説明

改修サッシ

【課題】既設上枠、左右の既設縦枠に下地材を取付ねじで固定し、その下地材に新設上枠、左右の新設縦枠を固定ねじで取り付けるようにした改修サッシにおいて、その取付ねじの螺合部分から建物躯体に雨水等が浸入しないようにする。
【解決手段】既設上枠20、左右の既設縦枠22,23の内向凹部20c,22c,23cに内向部20d,22d,23dを設け、この内向凹部20c,22c,23cに下地材5を嵌め込んで取り付けると共に、この下地材5から取付ねじ6を前記内向部20d,22d,23dに螺合して下地材5を固定し、この下地材5に固定ねじ7を螺合して新設上枠30、左右の新設縦枠32,33を既設上枠20、左右の既設縦枠22,23に取り付け、前記取付ねじ6の螺合部分20a,22a,23aから雨水等が建物躯体1に浸入しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部に残存した既設サッシ枠内に新設サッシ枠を取り付けた改修サッシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物躯体の開口部に取り付けてある既設サッシを新設サッシに改修した改修サッシとしては、建物躯体の開口部に既設サッシ枠を残存させ、その既設サッシ枠内に新設サッシ枠を取り付け、その新設サッシ枠に障子を装着した改修サッシが知られている。
例えば、特許文献1に開示されたように、既設サッシ枠の既設上枠、既設下枠、既設縦枠に下地材をそれぞれ固定し、この各下地材に、新設サッシ枠の新設上枠、新設下枠、新設縦枠をそれぞれ固定することで既設サッシ枠内に新設サッシ枠を取り付けるようにした改修サッシが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−23565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の改修サッシにおいては、既設上枠、既設縦枠に下地材を、その下地材から取付ねじを既設上枠、既設縦枠に螺合して固定しているが、その取付ねじが既設上枠、既設縦枠から建物躯体に突出しているので、既設上枠、既設縦枠の取付ねじの螺合部分を通して雨水等が建物躯体に浸入する恐れがある。
【0005】
本発明の目的は、既設上枠、既設縦枠に取付ねじを螺合することで下地材を固定し、その取付ねじの螺合部分を通して雨水等が建物躯体に浸入することがない改修サッシとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、建物躯体の開口部に残存した既設サッシ枠内に新設サッシ枠を取り付けた改修サッシであって、
前記既設サッシ枠の既設上枠、左右の既設縦枠は内向凹部を有すると共に、その内向凹部の面外方向の中間に内向部を有し、
前記既設上枠、既設縦枠に下地材を、前記各内向凹部に嵌め込んで、面外方向に動かないように支持し、
前記各下地材の面外方向中間部のねじ挿入部のみから取付ねじを挿入して、前記各内向部に螺合して固定し、
前記各下地材の取付ねじが挿入するねじ挿入部は、面内方向に向けて斜めで、取付ねじを、その頭部が先端部よりも面内方向内側となるように面内方向に向けて斜めの姿勢で螺合し、
前記新設サッシ枠の新設上枠、左右の新設縦枠を、前記下地材に螺合した固定ねじで前記既設上枠、左右の既設縦枠にそれぞれ取り付けたことを特徴とする改修サッシである。
【0007】
本発明においては、前記下地材の取付ねじが挿入するねじ挿入部は、面外方向の室内側に向かうように斜めとすることができる。
このようにすれば、取付ねじを既設サッシ枠の室内側から螺合作業でき、作業者が既設サッシ枠から室外側に身をのり出すことなく安全に下地材を取り付けできる。
【0008】
本発明においては、前記下地材は、面外方向の中間部が面外方向に向けて略ハの字形状に折曲した基板と、この基板の面外方向室内側に設けた室内側外向片と、前記基板の面外方向室外側に設けた室外側外向片を有する断面略コ字形状で、
前記基板の面外方向中間部の折曲部分の面外方向の一側片を前記ねじ挿入部とすることができる。
このようにすれば、下地材をアルミ押出形材などの形材を所定の長さに切断して作製することができる。
【0009】
