説明

攪拌タンク反応器システム

本発明は、攪拌タンク反応器システム(4)およびこのようなシステムを調製する方法に関する。本発明は、さらに、使い捨てバイオリアクターとして、そして使い捨て要素を有するキットにおいての攪拌タンク反応器システムの使用を包含する。1つの実施形態において、攪拌タンク反応器システムであって、以下:(i)少なくとも1つの開口部を備える可撓性バッグであって、バッグが、流体媒体のための滅菌容器として機能する、可撓性バッグ;(ii)バッグ内に配置されるシャフト;(iii)シャフトに取り付け可能なインペラーであって、インペラーが、流体媒体を攪拌して流体力学的環境を提供するために使用される、インペラー;および(iv)シャフトおよびバッグの開口部に取り付けられるベアリング、を備える、攪拌タンク反応器システムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌タンク反応器システムおよびこのようなシステムを調製するための方法に関する。本発明は、さらに、使い捨てバイオリアクターとしての攪拌タンク反応器システムの使用および使い捨て要素を伴うキットでの使用を包含する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
発酵槽のバイオリアクターは、発酵、酵素反応、細胞培養、生物学的製品、化学製品、生物薬剤、組織工学、微生物、植物代謝物、食品生産などのために使用される容器である。バイオリアクターは、ベンチトップ発酵槽から種々のサイズの独立型ユニットまで種々のサイズである。バイオリアクターにおける無菌生産のための厳しい無菌要件は、通常、所望の製品容量を達成するために精巧なシステムを必要とする。結果として、無菌バイオリアクターにおける製品の製造は、費用がかかり、改善されたシステムを追求する動機を提供している。
【0003】
従来のバイオリアクターは、単一のタイプの中空繊維を介して栄養媒体をまいている。このようなバイオリアクターの種々の不利益としては、不均質な細胞量、代表的な細胞増殖サンプルの獲得の困難性、非効率な酸素付加および酸素レベルを制御できないことに起因する乏しい性能、ならびに細胞培養物の混入の問題が挙げられる。さらに、pHのような微細環境因子は、効率的に制御され得ず、細胞の混合培養または共存培養は、不可能である。このような先行技術のバイオリアクターに対する改善は、特許文献1に網羅される、中空繊維反応器である。この反応器は、栄養溶液がポンプで送られる多孔性中空繊維の中心ストランドが中を通って延びている反応容器を含む。この中空繊維の中心ストランドは、複数の中空繊維のストランドによって同心的に取り囲まれ、これらのストランドを通って気体媒体が運ばれる。これらのストランドの中空繊維はまた、気体媒体(例えば、酸素または二酸化炭素)が、少なくとも部分的に、これらのストランドから出ることができるかまたはこれらのストランド内に入ることができるような様式で、構成される。このタイプのバイオリアクターは、従来技術のデバイスと比較して、幾分向上した栄養媒体酸素付加を達成する。しかし、細胞培養の時折の汚染およびpHレベルを効率的に制御できないことは、一貫して問題のままである。
【0004】
無菌バイオリアクターにおいて細胞、生物薬剤、生物製品などを製造する費用は、必要とされる洗浄、滅菌および標準的なバイオリアクター(すなわち、ステンレス鋼またはガラス反応器)の検証によって悪化する。最終使用者によって洗浄も、滅菌も、検証もされる必要がない予め滅菌された使い捨てバイオリアクターシステムの開発に伴うこの問題を解決する試みがなされている。このような使い捨てバイオリアクターシステムの使用は、有意な救いを提供し得る。さらに、プラスチックは、軽量で移動が容易であり、ステンレス鋼またはガラス反応器よりも小さい空間を必要とする。バイオリアクターにおける使い捨て要素の使用の例は、特許文献2に提供され、これは、支持ハウジングを備える反応器チャンバを記載する。支持ハウジングの内部チャンバは、使い捨てライナーで裏打ちされ、このライナーに取り付けられたヘッドプレートでシールされて、シール化チャンバを形成する。ライナーが頂部において開いているので、ヘッドプレートの汚染を妨げるために垂直方向に配向したバイオリアクターで使用されなければならない。このシステムが使い捨てライナーを提供するものの、ヘッドプレートおよび内部チャンバは、洗浄および滅菌をなお必要とする。
【0005】
別の解決法として、洗浄も滅菌も必要ではなく、最小の検証努力のみを必要とする可撓性の使い捨てプラスチック容器が開発されている。例えば、特許文献3は、水平方向で回転する可撓性使い捨て気体透過性細胞培養チャンバを記載する。細胞培養チャンバは、一緒に融合されたプラスチックの2枚のシートから作製される。さらに、培養チャンバは、ガス透過性材料から作製され、膜表面の上の空気の流れを遮断することなく、可撓性培養チャンバを支持する水平方向回転ディスクドライブに載せられる。チャンバは、インキュベーター内に配置され、酸素移動が、バッグの透過性係数に従って、インキュベーター中のガス圧を制御することによって制御される。バッグの回転は、バッグの内容物の混合を助ける。しかし、細胞培養チャンバは、制御ガス環境内で使用することに制限される。特に、細胞培養チャンバは、支持装置を有さず、従って、小さな容量に制限される。さらに、このチャンバは、入口および出口を提供せず、媒体が、回転の間、チャンバ内へおよびチャンバから一定してポンプ送りされる。
【0006】
いくつかの会社が、洗浄も滅菌も必要としない予め滅菌された使い捨てバイオリアクターを開発している(例えば、Wave Biotech,Bridgewater,N.J.)。このような反応器は、バッグを形成するために可撓性のガス透過性材料のシートから作製される。バッグは、部分的に媒体で満たされ、次いで、バッグのヘッドスペースを連続的に通る空気で膨らまされる。媒体は、空気−液体界面を増加させるために、バッグを揺らすことによって混合され、空気にさらされる。しかし、バッグを支持する固体ハウジングが無いので、バッグは、じゃまになり、サイズが大きくなると操作が困難になる。さらに、揺れているバッグ内の波の作用が、損傷させる荒い力を生じる。特定の細胞培養物(特に、ヒト細胞培養物)は、より穏やかな条件下でより良く成長する。
