説明

支持材料にファスナを固定するための間接発射装置

支持材料にファスナ13を固定するための間接発射装置は、銃身内に動くように取り付けられたファスナ13を推進させるためのピストンと、支持材料に向かって前記ファスナ13を案内するためのプラグガイド11とを有する。間接発射装置は、プラグガイド11内に一つずつファスナ13を案内するためにファスナ13のストリップ14を受容するマガジン19を受容するようにされている。各ファスナ13は、別のスリーブ15に接続するための剪断手段16を備えるスリーブ15内に保持される。間接発射装置のプラグガイド11は、プラグガイド11内に通じるマガジン19の開口で、間接発射装置を装填するための前記プラグガイド11のストロークL−L’だけ大きいスリーブ15の長さhに亘って軸方向に広がる大径部分21を備える領域を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持材料にファスナを固定するための間接発射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照すると、間接発射固定装置1は、例えば、ヘッド2’や軸部2’’を有するネイルのようなファスナ2を支持材料内に挿入することが可能である。ファスナ2は、例えば、爆発性混合物によって、銃身内に動くように取り付けられたピストン及び軸線9に沿って延びるプラグガイド3を用いて推進される。
【0003】
ネイル2は、ネイルストリップ4の形で間接発射固定装置1内に装填される。各ネイル2はスリーブ5内で軸部2’’によって係合しており、スリーブ5は、ここでブリッジ6と称する対向する剪断可能な接続手段6によって各スリーブ5上に接続されている。従って、ネイル2はストリップ4内で平行に配置され、ネイル2を収容するスリーブ5は、ブリッジ6によって対に接続されている。
【0004】
ネイル2及びスリーブ5によって形成される組立体は、以下の記載において、ファスナ組立体又は組立体と称する。
【0005】
ストリップ4は、プラグガイド3に対して略垂直に延びるマガジン7に配置されている。マガジン7の端部でプラグガイド3の反対側に配置されたリターンスプリングは、プラグガイド3の方向にストリップ4を押圧する。従って、リターンスプリングの反対側のファスナ組立体(2、5)は、プラグガイド3内に案内され、その軸線はプラグガイド3の軸線と一致する。発射時に、ブリッジ6は剪断され、それによって、ファスナ組立体をリターンスプリングによってプラグガイド3に向かって押圧された隣接する組立体(2、5)から分離する。
【0006】
プラグガイド3の内径は、ファスナ組立体がその端部に正確に案内されるために、ブリッジ6を覆うスリーブ5の最大の外径に略等しく、ブリッジ6は、ファスナ組立体(2、5)のストローク中に、プラグガイド3の内壁に当接するように平らにされている。
【0007】
ブリッジ6はスリーブ5の外面から突出している。従って、ブリッジ6を収容する溝8が、プラグガイド3の内壁に、マガジン7に対向するように設けられている。従って、空いているプラグガイド3内に案内されたスリーブ5のブリッジ6は溝8内に収容され、マガジン7は、ストリップ4に固く接続されたブリッジ6もプラグガイド3の穴の外側に配置されるようにプラグガイド3に配置されている。従って、プラグガイド3の穴の直径は、スリーブ5の外径に完全に合うようにされている。
【0008】
マガジン7及びスプリングが、ストリップ4を正確に平行移動させ、それによって、プラグガイド3内に案内されるスリーブ5のフリーのブリッジが、ストリップ4に固く接続されるように溝8に正確に配置される。図2を参照すると、ストリップ4の最後のファスナ組立体(2、5)は他のファスナ組立体(2、5)に固く接続されてはいない。図2において、最後のファスナ組立体(2、5)はプラグガイド3内に正確に案内されており、スプリングの反対側のブリッジ6は溝8内に収容されている。しかし、プラグガイド3内に案内される過程で、このファスナ組立体(2、5)はマガジンの壁との摩擦によってその軸線周りに回転してしまう。そして、ブリッジ6は、突出するそのブリッジ6を備えると共にプラグガイド3の穴の最大の外径よりも大きい最大の外径を有するスリーブ5を、もはや正確に配置することはない。この直径の差異を補うために、ファスナ組立体をプラグガイド3内に押圧するリターンスプリングで以て、ファスナ組立体(2、5)は、プラグガイド3の軸線とは異なる軸線に沿って配置されてしまい、すなわち、プラグガイド3内に完全には案内されず、それによって、間接発射固定装置の故障とその基盤内へのネイル2の誤った案内をしてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的はこの欠点を排除することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達するために、本発明は、支持材料にファスナを固定するための間接発射装置であって、銃身内に動くように取り付けられたファスナを推進させるためのピストンと、支持材料に向かってファスナを案内するためのプラグガイドとを有し、プラグガイド内に一つずつファスナを案内するためにファスナのストリップを受容するマガジンを受容するようにされており、各ファスナが、他のスリーブに接続するための剪断手段を備えるスリーブ内に保持される間接発射装置において、プラグガイドが、プラグガイド内に通じるマガジンの開口で、好ましくは円形の大径部分を備える領域を有することを特徴とする間接発射装置に関する。
