説明

操作キー入力装置の遮光構造

【課題】操作キーやパネルの各寸法関係の悪条件に影響されることなく、また、安価に製造でき、より確実に遮光効果を得ることのできる操作キー入力装置の遮光構造を提供する。
【解決手段】パネル1の表面に形成された開口部11を覆うように設けられた操作キー2と、回路基板3上に設けられて操作キー2を照明する光源4とを備えた操作キー入力装置100の遮光構造は、パネル1の開口部11周囲に、開口部11周囲から上方に延出し、操作キー2の内側に配置されるリブ部12が形成され、リブ部12の外側面と操作キー2の内側面との互いに対向する箇所に凹凸部12a、22aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作キー入力装置の遮光構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、キーボード等に多数使用されるキースイッチは、回路基板上にスイッチが配設され、さらにLED(発光ダイオード)やランプ等の点灯手段が設けられており、このLEDの上方にキーボードを構成するパネルや操作キーが配置されている。これらパネルと操作キーとは、一般にパネルに形成された開口部内に操作キーが嵌め込まれる構成となっている。
ところで、このようなLEDを有するキースイッチにおいて、LEDが発光する光を遮光するために、LEDを覆うようにして遮光部材を設けたり(例えば、特許文献1参照)、パネルの開口部に嵌め込まれる操作キーにフランジを形成することによってLEDの発光が外側に漏れないようにする技術(例えば、特許文献2参照)や、操作キーを複数に分割してパネルを挟んで組み立てる構造で遮光する技術(例えば、特許文献3参照)が開示されている。その他、図3に示すように、光漏れを極力少なくするために操作キー2Aが摺動可能な限界までパネル1Aと操作キー2Aとの隙間Xの寸法を狭くする場合がある。なお、図3中、符号3Aは回路基板、符号4AはLEDである。
【特許文献1】実開昭61−199830号公報
【特許文献2】特開2002−182595号公報
【特許文献3】実開平3−7220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載された遮光構造では、部品点数が増える上、遮光部品を取り付けるために回路基板上に電気部品を配置するスペースに制約が発生するという問題があった。また、部品点数が増えることからコスト高となっていた。
さらに、上記特許文献2に記載の遮光構造においては、操作キーにフランジを形成することによって光漏れを防止しているが、フランジのみでは遮光が不十分であった。
また、上記特許文献3に記載の遮光構造においては、操作キーを分割しているので、その操作キーの金型代・部品代が嵩み、組立工数も増えるという問題があった。
また、図3に示す遮光構造では、操作キー2Aやパネル1Aの各寸法関係の条件が悪いと光漏れが発生するので、遮光が不十分であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、操作キーやパネルの各寸法関係の悪条件に影響されることなく、また、安価に製造でき、より確実に遮光効果を得ることのできる操作キー入力装置の遮光構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、パネルの表面に形成された開口部を覆うように設けられた操作キーと、回路基板上に設けられて前記操作キーを照明する光源とを備えた操作キー入力装置の遮光構造において、
前記パネルの開口部周囲に、前記開口部周囲から上方に延出し、前記操作キーの内側に配置されるリブ部が形成され、
前記リブ部の外側面と前記操作キーの内側面との互いに対向する箇所に凹凸部が形成されていることを特徴とする。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1に記載の操作キー入力装置の遮光構造において、
前記リブ部の周囲には、前記操作キーの側部が挿入される凹溝が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る操作キー入力装置の遮光構造によれば、パネルの開口部周囲に上方に延出し操作キーの内側に配置されるリブ部が形成され、リブ部の外側面と操作キーの内側面との互いに対向する箇所に凹凸部が形成されているので、これら凹凸部によって、光源から照射されて反射した反射光による光漏れを防止することができる。すなわち、従来と異なり、凹凸部で反射光が複数回反射されることによって、その反射光の光量が小さくなることから光漏れを防止することができ、その結果、確実に遮光効果を得ることができる。
また、パネルのリブ部外側面と操作キーの内側面とを利用しているので、スペースを取らずにデザインにもほとんど影響を及ぼすことがない。さらには、操作キーやパネルの各寸法関係の悪条件に影響されることもない。
また、部品点数を増やす必要もなく、安価にかつ容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態の操作キー入力装置の遮光構造を示す側断面図である。
本発明の遮光構造を有する操作キー入力装置100は、パネル1、操作キー2、回路基板3、光源4、タクトスイッチ(図示しない)等から構成されている。
