操作検出装置
【課題】 操作面に垂直方向とは異なる方向の力が作用した場合でも、操作面に作用した力の中心位置を正確に求めることができるとともに、操作面以外の操作ができるよう操作態様が拡大されており、なおかつその操作と操作面に対する操作とを正確に判別することが可能な操作検出装置を、部品点数の少ない形で実現する。
【解決手段】 操作検出装置1は、操作面2aと凸状部2bを有する操作体2と、操作体2を収納する筐体90と、一端に操作体2の周縁との接続部3dが、他端に筐体90との固定部3cが形成され、それら3d,3cの間に操作面2aや凸状部2bへの押圧による操作力に応じて変位する変位伝達面3fを有する3以上の平板状の起歪体3と、変位伝達面3fに固着される歪検出部4と、各歪検出部4の歪検出結果に基づいて、操作体2において上記操作力が作用した位置と力を算出する演算部6とを備え、操作面2aと全変位伝達面3fが略同一平面上にある。
【解決手段】 操作検出装置1は、操作面2aと凸状部2bを有する操作体2と、操作体2を収納する筐体90と、一端に操作体2の周縁との接続部3dが、他端に筐体90との固定部3cが形成され、それら3d,3cの間に操作面2aや凸状部2bへの押圧による操作力に応じて変位する変位伝達面3fを有する3以上の平板状の起歪体3と、変位伝達面3fに固着される歪検出部4と、各歪検出部4の歪検出結果に基づいて、操作体2において上記操作力が作用した位置と力を算出する演算部6とを備え、操作面2aと全変位伝達面3fが略同一平面上にある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作面に対する荷重検出式のタッチパッドやタッチスクリーン、重心動揺計等のように、操作面に作用する力の中心位置を特定する操作検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作面に対する荷重検出式のタッチパッドやタッチスクリーン、重心動揺計等のように、操作面に作用する力の中心位置を特定する操作検出装置においては、操作面に対する操作がなされた場合に、操作面に対する垂直な方向の力のみを検出し、その力の大きさを用いて操作位置を算出することにで、操作位置をより正確に特定することができる。
【0003】
これに対し、特許文献1には、操作面と検出部との間に鋼球を配置することによって、操作面に垂直な方向以外の方向から加わる力を逃がし、垂直方向の力のみを検出する技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、鋼球を利用する構成とするために多くの追加部品を要するため、コスト高となるとともに、装置全体も大型化してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−108851号公報
【特許文献2】特開2010−86076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さらに、荷重検出式の操作検出装置においては、操作面への操作として、タッチ操作や摺動操作しか存在せず、操作態様が限られてしまうという問題がある。
【0007】
これに対し、特許文献2では、操作パネル11の操作面11aから突出した凸状部材12を設けた構成することによって、該操作面11aに対し垂直な方向の操作(ここでは上へ引き上げる操作)を可能とし、操作態様を拡大しているが、この構成の場合、凸状部材12に、操作面11aに対する垂直方向や水平方向とは異なる方向(例えば操作面11aに対する斜め方向)に力が作用すると、操作面11aを操作したのか、凸状部材11aを操作したのかを判別することができない。
【0008】
本発明の課題は、上記問題点を背景として、操作面に垂直方向とは異なる方向の力が作用した場合でも、操作面に作用した力の中心位置を正確に求めることができるとともに、操作面以外の操作ができるよう操作態様が拡大され、なおかつその操作と操作面に対する操作とを正確に判別することが可能な操作検出装置を、部品点数の少ない形で実現することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0009】
上記課題を解決するための操作検出装置は、
略平板状の操作面と前記操作面から突出する凸状部とを有する操作体と、
前記操作体を収納する筐体と、
一端に前記操作体の周縁に接続するための接続部を形成し、他の一端に前記筐体に固定するための固定部を形成し、前記接続部と前記固定部との間に、前記操作面及び前記凸状部に対する押圧により発生する操作力に応じて変位する変位伝達面を有する少なくとも3以上の平板状の起歪体と、
前記起歪体の前記変位伝達面に固着され、前記起歪体の変位に伴う前記変位伝達面の歪を検出する歪検出部と、
前記歪検出部のそれぞれの歪検出結果に基づいて、前記操作体において前記操作力が作用した位置と力をそれぞれ操作位置と操作力として算出する演算部と、
を備え、前記操作面と全ての前記変位伝達面とが略同一平面上に位置するように前記操作体と前記起歪体が配置されていることを特徴とする。
【0010】
図24,図25に、従来技術(重心動揺計:特許第2760472号公報,特許第2760473号公報など)の構成を示す。図24のように、操作面102−1と起歪体103とが略同一平面内にないため、図25のように、操作面102−1の垂直方向に対し角度θの方向に力Fを加えた場合は、式(2−1)〜(2−3)で表される周知の重心算出方法から算出される重心位置から角度θに相当する分(xd)だけずれる。したがって、正確な重心位置を算出する場合、別の検出手段により角度θを算出してずれ(xd)を補正するか、特表平10−511198号公報のように、操作面に作用する力の垂直成分のみを起歪体に伝達させていたため、コスト増の要因となっていた。
【0011】
一方、本発明は、歪検出部を配置した平板状の変位伝達面を操作面と略同一面に配置することで、歪検出部が操作面に垂直な方向以外には感度をほとんど持たず、操作面に垂直な方向の力のみを検出するため、操作面に垂直でない方向に力が作用する場合でも、特に部品の追加を必要としないで、操作面に作用する力の重心位置(すなわち、操作位置)を正確に検出することが可能となる。
【0012】
また、本発明の操作検出装置における変位伝達面は、操作面に操作力が作用するのに伴い、曲げ変形を生じさせるよう弾性変形する弾性変形体であり、歪検出部は、各変位伝達面に生じる変位伝達面の面内方向の弾性変形量を検出する。
【0013】
上記構成によって、操作面に対して垂直な方向の力のみを検出することが可能となる。
【0014】
また、本発明の操作検出装置における歪検出部は、各起歪体の表面上に配置された歪検出素子を含む。
【0015】
歪検出素子は、荷重検出等で広く用いられており、小型化・低コスト化が進んでいる。上記構成によって、歪検出素子以外の部品を用いることなく、操作位置を正確に検出することが可能となる。
【0016】
また、本発明の操作検出装置における操作位置算出部は、操作体の操作面を二次元直交座標系のX−Y平面とし、操作力に応じて歪検出素子に発生する歪に基づいて、X−Y平面のX方向およびY方向周りに発生するモーメント、および、X−Y平面に直交するZ方向の力を算出し、モーメント、および、力に基づいて算出した重心位置を操作位置として算出する。
【0017】
上記構成によって、図24,図25のような、従来技術と同様の方法で操作位置を算出することができ、新たな算出方法の開発は不要となるので、低コストかつ短期間で本発明の操作検出装置を作製できる。
【0018】
また、本発明では、操作体における操作可能な部位として、操作面だけでなく、操作面から突出する凸状部を有する。このため、操作態様が拡大されている。
【0019】
本発明の操作検出装置における凸状部は、その表面に対する押圧により発生する操作力に、前記操作面の同一平面に垂直な方向の成分が含まれるような表面形状を有している。
【0020】
上記構成によれば、凸状部に、操作面に対する水平方向の力を作用させようとしても実際には水平方向のみに作用させることはできず、必ず操作面に対する垂直方向の成分が生まれるため、垂直方向の成分を含んだ斜めの方向にしか力を作用させることはできない(図11参照)。起歪体は、操作面に作用する水平方向の力に対して感度をもたないが、当該凸状部に作用する力に対しては、その作用点との間に、垂直方向において一定の距離hが存在するとみなせる構造となるため、凸状部に加えられた力の水平方向成分によって、モーメントによる弾性変形を生じる。例えば図11の場合、凸状部に作用する力のy方向成分によって、起歪体には、my=fy・hに相当するモーメントによる弾性変形が生じる。mzはfzに比例するので、fzを正確に算出することができる。同様に、凸状部に作用する力のx方向成分によって、起歪体には、mx=fx・hに相当するモーメントによる弾性変形が生じる。mxもfzに比例するので、fzも正確に算出することができる。このように、上記構成とすれば、凸状部になされた水平方向の操作力について正確に算出することができるから、凸状部を、水平方向への操作入力を受け付ける、例えばポインティングスティックのような方向入力用操作部として機能させることが可能となる。
【0021】
本発明の操作検出装置における凸状部は、その表面の法線と、前記操作面の同一平面との交点が、該操作面とは異なる、凸状部側に位置する。この構成によれば、凸状部表面の法線の、操作面の同一平面との交点位置により、操作体になされた操作が操作面へのものか、凸状部へのものかを判断可能となる。
【0022】
本発明の操作検出装置における凸状部は、直線状の頂上部を有した山型をなし、前記起歪体の接続部は、該頂上部の直線延出方向の両側に該直線延出方向に延びる形で形成される。この構成によれば、凸状部が山型をなすので、当該凸状部は、その頂上部を引っ掛ける形で水平方向に操作しやすい。
【0023】
本発明の操作検出装置における演算部は、前記操作面と前記凸状部とのいずれが操作されたかを判定する判定手段を備える。この構成によれば、操作面をタッチ入力用操作部、前記凸状部を前記操作面に対する水平方向の方向入力用操作部として機能するよう構成できる。
【0024】
本発明の操作検出装置における凸状部は、その表面に、前記操作面に対する水平方向の方向入力操作を示唆するデザインを有する。この構成によれば、凸状部による操作内容を表面のデザインから直感的に把握できる。
【0025】
本発明の操作検出装置においては、凸状部の表面の法線と、前記操作面の同一平面との交点が、該操作面とは異なる前記凸状部側に位置する構成を有する場合に、演算部が、前記操作体において前記操作力が作用した位置として、前記操作面の同一平面上における位置を算出し、前記判定手段は、算出された当該位置が前記操作面上にある場合を前記操作面への操作として判定する。
【0026】
本発明においては、凸状部に操作がなされた場合も、その力の垂直方向成分であるz方向成分fzによって各起歪体に弾性変形が生じる。このため、このz方向成分の力fzに基づいて、操作面を垂直方向に押圧した場合と同様、その操作位置を算出することができる。ただし、この時算出される操作位置は、操作面と同一の平面上における位置であって、正確に言えば、操作面と同一の平面と、押圧された凸状部の表面に対する法線との交点の位置が操作位置として算出される。したがって、上記構成によれば、このようにして算出される操作位置が、操作面の位置であるか否かで、操作面が操作されたか凸状部が操作されたかを容易かつ正確に判断できる。
【0027】
本発明の操作検出装置における操作体は、前記操作面と前記凸状部との間に、それら操作面及び凸状部よりも操作難易度が高い、もしくは操作を受け付けない所定幅の境界領域が形成される。この構成によれば、操作面が操作されたか凸状部が操作されたかをより容易に、かつより正確に判断できるようになる。また、双方への誤操作も生じにくくなる。この境界領域については、例えば操作面と前記凸状部の間の凹部として、容易に形成できる。
【0028】
本発明の操作検出装置における操作体は、前記操作面上に押圧操作ノブが配置され、当該ノブに対する押圧により直下の前記操作面に前記操作力が作用することにより押圧操作入力用操作部として機能するよう構成されるとともに、前記演算部は、算出された前記操作位置が前記押圧操作ノブの配置された前記操作面上の領域であった場合に、当該操作面上の押圧操作ノブに対する操作入力を受け付ける。この構成により、押圧操作を検出する専用の押圧操作検出スイッチを配置することなく、単に操作面上に押圧操作ノブを配置するだけで、押圧操作部を形成できる。また、押圧操作ノブは、操作面上の任意の位置に配置できるため、配置位置の自由度も高い。
【0029】
本発明の操作検出装置における操作体は、前記操作面として、前記凸状部を挟んで第一側に位置する第一操作面と、第二側に位置する第二操作面とを有して構成される。この構成によれば、凸状部を境に、2つの操作面を区別して利用することが可能となる。その一例として、例えば、第一の操作面がタッチ入力用操作部として機能し、第二の操作面が前記押圧操作入力用操作部として機能するように構成することができる。この構成によれば、異なる2種の操作部を容易に設けることができる。
【0030】