【特許文献1】米国特許第5,622,857号明細書
【特許文献2】米国特許第6,245,555号明細書
【特許文献3】米国特許第5,523,228号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、操作が容易であり、操作するための訓練がほとんど必要なく、なお首尾良い細胞および組織の培養に必要とされる必要なガスの移動および栄養の混合を提供する、可撓性の予め滅菌された使い捨てのバイオリアクターを開発することが当該分野において永続して必要である。このような使い捨てバイオリアクターは、化学物質、生物薬剤、生物学的物質、細胞、微生物、植物代謝物、食物などの製造についても等しく有用である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、取り付けられるベアリング、シャフトおよびインペラーアセンブリを備える可撓性プラスチックバッグのような使い捨て要素を有する攪拌タンク反応器システムを提供する。本発明は、さらに、使い捨てバイオリアクターとして、および使い捨て要素を備えるキットにおいて、この新規な攪拌タンク反応器システムを使用することに関する。本発明の利点は多数ある。特に、攪拌タンク反応器システムは、予め滅菌され得、培養システムまたは製造システムにおいてバッチからバッチへまたは生成物から生成物へと変えるためのスチームインプレス(SIP)環境またはクリーンインプレス(CIP)環境を必要としない。このように、このシステムは、バッチ間の汚染が無いことを確実にすることによって管理された制御の必要性をより少なくし、従って、かなりの費用における利点を伴って、使用前に最小の調製でまたは調製無しで操作され得る。さらに、このシステムは、他の使い捨て反応器システムとは異なる、真の(true)攪拌タンク反応器システムである。これは、本発明が、従来の非使い捨て反応器システムと類似の種々のサイズのスケールにされ得る流体力学的環境を提供するさらなる利点を提供する。このシステムが洗浄も滅菌も必要としないので、可撓性の使いやすい真の攪拌タンク反応器環境を、細胞培養プロセスまたは製造プロセスの間の交差汚染の無いことと組み合わせる。
【0009】
本発明の1つの局面は、攪拌タンク反応器システムを提供し、これは、少なくとも1つの開口部を備える可撓性バッグであって、該バッグが、流体媒体のための滅菌容器として機能する、可撓性バッグ;該バッグ内に配置されるシャフト;該シャフトに取り付け可能なインペラーであって、該インペラーが、該流体媒体を攪拌して流体力学的環境を提供するために使用される、インペラー;および該シャフトおよび該バッグの開口部に取り付けられるベアリングを備える。このバッグは、シャフトおよびベアリングに少なくとも1つのシールまたはOリングを介して付けられて、その結果、該バッグの内側が滅菌のままである。シールまたはOリングは、バッグに付けられ得る。このシステムは、使い捨てで予め滅菌され得る。バッグは、pHセンサーおよび溶存酸素センサーをさらに備え得、センサーが、バッグ内に組み込まれている。さらに、このシステムは、バッグにシールされた少なくとも1つの内部ポーチを備え、プローブ(すなわち、温度プローブ、pHプローブ、溶存気体センサー、酸素センサー、二酸化炭素(CO)センサー、細胞量センサー、栄養センサー、浸透圧計など)が反応器内に挿入され得るように、ポーチが、バッグの外側に対して開口し得る1つの端部を備える。このシステムは、バッグ内に少なくとも1つのポートを備え、ポートが、デバイス(チューブ、フィルター、サンプラー、プローブまたは接続デバイス)をポートに接続することを可能にするものである。ポートは、サンプルリング、バッグ内へおよびバッグからのガスの流れ;バッグ内へおよびバッグからの流体または媒体の流れ;接種;滴定、ケモスタット試薬の添加;スパージングなどを可能にする。
【0010】
本発明の別の局面は、攪拌タンク反応器システムを提供し、これは、少なくとも1つの開口部を備える可撓性バッグであって、該バッグが、流動性媒体のための無菌容器として機能する、バッグ;バッグ内に配置されたシャフト;シャフトに取り付け可能なインペラーであって、ここで、該インペラーが、該流動性媒体を攪拌して、流体力学的環境を提供するために使用される、インペラー;シャフトおよびバッグの開口部に取り付けられるベアリングを備える。このシステムは、さらに、バッグの外側にハウジング(例えば、反応器ハウジング)を備え、ハウジングが、ベアリングおよびモーターを保持する少なくとも1つの支持体を備え、バッグが、ハウジング内に含まれている。このハウジングは、バッグが、バッフルの周囲で折りたたまるように複数のバッフルを備え得る。必要に応じて、このシステムは、バッグとハウジングとの間に配置され得る、加熱器(例えば、加熱パッド、蒸気ジャケット、および循環流体加熱器、または循環水加熱器など)を備える。あるいは、この加熱器は、ハウジング内に組み込まれ得る(例えば、組み込まれた加熱システムを備える永久型反応器ハウジング)。
【0011】
本発明の別の局面において、攪拌タンク反応器システムは、pHセンサーおよび溶存酸素センサー後の流れを備える製品ループを有する永久型ハウジングを備え、センサーがハウジング内に組み込まれている。この永久型ハウジングとしては、金属バレル、プラスチックバレル、木質バレル、ガラスバレルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
