説明

操作装置

【課題】 2つの制御パラメータを同時に設定することができる操作装置の提供。
【解決手段】 本発明による操作装置1(又は2)は、2次元に延在する操作面を備える操作パネル10(又は11と20)と、処理装置30(又は31)とを備え、処理装置は、ユーザ入力により指示される操作パネルの操作面上の2次元位置に基づいて、第1の制御パラメータが操作面上の第1の軸方向の位置に応じて設定され且つ第2の制御パラメータが操作面上の第2の軸方向の位置に応じて設定される態様で、車載機器を制御するための2つの独立した制御パラメータを同時に設定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元に延在する操作面を備える操作パネルと、操作パネルに接続される処理装置とを備える操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空調装置の風量の調整するためのタッチパネル上のスイッチと、送風温度の調整を行なうための温度設定ダイアルとが設けられる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−261335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の構成では、空調装置の所望の風量と所望の送風温度とを互いに独立して設定することができるものの、所望の風量と所望の送風温度を設定するためには、それぞれ個別に設けられたスイッチをそれぞれ操作しなければならず、手間がかかるという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明は、2つの制御パラメータを同時に設定することができる操作装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一局面によれば、2次元に延在する操作面を備える操作パネルと、
処理装置とを備え、
前記処理装置は、ユーザ入力により指示される前記操作パネルの操作面上の2次元位置に基づいて、第1の制御パラメータが操作面上の第1の軸方向の位置に応じて設定され且つ第2の制御パラメータが操作面上の第2の軸方向の位置に応じて設定される態様で、車載機器を制御するための2つの独立した制御パラメータを同時に設定することを特徴とする、操作装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、2つの制御パラメータを同時に設定することができる操作装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例(実施例1)による車両用操作装置1のタッチ操作ディスプレイ10の配置状態の一例を示す概略図である。
【図2】実施例1による車両用操作装置1の主要構成のブロック図である。
【図3】タッチ操作ディスプレイ10の操作面を示す平面図であり、操作面上における2つの制御パラメータのマッピング方法の一例を示す図である。
【図4】タッチ操作ディスプレイ10の表示画面に出力される操作画面の一例を示す平面図であり、情報表示70の出力態様の一例を示す図である。
【図5】タッチ操作ディスプレイ10の表示画面を示す平面図であり、表示画面上の背景表示76の出力態様の一例を示す図である。
【図6】実施例1による処理装置30により実現される風量・温度設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本実施例の車両用操作装置1の他の適用例を示す図である。
【図8】図7の適用例のブロック図である。
【図9】本適用例の処理装置30により実現される主要処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】図9に示す処理に関連した説明図であり、図9に示す処理に関連したタッチ操作ディスプレイ10及び表示ディスプレイ20における画面の状態(画面の変化態様)の一例を示す図である。
【図11】本発明の他の一実施例(実施例2)による車両用操作装置2のタッチパネル11と表示ディスプレイ20の配置状態の一例を示す概略図である。
【図12】実施例2による車両用操作装置2の主要構成のブロック図である。
【図13】実施例2による処理装置31により実現される風量・温度設定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0010】
図1は、本発明の一実施例(実施例1)による車両用操作装置1のタッチ操作ディスプレイ10の配置状態の一例を示す概略図である。図2は、本実施例1による車両用操作装置1の主要構成のブロック図である。
【0011】
車両用操作装置1は、図2に示すように、タッチ操作ディスプレイ10と、処理装置30とを含む。
【0012】
タッチ操作ディスプレイ10は、表示機能に加えて、ユーザ(例えば運転者)によりタッチ操作を検出する機能を備える。タッチ操作を検出する原理は、任意であり、感圧式であってもよいし、静電式であってもよい。尚、タッチ操作は、人の手によるタッチ操作や、ペン(スタイラス)などの器具によるタッチ操作を含んでよい。
【0013】
タッチ操作ディスプレイ10は、図1に示すように、ユーザが操作しやすい位置、好ましくは、運転者が手を伸ばすだけで操作できるような位置に配置される。タッチ操作ディスプレイ10は、例えば、センターコンソール部に配置されてよいし、インストルメントパネルに配置されてもよい。
【0014】
