攪拌用回転体および攪拌装置
【課題】用途を問わずに安全且つ効率的な攪拌を行うことが可能な攪拌用回転体および攪拌装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る攪拌用回転体1は、少なくとも一部分において回転軸C方向に垂直な断面の外周形状が円に複数の凸部10dまたは凹部を設けた形状に構成される本体10と、本体10の表面に設けられる吸入口12と、本体10の表面に設けられる吐出口14と、吸入口12と吐出口14を繋ぐ流通路16と、を備え、吸入口12は、吐出口14よりも回転軸Cに近い位置に配置され、吐出口14は、吸入口12よりも回転軸Cから遠心方向外側の位置に配置される。
【解決手段】本発明に係る攪拌用回転体1は、少なくとも一部分において回転軸C方向に垂直な断面の外周形状が円に複数の凸部10dまたは凹部を設けた形状に構成される本体10と、本体10の表面に設けられる吸入口12と、本体10の表面に設けられる吐出口14と、吸入口12と吐出口14を繋ぐ流通路16と、を備え、吸入口12は、吐出口14よりも回転軸Cに近い位置に配置され、吐出口14は、吸入口12よりも回転軸Cから遠心方向外側の位置に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体その他の各種流体を攪拌し、混合、分散等を行うための攪拌用回転体および攪拌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば2種類以上の流体を混合したり、流体中に添加した各種粉末等を均一に分散させたりする場合には、流体中で羽根車を回転させる攪拌機が使用されている。この羽根車には一般的にプロペラ翼やタービン翼が設けられており、回転することで流体を流動させて攪拌を行う。
【0003】
このような攪拌機は、流体を収容するタンクに恒常的に設置されて使用されるものが多いが、この他にも、例えば塗料等を使用直前に現場で攪拌するためのハンディタイプのものがよく使用されている。このハンディタイプの攪拌機は、一般的にハンドドリル型の駆動装置の駆動軸の先端に羽根車を設けて構成されている。そして、使用者は、駆動装置を両手に持ち、先端の羽根車を塗料等の被攪拌物が収容された容器内に挿入して回転させ、攪拌を行う。
【0004】
しかしながら、このハンディタイプの攪拌機では、鋭利な翼端を持つ羽根車を高速で回転させることから非常に危険であり、取扱に注意を要するという問題があった。また、突起の多い羽根車を容器にぶつけてしまった場合や、羽根車が疲労破壊を起こした場合に、羽根車の先端や容器の一部が欠けて、または削れて被攪拌物内に混入しやすいという問題があった。
【0005】
また、羽根車は被攪拌物と衝突することによって被攪拌物を流動させるため、羽根車を備える攪拌機では、回転する羽根車を被攪拌物内に投入する際、または被攪拌物内で羽根車の回転を開始する際に、反動によって羽根車が振られやすいという問題があった。このため、使用者が攪拌機の操作になれていない場合には、羽根車を容器にぶつけたり、被攪拌物を容器外に飛散させたりといったような事態が頻発していた。
【0006】
また、羽根車では、被攪拌物に沈降物が含まれるような場合に、羽根車を容器の底壁に接触させながら攪拌を行わなければ沈降物をうまく分散させることができないため、羽根車と容器の壁面の接触により発生する破片や削りカスが被攪拌物内に混入しやすいという問題があった。
【0007】
また、羽根車を備える攪拌機では、被攪拌物内に混入された粉末粒子が羽根車との衝突により粉砕される場合があるという問題があった。このため、例えばメタリック塗料のように、混入された粉末粒子を微細化したくないような場合には、十分な攪拌を行うことが困難であった。
【0008】
一方、プロペラ翼やタービン翼を使用するのではなく、外形が六角柱状の筒体から羽根車を構成すると共に、側面に複数の孔を設けた高粘性流体用ミキサー等も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−154368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に記載の高粘性流体用ミキサーでは、羽根車の外形が六角柱状であり、主として羽根車の外壁を被攪拌物に衝突させることによって被攪拌物を流動させるものであるため、上述した回転開始時の反動の問題、および被攪拌物内の粉末粒子の粉砕の問題を解消するものではなかった。
【0011】
また、側面の孔から被攪拌物を流出させるようにしているものの、側面の孔に対して羽根車内部の容積が大きいため、羽根車内部の流速が低く、長時間使用した場合に滞留物が羽根車の内側に付着して堆積し、攪拌能力が低下しやすいという問題があった。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたものであって、用途を問わずに安全且つ効率的な攪拌を行うことが可能な攪拌用回転体および攪拌装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)本発明は、少なくとも一部分において回転軸方向に垂直な断面の外周形状が円に複数の凸部または凹部を設けた形状に構成される本体と、前記本体の表面に設けられる吸入口と、前記本体の表面に設けられる吐出口と、前記吸入口と前記吐出口を繋ぐ流通路と、を備え、前記吸入口は、前記吐出口よりも前記回転軸に近い位置に配置され、前記吐出口は、前記吸入口よりも前記回転軸から遠心方向外側の位置に配置されることを特徴とする、攪拌用回転体である。
【0014】
(2)本発明はまた、前記凸部または前記凹部は、前記回転軸方向に垂直な断面における外形状が略三角形状に構成されることを特徴とする、上記(1)に記載の攪拌用回転体である。
【0015】
(3)本発明はまた、前記本体の少なくとも一部分における前記回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、前記凸部または前記凹部によって多角形状に構成されることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の遊技台である。
【0016】
(4)本発明はまた、前記本体の少なくとも一部分における前記回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、前記凸部または前記凹部によって12角形以上の多角形状に構成されることを特徴とする、上記(3)に記載の遊技台である。
【0017】
(5)本発明はまた、前記凸部の頂上の角部には、丸みが設けられることを特徴とする、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の遊技台である。
【0018】
(6)本発明はまた、前記凸部または前記凹部は、前記回転軸方向に垂直な断面における外形状が略円弧状に構成されることを特徴とする、上記(1)に記載の攪拌用回転体である。
【0019】
(7)本発明はまた、前記吸入口の流れに垂直な断面積と、前記吐出口の流れに垂直な断面積との比が、1/3〜3に設定されることを特徴とする、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の攪拌要回転体である。
【0020】
(8)本発明はまた、前記本体は、前記回転軸方向の厚みが遠心方向外側に向けて漸次減少する形状に構成されることを特徴とする、上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の攪拌用回転体である。
【0021】
(9)本発明はまた、前記吐出口は、複数設けられ、前記吸入口および前記流通路は、前記複数の吐出口ごとに個別に設けられることを特徴とする、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の攪拌用回転体である。
【0022】
(10)本発明はまた、前記吸入口は、前記本体を回転させるために前記本体に接続される駆動軸の反対側に設けられることを特徴とする、上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の攪拌用回転体である。
【0023】
(11)本発明はまた、前記吸入口は、前記回転軸の遠心方向外側に設けられることを特徴とする、上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の攪拌用回転体である。
【0024】
(12)本発明はまた、前記本体の表面における前記吐出口よりも前記回転軸に近い位置に設けられる吸気口と、前記吸気口と前記吐出口を繋ぐ通気路と、をさらに備え、前記吸気口が前記被攪拌物の外部の気体に触れる状態で使用することにより、前記外部の気体を前記吸気口から吸入して前記被攪拌物内に導入可能であることを特徴とする、上記(1)乃至(11)のいずれかに記載の攪拌用回転体である。
【0025】
(13)本発明はまた、上記(1)乃至(12)のいずれかに記載の攪拌用回転体を、前記回転軸方向に複数配置して構成されることを特徴とする、攪拌装置である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、用途を問わずに安全且つ効率的な攪拌を行うことが可能という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)攪拌用回転体の平面図である。(b)攪拌用回転体の正面図(側面図)である。(c)攪拌用回転体の底面図である。
【図2】(a)攪拌用回転体の作動を示した平面図である。(b)攪拌用回転体の作動を示した断面図である。
【図3】(a)および(b)攪拌用回転体の使用例を示した概略図である。
【図4】(a)〜(c)吸入口、吐出口および流通路のその他の形態の例を示した図である。
【図5】(a)〜(c)吸入口、吐出口および流通路のその他の形態の例を示した図である。
【図6】(a)〜(c)吸入口、吐出口および流通路のその他の形態の例を示した図である。
【図7】(a)攪拌用回転体の本体の中心軸に垂直な断面の外周形状を示した図である。(b)同図(a)のA部拡大図である。
【図8】(a)〜(d)凸部のその他の形状の例を示した図である。
【図9】(a)〜(d)凹部の形状の例を示した図である。
【図10】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図11】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図12】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図13】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図14】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図15】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図16】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図17】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図18】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図19】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図20】(a)および(b)攪拌装置の例を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0029】
まず、本発明の実施の形態に係る攪拌用回転体1の構造について説明する。図1(a)は、攪拌用回転体1の平面図であり、同図(b)は、攪拌用回転体1の正面図(側面図も同一)であり、同図(c)は、攪拌用回転体1の底面図である。これらの図に示されるように、攪拌用回転体1は、柱状の本体10と、本体10の表面(上面10a)に設けられた複数の吸入口12と、本体10の表面(底面10b)に設けられた複数の吐出口14と、吸入口12と吐出口14を繋ぐように本体10の内部に形成された流通路16から構成されている。
【0030】
本体10は、円柱の外周面(側面10c)に12個の凸部10dを設けることにより、12角柱状に構成されている(詳細は後述する)。本体10の上面10aの中心には、モータ等の駆動装置の駆動軸20が接続される接続部18が設けられている。従って、攪拌用回転体1は、本体10の中心軸Cを回転軸として回転するように構成されている。なお、駆動軸20と接続部18の接続方法は、例えばネジや係合等、既知のいずれの方法であってもよい。