【0008】
パネル1は、その表面に開口部11が形成されており、開口部11を覆うように操作キー2が設けられている。
操作キー2は、側面視略コ字型をなし、開口部11の上方に配置される表示部21と、表示部21に連続して形成され、後述する凹溝13に挿入される挿入部(側部)22とを備えている。
【0009】
また、パネル1の開口部11周囲には、その開口部11周囲から上方に延出し操作キー2の内側に配置されるリブ部12が形成されている。そして、リブ部12の外側面と操作キー2の内側面との互いに対向する箇所に凹凸部12a、22aが形成されている。
凹凸部12a、22aは、階段状に形成されたものであって、リブ部12及び操作キー2にそれぞれ形成された凹凸部12a、22aは互いに係合可能とされている。
また、凹凸部12a、22aは1つの段差を有するものとしても良いし、図2に示すように、複数の段差を有するものであっても良いが、複数段形成した場合の方が遮光効果が高くなる点で好ましい。
また、リブ部12の周囲には操作キー2の挿入部22が挿入される凹溝13が形成され、この凹溝13に挿入部22が挿入されることによって表示部21が開口部11上に配置されるように、操作キー2がパネル1によって保持されている。
【0010】
一方、操作キー2の下方には回路基板3が配置されている。回路基板3上には、操作キー2を照明する、例えばLEDやランプ等の光源4が配置されている。また、回路基板3上には、操作キー2を押下することにより入力可能なタクトスイッチが配置されている。
【0011】
したがって、このような遮光構造とすることによって、光源4から照射された光は、操作キー2の表示部21に到達するとリブ部12の凹凸部12aに反射して、さらに、挿入部22の凹凸部22aへと順次反射を繰り返し、その結果、反射光量が小さくなり光漏れが防止される。
【0012】
以上、本発明の実施の形態の操作キー入力装置100の遮光構造によれば、パネル1の開口部11周囲に上方に延出し操作キー2の内側に配置されるリブ部12が形成され、リブ部12の外側面と操作キー2の内側面との互いに対向する箇所に凹凸部12a、22aが形成されているので、これら凹凸部12a、22aによって、光源4から照射されて反射した反射光による光漏れを防止することができる。すなわち、従来と異なり、凹凸部12a、22aで反射光が複数回反射されることによって、その反射光の光量が小さくなることから光漏れを防止することができ、その結果、確実に遮光効果を得ることができる。
また、パネル1のリブ部12の外側面と操作キー2の挿入部22の内側面とを利用しているので、スペースを取らずにデザインにも殆ど影響を及ぼすことがない。さらには、操作キー2やパネル1の各寸法関係の悪条件に影響されることもない。
また、部品点数を増やす必要もなく、安価にかつ容易に製造することができる。
さらに、リブ部12の周囲には、操作キー2の挿入部22が挿入される凹溝13が形成されているので、操作キー2の挿入部22を凹溝13に挿入することによって挿入キー2をパネル1表面で確実に保持することができる。
【0013】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、凹凸部12a、22aは階段状としたが、特にこの形状に限らず、光を反射できるように細かな溝状のものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態を示すためのもので、操作キー入力装置の遮光構造の側断面図である。
【図2】その他の実施の形態を示すためのもので、操作キー入力装置の遮光構造の側断面図である。
【図3】従来例を示すためのもので、操作キー入力装置の遮光構造の側断面図である。
【符号の説明】
【0015】
1 パネル
2 操作キー
3 回路基板
4 光源
11 開口部
12 リブ部
12a 凹凸部
13 凹溝
22a 凹凸部
100 操作キー入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルの表面に形成された開口部を覆うように設けられた操作キーと、回路基板上に設けられて前記操作キーを照明する光源とを備えた操作キー入力装置の遮光構造において、
前記パネルの開口部周囲に、前記開口部周囲から上方に延出し、前記操作キーの内側に配置されるリブ部が形成され、
前記リブ部の外側面と前記操作キーの内側面との互いに対向する箇所に凹凸部が形成されていることを特徴とする操作キー入力装置の遮光構造。
【請求項2】
前記リブ部の周囲には、前記操作キーの側部が挿入される凹溝が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の操作キー入力装置の遮光構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−155995(P2006−155995A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341911(P2004−341911)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】