上の同一位相の位置のものと互いに一対を成して、他方の板材側に突出するように配置される3対以上の複数のピンと、
前記2枚の板材の間に前記複数のピンの一対ごとに対応して配置され、この一対のピンの両方のピンに軸支される3個以上の撹拌容器とを備えることを特徴とするものである。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明による撹拌機は、
互いに対向して配置され、回転軸線が互いに離れて平行に配置される2枚の板材と、
前記2枚の板材のそれぞれにおける自身の回転軸線を中心とする同一直径のピッチ円上のそれぞれの、円周方向に等間隔で離れる位置のそれぞれに、他方の板材のピッチ円上の同一位相の位置のものと互いに一対を成して、他方の板材側に開口するように形成される3対以上の複数の軸支穴と、
前記2枚の板材の間に前記複数の軸支穴の一対ごとに対応して配置され、この一対の軸支穴のそれぞれに挿入して軸支される一対のピンを有する3個以上の撹拌容器とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このような本発明の撹拌機によれば、
互いに対向して配置され、回転軸線が互いに離れて平行に配置される2枚の板材と、
前記2枚の板材のそれぞれにおける自身の回転軸線を中心とする同一直径のピッチ円上のそれぞれの、円周方向に等間隔で離れる位置のそれぞれに、他方の板材のピッチ円上の同一位相の位置のものと互いに一対を成して、他方の板材側に突出するように配置される3対以上の複数のピンと、
前記2枚の板材の間に前記複数のピンの一対ごとに対応して配置され、この一対のピンの両方のピンに軸支される3個以上の撹拌容器とを備えることにより、
上記撹拌容器の内壁に、撹拌対象物やその結晶成分等がこびり付くのを防止することができると共に、上記撹拌容器内に収容する撹拌対象物全体にわたって撹拌作用を及ぼすことができる。
【0009】
また、本発明の撹拌機によれば、
互いに対向して配置され、回転軸線が互いに離れて平行に配置される2枚の板材と、
前記2枚の板材のそれぞれにおける自身の回転軸線を中心とする同一直径のピッチ円上のそれぞれの、円周方向に等間隔で離れる位置のそれぞれに、他方の板材のピッチ円上の同一位相の位置のものと互いに一対を成して、他方の板材側に開口するように形成される3対以上の複数の軸支穴と、
前記2枚の板材の間に前記複数の軸支穴の一対ごとに対応して配置され、この一対の軸支穴のそれぞれに挿入して軸支される一対のピンを有する3個以上の撹拌容器とを備えることにより、
上記撹拌容器の内壁に、撹拌対象物やその結晶成分等がこびり付くのを防止することができると共に、上記撹拌容器内に収容する撹拌対象物全体にわたって撹拌作用を及ぼすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撹拌機2の一部を示す平面図である。
【図2】図1に示す撹拌機2の一部を示すA−A線矢視の断面図である。
【図3】図1に示す撹拌機2の撹拌動作を示す平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る撹拌機50の一部を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る撹拌機を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1から図3は、本発明の第1の実施の形態に係る撹拌機2について説明するために参照する図である。
【0012】
本実施の形態に係る撹拌機2は、図1及び図2に示すように、2枚の円板4,6と3個の撹拌容器8とを備えている。2枚の円板4,6は、互いに上下方向(図1中紙面に垂直の方向、図2中上下方向)に対向するように配置され、その回転軸線が互いに水平方向に離れて平行に配置されている。
【0013】
ここで、本実施の形態に係る撹拌機2は、以下の説明において、便宜上、上記したように、その2枚の円板4,6が互いに上下方向に対向するように配置され構成されていることとするが、撹拌機2は、この2枚の円板4,6の互いの対向方向が上下方向以外の他の方向を向くように配置され構成されていてもよい。
【0014】
撹拌機2における2枚の円板4,6と3個の撹拌容器8は、ケース22内に配置されている。ケース22は、図2に示すように、下ケース22aと上ケース22bとを備えて構成されている。このケース22の上ケース22bは、不図示の着脱機構により、下ケース22aに自在に取付けたり取り外したりすることができる。
【0015】
また、撹拌機2は、その円板4の回転軸線上に配置される回転軸24を備えている。回転軸24は、その上端部が円板4の下面に接続し、下ケース22a内の不図示の支持構造により支持されている軸受け部材28により回転自在に軸支されており、円板4とは反対側の不図示の端部から回転駆動力を受けるようになっている。これにより、円板4は回転駆動するようになっている。