処理装置30は、図2に示すように、タッチ操作ディスプレイ10に接続される。尚、この接続は、有線であっても無線であってもよく、また、直接的な態様であっても間接的な態様であってもよい。処理装置30は、タッチ操作ディスプレイ10上の表示の生成(描画)及び出力処理を行うと共に、タッチ操作ディスプレイ10での各種操作に応じた各種機能を実現する処理を行う。処理装置30は、例えばグラフィックボードや描画ICを含んでよく、タッチ操作ディスプレイ10における各種表示の生成・出力のための各種処理を行う。また、処理装置30は、例えばマイクロコンピューターやDSP(digital signal processor)を含んでよく、タッチ操作ディスプレイ10上での各種操作に応じた操作信号を生成・出力する。尚、処理装置30の機能は、1つの専用の処理装置により実現されてもよいし、互いに異なる場所に配置された複数の処理装置により協動して実現されてもよい。例えば、処理装置30の機能の一部又は全部は、エアコンECUやナビゲーションECUにより実現されてもよい。また、処理装置30の機能の一部又は全部は、タッチ操作ディスプレイ10に内蔵されてもよい。
【0015】
図3は、タッチ操作ディスプレイ10の操作面を示す平面図であり、操作面上における2つの制御パラメータのマッピング方法の一例を示す図である。
【0016】
本実施例1では、タッチ操作ディスプレイ10は、空調装置の風量及び温度設定用の操作パネルとして機能する。2つの制御パラメータは、風量(空調装置の送風量)と、温度(空調装置の送風温度)とにそれぞれ関連する。即ち、タッチ操作ディスプレイ10は、空調装置の風量と温度を設定・調整するために操作される。
【0017】
タッチ操作ディスプレイ10は、図3に示すように、2次元に延在する操作面を備え、風量と温度は、それぞれの軸方向にマッピングされ、全体として、2次元マップが画成される。但し、操作面は、縁部に不活性部位(感応しない部位)が設定されてもよい。即ち、操作面は、縁部を除く領域が実効領域として使用されてもよい。
【0018】
具体的には、図3に示す例では、縦軸には、風量の強弱が、横軸には、温度の高低が、それぞれマッピングされる。この際、好ましくは、風量は、図3に示すように、タッチ操作ディスプレイ10の操作面において、上側に行くほど強くなり、下側に行くほど弱くなる態様で、マッピングされる。尚、風量は、所定の段階(例えば5段階)で設定可能であってよく、この場合、タッチ操作ディスプレイ10の操作面は、縦軸方向にN個に等分割されてマッピングされてもよい。同様に、好ましくは、温度は、図3に示すように、タッチ操作ディスプレイ10の操作面において、右側に行くほど高くなり、左側に行くほど低くなる態様で、マッピングされる。尚、温度は、所定の設定温度範囲(例えば、16度から30度)内で所定の設定幅(例えば0.5℃単位)で設定可能であってよく、この場合、タッチ操作ディスプレイ10の操作面は、横軸方向にM個に等分割されてマッピングされてもよい。尚、16度〜30度の設定温度範囲内で0.5℃の設定幅で設定可能な構成では、Mは、(30−16)/0.5+1=29となる。尚、設定温度範囲は、暖房時と冷房時とで異なるように可変されてもよい。
【0019】
このようにして、図3に示す例によれば、所望の風量と温度を1回の操作で同時に設定することが可能となる。例えば、真夏などで直ぐに車内を冷やしたいとき、ユーザは、タッチ操作ディスプレイ10上の左上(2次元位置)を指示(例えばタッチ)することで、最大風量と最低温度を同時に指示(設定)することができる。また、真冬などで直ぐに車内を暖めたいとき、ユーザは、タッチ操作ディスプレイ10上の右上(2次元位置)をタッチすることで、最大風量と最高温度を同時に指示(設定)することができる。また、風量の大きい側と温度の高い側がタッチ操作ディスプレイ10の操作面の上側と右側に設定されるので、一般的な人の感覚に一致し、操作性が良好である。但し、風量の大きい側及び/又は温度の高い側がタッチ操作ディスプレイ10の操作面の下側及び/又は左側に設定されてもよい。
【0020】
尚、図3に示す例では、縦軸には、風量の強弱が、横軸には、温度の高低がそれぞれマッピングされているが、逆であってもよい。即ち、縦軸には、温度の高低が、横軸には、風量の強弱がそれぞれマッピングされてもよい。この場合も同様に、温度は、上側に行くほど高くなり、下側に行くほど低くなる態様で、マッピングされてよく、風量は、右側に行くほど強くなり、左側に行くほど弱くなる態様で、マッピングされてよい。
【0021】
尚、図3は、あくまでマッピング方法の一例を示す図であるので、タッチ操作ディスプレイ10の操作面には、特段の表示が出力されていない。しかしながら、タッチ操作ディスプレイ10の操作面には、以下で図4等を参照して説明するような情報表示70が出力されてもよい。
【0022】
図4は、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面に出力される操作画面(風量・温度設定画面)の一例を示す平面図であり、情報表示70の出力態様の一例を示す図である。尚、本例では、タッチ操作ディスプレイ10は、操作機能と表示機能を一体化して備えるので、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面は、タッチ操作ディスプレイ10の操作面に対応する領域に画成される。
【0023】
タッチ操作ディスプレイ10の表示画面には、ユーザ入力により指示される2次元位置に、情報表示70が出力される。図4(A)に示す例では、タッチ操作ディスプレイ10上の右上(2次元位置)がユーザにより指示され、これに応じて、タッチ操作ディスプレイ10上の右上(即ち、ユーザにより指示された2次元位置)に、情報表示70が出力されている。また、図4(B)に示す例では、タッチ操作ディスプレイ10上の左下がユーザにより指示され、これに応じて、タッチ操作ディスプレイ10上の左下に、情報表示70が出力されている。このように、情報表示70の表示位置は、タッチ操作ディスプレイ10上でユーザにより指示された2次元位置に応じて可変される。これにより、ユーザは、タッチ操作ディスプレイ10上における情報表示70が表示されている2次元位置に基づいて、現在の設定状態を把握することができる。
【0024】
