説明

操作装置及び操作装置用プログラム

【課題】ナビゲーション装置等を制御する際の操作を行う場合の利便性を更に向上させることが可能な操作装置を提供する。
【解決手段】処理部5に処理を実行させるリモコンSにおいて、一のタッチパネル1と、タッチパネル1を用いた使用者による一の動作を検出する検出部2と、一の動作が検出されたとき、当該検出された一の動作に割り当てられている複数の処理の実行を夫々示す実行情報を生成する生成部3と、生成された実行情報を処理部5に出力して当該各処理を実行させる出力部4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、操作装置及び操作装置用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、実行手段に所定の処理を実行させる操作装置及び当該操作装置用のプログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両等の移動体に搭載されて当該移動体の移動を案内する、いわゆるナビゲーション装置が広く一般化している。このナビゲーション装置では地図をディスプレイ上に表示して案内を行うのが一般的であり、目的地までの案内ルートや関連する地図がディスプレイ上に表示されることで案内が実行される。殆どのナビゲーション装置においては、表示されている地図の縮尺を変更することや、案内ルートに沿って地図をスクロールすることが可能とされている。
【0003】
ここで、一般のナビゲーション装置に上記地図縮尺の変更やスクロール処理を実行させる場合、その使用者が操作するスイッチやボタン等については、当該地図縮尺の変更処理とスクロール処理とは別個独立に設けられている。即ち、地図縮尺の変更処理を行う場合とスクロール処理を行う場合とでは、別個のボタン等を別々に操作する必要があった。
【0004】
これにより、例えばスクロール処理を実行させている最中に地図の縮尺を変更したい場合は、一度スクロール処理を中断した後、別のボタン等を操作することにより当該縮尺を変更させる必要があった。また、上述した如きナビゲーション装置は、いわゆるリモコン装置による遠隔操作が可能とされている場合が多いが、このリモコン装置を用いて地図縮尺の変更処理とスクロール処理を行う場合には、そのリモコン装置を両手で把持して操作する必要があることが多い。
【0005】
しかしながら、上記ナビゲーション装置が移動体に搭載されることを考慮すると、上述したような多段階の動作は少ない方が、その利便性が向上する。そこでこのための従来技術の一例として、下記特許文献1に記載された技術がある。
【0006】
この特許文献1に記載されている技術では、上記スクロール処理と地図縮尺の変更動作とを同時に行うレバーを備えたリモコン装置が提案されている。より具体的には、当該レバーがロータリー機構を備えており、当該レバーを指等で傾ける動作によってその傾けられた方向のスクロール処理を、また当該レバーを指等で回す動作によってその回す方向に応じた地図宿舎の変更処理を、夫々行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−271613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている技術をもってしても、スクロール処理と地図縮尺の変更処理を共に実現するためには、結局のところ、レバーを「傾ける」動作と、レバーを「回す」動作と、の二つが最小限必要となる。このようなときでも、この類の操作装置においてある処理を実現するための動作回数をなるべく少なくすることが求められる。
【0009】
更に、移動体内に備えられているリモコン装置を想定すると、上記特許文献1に記載されいてるレバーの操作を片手で行うことは、当該レバーを「回す」動作が必須であることを考えると不可能に近い。
【0010】
そこで、本願は上記の問題点及び要請に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、ナビゲーション装置等を制御する際の操作を行う場合の利便性を更に向上させることが可能な操作装置及び当該操作装置用のプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、処理部等の実行手段に処理を実行させる操作装置において、一の操作部等の操作手段と、前記操作手段を用いた使用者による一の動作を検出する検出部等の検出手段と、前記一の動作が検出されたとき、当該検出された一の動作に割り当てられている複数の前記処理の実行を夫々示す実行情報を生成する生成部等の生成手段と、前記生成された実行情報を前記実行手段に出力して当該各処理を実行させる出力部等の出力手段と、を備える。