本発明においては、前記下地材は、既設上枠、左右の既設縦枠の内向凹部に嵌り込んで面外方向に動かないように支持される略直方体で、裏面には前記既設上枠、左右の既設縦枠の内向部と嵌まり合う溝を有し、表面の面外方向中間部に、面外方向に向けて略ハの字形状の凹部を有すると共に、この凹部の面外方向の一側面と前記溝に連続したねじ挿入孔を有し、
このねじ挿入孔に挿入した取付ねじを前記内向部に螺合して下地材を固定するようにしできる。
このようにすれば、下地材を樹脂などを用いて成形して製作できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、既設上枠、左右の既設縦枠に下地材を取付ねじで固定できるし、その取付ねじの螺合部分から雨水等が建物躯体に浸入することがない。
【0011】
また、各下地材を既設上枠、左右の既設縦枠に、その面外方向中間部のみを固定ねじで固定することで、面内外方向に動かないように強固に固定でき、その下地材の固定作業が簡単である。
【0012】
また、既設サッシ枠内から取付ねじを面内方向に向けて斜めの姿勢として螺合でき、その取付ねじの螺合作業がやり易い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態を示す改修サッシの縦断面図である。
【図2】本発明の実施の形態を示す改修サッシの横断面図である。
【図3】上枠部分の拡大断面図である。
【図4】左縦枠部分の拡大断面図である。
【図5】右縦枠部分の拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の下地材の斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の上枠部分の拡大断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の左縦枠部分の拡大断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の右縦枠部分の拡大断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態の下地材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1と図2に示すように、建物躯体1の開口部1aに既設サッシ枠2が残存している。
この既設サッシ枠2内に新設サッシ枠3を取り付け、この新設サッシ枠3内に障子4を装着して改修サッシとしてある。
前記既設サッシ枠2は、既設上枠20と既設下枠21と左右一方の既設縦枠22と左右他方の既設縦枠23を方形状に連結してある。
前記新設サッシ枠3は、既設上枠30と新設下枠31と左右一方の新設縦枠32と左右他方の新設縦枠33を方形状に連結してある。
【0015】
前記既設上枠20、左右両方の既設縦枠22,23には下地材5が取付ねじ6でそれぞれ固定してある。
この取付ねじ6は既設上枠20、既設縦枠22,23から建物躯体1に突出しないようにして、既設上枠20、既設縦枠22,23の取付ねじ6の螺合部分20a,22a,23aを通して雨水等が建物躯体1に浸入することがないようにしてある。
【0016】
前記新設上枠30は、固定ねじ7で下地材5に固定して既設上枠20に取り付けてある。
前記左右の新設縦枠32,33は、固定ねじ7で下地材5に固定して左右の既設縦枠22,23に取り付けてある。
図1、図2においては、新設上枠30、新設縦枠32,33と各下地材5との間にはスペーサ8がそれぞれ設けてある。
【0017】
前記新設上枠30の室内側部30a、左右の新設縦枠32,33の室内側部32a,33aにはカバー材9がそれぞれ取り付けてある。
このカバー材9は面内方向の外側(図1で上方、図2で左右方向)に向けて突出し、既設上枠20の室内側部20b、左右の既設縦枠22,23の室内側部22b,23bと相対向している。
これによって、既設上枠20の面内方向の内側部と新設上枠30の面内方向の外側部との間の隙間、左右の既設縦枠22,23の面内方向の内側部と左右の新設縦枠32,33の面内方向の外側部との間の隙間の室内側をそれぞれカバー材9で閉塞し、室内から各隙間が見えないようにしている。