【0031】
本実施形態では、本体10を流通路16以外の部分を中実に構成することで、本体10の強度を高めるようにしている。本体10を構成する材質は、特に限定されるものではなく、例えば金属やセラミックス、樹脂、ゴム、木材等、使用条件に応じた適宜の材質を採用することができる。本実施形態の本体10は、シンプルで加工しやすい形態となっているため、製造方法に制限されることなく、多種多様な材質から本体10を構成することが可能となっている。
【0032】
また、本体10をこのようにシンプルな形状に構成することより、回転軸に対する不釣合いの発生を少なくすることができる。このため、本実施形態では、不釣合いの発生しやすい羽根車等とは異なり、回転時の振動や振れ回り等を略解消することが可能となっている。
【0033】
吸入口12は、本体10における底面10b(接続部18の反対側の面)に設けられている。本実施形態では、4つの吸入口12を中心軸Cを中心とする円周上に等間隔で並べて配置すると共に、中心軸Cと同一方向に形成している。吐出口14は、本体10の側面10cに設けられている。すなわち、本実施形態では、4つの吐出口14を、各吸入口12よりも本体10の中心軸Cから遠心方向外側となる位置(中心軸Cから離れた位置)にそれぞれ配置している。また、中心軸Cに対して直交する方向に吐出口14を形成している。
【0034】
流通路16は、1つの吸入口12と1つの吐出口14を繋ぐ通路として形成されている。従って、本体10の内部には、4つの流通路が形成されている。各流通路16は、吸入口12から中心軸C方向に沿って直進した後に直角に曲がり、本体10の遠心方向に向けて直進して吐出口14に到達するように形成されている。
【0035】
本実施形態では、流通路16をこのように構成することで、ドリルによる穴加工で容易に吸入口12、吐出口14および流通路16を形成できるようにしている。具体的には、吸入口12の位置から中心軸C方向に沿った穴加工、および吐出口14の位置から中心軸Cに向けた穴加工によって容易に吸入口12、吐出口14および流通路16を形成することができる。なお、本実施形態では、流通路16の断面形状を円形に構成しているが、これに限定されるものではなく、例えば楕円形や多角形等、その他の断面形状としてもよい。
【0036】
次に、攪拌用回転体1の作動について説明する。図2(a)は攪拌用回転体1の作動を示した平面図であり、図2(b)は攪拌用回転体1の作動を示した断面図である。攪拌用回転体1は、流体である被攪拌物内において、駆動軸20に駆動されて中心軸Cを中心に回転することにより、被攪拌物を攪拌する。
【0037】
流体中に攪拌用回転体1を浸漬して回転させると、流通路16内に進入した流体も攪拌用回転体1と共に回転することとなる。すると、流通路16内の流体に遠心力が作用し、これらの図に示されるように、流通路16内の流体は攪拌用回転体1の遠心方向に流動する。吐出口14は、吸入口12よりも本体10の遠心方向外側に設けられているため、吐出口14では吸入口12よりも強い遠心力が働くこととなる。従って、流体は、攪拌用回転体1が回転している限り吸入口12から吐出口14に向けて流動する。すなわち、流通路16内の流体が吐出口14から噴出すると共に、外部の流体が吸入口12から流通路16内に吸引される。これにより、攪拌用回転体1の周囲の流体には、吐出口14のある側面10cから放射状に広がる流動と、吸入口12のある底面10bに向かう流動が発生することとなる。
【0038】
また、流体中に攪拌用回転体1を浸漬して回転させると、側面10cに設けられた複数の凸部10dにより、攪拌用回転体1の周囲の流体に渦流または乱流が発生する。この渦流または乱流は、攪拌用回転体1の回転に伴い、吐出口14からの流動と合成され、より複雑な流動(乱流)が攪拌用回転体1の周囲の流体に発生することとなる。
【0039】
このように、本実施形態では、吸入口12への流体の流入、吐出口14からの流体の流出、および凸部10dによる渦流または乱流の相乗効果により、攪拌用回転体1の周囲の流体に複雑な流動(乱流)を発生させ、従来にない攪拌能力を得ることを可能としている。
【0040】
なお、本実施形態では、12個の凸部10dを設けることにより本体10を12角柱状に構成、すなわち本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状を12角形状に構成しているが、これに限定されるものではなく、被攪拌物の粘度や性状等に応じて、本体10をその他の多角柱状に構成するようにしてもよい。但し、本体10を多角柱状に構成する場合、周囲の流体(被攪拌物)に対する本体10の衝突をなるべく回避するという点、および鋭利な突起を設けないという点から、12角柱以上であることが望ましく、16角柱以上であればより望ましく、18角柱以上であることが特に望ましい。
【0041】
また、本実施形態では、吸入口12の断面積(吸入口12を通過する流れに垂直な断面積)、吐出口14の断面積(吐出口14を通過する流れに垂直な断面積)を略同一にしているが、これに限定されるものではなく、攪拌用回転体1の用途等に応じて、これらの断面積を異ならせるようにしてもよい。但し、流体を流通路16内で滞留させることなくスムーズに流動させ、効果的な攪拌能力を得るためには、吸入口12の断面積(吸入口12を通過する流れに垂直な断面積)と、吐出口14の断面積(吐出口14を通過する流れに垂直な断面積)との比が1/3〜3であることが望ましく、1/2〜2であればより望ましく、5/6〜1.2であることが特に望ましい。
【0042】
図3(a)および(b)は、攪拌用回転体1の使用例を示した概略図である。これらの図に示されるように、攪拌用回転体1は、モータ等の駆動装置30の駆動軸20に接続され、容器40内に収容された流体である被攪拌物50内に浸漬された状態で使用される。駆動装置30は、容器40や架台等に固定されるものであってもよいし、使用者が保持して操作するものであってもよい。
【0043】
駆動装置30によって攪拌用回転体1を回転させることにより、上述のように攪拌用回転体1の側面10cから放射状に広がる流動、および攪拌用回転体1の先端(駆動軸20の反対側の底面10b)に向かう流動が発生する。また、攪拌用回転体1の側面10c近傍には、渦流または乱流が発生する。これにより、図3(a)および(b)に示されるように、被攪拌物50内に複雑な循環流が発生し、この循環流により被攪拌物50は十分に攪拌される。また、容器40の底に滞留している滞留物を分散させる場合には、攪拌用回転体1の先端を容器400の底に近づければよい。このようにすることで、吸入口12から滞留物を吸い上げて吐出口14から噴出し、滞留物を被攪拌物50内に十分に分散させることができる。
【0044】
本実施形態では、本体10を12角柱状に構成することにより、回転時の被攪拌物50との衝突を少なくしているため、回転開始時の反動がほとんど生じないようになっている。また、羽根車等とは異なり、本体10に鋭利な突起物を備えていないことから、攪拌用回転体1を容器40の壁面にぶつけた場合にも攪拌用回転体1または容器40が破損したり削れたりする可能性が低くなっている。このため、安心して攪拌用回転体1を容器40の壁面に近づけることができ、容器40の隅々まで十分に攪拌を行うことが可能であると共に、攪拌用回転体1または容器40の破片や削りカス等が被攪拌物50に混入し難いようになっている。
【0045】
次に、攪拌用回転体1のその他の形態について説明する。まず、図4〜6は、吸入口12、吐出口14および流通路16のその他の形態の例を示した図である。
【0046】
図4(a)は、流通路16を滑らかに湾曲した通路として構成した例を示した正面図である。流通路16をこのように構成することで、流通路16内の流動抵抗を減少させることができるため、攪拌用回転体1が引き起こす流動をさらに強力にし、攪拌能力を向上させることができる。なお、このような流通路16は、例えば本体10を鋳造により製造することで形成することができる。
【0047】
図4(b)は、流通路16を一直線状に構成した例を示した正面図である。流通路16をこのように構成した場合にも流通路16内の流動抵抗を減少させることができる。さらにこの場合、流通路16内の清掃を行いやすくすることができる。
【0048】
図4(c)は、複数の吐出口14に対して1つの吸入口12を設け、流通路16を1つの吸入口12から複数の吐出口14に分岐するように構成した例を示した正面図である。このように、複数の吐出口14に対して共通する吸入口12を設けるようにしてもよい。この場合にも、流体(被攪拌物)を流通路16内で滞留させることなくスムーズに流動させ、効果的な攪拌能力を得るためには、吸入口12の断面積(吸入口12を通過する流れに垂直な断面積)と、吐出口14の断面積(吐出口14を通過する流れに垂直な断面積)の総和との比が1/3〜3であることが望ましく、1/2〜2であればより望ましく、5/6〜1.2であることが特に望ましい。
【0049】
図5(a)は、吐出口14を回転方向にずらして配置し、流通路16の吐出口14へ繋がる部分を攪拌用回転体1の遠心方向に対して角度を有するように構成した例を示した平面図である。このように、吐出口14の向きを変更することで、例えば図の反時計回り(矢印Lの方向)に攪拌用回転体1を回転させた場合には、吐出口14からの噴流をスムーズにすることができる。また、図の時計回り(矢印Rの方向)に攪拌用回転体1を回転させた場合には、吐出口14からの噴流を乱流状態にすることができる。すなわち、本実施形態では、流通路16および吐出口14の配置および向きを、用途に応じて適宜に設定することにより、効率的な攪拌に最も適した流動を得ることができるようになっている。
【0050】
図5(b)は、吐出口14を回転軸方向にずらして配置し、流通路16の吐出口14へ繋がる部分を攪拌用回転体1の先端側(駆動軸20の反対側)に向くように構成した例を示した正面図である。このように、吐出口14を先端側に向けることで、液面方向への流動を弱くすることができるため、液面近傍の強い流動や乱流に起因する泡立ちや気泡の混入等を減少させることができる。
【0051】
図5(c)は、吐出口14を回転軸方向にずらして配置し、流通路16の吐出口14へ繋がる部分を駆動軸側に向くように構成した例を示した正面図である。このようにすることで、液面から深い位置で攪拌用回転体1を回転させる場合にも、被攪拌物全体を十分に攪拌することができる。また、液面に向かう流動を発生させることで、あえて被攪拌物に外部の気体を巻き込ませることもできる。
【0052】
図6(a)は、駆動軸側に吸入口12を設けた例を示した正面図である。同図は、4つの吸入口12を駆動軸側の上面10aに設けた例を示している。吸入口12は、このように全ての吸入口12を駆動軸側に設けるようにしてもよいし、また、用途によっては、複数の吸入口12の一部を先端側に配置し、残りの一部を駆動軸側に配置するようにしてもよい。
【0053】
吸入口12の配置を適宜に設定することで、用途に応じた最適な流動を発生させるようにすることができる。また、駆動軸側の吸入口12を流体の液面に近づけて流体外部の気体を吸引するようにすれば、流体中に積極的に外部の気体を取り込むことができる。これにより、流体中に気体を溶け込ませたり、流体中に気泡を混入させたりすることが可能となる。
【0054】
図6(b)は、攪拌用回転体1に流体外部の気体を吸引するための吸気口13、および吸気口13と吐出口14を繋ぐ通気路17を設けた例を示した正面図である。同図は、本体10の駆動軸側の上面10aに2つの吸気口13を設けると共に、流通路16を介して吸気口13と吐出口14を繋ぐ通気路13を本体10内部に形成した例を示している。このように、本体10に吸気口13および通気路17を設け、吸気口13を流体外部に露出させた状態または流体外部の気体に触れる状態で攪拌用回転体1を回転させることにより、容易に流体中に気体を溶け込ませたり、流体中に気泡を混入させたりすることができる。
【0055】
この場合、吸気口13を吸入口12よりも半径方向内側(回転軸側)に配置することで、吸気口13からの流体の流出を防止して流体中への気体の取り込みを効率的に行うことが可能となる。なお、通気路17を流体を噴出する吐出口14に繋ぐのではなく、気体を流体中に噴出するための専用の吐出口を別に設け、この専用吐出口に通気路17を繋ぐようにしてもよい。
【0056】