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、操作手段を備えた操作装置に含まれるコンピュータを、請求項1から6のいずれか一項に記載の前記検出手段、前記生成手段、及び、前記出力手段、として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態に係る操作装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】実施例に係るリモコンの概要構成を示すブロック図である。
【図3】実施例に係るリモコンの動作を示すフローチャートである。
【図4】実施例に係るリモコンの動作結果を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。
【0015】
図1に示すように、実施形態に係る操作装置Sは、操作手段1と、検出手段2と、生成手段3と、出力手段4と、を備えて構成されており、出力手段4と実行手段5とは有線又は無線により接続されている。
【0016】
この構成において、操作手段1は操作装置Sに一つ設けられており、使用者による操作に供される。
【0017】
検出手段2は操作手段1を用いた使用者の操作に係る動作の内容を検出し、その結果を生成手段3に出力する。
【0018】
生成手段3は、検出手段2による検出結果に基づき、実行手段5における複数の処理を実行させるための実行情報(例えば実行コマンド等)を生成し、出力手段4に出力する。このとき生成手段3は、操作手段1を用いた使用者による操作に係る一つの動作に割り当てられている実行手段5における複数の処理を当該実行手段5に各々実行させるための上記実行情報を生成する。
【0019】
ここで、当該「一つの動作」とは、例えば、操作手段1がタッチパネルであった場合においてその接触面(表面)をなぞるなぞり動作一回分を指す。また、上記実行情報の生成方法として具体的には、当該一つの動作に予め割り当てられている実行手段5における複数の動作を示す実行情報を、例えばテーブル形式にて例えば不揮発性に生成手段3内に記憶しておき、検出手段2からの検出結果に応じて当該記憶されている実行情報を読み出す方法が挙げられる。
【0020】
出力手段4は生成手段3から出力されて来た上記複数の処理に夫々相当する複数の実行情報を受信したら、これを実行手段5に出力する。
【0021】
これにより実行手段5は、出力手段4から出力されて来た実行情報に夫々対応する処理を実行する。
【0022】
以上説明したように、実施形態に係る操作装置S及び対応する実行手段5の動作によれば、操作手段1を用いた使用者による一の動作が検出されたとき、当該検出された一の動作に割り当てられている複数の処理の実行を夫々示す実行情報を生成して実行手段5に出力するので、一の動作により複数の処理が実行されることで、操作手段1を用いた実行手段5の処理の制御に係る利便性を向上させることができる。
【実施例】
【0023】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図2乃至図4を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、本願を、いわゆるリモコンを用いたナビゲーション装置における地図表示の制御に適用した場合の実施例である。
【0024】
また、図2は実施例に係るリモコンの概要構成を示すブロック図であり、図3は当該リモコンの動作を示すフローチャートであり、図4は当該リモコンの動作による地図の表示態様の変化を例示する図である。このとき図3では、図1に示した実施形態に係る操作装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材夫々について、当該操作装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0025】
図2に示すように、操作装置Sの一例としての実施例に係るリモコンSは、操作手段1の一例としてのタッチパネル1と、検出手段2の一例としての検出部2と、生成手段3の一例としての生成部3と、出力手段4の一例としての送信部4と、により構成されている。なおタッチパネル1の接触面には、環状のガイド領域Gが、当該ガイド領域Gに相当する当該接触面の範囲が視認可能に形成されている。
【0026】