ここで、情報表示70は、任意の表示であってよいが、好ましくは、2つの制御パラメータ(本例では、風量と温度)の少なくとも一方を直接的又は間接的に表す。また、情報表示70は、アイコンの形態の表示であってもよい。例えば、図4に示す例では、情報表示70は、羽を模した表示(以下、羽表示という)72を含む。この羽表示72は、図4(A)及び(B)で対比して分かるように、指示(設定)される風量が大きいほどサイズが大きくなる態様で出力される。即ち、羽表示72は、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面において、上側に行くほど大きくなり、下側に行くほど小さくなる態様で出力される。これにより、ユーザは、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面上の羽表示72の大きさを見て、直感的に、その位置(縦軸方向の位置)で設定される風量を把握することができる。
【0025】
また、図4に示す例では、情報表示70は、ユーザ入力により指示される2次元位置に応じて設定される温度を表す数字表示74を含む。従って、数字表示74は、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面において、右側に行くほど数字が大きくなり、左側に行くほど数字が小さくなる態様で出力される。これにより、ユーザは、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面上の数字表示74の数字を見て、直感的に、その位置(横軸方向の位置)で設定される温度を把握することができる。尚、数字表示74は、図4(A)及び(B)で対比して分かるように、指示(設定)される風量が大きいほどサイズが大きくなる態様で出力されてもよい。即ち、数字表示74は、指示(設定)される温度に加えて、指示(設定)される風量を表す態様で出力されてもよい。
【0026】
尚、情報表示70は、図4に示した例に限られず、多様な態様で実現可能である。例えば、図4に示した例において、情報表示70は、羽表示72及び数字表示74のいずれか一方を省略してもよいし、いずれか一方又は双方の大きさの変更が省略されてもよい。また、図4に示した例では、羽表示72は、円形の枠表示により囲まれているが、かかる円形の枠表示は省略されてもよい。或いは、図4に示した例において、羽表示72は、送風機の羽の回転を直感的に表すように、それ自体が回転されてもよい。即ち、羽表示72は、その中心位置を軸として回転する態様で出力されてもよい。この場合、羽表示72の回転速度(回転数)は、指示(設定)される風量が大きいほど速くなる態様で変化されてもよい。即ち、羽表示72は、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面において、上側に行くほど回転速度が速くなり、下側に行くほど回転速度が遅くなる態様で出力される。これにより、ユーザは、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面上の羽表示72の回転速度を見て、直感的に、その位置(縦軸方向の位置)で設定される風量を把握することができる。
【0027】
尚、情報表示70は、図4に模式的に示すように、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面上で、ユーザがドラッグしながら移動させる表示であってよい。この場合、情報表示70は、サイズ等が変化しながら、ユーザの所望の位置まで移動されることになる。或いは、情報表示70は、ユーザがタッチした位置まで瞬時に移動する表示であってもよい。また、情報表示70は、風量・温度設定画面の呼び出し時においては、デフォルト位置に出力されてもよいし、前回の設定位置に出力されてもよいし、或いは、外気温や内気温等のセンサ値から推測して算出される最適位置(推奨位置)に出力されてもよい。
【0028】
図5は、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面を示す平面図であり、表示画面上の背景表示76の出力態様の一例を示す図である。尚、図5に示す背景表示76は、図4に示す例に適用されてもよい(即ち、図4に示す例と組み合わせてられてもよい)。即ち、背景表示76は、図4に示すような情報表示70の背景表示として出力されてもよい。
【0029】
図5に示す例では、背景表示76は、タッチ操作ディスプレイ10上の操作面での温度のマッピング態様に応じた色変化(グラデーション)を備える。図5は、都合上、カラーの図面ではないが、具体的には、背景表示76は、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面において、右側に行くほど赤色が濃くなり、左側に行くほど青色が濃くなる態様で出力される。尚、赤色と青色の境界には、任意の薄い色(例えば、黄色)のグラデーションが使用されてもよい。これにより、ユーザは、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面上の背景表示76の色を見て、直感的に、その位置(横軸方向の位置)で設定される温度を把握することができる。
【0030】
また、情報表示70(羽表示72及び/又は数字表示74)は、背景表示76の色変化に合わせて、色が変化する態様で出力されてもよい。即ち、情報表示70は、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面において、右側に行くほど赤色が濃くなり、左側に行くほど青色が濃くなる態様で着色されてもよい。これにより、ユーザは、タッチ操作ディスプレイ10の表示画面上の情報表示70の色を見て、直感的に、その位置(横軸方向の位置)で設定される温度を把握することができる。
【0031】