前述の説明で、面内方向とは室内外側方向と直交する方向で、見付け方向とも呼ばれ、図1では上下方向、図2では左右方向である。
なお、前述の室内外側方向を以下の説明では面外方向(見込み方向)とする。
【0018】
次に、下地材5の取り付けを図3、図4、図5に基づいて詳細に説明する。
前記既設上枠20、左右の既設縦枠22,23は、面内方向の内側に向かう内向凹部20c,22c,23cを有すると共に、この内向凹部20c,22c,23cの面外方向の中間に、面内方向の内側に向かう内向部20d,22d,23dを有している。
前記各下地材5は、面外方向の室内側部5a、室外側部5bが前記各内向凹部20c,22c,23cの面外方向の室内側面、室外側面にそれぞれ接し、各内向凹部20c,22c,23cに嵌め込まれ、面外方向に動かないように支持される。
前記各下地材5の面外方向中間部5cから取付ねじ6を、前記内向部20d,22d,23dに螺合して下地材5を既設上枠20、左右の既設縦枠22,23に固定している。前記内向部20d,22d,23dの取付ねじ6が螺合した部分が前述の螺合部分20a,22a,23aである。
【0019】
このようであるから、下地材5の面外方向中間部のみを取付ねじ6で固定することで、下地材5を既設上枠20、左右の既設縦枠22,23に面内外方向に動かないように強固に固定することができ、下地材5の固定作業が簡単である。
【0020】
前記各下地材5は長尺で、既設上枠20、左右の既設縦枠22,23の長手方向のほぼ全長に亘って取り付けるようにしても良いし、各下地材5を短尺とし、既設上枠20、左右の既設縦枠22,23の長手方向に間隔を置いた複数位置に取り付けるようにしても良い。
【0021】
前記下地材5の面外方向中間部5cの取付ねじ6が挿入するねじ挿入部5dは、面内方向に向けて斜めで、取付ねじ6を、面内方向に向けて斜めの姿勢(頭部6aが先端部6bよりも面内方向内側となる姿勢)として前述の内向部20d,22d,23dに螺合してある。
このようであるから、既設サッシ枠2内から取付ねじ6を面内方向に向けて斜めの姿勢として内向部20d,22d,23dに螺合できるので、その取付ねじ6の螺合作業がやり易い。
【0022】
図3、図4に示すように、既設上枠20、左右一方の既設縦枠22に固定する下地材5は、そのねじ挿入部5dが、その面内方向室内側部が面内方向室外側部よりも面内方向外側寄りとなるように面内方向に斜め、つまり下地材5の面外方向中間部5cにおける面外方向室外側寄り部分がねじ挿入部5dで、そのねじ挿入部5dは面外方向の室内側に向かっている。
これによって、取付ねじ6を既設サッシ枠2の室内側から螺合作業することができ、作業者が既設サッシ枠2から室外側に身をのり出して作業することがないから安全である。
【0023】
図5に示すように、左右他方の既設縦枠23に固定する下地材5は、そのねじ挿入部5dが面外方向中間部5cにおける面外方向室内側寄り部分で、そのねじ挿入部5dは面外方向の室外側に向かっている。
これは既設上枠20と左右の既設縦枠22,23に同一の下地材5を取り付けて下地材5を共通化すると共に、既設上枠20、左右一方の既設縦枠22の内向部20d,22dが面外方向の室外側寄りであるのに対し、左右他方の既設縦枠23の内向部23dが面外方向の室内側寄りであるためである。
なお、下地材5を共通化しなければ、左右他方の既設縦枠23に固定する下地材5のねじ挿入部5dを面外方向の室内側に向かうようにできる。
【0024】
前記各下地材5の面外方向中間部5cにおけるねじ挿入部5dと面外方向に反対側の反対側部5eは、面内方向に向けて斜め、好ましくはねじ挿入部5dと直角となるように斜めである。
つまり、各下地材5の面外方向中間部5cは面外方向に向けてほぼハの字形状に折曲した形状で、その面外方向一側寄りがねじ挿入部5dで、面外方向他側寄りが反対側部5eである。
このようであるから、既設サッシ枠2内から取付ねじ6を面内方向に斜めの姿勢として螺合作業し易く、その取付ねじ6をねじ挿入部5dと直角となるようにして螺合することができる。
【0025】
前記既設上枠20、左右の既設縦枠22,23は、本体10と、その面外方向室内側に設けた室内側内向部11と、面外方向室外側に設けた室外側内向部12とで内向凹部20c,22c,23cを形成している。