本発明はまた、攪拌タンク反応器システムを調製するための方法を企図し、この方法は、少なくとも1つの開口部を備える可撓性バッグを提供する工程であって、バッグが、流動性媒体のための無菌容器として機能する、工程;シャフトをバッグ内に挿入する工程であって、シャフトが、シャフトに取り付け可能なインペラーを備え、ここで、インペラーが、流動性媒体を攪拌して、流体力学的環境を提供するために使用される、工程;ベアリングをシャフトおよびバッグの開口部に取り付ける工程;ならびにバッグの内側が無菌のままであるように、バッグをシャフトおよびベアリングに対してシールする工程、を包含する。この方法によって調整される攪拌タンク反応器システムは、バッグ、シャフト、インペラーおよびベアリングを含むがこれらに限定されない少なくとも1つの使い捨て要素を含む。
【0013】
本発明は、攪拌タンク反応器システム、および使用のための説明書、を備える、キットをさらに包含する。キットは、使い捨て攪拌タンク反応器システムを備える。キットはまた、バッグ、シャフト、インペラー、またはベアリングのような少なくとも1つの使い捨て要素を備える攪拌タンク反応器システムを備え得る。バッグは、バッグの内側が無菌のままであるように、少なくとも1つのシールまたはOリングによってシャフトおよびベアリングに付けられ得る。さらに、バッグは、pHセンサーおよび溶存酸素センサーをさらに備え、センサーがバッグ内に組み込まれている。キットはまた、バッグに対してシールされた少なくとも1つの内部ポーチを備え得、ここで、プローブが反応器内に挿入され得るように、ポーチが、バッグの外側に対して開き得る1つの端部を備える。さらに、このシステムは、バッグ内に少なくとも1つのポートを備え、このポートが、デバイスをポートに接続することを可能にするものであり、ここで、デバイスが、チューブ、フィルター、サンプラーなどを含むがこれらに限定されない。
【0014】
本発明の別の局面は、攪拌タンク反応器システムにおいて使用するためのバッグを提供する。このバッグは、使い捨て可撓性プラスチックバッグであり得る。このバッグはまた、シール、Oリング、ポート、ポーチ、チューブ、フィルター、サンプラー、プローブ、センサー、接続デバイスなどを含むがこれらに限定されない少なくとも1つの使い捨て要素を備え得る。
【0015】
本発明は、好ましい実施形態を説明するのに役立つ、添付の図面とともに読んだ場合、最も良く理解される。しかし、本発明が図面に開示される特定の実施形態に制限されないことが理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
a)定義および一般的パラメーター
以下の定義は、本明細書中の本発明を説明するために使用される種々の用語の意味および範囲を説明および規定するために記載される。
【0017】
用語「可撓性バッグ」とは、流体媒体を保持する容器をいう。バッグは、サイズ、強度および容量の要件に依存して、可撓性または半可撓性の防水材料の1つ以上の層を備え得る。バッグの内側表面は、好ましくは、滑らかであり、滅菌環境(例えば、細胞または他の生物を培養するため、食物製造のため、など)を提供する。バッグは、1つ以上の開口部、ポーチ(例えば、1つ以上のプローブ、デバイスなどを挿入するため)、ポート(例えば、1つ以上のプローブ、デバイスなどの接続のため)などを備え得る。さらに、バッグは、従来の攪拌タンクバイオリアクターにおける固体容器に対する使い捨て代替物を提供する。可撓性バッグは、さらに、シャフト、インペラー、ベアリングおよびシールまたはOリングを備え得、全体的に使い捨てであり得る。
【0018】
用語「流体媒体」は、明細書および特許請求の範囲のために、任意の生物学的流体、細胞培養培地、組織培養培地、微生物の培養、植物代謝物の培養、食物製造、化学物質製造、生物薬剤製造などを意味する。流体媒体は、任意の特定のコンシステンシーに制限されず、その粘度は、高〜中〜低で種々であり得る。流体媒体が細胞培養培地である場合、このシステムは、バッチ様式、半バッチ様式、フェドバッチ様式、または連続様式で操作され得る。
【0019】
用語「インペラー」とは、攪拌タンク反応器システム(例えば、バイオリアクター)の内容物を攪拌または混合するための使用されるデバイスをいう。インペラーは、攪拌(stirring)または他の機械的動きによって流体媒体を攪拌(agitate)し得る。本発明のインペラーとしては、ラシュトン(Rushton)、船舶用(marine)、ハイドロフォイル、傾斜ブレード、および任意の他の市販のインペラーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
本発明の「流体力学」環境とは、流体の動きおよび攪拌タンク反応器システム内のこれらの流体に浸される固体に作用する力によって影響される環境をいう。
【0021】
b)攪拌タンク反応器システム
本発明の攪拌タンク反応器システムは、種々の目的(細胞、微生物または植物代謝物の培養、ならびに食物、化学物質、生物薬剤および生物学物質の処理を含む)のための可撓性の使い捨てバッグを提供する。使い捨てバッグは、シャフト、インペラーおよびベアリングのような使い捨て要素を備え得、反応器ハウジングのような永久型ハウジング内に適合するように設計される。バッグは、1つ以上の開口部、ポーチ、ポートなどをさらに備え得る。攪拌タンク反応器システムによって、使用者は、比較的容易に訓練がほとんどなしで培養または製造を操作し得る。特に、使い捨てシステムは、洗浄も滅菌も必要ない。さらに、このシステムは、製造の実施間の連続的な検証を必要としない。従って、これは、可撓性の使用が容易で真の攪拌反応器環境と製造プロセスの間の交差感染が無いことを組み合わせる。
【0022】