図6は、実施例1による処理装置30により実現される風量・温度設定処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す処理ルーチンは、例えばタッチ操作ディスプレイ10の表示画面上に風量・温度設定画面(図4参照)が呼び出された時に起動され、その後、風量・温度設定画面が他の操作画面や地図表示等に変更されるまで、所定周期毎に繰り返し実行されてよい。尚、風量・温度設定画面が呼び出された時は、所定の初期画面がタッチ操作ディスプレイ10上に出力されてよい。所定の初期画面では、背景表示76と共に情報表示70が表示され、情報表示70は、上述の如くデフォルト位置等に出力されてもよい。或いは、情報表示70は、初期画面では表示されず、ユーザの初期操作に応じて出現されてもよい。また、風量・温度設定画面は、ユーザの操作(例えばマニュアルモードの選択操作)に応じて呼び出されてもよい。
【0032】
ステップ600では、タッチ操作ディスプレイ10上においてユーザによる所定の2次元位置の指示操作が検出されたか否かが判定される。所定の2次元位置の指示操作は、タッチ操作ディスプレイ10の操作面上でのタッチ操作であってもよいし、タッチ操作を伴うドラッグ操作(情報表示70を移動させる操作)であってもよいし、タッチ操作を伴うスクロール操作であってもよい。2次元位置の指示操作が検出された場合には、ステップ602に進み、2次元位置の指示操作が検出されない場合は、次回周期の処理のためステップ600に戻る。
【0033】
ステップ602では、上記ステップ600で検出される2次元位置に応じて、タッチ操作ディスプレイ10上に情報表示70が表示(又は移動)される。この場合、図4を参照して説明したように、情報表示70は、上記ステップ600で検出される2次元位置に応じて、位置や形状等が可変されてもよい。尚、タッチ操作ディスプレイ10上でユーザにより指示される2次元位置は、任意の態様で検出されてもよい。例えば、タッチ操作ディスプレイ10を構成する透明導電膜上における接触位置(2次元位置)は、例えば特開2006−147895号公報に記載されるように、4つの端子を透明導電膜の四隅に接続して交流を流し、各端子に流れる電流に基づいて検出されてもよい。また、2次元位置の指示操作がスクロール操作である場合は、現在の情報表示70の表示位置から、当該スクロール操作に応じたスクロール量及びスクロール方向でスクロールされたときの情報表示70の移動先の位置が、指示された2次元位置に対応してもよい。
【0034】
ステップ604では、上記ステップ600で検出された2次元位置の指示操作が終了したか否かが判定される。例えば、2次元位置の指示操作が、単なる一回のタッチ操作である場合は、タッチ操作が検出された時点で指示操作が終了したと判定されてもよい。他方、2次元位置の指示操作がドラッグ操作である場合は、ドラッグ操作が完了した時点(情報表示70から指を離して非接触となった時点)で指示操作が終了したと判定されてもよい。上記ステップ600で検出された2次元位置の指示操作が終了した場合は、ステップ606に進み、それ以外の場合は、ステップ602に戻り、継続する2次元位置の指示操作に応じて情報表示70が移動等される。
【0035】
ステップ606では、現在の情報表示70の2次元位置に応じて(即ち、上記ステップ600で検出された指示操作によって指示された2次元位置に応じて)、2つの制御パラメータ(本例では、風量と温度)が設定される。この際、処理装置30は、図3を参照して説明したような2次元マップ(2次元位置と風量及び温度との関係を規定したマップ)をメモリから参照して、2つの制御パラメータを設定してよい。この際、処理装置30は、設定した2つの制御パラメータを表す操作信号を生成し、出力してもよい。2つの制御パラメータの設定結果は、空調装置の制御に反映される。即ち、エアコンECUは、このようにして設定された風量及び温度が実現されるように、各種機器を制御する。この制御の方法や対象機器は、多種多様であり、任意の方法で任意の機器が制御されてもよい。例えば、エアコンECUは、設定された風量が実現されるように、ブロアモータ(送風機)を制御してもよい。また、エアコンECUは、設定された温度が実現されるように、エアミックスドアの開度を調整するアクチュエータや、ヒータ、コンプレッサ、電動ウォータポンプ等を制御してもよい。
【0036】
このように図6に示す処理によれば、ユーザは、所望の風量と所望の温度を設定する際、それぞれの所望の風量と所望の温度に対応する2次元位置をタッチ操作ディスプレイ10上で指示するだけでよく、所望の風量と所望の温度を1回の操作で同時に設定することができる。これにより、所望の風量と所望の温度をそれぞれ別の操作で行う場合に比べて、操作の手間が省かれ、操作性が向上する。
【0037】
図7は、本実施例の車両用操作装置1の他の適用例を示す図である。図8は、本適用例のブロック図である。
【0038】
タッチ操作ディスプレイ10は、表示機能を内蔵するので単独で使用されてもよいが、図7に示す適用例に示すように、表示ディスプレイ20と連携して使用されてもよい。この場合、表示ディスプレイ20は、ユーザが見やすい位置、好ましくは、運転者が運転中の視野を大きく変えることなく見ることができるような位置に配置される。表示ディスプレイ20は、例えば、インストルメントパネル上面の中央部に配置されてよい。表示ディスプレイ20は、液晶ディスプレイのような任意の表示装置から構成される。表示ディスプレイ20は、表示機能のみを有するものであってよい(即ち、タッチ操作が可能でないディスプレイであってよい)。但し、表示ディスプレイ20は、タッチ操作ディスプレイ10と同様、タッチ操作が可能なディスプレイであってもよい。尚、表示ディスプレイ20の画面の大きさは、タッチ操作ディスプレイ10の画面の大きさよりも大きく設定されてよい。
【0039】
処理装置30は、図8に示すように、タッチ操作ディスプレイ10及び表示ディスプレイ20に接続される。尚、この接続は、有線であっても無線であってもよく、また、直接的な態様であっても間接的な態様であってもよい。処理装置30は、タッチ操作ディスプレイ10及び表示ディスプレイ20におけるそれぞれの表示の生成及び出力処理を行うと共に、タッチ操作ディスプレイ10での各種操作に応じた各種機能を実現する処理を行う。また、処理装置30の機能の一部又は全部は、タッチ操作ディスプレイ10及び/又は表示ディスプレイ20に内蔵されてもよい。