図3に示すように、前記既設上枠20の本体10には内向ヒレ片13が面外方向に離隔して設けてあり、その室外寄りの内向ヒレ片13が前述の内向部20dである。
図4に示すように、前記左右一方の既設縦枠22の本体10の室外側寄りに内向きヒレ片13が設けてあり、この内向ヒレ片13が前述の内向部22dである。
図5に示すように、前記左右他方の既設縦枠23の本体10の室内側寄りに内向ヒレ片13が設けてあり、この内向ヒレ片13が前述の内向部23dである。
【0026】
前記下地材5は、面外方向に向かう基板50と、この基板50の面外方向室内側に設けた室内側外向片51と、前記基板50の面外方向室外側に設けた室外側外向片52とで断面略コ字形状の形材を所定の長さとしたものである。例えば、アルミの押出形材を所定の長さに切断したものとしてある。
前記下地材5は、その室内側外向片51が前記室内側内向部11の室外側面に接すると共に、室外側外向片52が前記室外側内向部12の室内側面に接するようにして取り付けられ、その室内側外向部51が前述の室内側部5aで、室外側外向部52が前述の室外側部5bである。
前記基板50の面外方向中間部が、面外方向に向けてほぼハの字形状に折曲し、その折曲部分の面外方向の一側片50a、他側片50bが面内方向に向けて斜めで、その一側片50aが前述のねじ挿入部5dで、他側片50bが前述の反対側部5eである。
【0027】
前記各下地材5は同一形状で、図3、図4に示すように既設上枠20、左右一方の既設縦枠22に下地材5が、前述の一側片50aが面外方向の室外側寄りとなるように固定する。
図5に示すように、左右他方の既設縦枠23に下地材5が、その前述の一側片50aが面外方向の室内側寄りとなるように固定する。つまり、下地材5を面外方向に反転して取り付ける。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態を図6〜図9に基づいて説明する。
この実施の形態は、下地材5が形材ではなく樹脂などによって略直方体としたことが前述の第1の実施の形態と相違し、その下地材5以外は前述の第1の実施の形態と同様である。
前記下地材5は図6に示すように、面外方向の室内側側面5f、面外方向の室外側側面5g、面内方向の一端面5h、面内方向の他端面5i、表面5j、裏面5kで囲まれた直方体で、その表面5jの面外方向中間部に凹部53を有すると共に、裏面5kに溝54を有する。
前記溝54は面内方向に連続して一端面5h、他端面5iに開口している。図6に示す下地材5は一対の溝54を面外方向に離隔して有する。
前記凹部53は、面外方向の一側面53aと面外方向の他側面53bが面内方向に向けて斜めで、この凹部53は面外方向に向けて略ハの字形状である。
前記一側面53aと前記溝54とに連続したねじ挿入孔55を有し、このねじ挿入孔55は面内方向に向けて斜めである。図6では、ねじ挿入孔55は一側面53aと直角に形成してある。
【0029】
前記下地材5は既設上枠20に図7に示すようにして固定される。
前記下地材5の室内側側面5f、室外側側面5gが既設上枠20の室内側内向片11の室外側面、室外側内向片12の室内側面にそれぞれ接すると共に、溝54が内向ヒレ片13に嵌合するようにして既設上枠20の内向凹部20cに嵌め込んで面外方向に動かないように支持する。
つまり、室内側側面5f、室外側側面5gが前述の室内側部5a、室外側部5bである。
【0030】
前記下地材5のねじ挿入孔55に取付ねじ6を挿入し、既設上枠20の内向ヒレ片13(内向部20d)に螺合して下地材5を既設上枠20に固定する。
つまり、凹部53の一側面53aが前述のねじ挿入部5dで、他側面53eが前述の反対側部5eである。
前記取付ねじ6は内向ヒレ片13から突出して下地材5に螺合している。
【0031】
前記下地材5は左右一方の既設縦枠22に図8に示すように固定されると共に、左右他方の既設縦枠23に図9に示すように固定される。
つまり、左右の既設縦枠22,23に下地材5は既設上枠20に固定するのと同様にして固定されるが、左右一方の既設縦枠22は、内向部22d(内向ヒレ片13)が面外方向の室外側寄りに1つだけ有するので、室外側寄りの溝54が内向部22dに嵌まり合い、左右他方の既設縦枠23は内向部(内向ヒレ片13)が面外方向の室内側寄りに1つだけ有するので、室内側寄りの溝54が内向部22dに嵌まり合う。