一方、ナビゲーション装置Nは、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及び移動体案内用の各種センサ等を含む実行手段5の一例としての処理部5と、HDD(Hard Disc Drive)12と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ13と、表示制御部11と、により構成されている。なおこのHDD12には、案内に必要な地図データや音声データ等のナビゲーション用データが不揮発性に記憶されている。
【0027】
この構成において検出部2は、タッチパネル1の接触面(表面)に使用者が指で触れることにより入力される当該指の動作を検出し、その結果を生成部3に出力する。この時検出部2は、ガイド領域Gの外側、ガイド領域G上及びガイド領域Gの内側、の三つの領域別に指の接触位置を識別/検出してその結果を生成部3に出力する。これに加えて検出部2は、使用者が指でタッチパネル1に接触しつつその指で当該タッチパネル1の表面をなぞる動作(以下、当該動作をなぞり動作と称する)を行ったとき、当該なぞり動作の方向と、当該なぞり動作における指の移動速度又は押圧力のいずれか一方と、を夫々検出し、その結果を生成部3に出力する。なお、当該なぞり動作における指の移動速度又は押圧力のいずれか一方を、以下、押圧力(速度)と称する。
【0028】
次に生成部3には、例えば上記なぞり動作が一回実行されたときに、そのなぞり動作における上記接触位置、その動作方向及び押圧力(速度)の各要素に夫々予め対応付けられている地図表示制御動作(ディスプレイ13における地図の表示態様を制御する動作)の内容が、例えばテーブル形式により不揮発性に記憶されている。
【0029】
より具体的に実施例では、上記接触位置がガイド領域Gの外側であったときはディスプレイ13上に表示されている地図の縮尺を小さくする(表示範囲をより広域とする)制御動作が割り当てられており、また当該接触位置がガイド領域Gの内側であったときは当該縮尺を大きくする(より詳細な表示とする)制御動作が割り当てられている。なお、当該接触位置がガイド領域G上であったときはディスプレイ13上に当該縮尺を変えないことが割り当てられている。
【0030】
また、上記動作方向が時計回りであったときはディスプレイ13上に表示されている地図上の案内ルートにおける前方の地域を表示するように地図をスクロール(以下、前方スクロールと称する)させる制御動作が割り当てられている。更に当該動作方向が反時計回りであったときは当該案内ルートの後方の地域を表示するように地図をスクロール(以下、後方スクロールと称する)させる制御動作が割り当てられている。
【0031】
更にまた、上記押圧力(速度)には、地図をスクロールさせる際の速度が割り当てられている。具体的には、押圧力が高いほど又は指の移動速度が速いほど地図をスクロールさせる際の速度を速くする制御動作が割り当てられている。これを換言すれば、押圧力が低いほど又は指の移動速度が遅いほど地図をスクロールさせる際の速度を遅くする制御動作が割り当てられていることになる。
【0032】
このように生成部3は、検出部2から出力されて来た動作の検出結果に基づき、当該検出結果に対応する上記制御動作を読み出し、当該読み出した各制御動作を各々示す実行情報を生成して送信部4に出力する。
【0033】
一方送信部4は、ナビゲーション装置Nの受信部14との間で赤外線IRにより情報の授受が可能とされている。そして送信部4は、生成部3から生成されて来た各実行情報を赤外線IRを介して受信部14に出力する。
【0034】
次に、当該実行情報を夫々赤外線IRを介して受信した受信部14は、当該受信した実行情報を処理部5に出力する。
【0035】
これにより処理部5は、実行情報により示されている制御動作を実行すべく、HDD12から必要な地図データ等を読み出しつつ、表示制御部11を介してディスプレイ13上に表示される地図の表示態様を制御する。より具体的には、例えばリモコンSのタッチパネル1上においてガイド領域Gの外側を時計方向になぞり動作が行われた場合、処理部5は、現在ディスプレイ13上に表示されている地図の縮尺を小さくしつつその地図を前方スクロールさせるように制御する。
【0036】
この他に処理部5は、上記各種センサにより検出された移動体の現在位置又は移動方向等に基づき、ディスプレイ13上に表示されている地図を用いた案内動作を統括的に制御する。
【0037】
次に、生成部3を中心とした実施例に係る動作について、具体的に図3及び図4を用いて説明する。
【0038】