図6(c)は、1つの吸入口12を設けた場合に、流通路16の共通部分16aに、内径を拡大させた異物捕獲用の拡大部19を設けた例を示している。吸入口12を1つとした場合、流通路16の共通部分16a内を通過する流体は、攪拌用回転体1の回転により旋回流となる。従って、流通路16の共通部分16aの内周壁に拡大部19を設けることにより、遠心分離と同様の原理によって流体中のゴミ等の異物を拡大部19内に捕獲することができる。すなわち、攪拌用回転体1により、攪拌と異物の除去を同時に行うことが可能となる。拡大部19内に、捕獲した異物を確実に保持するためのトラップを設けるようにしてもよい。
【0057】
なお、図示は省略するが、拡大部19を設ける代わりに、流通路16の途中に異物捕獲用のフィルタを設けるようにしてもよい。この場合、簡易的に異物の除去を行うことが可能となる。このフィルタは、例えば金網やスポンジ等、用途に応じた材質から構成すればよい。
【0058】
図7(a)は、攪拌用回転体1の本体10の中心軸Cに垂直な断面の外周形状を示した図であり、同図(b)は、同図(a)のA部拡大図である。上述のように、本実施形態では、本体10を多角柱状(12角柱状)に構成、すなわち本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状を多角形状に構成している。詳細には、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状は、同図(a)に示されるように、仮想円100に、中心軸Cに垂直な断面における外形状が略三角形状に構成された複数の凸部10dを設けた形状となっている。そして、同図(b)に示されるように、隣り合う凸部10dの辺10d1同士が、互いに一直線上となるように、凸部10dの形状を設定することで、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状が多角形状(凸多角形状)となるようにしている。
【0059】
本実施形態では、このように複数の凸部10dを設けることにより、攪拌用回転体1の周囲に適度な渦流または乱流を発生させて攪拌能力を高めるようにしているが、凸部10dの形状は上述の形状に限定されるものではなく、その他の形状であってもよい。
【0060】
図8(a)〜(d)は、凸部10dのその他の形状の例を示した図である。例えば、凸部10dの中心軸Cに垂直な断面における外形状は、同図(a)に示されるように、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状が凹多角形状となるようなものであってもよいし、同図(b)に示されるように、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状が円に三角形状の複数の突起を設けた形状となるようなものであってもよい。
【0061】
また、凸部10dの中心軸Cに垂直な断面における外形状は、略三角形状以外の形状であってもよい。例えば、凸部10dの中心軸Cに垂直な断面における外形状は、同図(c)または(d)に示されるように、略円弧状であってもよいし、さらに、図示は省略するが、その他の多角形や、曲線または直線を組み合わせて構成されるその他のいかなる形状であってもよい。
【0062】
すなわち、凸部10dの形状は、攪拌用回転体の用途や使用条件等に応じて、適宜の形状とすることが可能である。また、凸部10dの個数や配置についても、用途や使用条件等に応じて適宜に設定可能であることは言うまでもない。
【0063】
また、本体10に凸部10dを設ける代わりに、凹部10eを設けるようにしてもよい。すなわち、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状を、仮想円100に複数の凹部10eを設けた形状に構成するようにしてもよい。この場合にも、凸部10dを設けた場合と同様な効果を奏することができる。
【0064】
図9(a)〜(d)は、凹部10eの形状の例を示した図である。例えば、凹部10eの中心軸Cに垂直な断面における外形状は、同図(a)または(b)に示されるように、略三角形状であってもよいし、同図(c)または(d)に示されるように、略円弧状であってもよい。また、図示は書略するが、その他のいかなる形状であってもよい。また、このように凹部10eを設ける場合、同図(a)または(c)に示されるように、複数の凹部10eを隣接して配置するようにしてもよいし、離隔して配置するようにしてもよい。
【0065】
このように、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状を、仮想円100に複数の凸部10dまたは凹部10eを設けた形状とすることにより、攪拌用回転体1の周囲に適度な渦流または乱流を発生させて攪拌能力を高めることができる。
【0066】
図10〜19は、攪拌用回転体1の本体10のその他の形状の例を示した図である。本体10の形状は、少なくとも一部分において回転軸C方向に垂直な断面の外周形状が円に複数の凸部10dまたは凹部10eを設けた形状となるものであればどのような形状であってもよい。以下、本体10の形状の代表的な例を挙げるが、本体10の形状がこれらの例に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0067】
まず、図10(a)〜(c)は、本体10を12角形状に構成すると共に凸部10dの頂上の角部に丸みを設けた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。このように、凸部10dの頂上の角部に丸みを設けることにより、攪拌用回転体1の安全性を高めることができる。また、回転している攪拌用回転体1を容器等に接触させたような場合に、破片や削りカスが発生して被攪拌物に混入する可能性をより低くすることができる。
【0068】
図11(a)〜(c)は、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状を凹多角形状(12角形状)に構成した例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、このように本体10を、上面10aおよび底面10bを凹多角形とした多角柱状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。
【0069】
図12(a)〜(c)は、凸部10dの中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外形状を略円弧状に構成すると共に、本体10の側面10cに12個の凸部10dを設けた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、本体10をこのような形状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。また、この場合、凸部10dが丸みを帯びた形状であるため、回転している攪拌用回転体1を容器等に接触させたような場合に、破片や削りカスが発生して被攪拌物に混入する可能性をより低くすることができる。
【0070】
図13(a)〜(c)は、凸部10dの中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外形状を略台形状に構成すると共に、本体10の側面10cに12個の凸部10dを設けた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、本体10をこのような形状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。なお、凸部10dを中心軸Cと平行に形成するのではなく、螺旋状に形成するようにしてもよい。
【0071】
また、凸部10dは、本体10の中心軸C方向の全長にわたって設ける必要はなく、同図(b)に示されるように、部分的に設けるようにしてもよい。すなわち、渦流または乱流を発生させたい部分にのみ凸部10dを設けるようにしてもよい。また、必要であれば、上面10aおよび底面10bに凸部10dを設けるようにしてもよい。
【0072】
図14(a)〜(c)は、凸部10dの中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外形状を略台形状に構成すると共に、本体10の側面10cに複数の凸部10dを千鳥状に配列して設けた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、本体10をこのような形状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。
【0073】
なお、この例では、同図(b)に示されるように、凸部10dの頂上面を矩形状としているが、例えば円形や楕円形等、頂上面をその他の形状とするようにしてもよい。また、凸部10dの全体の形状を、例えば角錐状や円錐状、または半球状等、種々の形状に構成するようにしてもよい。また、千鳥状ではなく、マトリクス状に凸部10dを配列するようにしてもよい。
【0074】
図15(a)〜(c)は、凹部10eの中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外形状を略円弧状に構成すると共に、本体10の側面10cに12個の凹部10eを設けた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、本体10をこのような形状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。なお、凹部10eを螺旋状に形成するようにしてもよい。
【0075】
また、凸部10dと同様に、凹部10eは本体10の中心軸C方向の全長にわたって設ける必要はなく、部分的に設けるようにしてもよい。また、必要であれば、上面10aおよび底面10bに凹部10eを設けるようにしてもよい。
【0076】
図16(a)〜(c)は、本体10の側面10cに略半球状の複数の凹部10eをマトリクス状に配列して設けると共に、上面10aおよび底面10bを略半球状に凹ませた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、本体10をこのような形状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。
【0077】
なお、凹部10eの全体の形状は、半球状以外にも、例えば角錐状や円錐状等、種々のその他の形状であってもよい。また、マトリクス状ではなく、千鳥状に凹部10eを配列するようにしてもよい。
【0078】
また、上面10aおよび底面10bを、半球状以外の形状に凹ませるようにしてもよいし、上面10aまたは底面10bのいずれか一方だけを凹ませるようにしてもよい。また、上面10aおよび底面10bを凹ませるのではなく、膨出させるようにしてもよい。また、凹ませたまたは膨出させた上面10aまたは底面10bに、さらに凸部10dまたは凹部10eを設けるようにしてもよい。
【0079】
なお、本体10をその他の形状に構成した場合にも、上面10a(駆動軸側の部分)または底面10b(先端側の部分)を凹ませるまたは膨出させるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0080】
図17(a)〜(c)は、側面10cを曲面から構成することにより、本体10を略球状に構成した例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。この例の本体10は、平面視の形状(同図(a))が多角形状であり、正面視(側面視)の形状(同図(b))が略球状となる形状に構成されている。
【0081】
このように、本体10の形状を中心軸(回転軸)C方向の厚みが遠心方向外側に向けて漸次減少する形状とすることにより、攪拌用回転体1の側面10c近傍の流動を、吐出口14からの噴出による流動にスムーズに合流させることが可能となる。この結果攪拌用回転体1から放射状に広がる流動を強力にし、攪拌能力を高めることができる。
【0082】
なお、本体10を、正面視(側面視)の形状が略楕円形状、略菱形状、略半球状、略三角形状または略台形状となるような形状に構成するようにしてもよい。また、本体10を、例えば正多面体や半正多面体等、球に近い多面体から構成するようにしてもよい。また、本体10を、例えばゴルフボールのように、球体(または楕円体)に複数の凹部10e(または凸部10d)を設けた形状から構成するようにしてもよい。
【0083】
図18(a)〜(c)は、本体10を円柱と多角錐台を組み合わせた形状に構成した例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。このように、本体10は、異なる形状の立体を組み合わせて構成されるものであってもよい。