【0016】
また、撹拌機2は、その円板6の回転軸線上に配置される回転軸26を備えている。回転軸26は、その下端部が円板6の上面に接続し、上ケース22b内の不図示の支持構造により支持されている軸受け部材29により回転自在に軸支されている。
【0017】
また、円板4には、図1及び図2に示すように、その回転軸線を中心とする不図示のピッチ円上における円周方向に等間隔で離れる位置のそれぞれに、円板6側に突出する3本のピン14a,14b,14cが配置され固定されている。
【0018】
また、円板6にも、円板4と同様に、この円板6の回転軸線を中心とする、不図示のピッチ円上における円周方向に等間隔で離れる位置のそれぞれに、円板4側に突出する3本のピン16a,16b,16cが配置され固定されている。
【0019】
ここで、上記したピン14a,14b,14cについては、これらの符号にアルファベットを付さずにピン14と総称することがあるものとする。また、ピン16a,16b,16cについても、同様に、ピン16と総称することがあるものとする。
【0020】
円板4における3本のピン14a,14b,14cが配置される不図示のピッチ円の大きさと、円板6における3本のピン16a,16b,16cが配置される不図示のピッチ円の大きさは、互いに同じ大きさになっている。
【0021】
また、円板4のピン14a,14b,14cと、円板6のピン16a,16b,16cとは、それぞれの不図示のピッチ円上の同一位相(同一角度)に配置されているもの同士が一対を成すようにされている。すなわち、ピン14aと16a同士、ピン14bと16b同士、ピン14cと16c同士のそれぞれの組合せが、一対を成している。
【0022】
次に、3個の撹拌容器8は、2枚の円板4,6の間に配置されている。撹拌容器8のそれぞれには、液体、粉体又は粒体等の撹拌対象物を収容する収容部18が形成されている。収容部18は、円板6側に開口して一定深さを有する丸穴形状に形成され、円盤6側の開口部は蓋20により固く封止されている。
【0023】
この蓋20は、上ケース22b及び円板6を取り外してから、3個の撹拌容器8のそれぞれを撹拌機2から取り外した状態のときに、撹拌機2の使用者が自在に開閉することができるようになっている。
【0024】
また、3個の撹拌容器8のそれぞれは、円板4と6との間に配置される際には、一対を成すピン14aと16a同士、14bと16b同士、14cと16c同士のそれぞれの組合せごとに対応する位置に配置されている。
【0025】
また、図2に示すように、円板4と撹拌容器8のそれぞれとの互いの対向面の間には、隙間が形成されるようになっている。この隙間は、ピン14の根元に、この隙間分の厚さを有する不図示の合成樹脂製のワッシャ等が嵌合していることにより形成されるようになっている。また、円板6と撹拌容器8のそれぞれとの互いの対向面の間にも、ピン16の根元に不図示の合成樹脂製のワッシャ等が嵌合していることにより隙間が形成されるようになっている。
【0026】
撹拌容器8のそれぞれには、これら撹拌容器8のそれぞれに対応する一対のピン14,16のそれぞれが緩やかに嵌合する嵌合孔10,12が形成されている。撹拌容器8のそれぞれは、その嵌合孔10に嵌合するピン14との関係だけに着目すると、このピン14に回転自在に軸支されるようになっている。また、嵌合孔12に嵌合するピン16との関係だけに着目すると、このピン16に回転自在に軸支されるようになっている。
【0027】
これにより、撹拌機2は、その円板4,6の両者間で一対を成すピン14aと16a同士、14bと16b同士、14cと16c同士の組合せのそれぞれが、これらの組合せのそれぞれに対応する撹拌容器8と共にリンク機構を構成するようになるので、撹拌容器8のそれぞれは、2枚の円板4,6が回転することにより、下記及び図3に説明するように、水平方向の一定方向を向いた状態を保持しながら、一定かつ互いに同一の円周軌道上を移動するようになっている。
【0028】
図3中の(a)から(h)の図は、撹拌機2における円板4,6が同期しながら1回転する間の様子を45度おきに示すものである。この図3中の(a)から(h)の図においては、図面の複雑化を防止するため、ケース22及び軸受け部材28,29は図示しないこととする。
【0029】
図3中の(a)に示す3個の撹拌容器8のうちの1個8Aだけに着目すると、この撹拌容器8Aは、その水平方向の向きが、その嵌合孔10,12と収容部18とが図3中の左右方向に一直線状に並ぶように向けられて配置されている。
【0030】
図3中の(b)に示すように、円板4が反時計回りに45度だけ回転駆動すると、撹拌容器8Aは、この円板4のピン14aが嵌合している嵌合孔10の位置が、円板4の円周方向に45度分だけ移動するように移動する。
【0031】
一方、円板6のピン16aは、撹拌容器8Aの嵌合孔12に嵌合していることにより撹拌容器8Aと一緒に円弧を描くように移動するので、円板6も、これに従って回転するようになる。