本発明の操作検出装置における凸状部は、頂上部が前記筐体の最上位置よりも上方に突出している。この構成により、凸状部と操作面との区別がより明確につくため、双方への誤操作を防止できる。
【0031】
また、本発明の操作検出装置における操作体は、操作面及び凸状部を有する操作本体部と、操作本体部から操作面を中心とする外周側に、操作体と同一面上に突出する複数の操作体接続部とを有するとともに、操作体接続部には、操作面を間に挟む形で対向して位置する操作体接続部の対が少なくとも1以上設けられるとともに、その先端部に起歪体の接続部が接続されている。
【0032】
上記構成によって、歪検出部(すなわち、起歪体)に効率よく操作変位を伝達することが可能となる。
【0033】
また、本発明の操作検出装置における起歪体は、接続部から延出する延出部を有し、その延出部の先端が固定部を形成するとともに、延出部が変位伝達面とされ、その変位伝達面上に歪検出部が設けられている。
【0034】
上記構成によって、接続部、起歪体、および変位伝達面を一体的に構成することが可能となる。
【0035】
また、本発明の操作検出装置における筐体は、操作体と起歪体に対し、固定部を除く残余の部分に対し非接触となるよう隙間を介在する形で配置されている。
【0036】
上記構成によって、操作面に対する押圧操作を妨げないように、操作体と起歪体を筐体に固定することが可能となる。
【0037】
また、本発明の操作検出装置における起歪体は、1つの操作体接続部に対し1つが接続されている。
【0038】
上記構成によって、少なくとも3箇所の操作体接続部が形成され、そのそれぞれに起歪体が接続されることになる。歪検出素子は、最低3個あれば重心位置(操作位置)を算出できる。よって、歪検出素子の数を減らせるため、装置を低コストに実現することが可能となる。
【0039】
また、本発明の操作検出装置における起歪体は、1つの操作体接続部に対し、当該操作体接続部を挟む位置関係をなす形で2つが接続されている。
【0040】
上記構成によって、従来技術と同様の方法で操作位置を算出することができ、新たな算出方法の開発は不要となるので、低コストかつ短期間で本発明の操作検出装置を作成できる。
【0041】
また、本発明の操作検出装置は、2つの起歪体が、操作体接続部と直交するように、操作体接続部の同じ位置に接続され、延出部は、操作体接続部との接続部から変位伝達面に向かうに従い挟幅となっていく先端側テーパー部と、変位伝達面から筐体との固定位置に向かうに従い挟幅となっていく基端側テーパー部と、を有する。
【0042】
上記構成によって、接続部および固定部の強度を十分確保することができるとともに、より微小な変位をも検出することができ、変位伝達面の歪の検出を精度よく行うことが可能となる。
【0043】
また、本発明の操作検出装置における基端側テーパー部は、延出部の延出方向の軸線に対しなす角度のうち操作体接続部との固定位置側の角度が、30度以上60度以下であり、先端側テーパー部は、延出部の延出方向の軸線に対しなす角度のうち筐体との固定位置側の角度が、30度以上60度以下である。
【0044】
上記構成によっても、接続部および固定部の強度を十分確保することができるとともに、変位伝達面において歪の検出を精度よく行うことが可能となる。
【0045】
また、本発明の操作検出装置における操作体の操作面は、その表面に、該操作面を複数の操作領域に分割するための溝部が設けられる。
【0046】
上記構成によって、操作面を擬似的に分割した状態となり、操作する際の指の触覚から操作領域を認識することができ、画面を凝視することなく所望の操作を行うことができるので、操作性が向上し、特に車両に搭載する表示器に適している。
【0047】
また、本発明の操作検出装置における操作体の操作面は、その表面方向に略凸形状となる。
【0048】
上記構成によっても、操作する際の指の触覚から操作領域を認識することができ、画面を凝視することなく所望の操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の操作検出装置の実施形態を簡略的に示す斜視図。
【図2】図1の操作検出装置の分解斜視図。
【図3】操作体および起歪体の構成の詳細を示す図。
【図4】図3の側面図。
【図5】図3の正面図。
【図6】(a)操作面に作用する垂直方向の押圧操作力によって起歪体に作用する力を説明する模式図、(b)操作面2aの面内方向の操作力によって起歪体に作用する力を説明する模式図。
【図7】(a)起歪体と歪検出素子を上方から見たときの模式図、(b)操作面に垂直な方向に押圧操作力を加えたときの、(a)の起歪体の変位伝達面に作用する応力を示した起歪体を、側面側から見たときの模式図。
【図8】(a)操作面に垂直な方向に押圧操作力を加えたときの歪検出素子の検出結果を示す表、(b)歪検出素子の等価回路を示す回路図。
【図9】(a)起歪体と歪検出素子を上方から見たときの模式図、(b)操作面の面内方向に操作力を加えたときの、(a)の起歪体の変位伝達面に作用する応力を示した起歪体を、側面側から見た図。
【図10】(a)操作体、起歪体、及び歪検出素子を左側面側から見た模式図により、操作面に加えられた垂直な方向の操作力によって左側の起歪体に加えられた分力とモーメントを示した説明図、(b)操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図により、操作面に加えられた垂直な方向の操作力の操作位置を示した説明図、(c)操作体、起歪体、及び歪検出素子を右側面側から見た模式図により、操作面に加えられた垂直な方向の操作力によって右側の起歪体に加えられた分力とモーメントを示した説明図、(d)操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面から見た模式図により、操作面に加えられた垂直な方向の操作力の操作位置を示した説明図。
【図11】(a)操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図、(b)操作体、起歪体、及び歪検出素子を側面側から見た模式図により、凸状部に加えられた操作力の分力を示した説明図、(c)操作体、起歪体、及び歪検出素子を側面側から見た模式図により、凸状部に加えられた操作力の分力によるモーメントを示した説明図。
【図12】操作体の中央断面図。
【図13】(a)操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図、(b)操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面側から見た模式図により、凸状部に加えられた操作力の分力を示した説明図、(c)操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面側から見た模式図により、凸状部に加えられた操作力の分力によるモーメントを示した説明図。
【図14】起歪体の構成の一例を示す図。
【図15】(a)操作検出装置の第2の実施形態における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図、(b)当該第2の実施形態における操作体、起歪体、及び歪検出素子を側面側から見た模式図。
【図16】操作検出装置の第3の実施形態における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図。
【図17】操作検出装置の第4の実施形態の第一例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面から見た模式図。
【図18】操作検出装置の第4の実施形態の第二例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面から見た模式図。
【図19】(a)操作検出装置の第5の実施形態の第一例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図、(b)当該第5の実施形態の第一例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面側から見た模式図。
【図20】(a)操作検出装置の第5の実施形態の第二例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図、(b)当該第5の実施形態の第二例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面側から見た模式図。
【図21】操作検出装置の第6の実施形態の第一例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図。
【図22】操作検出装置の第6の実施形態の第二例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図。
【図23】操作検出装置の第7の実施形態における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図。
【図24】(a)従来の操作検出装置を上方から見た模式図、(b)従来の操作検出装置を正面から見た模式図。
【図25】図24において、従来の操作検出装置による操作位置の算出方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の操作検出装置の実施形態を、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0051】
図1に、本発明の操作検出装置の実施形態を簡略的に示す斜視図を示す。また、図2に、図1の分解斜視図を示す。図1及び図2に示す操作検出装置1は、上部カバー91,押さえ部材93,支持部材94,底部カバー95,および操作体2等を含んで構成される。なお、本発明における筐体90は、上部カバー91,支持部材94,及び底部カバー95を有し、操作体2を収納する形で構成されている。
【0052】
上部カバー91は、操作検出装置1の強度維持、防塵、あるいは意匠性の維持を目的とするもので、ビス穴91aを介して、底部カバー95(ビス穴は95a)とともに、例えば、図示しない表示装置の表示画面上(あるいは表示画面の枠上)に取り付けられる。また、支持部材94は、ビス穴94dを介して、底部カバー95(ビス穴は95b)上に一体に取り付けられる。また、上部カバー91には、開口部91bが形成され、開口部91bの開口内には、操作体2が配置される。
【0053】
なお、表示装置は、車両において、運転席と助手席に座した双方のユーザから操作可能な位置、例えば運転席と助手席の間に挟まれる領域や、運転席と助手席から視認しやすいそれらの座席の前方位置等に配置することができる。ここでは車両のセンターコンソール上に設けられているものとする。なお、表示装置の表示画面上には、動的なデザイン変化を生じる画面を表示してもよいし、操作内容を直感的に把握できるような操作内容指示画面を表示してもよい。また、ここでは表示装置を用いているが、これを用いず、センターコンソール上に筐体90を固定する形で設けてもよい。
【0054】
操作体2は、図2に示す操作板21と操作板支持部22とを有して構成される。操作板21の表面2a,2bは、操作検出装置1において開口部91bの開口から露出してユーザによる操作が可能な操作面をなし、平坦面をなす操作面(平坦操作面)2a及び凸状部(凸状操作面)2bを有する。ここでの操作面2aは、略平板状で略矩形状をなす操作板(操作本体部)21の正面側表面であって、操作検出装置1の装飾性を高める役割も有しており、図示しない表示器の表示の視認性を維持可能な範囲で装飾を施してもよい。ここでの操作体2は、上記の表示装置の表示画面が視認できるよう透明な部材により構成され、操作面2a,2bから表示画面を視認可能に構成されている。他方、凸状部2bは、操作面2aから突出する形で形成された操作板21の背面側部分である。このようにして、操作面2aと凸状部2bとを有して構成されることにより、操作面2aを、タッチパネルやタッチパッドのように、タッチ操作を受け付けるタッチ操作面として利用できる一方で、凸状部2bを例えばポインティングスティックのように水平方向側への押圧操作を受け付ける方向入力用操作部として利用することができる。
【0055】
例えば、表示装置の表示画面に、ポインタやカーソル等の位置指示画像が表示されている場合には、凸状部2bを操作して、凸状部2bの水平方向への操作に応じて位置指示画像を画面上で移動させるようにする。また、表示装置の表示画面に、1以上のタッチ入力領域(操作アイコンなど)が表示されているタッチ入力画面が表示されている場合には、操作面2aをタッチ操作して、画面上のタッチ入力領域に対する入力操作を行うようにする。
【0056】