対応するフローチャートを図3に示すように、実施例に係るリモコンSでは、その検出部2において、タッチパネル1の接触面のどこかが押圧されたか否か(即ち、使用者の指等がタッチパネル1に触れたか否か)を常に監視している(ステップS1、S1;NO)。そして、当該接触面が押圧されたことが検出部2により検出されたとき(ステップS1;YES)、次に生成部3は、その押圧された位置がガイド領域Gとの関係でどの位置であるかを確認する(ステップS2)。
【0039】
ステップS2の確認において押圧された位置がガイド領域Gの外側であった場合(ステップS2;ガイド外)、生成部3は地図の縮尺を小さくする旨の実行情報を生成し、生成部3内の図示しないメモリ内に一時的に記憶させておく(ステップS5)。一方、ステップS2の確認において押圧された位置がガイド領域Gの内側であった場合(ステップS2;ガイド内)、生成部3は地図の縮尺を大きくする旨の実行情報を生成し、生成部3内の上記メモリ内に一時的に記憶させておく(ステップS3)。更に、ステップS2の確認において押圧された位置がガイド領域G上であった場合(ステップS2;ガイド上)、生成部3は地図の縮尺を不変とすべく、地図の縮尺を変更するための実行情報の生成を行わない(ステップS4)。
【0040】
上記ステップS3乃至S5が実行されたら、次に生成部3は、その押圧に係るなぞり動作の方向を確認する(ステップS6)。
【0041】
ステップS6の確認においてなぞり動作の動作方向が時計方向であった場合(ステップS6;時計方向)、生成部3は上記前方スクロールをする旨の実行情報を生成し、生成部3内の上記メモリ内に一時的に記憶させておく(ステップS8)。一方、ステップS6の確認においてなぞり動作の動作方向が反時計方向であった場合(ステップS8;反時計方向)、生成部3は上記後方スクロールをする旨の実行情報を生成し、生成部3内の上記メモリ内に一時的に記憶させておく(ステップS7)。更に、ステップS6の確認においてなぞり動作自体が検出されなかった場合(ステップS6;なし)、生成部3は後述するステップS11の動作にそのまま移行する。
【0042】
次に生成部3は、いずれかの方向になぞり動作が検出された場合において、当該動作における押圧力(速度)を検出し、その結果に基づいて前方スクロール又は後方スクロールにおけるスクロール速度を決定し、当該スクロール速度を示す実行情報を生成部3内の上記メモリ内に一時的に記憶させておく(ステップS9)。
【0043】
以上のステップS3乃至S9の動作により、なぞり動作における指の接触位置、動作方向及び押圧力(速度)に夫々対応する実行情報が生成できたので、次に生成部3はこれらを送信部4を介してナビゲーション装置Nに送信する(ステップS10)。
【0044】
その後生成部3は、検出部2からの検出結果が所定の時間送信されて来なくなったか否か(換言すれば、なぞり動作が終了してそれを行った指がタッチパネル1から離されたか否か)を常に監視する(ステップS11)。そして、引き続き検出結果が送信されて来ることにより当該なぞり動作が継続されていると判断されるとき(ステップS11;NO)、生成部3は上記ステップS2に戻り、当該新たな検出結果に対して上記ステップS2乃至S10の動作を行う。一方、ステップS11の監視動作中において、検出結果が出力されて来なくなったとき(ステップS11;YES)、生成部3はリモコンS又はナビゲーション装置Nとしての電源がオフとされたか否かを確認する(ステップS12)。そして当該電源がオンとされたとき(ステップS12;YES)、生成部3はそのままリモコンSとしての動作を終了し、一方オフとされていないとき(ステップS12;NO)、生成部3は次に上記ステップS1の動作に戻って上述して来た動作を繰り返す。
【0045】
次に、上述して来たリモコンSにおける動作に対応する、ナビゲーション装置Nのディスプレイ13における地図の表示態様の変化について、図4を用いて例示しつつ説明する。
【0046】
先ず最初に、ディスプレイ13上には、図4右側上から二番目に例示する地図が表示されているとする。この地図においては、移動体の目的地及び出発地等に基づいて予め設定された案内ルート101が他の道路102や交差点100等と共に表示されている。そして自車位置マークCにより示される位置を移動中の当該移動体が交差点100に差し掛かろうとしているとする。
【0047】
この状態で、図4左上に例示するように、例えばリモコンSのタッチパネル1上におけるガイド領域Gの外側において、時計方向のなぞり動作が、矢印AR1により例示するように実行されたとする(図3ステップS2;ガイド外、同ステップS6;時計方向、参照)。この場合にナビゲーション装置Nの処理部5は、表示制御部11を介して、ディスプレイ13上の地図を前方スクロールさせつつ(図3ステップS8参照)、その縮尺を小さくする(図3ステップS5参照)ように制御する。この結果、ディスプレイ13上には、図4右側最上段に例示するように、元の地図範囲(図4右側上から二番目参照)に相当する範囲A1を含む広域の地図が、案内ルート101に沿って前方スクロールした状態(交差点100や自車位置マークCがディスプレイ13上において移動方向後方に移動する状態)で表示される(図3ステップS10参照)。そしてこの場合のスクロール速度が、タッチパネル1上におけるなぞり動作の押圧力(速度)により決定される(図3ステップS9参照)。