図面を参照して、図1は、少なくとも1つの開口部を備える可撓性バッグ(4)および取り付け可能インペラー(13)を備える攪拌シャフト(12)を示す。示されるように、攪拌シャフト(12)および取り付けられたインペラー(13)は、バッグ(4)内に配置される。さらに、攪拌シャフト(12)は、ベアリング(5)に接続可能であり、このベアリングは、シールまたはOリング(6)を介してバッグにシールされ得る。バッグ(4)、攪拌シャフト(12)、インペラー(13)、およびベアリング(5)(シールまたはOリング(6)を備える)は、必要に応じて使い捨てである。使い捨てバッグは、可撓性プラスチックバッグであり得る。バッグ(4)は、バッグの内側が無菌のままであるように、少なくとも1つのシールまたはOリング(6)を介して攪拌シャフト(12)およびベアリング(5)に付けられ得る。シールまたはOリングは、図1に示されるように、バッグにさらに付けられ得る。さらに、使い捨て攪拌タンク反応器システムは、ベアリング(5)およびモーター(1)を保持する支持体または1つ以上のブラケット(3)に接続され得る。1つの実施形態(図1に示される)において、支持体(3)は、モーターおよびベアリング支持体(3)であり、攪拌シャフト(12)の上側端部は、モーター連結器(2)にさらに接続される。モーター連結器(2)は、バッグ(4)内に流体力学的環境を導く攪拌シャフト(12)およびインペラー(13)の攪拌の動きを駆動するモーター(1)に接続される。バッグ(4)は、バレルまたはチャンバのようなハウジング(11)内に適合するように設計される。ハウジングは、金属バレル、プラスチックバレル、木質バレル、ガラスバレル、または固体材料から作製された任意の他のバレルもしくはチャンバであり得る。本発明の1つの実施形態において、ハウジングは、複数のバッフルを備え、このバッグは、バッフルの周りで折り畳まれる。別の実施形態において、可撓性バッグ(4)は、頂部ポート(単一または複数)(8)、底部ポート(単一または複数)(9)、および側部ポート(単一または複数)(10)をさらに備え、可撓性チュービング(7)がこれらのポートの1つ以上に接続され得る。
【0023】
攪拌タンク反応器システムは、必要に応じて、加熱パッド、蒸気ジャケット、あるいは循環流体加熱器または循環水加熱器のような加熱器を備え得る。1つの実施形態において、加熱器は、バッグ(4)とハウジング(11)との間に配置される。別の実施形態において、加熱器は、ハウジング(11)(例えば、反応器ハウジングとバッグとの間の二重壁)内に組み込まれる。なお別の実施形態において、攪拌タンク反応器システムは、インキュベーターの内側に配置される。加熱器によって、特定の培養または製造の加熱または温めが可能になる。これは、しばしば37℃で増殖する細胞培養に特に重要である。
【0024】
本発明の1つの実施形態において、バッグ(4)、ベアリング(5)、シールまたはOリング(6)、チュービング(7)、頂部ポート(8)、底部ポート(9)、側部ポート(10)、シャフト(12)、およびインペラー(13)は、使い捨てである。モーター(1)、モーター連結器(12)、ブラケットまたはモーターおよびベアリング支持体(3)、ならびにハウジング(11)は永久型である。
【0025】
c)デバイスおよびポート
攪拌タンク反応器システムはまた、センサーおよび他のデバイスを備え得る。1つの実施形態において、バッグは、pHセンサーおよび溶存酸素センサーを備え、このセンサーは、バッグ内に組み込まれる。このように、センサーは、バッグとともに使い捨てである。別の実施形態において、センサーは、バッグに取り付け可能であり、別のユニットである。このようなセンサーは、必要に応じて、滅菌後に再使用可能であり得る。別の実施形態において、このシステムは、pHセンサーおよび溶存酸素センサー後の流れを備える製品ループ(a product loop with flow past a pH sensor and dissolved−oxygen sensor)を備え、これらのセンサーは、反応器ハウジング内に組み込まれる。システムは、可撓性であり、種々の任意の設備(例えば、センサー、プローブ、デバイス、ポーチ、ポートなど)を供給する代替方法を提供する。このシステムはまた、バッグに対してシールされる1つ以上の内部ポーチを備え得る。1つの好ましい実施形態において、ポーチは、バッグの外側に維持しながら、反応器(すなわち、バッグ)内にプローブを挿入するために、バッグの外側に開き得る少なくとも1つの端部を有する。プローブは、例えば、温度プローブ、pHプローブ、溶存気体センサー、酸素センサー、二酸化炭素センサー、細胞量センサー、栄養センサー、浸透圧計あるいは培養または製造を試験またはチェックすることを可能にする任意の他のプローブであり得る。別の好ましい実施形態において、このシステムは、デバイスのポートへの接続を可能にするバッグ中の少なくとも1つのポートを備える。このようなデバイスとしては、チューブ、フィルター、コネクター、プローブ、およびサンプラーが挙げられるがこれらに限定されない。バッグ内への種々のポートの組み込みによって、バッグ内への気体の流れおよびバッグからの気体の流れ、ならびにバッグ内への液体の流れおよびバッグからの液体の流れが可能になる。このようなポートによってまた、バッグの内側での媒体または培養物のサンプリングまたは試験が可能になる。チュービング、フィルター、コネクター、プローブ、サンプラーまたは他のデバイスは、任意の所望のチュービング接続技術を使用することによってポートに接続され得る。バッグにシールされるかまたはバッグに付けられるポーチおよびポートは、バッグとともに使い捨てである。バッグはまた、バッグとともに捨てられ得る、バッグにシールされたスパージャー(すなわち、媒体内に空気を噴霧する反応器の構成要素)を備え得る。
【0026】
特に、ポートは、以下に適応させるために、可撓性バッグ上の任意の位置に組み込まれ得る:
ヘッドスペースガス入口
ヘッドスペースガス出口
スパージガス入口
温度プローブ
pHプローブ
溶存酸素プローブ
他の所望のプローブ
サンプル装置
媒体入口
滴定剤入口
接種入口
栄養剤供給入口
採取出口。
【0027】
各ポートは、ポートに取り付けられる可撓性チュービングを有し得、これに、媒体バッグ、サンプルデバイス、フィルター、ガスライン、または採取ポンプが滅菌接続または無菌接続で取り付けられ得る。1つの実施形態において、ポートは、バッグ製造の間、可撓性バッグ上にシールされ、バッグアセンブリで滅菌される。
【0028】
可撓性チュービングへの無菌接続を行うために使用され得るデバイスは、以下である:
WAVE滅菌チューブヒューザー(fuser)
TERUMO滅菌チュービングウェルダー
PALL KLEENPAKコネクター
無菌技術を使用する、層流フード下で行われる接続
金属チュービングおよび誘導加熱器を使用する、BAXTER Haywardの「HEAT−TO−HEAT」接続。
【0029】
別の実施形態において、適切なステンレス鋼バルブアセンブリに取り付けられる可撓性チュービングは、別々に(例えば、オートクレーブを介して)滅菌され得、次いで、使い捨てバイオリアクターを従来の反応器またはプロセス配管に接続するための方法として使用され得る。バルブアセンブリは、従来の反応器または他のプロセスに対して従来のスチームインプレス(SIP)接続を行うために使用され、可撓性チュービングは、使い捨て反応器上のポートに対して滅菌接続または無菌接続を行うために使用される。
【0030】
図面を参照して、図2は、本発明の攪拌タンク反応器システムととも使用され得るプローブ接続を示す。1つの実施形態(図2に示される)において、プローブ(1)は、PALLコネクター(3)の1つの半体に延びる可撓性スリーブ(2)またはバッグに接続される。PALLコネクター(3)は、プローブと攪拌タンク反応器システムとの間の滅菌接続を提供するためのPALLコネクター(5)の他の半体に接続され得る。PALLコネクター(3)、(5)は、接続部位の滅菌を維持するために、カバー(4)およびフィルター(7)を備える。滅菌チュービング(6)は、PALLコネクター(5)の他の半体から、攪拌タンク反応器システムの反応器容器(9)の反応器ポート(8)に延びる。プローブを取り付けるために、PALL接続は、カバー(4)を取り除き、コネクター(3,5)を嵌合させ、フィルター(7)を取り除き、そしてコネクターの可動ポートを適所にスライドさせることによってなされる。次いで、プローブセンサー先端(12)を、可撓性スリーブまたはバッグバンチ(bunch)またはコンプレス(10)として、反応器内に押し込む。次いで、プローブセンサー先端(12)を、反応器容器(9)の内側と直接的に接触させる。クランプ(11)を、PALL接続アセンブリから、反応器内容物をシールするために、プローブおよびチュービングの周囲に配置する。従って、無菌接続がPALLコネクター(3,5)の2つの半体の間でなされる場合、可撓性スリーブ(2)またはバッグは、圧縮され(10)、プローブは、培養媒体または製造媒体と接触する。
【0031】
1つの実施形態において、プローブは、別々に(例えば、オートクレーブを介して)滅菌され得、次いで、滅菌接続または無菌接続を介して反応器に接続され得る。例えば、プローブアセンブリは、上記および図2に示されるように、プローブ(1)をPALL KLEENPAKコネクター(3)の1つの半体内に挿入し、そして可撓性スリーブまたはバッグ(2)を使用してプローブをコネクターにシールすることによってなされ得る。スリーブは、プローブの外側端部からPALLコネクターのかえし(barb)に延びる。このアセンブリは、別々に滅菌される。PALLコネクター(5)の他の半体は、プローブを収容する可撓性チュービング(6)を介して反応器(9)上のポート(8)に接続される。このアセンブリは、反応器の一部として滅菌される。PALLコネクターは、米国特許第6,655,655号に詳細に記載され、その全体が本明細書中において参考として援用される。
【0032】
d)培養
攪拌タンク反応器システムは、生物学的流体、細胞培養培地、微生物の培養物、食物製品などのような流体媒体を保持するように設計される。流体媒体が細胞培養物である場合、このシステムは、バッチ様式、半バッチ様式、フェドバッチ様式、または連続様式で操作され得る。バッチ培養は、細胞接種物がタンクまたは発酵槽において最大密度に培養され、収集され、バッチして処理される、大規模細胞培養である。フェドバッチ培養は、新鮮な栄養(例えば、増殖制限基質)または添加剤(例えば、生成物の前駆体)のいずれかを供給するバッチ培養物である。連続培養は、新鮮な培地の流入によって栄養を連続的に供給される懸濁培養であり、培養容量は、通常一定である。同様に、連続発酵とは、細胞または微生物が、バイオリアクターからの細胞懸濁液の除去によって正確にバランスがとられた新鮮な培地の連続的な添加によって、培養物を指数増殖期に維持するプロセスをいう。さらに、攪拌タンク反応器システムは、懸濁培養、灌流(perfusion)培養、またはマイクロキャリア培養のために使用され得る。一般的に、攪拌タンク反応器システムは、ラシュトン、ハイドロフォイル、傾斜ブレード、または船舶用のような任意の型の攪拌機を備える従来の攪拌タンク反応器として作動し得る。攪拌シャフト(12)は、例えば、直立中心、直立片寄り(offset)、または15°片寄りのような、ハウジング(11)に対する任意の角度または位置で取り付けられ得る。攪拌タンク反応器システムの制御は、スチームインプレス(SIP)またはクリーンインプレス(CIP)の必要性無しで従来の手段によってであり得る。実際に、本発明のシステムは、滅菌バイオリアクター操作に限定されず、きれいな生成物が攪拌タンクを使用して混合されるべき任意の操作(例えば、クリーンルームの必要性無い、食物製造または任意のクリーンルーム混合)において使用され得る。
【0033】
e)キット