【0040】
図9は、本適用例の処理装置30により実現される主要処理の一例を示すフローチャートである。図10は、図9に示す処理に関連した説明図であり、図9に示す処理に関連したタッチ操作ディスプレイ10及び表示ディスプレイ20における画面の状態(画面の変化態様)の一例を示す図である。図10には、タッチ操作ディスプレイ10側の画面の状態が図の左側に示され、表示ディスプレイ20側の画面の状態が図の右側に示されている。
【0041】
図10を参照しつつ、図9のフローチャートについて説明する。図9に示す処理ルーチンは、例えばイグニッションスイッチがオンされた時に起動され、その後、イグニッションスイッチがオフされるまで、所定周期毎に繰り返し実行されてよい。
【0042】
尚、呼び出し待ち状態(選択待ち状態)では、図10のS1000及びS1002に示すように、タッチ操作ディスプレイ10上では、ランチャ選択画面が出力され、ランチャ項目A’,B’,C’,D’,E’が呼び出し可能(選択可能)であり、表示ディスプレイ20上には、ランチャ項目A’,B’,C’,D’,E’のそれぞれに対応した情報項目A,B,C,D,Eが表示されている。ここでは、一例として、ランチャ項目C’が空調装置の風量及び温度設定機能に対応するものとする。尚、情報項目A,B,C,D,Eは、アイコンの形態で表示ディスプレイ20に表示されてもよく、特に、情報項目Cに係るアイコンには、“風量・温度設定”という趣旨の文字表示が付与されてもよい。或いは、情報項目Cに係るアイコンには、現在の風量及び温度の設定状態を表す表示が出力されてもよい。
【0043】
ステップ900では、タッチ操作ディスプレイ10上においてスクロール操作が検出されたか否かが判定される。スクロール操作は、表示ディスプレイ20上の画面及びそれに伴いタッチ操作ディスプレイ10上の画面を左右方向にスクロールさせるための操作であってよい。タッチ操作ディスプレイ10上においてスクロール操作が検出された場合は、ステップ902に進み、スクロール操作が検出されない場合は、ステップ904に進む。
【0044】
ステップ902では、タッチ操作ディスプレイ10上でのスクロール操作に応答して、表示ディスプレイ20上の画面がスクロールされると共に、それに連動してタッチ操作ディスプレイ10上の画面がスクロールされる。例えば、図10のS1000にて手の動きを模式的に示すように、ユーザがタッチ操作ディスプレイ10上で指を左から右に動かすと、表示ディスプレイ20上の画面が右にスクロールされ、これに連動して、タッチ操作ディスプレイ10上の画面が右にスクロールされる。尚、タッチ操作ディスプレイ10上での指の移動量や移動速度に応じて、スクロール量が可変されてもよい。このスクロール操作に応じた処理が終了すると、次回周期の処理のためステップ900に戻る。このようにして、ユーザは、前方側の表示ディスプレイ20上の画面を見ながら、タッチ操作ディスプレイ10上でスクロール操作を行うことで、表示ディスプレイ20上で所望の情報項目を選択可能な位置に移動させることができる。
【0045】
ステップ904では、タッチ操作ディスプレイ10上においてランチャ項目の選択操作が検出されたか否かが判定される。選択操作は、タッチ操作ディスプレイ10上で選択可能な複数のランチャ項目から所望の1つのランチャ項目を選択する操作である。選択操作は、タッチ操作ディスプレイ10上における選択したいランチャ項目をタッチすることで実現されてもよいし、タッチ操作ディスプレイ10上における選択したいランチャ項目を、タッチしながら画面下方向に移動させる操作(即ち下方向のドラッグ操作)により実現されてもよい。後者の操作は、後述の表示ディスプレイ20上の特定の情報項目をタッチ操作ディスプレイ10上に引き込む(移動させる)動作(図10のS1006,S1008参照)と感覚的に対応する。タッチ操作ディスプレイ10上においてランチャ項目の選択操作が検出された場合、ステップ906に進み、選択操作が検出されない場合は、次回周期の処理のためステップ900に戻る。
【0046】
尚、タッチ操作ディスプレイ10上において選択可能なランチャ項目は、その時点でタッチ操作ディスプレイ10上に表示されているランチャ項目のいずれであってもよい。例えば図10のS1000に示す画面では、ランチャ項目B’,C’,D’のいずれも選択可能とされてもよい。或いは、タッチ操作ディスプレイ10上において選択可能なランチャ項目は、その時点で表示ディスプレイ20上の画面で最も中央に位置する情報項目(図10のS1002に示す画面では、情報項目C)に対応するランチャ項目のみであってもよい。この場合、タッチ操作ディスプレイ10上のどの位置で選択操作(例えば、下方向のドラッグ操作)を行っても、その時点で表示ディスプレイ20上の画面で最も中央に位置する情報項目が選択されることとしてよい。かかる構成によれば、ユーザは、タッチ操作ディスプレイ10を見なくても、表示ディスプレイ20の画面だけを見て所望のランチャ項目の選択操作を行うことができる。従って、この場合、タッチ操作ディスプレイ10においてランチャ項目の表示は省略されてもよい。
【0047】
ステップ906では、タッチ操作ディスプレイ10上でのランチャ項目の選択操作に応答して、表示ディスプレイ20上の画面から、タッチ操作ディスプレイ10上で選択されたランチャ項目に対応する情報項目が消去される。例えば図10に示す例では、例えばランチャ項目C’が選択されると(S1004参照)、表示ディスプレイ20上の画面は、情報項目Cを含むS1002に示す画面から、情報項目Cが抜けたS1006に示す画面へと遷移する。
【0048】