【0048】
これに対し、図4左下に例示するように、例えばリモコンSのタッチパネル1上におけるガイド領域Gの内側において、反時計方向のなぞり動作が、矢印AR2により例示するように実行されたとする(図3ステップS2;ガイド内、同ステップS6;反時計方向、参照)。この場合にナビゲーション装置Nの処理部5は、表示制御部11を介して、ディスプレイ13上の地図を後方スクロールさせつつ(図3ステップS7参照)、その縮尺を大きくする(図3ステップS3参照)ように制御する。この結果、ディスプレイ13上には、図4右側最下段に例示するように、元の地図範囲(図4右側上から二番目参照)の一部に相当する範囲を含む詳細な地図が、案内ルート101に沿って後方スクロールした状態(交差点100や自車位置マークCがディスプレイ13上において移動方向前方に移動する状態)で表示される(図3ステップS10参照)。そしてこの場合のスクロール速度が、タッチパネル1上におけるなぞり動作の押圧力(速度)により決定される(図3ステップS9参照)。
【0049】
なお上述したように、ガイド領域G上においてなぞり動作が実行されたときには、当該なぞり動作の方向に地図を前方スクロール又は後方スクロールする制御動作のみが実行される。
【0050】
以上夫々説明したように、実施例に係る動作によれば、タッチパネル1を用いた使用者による一のなぞり動作が検出されたとき、当該検出された一のなぞり動作に割り当てられている複数の処理の実行を夫々示す実行情報を生成してナビゲーション装置Nに出力するので、一のなぞり動作により複数の処理が実行されることで、タッチパネル1を用いたナビゲーション装置Nの処理の制御に係る利便性を向上させることができる。
【0051】
また、ガイド領域Gの外側において一回のなぞり動作が実行されたとき、地図の縮尺を小さくする縮尺変更処理の実行及びなぞり動作の方向に地図をスクロールするスクロール処理の実行を示す実行情報を生成し、ガイド領域Gの内側において一回のなぞり動作が実行されたとき、地図の縮尺を大きくする縮尺変更処理の実行及びなぞり動作の方向に地図をスクロールするスクロール処理の実行を示す実行情報を生成するので、当該一回のなぞり動作により地図の縮尺変更処理とスクロール処理とが実行されることで、当該地図表示制御上の利便性を向上させることができる。
【0052】
更に、ガイド領域G上においてなぞり動作が実行されたとき当該なぞり動作の方向に地図をスクロールするスクロール処理の実行のみを示す実行情報を生成するので、縮尺変更を実行する必要がない場合でも、一回のなぞり動作でスクロール処理を実行させることができる。
【0053】
更にまた、スクロールの速度をなぞり動作の押圧力(速度)に対応させる旨の実行情報を生成するので、なぞり動作の押圧力(速度)を変えることでスクロール速度を制御できることになり、地図表示制御上の利便性が更に向上する。
【0054】
なお上述した実施例では、タッチパネル1上の一回のなぞり動作を地図表示の制御に用いる場合について説明したが、これ以外にも、例えば音響機器の動作制御に用いることもできる。
【0055】
より具体的に例えば、タッチパネル1上における指の接触位置がガイド領域Gの外側であったときは、聴取中のラジオ放送又は録音されている音楽における音量を大きくする制御動作を割り当て、また当該接触位置がガイド領域Gの内側であったときは当該音量を小さくする制御動作を割り当てることもできる。これと並行して、上記動作方向が時計回りであったときは、聴取中のラジオ放送の選局又は録音されて再生中である音楽の選曲を先に進める制御動作を割り当て、更に当該動作方向が反時計回りであったときは当該選局又は選曲を後に戻す制御動作を割り当てることもできる。
【0056】
また、上述した接触位置−音量制御、動作方向−選局等の進み方向の制御の関係を、接触位置−選局等の進み方向の制御、動作方向−音量制御としてもよい。
【0057】
更に、上述した実施例では、リモコンS内のタッチパネル1を用いて行われるなぞり動作によりナビゲーション装置Nの複数の動作を同時に制御する場合について説明したが、これ以外に、ナビゲーション装置Nのディスプレイ13上にタッチパネル1と同様のタッチパネル(ガイド領域Gが設けられたタッチパネル)を設け、このタッチパネルを用いて行われるなぞり動作によりナビゲーション装置N自体の複数の動作を同時に制御するように構成しても良い。