操作板21は、その裏面のビス穴(図示なし)を介して、操作板支持部22(ビス穴22d)上に一体に取り付けられており、これら操作板21と操作板支持部22とにより操作体2が構成されている。操作板支持部22は、中央支持部22bと、複数の操作体接続部22cとを有して構成される。中央支持部22bは、正面側を開放する形で切り欠かれた略U字型の形状をなし、操作板21の下側に固定され、操作板21を下側から支持する。他方、操作体接続部22cは、操作板21の略矩形状をなす表面(すなわち、操作面2a)を中心として中央支持部22bから外周側に突出する、略四角柱状の部位として形成されている。操作板支持部22は、操作面2aを間に挟む形で対向して位置する操作体接続部22cの対を少なくとも1以上有する。本実施例では、それら操作体接続部22cは、矩形状の操作面2aの中心を原点とするx−y座標系のx軸方向に沿って形成されている。具体的に言えば、図3に示すように、2つの操作体接続部22cは、直線状の頂上部2ba(図4参照)を有した山型をなす凸状部2bの、該頂上部2bの直線延出方向の両側に該直線延出方向に延び、なおかつ操作板21を下方で直接支持する中央支持部22bから上方に厚みを増す形で延出形成されている。
【0057】
図3は、操作体2および起歪体3を上方から見た上面図を示したものであり、図4は、操作体2および起歪体3を側方(ここでは右側側方)から見た側面図を示したものであり、図5は、図3のX’−X’における断面を示したものである。また、図14は、起歪体3の構成の一例を示す模式図であり、操作体接続部22cと起歪体3との固定状態を示している。
【0058】
起歪体3は、図3及び図14に示すように、一端に操作体2の周縁に接続するための接続部3dを形成し、他の一端に前記筐体に固定するための固定部3cを形成し、それら接続部3dと固定部3cとの間に、操作面2a及び凸状部2bに対する押圧により発生する操作力に応じて変位する変位伝達面3fを有する平板状の部材である。なお、変位伝達面3fを操作体2の周辺に少なくとも3以上有することで、操作面2aに対し垂直に加えられた操作力の中心位置(すなわち操作位置(x1,y1)や、凸状部2bに加えられた操作力Fの水平方向成分(すなわち水平方向の力fx,fy)を、後述する式(1−1)〜(1−7)を用いて算出可能となる。本実施例では、2つの起歪体3は、1つの操作体接続部22cを挟む位置関係を有する形で、この1つの操作体接続部22cに対しそれぞれ接続されている。そして、それら2つの起歪体3はそれぞれ、操作体接続部22cの先端部22aと接続する接続部3dを有する。ここでは、それら2つの起歪体3の接続部3dが、操作体接続部22cの先端部22a上にて、ビスあるいは接着剤等で接続される。さらに、起歪体3の接続部3dとは逆側の端部3cは、支持部材94の所定の係合面(ここでは上段面94cと下段面94hとの中間に設けられた中段面)94cに係合する形で固定される固定部3cをなす。そして、図2に示す押さえ部材93の凸部93bが、起歪体3を上方から覆うようにして、支持部材94の上段面94cと係合し、ビス留め(ビス穴はそれぞれ93a,94a)されている。これにより、起歪体3(すなわち、固定部3c)の支持部材94(筐体)への固定(挟圧保持)を確実なものとしている。
【0059】
図3に示すように、各起歪体3は、操作体接続部22cに対する接続位置(すなわち、接続部3d)から、操作面2aに平行をなす形で延出する延出部3gを有し、その先端部が、支持部材94に固定される固定部3cをなす。そして、延出部3gは、操作面2aに操作力が作用するのに伴い曲げ変形が生じるよう弾性変形する弾性変形体であり、その表面(上面)が変位伝達面3fとされている。
【0060】
これにより、本実施形態の各起歪体3の変位伝達面3fには、操作面2aに押圧による操作力Fz(図10参照:図6のFz1+Fz2に相当)が作用するに伴い操作体2に生ずる、操作面2aに対し垂直な垂直方向zの操作変位のうち、自身(3f)が位置する側に生ずる操作変位を反映した変位が、垂直方向zに生じる。そして、この垂直方向zの変位による弾性変形量を、変位伝達面3f上に設けられた歪検出素子4が歪として検出する。
【0061】
また、図5のように、操作面2aと全ての変位伝達面3fとが略同一平面上に位置している。
【0062】
また、筐体90は、操作体2と非接触となるよう隙間を介在する形で配置してもよい。ここでは、図5に示すように、筐体90をなす底部カバー95の上面のうち、操作体2の裏面22hに対向する面領域95hが、操作体2の下方への変位を規制する第一の変位規制面となり、筐体90をなす支持部材94の上面のうち、起歪体3の変位伝達面3fの裏面3hに対向する面のうちの領域94hが、操作体2と共に変位する起歪体3の下方への変位を規制する第二の変位規制面となっている。このように、操作体2は筐体90には接続も接触もされておらず、起歪体3は固定部3c以外の部分では筐体90には接触していない。
【0063】
また、支持部材94には信号処理部6(本発明の演算部:操作位置算出手段および操作力算出手段)が収納されている。信号処理部6は、例えば周知のCPU,ROM,RAM,およびA/D変換回路等の信号処理回路等を含むコンピュータハードウェアとして構成されている。そして、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することで、操作検出装置1としての機能を実現する。例えば、歪検出部4が検出した弾性変形量に基づいて、押圧操作が行われた位置(すなわち、操作位置)および操作力を予め定められた演算方法に従い算出する。
【0064】
具体的には、操作体2の操作面2aに押圧操作力Fzが作用すると、支持部材94に対し固定された起歪体3には、操作体2を介して、押圧操作力Fzの分力fz1やfz2、さらにはモーメント力mz1やmz2が作用する(図6(a)参照)。ただし、起歪体3は、支持部材94を介して筐体90に固定されているため、曲げ変形を強いられる。このため、起歪体3の主表面をなす変位伝達面3fには、その面内方向において引張り応力、あるいは圧縮応力が作用する。本実施形態においては、変位伝達面3f上に歪検出素子4が設けられているため、それら引張り応力あるいは圧縮応力に応じた変位伝達面3f内の伸び量ないし縮み量を、歪検出素子4が検出する。
【0065】
図6及び図7を用いて、操作面2aに作用する押圧操作力によって起歪体3に作用する力を説明する。
【0066】
まず、図6(a)のように、矩形状の操作面2aの中心を原点とするx−y座標系のx軸上で、操作面2aに垂直なz軸方向に押圧操作力Fzを加えた場合は、起歪体3(31〜34)には力fzのみ発生する。また、図7のように、y軸方向に沿って、操作面2aに垂直なz軸方向に押圧操作力Fzを加えた場合は、起歪体3(31〜34)には力fzとモーメント力mzとが発生する。
【0067】
上述の場合、各歪検出素子4(41〜44)のエレメント4a〜4dは、図7(a)のように配置されているので、図7(b)のように、起歪体3の変位伝達面3fに作用する応力は、歪検出素子4のエレメント4a〜4dの各位置で引張り応力、あるいは圧縮応力となる。歪検出素子4の等価回路は、図8(b)のブリッジ回路として表され、図8(a)のように、引張り応力の発生するエレメント4aおよび4bでは抵抗値は減少し、圧縮応力の発生するエレメント4cおよび4dでは抵抗値は増加する。そこで、図8(b)のブリッジ回路のブリッジ電圧Voutの変化を検出して、信号処理部6において、起歪体3に作用する力fz、モーメント力mzを算出できる。
【0068】
また、図6(b)のように、操作面2aの面内方向に力Fyを加えた場合は、図9(a)のように配置された歪検出素子4のエレメント4a〜4dに作用する応力は、図9(b)のように、4個全て圧縮応力、あるいは、4個全て引張り応力となるため、図8(b)のブリッジ回路のブリッジ電圧Voutに変化はなく、面内方向の力に対して感度を持たない。よって、起歪体3に作用する力fz、モーメント力mzを算出する際に、面内方向の力を考慮する必要がなくなる。
【0069】
図10のように、信号処理部(演算部)6は、各歪検出素子4(41〜44)が形成するブリッジ回路のブリッジ電圧Voutに基づいて、各起歪体3に加えられた力fz(fz1,fz2)、モーメント力mz(mz1,mz2)を算出し、算出された値fz,mzと、式(1−4)および(1−5)に基づいて、操作面2aに加えられた操作力Fzの中心位置、すなわち操作位置(x1,y1)を算出できる。式(1−4)および(1−5)は、力の釣り合いの式(1−1)、y軸周りのモーメントの釣り合いの式(1−2)、およびx軸周りのモーメントの釣り合いの式(1−3)からそれぞれ導き出せる。なお、wは、各起歪体3のy軸に平行な中心線間(31,32と33,34との間)の距離である。
【0070】
また、操作体2における操作可能な部位として、操作面(平坦操作面)2aだけでなく、操作面2aから突出する凸状部(凸状操作面)2bを有することにより、操作態様が拡大されている。即ち、操作面2aに垂直なタッチ方向操作のみならず、操作面2aに水平な方向への操作も可能とされている。そして、それらの操作の検出は、双方ともが、上述した歪検出素子4(41〜44)の検出結果に基づいて可能となっている。
【0071】
本実施例での凸状部2bは、図11に示すように、その表面2b(2ba,2bb,2bc等:図12参照)に対する押圧により発生する操作力Fに、操作面2aの同一平面に垂直な方向の成分が含まれるような表面形状を有する。具体的に言えば、ここでの凸状部2bは、図12に示すように、その表面2b(2ba,2bb,2bc等)の法線と、操作面2aの同一平面との交点2dが、該操作面2aとは異なる、凸状部2b側に位置するような表面形状を有する。
【0072】
これにより、凸状部2bに、操作面2aに対する水平方向の力を作用させようとしても、図11に示すように、実際には水平方向のみに力を作用させることはできず、必ず操作面2aに対し垂直な方向の力fzが生まれる。つまり、操作面2aに対し水平方向な方向に向けた力Fを作用させた場合、その力Fは必ず、操作面2aに対する垂直方向の成分fzを含んだ斜めの下方向の力Fとして凸状部2bに作用する。起歪体3は、操作面2aに作用する水平方向(面内方向)の力に対して感度をもたないが、当該凸状部2bに作用する斜め下方向の力Fに対しては、その作用点との間に、垂直方向において一定の距離hが存在するとみなせる構造となるため、凸状部2bに加えられた力Fの水平方向成分fyに基づいて、モーメントmyによる弾性変形を生じる。例えば図11の場合、凸状部2bに作用する力Fのy方向成分によって、起歪体3には、式(1−6)に相当するモーメントmyによる弾性変形が生じる。mzはfzに比例するので、信号処理部(演算部)6は、図8(b)のブリッジ回路のブリッジ電圧Voutに基づいて得られるモーメントmyと式(1−6)に基づいてfyを正確に算出することができる。
【0073】
同様に、凸状部2bに作用する力のx方向成分によって、起歪体3には、式(1−7)に相当するモーメントmxによる弾性変形が生じる。mxもfzに比例するので、信号処理部(演算部)6は、図8(b)のブリッジ回路のブリッジ電圧Voutに基づいて得られるモーメントmxと式(1−7)に基づいてfxも正確に算出することができる。
【0074】
このような構成を有するため、凸状部2bになされた水平方向の操作力fy,fxについて正確に算出することができるから、凸状部2bを、水平方向への操作入力を受け付ける、例えばポインティングスティックのような、操作面2aに対し水平な方向への入力操作が可能となる方向入力用操作部として機能させることが可能となる。凸状部2bの形状も、ここでは山型をなして形成されており、その頂上部2baを引っ掛ける形で水平方向への操作が容易となっている。なお、ここでの凸状部2bは、頂上部2baを、操作面2aをなすx−y平面の一方の軸線方向(ここではx軸方向)の一定位置において、他方の軸線方向(ここではy軸方向:操作体接続部22cの延出方向)に直線状に延びる、高さhが一定の山型をなして形成されている。
【0075】
また、このとき、凸状部2bになされた垂直方向の操作力fzについても正確に算出できるから、凸状部2bに操作がなされた場合も、その垂直方向の力fzによって各起歪体3に弾性変形が生じる。このため、このz方向成分の力fzに基づいて、操作面2aへのタッチ操作と同様、その操作位置を算出することができる。
【0076】
ただし、この時算出される操作位置は、操作面2aと同一の平面上における位置であって、正確に言えば、操作面2aと同一の平面と、押圧された凸状部2bの表面に対する法線との交点2dの位置である。
【0077】
本実施例の信号処理部6は、操作体2に対し操作がなされた場合には、操作面2aと凸状部2bとのいずれに操作がなされたか否かにかかわらず、算出される垂直方向の力fzに基づいて操作位置を算出し、算出された操作位置(操作面2aとの同一平面状の位置)が、操作面2a内の位置であるか否かにより、操作面2aが操作されたか、凸状部2bが操作されたかを判定する(判定手段)。そして、算出された操作位置が操作面2a内の位置と判定された場合には、算出された操作位置と、その位置における垂直方向の操作力fzを入力情報として取得する一方、算出された操作位置が操作面2a外(ここでは操作面2aよりも凸状部2b側の位置)の位置と判定された場合には、操作面2aに対する水平方向の操作力fy、fxをそれぞれ入力情報として取得する。これにより、操作面2aをタッチ入力用操作部、凸状部2bを操作面2aに対する水平方向の方向入力用操作部として機能させることができ、2種の操作入力を受け付けることが可能となる。