ステップ908では、タッチ操作ディスプレイ10上でのランチャ項目の選択操作に応答して、タッチ操作ディスプレイ10において、選択されたランチャ項目(例えば対応するアプリ)が起動される。この結果、タッチ操作ディスプレイ10上に、選択されたランチャ項目(即ち選択された情報項目)に対応する操作画面が出力される(図10のS1008参照)。これにより、上記のステップ906の処理と相まって、あたかも表示ディスプレイ20上の選択された情報項目がタッチ操作ディスプレイ10上に移動してきたかのような感覚をユーザに与えることができ、タッチ操作ディスプレイ10と表示ディスプレイ20との一体感(2つで1つの操作装置を実現しているという感覚)を高めることができる。例えば、ランチャ項目C’が選択された場合、タッチ操作ディスプレイ10上には、図4に示したような操作画面(風量・温度設定画面)がダイレクトに出力されてもよい。尚、ランチャ項目C’が選択された場合は、所定の初期画面(操作画面)が表示ディスプレイ20上に出力されてよい。表示ディスプレイ20上の所定の初期画面では、図5に示した背景表示76と共に図4に示した情報表示70が表示され、情報表示70は、上述の如くデフォルト位置等に出力されてもよい。或いは、情報表示70は、初期画面では表示されず、ユーザの初期操作に応じて出現されてもよい。
【0049】
ステップ910では、タッチ操作ディスプレイ10上において“戻る”釦の操作(図10のS1013参照)が検出されたか否かが判定される。“戻る”釦は、タッチ操作ディスプレイ10上の操作画面の所定の位置に設定されてもよい。例えば図10のS1013に示す画面では、“戻る”釦は、“BACK”という文字が付された釦で構成され、タッチ操作ディスプレイ10上の操作画面の端(図示の例では右上の角)に設定されている。“戻る”釦は、上記のステップ908で出力する操作画面上に最初から設定されていてもよい。タッチ操作ディスプレイ10上において“戻る”釦の操作が検出された場合は、ステップ914に進み、“戻る”釦の操作が検出されない場合は、ステップ911に進む。
【0050】
ステップ911では、選択されたランチャ項目に応じた処理が実行される。ここでは、ランチャ項目C’が選択された場合が想定され、この場合、ユーザによる2次元位置の指示操作に応じて(図10のS1012参照)、図6を参照して説明した風量・温度設定処理が実行される。図6を参照して説明した風量・温度設定処理は、例えば設定終了後にユーザによって行われうる“戻る”釦の操作が検出されると終了し、ステップ914に進む。
【0051】
ステップ914では、タッチ操作ディスプレイ10上での“戻る”釦の操作に応答して、表示ディスプレイ20上の画面に、上記ステップ906で消去した情報項目が復帰される。即ち、表示ディスプレイ20上の画面を、上記ステップ906の処理を行う前の状態に戻す(図10のS1014参照)。尚、表示ディスプレイ20上の画面は、上記ステップ906の処理後、本ステップ914の処理までの間は、上記ステップ906の処理後の状態、即ち選択された情報項目が消去された状態(図10のS1006参照)が維持されてもよい。
【0052】
ステップ916では、タッチ操作ディスプレイ10上での“戻る”釦の操作に応答して、タッチ操作ディスプレイ10上の画面が、風量・温度設定画面(図4参照)からランチャ選択画面(図10のS1000又はS1004参照)に戻され、次回周期の処理のためステップ900に戻る。これにより、上記のステップ914の処理と相まって、あたかもタッチ操作ディスプレイ10上の操作画面が表示ディスプレイ20上に戻されるかのような感覚をユーザに与えることができ、タッチ操作ディスプレイ10と表示ディスプレイ20との一体感を高めることができる。
【0053】
図11は、本発明の他の一実施例(実施例2)による車両用操作装置2のタッチパネル11と表示ディスプレイ20の配置状態の一例を示す概略図である。図12は、本実施例2による車両用操作装置2の主要構成のブロック図である。
【0054】
車両用操作装置2は、図12に示すように、タッチパネル11と、表示ディスプレイ20と、処理装置31とを含む。本実施例2は、タッチパネル11と表示ディスプレイ20とが協動して、空調装置の風量及び温度設定用の操作パネルとして機能する点が、上述の実施例1と異なる。即ち、本実施例2では、操作パネルの表示機能が、表示ディスプレイ20により実現され、従って、操作パネルは、表示画面を遠隔位置(表示ディスプレイ20)に備える。尚、情報表示70及び背景表示76については、表示ディスプレイ20上に表示される点で異なるが、表示態様等は上述の実施例1で説明した通りであってよい。以下では、実施例2に特有な構成のみを主に説明する。
【0055】
タッチパネル11は、それ自体、表示機能を備えない。タッチパネル11は、図11に示すように、ユーザが操作しやすい位置、好ましくは、運転者が手を伸ばすだけで操作できるような位置に配置される。タッチパネル11は、例えば、センターコンソール部に配置されてよいし、インストルメントパネルに配置されてもよい。タッチパネル11におけるタッチ操作を検出する原理は、任意であり、感圧式であってもよいし、静電式であってもよい。尚、タッチ操作は、人の手によるタッチ操作や、ペン(スタイラス)などの器具によるタッチ操作を含んでよい。タッチパネル11は、図3を参照して説明したタッチ操作ディスプレイ10と同様、2次元に延在する操作面を備え、風量と温度は、それぞれの軸方向にマッピングされ、全体として、2次元マップが画成される。
【0056】
表示ディスプレイ20は、構成や配置については、図7を参照して説明した表示ディスプレイ20と同様であってよい。
【0057】
処理装置31は、構成自体は、上述の実施例1の処理装置30と同様であってよい。処理装置31は、図12に示すように、タッチパネル11及び表示ディスプレイ20に接続される。尚、この接続は、有線であっても無線であってもよく、また、直接的な態様であっても間接的な態様であってもよい。処理装置31は、表示ディスプレイ20における表示の生成及び出力処理を行うと共に、タッチパネル11での各種操作に応じた各種機能を実現する処理を行う。また、処理装置30の機能の一部又は全部は、タッチパネル11及び/又は表示ディスプレイ20に内蔵されてもよい。