本発明は、攪拌タンク反応器システムおよび使用のための説明書を備えるキットを包含する。好ましい実施形態において、キットは、使い捨て攪拌タンク反応器システムを備える。従って、キットは、バッグ、シャフト、インペラー、またはベアリングのような少なくとも1つの使い捨て要素を備える。好ましくは、キットは、全体的に使い捨てである。可撓性使い捨てバッグは、バッグの内側が無菌のままであるように、少なくとも1つのシールまたはOリングによってシャフトおよびベアリングに付けられ得る。さらに、バッグは、pHセンサーおよび溶存酸素センサーを備え得、センサーがバッグ内に組み込まれ、バッグとともに使い捨てである。キットはまた、バッグに対してシールされる1つ以上の内部ポーチを備え得る。ポーチは、プローブが反応器内に挿入され得るように、バッグの外側に対して開き得る1つの端部を備える。プローブは、温度プローブ、pHプローブ、溶存気体センサー、酸素センサー、二酸化炭素(CO)センサー、細胞量センサー、栄養センサー、浸透圧計などであり得る。さらに、このシステムは、バッグ内に少なくとも1つのポートを備え、このポートが、デバイスをポートに接続することを可能にするものであり、ここで、デバイスとしては、チューブ、フィルター、サンプラー、プローブおよびコネクターなどが挙げれられるが、これらに限定されない。ポートは、サンプリング、接種、滴定、ケモスタット試薬の添加、スパージングなどを可能にする。このキットの利点は、必要に応じて全体的に使い捨てであり、添付の説明書に従うことによって使用が容易であることである。このキットは、好ましい培養容量に依存して異なる大きさになり、任意の所望の反応チャンバまたはバレルととも使用され得る。このキットは、予め滅菌され、検証または洗浄が必要ない。キットは、細胞培養、微生物の培養、食物代謝物の培養、食物製造、化学物質製造、生物薬剤製造などのために使用され得る。
【0034】
別の実施形態において、キットは、使い捨てバッグを保持するハウジングまたはバレルを備える。このようなハウジングまたはバレルは、バッグとともに供給され得るかまたは別々に提供され得る。
【0035】
f)実施例
以下の特定の実施例は、本発明を説明することを意図し、特許請求の範囲の制限するとして解釈されるべきではない。
【0036】
(i)使い捨てバイオセンサー
本発明の攪拌タンク反応器システムの1つの例は、使い捨てバイオリアクターである。バイオリアクターは、組み込まれた攪拌器および取り付け可能なセンサー(例えば、pHセンサー、温度センサー、溶存酸素(dO2)センサーなど)を備える600リットル媒体バッグに類似する。反応器は、従来のコントローラーを介して操作される。攪拌機(例えば、攪拌シャフトおよびインペラー)およびベアリングは、使い捨てであり、バッグ内に組み込まれている。モーターは、バッグを保持する600リットルバレル上の支持体(例えば、モーターおよびベアリング支持体)またはブラケットに取り付けられる。サイズ、形状および操作において、このバイオリアクターは、滅菌ライナーを備えるステンレス鋼リアクターに類似して見えるが、本発明のバイオリアクターは、従来のステンレス鋼リアクターと比較して多くの利点を提供する。最も重要なことは、洗浄および蒸気滅菌の必要性が排除されることである。バッグは、照射によって予め滅菌され、従って、使用準備ができている。実際、培養の開始または培養の実施の間に、洗浄も滅菌も検証も試験も必要としない。結果として、バイオリアクターは、実施の間の交差汚染の無い培養環境を提供する。従来のシステムにおいて、費用の大部分は、クリーンインプレス(CIP)およびスチームインプレス(SIP)、ならびにこれらの機能を検査するためのスキッド(skid)制御システムの設計に関係する。これらの費用は、使い捨てバイオリアクターにおいて排除され、複数の生成物が、同時に、非常に容易に、培養または製造され得る。
【0037】
使い捨てバイオリアクターは、バッグを保持するためにより大きな培養バッグおよびより大きなバレルを使用することによって容易にスケールアップし得る。複数のバイオリアクターは、多くの操作も洗浄も必要とせず、同時に操作され得る。バイオリアクターは、十分に特徴付けられた混合で真の攪拌タンクである。このように、バイオリアクターは、スケールを変えられ得、所望の場合、その内容物がステンレス鋼リアクターに移されるというさらなる利点を有する。特に、バイオリアクターは、使用の容易さと低い費用および可撓性とを組合せ、従って、細胞培養のために新たな技術的プラットフォームを提供する。
【0038】
(ii)細胞培養
本発明の使い捨てバイオリアクターは、細胞が新鮮な媒体に接種されるバッチ培養物のために使用され得る。細胞が増殖するにつれて、これらは、培地内の栄養を消費し、老廃物を蓄積する。分泌産物について、培養がその過程で実行される場合、細胞は、濾過工程または遠心分離工程によって生成物から分離される。ウイルス−ベクター産生のために、細胞は、培養の増殖相の間にウイルスを感染し、採取後にベクターを発現させ得る。バイオリアクターにおいて交差汚染が無いので、バッチ培養で十分に機能する。
【0039】
バイオリアクターはまた、灌流培養のために使用され得、産物および/または老廃媒体は、連続的に除去され、除去される容量は、新鮮な培地で置換される。老廃物を除去しながら新鮮な培地を一定して追加することによって、より高い細胞濃度を達成するために必要な栄養を細胞に提供する。バッチ培養の条件を一定して変化させることとは異なり、灌流方法は、細胞濃度および生産性が定常状態条件に維持され得る平衡状態で培養を達成し維持するための手段を提供する。これは、任意の従来のステンレス鋼リアクターと同様に容易に使い捨てバッグにおいて達成され得る。ウイルス−ベクター産生のために、灌流プロセスは、細胞濃度の増加を可能にし、これによって、感染後のウイルス力価の増加を可能にする。分泌される産物について、バイオリアクターでの灌流は、培養バッグのサイズを単純に増加させることによって、生産性を増加させる機会を使用者に提供する。最も重要なこととして、システムが生産プロセスの間、交差感染を経験しないので、滅菌も検証も洗浄も必要でないことがある。
【0040】
本発明の種々の改変および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明らかである。本発明が特定の好ましい実施形態とともに記載されているが、特許請求される発明がこのような特定の実施形態に過度に制限されるべきではないことが理解されるべきである。実際、当業者に自明な本発明を実施するための記載された様式の種々の改変は、特許請求の範囲内であることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、攪拌タンク反応器システムの1つの実施形態の長手方向断面を示し、この攪拌タンク反応器システムは、永久型ハウジング内に配置されている。