【0058】
更にまた、図3に示したフローチャートに相当するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例に係る生成部3として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 操作手段(操作部)
2 検出手段(検出部)
3 生成手段(生成部)
4 出力手段(出力部)
5 実行手段(処理部)
12 HDD
13 ディスプレイ
11 表示制御部
IR 赤外線
101 案内ルート
100 交差点
S 操作装置(リモコン)
N ナビゲーション装置
G ガイド領域
C 自車位置マーク
AR1、AR2 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行手段に処理を実行させる操作装置において、
一の操作手段と、
前記操作手段を用いた使用者による一の動作を検出する検出手段と、
前記一の動作が検出されたとき、当該検出された一の動作に割り当てられている複数の前記処理の実行を夫々示す実行情報を生成する生成手段と、
前記生成された実行情報を前記実行手段に出力して当該各処理を実行させる出力手段と、
を備えることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作装置において、
前記実行手段は地図を表示手段に表示させる際の地図表示制御手段であり、
前記操作手段は接触面を備えるタッチセンサ手段であり、
前記一の動作は前記接触面上を前記使用者が一回なぞるなぞり動作であり、
前記生成手段は、一回の前記なぞり動作に割り当てられている地図表示制御上の複数の前記処理の実行を夫々示す前記実行情報を生成し、
前記出力手段は、前記生成された実行情報を前記地図表示制御手段に出力して複数の前記処理を実行させることを特徴とする操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の操作装置において、
前記地図表示制御上の複数の前記処理は、前記表示手段上における前記地図の縮尺変更処理及び前記地図のスクロール処理であり、
前記接触面には環状のガイド領域が設けられており、
前記生成手段は、
前記接触面における前記ガイド領域の外側において一回の前記なぞり動作が実行されたとき、前記縮尺を小さくする前記縮尺変更処理の実行及び当該なぞり動作の方向に前記地図をスクロールする前記スクロール処理の実行を示す前記実行情報を生成し、
前記接触面における前記ガイド領域の内側において一回の前記なぞり動作が実行されたとき、前記縮尺を大きくする前記縮尺変更処理の実行及び前記なぞり動作の方向に前記地図をスクロールする前記スクロール処理の実行を示す前記実行情報を生成することを特徴とする操作装置。
【請求項4】
請求項3に記載の操作装置において、
前記生成手段は、前記接触面における前記ガイド領域上において前記なぞり動作が実行されたとき当該なぞり動作の方向に前記地図をスクロールする前記スクロール処理の実行のみを示す前記実行情報を生成することを特徴とする操作装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の操作装置において、
前記なぞり動作の速度を検出する速度検出手段を更に備え、
前記生成手段は、前記なぞり動作の方向に前記地図をスクロールする前記スクロール処理の実行を示す前記実行情報を生成する際、前記スクロールの速度を前記検出された速度に対応する速度とする旨の前記実行情報を生成することを特徴とする操作装置。
【請求項6】
請求項3又は4に記載の操作装置において、
前記なぞり動作において前記接触面が押圧されるときの押圧力を検出する圧力検出手段を更に備え、
前記生成手段は、前記なぞり動作の方向に前記地図をスクロールする前記スクロール処理の実行を示す前記実行情報を生成する際、前記スクロールの速度を前記検出された圧力に対応する速度とする旨の前記実行情報を生成することを特徴とする操作装置。
【請求項7】
操作手段を備えた操作装置に含まれるコンピュータを、請求項1から6のいずれか一項に記載の前記検出手段、前記生成手段、及び、前記出力手段、として機能させることを特徴とする操作装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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