【0084】
この例では、円柱と12角錐台を重ねて本体10を構成することにより、本体10の中心軸(回転軸)C方向の厚みが遠心方向外側に向けて漸次減少するようにしている。これにより、12角錐台部分の側面10c1近傍の流動を、吐出口14からの噴出による流動にスムーズに合流させることが可能となる。また、この例では、円柱部分の側面10c2が、12角錐台部分の側面10c1よりも遠心方向外側に位置するようにしている。すなわち、本体10の中心軸Cに垂直な方向の最外形が円形となるようにし、凸部10dが遠心方向外側に突出しないようにしている。このようにすることで、攪拌用回転体1の安全性を高めると共に、容器等に接触させた場合の破片や削りカスの発生を防止することができる。
【0085】
なお、多角錐台部分を駆動軸側に設け、円柱部分を駆動軸の反対側に設けるようにしてもよいし、円柱部分の両側に多角錐台部分をそれぞれ設けるようにしてもよいし、多角錐台部分の両側に円柱部分をそれぞれ設けるようにしてもよい。また、本体10は、図18に示した、円柱と多角錐台の組合せに限らず、円柱、円錐、円錐台、多角柱、多角錐、多角錐台、球、半球、正多面体、半正多面体等の種々の立体を組み合わせて構成されるものであってもよい。
【0086】
図19(a)〜(c)は、本体10を2分割し、分割した2つの部分の隙間を流通路16の一部とした例を示した図である。この例では、本体10を、駆動軸20が接続される駆動軸側部10fと、吸入口12が設けられる先端側部10gとから構成し、4つの接続部材10hによって駆動軸側部10fと先端側部10gとを接続している。流通路16は、先端側部10g内部において吸入口12と駆動軸側部10fと先端側部10gとの隙間を繋ぐように形成され、これにより、駆動軸側部10fと先端側部10gとの隙間が流通路16の一部を構成し、駆動軸側部10fと先端側部10gとの隙間の外周部が吐出口14を構成するようになっている。換言すれば、この例では、吐出口14は、本体10の側面10cの周方向全域にわたって設けられている。
【0087】
このようにすることで、被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。なお、本体10の駆動軸側部10fと先端側部10gは、例えば円柱と多角柱等、異なる形状であってもよい。
【0088】
なお、上述したような本体10の形状の設定に加えて、本体10表面の粗さや、より細かい凹凸形状を適宜に設定することによって、攪拌用回転体1の周囲の流動をより精密に制御するようにしてもよい。また、本体10の表面に各種の彩色を施して意匠性を向上させるようにしてもよい。
【0089】
次に、複数の攪拌用回転体1を連結して構成した攪拌装置2について説明する。図20(a)および(b)は、攪拌装置2の例を示した正面図である。同図(a)は、駆動軸を介して3つの攪拌用回転体1を連結した例を示しており、同図(b)は、2つの攪拌用回転体1を一体的に連結した例を示している。このように、複数の攪拌用回転体1を回転軸方向に連結することで、攪拌能力をさらに向上させることができる。特に、攪拌する流体の深さが深い場合に効果的である。また、同図(b)に示す例において、駆動軸側の吸入口12から流体外部の気体を吸引するようにすれば、より効率的に流体中に気体を取り込むことができる。
【0090】
以上説明したように、本実施形態に係る攪拌用回転体1は、少なくとも一部分において回転軸(中心軸C)方向に垂直な断面の外周形状が円(仮想円100)に複数の凸部10dまたは凹部10eを設けた形状に構成される本体10と、本体10の表面に設けられる吸入口12と、本体10の表面に設けられる吐出口14と、吸入口12と吐出口14を繋ぐ流通路16と、を備え、吸入口12は、吐出口14よりも回転軸に近い位置に配置され、吐出口14は、吸入口12よりも回転軸から遠心方向外側の位置に配置されている。
【0091】
このため、羽根車等に比べてはるかに低コストで、高い攪拌能力を有する攪拌用回転体1を製造することができる。特に、吸入口12への被攪拌物の流入および吐出口14からの被攪拌物の流出に、凸部10dまたは凹部10eにより生じる渦流または乱流が相乗的に作用することにより、攪拌用回転体1の周囲の流体に複雑な流動(乱流)を発生させることが可能であるため、従来にない高い攪拌能力を得ることができる。
【0092】
また、羽根車等に比べて、回転開始時の反動や、回転軸に対する不釣合いの発生を少なくすることが可能であり、さらに、被攪拌物を収容した容器等に攪拌用回転体1をぶつけた場合にも、攪拌用回転体1や容器等の破損や削れ等を生じにくくすることが可能である。このため、用途を問わずに安全且つ効率的な攪拌を行うことができる。
【0093】
また、凸部10dまたは凹部10eは、回転軸方向に垂直な断面における外形状が略三角形状に構成されている。このため、被攪拌物との衝突を少なくしながらも、効果的な渦流または乱流を発生させ、攪拌能力を高めることが可能となっている。
【0094】
また、本体10の少なくとも一部分における回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、凸部10dまたは凹部10eによって多角形状に構成されている。このように本体10を比較的シンプルな形状に構成することにより、本体10の強度を高めると共に、本体10の製造コストを低減することができる。
【0095】
この場合、本体10の少なくとも一部分における回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、凸部10dまたは凹部10eによって12角形以上の多角形状に構成されることが望ましい。このようにすることで、回転開始時の反動や粉末粒子の粉砕等、被攪拌物との衝突に起因する不具合を解消しながらも、高い攪拌能力を得ることができる。また、鋭利な角部を有さないことから、安全性を高めると共に、攪拌用回転体1を何かにぶつけた場合の波損や削れ等を生じにくくすることができる。
【0096】
また、凸部10dの頂上の角部に、丸みを設けるようにしてもよい。このようにすることで、安全性をさらに高めると共に、攪拌用回転体1を何かにぶつけた場合の波損や削れ等をさらに生じにくくすることができる。
【0097】
また、凸部10dまたは凹部10eは、回転軸方向に垂直な断面における外形状が略円弧状に構成されるようにしてもよい。このようにすることで、安全性や、何かにぶつけた場合の破損等の生じにくさを維持しながらも、攪拌能力を高めることができる。
【0098】
また、吸入口12の流れに垂直な断面積(吸入口12を通過する流れに垂直な断面積)と、吐出口14の流れに垂直な断面積(吐出口14を通過する流れに垂直な断面積)との比は、1/3〜3に設定されることが望ましい。このようにすることで、被攪拌物を流通路16内でスムーズに流動させることが可能となり、流通路16内に滞留物が堆積して攪拌能力が低下するのを防止することができる。
【0099】
また、本体10は、回転軸方向の厚みが遠心方向外側に向けて漸次減少する形状に構成されるようにしてもよい。このようにすることで、本体10の表面近傍の流動をスムーズに吐出口14からの噴流の随伴流とすることができる。これにより、より強力な流動を発生させることが可能となるため、攪拌能力をさらに高めることができる。なお、この場合、本体10は、回転軸方向の厚みが一定となる部分を部分的に有していてもよい。
【0100】
また、吐出口14は、複数設けられ、吸入口12および流通路16は、複数の吐出口14ごとに個別に設けられている。このため、流通路16内の流速を適宜の高い速度に維持することが可能となり、流通路16内に滞留物が堆積し、攪拌能力が低下するのを防止することができる。
【0101】
また、吸入口14は、本体10を回転させるために本体10に接続される駆動軸20の反対側に設けられている。これにより、容器の底の滞留物を吸い上げることが可能となるため、ムラのない確実な攪拌を行うことができる。また、被攪拌物の液面を乱すことなく、攪拌を行うことができる。
【0102】
また、吸入口12は、回転軸の遠心方向外側に設けられている。このため、例えば図17(b)に示されるように、本体10の先端側中央に吸入口12よりも突出した部分を設けることが可能となる。このようにすることで、攪拌用回転体1を容器の壁面に近づけた場合にも、攪拌用回転体1が壁面に吸い付いて吸入口が塞がれるような事態を回避することができる。これにより、攪拌用回転体1を手動操作する場合にも安定した攪拌を行うことができる。
【0103】
また、攪拌用回転体1は、本体10の表面における吐出口14よりも回転軸に近い位置に設けられる吸気口13と、吸気口13と吐出口14を繋ぐ通気路17と、をさらに備え、吸気口13が被攪拌物の外部の気体に触れる状態で使用することにより、外部の気体を吸気口13から吸入して被攪拌物内に導入可能に構成されるものであってもよい。このようにすることで、被攪拌物に容易に気泡を混入させることができる。
【0104】
また、本実施形態に係る攪拌装置2は、攪拌用回転体1を、回転軸方向に複数配置して構成されている。このため、攪拌能力をさらに高めることができる。
【0105】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の攪拌用回転体および攪拌装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の攪拌用回転体および攪拌装置は、各種流体の攪拌、または気泡混入の分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 攪拌用回転体
2 攪拌装置
10 本体
10d 凸部
10e 凹部
12 吸入口
13 吸気口
14 吐出口
16 流通路
17 通気路
20 駆動軸
100 仮想円
C 中心軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体その他の各種流体を攪拌し、混合、分散等を行うための攪拌用回転体および攪拌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば2種類以上の流体を混合したり、流体中に添加した各種粉末等を均一に分散させたりする場合には、流体中で羽根車を回転させる攪拌機が使用されている。この羽根車には一般的にプロペラ翼やタービン翼が設けられており、回転することで流体を流動させて攪拌を行う。
【0003】
このような攪拌機は、流体を収容するタンクに恒常的に設置されて使用されるものが多いが、この他にも、例えば塗料等を使用直前に現場で攪拌するためのハンディタイプのものがよく使用されている。このハンディタイプの攪拌機は、一般的にハンドドリル型の駆動装置の駆動軸の先端に羽根車を設けて構成されている。そして、使用者は、駆動装置を両手に持ち、先端の羽根車を塗料等の被攪拌物が収容された容器内に挿入して回転させ、攪拌を行う。
【0004】
しかしながら、このハンディタイプの攪拌機では、鋭利な翼端を持つ羽根車を高速で回転させることから非常に危険であり、取扱に注意を要するという問題があった。また、突起の多い羽根車を容器にぶつけてしまった場合や、羽根車が疲労破壊を起こした場合に、羽根車の先端や容器の一部が欠けて、または削れて被攪拌物内に混入しやすいという問題があった。
【0005】
また、羽根車は被攪拌物と衝突することによって被攪拌物を流動させるため、羽根車を備える攪拌機では、回転する羽根車を被攪拌物内に投入する際、または被攪拌物内で羽根車の回転を開始する際に、反動によって羽根車が振られやすいという問題があった。このため、使用者が攪拌機の操作になれていない場合には、羽根車を容器にぶつけたり、被攪拌物を容器外に飛散させたりといったような事態が頻発していた。
【0006】
また、羽根車では、被攪拌物に沈降物が含まれるような場合に、羽根車を容器の底壁に接触させながら攪拌を行わなければ沈降物をうまく分散させることができないため、羽根車と容器の壁面の接触により発生する破片や削りカスが被攪拌物内に混入しやすいという問題があった。
【0007】
また、羽根車を備える攪拌機では、被攪拌物内に混入された粉末粒子が羽根車との衝突により粉砕される場合があるという問題があった。このため、例えばメタリック塗料のように、混入された粉末粒子を微細化したくないような場合には、十分な攪拌を行うことが困難であった。
【0008】