【0078】
図12に、図11に示す操作体2のy方向断面を示す。図12の操作体2は、操作面2aと凸状部2bとの間に、それら操作面2a及び凸状部2bよりも操作難易度が高い、もしくは操作を受け付けない所定幅の境界領域2cが形成される。これにより、操作面2aが操作されたか凸状部2bが操作されたかをより容易に、かつより正確に判断できるようになる。また、双方への誤操作も生じにくくなる。この境界領域2cについては、ここでは、操作面2aと凸状部2bの間の凹部(溝部)として形成されている(図11では凹部2cは省略して描かれている)。
【0079】
本実施例の上部カバー91は、図1及び図2に示すように、上部カバー正面部91cと、段差部91ceと、上部カバー最上段部91eと、上部カバー背面部91dとを有して構成される。上部カバー正面部91cは、操作体2が配置される開口部91bの正面側を覆う正面壁部91gを有し、その両端が該開口部91bを挟む形で背面側に向けて延出形成されている。上部カバー正面部91cの上面は、操作面2aと略同一平面をなしているため、操作面2aへの操作がしやすい。段差部91ceは、上部カバー正面部91cの背面側から上方に立ち上がる形で形成されている。上部カバー最上段部91eは、段差部91ceの上部から背面側に延出するとともに、凸状部2bの頂上部2baよりも低い位置に上面を有する。凸状部2bの頂上部2baよりも上部カバー最上段部91eの上面が低いことにより、さらにいえば、凸状部2bの頂上部2baが筐体をなす構造体91,94,95よりも高い位置に突出していることにより、凸状部2bへの操作がし易くなっている。また、上部カバー最上段部91eの下側には、押さえ部材93及び支持部材94を収容するための凹部が形成されている。上部カバー背面部91dは、上部カバー最上段部91eの背面側にて下方に延出し、底面に底部カバー95に取り付るためのビス穴91aが形成される。開口部91bは、正面側に操作体2が配置される一方で、背面側には、プッシュスイッチユニット5が配置される。
【0080】
プッシュスイッチユニット5は、1以上の押圧操作ノブ5a,5bと、該押圧操作ノブ5a,5bの下方への押圧を支持する押圧支持部5A,5Bと、それら押圧支持部5A,5Bが形成されたユニット本体5Cと、を有して構成される。ユニット本体5Cには、図示しないビス穴を介して、底部カバー95(ビス穴は95c)に取り付けられる。また、本実施例においては、各押圧操作ノブ5a,5bの下方に、それぞれタクトスイッチ(図示なし)が配置されており、それら押圧操作ノブ5a,5bへの押圧操作が検出可能とされている。上部カバー91には、このプッシュスイッチユニット5が配置される開口部91bの背面側を覆う背面壁部の両端から、上部カバー最上段部91eの内側にて、開口部91bを挟む形で正面側に向けて延出する背面内側部91fを有する。この背面内側部91fの上面は、操作面2aよりも高い位置で、上部カバー最上段部91eの上面よりも低い位置、さらに押圧操作ノブ5a,5bの上面よりもやや低い位置とされている。このように、本実施形態の操作検出装置1は、タッチ操作面をなす操作面2aと、水平方向の方向指示操作が可能な凸状部2bの他に、プッシュ操作が可能な押圧操作ノブ5a,5bが設けられていることで、3種の操作が可能に構成されている。
【0081】
図14に、図3等における起歪体3の構成の具体例を示す。図14の起歪体3は、操作体接続部22cとの接続位置から操作体接続部22cの延出方向に対し垂直な方向に延出し、操作体接続部22cとの接続部3dから延出先端部(すなわち、固定部3c)に向かうに従い挟幅となっていく基端側テーパー部3hと、支持部材94との固定部3cから操作体接続部22cとの接続部3d側に向かうに従い挟幅となっていく先端側テーパー部3iと、それら基端側テーパー部3hと先端側テーパー部3iとを連結する延出部3gとが形成されるとともに、延出部3gの上面に、変位伝達面3fを有する。
【0082】
また、基端側テーパー部3hは、その外縁が、延出部3gの延出方向の軸線Lに対しなす角度のうち操作体接続部22cとの接続部3d側の角度θ1が、30度以上60度以下であり、先端側テーパー部3iは、延出部3gの延出方向の軸線Lに対しなす角度のうち支持部材94との固定部3c側の角度θ2が、30度以上60度以下であることが望ましい。
【実施例2】
【0083】
図15に、本発明の操作検出装置の第2の実施形態を示す。図15は、本実施形態における上面図と、そのA−A断面図である。本実施例では、起歪体3が、矩形状をなす操作体2の4つの角部から突出した操作体接続部22cに取り付けられている。つまり、1つの操作体接続部22cに対し1つの起歪体3が接続されている。起歪体3および歪検出部4の構成については、第1の実施形態と同様である。第1の実施形態では、操作体2と2つの起歪体3との結合部に大きな応力が加わり易い構成になっているが、本実施形態では、応力が4か所に分散され、装置の信頼性および耐久性が向上する。無論、本実施形態でも、操作面2aと全ての変位伝達面3fとが同一平面上に位置している(以降の実施形態についても同様)。
【実施例3】
【0084】
図16に、本発明の操作検出装置の第3の実施形態を示す。図16は、本実施例における上面図である。図16は、図15において、起歪体3(歪検出部4)を4個から3個にして操作体2の周縁部に配置したものである。歪検出部4は、最低3個あれば、重心位置を算出できる。本実施例では、歪検出素子の数を減らせるため、装置を低コストに実現可能である。
【実施例4】
【0085】
図17,図18に、本発明の操作検出装置の第4の実施形態を示す。第1〜第3の実施形態では、図17のように、操作面背部に表示器を持たない構成であるが、図18のように、操作部背面にLCD等の表示器27を配置し、タッチパネル(タッチスクリーン)としてもよい。表示器27を配置することで、より直接的な操作が可能である。操作体2と表示器27との間にシール部材28を配してもよい。これにより、防振、防塵、防水等の効果が期待できる。
【実施例5】
【0086】
図19,図20に、本発明の操作検出装置の第5の実施形態を示す。図19は、第1実施例の構成において、操作体2の操作板21あるいは操作面2aの表面に溝部21b,21cを設けたものを示している。図19(a)は上面図であり、図19(b)は図19(a)のB−B断面図である。溝部の数や方向については、特に制約はない。
【0087】
また、図20は、第1実施例の構成において、操作体2の操作面2aを略凸形状としたものを示している。図20(a)は上面図であり、図20(b)は図20(a)のC−C断面図である。図20の例では、矩形状の操作面2aの中心部が最も高くなっているが、凸部の位置およびの高さは、図25の式(2−3)から求まるずれ重心(xd)の位置検出精度に影響を与えない程度に低くする必要がある。
【実施例6】
【0088】
図21,図22に、本発明の操作検出装置の第6の実施形態を示す。図21は、第1実施例の構成において、操作体2の操作面2aとして、凸状部2bを挟んで第一側に位置する第一操作面2a1と、第二側に位置する第二操作面2a2とを有して構成される。この構成によれば、凸状部2bを境に、2つの操作面2a1,2a2を区別して利用することが可能となる。この場合、境界領域2cも、第一操作面2a1と凸状部2bの間の領域2c1と、第二操作面2a2と凸状部2bとの間の領域2c2との2つがある。図21は上面図である。
【0089】
図22は、第1実施例の構成において、操作体2の操作面2aとして、中央が突出する山型の凸状部2b(2b0)を取り囲む形で、操作面2a(2a0)を有して構成される。この構成によれば、より広い操作面2aを設けることができる。この場合、境界領域2c(2c0)は、凸状部2b(2b0)を取り囲む形で、凸状部2b(2b0)と操作面2a(2a0)との境界に設けられる。図22は上面図である。
【実施例7】
【0090】
図23に、本発明の操作検出装置の第7の実施形態を示す。図23は、操作体2は、操作面2a上に1以上の押圧操作ノブ50aが配置され、当該ノブ50aに対する押圧により直下の操作面2aに操作力が作用することにより押圧操作入力用操作部として機能するよう構成される。信号処理部6は、算出された操作位置が押圧操作ノブ50aの配置された配置領域(50a)であった場合に、当該操作面2a上の押圧操作ノブ50aに対する押圧操作入力としての入力情報を取得する。図23の場合は、図21の実施例の構成において、2つ存在する操作面2a1,2a2のうちの一方の上に押圧操作ノブ50aが配置されている。図23は上面図と、その中央断面図を示している。これにより、図23では、第一の操作面2a1がタッチ入力用操作部として機能し、第二の操作面2a2が押圧操作入力用操作部として機能するように構成されている。
【0091】
また、図23においては、凸状部2bは、その表面に、操作面2aに対する水平方向の方向入力操作を示唆するデザイン2Bを有する。この構成によれば、凸状部2bによる操作内容を、表面のデザイン2Bから直感的に把握できる。これは他の実施例に適用しても当然よい。
【0092】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 操作検出装置
2 操作体
2a 操作面
2b 凸状部
3 起歪体
3c 固定部
3d 接続部
3g 延出部
3f 変位伝達面
3h 基端側テーパー部
3i 先端側テーパー部
4 歪検出素子(歪検出部)
6 信号処理部(演算部)
21 操作板(操作本体部)
22 操作体接続部
90 筐体
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作面に対する荷重検出式のタッチパッドやタッチスクリーン、重心動揺計等のように、操作面に作用する力の中心位置を特定する操作検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
操作面に対する荷重検出式のタッチパッドやタッチスクリーン、重心動揺計等のように、操作面に作用する力の中心位置を特定する操作検出装置においては、操作面に対する操作がなされた場合に、操作面に対する垂直な方向の力のみを検出し、その力の大きさを用いて操作位置を算出することにで、操作位置をより正確に特定することができる。
【0003】
これに対し、特許文献1には、操作面と検出部との間に鋼球を配置することによって、操作面に垂直な方向以外の方向から加わる力を逃がし、垂直方向の力のみを検出する技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成では、鋼球を利用する構成とするために多くの追加部品を要するため、コスト高となるとともに、装置全体も大型化してしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−108851号公報
【特許文献2】特開2010−86076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さらに、荷重検出式の操作検出装置においては、操作面への操作として、タッチ操作や摺動操作しか存在せず、操作態様が限られてしまうという問題がある。
【0007】
これに対し、特許文献2では、操作パネル11の操作面11aから突出した凸状部材12を設けた構成することによって、該操作面11aに対し垂直な方向の操作(ここでは上へ引き上げる操作)を可能とし、操作態様を拡大しているが、この構成の場合、凸状部材12に、操作面11aに対する垂直方向や水平方向とは異なる方向(例えば操作面11aに対する斜め方向)に力が作用すると、操作面11aを操作したのか、凸状部材11aを操作したのかを判別することができない。
【0008】
本発明の課題は、上記問題点を背景として、操作面に垂直方向とは異なる方向の力が作用した場合でも、操作面に作用した力の中心位置を正確に求めることができるとともに、操作面以外の操作ができるよう操作態様が拡大され、なおかつその操作と操作面に対する操作とを正確に判別することが可能な操作検出装置を、部品点数の少ない形で実現することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0009】
上記課題を解決するための操作検出装置は、
略平板状の操作面と前記操作面から突出する凸状部とを有する操作体と、
前記操作体を収納する筐体と、
一端に前記操作体の周縁に接続するための接続部を形成し、他の一端に前記筐体に固定するための固定部を形成し、前記接続部と前記固定部との間に、前記操作面及び前記凸状部に対する押圧により発生する操作力に応じて変位する変位伝達面を有する少なくとも3以上の平板状の起歪体と、
前記起歪体の前記変位伝達面に固着され、前記起歪体の変位に伴う前記変位伝達面の歪を検出する歪検出部と、
前記歪検出部のそれぞれの歪検出結果に基づいて、前記操作体において前記操作力が作用した位置と力をそれぞれ操作位置と操作力として算出する演算部と、
を備え、前記操作面と全ての前記変位伝達面とが略同一平面上に位置するように前記操作体と前記起歪体が配置されていることを特徴とする。
【0010】