【0058】
図13は、実施例2による処理装置31により実現される風量・温度設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0059】
図13に示す処理ルーチンは、例えば表示ディスプレイ20上に風量・温度設定画面(図4参照)が呼び出された時に起動され、その後、風量・温度設定画面が他の操作画面や地図表示等に変更されるまで、所定周期毎に繰り返し実行されてよい。尚、風量・温度設定画面が呼び出された時は、所定の初期画面が表示ディスプレイ20上に出力されてよい。表示ディスプレイ20上の所定の初期画面では、図5に示した背景表示76と共に図4に示した情報表示70が表示され、情報表示70は、上述の如くデフォルト位置等に出力されてもよい。或いは、情報表示70は、初期画面では表示されず、ユーザの初期操作に応じて出現されてもよい。また、風量・温度設定画面は、ユーザの操作(例えばマニュアルモードの選択操作)に応じて呼び出されてもよい。
【0060】
ステップ1300では、タッチパネル11上において所定の2次元位置の指示操作が検出されたか否かが判定される。所定の2次元位置の指示操作は、タッチパネル11の操作面上でのタッチ操作であってもよいし、タッチ操作を伴うドラッグ操作(情報表示70を移動させる操作)であってもよいし、タッチ操作を伴うスクロール操作であってもよい。2次元位置の指示操作が検出された場合には、ステップ1302に進み、2次元位置の指示操作が検出されない場合は、次回周期の処理のためステップ1300に戻る。
【0061】
ステップ1302では、上記ステップ1300で検出される2次元位置に応じて、表示ディスプレイ20上に情報表示70が表示(又は移動)される。この場合、図4を参照して説明したように、情報表示70は、上記ステップ1300で検出される2次元位置に応じて、位置や形状等が可変されてもよい。尚、タッチパネル11上でユーザにより指示される2次元位置は、任意の態様で検出されてもよい。
【0062】
ステップ1304では、上記ステップ1300で検出された2次元位置の指示操作が終了したか否かが判定される。上記ステップ1300で検出された2次元位置の指示操作が終了した場合は、ステップ1306に進み、それ以外の場合は、ステップ1302に戻り、継続する2次元位置の指示操作に応じて情報表示70が移動等される。
【0063】
ステップ1306では、現在の情報表示70の2次元位置に応じて(即ち、上記ステップ1300で検出された指示操作によって指示された2次元位置に応じて)、2つの制御パラメータ(本例では、風量と温度)が設定される。この際、処理装置31は、図3を参照して説明したような2次元マップ(2次元位置と風量及び温度との関係を規定したマップ)をメモリから参照して、2つの制御パラメータを設定してよい。この設定結果は、空調装置の制御に反映される。
【0064】
このように図13に示す処理によっても、ユーザは、所望の風量と所望の温度を設定する際、それぞれの所望の風量と所望の温度に対応する2次元位置をタッチパネル11上で指示するだけでよく、所望の風量と所望の温度を1回の操作で同時に設定することができる。これにより、所望の風量と所望の温度をそれぞれ別の操作で行う場合に比べて、操作の手間が省かれ、操作性が向上する。また、本実施例2では、運転席に対して近い側に操作部(タッチパネル11)を配置し、運転席に対して遠い側(車両前方側)に表示部(表示ディスプレイ20)を配置するので、ユーザは、車両前方側の表示ディスプレイ20上の表示を見ながら、手元側のタッチパネル11での操作が可能な場合となる。尚、本実施例2において、タッチパネル11を操作するユーザの手の画像をカメラで撮像し、当該手の画像又はそれに基づく手の表示を、操作画面を表示する表示ディスプレイ20に重畳表示する構成としてもよい。かかる構成によれば、タッチパネル11上での自分の手の位置が表示ディスプレイ20を見て分かるので、いわゆるブラインド操作により風量と温度の設定が可能となる。
【0065】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0066】
例えば、上述した実施例では、好ましい実施例として、2つの制御パラメータは、空調装置の風量と温度である。これは、空調装置の風量と温度は、空調装置の制御パラメータとして互いに関連しつつ、互いに独立して設定可能なパラメータであるためである。しかしながら、2つの制御パラメータは、互いに独立して設定可能であれば、任意であってよい。例えば、2つの制御パラメータは、シートの前後位置(シートを前後に移動させるアクチュエータの制御パラメータ)と、シートの背もたれの角度(シートの背もたれの角度を変更させるアクチュエータの制御パラメータ)であってもよい。また、2つの制御パラメータは、車載オーディオのボリュームと、音楽再生時のテンポ(リズム)の速さ又はキーの高低であってもよい。また、2つの制御パラメータは、TVのボリュームと、映像の輝度の高低であってもよい。また、2つの制御パラメータは、サスペンション装置の硬さ(減衰率)と、車高の高低であってよい。尚、2つの制御パラメータは、ナビゲーション装置の地図表示上で設定される目的地の緯度と経度は含まない。これは、かかる緯度と経度は、制御パラメータとはいえないためである。
【0067】
また、上述した実施例では、2つの制御パラメータは、タッチ操作ディスプレイ10(又はタッチパネル11、以下同じ)の表示枠内でマッピングされているが、表示枠外にもマッピングされてもよい。この場合、スクロール操作により表示枠外の値が設定可能とされてもよい。また、例えば長押し操作や、画面をタッチした2つの指を上下又は左右に広げる操作に応答して、タッチ操作ディスプレイ10の操作画面の特定領域が拡大表示されてもよい。例えば、図4に示す操作画面において、操作画面をタッチした2つの指を左右に広げる操作に応答して、操作画面の横軸方向の拡大が実現されてもよい。これにより、例えば横軸方向の制御パラメータの設定分解能が高い場合でも、所望の値の指示することが容易となる。