【0011】
また、本発明は、いわば、360度の角度に亘って広がる溝を備えるのに十分厚くしたことを特徴とする。
【0012】
本発明の好適な実施形態において、スリーブがブリッジ手段によって接続されているので、大径部分を備える領域は、ブリッジの径方向の寸法だけ大きいプラグガイドの直径と略等しい直径を有する。
【0013】
大径部分を備える領域は、間接発射装置を装填するためのプラグガイドのストロークだけ大きいスリーブの長さに亘って軸方向に広がるのが好ましい。
【0014】
大径部分を備える領域は、面取り部分によって、プラグガイドの穴の残りの領域に接続されているので有利である。
【0015】
本発明は、添付図面を参照しながら、本発明の間接発射装置の好適な実施形態の以下の記載の目的と共により容易に理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図3を参照すると、本発明の間接発射装置10は、銃身(図示略)内で平行移動するように取り付けられたピストン(図示略)と、軸線12に沿って広がる直径Dの円形領域を備える円筒形のプラグガイド11とを有する。プラグガイド11内に装填されるファスナ13は、発射火薬の混合物の作用によってピストンによって基板材料内へ推進され、そのストロークはプラグガイド11によって案内される。推薬は、例えば、粉末の推薬又はガスの推薬である。
【0017】
この場合において、ファスナ13は、ヘッド13’及び尖った先端を備える軸部13’’のような、金属製ネイル、或いはプラグである。ネイル13は、ネイル13のストリップ14の形で間接発射装置10内へ装填される。各ネイル13は、ネイル13の軸部13’’を受容する中央の円筒形の穴のような略円筒形状のプラスチックスリーブ15内で、軸部13’’によって係合されると共に保持されている。スリーブ15の外部形状は、必ずしも標準サイズとは限らず、凹所、平面部分等を有してもよい。本発明の理解に必ずしも必要がなくここに記載されないようなこの形状に関わらず、スリーブ15は、一般的に、それが受容するネイル13のヘッド13’の最大径に少なくとも部分的に対応する最大径を備える略円筒形の表面部分17を有する。この直径は、プラグガイド11の穴の直径Dに略等しくなるようにされている。この表面部分17は、ネイル13がネイル13のヘッド13’’と協働してプラグガイド11の穴の表面18の上方に案内されることを確実にするために、ネイル13のヘッド13’’の反対側のスリーブの部分に位置している。
【0018】
スリーブ15は、各スリーブ15上の対向する剪断可能なブリッジ16によって接続されている。ブリッジ16は、スリーブ15の表面に突出する長手方向の直線的なリブ形状である。この場合において、それらは、合計二つであり、スリーブ15の両側に整列し、それぞれは、スリーブ15の長さhの約四分の一の長さである。従って、ネイル13はストリップ14内で平行に配置され、スリーブ15は、ブリッジ16によって接続されたそれらを対で保持している。
【0019】
本発明のファスナ装置10は、ネイル13のストリップ14を受容するマガジン19を受容するように構成されている。このマガジン19は、プラグガイド11の軸線12に対して垂直に延びるように取り付けられ、その端部の一つはプラグガイド11内に開いている。ストリップ14はマガジン19内に配置され、ファスナ組立体(13、15)は互いに対し、且つ、プラグガイド11の軸線12に対して平行に延びている。プラグガイド11の反対側のマガジン19の端部に配置されたリターンスプリング(図示略)は、プラグガイド11の方向にストリップ14を押圧する。その結果として、リターンスプリングの反対側のファスナ組立体(13、15)は、プラグガイド11内に案内される。
【0020】
習慣的な安全上の理由のため、ファスナ装置10のプラグガイド11は、可能な限り発射のために支持材料に押し当てられていなければならない。図3において、ファスナ装置10は安全位置であり、プラグガイド11が長さLだけファスナ装置10のケーシング20から突出している。プラグガイド11が、支持材料の方向に力を働かせるユーザーによって支持材料に押し当てられると、プラグガイド11は、ストッパに達するまでケーシング20内へ挿入され、その機構によって、ファスナ装置がこの位置、すなわち、発射位置に装填されることが保証される。図4に示すこの位置において、最後のファスナ13の場合では、プラグガイド11が長さLよりも小さい長さL’だけケーシング20を超えて突出する。ファスナ装置10が装填されたときにプラグガイド11が挿入される長さ、すなわち、距離L−L’を、ファスナ装置10を装填するためのプラグガイド11のストローク又は装填ストローク(L−L’)と称する。