一方、プロペラ翼やタービン翼を使用するのではなく、外形が六角柱状の筒体から羽根車を構成すると共に、側面に複数の孔を設けた高粘性流体用ミキサー等も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−154368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に記載の高粘性流体用ミキサーでは、羽根車の外形が六角柱状であり、主として羽根車の外壁を被攪拌物に衝突させることによって被攪拌物を流動させるものであるため、上述した回転開始時の反動の問題、および被攪拌物内の粉末粒子の粉砕の問題を解消するものではなかった。
【0011】
また、側面の孔から被攪拌物を流出させるようにしているものの、側面の孔に対して羽根車内部の容積が大きいため、羽根車内部の流速が低く、長時間使用した場合に滞留物が羽根車の内側に付着して堆積し、攪拌能力が低下しやすいという問題があった。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑みてなされたものであって、用途を問わずに安全且つ効率的な攪拌を行うことが可能な攪拌用回転体および攪拌装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1)本発明は、少なくとも一部分において回転軸方向に垂直な断面の外周形状が円に複数の凸部または凹部を設けた形状に構成される本体と、前記本体の表面に設けられる吸入口と、前記本体の表面に設けられる吐出口と、前記吸入口と前記吐出口を繋ぐ流通路と、を備え、前記吸入口は、前記吐出口よりも前記回転軸に近い位置に配置され、前記吐出口は、前記吸入口よりも前記回転軸から遠心方向外側の位置に配置されることを特徴とする、攪拌用回転体である。
【0014】
(2)本発明はまた、前記凸部または前記凹部は、前記回転軸方向に垂直な断面における外形状が略三角形状に構成されることを特徴とする、上記(1)に記載の攪拌用回転体である。
【0015】
(3)本発明はまた、前記本体の少なくとも一部分における前記回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、前記凸部または前記凹部によって多角形状に構成されることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の遊技台である。
【0016】
(4)本発明はまた、前記本体の少なくとも一部分における前記回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、前記凸部または前記凹部によって12角形以上の多角形状に構成されることを特徴とする、上記(3)に記載の遊技台である。
【0017】
(5)本発明はまた、前記凸部の頂上の角部には、丸みが設けられることを特徴とする、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の遊技台である。
【0018】
(6)本発明はまた、前記凸部または前記凹部は、前記回転軸方向に垂直な断面における外形状が略円弧状に構成されることを特徴とする、上記(1)に記載の攪拌用回転体である。
【0019】
(7)本発明はまた、前記吸入口の流れに垂直な断面積と、前記吐出口の流れに垂直な断面積との比が、1/3〜3に設定されることを特徴とする、上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の攪拌要回転体である。
【0020】
(8)本発明はまた、前記本体は、前記回転軸方向の厚みが遠心方向外側に向けて漸次減少する形状に構成されることを特徴とする、上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の攪拌用回転体である。
【0021】
(9)本発明はまた、前記吐出口は、複数設けられ、前記吸入口および前記流通路は、前記複数の吐出口ごとに個別に設けられることを特徴とする、上記(1)乃至(8)のいずれかに記載の攪拌用回転体である。
【0022】
(10)本発明はまた、前記吸入口は、前記本体を回転させるために前記本体に接続される駆動軸の反対側に設けられることを特徴とする、上記(1)乃至(9)のいずれかに記載の攪拌用回転体である。
【0023】
(11)本発明はまた、前記吸入口は、前記回転軸の遠心方向外側に設けられることを特徴とする、上記(1)乃至(10)のいずれかに記載の攪拌用回転体である。
【0024】
(12)本発明はまた、前記本体の表面における前記吐出口よりも前記回転軸に近い位置に設けられる吸気口と、前記吸気口と前記吐出口を繋ぐ通気路と、をさらに備え、前記吸気口が前記被攪拌物の外部の気体に触れる状態で使用することにより、前記外部の気体を前記吸気口から吸入して前記被攪拌物内に導入可能であることを特徴とする、上記(1)乃至(11)のいずれかに記載の攪拌用回転体である。
【0025】
(13)本発明はまた、上記(1)乃至(12)のいずれかに記載の攪拌用回転体を、前記回転軸方向に複数配置して構成されることを特徴とする、攪拌装置である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、用途を問わずに安全且つ効率的な攪拌を行うことが可能という優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)攪拌用回転体の平面図である。(b)攪拌用回転体の正面図(側面図)である。(c)攪拌用回転体の底面図である。
【図2】(a)攪拌用回転体の作動を示した平面図である。(b)攪拌用回転体の作動を示した断面図である。
【図3】(a)および(b)攪拌用回転体の使用例を示した概略図である。
【図4】(a)〜(c)吸入口、吐出口および流通路のその他の形態の例を示した図である。
【図5】(a)〜(c)吸入口、吐出口および流通路のその他の形態の例を示した図である。
【図6】(a)〜(c)吸入口、吐出口および流通路のその他の形態の例を示した図である。
【図7】(a)攪拌用回転体の本体の中心軸に垂直な断面の外周形状を示した図である。(b)同図(a)のA部拡大図である。
【図8】(a)〜(d)凸部のその他の形状の例を示した図である。
【図9】(a)〜(d)凹部の形状の例を示した図である。
【図10】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図11】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図12】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図13】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図14】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図15】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図16】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図17】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図18】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図19】(a)〜(c)攪拌用回転体の本体のその他の形状の例を示した図である。
【図20】(a)および(b)攪拌装置の例を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0029】
まず、本発明の実施の形態に係る攪拌用回転体1の構造について説明する。図1(a)は、攪拌用回転体1の平面図であり、同図(b)は、攪拌用回転体1の正面図(側面図も同一)であり、同図(c)は、攪拌用回転体1の底面図である。これらの図に示されるように、攪拌用回転体1は、柱状の本体10と、本体10の表面(上面10a)に設けられた複数の吸入口12と、本体10の表面(底面10b)に設けられた複数の吐出口14と、吸入口12と吐出口14を繋ぐように本体10の内部に形成された流通路16から構成されている。
【0030】
本体10は、円柱の外周面(側面10c)に12個の凸部10dを設けることにより、12角柱状に構成されている(詳細は後述する)。本体10の上面10aの中心には、モータ等の駆動装置の駆動軸20が接続される接続部18が設けられている。従って、攪拌用回転体1は、本体10の中心軸Cを回転軸として回転するように構成されている。なお、駆動軸20と接続部18の接続方法は、例えばネジや係合等、既知のいずれの方法であってもよい。
【0031】
本実施形態では、本体10を流通路16以外の部分を中実に構成することで、本体10の強度を高めるようにしている。本体10を構成する材質は、特に限定されるものではなく、例えば金属やセラミックス、樹脂、ゴム、木材等、使用条件に応じた適宜の材質を採用することができる。本実施形態の本体10は、シンプルで加工しやすい形態となっているため、製造方法に制限されることなく、多種多様な材質から本体10を構成することが可能となっている。
【0032】
また、本体10をこのようにシンプルな形状に構成することより、回転軸に対する不釣合いの発生を少なくすることができる。このため、本実施形態では、不釣合いの発生しやすい羽根車等とは異なり、回転時の振動や振れ回り等を略解消することが可能となっている。
【0033】
吸入口12は、本体10における底面10b(接続部18の反対側の面)に設けられている。本実施形態では、4つの吸入口12を中心軸Cを中心とする円周上に等間隔で並べて配置すると共に、中心軸Cと同一方向に形成している。吐出口14は、本体10の側面10cに設けられている。すなわち、本実施形態では、4つの吐出口14を、各吸入口12よりも本体10の中心軸Cから遠心方向外側となる位置(中心軸Cから離れた位置)にそれぞれ配置している。また、中心軸Cに対して直交する方向に吐出口14を形成している。
【0034】
流通路16は、1つの吸入口12と1つの吐出口14を繋ぐ通路として形成されている。従って、本体10の内部には、4つの流通路が形成されている。各流通路16は、吸入口12から中心軸C方向に沿って直進した後に直角に曲がり、本体10の遠心方向に向けて直進して吐出口14に到達するように形成されている。
【0035】
本実施形態では、流通路16をこのように構成することで、ドリルによる穴加工で容易に吸入口12、吐出口14および流通路16を形成できるようにしている。具体的には、吸入口12の位置から中心軸C方向に沿った穴加工、および吐出口14の位置から中心軸Cに向けた穴加工によって容易に吸入口12、吐出口14および流通路16を形成することができる。なお、本実施形態では、流通路16の断面形状を円形に構成しているが、これに限定されるものではなく、例えば楕円形や多角形等、その他の断面形状としてもよい。
【0036】
次に、攪拌用回転体1の作動について説明する。図2(a)は攪拌用回転体1の作動を示した平面図であり、図2(b)は攪拌用回転体1の作動を示した断面図である。攪拌用回転体1は、流体である被攪拌物内において、駆動軸20に駆動されて中心軸Cを中心に回転することにより、被攪拌物を攪拌する。
【0037】
流体中に攪拌用回転体1を浸漬して回転させると、流通路16内に進入した流体も攪拌用回転体1と共に回転することとなる。すると、流通路16内の流体に遠心力が作用し、これらの図に示されるように、流通路16内の流体は攪拌用回転体1の遠心方向に流動する。吐出口14は、吸入口12よりも本体10の遠心方向外側に設けられているため、吐出口14では吸入口12よりも強い遠心力が働くこととなる。従って、流体は、攪拌用回転体1が回転している限り吸入口12から吐出口14に向けて流動する。すなわち、流通路16内の流体が吐出口14から噴出すると共に、外部の流体が吸入口12から流通路16内に吸引される。これにより、攪拌用回転体1の周囲の流体には、吐出口14のある側面10cから放射状に広がる流動と、吸入口12のある底面10bに向かう流動が発生することとなる。
【0038】
また、流体中に攪拌用回転体1を浸漬して回転させると、側面10cに設けられた複数の凸部10dにより、攪拌用回転体1の周囲の流体に渦流または乱流が発生する。この渦流または乱流は、攪拌用回転体1の回転に伴い、吐出口14からの流動と合成され、より複雑な流動(乱流)が攪拌用回転体1の周囲の流体に発生することとなる。
【0039】
このように、本実施形態では、吸入口12への流体の流入、吐出口14からの流体の流出、および凸部10dによる渦流または乱流の相乗効果により、攪拌用回転体1の周囲の流体に複雑な流動(乱流)を発生させ、従来にない攪拌能力を得ることを可能としている。
【0040】