【図2】図2は、プローブが滅菌接続または無菌接続を介して攪拌タンク反応器システムに接続され得ることを説明するためのプローブ接続を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
攪拌タンク反応器システムであって、以下:
(i)少なくとも1つの開口部を備える可撓性バッグであって、該バッグが、流体媒体のための滅菌容器として機能する、可撓性バッグ;
(ii)該バッグ内に配置されるシャフト;
(iii)該シャフトに取り付け可能なインペラーであって、該インペラーが、該流体媒体を攪拌して流体力学的環境を提供するために使用される、インペラー;および
(iv)該シャフトおよび該バッグの開口部に取り付けられるベアリング、
を備える、攪拌タンク反応器システム。
【請求項2】
請求項1に記載の攪拌タンク反応器システムであって、該システムが、使い捨てである、攪拌タンク反応器システム。
【請求項3】
請求項1に記載の攪拌タンク反応器システムであって、該システムが、予め滅菌されている、攪拌タンク反応器システム。
【請求項4】
請求項1に記載の攪拌タンク反応器システムであって、該システムが、該バッグの外側にハウジングを備え、該ハウジングが、前記ベアリングおよびモーターを保持する少なくとも1つの支持体を備え、該バッグが、該ハウジング内に含まれている、攪拌タンク反応器システム。
【請求項5】
請求項4に記載の攪拌タンク反応器システムであって、該システムが、加熱パッド、蒸気ジャケット、および循環流体加熱器または循環水加熱器からなる群より選択される加熱器をさらに備える、攪拌タンク反応器システム。
【請求項6】
請求項5に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記加熱器が、前記バッグと前記ハウジングとの間に配置されている、攪拌タンク反応器システム。
【請求項7】
請求項5に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記加熱器が、前記ハウジング内に組み込まれている、攪拌タンク反応器システム。
【請求項8】
請求項4に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記ハウジングが、複数のバッフルを備え、前記バッグが、該バッフルの周囲で折りたたまる、攪拌タンク反応器システム。
【請求項9】
請求項4に記載の攪拌タンク反応器システムであって、該システムが、pHセンサーおよび溶存酸素センサー後の流れを備える製品ループを備え、該センサーが該ハウジング内に組み込まれている、攪拌タンク反応器システム。
【請求項10】
請求項4に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記ハウジングが、金属バレル、プラスチックバレル、木質バレル、およびガラスバレルからなる群より選択される、攪拌タンク反応器システム。
【請求項11】
請求項1に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記バッグが、使い捨てプラスチックバッグである、攪拌タンク反応器システム。
【請求項12】
請求項1に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記流体媒体が、生物学的流体、細胞培養培地、微生物の培養物、および食物製品からなる群より選択される、攪拌タンク反応器システム。
【請求項13】
請求項12に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記流体媒体が、細胞培養培地であり、該システムが、バッチ様式、半バッチ様式、フェドバッチ様式、または連続様式で操作される、攪拌タンク反応器システム。
【請求項14】
請求項1に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記インペラーが、攪拌によって前記流体媒体をかきまわす、攪拌タンク反応器システム。
【請求項15】
請求項14に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記インペラーが、ラシュトン、ハイドロフォイル、傾斜ブレード、および船舶用からなる群より選択される、攪拌タンク反応器システム。
【請求項16】
請求項1に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記バッグが、前記シャフトおよび前記ベアリングに少なくとも1つのシールまたはOリングを介して付けられて、その結果、該バッグの内側が滅菌のままである、攪拌タンク反応器システム。
【請求項17】
請求項16に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記シールまたはOリングが、前記バッグに付けられている、攪拌タンク反応器システム。
【請求項18】
請求項16に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記バッグが、pHセンサーおよび溶存酸素センサーをさらに備え、該センサーが、該バッグ内に組み込まれている、攪拌タンク反応器システム。
【請求項19】
請求項16に記載の攪拌タンク反応器システムであって、該システムが、該バッグにシールされた少なくとも1つの内部ポーチを備え、プローブが該反応器内に挿入され得るように、該ポーチが、該バッグの外側に対して開口し得る1つの端部を備える、攪拌タンク反応器システム。
【請求項20】
請求項19に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記プローブが、温度プローブ、pHプローブ、溶存気体センサー、酸素センサー、二酸化炭素センサー、細胞量センサー、栄養センサー、および浸透圧計からなる群より選択される、攪拌タンク反応器システム。