【0032】
円板6のピン16aは、撹拌容器8Aの移動に従って移動する際には、その円板4のピン14aとの間の長さ間隔が撹拌容器8Aの嵌合孔10と12との間の長さ間隔に拘束されることにより、この円板4のピン14aとの間の長さ間隔を一定に保持しながら、円板6の回転軸線を中心とする円周方向に移動するようになっている。これにより、円板6は、結局、円板4と同期しながら回転するようになっている。
【0033】
また、撹拌容器8Aは、円板4と6とが互いに同期して回転していることにより、その水平方向の向きが一定方向に保持されるようになっている。すなわち、その嵌合孔10,12と収容部18とが図3中の左右方向に一直線状に並ぶように向けられた状態を保持するようになっている。撹拌容器8A以外の他の2つの撹拌容器8も同様である。
【0034】
そして、撹拌機2は、その後においても、図3中の(c)以降に示すように、円板4と6が互いに同期しながら回転すると共に、これにより、撹拌容器8のそれぞれが、その水平方向の向きを一定方向に保持しながら、円周軌道上を移動していくようになっている。
【0035】
このような本実施の形態に係る撹拌機2によれば、その撹拌容器8の収容部18の内壁に、撹拌対象物やその結晶成分等がこびり付くのを防止することができると共に、撹拌容器8の収容部18に収容する撹拌対象物全体にわたって撹拌作用を及ぼすことができる。
【0036】
すなわち、撹拌機2は、その撹拌容器8のそれぞれが円周軌道上を周回移動する際には、この撹拌容器8の収容部18内の撹拌対象物が、撹拌容器8の収容部18内の一方向側に押し付けられるような力(遠心力)を受けると共に、このような力(遠心力)の向きが水平面内で連続的に変化していくので、内壁面に沿うように移動しながら撹拌されるようになる。
【0037】
このため、撹拌容器8の収容部18内の撹拌対象物は、この収容部18の壁面上の一箇所に停留しないように撹拌される。これにより、撹拌機2は、上述したように、その撹拌容器8の収容部18の内壁に、撹拌対象物やその結晶成分等がこびり付くのを防止することができると共に、撹拌対象物全体にわたって撹拌作用を及ぼすことができる。
【0038】
また、本実施の形態に係る撹拌機2によれば、その撹拌容器8は、その嵌合孔10,12のそれぞれに、一対のピン14とピン16のそれぞれを挿入させて取り付けることができるように形成されてさえいれば、図3に示すような回転動作中に他の撹拌容器8と互いに接触しない範囲内で、任意の大きさや形状に形成することができると共に、このような撹拌容器8の大きさの範囲内で、その収容部18を任意の大きさや形状に形成することができるので、撹拌対象物の種類や量などに応じて異なる大きさや形状の撹拌容器8を用いて対応できるようにすることができる。
【0039】
次に、図4は、本発明の第2の実施の形態に係る撹拌機40について説明するために参照する図である。前記第1の実施の形態に係る撹拌機2と同様の部分には同じ符号を用いて説明し、同様の構成についての重複する説明はできるだけ省略するものとする。
【0040】
本実施の形態に係る撹拌機40は、前記第1の実施の形態に係る撹拌機2(図2参照)の円板4,6及び撹拌容器8のそれぞれの代わりに、図4に示すように、円板44,46及び撹拌容器48を備えている。
【0041】
円板44,46のそれぞれには、前記第1の実施の形態に係る撹拌機2(図2参照)の円板4,6に固定されていたピン14,16のそれぞれの代わりに、図4に示すように、他方の円板46,44側に開口する軸支穴54,56が形成されている。
【0042】
また、撹拌容器48のそれぞれは、前記第1の実施の形態に係る撹拌機2(図2参照)の撹拌容器8の嵌合孔10,12のそれぞれの代わりに、図4に示すように、円板44の軸支穴54に緩やかに嵌合して軸支されるピン58と、このピン58と一対を成し、円板46の軸支穴56に緩やかに嵌合して軸支されるピン60を有している。
【0043】
このような本実施の形態に係る撹拌機40によれば、前記第1の実施の形態と同様に、その撹拌容器48の収容部18の内壁に、撹拌対象物やその結晶成分等がこびり付くのを防止することができると共に、撹拌容器48の収容部18に収容する撹拌対象物全体にわたって撹拌作用を及ぼすことができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る撹拌機40によれば、その撹拌容器48は、その一対のピン58,60のそれぞれが、これらに対応する円板44の軸支穴54と円板46の軸支穴56のそれぞれに挿入して取り付けることができるように形成されてさえいれば、その回転動作中に他の撹拌容器48と互いに接触しない範囲内で、任意の大きさや形状に形成することができると共に、このような撹拌容器48の大きさの範囲内で、その収容部18を任意の大きさや形状に形成することができるので、撹拌対象物の種類や量などに応じて異なる大きさや形状の撹拌容器48を用いて対応できるようにすることができる。