なお、本実施形態では、12個の凸部10dを設けることにより本体10を12角柱状に構成、すなわち本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状を12角形状に構成しているが、これに限定されるものではなく、被攪拌物の粘度や性状等に応じて、本体10をその他の多角柱状に構成するようにしてもよい。但し、本体10を多角柱状に構成する場合、周囲の流体(被攪拌物)に対する本体10の衝突をなるべく回避するという点、および鋭利な突起を設けないという点から、12角柱以上であることが望ましく、16角柱以上であればより望ましく、18角柱以上であることが特に望ましい。
【0041】
また、本実施形態では、吸入口12の断面積(吸入口12を通過する流れに垂直な断面積)、吐出口14の断面積(吐出口14を通過する流れに垂直な断面積)を略同一にしているが、これに限定されるものではなく、攪拌用回転体1の用途等に応じて、これらの断面積を異ならせるようにしてもよい。但し、流体を流通路16内で滞留させることなくスムーズに流動させ、効果的な攪拌能力を得るためには、吸入口12の断面積(吸入口12を通過する流れに垂直な断面積)と、吐出口14の断面積(吐出口14を通過する流れに垂直な断面積)との比が1/3〜3であることが望ましく、1/2〜2であればより望ましく、5/6〜1.2であることが特に望ましい。
【0042】
図3(a)および(b)は、攪拌用回転体1の使用例を示した概略図である。これらの図に示されるように、攪拌用回転体1は、モータ等の駆動装置30の駆動軸20に接続され、容器40内に収容された流体である被攪拌物50内に浸漬された状態で使用される。駆動装置30は、容器40や架台等に固定されるものであってもよいし、使用者が保持して操作するものであってもよい。
【0043】
駆動装置30によって攪拌用回転体1を回転させることにより、上述のように攪拌用回転体1の側面10cから放射状に広がる流動、および攪拌用回転体1の先端(駆動軸20の反対側の底面10b)に向かう流動が発生する。また、攪拌用回転体1の側面10c近傍には、渦流または乱流が発生する。これにより、図3(a)および(b)に示されるように、被攪拌物50内に複雑な循環流が発生し、この循環流により被攪拌物50は十分に攪拌される。また、容器40の底に滞留している滞留物を分散させる場合には、攪拌用回転体1の先端を容器400の底に近づければよい。このようにすることで、吸入口12から滞留物を吸い上げて吐出口14から噴出し、滞留物を被攪拌物50内に十分に分散させることができる。
【0044】
本実施形態では、本体10を12角柱状に構成することにより、回転時の被攪拌物50との衝突を少なくしているため、回転開始時の反動がほとんど生じないようになっている。また、羽根車等とは異なり、本体10に鋭利な突起物を備えていないことから、攪拌用回転体1を容器40の壁面にぶつけた場合にも攪拌用回転体1または容器40が破損したり削れたりする可能性が低くなっている。このため、安心して攪拌用回転体1を容器40の壁面に近づけることができ、容器40の隅々まで十分に攪拌を行うことが可能であると共に、攪拌用回転体1または容器40の破片や削りカス等が被攪拌物50に混入し難いようになっている。
【0045】
次に、攪拌用回転体1のその他の形態について説明する。まず、図4〜6は、吸入口12、吐出口14および流通路16のその他の形態の例を示した図である。
【0046】
図4(a)は、流通路16を滑らかに湾曲した通路として構成した例を示した正面図である。流通路16をこのように構成することで、流通路16内の流動抵抗を減少させることができるため、攪拌用回転体1が引き起こす流動をさらに強力にし、攪拌能力を向上させることができる。なお、このような流通路16は、例えば本体10を鋳造により製造することで形成することができる。
【0047】
図4(b)は、流通路16を一直線状に構成した例を示した正面図である。流通路16をこのように構成した場合にも流通路16内の流動抵抗を減少させることができる。さらにこの場合、流通路16内の清掃を行いやすくすることができる。
【0048】
図4(c)は、複数の吐出口14に対して1つの吸入口12を設け、流通路16を1つの吸入口12から複数の吐出口14に分岐するように構成した例を示した正面図である。このように、複数の吐出口14に対して共通する吸入口12を設けるようにしてもよい。この場合にも、流体(被攪拌物)を流通路16内で滞留させることなくスムーズに流動させ、効果的な攪拌能力を得るためには、吸入口12の断面積(吸入口12を通過する流れに垂直な断面積)と、吐出口14の断面積(吐出口14を通過する流れに垂直な断面積)の総和との比が1/3〜3であることが望ましく、1/2〜2であればより望ましく、5/6〜1.2であることが特に望ましい。
【0049】
図5(a)は、吐出口14を回転方向にずらして配置し、流通路16の吐出口14へ繋がる部分を攪拌用回転体1の遠心方向に対して角度を有するように構成した例を示した平面図である。このように、吐出口14の向きを変更することで、例えば図の反時計回り(矢印Lの方向)に攪拌用回転体1を回転させた場合には、吐出口14からの噴流をスムーズにすることができる。また、図の時計回り(矢印Rの方向)に攪拌用回転体1を回転させた場合には、吐出口14からの噴流を乱流状態にすることができる。すなわち、本実施形態では、流通路16および吐出口14の配置および向きを、用途に応じて適宜に設定することにより、効率的な攪拌に最も適した流動を得ることができるようになっている。
【0050】
図5(b)は、吐出口14を回転軸方向にずらして配置し、流通路16の吐出口14へ繋がる部分を攪拌用回転体1の先端側(駆動軸20の反対側)に向くように構成した例を示した正面図である。このように、吐出口14を先端側に向けることで、液面方向への流動を弱くすることができるため、液面近傍の強い流動や乱流に起因する泡立ちや気泡の混入等を減少させることができる。
【0051】
図5(c)は、吐出口14を回転軸方向にずらして配置し、流通路16の吐出口14へ繋がる部分を駆動軸側に向くように構成した例を示した正面図である。このようにすることで、液面から深い位置で攪拌用回転体1を回転させる場合にも、被攪拌物全体を十分に攪拌することができる。また、液面に向かう流動を発生させることで、あえて被攪拌物に外部の気体を巻き込ませることもできる。
【0052】
図6(a)は、駆動軸側に吸入口12を設けた例を示した正面図である。同図は、4つの吸入口12を駆動軸側の上面10aに設けた例を示している。吸入口12は、このように全ての吸入口12を駆動軸側に設けるようにしてもよいし、また、用途によっては、複数の吸入口12の一部を先端側に配置し、残りの一部を駆動軸側に配置するようにしてもよい。
【0053】
吸入口12の配置を適宜に設定することで、用途に応じた最適な流動を発生させるようにすることができる。また、駆動軸側の吸入口12を流体の液面に近づけて流体外部の気体を吸引するようにすれば、流体中に積極的に外部の気体を取り込むことができる。これにより、流体中に気体を溶け込ませたり、流体中に気泡を混入させたりすることが可能となる。
【0054】
図6(b)は、攪拌用回転体1に流体外部の気体を吸引するための吸気口13、および吸気口13と吐出口14を繋ぐ通気路17を設けた例を示した正面図である。同図は、本体10の駆動軸側の上面10aに2つの吸気口13を設けると共に、流通路16を介して吸気口13と吐出口14を繋ぐ通気路13を本体10内部に形成した例を示している。このように、本体10に吸気口13および通気路17を設け、吸気口13を流体外部に露出させた状態または流体外部の気体に触れる状態で攪拌用回転体1を回転させることにより、容易に流体中に気体を溶け込ませたり、流体中に気泡を混入させたりすることができる。
【0055】
この場合、吸気口13を吸入口12よりも半径方向内側(回転軸側)に配置することで、吸気口13からの流体の流出を防止して流体中への気体の取り込みを効率的に行うことが可能となる。なお、通気路17を流体を噴出する吐出口14に繋ぐのではなく、気体を流体中に噴出するための専用の吐出口を別に設け、この専用吐出口に通気路17を繋ぐようにしてもよい。
【0056】
図6(c)は、1つの吸入口12を設けた場合に、流通路16の共通部分16aに、内径を拡大させた異物捕獲用の拡大部19を設けた例を示している。吸入口12を1つとした場合、流通路16の共通部分16a内を通過する流体は、攪拌用回転体1の回転により旋回流となる。従って、流通路16の共通部分16aの内周壁に拡大部19を設けることにより、遠心分離と同様の原理によって流体中のゴミ等の異物を拡大部19内に捕獲することができる。すなわち、攪拌用回転体1により、攪拌と異物の除去を同時に行うことが可能となる。拡大部19内に、捕獲した異物を確実に保持するためのトラップを設けるようにしてもよい。
【0057】
なお、図示は省略するが、拡大部19を設ける代わりに、流通路16の途中に異物捕獲用のフィルタを設けるようにしてもよい。この場合、簡易的に異物の除去を行うことが可能となる。このフィルタは、例えば金網やスポンジ等、用途に応じた材質から構成すればよい。
【0058】
図7(a)は、攪拌用回転体1の本体10の中心軸Cに垂直な断面の外周形状を示した図であり、同図(b)は、同図(a)のA部拡大図である。上述のように、本実施形態では、本体10を多角柱状(12角柱状)に構成、すなわち本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状を多角形状に構成している。詳細には、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状は、同図(a)に示されるように、仮想円100に、中心軸Cに垂直な断面における外形状が略三角形状に構成された複数の凸部10dを設けた形状となっている。そして、同図(b)に示されるように、隣り合う凸部10dの辺10d1同士が、互いに一直線上となるように、凸部10dの形状を設定することで、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状が多角形状(凸多角形状)となるようにしている。
【0059】
本実施形態では、このように複数の凸部10dを設けることにより、攪拌用回転体1の周囲に適度な渦流または乱流を発生させて攪拌能力を高めるようにしているが、凸部10dの形状は上述の形状に限定されるものではなく、その他の形状であってもよい。
【0060】
図8(a)〜(d)は、凸部10dのその他の形状の例を示した図である。例えば、凸部10dの中心軸Cに垂直な断面における外形状は、同図(a)に示されるように、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状が凹多角形状となるようなものであってもよいし、同図(b)に示されるように、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状が円に三角形状の複数の突起を設けた形状となるようなものであってもよい。
【0061】
また、凸部10dの中心軸Cに垂直な断面における外形状は、略三角形状以外の形状であってもよい。例えば、凸部10dの中心軸Cに垂直な断面における外形状は、同図(c)または(d)に示されるように、略円弧状であってもよいし、さらに、図示は省略するが、その他の多角形や、曲線または直線を組み合わせて構成されるその他のいかなる形状であってもよい。
【0062】
すなわち、凸部10dの形状は、攪拌用回転体の用途や使用条件等に応じて、適宜の形状とすることが可能である。また、凸部10dの個数や配置についても、用途や使用条件等に応じて適宜に設定可能であることは言うまでもない。
【0063】
また、本体10に凸部10dを設ける代わりに、凹部10eを設けるようにしてもよい。すなわち、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状を、仮想円100に複数の凹部10eを設けた形状に構成するようにしてもよい。この場合にも、凸部10dを設けた場合と同様な効果を奏することができる。
【0064】
図9(a)〜(d)は、凹部10eの形状の例を示した図である。例えば、凹部10eの中心軸Cに垂直な断面における外形状は、同図(a)または(b)に示されるように、略三角形状であってもよいし、同図(c)または(d)に示されるように、略円弧状であってもよい。また、図示は書略するが、その他のいかなる形状であってもよい。また、このように凹部10eを設ける場合、同図(a)または(c)に示されるように、複数の凹部10eを隣接して配置するようにしてもよいし、離隔して配置するようにしてもよい。
【0065】