【0021】
プラグガイド11の穴は、プラグガイド11内へ通じるマガジン19の開口部に円形の大径部分21を備える領域を有する。その機能は、発射する前にプラグガイド11内でスリーブ15の自由回転を可能にすることであり、すなわち、ピストンの動作によって剪断した後、スリーブ15に固く接続されたままのブリッジ部分16があるにも関わらずスリーブ15の自由回転を可能にすることである。
【0022】
この場合において、以上で見てきたように、ファスナ組立体(13、15)が他のファスナ組立体(13、15)に固く接続されると、それはストリップ14の軸線にあるままなので、この機能は、ストリップ14の最後のファスナ組立体(13、15)にとって基本的に有利である。この場合において、大径部分21を備える領域は従来技術の溝8と同じ機能を果たす。
【0023】
この場合において、大径部分21を備える領域は、二つの半分のブリッジ16、すなわち、一つのブリッジ16の径方向の寸法だけ大きいプラグガイド11の直径Dと略等しい直径D’を有する。半体のブリッジとは、剪断後、スリーブ15に固く接続されたままであるブリッジ部分16である。ブリッジ16の剪断は必ずしも正確である必要はないので、剪断後のスリーブに固く接続されたままであるブリッジ部分16の径方向の寸法は不揃いであって、ブリッジの径方向の半分の寸法に等しい平均寸法くらいでわずかに異なっている。寸法D’は、わずかな遊隙が必ずしも許容されないが、この不確実性を考慮に入れることはできる。
【0024】
さらに、最後のファスナ組立体(13、15)は、ストリップ14の端部に対応するそのフリーの側面にブリッジ16を有しなくてもよい。そして、直径D’は、半体のブリッジ16の径方向の寸法だけ大きいプラグガイド11の穴の直径Dと略等しくてもよい。
【0025】
いずれにしても、大径部分21を備える領域の直径D’は、使用されるスリーブ及び/又は当業者に許容される遊隙に適合されている。当業者は、要望と制約に従ってこれを調整するだろう。
【0026】
また、ここで記載した本発明の実施形態において、図4を参照すると、最後のファスナ組立体(13、15)のスリーブ15は、最後のスリーブ15を他のスリーブと略一致させる以外に有用な機能がない半体のブリッジ16をそのフリーの部分に有する。従って、この場合において、大径部分21を備える領域の直径D’は、ブリッジ16の径方向の寸法だけ大きいプラグガイド11の穴の直径Dと略等しい。当業者は、遊隙及び製作公差に関する制限に対して、この穴の直径D’をより正確に適合することができる。
【0027】
プラグガイド11内へ通じるマガジン19の開口が、大径部分21を備える領域の部分を完成するように構成されているのは明らかであろう。それ故、最後のファスナ組立体(13、15)の回転が、大径部分21を備える領域の部分内で妨害されない。
【0028】
大径部分を備える領域は、距離Hに亘って長手方向に広がる。この距離は、プラグガイド11が安全位置にあるときに、少なくとも、発射のためのピストンの移動方向下流の装填ストローク(L−L’)だけ大きいスリーブ15の長さhに一致する。従って、ファスナ装置10の装填中、プラグガイド11は、発射位置でプラグガイド11に配置されたスリーブ15の部分を変化させることなく上昇する。ブリッジ16の無いスリーブ15の直径に対応する直径Dを備えるプラグガイド11の部分との接続は、面取り部分22によって成される。面取り部分22によって、このファスナ組立体(13、15)がピストンによって推進されるとき、及び、ファスナ組立体(13、15)が大径部分21を備える領域から直径Dを備える非大径部分を備える領域まで、すなわち、プラグガイド11の穴の残りの領域にまで通るとき、ファスナ組立体(13、15)の正確なセンタリングが可能になる。この非大径部分を備える領域において、半体のブリッジ16はプラグガイド11の穴の表面18に当接するように平らにされている。
【0029】
この場合において、大径部分21を備える領域は、スリーブ15がプラグガイド11内へ案内されるとき、スリーブ15の上流の端部から距離H=h+(L−L’)に亘って長手方向下流に広がる。上流において、当業者は、大径部分を備えるこの領域を広げるか否か、或いは、大径部分をピストンの直径に合わせるか否かを決定できるだろう。
【0030】
本発明のファスナ装置10の操作をより詳細に記載する。
【0031】