【0068】
また、上述した実施例では、空調装置の風量と温度について、それぞれの所望の値が1組だけ設定可能であるが、時間の経過に伴うそれぞれの所望の値の変化が設定可能されてもよい。例えば、初期的には急激に冷やしたい(又は暖めたい)ので風量を大きくしたいが、ある程度冷えてきたら(又は暖かくなってきたら)風量を減らしたいというユーザのために、初期の所望値と、定常時の所望値とが、タッチ操作ディスプレイ10上で設定可能とされてもよい。この場合、上述の情報表示70が初期用と定常時用とで2つ表示され、タッチ操作ディスプレイ10(又は表示ディスプレイ20)上でそれぞれを所望の二次元位置に移動させることで、かかる設定が実現されてもよい。
【0069】
また、上述した実施例では、好ましい実施例として、車両用操作装置1が例示されているが、他の用途の操作装置(例えば、家庭用エアコンや業務用エアコンの操作装置)として具現化されてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1、2 車両用操作装置
10 タッチ操作ディスプレイ
11 タッチパネル
20 表示ディスプレイ
30、31 処理装置
70 情報表示
72 羽表示
74 数字表示
76 背景表示
A,B,C,D,E 情報項目
A’,B’,C’,D’,E’ ランチャ項目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元に延在する操作面を備える操作パネルと、
処理装置とを備え、
前記処理装置は、ユーザ入力により指示される前記操作パネルの操作面上の2次元位置に基づいて、第1の制御パラメータが操作面上の第1の軸方向の位置に応じて設定され且つ第2の制御パラメータが操作面上の第2の軸方向の位置に応じて設定される態様で、車載機器を制御するための2つの独立した制御パラメータを同時に設定することを特徴とする、操作装置。
【請求項2】
空調装置を備える車両に搭載される請求項1に記載の操作装置であって、
前記第1の制御パラメータは、空調装置の送風量に関連し、
前記第2の制御パラメータは、空調装置の送風温度に関連する、操作装置。
【請求項3】
前記処理装置は、前記ユーザ入力により指示される前記操作パネルの操作面上の第1の軸方向の位置が右側又は上側になるほど前記空調装置の送風量が大きくなる態様で、前記第1の制御パラメータを設定すると共に、同ユーザ入力により指示される前記操作パネルの操作面上の第2の軸方向の位置が上側又は右側になるほど前記空調装置の送風温度が高くなる態様で、前記第2の制御パラメータを設定する、請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記操作パネルは、表示画面を一体に又は遠隔位置に備え、
前記処理装置は、前記操作パネルに係る表示画面において、前記ユーザ入力により指示される前記2次元位置に所定の情報表示を出力し、
前記所定の情報表示は、前記ユーザ入力により指示される前記2次元位置に応じて可変される、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項5】
前記操作パネルは、表示画面を一体に又は遠隔位置に備え、
前記処理装置は、前記操作パネルに係る表示画面において、前記ユーザ入力により指示される前記2次元位置に所定の情報表示を出力し、
前記所定の情報表示は、前記ユーザ入力により指示される前記2次元位置に応じて設定される空調装置の送風量及び送風温度の少なくとも一方を直接的又は間接的に表す、請求項2又は3に記載の操作装置。
【請求項6】
前記所定の情報表示は、羽を模した表示を含み、
前記羽を模した表示は、前記ユーザ入力により指示される前記2次元位置に応じて設定される空調装置の送風量が大きいほどサイズが大きくなる態様で出力される、請求項5に記載の操作装置。
【請求項7】
前記所定の情報表示は、羽を模した表示であって、回転する表示を含み、
前記羽を模した表示は、前記ユーザ入力により指示される前記2次元位置に応じて設定される空調装置の送風量が大きいほど回転速度が速くなる態様で出力される、請求項5又は6に記載の操作装置。
【請求項8】
前記所定の情報表示は、羽を模した表示を含み、
前記羽を模した表示は、前記ユーザ入力により指示される前記2次元位置に応じて設定される空調装置の送風温度が高くなるほど赤色が濃くなり、空調装置の送風温度が低くなるほど青色が濃くなる態様で出力される、請求項5〜7のうちのいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項9】
前記所定の情報表示は、前記ユーザ入力により指示される前記2次元位置に応じて設定される空調装置の送風温度を表す数字表示を含む、請求項4〜8のうちのいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項10】
前記操作パネルは、表示画面を一体に又は遠隔位置に備え、
前記処理装置は、前記操作パネルに係る表示画面に、所定の背景表示を出力し、
所定の背景表示は、前記操作パネルに係る表示画面上の第2の軸方向の位置が上側又は右側になるほど赤色が濃くなり、前記操作パネルに係る表示画面上の第2の軸方向の位置が下側又は左側になるほど青色が濃くなる態様で出力される、請求項3〜9のうちのいずれか1項に記載の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−14212(P2013−14212A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148041(P2011−148041)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】