このように、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状を、仮想円100に複数の凸部10dまたは凹部10eを設けた形状とすることにより、攪拌用回転体1の周囲に適度な渦流または乱流を発生させて攪拌能力を高めることができる。
【0066】
図10〜19は、攪拌用回転体1の本体10のその他の形状の例を示した図である。本体10の形状は、少なくとも一部分において回転軸C方向に垂直な断面の外周形状が円に複数の凸部10dまたは凹部10eを設けた形状となるものであればどのような形状であってもよい。以下、本体10の形状の代表的な例を挙げるが、本体10の形状がこれらの例に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0067】
まず、図10(a)〜(c)は、本体10を12角形状に構成すると共に凸部10dの頂上の角部に丸みを設けた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。このように、凸部10dの頂上の角部に丸みを設けることにより、攪拌用回転体1の安全性を高めることができる。また、回転している攪拌用回転体1を容器等に接触させたような場合に、破片や削りカスが発生して被攪拌物に混入する可能性をより低くすることができる。
【0068】
図11(a)〜(c)は、本体10の中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外周形状を凹多角形状(12角形状)に構成した例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、このように本体10を、上面10aおよび底面10bを凹多角形とした多角柱状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。
【0069】
図12(a)〜(c)は、凸部10dの中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外形状を略円弧状に構成すると共に、本体10の側面10cに12個の凸部10dを設けた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、本体10をこのような形状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。また、この場合、凸部10dが丸みを帯びた形状であるため、回転している攪拌用回転体1を容器等に接触させたような場合に、破片や削りカスが発生して被攪拌物に混入する可能性をより低くすることができる。
【0070】
図13(a)〜(c)は、凸部10dの中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外形状を略台形状に構成すると共に、本体10の側面10cに12個の凸部10dを設けた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、本体10をこのような形状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。なお、凸部10dを中心軸Cと平行に形成するのではなく、螺旋状に形成するようにしてもよい。
【0071】
また、凸部10dは、本体10の中心軸C方向の全長にわたって設ける必要はなく、同図(b)に示されるように、部分的に設けるようにしてもよい。すなわち、渦流または乱流を発生させたい部分にのみ凸部10dを設けるようにしてもよい。また、必要であれば、上面10aおよび底面10bに凸部10dを設けるようにしてもよい。
【0072】
図14(a)〜(c)は、凸部10dの中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外形状を略台形状に構成すると共に、本体10の側面10cに複数の凸部10dを千鳥状に配列して設けた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、本体10をこのような形状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。
【0073】
なお、この例では、同図(b)に示されるように、凸部10dの頂上面を矩形状としているが、例えば円形や楕円形等、頂上面をその他の形状とするようにしてもよい。また、凸部10dの全体の形状を、例えば角錐状や円錐状、または半球状等、種々の形状に構成するようにしてもよい。また、千鳥状ではなく、マトリクス状に凸部10dを配列するようにしてもよい。
【0074】
図15(a)〜(c)は、凹部10eの中心軸(回転軸)Cに垂直な断面の外形状を略円弧状に構成すると共に、本体10の側面10cに12個の凹部10eを設けた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、本体10をこのような形状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。なお、凹部10eを螺旋状に形成するようにしてもよい。
【0075】
また、凸部10dと同様に、凹部10eは本体10の中心軸C方向の全長にわたって設ける必要はなく、部分的に設けるようにしてもよい。また、必要であれば、上面10aおよび底面10bに凹部10eを設けるようにしてもよい。
【0076】
図16(a)〜(c)は、本体10の側面10cに略半球状の複数の凹部10eをマトリクス状に配列して設けると共に、上面10aおよび底面10bを略半球状に凹ませた例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、本体10をこのような形状に構成することにより、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。
【0077】
なお、凹部10eの全体の形状は、半球状以外にも、例えば角錐状や円錐状等、種々のその他の形状であってもよい。また、マトリクス状ではなく、千鳥状に凹部10eを配列するようにしてもよい。
【0078】
また、上面10aおよび底面10bを、半球状以外の形状に凹ませるようにしてもよいし、上面10aまたは底面10bのいずれか一方だけを凹ませるようにしてもよい。また、上面10aおよび底面10bを凹ませるのではなく、膨出させるようにしてもよい。また、凹ませたまたは膨出させた上面10aまたは底面10bに、さらに凸部10dまたは凹部10eを設けるようにしてもよい。
【0079】
なお、本体10をその他の形状に構成した場合にも、上面10a(駆動軸側の部分)または底面10b(先端側の部分)を凹ませるまたは膨出させるようにしてもよいことは言うまでもない。
【0080】
図17(a)〜(c)は、側面10cを曲面から構成することにより、本体10を略球状に構成した例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。この例の本体10は、平面視の形状(同図(a))が多角形状であり、正面視(側面視)の形状(同図(b))が略球状となる形状に構成されている。
【0081】
このように、本体10の形状を中心軸(回転軸)C方向の厚みが遠心方向外側に向けて漸次減少する形状とすることにより、攪拌用回転体1の側面10c近傍の流動を、吐出口14からの噴出による流動にスムーズに合流させることが可能となる。この結果攪拌用回転体1から放射状に広がる流動を強力にし、攪拌能力を高めることができる。
【0082】
なお、本体10を、正面視(側面視)の形状が略楕円形状、略菱形状、略半球状、略三角形状または略台形状となるような形状に構成するようにしてもよい。また、本体10を、例えば正多面体や半正多面体等、球に近い多面体から構成するようにしてもよい。また、本体10を、例えばゴルフボールのように、球体(または楕円体)に複数の凹部10e(または凸部10d)を設けた形状から構成するようにしてもよい。
【0083】
図18(a)〜(c)は、本体10を円柱と多角錐台を組み合わせた形状に構成した例を示した図である。なお、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図(側面図)、同図(c)は底面図である。このように、本体10は、異なる形状の立体を組み合わせて構成されるものであってもよい。
【0084】
この例では、円柱と12角錐台を重ねて本体10を構成することにより、本体10の中心軸(回転軸)C方向の厚みが遠心方向外側に向けて漸次減少するようにしている。これにより、12角錐台部分の側面10c1近傍の流動を、吐出口14からの噴出による流動にスムーズに合流させることが可能となる。また、この例では、円柱部分の側面10c2が、12角錐台部分の側面10c1よりも遠心方向外側に位置するようにしている。すなわち、本体10の中心軸Cに垂直な方向の最外形が円形となるようにし、凸部10dが遠心方向外側に突出しないようにしている。このようにすることで、攪拌用回転体1の安全性を高めると共に、容器等に接触させた場合の破片や削りカスの発生を防止することができる。
【0085】
なお、多角錐台部分を駆動軸側に設け、円柱部分を駆動軸の反対側に設けるようにしてもよいし、円柱部分の両側に多角錐台部分をそれぞれ設けるようにしてもよいし、多角錐台部分の両側に円柱部分をそれぞれ設けるようにしてもよい。また、本体10は、図18に示した、円柱と多角錐台の組合せに限らず、円柱、円錐、円錐台、多角柱、多角錐、多角錐台、球、半球、正多面体、半正多面体等の種々の立体を組み合わせて構成されるものであってもよい。
【0086】
図19(a)〜(c)は、本体10を2分割し、分割した2つの部分の隙間を流通路16の一部とした例を示した図である。この例では、本体10を、駆動軸20が接続される駆動軸側部10fと、吸入口12が設けられる先端側部10gとから構成し、4つの接続部材10hによって駆動軸側部10fと先端側部10gとを接続している。流通路16は、先端側部10g内部において吸入口12と駆動軸側部10fと先端側部10gとの隙間を繋ぐように形成され、これにより、駆動軸側部10fと先端側部10gとの隙間が流通路16の一部を構成し、駆動軸側部10fと先端側部10gとの隙間の外周部が吐出口14を構成するようになっている。換言すれば、この例では、吐出口14は、本体10の側面10cの周方向全域にわたって設けられている。
【0087】
このようにすることで、被攪拌物である流体の粘性等の性状によっては、効率的な攪拌を行うことができる場合がある。なお、本体10の駆動軸側部10fと先端側部10gは、例えば円柱と多角柱等、異なる形状であってもよい。
【0088】
なお、上述したような本体10の形状の設定に加えて、本体10表面の粗さや、より細かい凹凸形状を適宜に設定することによって、攪拌用回転体1の周囲の流動をより精密に制御するようにしてもよい。また、本体10の表面に各種の彩色を施して意匠性を向上させるようにしてもよい。
【0089】
次に、複数の攪拌用回転体1を連結して構成した攪拌装置2について説明する。図20(a)および(b)は、攪拌装置2の例を示した正面図である。同図(a)は、駆動軸を介して3つの攪拌用回転体1を連結した例を示しており、同図(b)は、2つの攪拌用回転体1を一体的に連結した例を示している。このように、複数の攪拌用回転体1を回転軸方向に連結することで、攪拌能力をさらに向上させることができる。特に、攪拌する流体の深さが深い場合に効果的である。また、同図(b)に示す例において、駆動軸側の吸入口12から流体外部の気体を吸引するようにすれば、より効率的に流体中に気体を取り込むことができる。
【0090】
以上説明したように、本実施形態に係る攪拌用回転体1は、少なくとも一部分において回転軸(中心軸C)方向に垂直な断面の外周形状が円(仮想円100)に複数の凸部10dまたは凹部10eを設けた形状に構成される本体10と、本体10の表面に設けられる吸入口12と、本体10の表面に設けられる吐出口14と、吸入口12と吐出口14を繋ぐ流通路16と、を備え、吸入口12は、吐出口14よりも回転軸に近い位置に配置され、吐出口14は、吸入口12よりも回転軸から遠心方向外側の位置に配置されている。
【0091】
このため、羽根車等に比べてはるかに低コストで、高い攪拌能力を有する攪拌用回転体1を製造することができる。特に、吸入口12への被攪拌物の流入および吐出口14からの被攪拌物の流出に、凸部10dまたは凹部10eにより生じる渦流または乱流が相乗的に作用することにより、攪拌用回転体1の周囲の流体に複雑な流動(乱流)を発生させることが可能であるため、従来にない高い攪拌能力を得ることができる。
【0092】