ファスナ組立体(13、15)のストリップ14は、マガジン19内に受容されている。リターンスプリングの反対側のファスナ組立体(13、15)は、プラグガイド11内へ案内され、安全位置にある。このファスナ組立体(13、15)は、この端部と同じ寸法の大径部分21を備えるプラグガイド11の領域にブリッジ16と共に収容されている。プラグガイド11は、ユーザーによって支持材料に押し当てられると共に発射位置までケーシング20内へ挿入される。プラグガイド11は、その装填ストロークの長さ(L−L’)に亘って大径部分21を備える領域の下流の広がりのために、そこに収容されたファスナ組立体(13、15)のスリーブ15周囲で自由にスライドし、スリーブ15の下流の端部が、ストロークの端部でその面取り部分22と当接して支持するようになる。ピストンは、発射時に爆発性混合物によって推進され、プラグガイド11内へファスナ組立体(13、15)を推進し、このファスナ組立体(13、15)のセンタリングは、非大径部分を備えるプラグガイド11の領域と接続するための面取り部分22によって容易になる。ストリップ14に固く接続されたファスナ組立体(13、15)のブリッジ16が剪断される。そして、それらはフリーのブリッジ16と共に平らにされ、プラグガイド11の穴の表面18に当接する。それから、ファスナ13が支持材料内へ挿入される。
【0032】
プラグガイド11からファスナ組立体(13、15)の発射及びリターンスプリングによって働く力の結果として、プラグガイド11は安全位置に復帰してピストンが発射位置に上昇すると、次のファスナ組立体(13、15)が、プラグガイド11内へ案内される。そして、ファスナ装置10は、最後の一つまで各ファスナ組立体(13、15)に対して上記と同じように機能する。他のファスナ組立体に固く接続されていないこの最後のファスナ組立体がプラグガイド11内へ案内されると、とりわけ、マガジン19の壁との摩擦によってその軸線周りに回転するようにされる。この回転はプラグガイド11内のこの最後のファスナ組立体(13、15)の位置決めに影響を与えず、それは大径部分21を備える領域によって可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来技術のファスナ装置の軸方向断面図である。
【図2】図1のファスナ装置の面II−IIに沿った軸方向断面図である。
【図3】プラグガイドが安全位置にある本発明のファスナ装置の好適な実施形態の軸方向断面図である。
【図4】プラグガイドが最後のファスナの発射位置にある本発明のファスナ装置の好適な実施形態の軸方向断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持材料にファスナを固定するための間接発射装置であって、銃身内に動くように取り付けられたファスナ(13)を推進させるためのピストンと、前記支持材料に向かって前記ファスナ(13)を案内するためのプラグガイド(11)とを有し、該プラグガイド(11)内に一つずつ前記ファスナ(13)を案内するためにファスナ(13)のストリップ(14)を受容するマガジン(19)を受容するようにされており、前記各ファスナ(13)が、別のスリーブ(15)に接続するための剪断手段(16)を備えるスリーブ(15)内に保持される間接発射装置において、前記プラグガイド(11)が、該プラグガイド(11)内に通じる前記マガジン(19)の開口で、大径部分(21)を備える領域を有することを特徴とする間接発射装置。
【請求項2】
前記大径部分(21)を備える領域が円形部分を有する請求項1に記載の間接発射装置。
【請求項3】
前記スリーブ(15)がブリッジ(16)によって接続されているので、前記大径部分(21)を備える領域が、ブリッジ(16)の径方向の寸法だけ大きいプラグガイド(11)の直径(D)と略等しい直径(D’)を有する請求項2に記載の間接発射装置。
【請求項4】
前記大径部分(21)を備える領域が、当該間接発射装置を装填するための前記プラグガイド(11)のストローク(L−L’)だけ大きいスリーブ(15)の長さ(h)に亘って軸方向に広がる請求項1から3のいずれか一つに記載の間接発射装置。
【請求項5】
前記大径部分(21)を備える領域が、面取り部分(22)によって、前記プラグガイド(11)の穴の残りの領域に接続されている請求項1から4にいずれか一つに記載の間接発射装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2007−518583(P2007−518583A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550339(P2006−550339)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/IB2005/000162
【国際公開番号】WO2005/070623
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(504213205)ソシエテ ドゥ プロスペクティオン エ ディンベンティオン テクニク スピ (7)
【Fターム(参考)】