【0045】
なお、前記第1の実施の形態に係る撹拌機2においては、撹拌容器8を3個備えていたが、1個、2個又は4個以上、すなわち、任意の個数だけ備えるようになっていてもよい。前記第2の実施の形態に係る撹拌機40においても同様である。
【0046】
また、前記第1の実施の形態に係る撹拌機2において、撹拌容器8は、上述したように、任意の個数だけ備えるようにすることができるが、この撹拌容器8のそれぞれが、円板4,6の回転により円周軌道上を移動する際に、この撹拌容器8のそれぞれが滑らかに移動することができるようにすると共に、これらが撹拌機2全体の力学的バランスに影響を及ぼさないようにするために、撹拌容器8は、3つ以上のものがその円周軌道上の互いに等間隔で離れた位置に配置されるようにすることが望ましいので、このような観点からは、前記第1の実施の形態において説明したとおりに撹拌容器8を3個備えるか、或いは、4個以上を備えるようにすることが望ましい。前記第2の実施の形態に係る撹拌機40においても同様である。
【0047】
また、前記第1の実施の形態に係る撹拌機2においては、平面形状が円形である円板4,6を備えていたが、この円板4,6の代わりに、円形とは異なる平面形状の板材を備えるようになっていてもよい。
【0048】
例えば、撹拌容器8を3個備えていることに対応して、円板4,6のそれぞれの代わりに平面形状が正三角形である板材を備えるようにして、この正三角形の3つの頂点のそれぞれの近傍であって、この頂点それぞれの内角の二等分線上に、ピン14又は16を配置するようにしてもよい。前記第2の実施の形態に係る撹拌機40も同様である。
【0049】
また、前記第2の実施の形態に係る撹拌機40においては、その円板44,46の軸支穴54,56のそれぞれが、他方の円板44,46側にのみ開口するように形成されていたが、軸支穴54,56のそれぞれは、円板44,46をその厚さ方向に貫通するように形成されていてもよい。
【0050】
また、前記第1及び第2の実施の形態に係る撹拌機2,40においては、その撹拌容器8,48の収容部18が、一定深さを有する丸穴形状に形成されていたが、この収容部18の形状は、このような形状に限定されない。
【0051】
例えば、収容部18は、その底面が傾斜するように形成されていてもよいし、また、その開口形状が四角形等の多角形となるように形成されていてもよい。
【0052】
また、前記第1及び第2の実施の形態に係る撹拌機2,50においては、その撹拌容器8,48の収容部18内に撹拌対象物だけを入れるようにしていたが、撹拌対象物と一緒に、金属製又は樹脂製等のボールを入れるようにすることにより、撹拌作用が促進されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
2 撹拌機
4,6 円板
8,8A 撹拌容器
10,12 嵌合孔
14a,14b,14c ピン
16a,16b,16c ピン
18 収容部
20 蓋
22 ケース
22a 下ケース
22b 上ケース
24,26 回転軸
28,29 軸受け部材
40 撹拌機
44,46 円板
48 撹拌容器
54,56 軸支穴
58,60 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して配置され、回転軸線が互いに離れて平行に配置される2枚の板材と、
前記2枚の板材のそれぞれにおける自身の回転軸線を中心とする同一直径のピッチ円上のそれぞれの、円周方向に等間隔で離れる位置のそれぞれに、他方の板材のピッチ円上の同一位相の位置のものと互いに一対を成して、他方の板材側に突出するように配置される3対以上の複数のピンと、
前記2枚の板材の間に前記複数のピンの一対ごとに対応して配置され、この一対のピンの両方のピンに軸支される3個以上の撹拌容器と
を備えることを特徴とする撹拌機。
【請求項2】
互いに対向して配置され、回転軸線が互いに離れて平行に配置される2枚の板材と、
前記2枚の板材のそれぞれにおける自身の回転軸線を中心とする同一直径のピッチ円上のそれぞれの、円周方向に等間隔で離れる位置のそれぞれに、他方の板材のピッチ円上の同一位相の位置のものと互いに一対を成して、他方の板材側に開口するように形成される3対以上の複数の軸支穴と、
前記2枚の板材の間に前記複数の軸支穴の一対ごとに対応して配置され、この一対の軸支穴のそれぞれに挿入して軸支される一対のピンを有する3個以上の撹拌容器と
を備えることを特徴とする撹拌機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−240569(P2010−240569A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91595(P2009−91595)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(509097286)
【Fターム(参考)】