【0032】
すなわち、下地材5を既設上枠20、左右の既設縦枠22,23に兼用して固定できるようにするために、一対の溝54を有している。
なお、既設上枠20、左右の既設縦枠22,23に固定する下地材5を別々の形状としても良い。
【0033】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
この実施の形態は、第2の実施の形態の下地材5を2つの取付ねじ6で固定するようにした点が相違し、他は第2の実施の形態と同様である。
前記下地材5は既設上枠20、左右の既設縦枠22,23の内向凹部20c,22c,23cに嵌まり込み、面外方向に動かないように支持され、その裏面5kには各内向部20d,22d,23dが嵌まり合う溝54を有する直方体形状であることは、前述の第2の実施の形態の下地材5と同様で、下地材5を既設上枠20、左右の既設縦枠22,23に取り付けた状態は前述の図7〜図9と同様であるので図示を省略する。
図10に示すように、前記下地材5の表面5jにおける面内方向両端寄りにそれぞれ凹部53を有し、この各凹部53の一側面53aと溝54に連続してねじ挿入孔55を有している。
【0034】
このようであるから、下地材5を面内方向に離隔した2本の取付ねじ6で既設上枠20、左右の既設縦枠22,23に固定でき、下地材5をより強固に固定できる。
【符号の説明】
【0035】
1…建物躯体、1a…開口部、2…既設サッシ枠、3…新設サッシ枠、5…下地材、5a…室内側部、5b…室外側部、5c…面外方向中間部、5d…ねじ挿入部、5e…反対側部、6…取付ねじ、7…固定ねじ、20…既設上枠、20a…螺合部分、20c…内向凹部、20d…内向部、22…左右一方の既設縦枠、22a…螺合部分、22c…内向凹部、22d…内向部、23…左右他方の既設縦枠、23a…螺合部分、23c…内向凹部、23d…内向部、30…新設上枠、32…左右一方の既設縦枠、33…左右他方の新設縦枠。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体の開口部に残存した既設サッシ枠内に新設サッシ枠を取り付けた改修サッシであって、
前記既設サッシ枠の既設上枠、左右の既設縦枠は内向凹部を有すると共に、その内向凹部の面外方向の中間に内向部を有し、
前記既設上枠、既設縦枠に下地材を、前記各内向凹部に嵌め込んで、面外方向に動かないように支持し、
前記各下地材の面外方向中間部のねじ挿入部のみから取付ねじを挿入して、前記各内向部に螺合して固定し、
前記各下地材の取付ねじが挿入するねじ挿入部は、面内方向に向けて斜めで、取付ねじを、その頭部が先端部よりも面内方向内側となるように面内方向に向けて斜めの姿勢で螺合し、
前記新設サッシ枠の新設上枠、左右の新設縦枠を、前記下地材に螺合した固定ねじで前記既設上枠、左右の既設縦枠にそれぞれ取り付けたことを特徴とする改修サッシ。
【請求項2】
前記下地材の取付ねじが挿入するねじ挿入部は、面外方向の室内側に向かうように斜めである請求項1記載の改修サッシ。
【請求項3】
前記下地材は、面外方向の中間部が面外方向に向けて略ハの字形状に折曲した基板と、この基板の面外方向室内側に設けた室内側外向片と、前記基板の面外方向室外側に設けた室外側外向片を有する断面略コ字形状で、
前記基板の面外方向中間部の折曲部分の面外方向の一側片を前記ねじ挿入部とした請求項1記載の改修サッシ。
【請求項4】
前記下地材は、既設上枠、左右の既設縦枠の内向凹部に嵌り込んで面外方向に動かないように支持される略直方体で、裏面には前記既設上枠、左右の既設縦枠の内向部と嵌まり合う溝を有し、表面の面外方向中間部に、面外方向に向けて略ハの字形状の凹部を有すると共に、この凹部の面外方向の一側面と前記溝に連続したねじ挿入孔を有し、
このねじ挿入孔に挿入した取付ねじを前記内向部に螺合して下地材を固定するようにした請求項1記載の改修サッシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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