図24,図25に、従来技術(重心動揺計:特許第2760472号公報,特許第2760473号公報など)の構成を示す。図24のように、操作面102−1と起歪体103とが略同一平面内にないため、図25のように、操作面102−1の垂直方向に対し角度θの方向に力Fを加えた場合は、式(2−1)〜(2−3)で表される周知の重心算出方法から算出される重心位置から角度θに相当する分(xd)だけずれる。したがって、正確な重心位置を算出する場合、別の検出手段により角度θを算出してずれ(xd)を補正するか、特表平10−511198号公報のように、操作面に作用する力の垂直成分のみを起歪体に伝達させていたため、コスト増の要因となっていた。
【0011】
一方、本発明は、歪検出部を配置した平板状の変位伝達面を操作面と略同一面に配置することで、歪検出部が操作面に垂直な方向以外には感度をほとんど持たず、操作面に垂直な方向の力のみを検出するため、操作面に垂直でない方向に力が作用する場合でも、特に部品の追加を必要としないで、操作面に作用する力の重心位置(すなわち、操作位置)を正確に検出することが可能となる。
【0012】
また、本発明の操作検出装置における変位伝達面は、操作面に操作力が作用するのに伴い、曲げ変形を生じさせるよう弾性変形する弾性変形体であり、歪検出部は、各変位伝達面に生じる変位伝達面の面内方向の弾性変形量を検出する。
【0013】
上記構成によって、操作面に対して垂直な方向の力のみを検出することが可能となる。
【0014】
また、本発明の操作検出装置における歪検出部は、各起歪体の表面上に配置された歪検出素子を含む。
【0015】
歪検出素子は、荷重検出等で広く用いられており、小型化・低コスト化が進んでいる。上記構成によって、歪検出素子以外の部品を用いることなく、操作位置を正確に検出することが可能となる。
【0016】
また、本発明の操作検出装置における操作位置算出部は、操作体の操作面を二次元直交座標系のX−Y平面とし、操作力に応じて歪検出素子に発生する歪に基づいて、X−Y平面のX方向およびY方向周りに発生するモーメント、および、X−Y平面に直交するZ方向の力を算出し、モーメント、および、力に基づいて算出した重心位置を操作位置として算出する。
【0017】
上記構成によって、図24,図25のような、従来技術と同様の方法で操作位置を算出することができ、新たな算出方法の開発は不要となるので、低コストかつ短期間で本発明の操作検出装置を作製できる。
【0018】
また、本発明では、操作体における操作可能な部位として、操作面だけでなく、操作面から突出する凸状部を有する。このため、操作態様が拡大されている。
【0019】
本発明の操作検出装置における凸状部は、その表面に対する押圧により発生する操作力に、前記操作面の同一平面に垂直な方向の成分が含まれるような表面形状を有している。
【0020】
上記構成によれば、凸状部に、操作面に対する水平方向の力を作用させようとしても実際には水平方向のみに作用させることはできず、必ず操作面に対する垂直方向の成分が生まれるため、垂直方向の成分を含んだ斜めの方向にしか力を作用させることはできない(図11参照)。起歪体は、操作面に作用する水平方向の力に対して感度をもたないが、当該凸状部に作用する力に対しては、その作用点との間に、垂直方向において一定の距離hが存在するとみなせる構造となるため、凸状部に加えられた力の水平方向成分によって、モーメントによる弾性変形を生じる。例えば図11の場合、凸状部に作用する力のy方向成分によって、起歪体には、my=fy・hに相当するモーメントによる弾性変形が生じる。mzはfzに比例するので、fzを正確に算出することができる。同様に、凸状部に作用する力のx方向成分によって、起歪体には、mx=fx・hに相当するモーメントによる弾性変形が生じる。mxもfzに比例するので、fzも正確に算出することができる。このように、上記構成とすれば、凸状部になされた水平方向の操作力について正確に算出することができるから、凸状部を、水平方向への操作入力を受け付ける、例えばポインティングスティックのような方向入力用操作部として機能させることが可能となる。
【0021】
本発明の操作検出装置における凸状部は、その表面の法線と、前記操作面の同一平面との交点が、該操作面とは異なる、凸状部側に位置する。この構成によれば、凸状部表面の法線の、操作面の同一平面との交点位置により、操作体になされた操作が操作面へのものか、凸状部へのものかを判断可能となる。
【0022】
本発明の操作検出装置における凸状部は、直線状の頂上部を有した山型をなし、前記起歪体の接続部は、該頂上部の直線延出方向の両側に該直線延出方向に延びる形で形成される。この構成によれば、凸状部が山型をなすので、当該凸状部は、その頂上部を引っ掛ける形で水平方向に操作しやすい。
【0023】
本発明の操作検出装置における演算部は、前記操作面と前記凸状部とのいずれが操作されたかを判定する判定手段を備える。この構成によれば、操作面をタッチ入力用操作部、前記凸状部を前記操作面に対する水平方向の方向入力用操作部として機能するよう構成できる。
【0024】
本発明の操作検出装置における凸状部は、その表面に、前記操作面に対する水平方向の方向入力操作を示唆するデザインを有する。この構成によれば、凸状部による操作内容を表面のデザインから直感的に把握できる。
【0025】
本発明の操作検出装置においては、凸状部の表面の法線と、前記操作面の同一平面との交点が、該操作面とは異なる前記凸状部側に位置する構成を有する場合に、演算部が、前記操作体において前記操作力が作用した位置として、前記操作面の同一平面上における位置を算出し、前記判定手段は、算出された当該位置が前記操作面上にある場合を前記操作面への操作として判定する。
【0026】
本発明においては、凸状部に操作がなされた場合も、その力の垂直方向成分であるz方向成分fzによって各起歪体に弾性変形が生じる。このため、このz方向成分の力fzに基づいて、操作面を垂直方向に押圧した場合と同様、その操作位置を算出することができる。ただし、この時算出される操作位置は、操作面と同一の平面上における位置であって、正確に言えば、操作面と同一の平面と、押圧された凸状部の表面に対する法線との交点の位置が操作位置として算出される。したがって、上記構成によれば、このようにして算出される操作位置が、操作面の位置であるか否かで、操作面が操作されたか凸状部が操作されたかを容易かつ正確に判断できる。
【0027】
本発明の操作検出装置における操作体は、前記操作面と前記凸状部との間に、それら操作面及び凸状部よりも操作難易度が高い、もしくは操作を受け付けない所定幅の境界領域が形成される。この構成によれば、操作面が操作されたか凸状部が操作されたかをより容易に、かつより正確に判断できるようになる。また、双方への誤操作も生じにくくなる。この境界領域については、例えば操作面と前記凸状部の間の凹部として、容易に形成できる。
【0028】
本発明の操作検出装置における操作体は、前記操作面上に押圧操作ノブが配置され、当該ノブに対する押圧により直下の前記操作面に前記操作力が作用することにより押圧操作入力用操作部として機能するよう構成されるとともに、前記演算部は、算出された前記操作位置が前記押圧操作ノブの配置された前記操作面上の領域であった場合に、当該操作面上の押圧操作ノブに対する操作入力を受け付ける。この構成により、押圧操作を検出する専用の押圧操作検出スイッチを配置することなく、単に操作面上に押圧操作ノブを配置するだけで、押圧操作部を形成できる。また、押圧操作ノブは、操作面上の任意の位置に配置できるため、配置位置の自由度も高い。
【0029】
本発明の操作検出装置における操作体は、前記操作面として、前記凸状部を挟んで第一側に位置する第一操作面と、第二側に位置する第二操作面とを有して構成される。この構成によれば、凸状部を境に、2つの操作面を区別して利用することが可能となる。その一例として、例えば、第一の操作面がタッチ入力用操作部として機能し、第二の操作面が前記押圧操作入力用操作部として機能するように構成することができる。この構成によれば、異なる2種の操作部を容易に設けることができる。
【0030】
本発明の操作検出装置における凸状部は、頂上部が前記筐体の最上位置よりも上方に突出している。この構成により、凸状部と操作面との区別がより明確につくため、双方への誤操作を防止できる。
【0031】
また、本発明の操作検出装置における操作体は、操作面及び凸状部を有する操作本体部と、操作本体部から操作面を中心とする外周側に、操作体と同一面上に突出する複数の操作体接続部とを有するとともに、操作体接続部には、操作面を間に挟む形で対向して位置する操作体接続部の対が少なくとも1以上設けられるとともに、その先端部に起歪体の接続部が接続されている。
【0032】
上記構成によって、歪検出部(すなわち、起歪体)に効率よく操作変位を伝達することが可能となる。
【0033】
また、本発明の操作検出装置における起歪体は、接続部から延出する延出部を有し、その延出部の先端が固定部を形成するとともに、延出部が変位伝達面とされ、その変位伝達面上に歪検出部が設けられている。
【0034】
上記構成によって、接続部、起歪体、および変位伝達面を一体的に構成することが可能となる。
【0035】
また、本発明の操作検出装置における筐体は、操作体と起歪体に対し、固定部を除く残余の部分に対し非接触となるよう隙間を介在する形で配置されている。
【0036】
上記構成によって、操作面に対する押圧操作を妨げないように、操作体と起歪体を筐体に固定することが可能となる。
【0037】
また、本発明の操作検出装置における起歪体は、1つの操作体接続部に対し1つが接続されている。
【0038】
上記構成によって、少なくとも3箇所の操作体接続部が形成され、そのそれぞれに起歪体が接続されることになる。歪検出素子は、最低3個あれば重心位置(操作位置)を算出できる。よって、歪検出素子の数を減らせるため、装置を低コストに実現することが可能となる。
【0039】
また、本発明の操作検出装置における起歪体は、1つの操作体接続部に対し、当該操作体接続部を挟む位置関係をなす形で2つが接続されている。
【0040】
上記構成によって、従来技術と同様の方法で操作位置を算出することができ、新たな算出方法の開発は不要となるので、低コストかつ短期間で本発明の操作検出装置を作成できる。
【0041】
また、本発明の操作検出装置は、2つの起歪体が、操作体接続部と直交するように、操作体接続部の同じ位置に接続され、延出部は、操作体接続部との接続部から変位伝達面に向かうに従い挟幅となっていく先端側テーパー部と、変位伝達面から筐体との固定位置に向かうに従い挟幅となっていく基端側テーパー部と、を有する。
【0042】
上記構成によって、接続部および固定部の強度を十分確保することができるとともに、より微小な変位をも検出することができ、変位伝達面の歪の検出を精度よく行うことが可能となる。
【0043】
また、本発明の操作検出装置における基端側テーパー部は、延出部の延出方向の軸線に対しなす角度のうち操作体接続部との固定位置側の角度が、30度以上60度以下であり、先端側テーパー部は、延出部の延出方向の軸線に対しなす角度のうち筐体との固定位置側の角度が、30度以上60度以下である。
【0044】
上記構成によっても、接続部および固定部の強度を十分確保することができるとともに、変位伝達面において歪の検出を精度よく行うことが可能となる。
【0045】
また、本発明の操作検出装置における操作体の操作面は、その表面に、該操作面を複数の操作領域に分割するための溝部が設けられる。
【0046】
上記構成によって、操作面を擬似的に分割した状態となり、操作する際の指の触覚から操作領域を認識することができ、画面を凝視することなく所望の操作を行うことができるので、操作性が向上し、特に車両に搭載する表示器に適している。
【0047】
また、本発明の操作検出装置における操作体の操作面は、その表面方向に略凸形状となる。
【0048】
上記構成によっても、操作する際の指の触覚から操作領域を認識することができ、画面を凝視することなく所望の操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の操作検出装置の実施形態を簡略的に示す斜視図。
【図2】図1の操作検出装置の分解斜視図。
【図3】操作体および起歪体の構成の詳細を示す図。
【図4】図3の側面図。
【図5】図3の正面図。
【図6】(a)操作面に作用する垂直方向の押圧操作力によって起歪体に作用する力を説明する模式図、(b)操作面2aの面内方向の操作力によって起歪体に作用する力を説明する模式図。
【図7】(a)起歪体と歪検出素子を上方から見たときの模式図、(b)操作面に垂直な方向に押圧操作力を加えたときの、(a)の起歪体の変位伝達面に作用する応力を示した起歪体を、側面側から見たときの模式図。
【図8】(a)操作面に垂直な方向に押圧操作力を加えたときの歪検出素子の検出結果を示す表、(b)歪検出素子の等価回路を示す回路図。
【図9】(a)起歪体と歪検出素子を上方から見たときの模式図、(b)操作面の面内方向に操作力を加えたときの、(a)の起歪体の変位伝達面に作用する応力を示した起歪体を、側面側から見た図。