また、羽根車等に比べて、回転開始時の反動や、回転軸に対する不釣合いの発生を少なくすることが可能であり、さらに、被攪拌物を収容した容器等に攪拌用回転体1をぶつけた場合にも、攪拌用回転体1や容器等の破損や削れ等を生じにくくすることが可能である。このため、用途を問わずに安全且つ効率的な攪拌を行うことができる。
【0093】
また、凸部10dまたは凹部10eは、回転軸方向に垂直な断面における外形状が略三角形状に構成されている。このため、被攪拌物との衝突を少なくしながらも、効果的な渦流または乱流を発生させ、攪拌能力を高めることが可能となっている。
【0094】
また、本体10の少なくとも一部分における回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、凸部10dまたは凹部10eによって多角形状に構成されている。このように本体10を比較的シンプルな形状に構成することにより、本体10の強度を高めると共に、本体10の製造コストを低減することができる。
【0095】
この場合、本体10の少なくとも一部分における回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、凸部10dまたは凹部10eによって12角形以上の多角形状に構成されることが望ましい。このようにすることで、回転開始時の反動や粉末粒子の粉砕等、被攪拌物との衝突に起因する不具合を解消しながらも、高い攪拌能力を得ることができる。また、鋭利な角部を有さないことから、安全性を高めると共に、攪拌用回転体1を何かにぶつけた場合の波損や削れ等を生じにくくすることができる。
【0096】
また、凸部10dの頂上の角部に、丸みを設けるようにしてもよい。このようにすることで、安全性をさらに高めると共に、攪拌用回転体1を何かにぶつけた場合の波損や削れ等をさらに生じにくくすることができる。
【0097】
また、凸部10dまたは凹部10eは、回転軸方向に垂直な断面における外形状が略円弧状に構成されるようにしてもよい。このようにすることで、安全性や、何かにぶつけた場合の破損等の生じにくさを維持しながらも、攪拌能力を高めることができる。
【0098】
また、吸入口12の流れに垂直な断面積(吸入口12を通過する流れに垂直な断面積)と、吐出口14の流れに垂直な断面積(吐出口14を通過する流れに垂直な断面積)との比は、1/3〜3に設定されることが望ましい。このようにすることで、被攪拌物を流通路16内でスムーズに流動させることが可能となり、流通路16内に滞留物が堆積して攪拌能力が低下するのを防止することができる。
【0099】
また、本体10は、回転軸方向の厚みが遠心方向外側に向けて漸次減少する形状に構成されるようにしてもよい。このようにすることで、本体10の表面近傍の流動をスムーズに吐出口14からの噴流の随伴流とすることができる。これにより、より強力な流動を発生させることが可能となるため、攪拌能力をさらに高めることができる。なお、この場合、本体10は、回転軸方向の厚みが一定となる部分を部分的に有していてもよい。
【0100】
また、吐出口14は、複数設けられ、吸入口12および流通路16は、複数の吐出口14ごとに個別に設けられている。このため、流通路16内の流速を適宜の高い速度に維持することが可能となり、流通路16内に滞留物が堆積し、攪拌能力が低下するのを防止することができる。
【0101】
また、吸入口14は、本体10を回転させるために本体10に接続される駆動軸20の反対側に設けられている。これにより、容器の底の滞留物を吸い上げることが可能となるため、ムラのない確実な攪拌を行うことができる。また、被攪拌物の液面を乱すことなく、攪拌を行うことができる。
【0102】
また、吸入口12は、回転軸の遠心方向外側に設けられている。このため、例えば図17(b)に示されるように、本体10の先端側中央に吸入口12よりも突出した部分を設けることが可能となる。このようにすることで、攪拌用回転体1を容器の壁面に近づけた場合にも、攪拌用回転体1が壁面に吸い付いて吸入口が塞がれるような事態を回避することができる。これにより、攪拌用回転体1を手動操作する場合にも安定した攪拌を行うことができる。
【0103】
また、攪拌用回転体1は、本体10の表面における吐出口14よりも回転軸に近い位置に設けられる吸気口13と、吸気口13と吐出口14を繋ぐ通気路17と、をさらに備え、吸気口13が被攪拌物の外部の気体に触れる状態で使用することにより、外部の気体を吸気口13から吸入して被攪拌物内に導入可能に構成されるものであってもよい。このようにすることで、被攪拌物に容易に気泡を混入させることができる。
【0104】
また、本実施形態に係る攪拌装置2は、攪拌用回転体1を、回転軸方向に複数配置して構成されている。このため、攪拌能力をさらに高めることができる。
【0105】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の攪拌用回転体および攪拌装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明の攪拌用回転体および攪拌装置は、各種流体の攪拌、または気泡混入の分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 攪拌用回転体
2 攪拌装置
10 本体
10d 凸部
10e 凹部
12 吸入口
13 吸気口
14 吐出口
16 流通路
17 通気路
20 駆動軸
100 仮想円
C 中心軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部分において回転軸方向に垂直な断面の外周形状が円に複数の凸部または凹部を設けた形状に構成される本体と、
前記本体の表面に設けられる吸入口と、
前記本体の表面に設けられる吐出口と、
前記吸入口と前記吐出口を繋ぐ流通路と、を備え、
前記吸入口は、前記吐出口よりも前記回転軸に近い位置に配置され、
前記吐出口は、前記吸入口よりも前記回転軸から遠心方向外側の位置に配置されることを特徴とする、
攪拌用回転体。
【請求項2】
前記凸部または前記凹部は、前記回転軸方向に垂直な断面における外形状が略三角形状に構成されることを特徴とする、
請求項1に記載の攪拌用回転体。
【請求項3】
前記本体の少なくとも一部分における前記回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、前記凸部または前記凹部によって多角形状に構成されることを特徴とする、
請求項1または2に記載の遊技台。
【請求項4】
前記本体の少なくとも一部分における前記回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、前記凸部または前記凹部によって12角形以上の多角形状に構成されることを特徴とする、
請求項3に記載の遊技台。
【請求項5】
前記凸部の頂上の角部には、丸みが設けられることを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれかに記載の遊技台。
【請求項6】
前記凸部または前記凹部は、前記回転軸方向に垂直な断面における外形状が略円弧状に構成されることを特徴とする、
請求項1に記載の攪拌用回転体。
【請求項7】
前記吸入口の流れに垂直な断面積と、前記吐出口の流れに垂直な断面積との比が、1/3〜3に設定されることを特徴とする、
請求項1乃至6のいずれかに記載の攪拌要回転体。
【請求項8】
前記本体は、前記回転軸方向の厚みが遠心方向外側に向けて漸次減少する形状に構成されることを特徴とする、
請求項1乃至7のいずれかに記載の攪拌用回転体。
【請求項9】
前記吐出口は、複数設けられ、
前記吸入口および前記流通路は、前記複数の吐出口ごとに個別に設けられることを特徴とする、
請求項1乃至8のいずれかに記載の攪拌用回転体。
【請求項10】
前記吸入口は、前記本体を回転させるために前記本体に接続される駆動軸の反対側に設けられることを特徴とする、
請求項1乃至9のいずれかに記載の攪拌用回転体。
【請求項11】
前記吸入口は、前記回転軸の遠心方向外側に設けられることを特徴とする、
請求項1乃至10のいずれかに記載の攪拌用回転体。
【請求項12】
前記本体の表面における前記吐出口よりも前記回転軸に近い位置に設けられる吸気口と、
前記吸気口と前記吐出口を繋ぐ通気路と、をさらに備え、
前記吸気口が前記被攪拌物の外部の気体に触れる状態で使用することにより、前記外部の気体を前記吸気口から吸入して前記被攪拌物内に導入可能であることを特徴とする、
請求項1乃至11のいずれかに記載の攪拌用回転体。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の攪拌用回転体を、前記回転軸方向に複数配置して構成されることを特徴とする、
攪拌装置。
【請求項1】
少なくとも一部分において回転軸方向に垂直な断面の外周形状が円に複数の凸部または凹部を設けた形状に構成される本体と、
前記本体の表面に設けられる吸入口と、
前記本体の表面に設けられる吐出口と、
前記吸入口と前記吐出口を繋ぐ流通路と、を備え、
前記吸入口は、前記吐出口よりも前記回転軸に近い位置に配置され、
前記吐出口は、前記吸入口よりも前記回転軸から遠心方向外側の位置に配置されることを特徴とする、
攪拌用回転体。
【請求項2】
前記凸部または前記凹部は、前記回転軸方向に垂直な断面における外形状が略三角形状に構成されることを特徴とする、
請求項1に記載の攪拌用回転体。
【請求項3】
前記本体の少なくとも一部分における前記回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、前記凸部または前記凹部によって多角形状に構成されることを特徴とする、
請求項1または2に記載の遊技台。
【請求項4】
前記本体の少なくとも一部分における前記回転軸方向に垂直な断面の外周形状は、前記凸部または前記凹部によって12角形以上の多角形状に構成されることを特徴とする、
請求項3に記載の遊技台。
【請求項5】
前記凸部の頂上の角部には、丸みが設けられることを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれかに記載の遊技台。
【請求項6】
前記凸部または前記凹部は、前記回転軸方向に垂直な断面における外形状が略円弧状に構成されることを特徴とする、
請求項1に記載の攪拌用回転体。
【請求項7】
前記吸入口の流れに垂直な断面積と、前記吐出口の流れに垂直な断面積との比が、1/3〜3に設定されることを特徴とする、
請求項1乃至6のいずれかに記載の攪拌要回転体。
【請求項8】
前記本体は、前記回転軸方向の厚みが遠心方向外側に向けて漸次減少する形状に構成されることを特徴とする、
請求項1乃至7のいずれかに記載の攪拌用回転体。
【請求項9】
前記吐出口は、複数設けられ、
前記吸入口および前記流通路は、前記複数の吐出口ごとに個別に設けられることを特徴とする、
請求項1乃至8のいずれかに記載の攪拌用回転体。
【請求項10】
前記吸入口は、前記本体を回転させるために前記本体に接続される駆動軸の反対側に設けられることを特徴とする、
請求項1乃至9のいずれかに記載の攪拌用回転体。
【請求項11】
前記吸入口は、前記回転軸の遠心方向外側に設けられることを特徴とする、
請求項1乃至10のいずれかに記載の攪拌用回転体。
【請求項12】
前記本体の表面における前記吐出口よりも前記回転軸に近い位置に設けられる吸気口と、
前記吸気口と前記吐出口を繋ぐ通気路と、をさらに備え、
前記吸気口が前記被攪拌物の外部の気体に触れる状態で使用することにより、前記外部の気体を前記吸気口から吸入して前記被攪拌物内に導入可能であることを特徴とする、
請求項1乃至11のいずれかに記載の攪拌用回転体。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載の攪拌用回転体を、前記回転軸方向に複数配置して構成されることを特徴とする、
攪拌装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−136274(P2011−136274A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297119(P2009−297119)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(510183165)株式会社エディプラス (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(510183165)株式会社エディプラス (8)
【Fターム(参考)】
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