【請求項21】
請求項16に記載の攪拌タンク反応器システムであって、該システムが、前記バッグ内に少なくとも1つのポートを備え、該ポートが、デバイスを該ポートに接続することを可能にするものであり、ここで、該デバイスが、チューブ、フィルター、サンプラー、プローブおよびコネクターからなる群より選択される、攪拌タンク反応器システム。
【請求項22】
請求項21に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記ポートが、前記バッグ内への気体の流れおよび該バッグからの気体の流れを可能にする、攪拌タンク反応器システム。
【請求項23】
請求項21に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記ポートが、前記バッグ内への媒体の流れおよび該バッグからの媒体の流れを可能にする、攪拌タンク反応器システム。
【請求項24】
請求項21に記載の攪拌タンク反応器システムであって、前記ポートが、サンプリング、接種、滴定、ケモスタット試薬の添加、およびスパージングを可能にする、攪拌タンク反応器システム。
【請求項25】
攪拌タンク反応器システムを調製するための方法であって、
(i)少なくとも1つの開口部を備える可撓性バッグを提供する工程であって、該バッグが、流動性媒体のための無菌容器として機能する、工程;
(ii)シャフトを該バッグ内に挿入する工程であって、該シャフトが、該シャフトに取り付け可能なインペラーを備え、ここで、該インペラーが、該流動性媒体を攪拌して、流体力学的環境を提供するために使用される、工程;
(iii)ベアリングを該シャフトおよび該バッグの該開口部に取り付ける工程;ならびに
(iv)該バッグの内側が無菌のままであるように、該バッグを該シャフトおよび該ベアリングに対してシールする工程、
を包含する、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、前記攪拌タンク反応器システムが、予め滅菌されている、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法であって、前記攪拌タンク反応器システムが、使い捨てである、方法。
【請求項28】
請求項25に記載の方法であって、前記攪拌タンク反応器システムが、前記バッグ、前記シャフト、前記インペラー、および前記ベアリングからなる群より選択される少なくとも1つの使い捨て要素を備える、方法。
【請求項29】
キットであって、以下:
(i)請求項16に記載の攪拌タンク反応器システム;および
(ii)使用のための説明書、
を備える、キット。
【請求項30】
請求項29に記載のキットであって、前記攪拌タンク反応器システムが、使い捨てである、キット。
【請求項31】
請求項29に記載のキットであって、前記攪拌タンク反応器システムが、前記バッグ、前記シャフト、前記インペラー、および前記ベアリングからなる群より選択される少なくとも1つの使い捨て要素を備える、キット。
【請求項32】
請求項29に記載のキットであって、前記バッグの内側が無菌のままであるように、該バッグが、少なくとも1つのシールまたはOリングによって前記シャフトおよび前記ベアリングに付けられている、キット。
【請求項33】
請求項29に記載のキットであって、前記バッグが、pHセンサーおよび溶存酸素センサーをさらに備え、該センサーが該バッグ内に組み込まれている、キット。
【請求項34】
請求項29に記載のキットであって、前記システムが、前記バッグに対してシールされた少なくとも1つの内部ポーチをさらに備え、ここで、プローブが前記反応器内に挿入され得るように、該ポーチが、該バッグの外側に対して開き得る1つの端部を備える、キット。
【請求項35】
請求項34に記載のキットであって、前記プローブが、温度プローブ、pHプローブ、溶存気体センサー、酸素センサー、二酸化炭素センサー、細胞量センサー、栄養センサー、および浸透圧計からなる群より選択される、キット。
【請求項36】
請求項29に記載のキットであって、前記システムが、該バッグ内に少なくとも1つのポートを備え、該ポートが、デバイスを該ポートに接続することを可能にするものであり、ここで、該デバイスが、チューブ、フィルター、サンプラー、プローブおよびコネクターからなる群より選択される、キット。
【請求項37】
請求項36に記載のキットであって、前記ポートが、前記バッグ内への気体の流れおよび該バッグからの気体の流れを可能にする、キット。
【請求項38】
請求項36に記載のキットであって、前記ポートが、前記バッグ内への媒体の流れおよび該バッグからの媒体の流れを可能にする、キット。
【請求項39】
請求項36に記載のキットであって、前記ポートが、サンプリング、接種、滴定、ケモスタット試薬の添加、およびスパージングを可能にする、キット。
【請求項40】
請求項1に記載の攪拌タンク反応器システムにおいて使用するためのバッグ。
【請求項41】
請求項40に記載のバッグであって、前記バッグが、使い捨てプラスチックバッグである、バッグ。
【請求項42】
請求項40に記載のバッグであって、該バッグが、シール、Oリング、ポート、ポーチ、チューブ、フィルター、サンプラー、プローブ、センサーおよびコネクターからなる群より選択される少なくとも1つの使い捨て要素をさらに備える、バッグ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−534335(P2007−534335A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510720(P2007−510720)
【出願日】平成17年2月22日(2005.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/005707
【国際公開番号】WO2005/108546
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】