【図10】(a)操作体、起歪体、及び歪検出素子を左側面側から見た模式図により、操作面に加えられた垂直な方向の操作力によって左側の起歪体に加えられた分力とモーメントを示した説明図、(b)操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図により、操作面に加えられた垂直な方向の操作力の操作位置を示した説明図、(c)操作体、起歪体、及び歪検出素子を右側面側から見た模式図により、操作面に加えられた垂直な方向の操作力によって右側の起歪体に加えられた分力とモーメントを示した説明図、(d)操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面から見た模式図により、操作面に加えられた垂直な方向の操作力の操作位置を示した説明図。
【図11】(a)操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図、(b)操作体、起歪体、及び歪検出素子を側面側から見た模式図により、凸状部に加えられた操作力の分力を示した説明図、(c)操作体、起歪体、及び歪検出素子を側面側から見た模式図により、凸状部に加えられた操作力の分力によるモーメントを示した説明図。
【図12】操作体の中央断面図。
【図13】(a)操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図、(b)操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面側から見た模式図により、凸状部に加えられた操作力の分力を示した説明図、(c)操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面側から見た模式図により、凸状部に加えられた操作力の分力によるモーメントを示した説明図。
【図14】起歪体の構成の一例を示す図。
【図15】(a)操作検出装置の第2の実施形態における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図、(b)当該第2の実施形態における操作体、起歪体、及び歪検出素子を側面側から見た模式図。
【図16】操作検出装置の第3の実施形態における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図。
【図17】操作検出装置の第4の実施形態の第一例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面から見た模式図。
【図18】操作検出装置の第4の実施形態の第二例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面から見た模式図。
【図19】(a)操作検出装置の第5の実施形態の第一例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図、(b)当該第5の実施形態の第一例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面側から見た模式図。
【図20】(a)操作検出装置の第5の実施形態の第二例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図、(b)当該第5の実施形態の第二例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を正面側から見た模式図。
【図21】操作検出装置の第6の実施形態の第一例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図。
【図22】操作検出装置の第6の実施形態の第二例における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図。
【図23】操作検出装置の第7の実施形態における操作体、起歪体、及び歪検出素子を上方から見た模式図。
【図24】(a)従来の操作検出装置を上方から見た模式図、(b)従来の操作検出装置を正面から見た模式図。
【図25】図24において、従来の操作検出装置による操作位置の算出方法を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、本発明の操作検出装置の実施形態を、図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0051】
図1に、本発明の操作検出装置の実施形態を簡略的に示す斜視図を示す。また、図2に、図1の分解斜視図を示す。図1及び図2に示す操作検出装置1は、上部カバー91,押さえ部材93,支持部材94,底部カバー95,および操作体2等を含んで構成される。なお、本発明における筐体90は、上部カバー91,支持部材94,及び底部カバー95を有し、操作体2を収納する形で構成されている。
【0052】
上部カバー91は、操作検出装置1の強度維持、防塵、あるいは意匠性の維持を目的とするもので、ビス穴91aを介して、底部カバー95(ビス穴は95a)とともに、例えば、図示しない表示装置の表示画面上(あるいは表示画面の枠上)に取り付けられる。また、支持部材94は、ビス穴94dを介して、底部カバー95(ビス穴は95b)上に一体に取り付けられる。また、上部カバー91には、開口部91bが形成され、開口部91bの開口内には、操作体2が配置される。
【0053】
なお、表示装置は、車両において、運転席と助手席に座した双方のユーザから操作可能な位置、例えば運転席と助手席の間に挟まれる領域や、運転席と助手席から視認しやすいそれらの座席の前方位置等に配置することができる。ここでは車両のセンターコンソール上に設けられているものとする。なお、表示装置の表示画面上には、動的なデザイン変化を生じる画面を表示してもよいし、操作内容を直感的に把握できるような操作内容指示画面を表示してもよい。また、ここでは表示装置を用いているが、これを用いず、センターコンソール上に筐体90を固定する形で設けてもよい。
【0054】
操作体2は、図2に示す操作板21と操作板支持部22とを有して構成される。操作板21の表面2a,2bは、操作検出装置1において開口部91bの開口から露出してユーザによる操作が可能な操作面をなし、平坦面をなす操作面(平坦操作面)2a及び凸状部(凸状操作面)2bを有する。ここでの操作面2aは、略平板状で略矩形状をなす操作板(操作本体部)21の正面側表面であって、操作検出装置1の装飾性を高める役割も有しており、図示しない表示器の表示の視認性を維持可能な範囲で装飾を施してもよい。ここでの操作体2は、上記の表示装置の表示画面が視認できるよう透明な部材により構成され、操作面2a,2bから表示画面を視認可能に構成されている。他方、凸状部2bは、操作面2aから突出する形で形成された操作板21の背面側部分である。このようにして、操作面2aと凸状部2bとを有して構成されることにより、操作面2aを、タッチパネルやタッチパッドのように、タッチ操作を受け付けるタッチ操作面として利用できる一方で、凸状部2bを例えばポインティングスティックのように水平方向側への押圧操作を受け付ける方向入力用操作部として利用することができる。
【0055】
例えば、表示装置の表示画面に、ポインタやカーソル等の位置指示画像が表示されている場合には、凸状部2bを操作して、凸状部2bの水平方向への操作に応じて位置指示画像を画面上で移動させるようにする。また、表示装置の表示画面に、1以上のタッチ入力領域(操作アイコンなど)が表示されているタッチ入力画面が表示されている場合には、操作面2aをタッチ操作して、画面上のタッチ入力領域に対する入力操作を行うようにする。
【0056】
操作板21は、その裏面のビス穴(図示なし)を介して、操作板支持部22(ビス穴22d)上に一体に取り付けられており、これら操作板21と操作板支持部22とにより操作体2が構成されている。操作板支持部22は、中央支持部22bと、複数の操作体接続部22cとを有して構成される。中央支持部22bは、正面側を開放する形で切り欠かれた略U字型の形状をなし、操作板21の下側に固定され、操作板21を下側から支持する。他方、操作体接続部22cは、操作板21の略矩形状をなす表面(すなわち、操作面2a)を中心として中央支持部22bから外周側に突出する、略四角柱状の部位として形成されている。操作板支持部22は、操作面2aを間に挟む形で対向して位置する操作体接続部22cの対を少なくとも1以上有する。本実施例では、それら操作体接続部22cは、矩形状の操作面2aの中心を原点とするx−y座標系のx軸方向に沿って形成されている。具体的に言えば、図3に示すように、2つの操作体接続部22cは、直線状の頂上部2ba(図4参照)を有した山型をなす凸状部2bの、該頂上部2bの直線延出方向の両側に該直線延出方向に延び、なおかつ操作板21を下方で直接支持する中央支持部22bから上方に厚みを増す形で延出形成されている。
【0057】
図3は、操作体2および起歪体3を上方から見た上面図を示したものであり、図4は、操作体2および起歪体3を側方(ここでは右側側方)から見た側面図を示したものであり、図5は、図3のX’−X’における断面を示したものである。また、図14は、起歪体3の構成の一例を示す模式図であり、操作体接続部22cと起歪体3との固定状態を示している。
【0058】
起歪体3は、図3及び図14に示すように、一端に操作体2の周縁に接続するための接続部3dを形成し、他の一端に前記筐体に固定するための固定部3cを形成し、それら接続部3dと固定部3cとの間に、操作面2a及び凸状部2bに対する押圧により発生する操作力に応じて変位する変位伝達面3fを有する平板状の部材である。なお、変位伝達面3fを操作体2の周辺に少なくとも3以上有することで、操作面2aに対し垂直に加えられた操作力の中心位置(すなわち操作位置(x1,y1)や、凸状部2bに加えられた操作力Fの水平方向成分(すなわち水平方向の力fx,fy)を、後述する式(1−1)〜(1−7)を用いて算出可能となる。本実施例では、2つの起歪体3は、1つの操作体接続部22cを挟む位置関係を有する形で、この1つの操作体接続部22cに対しそれぞれ接続されている。そして、それら2つの起歪体3はそれぞれ、操作体接続部22cの先端部22aと接続する接続部3dを有する。ここでは、それら2つの起歪体3の接続部3dが、操作体接続部22cの先端部22a上にて、ビスあるいは接着剤等で接続される。さらに、起歪体3の接続部3dとは逆側の端部3cは、支持部材94の所定の係合面(ここでは上段面94cと下段面94hとの中間に設けられた中段面)94cに係合する形で固定される固定部3cをなす。そして、図2に示す押さえ部材93の凸部93bが、起歪体3を上方から覆うようにして、支持部材94の上段面94cと係合し、ビス留め(ビス穴はそれぞれ93a,94a)されている。これにより、起歪体3(すなわち、固定部3c)の支持部材94(筐体)への固定(挟圧保持)を確実なものとしている。
【0059】
図3に示すように、各起歪体3は、操作体接続部22cに対する接続位置(すなわち、接続部3d)から、操作面2aに平行をなす形で延出する延出部3gを有し、その先端部が、支持部材94に固定される固定部3cをなす。そして、延出部3gは、操作面2aに操作力が作用するのに伴い曲げ変形が生じるよう弾性変形する弾性変形体であり、その表面(上面)が変位伝達面3fとされている。
【0060】
これにより、本実施形態の各起歪体3の変位伝達面3fには、操作面2aに押圧による操作力Fz(図10参照:図6のFz1+Fz2に相当)が作用するに伴い操作体2に生ずる、操作面2aに対し垂直な垂直方向zの操作変位のうち、自身(3f)が位置する側に生ずる操作変位を反映した変位が、垂直方向zに生じる。そして、この垂直方向zの変位による弾性変形量を、変位伝達面3f上に設けられた歪検出素子4が歪として検出する。
【0061】
また、図5のように、操作面2aと全ての変位伝達面3fとが略同一平面上に位置している。
【0062】
また、筐体90は、操作体2と非接触となるよう隙間を介在する形で配置してもよい。ここでは、図5に示すように、筐体90をなす底部カバー95の上面のうち、操作体2の裏面22hに対向する面領域95hが、操作体2の下方への変位を規制する第一の変位規制面となり、筐体90をなす支持部材94の上面のうち、起歪体3の変位伝達面3fの裏面3hに対向する面のうちの領域94hが、操作体2と共に変位する起歪体3の下方への変位を規制する第二の変位規制面となっている。このように、操作体2は筐体90には接続も接触もされておらず、起歪体3は固定部3c以外の部分では筐体90には接触していない。
【0063】
また、支持部材94には信号処理部6(本発明の演算部:操作位置算出手段および操作力算出手段)が収納されている。信号処理部6は、例えば周知のCPU,ROM,RAM,およびA/D変換回路等の信号処理回路等を含むコンピュータハードウェアとして構成されている。そして、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することで、操作検出装置1としての機能を実現する。例えば、歪検出部4が検出した弾性変形量に基づいて、押圧操作が行われた位置(すなわち、操作位置)および操作力を予め定められた演算方法に従い算出する。
【0064】
具体的には、操作体2の操作面2aに押圧操作力Fzが作用すると、支持部材94に対し固定された起歪体3には、操作体2を介して、押圧操作力Fzの分力fz1やfz2、さらにはモーメント力mz1やmz2が作用する(図6(a)参照)。ただし、起歪体3は、支持部材94を介して筐体90に固定されているため、曲げ変形を強いられる。このため、起歪体3の主表面をなす変位伝達面3fには、その面内方向において引張り応力、あるいは圧縮応力が作用する。本実施形態においては、変位伝達面3f上に歪検出素子4が設けられているため、それら引張り応力あるいは圧縮応力に応じた変位伝達面3f内の伸び量ないし縮み量を、歪検出素子4が検出する。
【0065】
図6及び図7を用いて、操作面2aに作用する押圧操作力によって起歪体3に作用する力を説明する。
【0066】
まず、図6(a)のように、矩形状の操作面2aの中心を原点とするx−y座標系のx軸上で、操作面2aに垂直なz軸方向に押圧操作力Fzを加えた場合は、起歪体3(31〜34)には力fzのみ発生する。また、図7のように、y軸方向に沿って、操作面2aに垂直なz軸方向に押圧操作力Fzを加えた場合は、起歪体3(31〜34)には力fzとモーメント力mzとが発生する。
【0067】
上述の場合、各歪検出素子4(41〜44)のエレメント4a〜4dは、図7(a)のように配置されているので、図7(b)のように、起歪体3の変位伝達面3fに作用する応力は、歪検出素子4のエレメント4a〜4dの各位置で引張り応力、あるいは圧縮応力となる。歪検出素子4の等価回路は、図8(b)のブリッジ回路として表され、図8(a)のように、引張り応力の発生するエレメント4aおよび4bでは抵抗値は減少し、圧縮応力の発生するエレメント4cおよび4dでは抵抗値は増加する。そこで、図8(b)のブリッジ回路のブリッジ電圧Voutの変化を検出して、信号処理部6において、起歪体3に作用する力fz、モーメント力mzを算出できる。
【0068】
また、図6(b)のように、操作面2aの面内方向に力Fyを加えた場合は、図9(a)のように配置された歪検出素子4のエレメント4a〜4dに作用する応力は、図9(b)のように、4個全て圧縮応力、あるいは、4個全て引張り応力となるため、図8(b)のブリッジ回路のブリッジ電圧Voutに変化はなく、面内方向の力に対して感度を持たない。よって、起歪体3に作用する力fz、モーメント力mzを算出する際に、面内方向の力を考慮する必要がなくなる。
【0069】
図10のように、信号処理部(演算部)6は、各歪検出素子4(41〜44)が形成するブリッジ回路のブリッジ電圧Voutに基づいて、各起歪体3に加えられた力fz(fz1,fz2)、モーメント力mz(mz1,mz2)を算出し、算出された値fz,mzと、式(1−4)および(1−5)に基づいて、操作面2aに加えられた操作力Fzの中心位置、すなわち操作位置(x1,y1)を算出できる。式(1−4)および(1−5)は、力の釣り合いの式(1−1)、y軸周りのモーメントの釣り合いの式(1−2)、およびx軸周りのモーメントの釣り合いの式(1−3)からそれぞれ導き出せる。なお、wは、各起歪体3のy軸に平行な中心線間(31,32と33,34との間)の距離である。
【0070】
また、操作体2における操作可能な部位として、操作面(平坦操作面)2aだけでなく、操作面2aから突出する凸状部(凸状操作面)2bを有することにより、操作態様が拡大されている。即ち、操作面2aに垂直なタッチ方向操作のみならず、操作面2aに水平な方向への操作も可能とされている。そして、それらの操作の検出は、双方ともが、上述した歪検出素子4(41〜44)の検出結果に基づいて可能となっている。
【0071】
本実施例での凸状部2bは、図11に示すように、その表面2b(2ba,2bb,2bc等:図12参照)に対する押圧により発生する操作力Fに、操作面2aの同一平面に垂直な方向の成分が含まれるような表面形状を有する。具体的に言えば、ここでの凸状部2bは、図12に示すように、その表面2b(2ba,2bb,2bc等)の法線と、操作面2aの同一平面との交点2dが、該操作面2aとは異なる、凸状部2b側に位置するような表面形状を有する。
【0072】
これにより、凸状部2bに、操作面2aに対する水平方向の力を作用させようとしても、図11に示すように、実際には水平方向のみに力を作用させることはできず、必ず操作面2aに対し垂直な方向の力fzが生まれる。つまり、操作面2aに対し水平方向な方向に向けた力Fを作用させた場合、その力Fは必ず、操作面2aに対する垂直方向の成分fzを含んだ斜めの下方向の力Fとして凸状部2bに作用する。起歪体3は、操作面2aに作用する水平方向(面内方向)の力に対して感度をもたないが、当該凸状部2bに作用する斜め下方向の力Fに対しては、その作用点との間に、垂直方向において一定の距離hが存在するとみなせる構造となるため、凸状部2bに加えられた力Fの水平方向成分fyに基づいて、モーメントmyによる弾性変形を生じる。例えば図11の場合、凸状部2bに作用する力Fのy方向成分によって、起歪体3には、式(1−6)に相当するモーメントmyによる弾性変形が生じる。mzはfzに比例するので、信号処理部(演算部)6は、図8(b)のブリッジ回路のブリッジ電圧Voutに基づいて得られるモーメントmyと式(1−6)に基づいてfyを正確に算出することができる。
【0073】
同様に、凸状部2bに作用する力のx方向成分によって、起歪体3には、式(1−7)に相当するモーメントmxによる弾性変形が生じる。mxもfzに比例するので、信号処理部(演算部)6は、図8(b)のブリッジ回路のブリッジ電圧Voutに基づいて得られるモーメントmxと式(1−7)に基づいてfxも正確に算出することができる。
【0074】
このような構成を有するため、凸状部2bになされた水平方向の操作力fy,fxについて正確に算出することができるから、凸状部2bを、水平方向への操作入力を受け付ける、例えばポインティングスティックのような、操作面2aに対し水平な方向への入力操作が可能となる方向入力用操作部として機能させることが可能となる。凸状部2bの形状も、ここでは山型をなして形成されており、その頂上部2baを引っ掛ける形で水平方向への操作が容易となっている。なお、ここでの凸状部2bは、頂上部2baを、操作面2aをなすx−y平面の一方の軸線方向(ここではx軸方向)の一定位置において、他方の軸線方向(ここではy軸方向:操作体接続部22cの延出方向)に直線状に延びる、高さhが一定の山型をなして形成されている。
【0075】
また、このとき、凸状部2bになされた垂直方向の操作力fzについても正確に算出できるから、凸状部2bに操作がなされた場合も、その垂直方向の力fzによって各起歪体3に弾性変形が生じる。このため、このz方向成分の力fzに基づいて、操作面2aへのタッチ操作と同様、その操作位置を算出することができる。
【0076】
ただし、この時算出される操作位置は、操作面2aと同一の平面上における位置であって、正確に言えば、操作面2aと同一の平面と、押圧された凸状部2bの表面に対する法線との交点2dの位置である。
【0077】
本実施例の信号処理部6は、操作体2に対し操作がなされた場合には、操作面2aと凸状部2bとのいずれに操作がなされたか否かにかかわらず、算出される垂直方向の力fzに基づいて操作位置を算出し、算出された操作位置(操作面2aとの同一平面状の位置)が、操作面2a内の位置であるか否かにより、操作面2aが操作されたか、凸状部2bが操作されたかを判定する(判定手段)。そして、算出された操作位置が操作面2a内の位置と判定された場合には、算出された操作位置と、その位置における垂直方向の操作力fzを入力情報として取得する一方、算出された操作位置が操作面2a外(ここでは操作面2aよりも凸状部2b側の位置)の位置と判定された場合には、操作面2aに対する水平方向の操作力fy、fxをそれぞれ入力情報として取得する。これにより、操作面2aをタッチ入力用操作部、凸状部2bを操作面2aに対する水平方向の方向入力用操作部として機能させることができ、2種の操作入力を受け付けることが可能となる。
【0078】
図12に、図11に示す操作体2のy方向断面を示す。図12の操作体2は、操作面2aと凸状部2bとの間に、それら操作面2a及び凸状部2bよりも操作難易度が高い、もしくは操作を受け付けない所定幅の境界領域2cが形成される。これにより、操作面2aが操作されたか凸状部2bが操作されたかをより容易に、かつより正確に判断できるようになる。また、双方への誤操作も生じにくくなる。この境界領域2cについては、ここでは、操作面2aと凸状部2bの間の凹部(溝部)として形成されている(図11では凹部2cは省略して描かれている)。
【0079】
本実施例の上部カバー91は、図1及び図2に示すように、上部カバー正面部91cと、段差部91ceと、上部カバー最上段部91eと、上部カバー背面部91dとを有して構成される。上部カバー正面部91cは、操作体2が配置される開口部91bの正面側を覆う正面壁部91gを有し、その両端が該開口部91bを挟む形で背面側に向けて延出形成されている。上部カバー正面部91cの上面は、操作面2aと略同一平面をなしているため、操作面2aへの操作がしやすい。段差部91ceは、上部カバー正面部91cの背面側から上方に立ち上がる形で形成されている。上部カバー最上段部91eは、段差部91ceの上部から背面側に延出するとともに、凸状部2bの頂上部2baよりも低い位置に上面を有する。凸状部2bの頂上部2baよりも上部カバー最上段部91eの上面が低いことにより、さらにいえば、凸状部2bの頂上部2baが筐体をなす構造体91,94,95よりも高い位置に突出していることにより、凸状部2bへの操作がし易くなっている。また、上部カバー最上段部91eの下側には、押さえ部材93及び支持部材94を収容するための凹部が形成されている。上部カバー背面部91dは、上部カバー最上段部91eの背面側にて下方に延出し、底面に底部カバー95に取り付るためのビス穴91aが形成される。開口部91bは、正面側に操作体2が配置される一方で、背面側には、プッシュスイッチユニット5が配置される。
【0080】
プッシュスイッチユニット5は、1以上の押圧操作ノブ5a,5bと、該押圧操作ノブ5a,5bの下方への押圧を支持する押圧支持部5A,5Bと、それら押圧支持部5A,5Bが形成されたユニット本体5Cと、を有して構成される。ユニット本体5Cには、図示しないビス穴を介して、底部カバー95(ビス穴は95c)に取り付けられる。また、本実施例においては、各押圧操作ノブ5a,5bの下方に、それぞれタクトスイッチ(図示なし)が配置されており、それら押圧操作ノブ5a,5bへの押圧操作が検出可能とされている。上部カバー91には、このプッシュスイッチユニット5が配置される開口部91bの背面側を覆う背面壁部の両端から、上部カバー最上段部91eの内側にて、開口部91bを挟む形で正面側に向けて延出する背面内側部91fを有する。この背面内側部91fの上面は、操作面2aよりも高い位置で、上部カバー最上段部91eの上面よりも低い位置、さらに押圧操作ノブ5a,5bの上面よりもやや低い位置とされている。このように、本実施形態の操作検出装置1は、タッチ操作面をなす操作面2aと、水平方向の方向指示操作が可能な凸状部2bの他に、プッシュ操作が可能な押圧操作ノブ5a,5bが設けられていることで、3種の操作が可能に構成されている。
【0081】
図14に、図3等における起歪体3の構成の具体例を示す。図14の起歪体3は、操作体接続部22cとの接続位置から操作体接続部22cの延出方向に対し垂直な方向に延出し、操作体接続部22cとの接続部3dから延出先端部(すなわち、固定部3c)に向かうに従い挟幅となっていく基端側テーパー部3hと、支持部材94との固定部3cから操作体接続部22cとの接続部3d側に向かうに従い挟幅となっていく先端側テーパー部3iと、それら基端側テーパー部3hと先端側テーパー部3iとを連結する延出部3gとが形成されるとともに、延出部3gの上面に、変位伝達面3fを有する。
【0082】
また、基端側テーパー部3hは、その外縁が、延出部3gの延出方向の軸線Lに対しなす角度のうち操作体接続部22cとの接続部3d側の角度θ1が、30度以上60度以下であり、先端側テーパー部3iは、延出部3gの延出方向の軸線Lに対しなす角度のうち支持部材94との固定部3c側の角度θ2が、30度以上60度以下であることが望ましい。
【実施例2】
【0083】
図15に、本発明の操作検出装置の第2の実施形態を示す。図15は、本実施形態における上面図と、そのA−A断面図である。本実施例では、起歪体3が、矩形状をなす操作体2の4つの角部から突出した操作体接続部22cに取り付けられている。つまり、1つの操作体接続部22cに対し1つの起歪体3が接続されている。起歪体3および歪検出部4の構成については、第1の実施形態と同様である。第1の実施形態では、操作体2と2つの起歪体3との結合部に大きな応力が加わり易い構成になっているが、本実施形態では、応力が4か所に分散され、装置の信頼性および耐久性が向上する。無論、本実施形態でも、操作面2aと全ての変位伝達面3fとが同一平面上に位置している(以降の実施形態についても同様)。
【実施例3】
【0084】
図16に、本発明の操作検出装置の第3の実施形態を示す。図16は、本実施例における上面図である。図16は、図15において、起歪体3(歪検出部4)を4個から3個にして操作体2の周縁部に配置したものである。歪検出部4は、最低3個あれば、重心位置を算出できる。本実施例では、歪検出素子の数を減らせるため、装置を低コストに実現可能である。
【実施例4】
【0085】
図17,図18に、本発明の操作検出装置の第4の実施形態を示す。第1〜第3の実施形態では、図17のように、操作面背部に表示器を持たない構成であるが、図18のように、操作部背面にLCD等の表示器27を配置し、タッチパネル(タッチスクリーン)としてもよい。表示器27を配置することで、より直接的な操作が可能である。操作体2と表示器27との間にシール部材28を配してもよい。これにより、防振、防塵、防水等の効果が期待できる。
【実施例5】
【0086】
図19,図20に、本発明の操作検出装置の第5の実施形態を示す。図19は、第1実施例の構成において、操作体2の操作板21あるいは操作面2aの表面に溝部21b,21cを設けたものを示している。図19(a)は上面図であり、図19(b)は図19(a)のB−B断面図である。溝部の数や方向については、特に制約はない。
【0087】
また、図20は、第1実施例の構成において、操作体2の操作面2aを略凸形状としたものを示している。図20(a)は上面図であり、図20(b)は図20(a)のC−C断面図である。図20の例では、矩形状の操作面2aの中心部が最も高くなっているが、凸部の位置およびの高さは、図25の式(2−3)から求まるずれ重心(xd)の位置検出精度に影響を与えない程度に低くする必要がある。
【実施例6】
【0088】
図21,図22に、本発明の操作検出装置の第6の実施形態を示す。図21は、第1実施例の構成において、操作体2の操作面2aとして、凸状部2bを挟んで第一側に位置する第一操作面2a1と、第二側に位置する第二操作面2a2とを有して構成される。この構成によれば、凸状部2bを境に、2つの操作面2a1,2a2を区別して利用することが可能となる。この場合、境界領域2cも、第一操作面2a1と凸状部2bの間の領域2c1と、第二操作面2a2と凸状部2bとの間の領域2c2との2つがある。図21は上面図である。
【0089】
図22は、第1実施例の構成において、操作体2の操作面2aとして、中央が突出する山型の凸状部2b(2b0)を取り囲む形で、操作面2a(2a0)を有して構成される。この構成によれば、より広い操作面2aを設けることができる。この場合、境界領域2c(2c0)は、凸状部2b(2b0)を取り囲む形で、凸状部2b(2b0)と操作面2a(2a0)との境界に設けられる。図22は上面図である。
【実施例7】
【0090】
図23に、本発明の操作検出装置の第7の実施形態を示す。図23は、操作体2は、操作面2a上に1以上の押圧操作ノブ50aが配置され、当該ノブ50aに対する押圧により直下の操作面2aに操作力が作用することにより押圧操作入力用操作部として機能するよう構成される。信号処理部6は、算出された操作位置が押圧操作ノブ50aの配置された配置領域(50a)であった場合に、当該操作面2a上の押圧操作ノブ50aに対する押圧操作入力としての入力情報を取得する。図23の場合は、図21の実施例の構成において、2つ存在する操作面2a1,2a2のうちの一方の上に押圧操作ノブ50aが配置されている。図23は上面図と、その中央断面図を示している。これにより、図23では、第一の操作面2a1がタッチ入力用操作部として機能し、第二の操作面2a2が押圧操作入力用操作部として機能するように構成されている。
【0091】
また、図23においては、凸状部2bは、その表面に、操作面2aに対する水平方向の方向入力操作を示唆するデザイン2Bを有する。この構成によれば、凸状部2bによる操作内容を、表面のデザイン2Bから直感的に把握できる。これは他の実施例に適用しても当然よい。
【0092】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 操作検出装置
2 操作体
2a 操作面
2b 凸状部
3 起歪体
3c 固定部
3d 接続部
3g 延出部
3f 変位伝達面
3h 基端側テーパー部
3i 先端側テーパー部
4 歪検出素子(歪検出部)
6 信号処理部(演算部)
21 操作板(操作本体部)
22 操作体接続部
90 筐体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略平板状の操作面と前記操作面から突出する凸状部とを有する操作体と、
前記操作体を収納する筐体と、
一端に前記操作体の周縁に接続するための接続部を形成し、他の一端に前記筐体に固定するための固定部を形成し、前記接続部と前記固定部との間に、前記操作面及び前記凸状部に対する押圧により発生する操作力に応じて変位する変位伝達面を有する少なくとも3以上の平板状の起歪体と、
前記起歪体の前記変位伝達面に固着され、前記起歪体の変位に伴う前記変位伝達面の歪を検出する歪検出部と、
前記歪検出部のそれぞれの歪検出結果に基づいて、前記操作体において前記操作力が作用した位置と力をそれぞれ操作位置と操作力として算出する演算部と、
を備え、前記操作面と全ての前記変位伝達面とが略同一平面上に位置するように前記操作体と前記起歪体が配置されていることを特徴とする操作検出装置。
【請求項2】
前記凸状部は、表面に対する押圧により発生する操作力に、前記操作面の同一平面に垂直な方向の成分が含まれるような表面形状を有してなる請求項1に記載の操作検出装置。
【請求項3】
前記凸状部は、表面の法線と、前記操作面の同一平面との交点が、該操作面とは異なる、凸状部側に位置する請求項2に記載の操作検出装置。
【請求項4】
前記凸状部は、直線状の頂上部を有した山型をなし、前記起歪体の接続部は、該頂上部の直線延出方向の両側に該直線延出方向に延びる形で形成されている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の操作検出装置。
【請求項5】
前記演算部は、前記操作面と前記凸状部とのいずれが操作されたかを判定する判定手段を備え、前記操作面がタッチ入力用操作部、前記凸状部が前記操作面に対する水平方向の方向入力用操作部として機能するよう構成されている請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の操作検出装置。
【請求項6】
請求項4に記載の要件を備え、
前記演算部は、前記操作体において前記操作力が作用した位置として、前記操作面の同一平面上における位置を算出し、前記判定手段は、算出された当該位置が前記操作面上にある場合を前記操作面への操作として判定するものである請求項5に記載の操作検出装置。
【請求項7】
前記操作体は、前記操作面と前記凸状部との間に、それら操作面及び凸状部よりも操作難易度が高い、もしくは操作を受け付けない所定幅の境界領域が形成されている請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の操作検出装置。
【請求項8】
前記境界領域は、操作面と前記凸状部の間に形成された凹部である請求項7に記載の操作検出装置。
【請求項9】
前記操作体は、前記操作面上に押圧操作ノブが配置され、当該ノブに対する押圧により直下の前記操作面に前記操作力が作用する押圧操作入力用操作部として機能するよう構成されるとともに、前記演算部は、算出された前記操作位置が前記押圧操作ノブの配置された前記操作面上の領域であった場合に、当該操作面上の押圧操作ノブに対する操作入力を受け付ける請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の操作検出装置。
【請求項10】
前記操作体は、前記操作面として、前記凸状部を挟んで第一側に位置する第一操作面と、第二側に位置する第二操作面とを有して構成される請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の操作検出装置。
【請求項11】
請求項9に記載の要件を備え、
前記第一の操作面がタッチ入力用操作部として機能し、前記第二の操作面が前記押圧操作入力用操作部として機能するように構成されている請求項10に記載の操作検出装置。
【請求項1】
略平板状の操作面と前記操作面から突出する凸状部とを有する操作体と、
前記操作体を収納する筐体と、
一端に前記操作体の周縁に接続するための接続部を形成し、他の一端に前記筐体に固定するための固定部を形成し、前記接続部と前記固定部との間に、前記操作面及び前記凸状部に対する押圧により発生する操作力に応じて変位する変位伝達面を有する少なくとも3以上の平板状の起歪体と、
前記起歪体の前記変位伝達面に固着され、前記起歪体の変位に伴う前記変位伝達面の歪を検出する歪検出部と、
前記歪検出部のそれぞれの歪検出結果に基づいて、前記操作体において前記操作力が作用した位置と力をそれぞれ操作位置と操作力として算出する演算部と、
を備え、前記操作面と全ての前記変位伝達面とが略同一平面上に位置するように前記操作体と前記起歪体が配置されていることを特徴とする操作検出装置。
【請求項2】
前記凸状部は、表面に対する押圧により発生する操作力に、前記操作面の同一平面に垂直な方向の成分が含まれるような表面形状を有してなる請求項1に記載の操作検出装置。
【請求項3】
前記凸状部は、表面の法線と、前記操作面の同一平面との交点が、該操作面とは異なる、凸状部側に位置する請求項2に記載の操作検出装置。
【請求項4】
前記凸状部は、直線状の頂上部を有した山型をなし、前記起歪体の接続部は、該頂上部の直線延出方向の両側に該直線延出方向に延びる形で形成されている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の操作検出装置。
【請求項5】
前記演算部は、前記操作面と前記凸状部とのいずれが操作されたかを判定する判定手段を備え、前記操作面がタッチ入力用操作部、前記凸状部が前記操作面に対する水平方向の方向入力用操作部として機能するよう構成されている請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の操作検出装置。
【請求項6】
請求項4に記載の要件を備え、
前記演算部は、前記操作体において前記操作力が作用した位置として、前記操作面の同一平面上における位置を算出し、前記判定手段は、算出された当該位置が前記操作面上にある場合を前記操作面への操作として判定するものである請求項5に記載の操作検出装置。
【請求項7】
前記操作体は、前記操作面と前記凸状部との間に、それら操作面及び凸状部よりも操作難易度が高い、もしくは操作を受け付けない所定幅の境界領域が形成されている請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の操作検出装置。
【請求項8】
前記境界領域は、操作面と前記凸状部の間に形成された凹部である請求項7に記載の操作検出装置。
【請求項9】
前記操作体は、前記操作面上に押圧操作ノブが配置され、当該ノブに対する押圧により直下の前記操作面に前記操作力が作用する押圧操作入力用操作部として機能するよう構成されるとともに、前記演算部は、算出された前記操作位置が前記押圧操作ノブの配置された前記操作面上の領域であった場合に、当該操作面上の押圧操作ノブに対する操作入力を受け付ける請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の操作検出装置。
【請求項10】
前記操作体は、前記操作面として、前記凸状部を挟んで第一側に位置する第一操作面と、第二側に位置する第二操作面とを有して構成される請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の操作検出装置。
【請求項11】
請求項9に記載の要件を備え、
前記第一の操作面がタッチ入力用操作部として機能し、前記第二の操作面が前記押圧操作入力用操作部として機能するように構成されている請求項10に記載の操作検出装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図8】
【図12】
【図14】
【図17】
【図18】
【図3】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図15】
【図16】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図4】
【図5】
【図8】
【図12】
【図14】
【図17】
【図18】
【図3】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図15】
【図16】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−216019(P2012−216019A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80184(P2011−80184)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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